学校の教室。親友の佐伯博人と話す西村。
佐伯:「おい西村、何を考えているんだ?いつものお前らしくないぞ」
西村:「別に、なんでもないよ」
佐伯:「受験のことか、なら安心しろ。お前なら中堅私大は余裕で合格圏内だろ?
早慶は半年。マーチは三ヶ月。日東駒専なら一ヶ月だ。まあ俺は東大余裕だし」
そう言って佐伯は、英単語帳を必死で復習している一人の学生を、哀れむように眺めた。
西村:「聖セシリア学院って、進学校だよな?」
佐伯:「何を言うんだいきなり。ああ、進学校だよ。去年は東大十五人だったな」
西村:「聖セシリアの子って、みんな東大受験するのか?」
佐伯:「そんなの知るか。でもあの数字じゃあな。そうとうがりがりやってるんじゃないか?」
373 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/14(木) 20:30:51 ID:UXdhBFCf0
学校の帰り道。町を歩く西村。
西村:「あの時間、俺があの子に会ったとき、世界史の授業の始まる前だったな。
その前の時間はなんだろう。
山中ゼミナールの一室。いつも通り席に着く西村。
西村:この世界史の授業の前には、何の授業が行われているんだろう」
原谷:教室に入ってくる。「さあ今日は第二次大戦までを片付けるぞ」
西村:教科書を開くも、少女のことが気になり、授業にいまいち身が入らない。
学校の教室。昼休み。
佐伯:「山中ゼミの世界史の前の授業?生物だよ」
こともなげに言う。
西村:「コースは?」
佐伯:「東大文系特別コースだ。生物があるからな。まあお前には関係の無いことだろ?」
西村:独白「彼女、東大目指してるんだ…」
以上。ここまでやってみたが、結構ムズイ。
374 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/15(金) 03:17:54 ID:FfZoyseO0
各話設定:タイトル1
第一話:空飛ぶ世界史:
第二話:模試デビュー戦線異常あり
第三話:私文と国文のはざまで
第四話:臨戦態勢、茶進ゼミナール夏期講習夏の陣
第五話:B判定とE判定の狭間で
第六話:過ぎ行く夏の置き土産:八雲神社の奇跡
第七話:伝説再び!茶進ゼミナール全国模試の兵現る
第八話:サンタクロースのいないクリスマス
第九話:安田講堂前の誓い 受けるべき大学はただひとつ
第十話:センター試験冬の陣 春につながる階段
第十一話:約束
最終話:東京帝国大学万歳!
375 :
名無しなのに合格:2008/02/15(金) 03:26:56 ID:mQfPBDoQO
なにこのキモいスレ
376 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/15(金) 04:03:24 ID:FfZoyseO0
キモいか…
まあ確かに私の駄文が載ってるせいでそう見られるんだろうな。
これからこれをもっと改良して、最高に思い白いコメディにしようと
思ってます。
マジレスすると
「人名」文章〜
は最悪の形式。TRPGの再現じゃないんだから。
小説作法のサイトのぞいてきなよ。
プロットっていうのは、そういう細かいことを書くんじゃなくて
起承転結、章立てなら章立てごとみたいにかなり大まかな流れを書くべきで
わざわざ独白だなんだ、って書く必要はない。
あと、台詞が異常に不自然。
少女:「はい、ありがとうございます」
西村は筆箱を手に取り、少女に渡す。
少女:「どうもありがとうございます」
こんな機械的な動作のやつ、いる?w
プロットは現代文の論旨要約を一段階掘り下げた程度で良いかもしれんね。
379 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/15(金) 19:51:55 ID:FfZoyseO0
380 :
(キ▼ω▼):2008/02/15(金) 20:03:43 ID:asuK+0oaO
>>377の指摘した所だけど
「ありがとうございます」を二回繰り返すのはくどいかも
381 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/15(金) 20:56:57 ID:FfZoyseO0
>>377 確かにお世辞にも文章がうまいとは言えないな
中学生が書いたみたいで全く引き付けられん
383 :
Caiki-Cenban-[壁男]д゚) ◆MP885/s... :2008/02/16(土) 14:53:58 ID:yZYdh/5sO
プロットを意識したからそうなったって部分もあるかも。
まぁ辺に焦らずにお互い焦らずに自己研鑽してきましょうぜ。
384 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/16(土) 16:43:28 ID:IsVecLiH0
385 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/17(日) 04:25:39 ID:M+wR98Zl0
どうにも煮詰まったので、ツタヤで宮崎駿の「天空の城ラピュタ」を
購入。
アイデアやストーリーで参考になれば良いかなと。
386 :
Caiki-Cenban-[壁男]д゚) ◆ZZZZO0Kmd. :2008/02/17(日) 07:07:06 ID:w/nS7f4EO
387 :
名無しなのに合格:2008/02/17(日) 07:14:23 ID:rB9sNjDRO
1=嘉一朗?
