ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5
213 :
名無しなのに合格:
腹腔鏡下脾臓摘出術について
脾臓は左上腹部にあり、胃、膵臓、大腸、左腎、横隔膜などに接して存在します。長径10cm、短径6cm、重さ100g程度の臓器です。
腹腔鏡下脾臓摘出術は1992年にわが国ではじめて施行されて以来、その低侵襲性から次第に普及しています。手術では脾臓を支え、固定するためのいくつかの膜を切除した後、
脾臓の血管の出入り口(脾門部といいます)のところでクリップや自動縫合器と呼ばれる手術器械を使って脾動脈と脾静脈を切断します。
最後におなかの中に袋を入れ、その中で脾臓をつぶし小さくして体外に取り出します。脾臓をとったあとの場所に血液などがたまらないように、また、かりに手術後に出血があってもすぐにわかるようにドレーンという管を2〜3日間留置しておきます。
腹腔鏡下脾臓摘出術の適応について
腹腔鏡下脾臓摘出術の適応となるのは次に示すような疾患です。
特発性血小板減少性紫斑病
遺伝性球状赤血球症
自己免疫性溶血性貧血
悪性リンパ腫(病期診断を含む)
ABO血液型不適合で腎移植をうける患者
214 :
名無しなのに合格:2008/09/26(金) 03:21:49 ID:LyzVlker0
摘脾を必要とする疾患の代表は、遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病です。
最近は、肝硬変症でも摘脾術が行われることもあります。
球状赤血球症で脾臓の摘出が必要な理由は、球状である赤血球が、細い血管を通れるように変形できないために、脾臓でより多く早く壊されて、ときには胆石症などの合併症をおこすからです。
特発性血小板減少性紫斑病は、白脾髄で免疫応答により“自己抗体”がつくられていると推定されているからです。
ステロイド療法が無効の場合は、摘脾も無効であると考えられています。
肝硬変症では、門脈は、肝臓が硬くなって流入が困難になり、門脈圧が高くなって、食道静脈瘤、脾臓の腫大などの症状がでてきます。
脾腫が出現すると、血小板減少をきたすためです。
その頃は肝臓の機能も低下して凝
215 :
名無しなのに合格:2008/09/26(金) 03:29:02 ID:LyzVlker0
実は脾臓に至る血管走行はめっちゃ難しいんです。
ちょっと述べておきます。
「脾動脈」
腹腔動脈の3枝のうち最も大きい動脈で胃の後方から膵臓の上縁を左方に走り脾門を通り脾臓に至る。 脾動脈からは左胃大網動脈が胃の大弯へ、短胃動脈が胃底へ分布する。 他に多くの膵枝が膵臓に分布し最終的に脾枝となって脾門から脾臓に入る。