ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5
430 :
消化器病2:
●肝臓
○正常に関して
※正常の重さ…1200〜1500g
※クッパー細胞…肝臓を構成するの微小組織の一つで、類洞に存在するマクロファージの一種。物質の貪食取り込みを行う免疫機能を有する。
※伊東細胞…肝臓を構成する微小組織の一つで、類洞周囲腔(Disse腔)に存在する線維芽細胞の一つ。類洞周囲脂肪細胞、
肝星細胞(Hepatic Stellate Cell)とも呼ばれる。脂肪の取り込みが強く、ビタミンAを貯蔵する機能を有する。
肝臓の線維化に関与していることが知られており、肝硬変の成因にも関連する。また、血栓性血小板減少性紫斑病の発因として知られる。
※胆汁成分…@胆汁酸(67%) Aリン脂質(22%) Bビリルビン(0.3%) Cコレステロール(4%)
※胆汁酸とリン脂質でミセル(=大腸で作られ肝臓へいくキロミクロン)形成
※肝臓で作っているもの…@タンパク(アルブミン、凝固因子、血中コリンエステラーゼ) A糖 Bコレステロール
※薬物はほとんどが脂溶性で、アルブミンと結合して肝臓へ行き、そこでチトクロムP450系で代謝(第1相)、グルクロン酸抱合を受け(第2相)、
外へ(胆道へ)排出される。これはビリルビン代謝と同じ経路。
○異常に関して
※肝性脳症…肝硬変などで血液が肝臓に入っていかず解毒不可能
→一方神経毒性を持つアンモニアはタンパク分解でどんどん作られアンモニア値↑尿素は逆に↓→肝性脳症
※劇症肝炎の診断…@肝性脳症、低血糖からくる意識障害 A凝固因子↓
※肝機能検査…@AST(GOT) AALT(GPT) BLDH これらは逸脱酵素であり、肝障害の有無の指標。
(ただし、アポトーシスとネクローシスでは逸脱の量が違うので、障害の程度の指標とはならない)
※胆管障害→γ-GTP↑、アルカリフォスファターゼ↑(両者とも胆管の膜成分。胆管が障害で閉鎖されると血中に出てくる)
431 :
病理:2009/01/26(月) 09:52:03 ID:jxKeyToe0
●脳死
※脳死者は2ヵ月以内には確実に心停止を迎える→×
※現行の臓器移植法は脳死を人の死と定義している→×(法で定めることに哲学者が反対した)
※脳死者には発汗や流涙はみられない→×
※日本では心臓移植は行われたことはない→×
※脳死者は延髄の一部は生きていてもよい→×
※脳波により神経細胞の活動はすべて検出できる→×
※植物状態になったら意識は回復しない→×
※植物状態患者の意味不明の言葉は本人の意識と全く無関係である→×
※全ての脳死患者の脳はドロドロに軟化(レスピレーター脳)している→×
※脳死者からの臓器摘出の際にモルヒネが必要な場合が多い→○
※臓器摘出の際にドナーの大半が血圧上昇と頻脈を示す→○
※脳死者には脊髄反射はあってもよい→○
※脳死者が両手を交差させるような動きをすることがある→○
※脳死者も子宮収縮し出産できる→○
※心臓移植、肺移植後の5年生着率はそれぞれ70.6、43.6%である→○
※脳死判定は1985年の竹内基準による→○
※ドナーは臓器摘出によって死を迎える→○
※心臓移植された者とされなかった者の一年後の生存率の差は20%程度である→○
※心臓移植が必要とされて9ヶ月以上待機できた患者には心臓移植しないほうが長期生存が望める→○
※脳死状態で15年以上生きている例がある→○
※「意識があるかないか」の医学的評価はきわめて困難である→○
※臓器移植法制定後、中枢神経抑制薬の影響下であるにもかかわらず臓器摘出のための脳死判定が行われたことがある→○
※脳死判定基準に含まれる無呼吸テストは、人工呼吸器を外し体内のCO2濃度を上げて呼吸中枢の反応をみる検査である→○
○前回のに補足の事項
※脳死判定は本人の生前の同意がないとしてはいけない
※半影体…死んではいないが機能できない
しつもんしていいっすか?
@脳死判定で小脳の機能を調べなくていいんすか?
A10歳の子が残念ながら脳死っぽいんですが、親が臓器提供したいから脳死判定しろって言うんですけど、
脳死判定していんでしょうか?