388 :
Caiki-Cenban-[壁男]д゚) ◆MP885/s... :2008/02/17(日) 07:20:32 ID:w/nS7f4EO
あれ、違ったかな?
389 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/17(日) 10:19:14 ID:M+wR98Zl0
>>386 私は嘉一郎です。
学習院大学中退です。
今はフランスの大学目指して勉強中です。
390 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/17(日) 10:21:11 ID:M+wR98Zl0
391 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/17(日) 10:27:58 ID:M+wR98Zl0
392 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/17(日) 23:18:15 ID:M+wR98Zl0
小説にしてみた。↓第一話冒頭
被告人は通っていた予備校の授業で弱点であった三角関数の加法定理を補強したにもかかわらず、
センター本番で初歩的な計算ミスをし、三十点中十七点の失点をし、かつ得意であったはずの
図形と式、微分積分で題意の読み取りが出来ず、これも二十点の失点。他にもあちこちで
初歩的な計算ミスを繰り返し、数学UBでは合計三十七点という大敗を喫した。
その他にも英語では、しっかり文法の基礎を固めておけば取れるはずの文法問題で失点し、
長文読解では選択肢のきり方を誤り、国語では大問二の小説で大撃沈。漢文もなめてかかって
失敗。さらに生物では遺伝の基本を抑えられずに七割を切るという有様。稼ぎどころである
世界史では教科書レベルの知識がままならず、本番までに全範囲を終えられないという失態をさらした。
倫理ではリード文の読解不備で失点。合計するとなんと、548点。まともに高校課程を終えた生徒が
とる成績ではありえない。裁判長。私は被告人に死刑を求刑します。
そう言って検察官は西村の顔を凝視した。鋭利な眼をしたその検察官は、射るように西村を眺めた。
違う!それは違う!
西村は思った。センターは本番前日まで家で問題集を回し、公式をチェックし、
計算練習もした。現代文だって模試ではいつも八割を取れていた。それなのに、それなのに、
本番ときたら、まるで勝手が違うのだ。立てておいたはずの柱があちこちで折れ、応用を支えていた
はずの基礎力が崩れていった。センターの前日と当日では、およそ同じ人間とは思えないほどの
変わりようだった。
俺は悪くない!西村は思った。
「判決を言い渡す」
裁判長が言った。ハツカネズミのような顔をしいたその裁判長は、鷹のような目で
西村を射すくめた。
「主文 被告人は有罪。よって死刑を確定する」
待ってくれ!西村は思った。今日まで彼を弁護してくれた弁護士は、万策つきたと言わんばかりに、
法廷の床を見つめていた。傍聴席には父が、母が、氷のような顔をして座っていた。
待て、待て、待ってくれ!
両脇にいた警官が彼を捕まえた。死の十三階段へと上るのだ。
助けてくれ!勉強ならする。今から死ぬ気でやる。だから助けて!
