1 :
バトロワ ◆t4.SaToMi. :
おおきくなったらさだいじんになる
2 :
内容量 774ml:04/09/08 04:32 ID:RjMAznjq
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「生きながら地獄に」
肥前の雲仙岳に、三人連れの男が参詣した。
一人は豊後の町人、一人は肥前の僧侶だった。もう一人は浪人で、僧の寺に宿を借りていた。
雲仙岳には「地獄」といって、温泉の湧き出ている場所があちこちある。
僧がその一つに少し指を入れてみて、
「そんなに熱くないな」
と言いながら引き出したところ、指が火傷したように熱くなった。
再び地獄に入れると熱さがおさまって、なんともいい
気持ちになった。しかし、もう大丈夫と指を引き出すと、
前にも増して熱くてたまらず、また入れるしかなかった。
そんなことを繰り返すうちに、徐々に深く入れて、腕がみな入った。
引き出せば堪えがたく熱い。
ついには全身が浸かって頭ばかりを出し、えもいわれぬ快感に浸っていた。
しかしやがて、僧は、
「なんだか下に引っ張られるようだ」
と言い出し、だんだんと恐怖の目をむいた。
同行の二人には、なすすべがなかった。
怖い、怖い!
と嘆き悲しむのを正視できず、泣く泣く僧を残して下山したという。