■【合憲判決】 最高裁 【靖国参拝】■

このエントリーをはてなブックマークに追加
633法の下の名無し
安倍官房長官の靖国参拝に関して様々あった閣僚発言の中で、杉浦法相の発言、
「国内問題だから」というのが問題になってませんね。不思議です。

日本は中国に対し第二次世界大戦で甚大な被害を与えた事に対し、正式に
謝罪してるわけですが、国際法的には謝罪(satisfaction)というのは単なる
国際儀礼ではないですね。国家責任を解除するための、広義の賠償(reparation)の
一部をなすれっきとした法行為です。

現職閣僚の靖国参拝が、国際法上の賠償を無意味化させるような法効果を持ったら、
これは新たに国家責任を負うということになるでしょう。法務大臣はここまで
考えた上で「国内問題」としたのかどうか、法務省に説明責任はあると思います。
634法の下の名無し:2006/08/06(日) 12:07:11 ID:6CkVnSC6
>>633
日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明(日中共同声明)
1972年9月29日 北京で署名
(前略)
日中両国間の国交正常化問題をはじめとする両国間の諸問題及び双方が関心を有する
その他の諸問題について、終止、友好的な雰囲気の中で真剣かつ率直に意見を交換し、
次の両政府の共同声明を発出することに合意した。
(中略)
5 中華人民共和国政府は、日中両国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の
請求を放棄することを宣言する。

6 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、
内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の
恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
 両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の
関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に
訴えないことを確認する。
(以下略)
>中華人民共和国政府は、日中両国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の
>請求を放棄することを宣言する。
日本は中国に対し現時点において賠償義務(国際法上の国家責任)を負っていない。
また、「戦争賠償の請求を放棄」は、金銭賠償のみならず原状回復、満足
(satisfaction>>633のいう謝罪)を含むと解される。

>主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵
>内政に対する相互不干渉
>>563-565
635法の下の名無し:2006/08/06(日) 12:08:24 ID:6CkVnSC6
日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約(日中平和友好条約)
昭和53(1978)年10月23日 条約第19号 昭和53(1978)年8月12日 北京で署名
10月18日 国会承認
10月23日 批准書交換・発効(外務省告示296)
(前略)
第一条
1 両締約国は、日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、
相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の
上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、
すべての紛争を平和的手段により解決し武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認
する。
第二条
 両締約国は、いずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域に
おいても覇(は)権を求めるべきではなく、また、このような覇(は)権を確立しようと
する他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。
第三条
 両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する
相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の
交流の促進のために努力する。
第四条
1 この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書交換の日に効力を生ずる。
この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところに
よつて終了するまで効力を存続する。
2 いずれの一方の締約国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与える
ことにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させる
ことができる。
以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。
 千九百七十八年八月十二日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により
本書二通を作成した。
 日本国のために     園田 直
 中華人民共和国のために 黄  華
636法の下の名無し:2006/08/06(日) 22:03:42 ID:ddK0+sjS
>満足 (satisfaction>>633のいう謝罪)を含むと解される。

謝罪あるいは戦争犯罪人の刑事責任確認を前提にして共同声明、友好条約が成立した
にもかかわらず、その後政府が前提を否定したという論理構造かと思いますが。
637法の下の名無し:2006/08/07(月) 01:16:55 ID:4SrYbqHZ
>633
>現職閣僚の靖国参拝が、国際法上の賠償を無意味化させるような法効果を持ったら、
>これは新たに国家責任を負うということになる

(1)謝罪について
「日本側は、過去において日本国が戦争を通して中国国民に重大な損害を与えたことに
ついての責任を痛感し、深く反省する。」(日中共同声明>>634中略部分より引用)

日中共同声明において、この部分が「満足」(satisfaction>>633のいう謝罪)にあたり、
同声明で「日本国に対する戦争賠償(満足=謝罪>>633)の請求を放棄」しているので、
日本としてこの時点以降、中国に対し謝罪をする国際法上の義務はないといえる。

