ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 5

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154他人のゲロ触って手洗い不十分だと移るかも。
●ヘリコバクター・ピロリ…運動能を有するラセン型グラム陰性桿菌。急性胃炎、胃がんの原因菌。
             ウレアーゼをもち胃酸の中での生息を可能にしている。経口感染。
    ※ウレアーゼは尿素を加水分解により二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素。
     反応:(NH2)2CO + H2O → CO2 + 2 NH3
●潰瘍とびらん
  潰瘍:粘膜筋板を貫通する深いもの⇔びらん:表面的で粘膜筋板には達しないもの
155名無しなのに合格:2008/09/19(金) 22:21:25 ID:ydhVfwmw0
●ニコルスキー現象…尋常性天疱瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、先天性表皮水疱症、中毒性表皮壊死融解症などの疾患において、
          皮疹のない皮膚面に指先などで機械的な圧迫を加えると、容易に表皮剥離や水疱を生ずる現象。
●異所性膵…正常膵臓とは別に小さな膵臓組織が胃、十二指腸、空腸などに見られることがあり、これを異所性膵と呼ぶ。
●腸上皮化生
  ○病態…胃の上皮が形態ならびに機能的に腸の上皮に類似する
  ○形態…吸収上皮、杯細胞、パネート細胞、内分泌細胞からなる腺管
  ○分類
    完全型腸上皮化生(小腸型)…パネート細胞が見られる
    不完全型腸上皮化生(大腸型)…パネート細胞が見られない…ガン化しやすい
156名無しなのに合格:2008/09/19(金) 22:36:53 ID:ydhVfwmw0
●胃腺腫
  ○扁平腺腫…胃腺腫の大部分を占める。組織学的に2階建て構造をとる。
        周囲粘膜には腸上皮化生が強い。ガン化は稀。

  ※パネート細胞…小腸において微生物に対する防御因子を備える細胞。パネート細胞は機能的に好中球に類似し、
          小腸での自然免疫に関与する。細菌や細菌抗原に曝露された時、パネート細胞は陰窩の内腔に
          抗菌物質を分泌する。
157感染病学まとめ1:2008/09/19(金) 22:52:04 ID:ydhVfwmw0
●PISP…ペニシリン中等度耐性肺炎球菌
●グラム染色:ハッカー液→ルゴール液→アルコール脱色→サフラニン染色
    春(ハッカールゴール)、酒(アルコール)飲みフラフラ(サフラニン)。
●チフスは通常の感染症と異なり白血球数減少、好酸球消失
●A群連鎖球菌感染症…ASO(A群連鎖球が産生する外毒素SLOに対する抗体でマーカーとして使用される)が上昇。
●百日咳…リンパ球増加
●伝染性単核球症…異型リンパ球増加(EBウイルス)
●細菌性髄膜炎
  ○新生児…B型連鎖球菌、大腸菌、リステリア
  ○乳児から幼児…インフルエンザ菌、肺炎球菌
     ※大人、小児ともども、髄膜炎菌による髄膜炎菌性髄膜炎(流行性脳脊髄膜炎)
  ○年長から成人…肺炎球菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌
  ○高齢者…肺炎球菌、リステリア、グラム陰性桿菌など
●終生免疫
 おたふくかぜ、水疱瘡、風疹、麻疹、結核
●予防接種(定期接種)
 ポリオ、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、麻疹、風疹、日本脳炎、結核
●術後感染症の起因菌
 黄色ブドウ球菌、大腸菌、クレブシェラ、緑膿菌
158感染病学まとめ2:2008/09/19(金) 22:52:54 ID:ydhVfwmw0
●デング熱…デングウイルスによる感染症。ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介。
      現在のところワクチンはない。予防は蚊に刺されるのを防ぐことが重要。
●マールブルグ病…出血熱。マールブルグウイルス(1本鎖RNAウイルス)による感染症。人獣共通感染症。
      ワクチンはなく対症療法のみ。
●クリミア・コンゴ出血熱…クリミア・コンゴウイルスによる感染症。クリミア・コンゴ出血熱ウイルスをもつ
