地下鉄サリン事件時、築地駅の除染に出動した101化学防護隊+32普連の混成部隊「築地中隊」。
最先任だったK.M一尉(当時)は、完全防護の部下と共にサリンの除染を完了した。
しかし史上初の¨化学兵器成分の除染¨。完全に排除できたかどうか?には疑問がつきまとった。
空気中に除染しきれなかった、気化した残存成分が残っているかもしれず
それを恐れて、駅員からの「もう安全ですか?中に入れますか?」との質問に答えあぐねていた。
空気中の気化物質を測定するには、専用の警報機が必要。しかし警視庁に優先貸与してしまい
手元にあるのは、液体しか測定できない「検知紙」しかなかった。
…K一尉は、決断した。