地下鉄サリン事件時、築地駅の除染に出動した101化学防護隊+32普連の混成部隊「築地中隊」。
最先任だったK.M一尉(当時)は、完全防護の部下と共にサリンの除染を完了した。
しかし史上初の¨化学兵器成分の除染¨。完全に排除できたかどうか?には疑問がつきまとった。
空気中に除染しきれなかった、気化した残存成分が残っているかもしれず
それを恐れて、駅員からの「もう安全ですか?中に入れますか?」との質問に答えあぐねていた。
空気中の気化物質を測定するには、専用の警報機が必要。しかし警視庁に優先貸与してしまい
手元にあるのは、液体しか測定できない「検知紙」しかなかった。
…K一尉は、決断した。
『私が、行きます』
近くにいた、防護服を来た消防隊員を二名指名し
「協力願います。もし自分が倒れたら、すぐに担いで外へ出してください」と要請。
除染が済んだ地下鉄のホームへ再び下りていった。
Kはホームに立ち、防護マスクの首の部分を瞬間的に開いて再び閉じ
マスク内で深呼吸した。…異常はない!。 Kは最後の勇気を振り絞り、マスクを脱ぎさった。
そして、さらに深く深呼吸する。
完全防護の消防隊員は、防護マスク越しにKを見つめる。
そして、Kの笑顔を見て安堵の笑みを漏らし、三人は頷きあった。
K一尉の「もう大丈夫です!」の叫び声ののち、周囲からは一斉に歓声があがり、拍手の渦となった。
という記述のある本が新潮文庫から出てますが(氏名は当方で伏字に)
…本当に、自衛隊の皆様。ご苦労さまですっ