810 :
なまえ_____かえす日:2005/10/02(日) 23:36:47 ID:VT+dUpx+
「海に出るつもりじゃなかった」
東京大地震が起こった。
東京のど真ん中に住んでいる太郎はそのとき、学校の修学旅行で京都に来ていた。
多くの生徒が家族の安否を気にしているが、テレビは何も放送しない。ラジオに頼るもラジオも
東京の様子を伝えようとはせず、ただ淡々と増えていく死者数を伝えている。
教師の命令により、泊まっていたホテルから無断で外に出てはいけないことになっている。
教師に詰め寄る生徒もいる。「何故東京に家族の安否を調べに言ってはいけないのか」
教師は言う。「東京は無法地帯と化しているそうだ。わが校の生徒を危険にあわすことはできない」
しかし、太郎は我慢できなかった。
夜中、友人2人とホテルの窓から命がけで外へ脱出する。
京都はいつもどおりの雰囲気に見えるが、どこか人々は不安そうな顔をしている。
ヒッチハイクで東京に向かうダイスケさんの車に乗せてもらうことになった太郎と友達。
京都を出てすぐ、東京から逃げてきたと思われる人間に出会う。眼が血走っており、
顔は茶色に汚れている。友達の一人が東京の事情を聞こうと車を降りたが、血走った眼で咆哮をあげながら、
その人は、友達を刺した。何度も、何度も。
完全に正気ではない。と太郎は気づいた。と同時に顔が茶色に汚れているのは返り血によるものだと気づいた。
刺された友達は地面に崩れる。「先に行ってくれ。東京を見てきてくれ。……頼む」それが最期の言葉だった。
悲壮な思いで東京へ向かう太郎とダイスケ、それに友達。
東京へ向かうにつれ、雲が重く垂れ込み、腐敗臭が漂う。空気は重苦しかった。
高笑いし続ける人や地面に横たわったまま動かない人、ナイフをちらつかせてこちらをにらむ人などが
道路わきにたくさん、いた。
東京に入り、友達が自分の家の近くだから見に言ってくる、と言う。
車で行こうにも道が細すぎるため、ここで待つしかない。太郎は一緒に行こうかと言ったが、
友達は笑顔で「一人で大丈夫だ」と言った。
それきり友達は帰ってこなかった。
突然、ダイスケさんの側の窓が割られ、ダイスケさんの首に包丁が突き刺さる。
吹き上がる血は、まるで噴水のようだった。とめどなく流れる血。
「車を渡せ。さもなくばこいつのようになるぞ」とダイスケさんを指す包丁男。
太郎は緊張した足取りで車を降りる。
ダイスケさんの死体は無造作に地面に放り出され、包丁を持った男は車で走り去っていった。
ダイスケさんの死体はすぐに多くの人間によって身包みをはがされた。
太郎は自分の家の方向へ走った。
建物のほとんどは崩れ落ち、廃墟のようだった。どこかから悲鳴がひっきりなしに聞こえる。
どんよりとした灰色の雲が、雨が降らせ始める。
太郎は自分の家を見た。
自宅から先は、海に沈んでいた。
かろうじて自宅は床より少し上だけ浸かっているようだったが、寄せては返す波に家は浸食されていた。
太郎の家族の死体が、海に浮かんでいた。
いつもの家に帰りたかったんだ。母親と父親、弟のいる、いつもの家に帰りたかったんだ。
海に出るつもりじゃなかったんだ。
完(初めてなので要領がつかめず長くなってしまいました。すいません)
リクエスト。
「帰ってきたオレ様」
前作は出てたみたいだけど
こちらがまだでていなかったので。
他の情報はなしです。
それと質問なのですが、
一つのリクエストに対していくつかの作品ができてもいいのですか?
