帯広駐屯地その2

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382専守防衛さん
十勝で国際ラリー競技会が開かれるのは今年のラリー・ジャパンで6回目。
国内初の国際格式で行われた01年のインターナショナルラリー、
02、03年のアジア・パシフィック選手権(APRC)、昨年のWRC
(APRCと併催)、そして今年7月のAPRC、9月のWRCと立て続けに
ビッグイベントが続く。この4年間に全日本選手権も2回開催されており、
国内のラリーファンの間で「十勝を知らない人はいない」と言われるほど、
すっかり“ラリーの本場”として知られるようになった。
  ◆  ◆  ◆
各大会で拠点の一つになっているのは、人口約3000人の陸別町。
ヘッド・クオーター(大会本部)が置かれる帯広市とは91・5キロの距離がある。
ラリー・ジャパン支援歓迎実行委員会の運営委員長の浜田始さん(55)は、
いつも先頭に立って誘致活動を続けてきた。同町で旅館を営む浜田さんら有志は、
町営のオフロードサーキットでバギーレースを企画するなど、
熱心にモータースポーツによる町おこしに取り組んできた。
「陸別には温泉や景勝地もない。自分たちでイベントをつくらないと
誰も町に来てくれない」。日本一の寒さだけが“観光資源”の同町。
第三セクターで運営していた唯一の公共輸送機関「ふるさと銀河線」
(北見―池田間)も来年4月、廃止される。
かつて基幹産業だった林業も衰退し、過疎の進行は深刻な状況にある。
その危機感が浜田さんたちを突き動かしている。
  ◆  ◆  ◆
昨年のWRCでは、2日間で町人口の16倍にあたる4万8200人が
同町を訪れた。町の試算では、波及効果を含め1億7234万円の
経済効果を上げた。これは、年間の町税収入の約半分に相当する額。
町産業振興課の野下純一課長は「小さな町が世界大会の舞台になったことで
町民には大きな自信になった」と語る。
オリンピックやサッカーW杯など一発イベントとは異なり、
毎年継続して開催されるWRC。この大会が生み出す価値は計り知れない。
陸別町の取り組みは周辺の町にも広がり、足寄、新得、本別、音更の各町に
次々と自主的に「ラリー・ジャパンを成功させる会」が設立された。
それぞれWRCに地域再生の活路を求めている。