「何度そのセリフを言った」
警官が言った。
「模試でE判定を取るたびに言っていたな」
警官が言った。
待て、待て、助けてくれー!誰かー!俺にもう一度だけチャンスをくれー!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリリ……リリリン。
西村は目を開けた。高等部に痛みを感じた。部屋の天井がおぼろげに見える。
寝台から落ちたのだ。西村は慌てて上半身を起こすと、あたりを眺めた。
机の上にはやりかけのチャート式数学TAとノート、本棚には参考書。
なんと言うことも無い。いつもの朝だった。
「夢だったのか」
西村は大きく息を吸うと、それを忘れようとするかのように頭を振った。
393 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/18(月) 02:54:18 ID:cFCSeE4e0
↑
主人公は最初は私文洗顔なので、参考書はビジュアル英文解釈のほうがいいかな。
394 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/18(月) 03:13:14 ID:cFCSeE4e0
どうか皆様、ご意見をお聞かせください。
私の駄文が苦でなく、少しでも「いいな」と思ったら、
どんどん意見を書いてください。
意見を取り入れながら内容も変えていきます。
よろしくお願いします。
395 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/18(月) 03:42:39 ID:cFCSeE4e0
朝ごはん。
西村はいつも通り、アジの干物と海苔、納豆、そして豆腐の味噌汁を食べる。
「最近勉強はどうなの?ちゃんと進んでるんでしょうね?」
こんな母の言葉に返事をするのもだいぶ慣れた。
「大丈夫だよ。早慶は半年、マーチは三ヶ月、日東駒専なら一ヶ月だよ。予備校でも
自習室で頑張ってる。
「それならいいけど」
と母が入った。
「お父さんが心配してるのよ。お前は長男だから、しっかりしてもらわないと」
こんな母の言葉にも慣れた。適当に「分かってる」「自覚はしている」「勉強は問題なし」
こう答えることで、そのうっとうしい質問を跳ね返す術を体得したのだ。
「じゃ、行って来ます」
そう言って西村は家を出る。
西村、本名は西村電子。一体家の家系のどこをどう叩いたらそんな名前が出来るのか。
西村自体数学及び理系科目が苦手だ。親父にしても、田舎の商業高校までしか出ていない。
何でも西村が生まれたときに、理系の知識がまったく無く、仕事である制作会社でも
ずいぶんと辛酸をなめたようだ。次に生まれてくる子供には、せめて理系が得意な子が生まれてほしい。
そんな願いから、「電子」という名前を命名したそうだ。
でも学校では、一応自称進学校なのだが、その実績たるや、東大京大は開校以来ゼロ。
日東駒専に受かろうものなら学内誌に名前と大学が出るような有様だ。
西村が籍を置くのは私大文系特進コース。でもここってさあ、開港以来マーチはおろか、
成成独国武に受かれば万々歳なコースな訳。
で、一応学年トップである西村だが、各種模試を受けてみると、これが偏差値51ぐらいが
最高なんだわ。
当然名門校には程遠い。でも西村は思った。
学歴だけが人生じゃない。学歴が無くたって立派な人は沢山いる。
とりあえず安全圏の成成独国武でも受けて、当たり障りの無い学生生活を遅れればいいなと思っていた。
そんな時、俺は、西園寺礼子と出会った。
396 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/18(月) 04:18:22 ID:cFCSeE4e0
久しぶりに覗いたら話はじまってたww
主、文章つくるのうまくね?文学部?
398 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/18(月) 15:03:09 ID:cFCSeE4e0
>>397 ありがとうございます。
一応文学部にいました。
399 :
名無しなのに合格:2008/02/18(月) 16:04:31 ID:f/1G+9GBO
淡々と報告みたいな文章だなぁ
うーん…小説書くのは難しい
彼女と呼べる存在がいるか?