過去ログなどを見て、ずっと
「一つのリクエストに対して一つの推測」かと思っていました…。
810になんというか…掛け値なしに嫌悪。
細部に友人たちとの他愛ないやりとりや希望や不安が描かれながら
辿り着く絶望ならば忘れられない物語になるのかもしれないけれど。
ドラゴンヘッドのようだなあ。でも、それが決して
フィクションとも思えないのは某国の惨状を聞くからなのかなんなのか。
>811
過去ログでもわかるけど複数推測のきてる話もたくさんあるよ。
>>1のまとめサイトさんいってみそ
813 :
なまえ_____かえす日:2005/10/03(月) 11:20:25 ID:oN776z5g
タイトル「玩具修理者」
主人公は姉と弟。それに不思議なおもちゃ屋さん。
おね
814 :
どんぐりどらた:2005/10/03(月) 12:42:06 ID:qO1Z1/cY
「帰ってきたオレ様」
オレ様は小学五年生。お日様の下でクラスメートとサッカーをしたり、
リレーの選手になったりするくらいと体を動かすのが大好きな男の子だ。
暑い夏のある日、オレ様のクラスに背の低い変なやつが転校してくる。その子は小山。
生まれつき目が悪いから色の薄いサングラスをしている。
ものめずらしさから、オレ様たちは小山君のメガネを借り、奪い合うように遊び道具にする。
ものがよく見えない小山君が「メガネを返してくれよ」とうろうろする様子がおかしいと指差して笑うオレ様たち。
やっとメガネを返してもらった小山君がくすん、と鼻を鳴らしたことをそのときのオレ様たちが気づく由もなかった。
オレ様がサッカーの試合で大きな怪我をした。
二・三週間の入院のあと帰ってきたオレ様は痛々しく松葉づえをついていた。
クラスのみんなは最初オレ様をいたわってくれたものの、次第にオレ様が使っている松葉づえに興味がわき、
放課後の帰りがけ、何人かの友達がオレ様に松葉づえを貸してくれとねだる。
オレ様は軽い気持ちで松葉づえを貸してやるものの、だんだんエスカレートしてくる松葉づえを使ったいたずらに戸惑い、返してくれるように頼み込む。
ところが、友達は返すどころか、追いかけるオレ様を面白がり逃げ回る。
片足で疲れきったオレ様は友達を見失いしゃがみこむ。
しばらくして、ふとオレ様を呼ぶ声に顔を上げると小山君が立っていた。
「大丈夫か?」声をかける小山君に素直になれないオレ様。
「ちょっといじわるな気分になってきた」と小山君は言うが、サングラス越しの小山君の目は静かだった。
小山君に肩を貸してもらうが、背の低い小山君はかなり苦労する。オレ様は小山君にすまない気持ちでいっぱいになるが
「ぼくの足は動くから、君に貸してあげることぐらい訳ないさ」としれっとしている。
苦労して立ち上がった二人はやっぱり苦労して松葉づえを取り返す。
松葉づえでオレ様がようやく歩けるようになった時、急に力が抜けた小山君が座り込んでしまう。
オレ様は松葉づえをうまく使って水のみ場でハンカチをぬらすと小山君に渡してやる。
「ありがとう。道具って便利だね。」小山君が濡れたハンカチで顔をぬぐいながらオレ様の松葉づえをみて笑う。
「・・・ないと困るものだよな。」
と、オレ様もうなずいて、あらためて小山君のメガネに目をやった。
小山君のメガネはきらりと夕日を跳ね返し、オレ様の顔を赤く染めた。
オレ様は目をそむけることなく、小山君に言った。
「小山、一緒に帰ろうぜ。サッカーの話、してやるよ。」
おしまいです。
>>814 おおぉ、正統派ジュブナイル。
綺麗にオチてて普通に感動しました。
自分も何か書こうと思いましたが
「帰ってきたオレ様」と綺麗なジャイアンのイメージが被ってどうにもorz
816 :
なまえ_____かえす日:2005/10/03(月) 20:40:40 ID:wK3X2Qr/
>>812 自分も「ドラゴンヘッド」を連想した。
ていうか、もろパクリじゃないのか?
