三浪四浪五浪――受験界の長老99――六浪七浪八浪〜

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175名無しなのに合格
ドキュメント・るろう2009

職や住居を失った人たちが身を寄せる東京・日比谷公園の「年越し派遣村」には、
元日も新たに入村する人たちが相次いだ。

入村者の中に、生きることに絶望し、元日に自殺を図るまで追いつめられた男性(25)がいた。
家出、ネットカフェ生活、そして流浪。
男性は、偶然知った「派遣村」で励まされ、「もう一度生きてみよう」と自分に言い聞かせていた−−。

「もう合格はない」。
多浪受験生だった男性がそう悟ったのは、昨年末のクリスマスイブだった。
数年間続けた受験勉強の成果はなし。
転売で稼いできたが、大みそかの朝、所持金は200円になっていた。
「もう死ぬしかない」。あてもなく歩き始めた。

男性は、関西出身。
21歳でFランに合格し山口へ、ニート同然の24歳の時に休学した。
実家に戻り、しばらく無駄な時間を過ごした。
その後、ネットカフェ難民に。

今年元日。
イヤホンでラジオを聞きながら歩き続けた男性は、午後5時ごろ、
羽田空港近くの木の生い茂った歩道にたどりついた。
持っていた刀を引き抜き、自分の首に切り付けた。

だが、逆刃刀であったため、一命を取り留めた。
放心状態で聞いていたラジオから「派遣村」を紹介するリポーターの声が聞こえた。

「派遣村にどんどん人が集まっています。今、さまよっている人でも、ここに来ればなんとかなるかもしれません」

日比谷公園をめざして歩き始め、夜10時頃、公園に着いた。
ボランティアの女性からおにぎりと温かいお茶を手渡されると、我慢汁がこみ上げてきた。

同村で弁護士に住民票を持っていないことを明かすと、
「そういう人を守るのが法律です。ともにがんばりましょう」と励まされた。

男性は派遣村が終了する5日、生活保護を申請した。
「多くの人の温かさに触れた。もう一度、頑張ってみます」。
そう誓った。