433 :
名無しなのに合格:2009/01/26(月) 14:56:24 ID:jxKeyToe0
>>432 国によって脳死の基準は違うようですが、日本では脳死を
全脳死(大脳、小脳、脳幹を含む全脳髄の不可逆的な機能停止)とする立場をとっているので
小脳の機能停止も脳死判定には必要なのではないでしょうか。
また、脳死判定では本人の意思が重要となるが、書面での意思表示ができる年齢は15歳以上となっているため、
10歳では不可能。したがって、脳死判定はできないと思います。
それから、脳死判定基準をみてください。
脳死判定には大脳と脳幹の機能のみの検査で、小脳の検査を含んでいません。
436 :
病理:2009/01/26(月) 20:42:45 ID:73lJwnu20
●肺がん
疫学:85%は喫煙者に生じる。喫煙と関係あるのは扁平上皮癌、小細胞癌
非喫煙者では腺癌が多い。50〜80歳に多く、男性に多いが最近は女性が増えている。
発症機序
@関連する癌遺伝子…K-ras(コドン12、13)、小細胞癌ではmyc遺伝子
A関連する癌抑制遺伝子…p53とRb遺伝子
B遺伝子欠失…第3番染色体の短腕(3p)
Cbcl-2の発現→アポトーシスの抑制
病理:小細胞癌を区別することが大事→化学療法に感受性が高いので
臨床像:5年生存率は15%。Horner症候群の合併が見られることがある。腫瘍随伴症候群がおこる。
※Horner症候群…上位の交感神経系が障害されることで生じる一連の諸症状。頚部交感神経麻痺、ホルネル徴候ともいう。
眼球陥没、縮瞳、眼瞼下垂、発汗低下などがみられる。
※腫瘍随伴症候群(傍腫瘍症候群)…癌がつくり出したホルモンやサイトカイン、その他のタンパク質などの物質が、
血流に入って体内を循環することでおこる症候群。個体内で発生した腫瘍との自己免疫反応のため、
神経系に対する抗体が産生され、神経・筋症状を呈する一群の疾患のこと。
ex)黒色表皮腫、皮膚筋炎・多発筋炎、バチ状指、イートン・ランバート症候群、
クッシング症候群(ACTH分泌による)、高カルシウム血症
転移:脳、骨、肝、副腎
○扁平上皮癌…異型性→上皮内癌→浸潤癌と進展する。多くは主気管支付近から発生する。
ケラチン真珠、ガラス質、細胞間橋が病理学的に見られる
○腺癌…扁平上皮癌より多く、女性で最も多い。胸膜陥入(胸膜線維化、胸膜下の瘢痕)が見られる。
○細気管支肺胞上皮癌…腺癌の特殊な形で既存の肺胞壁に沿って増殖する特徴を持ち、浸潤性肺ガンの約5%。
間質への浸潤を示さない。末梢の単発性結節。コイン状陰影を呈する。
○小細胞癌…肺ガン全体の20%。男性に多い。神経内分泌腫瘍の特徴を示す。肺門部付近に多くリンパ節転移が多い。
○大細胞癌(除外診断名)
○カルチノイド腫瘍…多分化能を示す呼吸上皮基底細胞に由来。神経内分泌系の腫瘍。ほとんど無症候。ポリープ状を示し類器官様構造をとる。
細胞質は好酸性で微細顆粒状に染まる。末梢の柵状配列、ロゼット形成が特徴的。
○非カルチノイド腫瘍…核分裂像の増加、腫瘍壊死、細胞数の増加と構造の乱れ、核の多型性、クロマチンの増加をみる。
転移:定型カルチノイドで20%、非定型カルチノイドで50%
5年生存率:定型90%、非定型60%
●原発性肺高血圧症
@一次性…原因がわからない
A二次性…原因がわかっている
●Goodpasture症候群…血管の基底膜に対する自己免疫抗体(抗基底膜抗体)により腎臓、肺の毛細血管が障害される。
それにより出血が起こり血尿、肺胞出血をきたす。糸球体の半数にボーマン嚢上皮増殖による半月体形成を認める。
初期には細胞成分が多い(細胞性半月体)が、次第に線維性半月体となる。糸球体血管係蹄には増殖性変化は少ないが、
多くは硬化や虚脱を認める. 蛍光抗体法では糸球体基底膜に線状のIgG沈着およびしばしばC3の沈着を認める。
しばしば半月体部分にはフィブリンの沈着がみられる。基底膜自体が抗原になるU型アレルギー。
※糸球体腎炎は抗原抗体反応を起こした免疫複合体が沈着するV型アレルギー
※カリニは原虫疾患といわれてきたが、真菌であることが最近わかった