この問いに、イエスと答えられる高校生は、そんなに多くないのではないだろうか。
西村も同様だった。そりゃ小学校の高学年や中学生の頃は、一緒に遊んだ異性もいるが、
高校へ入ってからと言うもの、西村には彼女が出来なかった。学校は共学だった。
だから男子校生のように、女の匂いを追っかけるために必死になる必要はなかった。
女はいつでも近くに、西村の手の届くところにいた。しかし西村は、その恵まれた境遇に
馴染むことが出来なかった。そう、西村は晩生(おくて)だった。だから思春期の頃の
娘特有のあのほろ苦い香りにはひきつけられても、それを手にするために行動するだけの
勇気はもっていなかったのである。
とはいえ、娘への憧れが無かったかと言うと嘘になる。
西村はよく考えた。深夜アニメの主人公のように、多くの娘たちに囲まれる自分の
生活を。だがいつも空想には現実が勝利した。西村にはある日突然大和撫子のいいなずけが現れることも、
ある日突然空から宇宙の王国のお姫様が降ってくることも、ある日突然十二人の妹が出来ることも、
ある日突然包帯を巻いた少女の代わりに戦闘機に乗って戦うことも無かった。
こうして西村は、端から見たら楽園とも呼べる青春の真っ只中にあって、一人の彼女も作ることなく、
ひとり孤高を固持していた。
だが西村は考えた。いつの日か、自分の前に現れるであろう運命の人のことを。
校庭にラインを描く石灰のように漂白された日常の中で、西村はなお、夢見ることを忘れなかった。
運命の気まぐれか、その日はまもなくやって来た。
西村が、地上の天使にめぐり合う日が。それは突然に訪れた。
山中ゼミナールは、明海大学出身の数学者山中浩二が開く私塾である。
西村はこの私塾に、高校二年の夏休みから通い始めた。
英語の平山は麗澤大、現代文の窪田は帝京大、古文の篠山は国士舘大と、
お世辞にも高学歴とは言いがたいが、しかし熱意のある講師陣が、西村の夏休みを受け持った。
西村は考えていた。やがて来る受験と言うものを。それは日本に住む高校生なら誰もが通る、
通過儀礼のようなものだった。高二の夏と言う時期を通して、西村はやがて自分にも
訪れるであろう受験生活をおぼろげに描いた。
401 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/19(火) 03:38:21 ID:zSQnOnNs0
そんな夏のある日のことだった。
西村は夏期講習で、杉並にあるゼミの教室で、一人昼寝をしていた。
いつ授業が始まってもいいように、机の上にはテキスト、辞書、参考書そしてノートを開いて、
机の上にうつ伏して眠っていた。
夏の昼下がり、空には煮込んだような太陽が上り、教室の並んだ机の蔭を、
鋭く切り取っていた。
一つだけ気になったのは、机の上に、誰のものか分からない筆箱があることだった。
緑色をしたそれは、透明なプラスチック製で、中に入っているシャーペンや蛍光ペンが鮮やかに見えた。
「何だ。邪魔くさい」
そう言って西村は、その筆箱を、枕代わりにしている机の端に押しのけた。
その時だった。
「あの、すいません」
声に目を覚まして起き上がると、一人の少女が、西村の横に立っていた。
鶯(うぐいす)のように澄んだ瞳、ワカメのような長い黒髪を肩まで伸ばし、
石英のように白い肌をしたその娘は、西村に向かって笑いかけ、目で合図した。
「ああ、これ君の?」
梯子から落ちる大工のように不器用に西村が反応した。彼は筆箱を取ると、静かにそれを少女に渡した。
「ありがとうございます」
そう言って少女は筆箱を受け取ると、ライトノベルの挿絵のような笑顔をして、西村に礼を言った。
優しく膨らんだ胸元に目が行った。西村は必死でそれを制し、でんぐり返っている声を取り押さえて、
「どういたしまして」と言った。
黒髪を揺すって少女が走っていった。それから約一分、西村は知らないうちに高ぶっている脈拍に
驚きながら、瞼にしっかりと焼きついた娘の笑顔をかみ締めていた。
あの制服は聖セシリア学院の物だ。
聖セシリア学院。地元では知らぬ物のいないお嬢様学校である。進学率も抜群で、
毎年東大に数十名が合格している。そんな天女のような人の声を西村は聞いた。
ニースの南風のような、優しい声だった。
こうしてはいられない。西村は思った。
これから始まろうとしている世界史の授業の前、二限の授業は何か?
そんな問いが頭をかすめた。ずっと後になって西村は知った。それが「初恋」と言うものであることを。
402 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/19(火) 11:42:02 ID:zSQnOnNs0
参加者がいない…orz
403 :
名無しなのに合格:2008/02/19(火) 11:48:55 ID:u8MVmLgz0
頑張れ、地味に応援。
小説のことなんて何も分かってない私の感想とか気になった所とか。
あまり真剣に受け取らず右から左へ流す感じでお願いします。
>>392 はじめのセンター結果詳細はもう少しすっきりさせた方が良いような気がする。
法廷の夢から始まるのは楽しいと思った。
>>395 >でもここってさあ〜最高なんだわ
が違和感。主人公の口調に敢えてしたんだろうけど、私が仮に本屋で立ち読みしてたら、ここで閉じるわwww
>何でも西村が生まれたときに と せめて
の修飾が変じゃないか?
