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名無しさん@お腹いっぱい。:
『あぶく銭師たちよ!昭和虚人伝』の著者佐野眞一からは「利殖としての予備校・高宮
行男の貪欲」とサブタイトルで取り扱われ、また全体主義者、ヒットラーやムッソリー
ニを思わせる覇権思想の持ち主で代ゼミの全国制覇を狙ったと中小予備校の講師から名
指しされた代ゼミの代表高宮行男とはどういう人物なのだろうか?予備校経営者の多く
は教職員出身だが、高宮の経歴は異色中の異色…質屋の番頭、パチンコの釘師、キャバ
レー等である。事業欲旺盛な義父が予備校でひとヤマ当てようとした不二学院の会計を
任せられ、勝手に高宮学園として支配していった。代々木ゼミナールと名前が変更する
のは高宮の狡猾なアイディアマンとして才能の一つであった。繁盛している隣に立つ老
舗予備校「代々木学院」の名前をそのままパクって生徒を吸引したのである。高宮のア
イディアはスロープ式の教室や二段階に上下可能な黒板、紙の裏まで使う指示など他の
センセイには予備校「経営」において歴然とした差がある。
代ゼミの強引な進出の犠牲者は生徒が激減した地元の予備校であった。学校法人として
学事課が認めなければ株式会社としてでもやってみせるという高宮は、基本的に学事課
や県議会の意向などほとんど無視をする。例えば福岡県私立学校審議会は代ゼミの申請
した定員1827名を750名に削減し生徒募集を認可。ただし「開校の認可は募集のあり方を
みてから下す」という付帯条項つきの認可である。ところがこれは守られず750名を遥か
に超える生徒を集めたのである。代ゼミは別科とかグリーンコースとか抜け道を作って
認可定員は守るという約束を破り続けていた。進出を規制するような法律はなかったので
審議会としても認めざるえないのである。教育の自主制を重んじる建前、学校法人の経営
を規制することができなかったのである。そして他の予備校との文書を取り交わさない約
束はことごとく破られていった。代ゼミ新潟進出時に新潟ゼミはその負債約1億3千万円の
肩代わりと同校の講師・職員の代ゼミ採用の処遇を約束され、代わりに約4000uの土地を
無償提供した。ところが代ゼミは5名の職員を採用しただけで他の条件は履行されなかった
のである。ボロをまとった暮らしから一世代で裕福にで紹介したアラブの人々も元々は契
約書などをしっかりと残す文化でなかったのでまさかオイルで裕福になったとたん外国人
が商売に現れて口約束を破るとは思っていなかった。日本の契約書もあいまいな表現が多
く、アメリカの分厚く厳密にトラブル発生時を想定して作成されたものと違い「話し合い」
で決めようとするものが多い。相手を信用することから成り立つ約束は守らない…それが
代ゼミのやり方弱肉強食であったようである。トラブル発生時の解決策が契約書に書かれて
いないために痛い思いをすることがあるのに文書なしの口約束では平気で破る人間がいると
いうことを忘れてはならない。ただし文章でしばられないとお互いに信頼できない相手と取
引するのもどうかといえるが…。
(代ゼミは多数の予備校を廃校に落としたのであるが)学校法人が廃校に追い込まれた場合、
経営者は勝手に処分できないことになっている。その土地や建物は国庫に最終的に入ってし
まうので高宮はその財産を保全するために三鳩社というものを設立している。三鳩社は社長
や役員以下全てが高宮一族の同族会社であり、三鳩社所有の土地建物に代ゼミの校舎が建つ
のである。このほか、日本入試センターや代々木ライブラリー等いくつかの関連会社を使用
することで巧みに利用する。これは財産の面ばかりでなく、学校法人の設置申請の時にあり
がちな工事前の地元予備校の反対をかわすことにも利点があった。しかしまたこれも、法律
違反を起こしたわけではない。教育にたずさわる者はそういうようなことはしないという行
政判断の甘い規制をすり抜けた行動である。