ゼロの院生<どん底からの国立医学部再受験>Part 4
プロトンポンプ阻害薬
<メカニズム>
壁細胞を直接刺激する科学伝達物質の主たるものには、
1)胃粘膜神経末端より遊離されるアセチルコリン
2)血液を介して到達するガストリン
3)胃粘膜の分泌細胞から酸分泌細胞近傍の細胞外空間に遊離されるヒスタミンの3つに分けられます。
この3つの化学伝達物質が各々のレセプターに結合すると、ヒスタミンはcAMP、アセチルコリンとガストリンはCa++がセカンドメッセンジャーとなり分泌側細胞膜に存在する
H+、K+ATPase(プロトンポンプ)を稼働させ、壁細胞からH+が放出されHCL(塩酸)として胃内腔に分泌させます。
プロトンポンプ阻害剤の作用部位は、分泌の最終過程にあるH+、K+ATPaseのみを阻害し、H2受容体拮抗剤よりも更に基礎および各刺激酸分泌を強力にしかも長時間抑制することによって、その臨床効果が得られます。
しかし動物実験でECL(エンテロクロマフィン様細胞)増加が見られることがあり、長期使用した場合に若干の懸念があります。