親父にしても、田舎の商業高校までしか出ていない。理系の知識がまったく無く、仕事である制作会社でもずいぶんと辛酸をなめたようだ。
せめて次に生まれてくる子供には、理系が得意な子が生まれてほしい。
もしくは
親父にしても、田舎の商業高校までしか出ていない。
何でも西村が生まれたときに、理系の知識がまったく無く仕事である制作会社でも辛酸をなめた父が、せめて次に生まれてくる子供には理系が得意な子が生まれてほしい。
って意味だろ?
>>400 >西村はよく考えた。深夜アニメの主人公のように、多くの娘たちに囲まれる自分の生活を。
>だが西村は考えた。いつの日か、自分の前に現れるであろう運命の人のことを。
二カ所とも倒置する必要ないんじゃ・・・。わざとだったらスマソ。
>そんな時、俺は、西園寺礼子と出会った。
>運命の気まぐれか、その日はまもなくやって来た。
西村が、地上の天使にめぐり合う日が。それは突然に訪れた。
引っ張りすぎだろw
>>401 >ずっと後になって西村は知った。それが「初恋」と言うものであることを。
ひたすら倒置が好きなんだな・・・。
いや、別に良いんだが・・・。
>>400-401 「〜〜〜た。」で終わる文章が多すぎだと思う。
多くて連続3回までじゃないか?
404 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/19(火) 11:55:12 ID:zSQnOnNs0
>>403 おお!!!
これはご丁寧な感想&突っ込み感謝。
そうですね。
ご指摘、確かに的確です。
ありがとうございます!!!
どこの学校にも、「情報屋」がいるものだ。西村が在籍している私立下水(くだみず)高校でもそれは同じだった。
中学からの同窓生である佐伯博人は、さながら歩くデータバンクだった。
近隣のあらゆる学校の、誰が優等生か、誰が学年一の美少女か、誰が最も東大合格に近いか、
全て知っていた。
夏休みが終り、いつも通りの学生生活が始まった西村は、登校するなり、佐伯を捕まえてこう言った。
「なあ、山中ゼミナールの夏期講習の世界史の授業あるじゃん?あれの前って何の授業があるんだ?」
「生物だよ」
こともなげに佐伯は言った。
「生物?と言うことは国公立か?」
「ああ。東大文系特別コースだ」
東大。およそ日本にいる高校生が一度は耳にし、その凄絶なる威光を感じているあの大学。
西村にとっての天使は東大受験生だったのか。
「なあ佐伯」
西村は言った。
「俺、東大行けるかなあ」
そんな西村の問いに、佐伯は憮然として答えた。
「お前、うちの高校のレベル知らねえの?良くて成成独国武だぞ。お前だってその辺が本命なんだろ?
