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専守防衛さん:
薬品処置と剔除(てきじょ)処置
日本は時として法の精神が完全実現不能な場合に、行政上の当面の処置として官庁等がその責任でさまざまな措置を行うことがある。自衛隊の定員が法律で定められているにもかかわらず、実際には実務者レベルの調整で定員以下の充足しかしないことなどがその良い例である。
自衛隊刑務所における各種の行刑処置も、この例に漏れない。一般の刑務所とは違う各種の処置がある。
「薬品処置」「剔除処置」と言う二つの処置などはその代表であろう。
粗暴な者・体力のある者(レンジャー・空挺・特戦など)などは、その体力を利して自衛隊刑務所の過酷な処罰に対して抵抗を試みることがある。職員に対する暴力などそうした抵抗を試みたり、またその恐れが大きい者には、「剔除処置」が施される。
この「剔除処置」は、抵抗力を低下させて徹底的に馴致する目的をもって、体の一部(手、指、足、腕等、四肢および手足指が多い)を剔除してしまうのである。
一般の刑務所などではこのようなことは人権蹂躙の恐れがあるので、絶対に行われないのであるが、自衛官は軍事的な訓練を施されており、あらゆる環境を凌いで目標を達するような練度を持つ者もいるところから、特に行政上の手段としてこうした厳しい処置が行われる。
剔除処置については、特に必要な場合は麻酔などを省略し、治療台に拘束するのみで片手・片足などを剔除する。これは緊急に抵抗力を奪うほかに、苦痛を与えて徹底的に組織の威厳を見せ付けることで精神的に馴致させる意味もある。