人権擁護法14

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201法の下の名無し

月曜日、普段どおり会社に出社した「小田美鈴」
25歳のOL。小さな服飾商社の社員であり、また会社のHPの制作も行っている。
午前の仕事も終わり、仲間と昼食に出ておいしいランチを食べて戻ってきた。

少し眠気も出てきたが、午後の仕事に励もうとして机に向かい椅子に座る。
課長「小田君。ちょっといい?」

課長から声を掛けられる。なんだろう・・・・。
会議室に呼ばれる。課長は非常に困った顔をしてる。

課長「困ったことになったねぇ。まさか君が・・・」
美鈴「何かあったんですか?」
思い当たることはない・・・。なんだろう。
課長「今日の午前中、人権擁護委員から連絡が来て、会社に立ち入りの調査をやりたいという。2時に来る」
美鈴「????」
課長「君は同人誌に漫画を描いているだろ。コミケでも売ってたよね。それはいい。でも、そこ
   で朝鮮人に対する差別を描いた。その資料を調べるそうだ・・・」
美鈴は課長の発言をさえぎる
美鈴「ちょっと待ってください。それが会社と何の関係があるんですか?それに差別なんて描いて
   ません」
課長「だから調べると言うんだ。会社としても関係ないということを委員に理解してもらいたいし。
   小田君が差別なんて描いていないことも理解してもらいたいし。君の事は信用しているよ。
   ただ問題はね、今日委員が来ることは専務の耳にも入ってる。当然だよ」
美鈴は少し青ざめてくる
課長「君が差別主義者ではないかと・・・・。まいったなぁ〜。専務も困ってるよ」
美鈴「ちょっと待ってください。私はそんなこと描いた覚えはありません。私を信じてください」
(美鈴は涙ぐみながら訴える)
課長「とりあえず、午後は外に出ないように。あと人権擁護委員が来たら彼らに協力するように。
   一切の反抗はだめだよ」
課長は困ったような顔をしながら会議室を出る

人権擁護委員が会社に来て、いろいろと資料を探す。美鈴は怒りと疑惑の表情をしながら協力する。

夕方、専務から呼ばれた
専務「小田君。いや困ったねえ。会社としての体面もあるし、それに困ったことに社内での君に対する
   空気が非常に悪くなってる。会社としてはどうすることも出来ないが、君自身で今後のこと
   を考えてくれないか? 自己都合ではあるが退職金は会社都合分は出すつもりはある・・」
美鈴(え?どういうこと?会社をやめなきゃいけないの?)