ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5
遺伝性非腺腫症性大腸癌=HNPCC:Hereditary Non-Polyposis Colorectal Cancer
●血管の構造
大型動脈→中型動脈→小型動脈→毛細血管
(弾性動脈 筋性動脈 細動脈)
細動脈のレベルで血圧を調節している。アナフィラキシーショックでは血管径が太く戻らない。
1)内膜…内皮細胞 2)中膜…血管平滑筋細胞
●動脈硬化症(Arteriosclerosis)
○粥状硬化症(Atherosclerosis)…主として動脈の内膜に限局性に起こる変化で、脂質、酸性ムコ多糖体、
血液とそれに由来する物質、線維性結合組織の増殖と石灰沈着など種々の組み合わせによる
病変で中膜の変化を伴う。男>女。高脂血症、高血圧症、喫煙、糖尿病があるとなりやすい。
病態)血流ストレスのあるところ(血管の分岐部)にコレステロールが沈着し硬化
発症メカニズム)内皮細胞障害により血管透過性↑→血中LDLが内皮下に沈着
→LDL排除のため血中の単球が内皮に浸潤、反応する。また中膜の平滑筋細胞も反応する。
○細動脈硬化症…高血圧症による血管変化。全身の細い動脈にみられる。脳出血、腎硬化症の原因になる。腎に起こりやすい。
※細動脈…血流容積最大、血圧を下げれるところ
1)硝子様細動脈硬化症…長期間の高血圧。内皮細胞障害による血管透過性の亢進、
血しょう成分の滲出、中膜平滑筋細胞によるマトリックス産生→細動脈壁肥厚、内腔狭窄
2)増殖性細動脈硬化症…急激で高度の血圧上昇。平滑筋や基底膜が重複、多層化→細動脈内腔を狭窄、閉塞
●動脈瘤…動脈の局所的、異常な拡張。
ex)大動脈瘤、微小細動脈瘤(脳出血)、くも膜下出血など
※大動脈瘤の原因は粥状硬化症、先天性結合組織疾患、血管炎(高安病、川崎病)、感染症、外傷、医原性など
●動脈解離…動脈壁に亀裂が生じた状態。
○大動脈解離…大動脈内膜に亀裂が生じ、大動脈中膜に出血、解離が生じる疾患。
原因は動脈硬化症、高血圧症、外傷、嚢状中膜壊死、Marfan症候群など。
男:女=2:1。好発年齢は60〜70歳。
●血管炎…血管壁の炎症性疾患。循環障害を生ずる。罹患血管により様々な臨床症状を呈する。
原因)感染症、免疫原性、放射線、外傷などにより二次的に生じる。
原因が明らかでない原発性のものもある→(原発性)血管炎症候群。
○血管炎症候群
A)大型血管炎…巨細胞性動脈炎、高安動脈炎
B)中型血管炎…多発動脈炎、川崎病
C)小型血管炎…ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、顕微鏡的多発血管炎、
ヘノッホ-シェンライン紫斑病、本態性クリオグロブリン血症性血管炎、皮膚白血球破砕性血管炎
●心不全…種々の疾患や病態により、心拍出機能と末梢側需要との間にアンバランスをきたし、
全身性の多彩な症状を呈する症候群。心ポンプ機能の低下により、
身体組織にみあう十分な血液を拍出できない状態。
○症状
1)心ポンプの出力低下…疲れやすい、息切れ
2)肺のうっ血…咳、労作時呼吸困難、肺水腫
3)腎のうっ血…尿量減り、体に水がたまり、体重増加
4)消化管のうっ血…胃腸の粘膜、肝がむくみ、食欲低下
5)全身のうっ血…水が体にたまり浮腫を起こす。足のスネを押さえると指のあとが残る
※心不全では血量を増やして代償しようとする→軽症の心不全が重症化(Forrester分類)
○原因
1)心筋に対する負荷が増大する疾患…高血圧、弁膜症など
2)心筋が障害される疾患…心筋症、心筋疾患、冠動脈疾患など
3)調律の異常による疾患…徐脈性不整脈、頻脈性不整脈など
○心拍出量低下時の代償機構
心拍出量低下→拍出回数の増加、静脈還流の増加
心に入る血液を増やす方法として
@末梢の血管収縮により、中心に血液を集める。
A血液量自体を増加させる
○心不全の治療
原因疾患の治療、憎悪因子の抑制(安静、水分や塩分の制限、酸素吸入、血圧コントロール)、
心不全自体の薬物的治療
○心不全の治療薬
1)利尿薬
2)強心薬(ジギタリス、カテコールアミン、ホスホジエステラーゼ阻害薬)
3)血管拡張薬
4)レニン・アンジオテンシン・アルデステロン系の抑制薬(ACE阻害薬、
アンジオテンシンU受容体拮抗薬、アルデステロン拮抗薬)
5)交感神経活性の抑制薬(β遮断薬)