ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5

このエントリーをはてなブックマークに追加
65名無しなのに合格
●BMI=(体重kg)/(身長m)^2  (※<18.5…やせ、>25…肥満)
●スクリーニング…疾病リスク状態のふるいわけであり確定診断ではない。
  ○スクリーニング検査の要件(5つ)
  @発症前の検出が可能
  A検出することによる対象者へのメリット
  B判別能が高い(敏感度、特異度、陽性反応的中度、陰性反応的中度)
  C費用対効果が良いこと
  Dその他(簡便、検査の信頼性)
  ※ROC曲線…縦軸に敏感度、横軸に1-特異度をとる。左上を通るほど優れる検査法。
  ○事前確率…スクリーニング検査を行う前に予測される病気の確率。有病率に等しい
  ○事後確率…スクリーニング検査の結果、その人の病気の確立が修正される。
        スクリーニング(+)だった場合陽性反応的中度に等しい。
●誤差には偶然誤差と系統誤差(バイアス)がある。
 @偶然誤差(ノイズ)…真の値との差の方向性のない誤差であり偶然、確率的に起こる誤差。偶然誤差の平均は0に集約するため、
            測定回数を増やせばこれの影響を少なくできる。偶然誤差が小さければ信頼性が高い。
 A系統誤差(バイアス)…真の値との差に方向性のある誤差を言う。選択バイアスと情報バイアスとに分けられる。
             系統誤差が小さければ妥当性が高い。
    ○選択バイアス…観察対象の集団が本来目的とする集団の正しい代表ではなく、特定の傾向、特性、方向性を
            持った集団であるときに起こるバイアス。これを減らすには調査漏れをなくすこと、
            選択された被調査員が標的集団の正しい代表であるか検討することが必要。
    ○情報バイアス…実際に観察を行う集団について情報を得るときに、その情報が正しくないために起こるバイアス。
            これを減らすには頻度の測定の際、適切な検査方法を行うことで属性の判定の誤りを防ぐことが必要。
●関連の強固性…罹患比率や死亡比率などの大きさで表される。
    ※量反応関係は暴露を3つ以上のカテゴリで示したときに示しやすい。
●関連の一致性…関連が反復して観察されること。
●関連の整合性…既知の医学的知見と矛盾しないこと。生物学的常識にかなっていること。
●集団寄与危険…(寄与危険)*(暴露率)=(IR1-IR0)*p
●集団寄与危険割合…集団全員の罹患者のうち暴露によって増加したと考えられる者の割合。
  (集団寄与危険)/{IR1*p+IR0*(1-p)}
●NNT(number needed to treat:治療必要数)とは、ある医学的な介入を患者に行った場合、
一人に効果が現れるまでに何人に介入する必要があるのかを表す数字。
NNT=1/(絶対危険減少率)
●累積罹患率…(罹患数)/(最初の罹患可能人口)
●因果の逆転…はじめに想定した因果の向きとは逆転した向きを観察してしまう現象
●交絡因子…調査対象とする暴露因子以外の原因が、調査対象とする暴露因子と関連しているとき、これを交絡因子と呼ぶ
 ○交絡因子の影響を除去するには
 @調査企画時に調査対象者を限定する。交絡因子として影響がありそうと
  予測されるものをはじめから除く。
 A解析の時点で層化する。
 ※層化…対象者が交絡因子によりサブグループに分割できる場合、
     対象者をひとまとめにして分析せずに、そのサブグループごとに分けて分析する。
●横断研究での年齢調整…直接法と間接法(SMR)がある
  直接法…年齢構成をあわせて年齢という因子を考慮しなくてよい状態にする
  間接法…基準集団の年齢階級別有病率を求める
      →観察集団の年齢階級別人口に基準集団の年齢階級別有病率をかけ期待度数を求める
      →期待度数の総和を求める→観察集団の病人数を期待度数総和で割る
66名無しなのに合格:2008/09/07(日) 19:10:48 ID:hx/C72Oc0
●セロトニン受容体
@5-HT1…Gi/0…偏頭痛治療(アゴニスト:タンドスピロン)抗不安薬の一種。
A5-HT2…Gq…うつ病、統合失調症(アンタゴニスト:リスペリドン)
B5-HT3…イオンチャネル型(Na+)…制吐薬(アンタゴニスト:オンダンセトロン)
    嘔吐を引き起こす5-HT3(セロトニン)という物質を遮断。5-HT3受容体拮抗薬。
    抗がん薬による悪心・嘔吐をおさえる。

