上訴の分岐点

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31霊能者バスターズ ◆KNcoA0o1ck
>>7
> 【上訴の要件】
これらは完全に満たされるので、この前提の議論は不要でしょう。

> 【控訴権】
> 【控訴を提起できる者】
これらも同上

> 【控訴の利益(不服申立ての利益)】
議題はこれになりますね。利益をどこに求めるかです。

(A)形式的不服説
これはご指摘の通り、多数説で無難でしょうね。別訴が味噌です。

(B)実質的不服説
この新要求は恐らく存在しないので、説の不支持者を懸念する必要はないでしょう

(C)新実質的不服説
原告はこれを採用すべきでしょうね。

> 上訴以外の方法では得ることのできない利益が存在する場合(上訴以外の方法では回避することので
> きない不利益が存在する場合)に上訴の利益を認める見解である。
原告代理人の不手際により自白してしまったことで不利になった。
しかし、原告の自白内容の発言属性に相等する被告の発言が存在することを裁判上で知られることもなかった。
審理が終ってしまって、この事実が内容に盛り込まれない以上、原告の不利益を回避することはできない。
その説明は以下の文章ですね。

例:(c1)第一審で敗訴の当事
> 者は、第一審判決が確定するとその既判力により不利益を受け、それから逃れるためには上訴によら
> なければならないから、上訴の利益がある;(c2)黙示の一部請求を全部認容された原告は、第一
> 審判決が確定すると残部請求を遮断されるから、追加請求のための上訴ができる。他方、明示の一部
> 請求を全部認容された原告は、残部について、別訴で追加請求することができるから(判例の立場)
> 、請求拡張の為に控訴を提起する利益を有しない。(c3)その他、形式的不服説が例外的に上訴の
> 利益を肯定するa2,a3の場合についても、上記の原則に従い、上訴の利益を肯定する。


(D)自己責任説(新実質的不服+自己責任説あるいは折衷説)
ここで議論を進めるものとしてはこの栗田説がいいのではないでしょうか?

> 上訴の利益の判断にあたっては、新実質的不服説の意味での不服概念を基礎にすべきであるが、当事
> 者の原審における行動についての自己責任も考慮すべきであるとして、裁判所が当事者の申立てに拘
> 束される場合には、当事者は自ら求めた裁判による不利益を甘受すべきであり、原則として、その不
> 利益は上訴の適法性を根拠づけないとする説([栗田*1985a]76頁以下)。自己責任の視点から、黙
> 示の一部請求の全部認容判決を得た原告について上訴の利益を肯定されるのは、第一審の口頭弁論終
> 結後に初めて残部の存在に気づいた場合に限定されるべきであるとする([栗田 *1985a]67頁以下
> )。他方、身分関係訴訟については、身分関係の重要性は自己責任の原則を上回るとして、例えば、
> 離婚請求を認容された原告が請求放棄のためにする控訴も許されるとする。

比較検討についてはまた機会があればお話しましょう。

#被告はバスタ(私)の陳述書の無効性を主張していますので、それに係わる被告の陳述書、準備書面を控訴審では
無効として審理され、更に不利になるでしょう。