1 憲法10条の「国民」の定義は憲法典の各条文には及ぶが、
これとは一応別個のテキストである憲法前文には及ばない。
2 憲法前文に法規範性を認める。
しかも、前文に「これに反する一切の憲法…を排除する」とあることを根拠に、
憲法典の各条文に優越する効力を認める。
3 憲法前文の「日本国民」は、憲法10条によっては決まらず、
民主主義(治者と被治者の自同性)という観点から決まると考える。
4 憲法10条によって国籍法に委任される「国民」の指定は、
それが民主主義の理念に反する場合は、その限度で憲法前文に反し無効となる。