現実に即すると関東大震災当時のパニックに近いかもしれんけど。
>>814 名前欄名前欄ー(笑)
いや、いいもの書く人は違う話でもいいの書くね。GJ!
リクエストします。
「オ・ヤサシ巨人BFG」
・表紙は女の子と巨人
・女王が出てくるらしい
819 :
どんぐりどらた:2005/10/09(日) 15:23:57 ID:/KmDq4KT
「海に出るつもりじゃなかった」
ずーーーーっと頭から離れなかったのですが、
どうしてもニジマスとシャケの悲恋物語になってしまいます。
同じ川で生まれ、同じ川で育つオスのニジマスとメスのシャケ。
ニジマスは「ニジマスのニジは虹って意味なんだ。虹を背負って大きくなるんだ。」
とことあるごとに幼なじみのシャケに話します。シャケはそんなニジマスくんを応援するのです。
あるとき、シャケは大人のシャケさんから
「シャケは大きくなると広い海に出てすてきな恋をして卵を作り、またふるさとに帰ってたくさんの命を産み落とすんだよ。」
と教えられます。恋を知らないシャケは物語のように大人になり海に出ることを夢に見ます。
話を聞かされたニジマス君は面白くありません。
「広い海に出る?それは男の見る夢にふさわしい」とシャケの話を突っぱねてしまいます。
シャケとニジマス君はそのままケンカになり、お互いの意地と行き違いから仲直りが出来ずやがて大きくなります。
シャケは本能のまま海に向かって旅立ちます。ニジマス君にほんのちょっぴり心を残したまま。
シャケがいなくなり、ニジマス君は初めてシャケへの想いに気がつきます。
大きな清流の中、ニジマス君はひたすらシャケを追い求めます。
しかし、本能には逆らえない。ニジマス君はふるさとから離れることは出来ないのです・・・。
ニジマス君は川の水面を虹色に照らす日の光を見つめ、叶わぬ恋にそっと別れを告げました。
月日がたち、海に出たシャケたちが大きなおなかを抱え帰ってきました。
ニジマス君と仲のよかったシャケの姿もありました。
ニジマス君は人知れずそっとシャケのそばによりました。
しかし・・・「・・・海に出るつもりじゃなかった・・・」
と、シャケは呆けたようにうわごとを繰り返すだけ。シャケの心はずたずたでした。
素敵な恋を夢見て本能のまま広い海への旅に出たものの、それは過酷な旅でした。
キズだらけでたどり着いた海で待っていたもの、それは素敵な恋などではありません。本能だけの命の営みだったのです。
そうして卵を抱え、また、本能の赴くままこのふるさとへと帰ってきたのです。
心をなくしてしまった哀れなシャケはおなかに卵を抱えたまま、すっかり子どもに戻ってしまいました。
しかし、そんなシャケに誰も見向きもしません。
みんな生きるのに必死なのです。命を残すのに必死なのです。
そんなシャケも本能に赴くままたくさんの卵を産み落とします。
そして自然のまま命を終えていきました。
残されたニジマス君はシャケを思い胸が張り裂けそうでした。
しかし、ニジマス君にも本能があるのです。気がつけば卵からかえる幼魚を・・・。
ニジマス君は泣きました。一体なんなのだろう、生存本能という自然、運命とは!!
