判例解説スレ Part 1.1

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175法の下の名無し
>>174の続き
四 自白の任意性及び信用性
「1 次いで、本件犯行の動機、準備行為、犯行態様、犯行の証拠隠滅工作等について詳細に供述する
申立人の自白について検討を進めるに、所論は、申立人の捜査段階における自白には任意性に疑いが
ある旨主張するが、関係する新旧全証拠を総合的に評価しても申立人の自白の任意性に疑いを生じさせる
事由が認められないとした原決定の判断は、正当として是認することができる。
2 また、関係証拠によれば、申立人は、身柄が拘束される前に、捜査機関が既に入手していた
資料から創作できるとは考えられないような具体的な自白をしており、その内容も、客観的状況
―特に、本件ぶどう酒瓶に付着する封緘紙と囲炉裏の間付近で発見された大小封緘紙の一体性、
付け根の鋭く切れ込んだ耳付き冠頭の存在、申立人の自白後発見押収された火挟みの存在、
本件替栓に付けられた人歯痕とみられる傷痕―と矛盾なく符合していると認められるのであって、
本件替栓表面の傷痕に関する三鑑定の証明力が大幅に減殺されたことを前提に、所論にかんがみ
申立人の自白の信用性に関する新旧全証拠を慎重に検討しても、申立人の自白の信用性に疑いを
挟ませるような事実は認められないから、申立人の自白の信用性を認めた原決定の判断も、
正当として是認することができる。」