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「宇宙戦艦ヤマト」などで知られる漫画家松本零士さん(68)が、
シンガー・ソングライター槙原敬之(37)作詞・作曲の曲「約束の場所」(歌・ケミストリー)の詞の一部が「銀河鉄道999」のセリフの無断使用と主張していることが18日、分かった。
訴訟などは考えてないが、槙原の謝罪を求めており、今後の双方の出方が注目される。
松本さんが無断使用と指摘したのは、歌詞の「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」というサビの部分。
「約束−」は女優長沢まさみが出演するCMにも起用され、この部分が流れている。
松本さんは、この詞が「銀河鉄道−」に使った「時間は夢を裏切らない、夢も時間を裏切ってはならない」と合致すると主張している。
「銀河鉄道−」は77年に連載が始まり、78年にアニメ化。79年に映画化もされ、
このセリフは単行本(21巻)に収録され、映画でも使用されて、ファンの間では名セリフとして定着している。
CM曲の歌詞が似ているとの指摘を受けた松本さんは、槙原側に電話をかけ、本人と話したところ「最初は(盗作と)違うと。
話してるうちに『記憶に残っていたのかもしれない』と言いだした。
ならば文書で謝罪してくれと言うと、できないと言った」という。その後、レコード会社社長らが松本さんを訪ね、謝罪した。
しかし、松本さんは槙原が同席しなかったことを不快に思い「創作家同士のプライドの問題。
男同士なら分かってほしい」と本人の謝罪を要求した。
松本さんは「ここ10年ほど、私の講演テーマとして、若者に何度も何度も語りかけてきた言葉を、第3者によって世間に紹介されるのは腹が立つ。
謝罪さえあれば、今からでもいい」としている。
現段階では、著作権侵害をめぐる訴訟やCM曲使用差し止めなどを求めるつもりはなく、詞の「出典」を明示することなどを求めている。
(日刊スポーツ) - 10月19日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061019-00000047-nks-ent -------
とのことですが、仮にこれが法廷闘争に発展した場合、そもそも「法律上の争訟」にあたるんでしょうか?
あまり消極説というのは聞いたことがないのですが…
こうした争いの「宗教上の争い」との区別の限界はどこにあるのでしょうか? 実体法上の権利の有無という一点で判断すれば良いのでしょうか。
「板まんだら」事件の最高裁判所判例(最判昭和56年4月7日民集35巻3号443頁)では
「具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式」をとっており、
「信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断は請求の当否を決するについての前提問題であるにとどまる」ものとされていても、その判断が「必要不可欠」で、訴訟の「核心」とされている場合には、終局性を欠き「法律上の争訟」にあたらないと判示しています。
すると、著作権という実体法上の権利を争う場合であっても、こうした詩やフレーズのような芸術作品の類似性判断については、「信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断」に近い判断となってしまわないでしょうか?