やがて、ニジマス君にも死の瞬間が訪れます。
薄れゆく意識の中、ニジマスは生き残る幼魚の群れを見ます。
頼りなくもたくましい群れたちは虹のように日の光を浴びながら、
自然を楽しんでいるのです。
ニジマスは安らかな想いで水面の上に光る空を見上げました。
碧い空には大きな大きな虹がかかっていました。
・・・勢いで書いてしまったけど・・・生態はまったく知らないんですよね。
ニジマスとシャケって卵の姿かたちは似てるように思えるけど、成魚は大きさまったく違うよな。
いや、そもそも同じ川にすむのだろうか・・・。ま、いっか、終わりです(児童書ではいい加減なのは問題がありそうだけど)。
でも書いてて、ちょっと『野菊の墓』が頭に浮かんじゃいました。
820 :
なまえ_____かえす日:2005/10/12(水) 22:55:49 ID:eQJ8lZTN
「海に出るつもりじゃなかった」、人気だな。これで4作目か。
リクエスト「くんれんばっちり」
・主人公はリュックしょった竜の子どもらしい。
・表紙のイラストは主人公らしき竜の子が着物着たおばさんキツネと踊り踊ってる絵。
「オ・ヤサシ巨人BFG」
草間大作君と共にBF団の野望を挫く心優しき大巨人、
BigFireG(R1)ことジャイアントロボ(OVA版)の翻案ノベライズ。
作者・出版社がライノベ系だったため草間少年は萌え女子に変更、
ビッグファイアが女王だったり十傑衆は軒並み美少女と据え変えられている
(何故か国際警察機構側は静かなる中条長官だけが妙齢の美女。
衝撃のアルベルティエが黒髪ロンゲの片メガネゴスロリ、
激動たるカワラザキが車椅子の薄幸少女だったのにはワラタ)が、
キャッチーなキャラデザと萌えて燃えて泣かせるシナリオにより
一部の大きなお友達から絶大なる人気を博したものの、
コアな原作(OVA版)のファンからは
「原作イメージぶち壊し」「作品の陵辱」「市場に迎合しすぎ」
「話纏める力量がないから最終巻が出ない」「余計なもん出すなら最終巻出せ」
などなど戦犯扱いされている。
「うんこのかえだま」想像。
汚い話かもなので注意。
今年も、このイベントがやってきた。
文化祭。
文化祭自体は楽しいし好きだ。
問題は…その前にある、検便。
模擬店をだすクラスは、全員事前に提出しなければならない。
小学生に何をやらせるんだ。
恥ずかしいったらありゃしない。
僕は、よろこんで便を提出するような低脳なやつらとは違うんだ。
ああ、明日が憂鬱だ…。
思いついたのは、「ニセモノの便」を提出すること。
材料は何がいいだろう…。
ニセモノだとばれてしまっては意味がない。
台所をあさっていると、味噌を発見した。
ベタだがこれがベースとしては一番いいと思う。
赤味噌と白味噌をブレンドする。
うん、それっぽくなってきた。
もう少し赤味噌を足した方がいいか…。
田楽につける、黒っぽい味噌も少しだけ入れよう。
野菜くずを小さく切って混ぜた方が、リアルになるかもしれない。
僕は、こうしてニセモノの便作りに熱中した。
完璧だ。
これで恥ずかしい思いをすることもなくなる。
自分の作戦に、僕は一人でにんまりとした。
そして、検便の検査結果が出る頃。
一人の少年が保健室へ呼ばれ、こっぴどくしかられたのは言うまでもない。
※この話はフィクションです。
よい子の皆さんは、まねをしてはいけません。
リクエストします。
「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間」
・母の一言で言葉を失った少女が、祖父母の愛と死を経て変わっていく姿を描く感動作、らしい
・主人公の少女の名はあすか
そこまでいっちゃ想像の余地があんまないよね
826 :
なまえ_____かえす日:2005/10/20(木) 22:08:10 ID:4PJRUAUf
「ウンコのかえ玉」
人間化したウンコが、主人公に代わって替え玉受験をする話だと思った。
827 :
なまえ_____かえす日:2005/10/21(金) 20:29:00 ID:phMCHk2p
「ウンコのかえ玉」
駄菓子屋のあんこ玉が実はウンコで出来ていて(ry
リクエスト
「教室二○五号」
チラッと見て面白そうなタイトルだなあと。
「教室205号」
突然の災害かなんかで学校の校舎が使えなくなり、
やむなく、近くのホテルが一時的な教室として部屋を提供することになった。
主人公たちのクラスは205号室。
今まで見たこともないホテルの部屋での授業にわくわくし、先生の制止も聞かず
ベッドで跳ねたりカーテンを開け閉めしたり、勉強どころではない子供たち。
ついに堪忍袋の緒が切れた先生は、子供たちを残して授業放棄、
ドアを閉めて去ってしまった。
そして、1時間たっても2時間たっても帰ってこない。
さすがに不安になった子供たちは、謝りにいこうかとドアを開けようとするが、
鍵が掛かって開かない。フロントへ繋がるはずの電話も、なぜか通じない。
一体どうなってるの? 閉じ込められたのか? 待っていれば誰か来るのか?
