【誰?】日本を代表する法哲学者?【誰?】

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275法の下の名無し
>>273
宇野弘蔵の理論を簡単に説明するのは難しいが、あえていえば、
マルクスから唯物史観や弁証法を除去し、唯一評価する資本論から
労働価値説や搾取論を消去し、資本論を商品の価値形態から構成される
生産価格の一般均衡論的なシステム論に純化して純粋資本主義の体系を
構築したことだ、とでも説明しておこう。
この宇野の門下から玉野井芳郎や中野正のような、価値形態論を効用価値論に
読み替える弟子たちが排出し、欧米の留学を経て、日本型近代経済学を完成
させた。たとえば青木昌彦や公文俊平、村上泰亮や佐藤誠三郎だ。彼らは
中曽根のブレーンとして保守本流のイデオローグとなった。
また、西部邁や佐伯啓思のハイエク的設計主義批判、玉野井から栗本慎一郎にいたる
ポラニーやイリイチの経済人類学、柄谷や岩井克人の価値形態ー貨幣論なども
宇野の流れといえる。
法学で、宇野と真正面から格闘したのは、青木孝平だけだろうが、古くは山中康雄の民法学、
それから、なんといっても我妻栄の『債権の優越的地位』は、宇野のヒルファヂィング理解を
継承したものだ。そして長尾龍一のケルゼン純粋法学の理解は宇野の純粋資本主義理解から
ヒントを得ている。だから長尾は、宇野直系の経済学者である長尾克子を妻にして
宇野派の研究会に精力的に参加して多くを学んだ。青木孝平は、純粋資本主義の
イデオロギー体系として純粋法学を構想し、ロールズからノージックにいたる
リベラリズムを転倒しようとした。長尾が果たそうとしてできなかった宇野との合体を
ついに実現したといってよいだろう。