間違ってもそんなこと考えるもんじゃねえ。多浪して廃人になるぞ」
そう言い放つ佐伯に、西村は逆上した。
「んなこと言ったって、やって見なければ分からないじゃないか。確かに俺は私文だが、数学をやれば
国公立に鞍替え出来る」
「何ムキになってんだよ」
佐伯が言った。
「まあ俺は別だがね。東大は余裕」
そう言う佐伯に西村はさらに逆上した。
「お前、駿台の東大実戦受けたこと無いくせに」
「模試を受けるまでもない」
佐伯が言った。
「俺は東大に受かる。お前はせいぜい私文専願でいっとけ」
西村は言いようの無い怒りを覚えたが、次の瞬間、話題を変えた。
「なあ、聖セシリア学院って進学校だよな」
「ああ。あそこは別格だ。今年も東大に二十人だったかな。まあ俺たちには関係の無い話だがね」
406 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/19(火) 13:07:35 ID:zSQnOnNs0
こともなげに佐伯にそういわれたが、西村はどこかで、自分と彼女がいわゆる赤い糸で
結ばれた存在ではないかと考えるようになった。
しかし西村にはどうすることも出来なかった。
一自称進学校の一生徒が、身分違いの恋をする。西村にとってそれは、夢のまた夢。実現可能性ゼロの
甘い夢だった。だが一度その蜜の味を知ってしまった西村は、何とかしてあの少女にもう一度会いたいと
願うようになっていた。
月日は矢のように過ぎていった。季節は秋。西村は早くも高校三年生。最後の高校生活を送っていた。
「やはり俺は、成成独国武が順当なのか」
受験が目前に迫るにつれ、西村はそう考えるようになっていた。
勉強は苦にならなかった。高校受験の際に学習塾に通っていたおかげで、
机に向かう習慣は出来ていた。
「おい佐伯、お前勉強はかどってるのか・」
「俺なら大丈夫だよ」
西村の問いに、佐伯はいつもこう答えた。
果たしてこの男に本当に東大に受かる実力があるのか。
夕食後の七時半から十一時まで、西村は勉強した。
それもおざなりなものではなく、参考書の隅から隅までじっくりと目を通し、
赤本も時間を計って演習した。
第一志望は国学院だった。もちろん西村の中では、東大が第一志望だった。
しかし現実に模試の判定を見ると、西村が狙うことを許されるのはやはり成成独国武だった。
夕食時、一家が揃う席で、父親の祐一郎はよく西村に言った。
「勉強は進んでいるか」と。
「大丈夫だよ」
西村はこう答えた。
秋が過ぎ、季節は麦秋を経て、灰色の晩秋がやって来た。吹く風は冷たく、大陸の空気の味を
日本にもたらした。
いつもと変わらない生活。いつもと同じ授業。いつもと同じゼミ。
そんな時、信じられない偶然が、西村の身に起こった。
それは山中ゼミナールの冬期講習の時だった。
407 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/19(火) 13:42:39 ID:zSQnOnNs0
滑ったww
いまから国立大の勉強...
409 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/20(水) 18:06:28 ID:/pQcU0hm0
>>408 現れないので絶望していましたが、良かったです。
国立大の受験ですか。
頑張ってください。
410 :
加藤あい姫統一戦線 ◆Xb1uNrfekw :2008/02/20(水) 18:09:57 ID:Rqw9JsK5O
あきたお( ^ω^)
411 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/21(木) 17:48:31 ID:3GlgCjQh0
age
第三弾↓
「お前も取れよ!英語構文Uの授業」
冬休みのある日、ホットココアを飲みながら、西村は佐伯に言った。
「だから言ってるだろ、俺は東大余裕だって。冬期講習なんか金の無駄」
そう言って佐伯はテーブルの上に出されたキットカットを取ると、パックを開け、
それを口に入れた。
冬の昼下がり、南に面した西村の部屋にはガーゼのようなか細い陽の光が差し、
机の上に広げられたビジュアル英文解釈とノートを照らし出していた。
「そう言ってセンターで失敗する奴が毎年何人いるか。お前だって分かるだろ?