とりあえず鍵を開ける方法を考えたほうがいいのでは? ていうかおなかすいた!
と、議論したり喧嘩したり工夫したり協力したりいろいろする物語。
>>829 ちょっとホラーっぽい展開にドキドキしました!!
何かタイトルがすごくかっこよく見える。
こういう本があったら、読みたいなあ。
リクエスト。
「ブラック・ウィングス、集合せよ」
少年たちと一匹の犬が活躍する話らしい。
831 :
なまえ_____かえす日:2005/10/27(木) 19:45:15 ID:r87scnJv
リクエスト「ぼくたちもそこにいた」
・ヒットラー・ユーゲントに入った三人の少年の話だそうです。
リクエスト
「ボク、ただいまレンタル中」
身寄りの無いお年寄りの一日孫になったボクのお話らしい。
833 :
なまえ_____かえす日:2005/10/30(日) 13:14:15 ID:yIdA/IlP
ダレンシャン
ダレンシャンという名前の魔法少女がいました。
ロッキンロビンという男の人がいました。
ふたりはけっこんしましt
だめだ興味ないからわかんねぇ
834 :
なまえ_____かえす日:2005/10/30(日) 15:02:20 ID:05w7tIzU
デルトラクエスト
少年(勇者)が、仲間を増やしつつ敵を倒していく冒険物
何処と無く私的にドラクエっぽいイメージがある本。
デルトラクエスト
トラック野郎を父に持つ譲二(当然名前はジ/ョージ山/本から)は
夏休みの自由研究として、父の仕事に密着取材を選んだ。
父のトラックは、世間で言うところの「デコトラ」。
どこかの浮世絵みたいな絵と、ピカピカでは済まされない
派手な電飾のついた、動く歌舞伎町みたいなトラックだ。
「いつも思うけど、お父さんのトラックって派手だねえ」
「いいや違うぞ。俺のトラックなんざあまだまだ地味だ」
そういう父が語る、ある伝説のトラックは、
「走ればエイトマンのごとく、力強さはアトムのごとく、
その艶姿は香港の夜景すら霞む」そうだ。
しかし、そのトラックを見たものはなく
トラックのどこかに「デルトラ」と書かれてるのが唯一の手がかり…らしい。
そんな親子の前を横切る一台のトラック。
ふと見たナンバーには「Delu-Tora」の文字が。
仕事そっちのけでトラックを追いかけ始める
父と子のひと夏の冒険物語。
…けどお父さん、仕事しないと首になっちゃうよ!(譲二:談)
836 :
なまえ_____かえす日:2005/11/02(水) 13:12:18 ID:Nu+u8Mgp
「ずっこけ魔女がんばる」
ドジな魔女ばあさん三人組が主人公。
魔法の薬の調合を間違えて大変な目に遭ってしまい
元に戻すために右往左往。
>>824 「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間」
・母の一言で言葉を失った少女が、祖父母の愛と死を経て変わっていく姿を描く感動作、らしい
・主人公の少女の名はあすか
「ことば」がリアルな事象として、物理法則と同じように現実的な強制力を持つ世界を舞台にした、ハード・ファンタジー。
それは「ことだま」が現存する世界であり、「はじめに言葉あり」として始まった世界である。
言葉を失わせる言葉は他者への攻撃として最大級のものであり、この世界では殺人に匹敵する罪である。
ヒロイン・あすかは、優秀な「創言師」である母親からこの攻撃を受け、幼少時に言葉を失った。言葉を失うということは、この世界ではすべてを失うことであり、他者との関係性の一切から切り離されるだけでなく、現実的な物理世界からも存在が失われることである。
