ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5

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452神経病
●小児の神経・筋疾患
   1.筋原性…筋肉そのものに異常があるもの。近位筋優位の障害、顔面筋罹患(開口位、無表情)あり。
   2.神経原性…筋を支配する神経に異常があるもの。遠位筋優位の障害、顔面筋罹患はない。
   3.神経・筋接合部…乳児ボツリヌス症、重症筋無力症
   ◎症状…乳児期には元気がなく、フロッピーインファントであることが多い。幼児・学童期には極端に運動が苦手。
       ※フロッピーインファント…乳児で著明な筋緊張低下のためにグニャグニャした児
   ◎診断に必要な検査
       a.血液検査:CK、アルドラーゼ、ALT、AST、LDH
           著増:筋ジストロフィー
           軽度上昇:ミオパチー、代謝疾患、ミトコンドリア異常症
           正常:神経筋接合部、神経原性疾患
       b.画像検査:CT、MRI、筋量低下、脂肪変性、結合組織増加、(虫食い像)
       c.電気生理検査:筋電図、末梢神経伝導速度
       d.遺伝子診断:インフォームドコンセント、遺伝カウンセリング
       e.筋生検
   ○小児期発症の代表的筋ジストロフィー(別プリ参照)
   ○先天性ミオパチー…疾患に特有の筋の構造異常。臨床症状は発達の遅れや、筋緊張低下で、筋生検なしでは鑑別困難。
             ジストロフィーほどCKが高くない。
       @ネマリンミオパチー:ギリシャ語で糸くず
       Aセントラルコア病:筋の中心部に染色で染まりにくいcore(核)
       Bミオチュブラーミオパチー:筋線維は胎生筋である筋管細胞の中心核を持つ。乳児重症型がある。
  ○脊髄性筋萎縮症(重要)…CKは正常値
       @typeT:重症型 Werdnig-Hoffmann病
           …常染色体劣性遺伝。妊娠中から胎動低下。哺乳力低下、フロッピーインファント、
            脊髄前角細胞障害。舌の線維束性れん縮。座位を獲得できず2歳までに死亡。
       AtypeU:中間型 intermediate型
       BtypeV:軽症型 Kugelberg-Welander病
      ※フロッピーインファント:一ヶ月までは小児が仰向けに寝た状態から手をつかみ引っ張り上げると頭がだらんとなるが、
            3〜4ヶ月でもそうなってしまう。フロッピーインファントのサインは手をつかみ上げたとき体幹に対して
            頭が45度以上だらんと下がること。
   ○神経・筋接合部疾患
       @乳児ボツリヌス症…摂取したボツリヌス菌が毒素を産生し、コリン作動性神経終末に作用し、弛緩性麻痺と副交感神経遮断症状を起こす
            (運動神経、副交感神経両方が駄目になる)。ほとんどが一歳未満の乳児。輸入蜂蜜を乳児に与えない!
       A重症筋無力症…運動神経終末から放出されたAchが結合する受容体に対して抗体ができる自己免疫疾患。
            小児期は1-6歳が発症のピークで、眼筋型が多い。(詳しくは別プリ参照)
   ○その他:ミトコンドリア異常症(→タイプ、検査値の特徴など別プリ参照)、炎症性筋疾患(自己免疫疾患である皮膚筋炎など)、
        周期性四肢麻痺、代謝性筋疾患(糖原病など)
453名無しなのに合格:2009/01/28(水) 23:44:53 ID:9kWqPlUf0
以下のものは、例外
筋緊張性ジストロフィーは、筋原性で遠位筋
Kugelberg‐Welander 病は、神経原性で近位筋
454447@再受験合格 ◆l6bUKe0AoI :2009/01/28(水) 23:53:47 ID:9kWqPlUf0
447@再受験合格#447


I.顔面の深部腱反射
1)顔輪筋反射:外眼角の外の皮膚をつまみ、横に引っ張りながらその検者の指をハンマーで叩く。同側眼輪筋が収縮し、対側も軽度収縮する。顔面神経に反射中枢がある。
2)下顎反射 jaw jerk:軽く開口させ、下顎をtesterの左の母指または示指で押え、tester自身の指の上をハンマーで叩くと両側の咬筋の収縮が起こり下顎が上昇する。正常者ではまず出ませんからこの反射が出たら橋=Ponsの三叉神経核より上に病変があります。

II.上肢の深部腱反射
1)二頭筋反射 biceps reflex
上腕二頭筋の腱を叩打したときに正常では二頭筋が屈曲する反射。C5(第5頸髄神経),C6神経根に反射中枢がある。
2)三頭筋反射 triceps reflex
上腕三頭筋の腱を叩打したときに三頭筋が伸展する反射。正常では伸展する。C6,C7神経根に反射中枢がある。
3)橈骨反射 radial reflex
橈骨下端において茎状突起を叩打したときに前腕が屈曲する反射。正常では前腕の屈曲。 C6神経根に反射中枢がある。

III.下肢の深部腱反射
1)膝蓋腱反射 patellar reflex
L2,L3,L4(第4腰髄神経根)に中枢がある。
2)アキレス腱反射 achilles tendon reflex, ankle reflex
正常では底屈(=足首が伸びる)する。S1(第1仙髄神経)に中枢がある