      ダニに噛まれることで感染。患者の隔離、輸液・電解質補正、輸血などの対症療法のほか
      抗ウイルス剤(リバビリン)の投与、2次感染の予防として抗生物質の投与が行われる。
●ラッサ熱…出血熱のひとつ。アレナウイルス科ラッサウイルス(1本鎖RNA)による。マストミスという齧歯類の動物が自然宿主。
      感染しているマストミスは症状を示さず、尿、唾液中に終生ウイルスを排出し、ヒトは接触感染により伝播し、
      二次感染も起こる。治療ではリバビリンを静注する。
●エボラ出血熱…フィロウイルス科エボラウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。出血熱の一つ。
      患者の血液、分泌物、排泄物や、唾液などの飛沫が感染源となる。死亡した患者からも感染する。
      エボラウイルスの感染力は強いが基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しない。
      ワクチン、治療法はみつかっていない。バリアナーシングが唯一の対策。
●黄熱(黄熱病)…ネッタイシマカなどのカ(蚊)によって媒介される黄熱ウイルスを病原体とする感染症。
      感染症法における四類感染症。日常生活におけるヒトからヒトへの直接感染はない。
      特効薬は無いが、1回接種の生ワクチン(17D)によって予防可能。
●腎症候性出血熱…ハンタウイルス属のウイルス感染を原因とする人獣共通感染症。 
      自然宿主は齧歯類であり、げっ歯類では不顕性感染を示す。排泄物の飛沫あるいは
      口傷によりヒトへの感染が成立する。治療は対症療法による。
●人獣共通感染症
  Q熱、アニサキス症、エキノコックス症、黄熱、オウム病、回帰熱、カンピロバクター腸炎、狂犬病、
  クリミア・コンゴ出血熱、高病原性トリインフルエンザ、腎症候性出血熱、ツツガムシ病、日本紅斑熱、日本脳炎、
  ハンタウイルス肺症候群、ブルセラ症、ペスト、マールブルグ病、幼虫移行症、ライム病、ラッサ熱など
●ライム病…マダニに媒介されるスピロヘータの一種、ボレリアの感染によって引き起こされる
    人獣共通感染症のひとつ。マダニによる咬着より数日から数週間後に、刺咬部を中心とした
    特徴的な遊走性紅斑を呈する。他に、リンパ節の腫張や、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、
    倦怠感などのインフルエンザ様の症状を伴うこともある。テトラサイクリン、ドキシサイクリン、
    ペニシリン、エリスロマイシン、アモキシシリンなどで治療。日本では使用可能なワクチンはない。
●ツツガムシ病…ツツガムシリケッチアの感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、
    野ネズミなどに寄生するダニの一群であるツツガムシが媒介する。ツツガムシに刺されてから5-14日の潜伏期ののち、
    39度以上の高熱とともに発症し、2日目ころから体幹部を中心とした全身に、2-5mmの大きさの紅斑・丘疹状の発疹が出現し、
    5日目ころに消退する。筋肉痛、目の充血が見られることもある。 皮膚には特徴的なダニの刺し口が見られる。
    刺し口は発赤と軽度の腫脹を呈し、水泡から潰瘍化してかさぶたを形成する。発熱・発疹・刺し口は主要3兆候
    とよばれ90%程度の患者にみられる。治療にはテトラサイクリン系の抗菌薬が第一選択。その他、クロラムフェニコールも使用。
●緑膿菌感染症…健常者にはほとんど見られない(日和見感染症)。治療は第一選択となるアミノグリコシド系のゲンタマイシン、
    トブラマイシンやアミカシンを用いる。
159感染病学まとめ3:2008/09/19(金) 22:55:45 ID:ydhVfwmw0
●ニコルスキー現象…尋常性天疱瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、先天性表皮水疱症、中毒性表皮壊死融解症などの疾患において、
          皮疹のない皮膚面に指先などで機械的な圧迫を加えると、容易に表皮剥離や水疱を生ずる現象。
1601病理まとめ1:2008/09/19(金) 23:01:05 ID:ydhVfwmw0