よって、「法効果」は、国際法上の法効果である「国家責任」を発生させることを
いうと解されるところ、国家責任の発生要件として「国際違法行為(国際法上の義務
違反または不履行の存在)」が必要となる。そこで、日中共同声明及び日中平和友好条約
をみると、そのような国際法上の義務は認められておらず、むしろ
>日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、
>内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間
>の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。(>>634日中共同声明)
>主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉
>>635日中平和友好条約第一条)
>内政に対する相互不干渉の原則に従い(>>635日中平和友好条約第三条)
というように内政不干渉の義務が認められている。
また、現職閣僚の靖国参拝は、「神社への単なる参拝」であること及び後述の理由により
「国内問題(国内管轄事項)」であるといえる。
したがって、現職閣僚の靖国参拝は「国際違法行為」にあたらず「新たに国家責任を
負うということ」にはならない。
638法の下の名無し:2006/08/07(月) 01:19:07 ID:4SrYbqHZ
>>636
>戦争犯罪人の刑事責任確認を前提にして共同声明、友好条約が成立した

(2)戦争犯罪人の刑事責任確認について(>>637でいう後述の理由)
日中共同声明の文章上「戦争犯罪人の刑事責任確認を前提」としているかまたはその
ように解釈できる箇所はない。また、日中平和友好条約にもそのような箇所はない。
中国側は、「戦争犯罪人の刑事責任確認を前提」と主張しているかもしれないが、文書に
そのような前提がない以上、その主張は国家責任の解除の前提とはいえない。
なお、「日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)」には、中華民国及び中華人民
共和国の両者とも当事国となっていない。

したがって
>戦争犯罪人の刑事責任確認を前提にして共同声明、友好条約が成立した
>にもかかわらず、その後政府が前提を否定したという論理構造
は認められない。

>杉浦法相の発言、「国内問題だから」というのが問題になってませんね。不思議です。

以上により「現職閣僚の靖国参拝」は、「国内問題」であると法的にいえる。
よって、杉浦法相の「国内問題だから」との発言が何ら問題とならないのは当然である。
639法の下の名無し:2006/08/07(月) 02:03:35 ID:w72Z61vG
>日本としてこの時点以降、中国に対し謝罪をする国際法上の義務はないといえる。

謝罪を無意味化する言動を慎む国際義務はありますね。現物で賠償をして、気が変わったから
取り戻す、なんてことが国際違法行為であるのと同じ事です。

国際問題でなければ欧州の国際法辞典が靖国合祀問題に言及したり、英国の安全保障雑研究機関
の雑誌が大きく写真入りで取り上げることもないでしょう。
640法の下の名無し:2006/08/07(月) 02:59:55 ID:4SrYbqHZ
>>639
>謝罪を無意味化する言動を慎む国際義務はありますね。現物で賠償をして、気が
>変わったから取り戻す、なんてことが国際違法行為であるのと同じ事です。

国家間の賠償の合意によって「現物で賠償」したのならば、現物で賠償した事実に
変わりはなく、その時点で国家責任は解除されるので「取り戻す」ことが、「国際違法
行為」にあたるかを問題とすべきではないか。仮にその見解によるとしても、現職閣僚
の靖国参拝が「謝罪を無意味化する言動」にあたるとは断言できない。また、その見解
によると解除されたはずの国家責任に拘束されることになるのではないか。なお、「謝罪
を無意味化する言動を慎む国際義務」を認めるのならば、その根拠を示すべき。

>国際問題でなければ欧州の国際法辞典が靖国合祀問題に言及したり、英国の安全
>保障雑研究機関の雑誌が大きく写真入りで取り上げることもないでしょう。

国内管轄事項「国際法の規律が及んでいないがゆえに国家の処理が可能な事項」
(有斐閣Sシリーズ 国際法〔第4版〕106P)

ここでは「国際法の規律が及んでいるかどうか」が問題なので、その例示は何の意味も
持たない。現実に中国が「抗議」ないし「干渉」をしており、その意味では「国際問題」
になっているので、それらに取り上げられているとも言えるのではないか。