●制吐薬…ドンペリドン(ドパミンD2受容体拮抗薬)
 胃の運動を促進し胃内容物の滞留を改善
●下痢止め…ロペラミド(商品名:ロペミン)は蠕動運動を抑制し下痢を抑える。
●心臓に作用する薬(補足)
 ○カテコールアミン…β1に作用→cAMP↑→Caチャネル開→Ca流入→細胞内Ca濃度↑
  @イソプロテレノール…β1、β2受容体に作用する。心臓興奮作用。
  Aアドレナリン…α1、α2、β1、β2受容体に作用する。収縮力、心拍数ともに上昇。
  Bノルアドレナリン…α1、α2、β1受容体に作用する。少量でα作用が強い。
  Cドーパミン…β1受容体に作用する。収縮力が増強。
    ※α1:血管収縮⇔β2血管拡張
    ※骨格筋の細動脈平滑筋ではβ2受容体よりα受容体が優位なので交感神経興奮により弛緩
    ※β2受容体刺激は、気管支平滑筋、腸管平滑筋、子宮筋などの平滑筋の弛緩や血管の拡張、
     肝臓でのグリコーゲン分解と膵臓でのグルカゴンの分泌促進を引き起こす。
●リドカイン…局所麻酔薬であり、Na+チャネルブロッカー。
●フェニレフリン…α1受容体作動薬。
●フェントラミン…α受容体競合遮断薬。
●気管支平滑筋の弛緩するメカニズム
 @アドレナリン:β2受容体に作用→Ac活性化→cAMP↑→Caポンプ活性化→細胞内Ca濃度低下→気管支平滑筋弛緩
 Aティオフィリン:ホスホジエステラーゼを阻害→cAMP↑→細胞内Ca濃度低下→気管支平滑筋弛緩
    ※ホスホジエステラーゼ…cAMPを加水分解する。
    ※アミノフィリン…テオフィリンに1/2のエチレンジアミンを加えたもの。気管支平滑筋弛緩作用を持つ。
    ※エチレンジアミン四酢酸(EDTA)…キレート剤

●抗不整脈薬のヴォーン-ウイリアムズ分類…抗不整脈薬を心筋細胞に対する電気生理学作用により
                    大きく4つの群に分けている。
○ClassI…Naチャンネル遮断薬
○ClassU…β遮断薬
○ClassV…Kチャンネル遮断薬
○ClassW…Ca拮抗薬
67名無しなのに合格:2008/09/07(日) 21:19:56 ID:hx/C72Oc0
●臨床疫学
 ○リスクの評価
   暴露群の累積罹患率:CIe、非暴露群の累積罹患率:CIu、
   集団における暴露者の割合:P、相対危険:RR
   とすると全集団における累積罹患率Aは A=CIe*P+CIu*(1-P)
   寄与危険割合Bは、B=(CIe-CIu)/CIe=(RR-1)/RR
   集団寄与危険割合Cは、C=(A-CIu)/A
   つまり暴露者の割合が高く、相対危険の高い疾患ほど危険因子の除去による効果が多きい。