●ヘリコバクター・ピロリ…運動能を有するラセン型グラム陰性桿菌。急性胃炎、胃がんの原因菌。
             ウレアーゼをもち胃酸の中での生息を可能にしている。経口感染。
    ※ウレアーゼは尿素を加水分解により二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素。
     反応:(NH2)2CO + H2O → CO2 + 2 NH3
●潰瘍とびらん
  潰瘍:粘膜筋板を貫通する欠損⇔びらん:表面的で粘膜筋板に達しない欠損(粘膜の一部あるいは粘膜全層の欠損)
●異所性膵…正常膵臓とは別に小さな膵臓組織が胃、十二指腸、空腸などに見られることがあり、これを異所性膵と呼ぶ。
●腸上皮化生
  ○病態…胃の上皮が形態ならびに機能的に腸の上皮に類似する
  ○形態…吸収上皮、杯細胞、パネート細胞、内分泌細胞からなる腺管
  ○分類
    完全型腸上皮化生(小腸型)…パネート細胞が見られる
    不完全型腸上皮化生(大腸型)…パネート細胞が見られない…ガン化しやすい
  ※パネート細胞…小腸において微生物に対する防御因子を備える細胞。パネート細胞は機能的に好中球に類似し、
          小腸での自然免疫に関与する。細菌や細菌抗原に曝露された時、パネート細胞は陰窩の内腔に
          抗菌物質を分泌する。
●胃腺腫
  ○扁平腺腫…胃腺腫の大部分を占める。組織学的に2階建て構造をとる。
        周囲粘膜には腸上皮化生が強い。ガン化は稀。
1611病理まとめ2:2008/09/20(土) 00:19:11 ID:hJkENrWq0
●消化管の一般構造
  浅層(管腔側)⇒粘膜(粘膜上皮→粘膜固有層→粘膜筋板)→粘膜下組織→筋層(内輪走筋→外縦走筋)→漿膜⇒深層
  ※粘膜下組織にマイスナー神経叢あり
  ※筋層の内輪走筋と外縦走筋の間にアウエルバッハ神経叢(筋間神経叢)あり

●潰瘍の分類
  ○Ul-T…粘膜の欠損、びらんともいう
  ○Ul-U…粘膜と粘膜下組織までの欠損
  ○Ul-V…粘膜、粘膜下組織、固有筋層までの欠損
  ○Ul-W…粘膜、粘膜下組織、固有筋層、漿膜下組織まで達する欠損
  ※瘢痕(scar)…潰瘍、創傷、梗塞による壊死などによって生じた、様々な器官の組織欠損が、肉芽組織の形成を経て、
        最終的に緻密な膠原線維や結合織に置き換わる事で修復された状態。皮膚の瘢痕には、いわゆる傷跡(成熟瘢痕)から、
        赤く盛り上がる異常な瘢痕(肥厚性瘢痕)や、肥厚性瘢痕が正常皮膚にも広がっていく瘢痕(ケロイド)、
        さらに引きつれたもの(瘢痕拘縮)などの状態がある。
●潰瘍の病理像
  内腔⇒浸出層→類線維素壊死層→肉芽層→線維層⇒外側
●潰瘍の合併症
  出血、穿孔、穿通(化膿性腹膜炎)、狭窄
1621病理まとめ3:2008/09/20(土) 11:06:47 ID:hJkENrWq0
●ピロリが引き起こす病気
  胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、悪性リンパ腫(MALT lymphoma)、胃がん
1631病理まとめ4:2008/09/20(土) 11:38:14 ID:hJkENrWq0
●潰瘍は男性に多い
●Zollinger-Ellison 症候群 (ZES)…膵ランゲルハンス島の非β細胞腫瘍による抗ガストリン血症
                 →過酸分泌状態→潰瘍
●GIMTs…固有筋層から発生する間葉系腫瘍。紡錘形細胞(Cajalの介在細胞)の増殖。 (※昔の平滑筋肉腫)
     ○GISTs…平滑筋マーカーで染めても染まらないもの。GIMTの約8割。
     ※Cajalの介在細胞…消化管の自動運動のペースメーカー細胞で、c-kit(+)、CD34(+)。
               GISTではこのc-kitの突然変異が高率にみられる。
     ○診断…HE染色の段階ではGIMTと診断しておき、免疫染色を行いc-kitあるいはCD34陽性ならばGISTと診断する。
     ○治療…リスクの高い病変は摘出する。リスク分類は腫瘍の大きさ、核分裂像数で行う。
1641病理まとめ5:2008/09/20(土) 12:02:12 ID:hJkENrWq0
●悪性リンパ腫…リンパ・免疫組織を構成する細胞が腫瘍化したもので、リンパ節から発生し全身のリンパ節に広がる