すべての創言師の師であり、いまは引退した偉大な言葉使いであった祖父母は、創言界に変革と混沌をもたらしたわが娘の罪を償うためにも、ことばを失った孫娘を現実世界に留めようと必死の努力を重ねる。
それは「創言」という行為を超えた、新たな「言語=現実操作能力」を開発する過程でもあった。
無意味であり一貫性の無い灰色の精神の荒野を漂っていたあすかは、6才になったときときはじめて、この自分を取り巻く世界ならざる世界とコミュニケートする術を自得した。それは認知障害の子供の成長とにて無くもない。
祖父母の呼びかけと、言葉からの遮断という母から与えられた過酷な条件によって、あすかは明確な言葉になる以前の自分の「おもい」を、ことばを使わずに他者に伝える方法を編み出した。
それは「創言」に変わる、まったく違った能力が生み出された瞬間でもあった。
言葉がすべてを決める世界で、言葉無くして世界を操作できる能力を得たあすかは、言葉世界の女王として君臨する母の元に向かう。
母との愛憎渦巻く戦いの中、祖父母を失うことで能力を完成させたあすか。それはいつしか、言葉でできたこの世界全体を揺るがすものとなる。そんな彼女を人々は「世界破壊者」と名付け、呼んだ。
それは真なるあすかの誕生日、ハッピーバースデイだった。
戦いは長く長く続いた。言葉が意味を無くしてゆく中で、「長い」「短い」という言葉も意味を無くし、時間も永遠のようであり、一瞬のようでもある。
言葉無きものがどう生き得るのか? それは言葉を極めた超天才であったあすかの母親が、我が子によって確かめようとした実験であり、我が子に託した試練でもあった。
母を倒したとき、それが母の贈り物でさえあったことを知ったあすかは、ついに母と和解し、許すことができるようになった。母の(精神的な)死とともに、あすかは言葉の世界を終わらしめることになった。
そしてその後どんな世界がやって来たのか、誰も知らないし、誰もがしっている。
>>837-838 なんか、漢字が多くて固い文章のせいか、小難しそうな話だな。
リクエスト
「もったいないばあさん」
あえてタイトルだけで。
バッテリー
よろしくメカドックの続編。
エンディングテーマは「よろしく俺にチューンナップ♪よろしく俺に〜チューニング♪」
841 :
なまえ_____かえす日:2005/11/04(金) 19:38:54 ID:ykDpm3ww
なんか、最近、リクエストされた作品を推測するって形式が崩れてるな。
自分で勝手に推測したのが面白ければ、それでもいいんだけど、なんかどれもイマイチで、書いてる本人だけ楽しんでるみたいで、読んでてもしらける。
えぇっ!リクエスト必須だったんですか?「勝手に推測」なのに…
自分結構勝手に書いちゃったよ。
まあ、最近はリクエスト形式が主流になってるけど
まとめサイトさんの歴代スレッドとか見てみるとわかるけど
もともとは勝手に推測でいいんだよ。
ダジャレネタが多いのが
>>841のお気に召さなかったということだろう。
SF板よりゃはるかにマシです>ダジャレ率
846 :
なまえ_____かえす日:2005/11/05(土) 21:09:30 ID:i5ZhCLYG
それ以前にダジャレにもなってない気がしないでも…
リクエストしてるのはどこぞのバカだろうと思ってスルーしてた。
そもそんなスレじゃないし。
…釣りか?
