【女坂】やっぱり京都女子大学【京女】part2

学長の妻K子は本当に嫌な女なのである。知人から聞いたのだが義母が痴呆で幻聴を
聞くようになり、おびえるので預かったのだが、だんだんいらいらして
意地悪をするようになり、結局５キロも離れた古い団地の一部屋に
押しこみ、自分は身に行かずに忙しい夫にだけ世話をさせたのである。
さらに用もないのに海外旅行をし、とうとう介護を免れたのである。
裏表のある計算高い女だ。親切に見える。最初だまされる。
さらにけんかしていた近所の親戚の車を、くぎでパンクさせた噂も
ある

さらにK本学長はそんな彼女を黙認しているのだ。基本的に二人は
思想的なものは何もない。ただの坊ちゃんじょうちゃん夫婦だ。
子どもみたいなところがよい人のように見えるが、ほんとうに困っている
人、助けを求めている人に対して実に冷たいのである。手を返したように
冷たい。彼らは引きこもりの甥っ子を預かったのだが、やがて疲れ、もう
彼が帰ってくれることしか望まなくなった。彼の将来のことなどどうでも
よくなった。わたしはその相談を何度も受けたのだが、電話口でのその
口調を、よく覚えている。外見が優しそうな人たちだっただけに、私は
意外だった。だが彼らのその本性が、やがては私に向けられるように
なったのである。・・・物事を深く考えない人たちなのだ。だから
行動が反射的で、子供っぽい。素朴と言えないこともないが、教師として
あまりに浅い。

おそらく彼らにはある種の才能・・・非常に俗的な、人当たりがよく、
人間の間をするすると泳ぎ、努力なく物事を成就させるような・・・
そんな才能があったために、なにか困難な物事、ひととして耐えなければならない
物事、責任を取らなければならない自分らの失策、などにたいして極端にもろい、
小児的なまでに単純で短絡的な対応しかできない。そんな訓練ができて
いないからである。そのため彼らの輝かしいキャリアの裏側に、
あっけにとられるような事情が、いくつも横たわっているのである。

まあ他人の事情だから、こんなことに口をはさむ私が愚かかもしれない。
・・・しかしK子がひとに頭を下げないのは納得できない。彼女はそういう
性格のゆえに、妹とも絶縁し、母とも折り合いが悪く、さらには私たちとも
絶縁した。クレームがつくと、そうするのである。
人間として、そういう態度は改めたほうがよいと私は思う