        節性リンパ腫と、消化管や乳腺、扁桃などリンパ節以外の臓器から発生する節外性リンパ腫がある。
        組織学的には悪性リンパ腫はホジキン病と非ホジキン病に大別される。
        日本では消化管原発の節外性リンパ腫が多い。
   ○胃の悪性リンパ腫…胃の悪性リンパ腫は節外性リンパ腫であり、消化管に発生する
        節外性リンパ腫の7〜8割を占める。非ホジキンリンパ腫で、ほとんどが B cell
        由来リンパ腫である。mucosa-associated lymphoid tissue(MALT、粘膜関連リンパ組織)
        由来リンパ腫と、びまん性大細胞性リンパ腫が大部分を占める。
       A)MALT lymphoma…低悪性度。二次リンパ濾胞のマントル領域の外側にリンパ腫細胞の増殖が見られるのが基本形
                リンパ腫細胞が上皮腺管内に浸潤する。リンパ腫細胞の形質細胞への弁かが見られる。
       B)びまん性大細胞性リンパ腫…高悪性度。胃の固有構造を破壊しながら増殖。ガンと異なり線維化しないので狭窄は起こさない。
                消化管の病変が主体でありリンパ節浸潤は所属リンパ節に限定される
1651病理まとめ5:2008/09/20(土) 12:30:28 ID:hJkENrWq0
●ガンの形態
 ○ボールマン分類(進行胃がん肉眼分類)
    0型…表在型:病変の肉眼形態が軽度な隆起や陥凹を示すに過ぎないもの
     1型…腫瘤型:明らかに隆起した形態を示し、周囲粘膜との境界が明瞭
     2型…潰瘍限局型:潰瘍を形成し、潰瘍を取り巻く胃壁が肥厚し周堤を形成する。
        周堤と周囲粘膜との境界が比較的明瞭なもの。
     3型…潰瘍浸潤型:潰瘍を形成し、潰瘍を取り巻く胃壁が肥厚し周堤を形成するが、
        周堤と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
     4型…びまん浸潤型:著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を示し
        病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
     5型…分類不能
 ○0型(表在型)の亜分類(内視鏡早期ガン分類)
     T型…隆起型:明らかな腫瘤状の隆起があるもの
     U型…表在型:明らかな隆起も陥凹も認められないもの
        Ua型…表在隆起型:表在型であるが、低い隆起が認められるもの
        Ub型…表在平坦型:清浄粘膜に見られる凹凸を越えるほどの隆起・陥凹が認められないもの
        Uc型…表在陥凹型:わずかなびらん、または粘膜の浅い陥凹が認められるもの
     V型…陥凹型:明らかに深い陥凹が認められるもの
1661病理まとめ7:2008/09/20(土) 13:14:54 ID:hJkENrWq0
●粘膜下層までの浸潤=早期ガン、筋層にまで及んだガンを進行がんと定義する
●ガンの組織型分類…一般に腺管形成の明らかなガンを分化型、不明瞭なのを低分化型とする。
  ○分化型ガン…腺管形成があり、それが不規則で、密度が高い(紫色が強い)。それに加え細胞異型、構造異型。
  ○低分化腺ガン…腺ができず粘液ガンになりやすかったり、胃の基本層構造が見られなく一様に細胞分布しやすい。
    ※低分化腺ガンのうち非充実型がスキルスといわれる
  ○印環細胞ガン…細胞内に豊富な粘液をもつため核は辺縁に押しやられ印環状を示す。(写真が国家試験によく出る)
  ○粘液癌(膠様癌)…粘液産生を特徴とする癌であり腫瘤内部は産生された粘液がゼリー状に存在し、
        そこに癌細胞が浮遊。予後良好。
●転移
  ○リンパ行性…所属リンパ節転移、遠隔リンパ節転移
     Virchow転移…胃がんが,左鎖骨上窩のリンパ節に転移したもの
  ○血行性…ガンの静脈侵襲のため、多臓器遠隔転移を起こす
  ○腹膜播種…漿膜をつらぬいたガンが腹腔で増殖する。ガン性腹膜炎を起こす。
     Krukenberg転移
     Schnitzler転移…胃癌などが漿膜を破り、播種性にダグラス窩転移したもの

丸とはピロリ関連なので除菌必要