反戦・平和アクション議論板は自壊しました Part22

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150328
>>136
壱学生さんは、規範的主張というものを誤解しています。
「あなたは私を殺してはいけない。なぜなら、あなたが私を殺すならば、Aさんが私の代わりにあなたを殺すから(そしてそれは確実に可能だから)」
というのは規範的主張ではないんです。
「あなたは私を殺してはいけない。なぜなら、一般に人を殺してはならず、私は人であるからだ」
なんか、言いまわしは悠長ですけども、これは規範的主張の原始的な例です。

共通しているのは「あなたは私を殺してはいけない」の部分だけです。これらは両方ともルールを提示している、と言うことはできますが、
(ルールの定義次第であり、そのように定義することはヘンではないですが) 前者は規範的なルールではないのです。

「金をもってこい、さもなくば人質は皆殺しだ」というのは、規範的主張ではないのです。
「金をもってこい、なぜなら、労働には対価が支払われるべきであり、私は労働を行ったからだ」
というのは、明確にすべき細かい点がいくつか残ってはいますが、一応規範的主張です。

このあたり、確かにルール=規範ではないのです。壱学生さんが言ったのとは違う意味で、ですが。

> この世のあらゆるルールとか規範は制度論的に言うならば「過程的」に生じるものです。
> もしかしたら「道義」すらもそうかもしれない。

これは、あなたの信奉する理論的仮説です。それに従うべき理由はありません。
そう仮説を立てると面白いことが分かるから、という意味の、作業仮説に過ぎません。
現象としては、文化等の共同体の特性を反映する要素と、そうではない様々な共同体に共通して見られる要素、その両方があります。
前者の要素に特に着目するのは政治学、とりわけ比較政治学の特性ですし、そのことのメリットもありますが、
「そのような方法だけが正しい」とする態度は根拠がありません。
後者の要素に着目する倫理学、とりわけ倫理学方法論の領域の方法論もまた有用なのです。