 ○二人の医師(A、B)の診断の一致をみる方法にカッパ統計量がある。
               B
           診断1    診断2
  A  診断1     a      b
     診断2     c      d
        ※a+b+c+d=nとする
  κ=(P0-Pe)/(1-Pe)
  ただし、P0=(a+d)/n、Pe=(a+b)/n*(a+c)/n+(c+d)/n*(b+d)/n
  κ=1:完全に一致、κ>0.75:きわめてよく一致、
  0.4≦κ≦0.75:比較的よく一致、0≦κ<0.4:一致性に問題あり
68名無しなのに合格:2008/09/07(日) 22:08:42 ID:v8CFk1Pa0
●症例対照研究…観察研究(⇔介入研究)のひとつ。後向き研究。
 ○利点
  @緊急費が安いA短時間ですむB小数例ですむC稀な疾患の場合特に有効
  D発症までの経過時間が長い疾患に向いているE費用の高い検査項目でも実施可能
 ○欠点
  @稀な要因には向かないA対照の選択が難しいBバイアスが入りやすい
 ※リコールバイアス…思い出しバイアス。過去に起こった事象の思い出しに伴う偏り。
 ○オッズ比 
  症例の曝露オッズ=a/c、対照の曝露オッズ=b/d とするとこのふたつの値の比、
  つまりオッズ比は (a/c)/(b/d)=ad/bcとなる。
69名無しなのに合格:2008/09/08(月) 12:24:31 ID:O5mPvgjj0
●H1受容体
即時型免疫反応により、主として肥満細胞から遊離したヒスタミンは種々の組織を標的とする。
血管系(毛細血管、血管平滑筋、血管内皮)、気管支平滑筋、腸管平滑筋などは代表的な標的組織である。
これらの組織にはH1受容体が発現する。そのためにH1拮抗薬(抗ヒスタミン薬)は種々のアレルギー疾患の治療薬として用いられる。
70:2008/09/12(金) 04:50:44 ID:rxInyRNA0
●グルココルチコイド(糖質コルチコイド)
  …副腎皮質で産生されるステロイドホルモン。コルチゾールやコルチゾンなどがある。
   血糖値を上昇させる。免疫抑制機能、抗炎症、抗アレルギー作用(喘息の治療)。
71:2008/09/12(金) 12:30:44 ID:YAQVtcpm0
●ヘキサメソニウム…交感神経と副交感神経をブロックする自律神経節遮断剤。昔は高血圧緊急症に使われた。
      血管では交感神経優位なため、自律神経(両方)を遮断してやると主に交感神経系が抑制され血圧↓。

●イソプロテレノール…カテコールアミンに分類されるアドレナリン作動薬のひとつ。合成薬である。
      β受容体に作用して心筋刺激作用を引き起こすため心臓ブロックや心停止の際に静脈内注射薬として使用される。
      気管支拡張薬としても利用される。
72:2008/09/12(金) 13:54:35 ID:YAQVtcpm0
●d-ツボクラリン…クラーレという矢毒から単離。ツボクラリンは少量でも傷口から体内に入ると神経筋接合部の
     ニコチン受容体においてアセチルコリンと拮抗、興奮伝達を阻害して(非脱分極性神経筋接合部遮断薬)最終的に、
     呼吸筋を麻痺させることにより窒息死させる。経口摂取しても排泄がすみやかなため矢毒に向いている。

●脱分極性節遮断薬…自律神経節のニコチン様NN受容体に作用して、はじめ脱分極を発生し、節後線維を興奮させる。
     しかし後に持続的脱分極を起こすため節遮断作用を有する。

●自律神経の優位性と節遮断効果
  ○血管は交感優位であり節遮断によって血管拡張→血圧降下、起立性低血圧
  ○汗腺(コリン作動性)は交感優位であり節遮断によって分泌減少(制汗)
  ○心臓は副交感優位であり節遮断によって心拍数増加(頻脈)
  ○瞳孔は副交感優位であり節遮断によって散瞳
  ○消化管は副交感優位であり節遮断によって緊張・運動の低下(便秘)
  ○膀胱は副交感優位であり節遮断によって尿貯留(尿閉)
  ○唾液腺は副交感優位であり節遮断によって分泌減少(口渇)
73:2008/09/12(金) 15:01:14 ID:YAQVtcpm0
◎筋弛緩剤…神経筋接合部を遮断することによって筋弛緩作用。
  ●非脱分極型筋弛緩剤,競合性遮断薬…ニコチン型受容体においてAChと競合することで筋弛緩作用。
     ○d-ツボクラリン…副作用に低血圧とヒスタミン遊離作用があり、このため喘息には禁忌となる。
     ○ベクロニウム…ツボクラリンと異なり、ヒスタミン遊離作用を持たない。
             持続時間はパンクロニウムよりも短く、肝臓からの排泄が主である。
     ○パンクロニウム…腎からの排泄が主であるため、腎不全では作用が遅延する。
  ●脱分極型筋弛緩剤…ニコチン型受容体に結合して脱分極を惹起するがシナプス間隙の 
            AChエステラーゼによって分解されないため、受容体に結合したまま再分極を迎える。
            しかし数分後に血漿中の偽AChエステラーゼによって分解されるので、作用時間は極めて短い。
     ○サクシニルコリン…副作用としては高カリウム血症。またハロタン併用で悪性高熱症を生じることがある。
     ○スキサメトニウム…現在の脱分極型筋弛緩剤の主流である。
74:2008/09/12(金) 15:41:39 ID:YAQVtcpm0
パンクロニウム…ツボクラリンと異なり交感神経遮断作用はなく、ヒスタミン遊離作用もない。