849 :
なまえ_____かえす日:2005/11/06(日) 13:11:25 ID:ujtcvqmu
>>847 このスレのレス全部最初から読んで、それでも釣りだと思うんなら、仕方ないけどね。
それはともかく、未消化のリクエストの推測も読みたいんだが。
ここしばらくの流れだとリクエストにに応えにくい雰囲気はあるかもしれないけど。
んじゃ
>>831 >「ぼくたちもそこにいた」
>ヒットラー・ユーゲントに入った三人の少年の話だそうです。
1938年にヒットラー・ユーゲントが来日した時。
端正な金髪碧眼、すらりとした長身にまとった漆黒の制服、
胸に輝くハーケンクロイツ。
ヒットラーの理想を体現化したこの若者らは、
当時の日本人に大変な人気となった。
「格好いいなあ」「僕も独逸に生まれていればなあ」
「馬鹿、お前なんか、独逸に生まれたってユーゲントに入れるもんか」
「入ってみせらあ」
ヒトラーユーゲントに憧れるあまり、
彼らの宿舎の周りをうろついていた三人の日本人少年は、
一人の独逸少年がうろたえた様子で宿を飛び出してくるのに出会った。
大事なハーケンクロイツの徽章を落としてしまったらしい。
「大変そうだな」「きっと隊長に殴られるんだよ」
「僕たちも探すのを手伝おうじゃないか」「見つけても横領は無しだぜ」
探すうちに、徽章はある好事家が持っていることが判明する。
怪しい男が売りにきたのだ。
しかもその男は、金を出すならもっと持ってくると言ったというのだ。
さては、宿から盗み出すつもりに違いない。
ユーゲントの当地での滞在はあと一日。犯人は今夜来る!
三少年の張り込みのおかげで、犯人は無事捕らえられた。
憧れのユーゲントの隊長に誉めてもらって大喜び。
思わず兄貴仕込みの独逸語で「イッヒ・リーベ・ディッヒ」と叫ぶ。
怪訝な顔の隊長だが、
通訳が「彼はユーゲントを敬愛していると申しております」とすかさずフォロー、
隊長はにこにこ笑って少年達の肩をバンバン叩きながら、独逸語で何か言う。
通訳「君達は我がユーゲントの仲間である、とおっしゃっておいでだ」
やった、僕たちもユーゲントに入れたんだ…
それから70年。かつての三少年のうち二人はすでに鬼籍に入った。
残された一人は、往時の写真を眺めては、胸のうちで友に語り掛ける。
「ぼくたちもそこにいた。確かにあのとき、そこにいたんだ。」
851 :
どんぐりどらた:2005/11/07(月) 16:01:19 ID:cW6SACEx
「もったいないばあさん」
竜彦は小学三年生。親の離婚が元で母と母親の祖父母と住むことになった。
転校初日。人懐こい性格の司は早々にクラスになじみ、楽しい学校生活になると思っていた。
ところが2-3日もたつうちに、クラスの仲間の態度がよそよそしくなってくる。
参観日の日、竜彦がかけっこでクラス一番になった時、友達が自分のことを
「よっぽどいいものを拾って食べてるんだな」とせせら笑うのを聞いた。
悔しくなった竜彦は大人たちの目の前で友達に飛びかかっていった。
「俺のことばかにしやがって」殴りつける竜彦に友達は叫んだ。
「だってお前拾いモンばあさんの孫じゃないか!」
竜彦は驚いて周りの大人たちを見上げると大人たちは誰もが口をつぐみ目を背けた。
家に帰って母に事情を問いただした。母は祖父母のいないときを見計らって竜彦に切り出した。
「おばあちゃんはボケておかしくなってるの」
竜彦の両親が別れた原因も1つはそれがあったと言う。愕然とする竜彦。
それ以来竜彦は変わった。給食以外のものを食べなくなってしまったのだ。
祖父母は首を傾げるばかり。母は口では叱るものの忙しくそれ以上構ってやることができない。
腹をすかした竜彦は祖父母に辛くあたる。とがめる心があるものの竜彦にはどうしていいかわからない。
そんなある夕暮れ時、竜彦が帰り道のコンビニをとおりかかると人だかりができていた。