センター試験の恐ろしさ。絶対弱点補強をしておいたほうがいいって」
「悪いが気遣いは無用だ」
そう言って佐伯は二つ目のキットカットを手にすると、その封を開けた。
こいつはどこまでも甘いやつだな。高校生活も、予備校も、センター試験も、そして本番の試験も、
今食べているキットカットのように甘く感じているのだ。だが本番ではそうは行くまい。苦い砂を噛む様な思いをするに違いない。
西村はそう考えると、佐伯をよそに、山中ゼミナールの冬期講習の申込用紙の空欄を埋めた。
A日程の二時間目、現代文演習、B日程の三時間目、英作文特講、四時間目、英文法ファイナル…。
そうやって記入をしているうちに、西村にも、目前に迫っている受験と言うものが、その全貌を現し始めているのを感じた。
大学受験。およそ日本に住む高校生のほとんどが経験する一大イベント。全ては合格のその日のために、ある者は彼女を捨て、
ある者は好きな音楽を放棄し、ある者は一日四時間半の睡眠にする。
そうして戦いの果てには、誰もが夢見る「合格」の二文字がある。西村もそんな二文字のために戦う戦士の一人になっていた。
「もう俺は知らん」
そう言って西村は、電撃HPを読んでいる佐伯をよそに、再び勉強を始めた。
全ては順調だった。春の模試では明治学院がB判定。六月に受けた駿台の全国模試には叩き潰されたが、夏休み明けの全国判定模試ではA判定だった。
西村はただ前進していれば良かった。走り続けていれば、同じ地平線上に合格はあった。学び続けていれば、
おのずとゴールがやってくるはずだった。そんな時に、運命のきまぐれか、一つの出来事が、彼の身に起こった。
413 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/21(木) 22:25:26 ID:3GlgCjQh0
眺めのいい教室は珍しい。
大抵はビルの狭間か、位置は高くてもブラインドが下ろされていたりして、なかなか教室から外を眺めるのは難しいものだ。
その点、山中ゼミナールは良かった。
教室の窓はいつも自由に開けたてが出来、五階の503教室からは、
高台から見下ろす杉並の町並みが、冬の陽を浴びている様が、写真のように鮮やかに見えた。
西村はいつものように、英語構文Uのテキストとノートを開くと、徐々に満席になりつつある
教室の机の上で、うたたねを始めた。
ノートの中性紙の匂いが鼻に心地よい。テキストの活字のインキの砂鉄のような匂いがそれに混じった。
いつも通り眠り始めた、その時だった。
「あの、お隣よろしいですか?」
女の声であるのは耳で分かった。しかし次の瞬間、西村は驚きのあまり一瞬言葉に詰まった。
あの髪、あの眼、あの唇。西村の中に根を下ろしたあの少女が、いま目の前に立っていた。
グレーのコートにバーバリーのマフラーを首に巻いていた。
驚きながらも西村は気が付いた。自分の隣が空席になっていることを。
「ああ、いいですよ」
もがくようにそういうと、西村は教材一式を隣の机に移し、少女に席を譲った。
少女は礼を言うと、静かに席に着いた。そうしてマフラーを取り、コートを脱ぐと、それを椅子の背に掛けた。
茶色の格子縞のワイシャツにグレーのロングスカート。
この時期にこの授業を取るということは、来年受験か?やはり東大を受けるのか?
理系か、文系か?彼氏はいるのか、いないのか?
あらゆる問いが沸き起こった。少女への渇望と現存する幸福感が一つになって、
希望と言う名の機関車に引かれた西村の思いが、貨物列車となって頭の中を駆け抜けた。
声をかけてみるか?怪しまれはしないだろうか?でもこんな偶然はめったに無い。
今声をかけなければ、一生その期を逃がしてしまう。
雪かきのような思考の末、西村は少女に声をかけることにした。
「あの、今日はよろしく」
めったに使わない、ナフタリンの匂いがする言葉を少女にかけた。
「よろしくお願いします」
少女が返事をした。
返事をした。返事をくれたのだ。
ディズニーランドと花屋敷とナンジャタウンを合わせて煮詰めたような
高揚感が胸を満たした。すがしい果実のようなさわやかな石鹸の匂い。優しい胸元。
少女は席に着くと、白アスパラガスのような手で、テキストを広げた。
チャイムが鳴った。まもなく講師が入ってきた。こうして、西村の幸せな五日間が始まった。
414 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :2008/02/22(金) 03:30:33 ID:19FThk+V0
白アスパラガスww
416 :
黒幕(キ▼ω▼):2008/02/22(金) 23:37:44 ID:2H/ZCqt5O
耳をすませばみたww
う〜ん
なんか可哀想な気がするんだけど
その時起こったことが漠然と書いてある感じの印象かなぁ...
「耳をすませば」の雫の小説はファンタジーで未知なる世界だからただ書くだけも面白みが出ると思うんだけど
まぁこれは受験生のあるあるだからね...
なんか漠然としすぎててつまらない
これだと作者のオナニーと言われても仕方がないと思う
ホントにごめんネ
勉強が一段落したら自分も小説書いてみる。
捕手
419 :
名無しなのに合格:2008/03/03(月) 07:51:25 ID:38b7rVLPO
星
まだまだ捕手
421 :
嘉一朗 ◆4I/2wBekWg :