西きょうじ[基本はここだに書いてある事は省く]ハアア?

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140名無しさん@お腹いっぱい。
当たり前のことながら ポレポレを改訂しない理由
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ポレポレを改訂しない理由

「ポレポレ英文読解プロセス」を世に出してから19年になります。ありがたいことに平均して年に12000部あまり、現在でも年間に12000部ほど売れています。その間、出版側からも読者側からも何度も改訂版、あるいは続編を出すように求められてきましたが、
未だに初版のままとなっています。今となっては改訂しにくい、というのが本当のところです。
 この本を書いた時の私は当然今よりも19年若く、今よりもシャープな頭脳だったと思います。目的遂行に一番効率的な手段をとり、無駄を排除しきって最短時間で目的を達成することを重視していました。この本を書くときは、
英文の構造を意識して正しく構造を見抜くための本を書くことに意識を集中しました。

まずは例題の選択、そしてその配列を考えました。英文解釈の本はたくさんありますが、例文が幾何学の定理のように必然性をもって並べられているものは他にはほとんどないのではないかと思います。もちろん、すべての参考書に目を通しているわけではないので、
配列が見事なものもあるのかもしれませんが。
そして解説をどれほど端的にするか。余計なことを書かないで配列された例題の連続性によって構造把握という作業の一貫性をわからせるか、に絞りこみました。
その結果がこの薄い本なのです。出した当時ご現代文の先生である堀木博禮先生に「人の参考書を読み通したのは初めてだ。英語は読めなかったが、説明の流れがとてもきれいで、一つの文章を読んでいるようだった。」とほめていただき、
いまだにこのほめ言葉は私の支えとなっています。堀木先生はもうこの世におられませんが、Z会の「現代文のトレーニング入門編」(入門編といいながら東大京大志望者も得るものが多いだろうと思われる参考書です)でその講義に触れることができます。

ポレポレは配列の意図を察することができる受験生には特に非常に支持を受けて来ました。「英語の対策としてはポレポレを100回くらい読みこんだ」と英語科以外の講師に東大合格の報告に来た河合塾出身の生徒が言うのを聞いたことがあります。
その先生に「その著者が横にいるよ」と言われて驚いていました。彼が言うには、初めはひとつひとつの例題で精一杯だったのが、次に一連の流れがわかるようになり、そうなるとその説明を繰り返し読むことで例題以外の英文への適応をできると実感し、
何度も読みこんだ」ということでした。100回は言いすぎだろうとは思いますが、私の意図したとおりの利用をしてもらえてとてもうれしかった覚えがあります。また、有数の進学校学校であるラサール高校では学校採用されたことがありますが、
選んでくれた先生には私の意図が明確に見えていたのだと思います。
ところが、今の私にはこの本は書けそうにありません。当時よりは格段に英語の力もつき、生徒への説明力もついたとは思うのですが、おそらくこの本を書こうとするとうまくいかないでしょう。
やはり若い時と現在では異なる感受性となっているのだと思います。今書けば、例題を増やし、語彙説明をつけ、読みにくそうな部分の構文はすべて説明し、訳し方の技術も説明したボリューム感のあるものとなってしまうと思います。すると、やり応えのある、
説明も丁寧で行き届いた網羅性の高いものができるでしょう。しかし、それではポレポレが本来目的とした「構造把握の根本を一つのものとして理解する」というコンセプトは不明瞭になってしまうでしょう。
今、私は無駄を切り捨て目標を最短距離で達成するというスタイルではなく(受験生にはそれを要求することは多いのですが、それは合格ということだけを目標に設定できるからです)、どちらかと言えば包括的にものを考えるスタイルになっているようです。
思考が丁寧になったともいえるでしょうし、シャープではなくなったともいえるでしょう。
それは外見にも表れるようです。kyouji01.jpg
以前のブログにも載せた写真ですが、ポレポレ初版の著者紹介の写真です。なんだか、こわいですね。「寄らば切る」みたいな空気を放っています。今は随分許容量が増えました。そうしてできなくなることがあるとともに、
できることも増えていくのが年を重ねていくということなのでしょう。
当時「ポレポレ」という題をつける前にメモしていた言葉を載せて今回のブログを締めくくります。いやあ、幼かったですねえ。(今考えれば初めての参考書によくこんな題をつけたものですし、
よく出版側も動物写真や動物の挿絵満載の英語の参考書など許してくれたものです。きっと怖い顔で「こうじゃないと出版しない。他の選択肢はない」とか言い放ったのでしょう。生意気なガキです)
(後略)