ふいに覗いてみるとゴミ箱をあさる祖母がコンビニの人に押さえつけられている。
思わず「やめろよ、ばあちゃん!!」竜彦が抱きつくと両手に残り物を抱えた祖母が、
「しろうのごはんだよ・・・。しろうに食べさせなきゃ・・・」と竜彦に押し付けようとする。
「拾いモンなんか食えるかよ。ばあちゃんなんか大嫌いだ!!」
力いっぱい払いのけた弁当が散らばった。それを見た祖母は力なく崩れ落ちた。
周囲が大騒ぎになる中、竜彦はその場に座り込んでしまった。
・・・ちょっと時間がなくなりました。続きはまた今度書き込みます。
852 :
なまえ_____かえす日:2005/11/07(月) 19:34:05 ID:McegZ4BV
>>850 うーん、そう来たか。
三人が日本人の少年っていうのは、意表をついてたな。
一ヶ月書き込み無とはちとびっくり
よし、お題出そう。
「ふたつの島」で頼む。
855 :
なまえ_____かえす日:2005/12/08(木) 21:30:36 ID:DQ6Xi4RO
>>854 「ふたつの島」
海にならんで浮かぶ、同じくらいの大きさのふたつの島を擬人化して描いた社会風刺的な寓話。
ふたつの島は観光名所で船や岬から多くの観光客が見に来ていた。
そのうち、「あっちの島の方がいい」、「いや、こっちの島の方がきれいだ」とそれぞれの好みが二分して論争になった。
それを耳にした島同士ももとは仲よくのんびりならんでいたのに、お互いライバル視してピリピリと険悪な仲になっていった。
そして、相手より自分の方が優れているのを誇示しようと、むりに膨張して大きくなろうとしたりしてるうち、結局、どっちの島も無理がたたって崩壊し、海の中に跡形もなく消えてしまいましたとさ。
よし!お題だ!ちょっとタイムリーに「ゲド戦記」で。
前に出たときの推測面白かった>ゲド戦記
たしかトンデモ外道野球部物語だったっけ
858 :
なまえ_____かえす日:2005/12/14(水) 22:29:25 ID:qsfC9mu+
自分は既に内容を知ってる本なんだけど、リクしていいかな。
「ほんものの魔法使い」
・流れ者の男&その愛犬のコンビが主人公
・魔法使いの街と、そこに暮らす女の子が物語に登場する
・裏表紙は卵のイラスト
「ほんものの魔法使い」
ここは魔法使いの街。
この街に暮らす魔法使い達は占いの店や魔法で作った薬を売って生計を立てている。
町外れの魔法薬店の魔法使いに弟子入りしている男がいる。
ある日隣の家の女の子が奇病にとりつかれ、
師匠の魔法使いに女の子を治してもらおうとするが、
師匠は「この子の病気はほんものの魔法使いにしか治せん」と言う。
「師匠はほんものの魔法使いはないのですか」と尋ねる男。
「わしは魔法使いだがほんものの魔法使いではない」
「どういうことですか」
「その答えはおまえが自分で見つけねばならん。ただ一つだけ言えるのは、
この街にも、世界中にもほんものの魔法使いは一握りしかおらんということだけだ」
ほんものの魔法使いを探して愛犬と旅をする男。
旅先で不思議な鳥の噂を聞く。
その鳥の卵を食べるとどんな病気も治るという。
ほんものの魔法使い探しと平行して鳥を探すことにする。
幾多の困難を乗り越え、
時には愛犬の助けを借り、時には師匠から教わった魔法で危険を逃れ、
とうとう鳥を捕まえて魔法使いの街に帰る。
ところが鳥は卵を産まない。
鳥はほんものの魔法使いの血をすすらないと卵を産まないと言う。
困り果てた男は、
「自分はまだまだ半人前の魔法使いだが、自分の血でももしかしたら・・・!」
と腕をかっきって血を与える。
見事鳥は卵を産み、女の子は一命を取り留めた。
実は「ほんものの魔法使い」とは、
魔法を自分の為や商売の為ではなく、大切な誰かの為に、
自分の身に降りかかる危険も省みず使える魔法使いのことだった。ちゃんちゃん。