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名無しなのに合格:
新司法試験、考査委員の慶大教授が類題演習…法務省が調査
法科大学院の修了生を対象に先月実施された今年度の新司法試験で、出題と採点を担当する
「考査委員」を務める慶応大法科大学院(東京都港区)の植村栄治教授(57)(行政法)が、
今年2〜3月、同大学院の学生相手に答案作成の練習会を開いた上、実際の試験問題と類似した
論点を説明していたことが22日、分かった。
植村教授は読売新聞の取材に、「問題を漏えいする意図はなかったが、軽率だった」と事実関係
を認めており、法務省も同教授から事情を聞くなど調査を始めた。
新司法試験の考査委員は法相が任命し、学者や裁判官ら計156人がいる。非常勤の国家公務員
に当たり、問題の内容や採点基準を漏らしてはいけない守秘義務がある。植村教授は昨年秋に任命
され、他の委員とともに今年度の行政法関連の問題作成に関与した。
関係者によると、植村教授は、既に問題作成を終えていた今年2〜3月、慶大法科大学院で
試験対策の答案練習会を7回開き、毎回、150〜170人の学生に対し、「行政処分の執行停止」
などの論点を説明した。その後も、練習会に出席した学生たちに一斉メールを送信。「試験の参考に
なるよう送ります」と記述した上で、「外国人の退去強制処分」などに関する6本の判例を紹介した。
先月中旬に実施された新司法試験の論文式試験では、行政法分野で、外国人の退去強制処分の
事例を基に処分の執行停止などについて論じる問題が出された。
また、植村教授は、同試験の採点基準が秘密にされているにもかかわらず、試験直前に学生たち
に対し、「新司法試験の採点が終わる8月末以降、各自が試験で書いた論文を再現して送ってくれれば、
採点してあげる」との内容の一斉メールも送信していた。
法務省は、考査委員の任命の際、公正さを疑われることがないよう、答案作成の練習会を行わない
よう要請している。考査委員が個人的に採点を行うことについても、採点基準に関する守秘義務違反
に当たる可能性があるとの見解だ。
今年度の新司法試験は同大学院の修了生271人を含む4607人が受験。ある法曹関係者は
「練習会に参加した学生が有利になったことを証明することは難しく、採点作業への影響はない
と思うが、新司法試験への信頼が失われたことは重大だ」と指摘する。
植村教授は、成蹊大法学部長などを経て、2004年から慶応大の法科大学院教授を務めている。
植村教授は読売新聞に「合格者数を維持したかった。今になってみると公正さが疑われても仕方ない」
と話している。
慶応大広報室は「(答案作成の練習会は)植村教授が私的に開催したもので、大学は関与していない。
個人的な採点の件は、本人も深く反省しており、大学としても深くおわびする」とコメントしている。
(2007年6月23日3時14分 読売新聞)
371 :
名無しなのに合格:2008/02/13(水) 06:34:35 ID:uvNU/uiM0
新司法試験の考査委員・慶大教授、法務省が解任 読売新聞2007/06/29 夕刊
法科大学院の修了生を対象に先月実施された今年度の新司法試験を巡り、出題と採点を担当す
る「考査委員」を務める慶応大法科大学院の植村栄治教授(57)(行政法)が、試験前の答案練習
会で試験問題と類似の論点を学生に教えていた問題で、法務省は29日、植村教授を同日付で解任
したと発表した。
考査委員の解任は、旧司法試験時代も含め、初めて。
同省の司法試験委員会は近く、考査委員全員を対象に、同様の受験指導をした事実がないか報
告を求め、大学院の教員が考査委員も務める現行制度の見直しについても検討するとしている。
長勢法相は同日の閣議後記者会見で、「他の法科大学院も重く受け止めてほしい」と述べた。
同省は、植村教授を2回にわたって呼び出して事情を聞き、〈1〉今年2〜3月、慶応大法科大学院
の学生らを対象に、考査委員が禁じられている答案練習会を7回開き、関連する判例の要旨などを
学生に一斉メールで送った〈2〉試験直前の先月6日、試験で書いた論文を再現したものがあれば個
人的に採点するとした一斉メールも学生に送った――などの事実を確認した。
同省は、問題そのものが学生側に漏えいした事実は確認していないとしているが、「答案練習会を
行い、試験の公正さに疑念を生じさせただけで十分に解任理由になる」としている。また、試験後の
個人的な採点についても、実際に行っていれば、採点基準に関する守秘義務違反に当たる恐れが
あったとしている。
一方、有識者らでつくる同省の司法試験委員会は、今夏の採点作業が本格化する前に、156人
の考査委員全員を対象に、任期中に答案練習会や勉強会などの受験指導を行ったことがないか報
告させる。
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名無しなのに合格:2008/02/13(水) 06:55:39 ID:uvNU/uiM0
検事が酷似問題出題 慶大練習会 新たに判明
東京新聞WEB版2007年8月23日配信記事
今年五月に実施された新司法試験の刑事系科目の論文試験で出題された事例や設問が、
慶応大学が試験前の二月末に開いた答案練習会のテストと酷似していることが分かった。
テストの出題者は、法務省から同大法科大学院に教授として派遣されている検事(46)。
新司法試験をめぐっては、出題を担当する考査委員だった同大法科大学院教授が事前に
答案練習会を開いていた不祥事が六月に発覚している。新たな指摘に同省は「漏えいの
事実はなかった」としているが、その的中ぶりに他大学の教員らからは不信の声がくす
ぶっている。
今回類似が明らかになったのは、新司法試験の刑事系論文試験で二問出題されたうち、
放火犯特定のための捜査で、警察が令状を得ないままビデオ撮影を行った事例を基にした
問題。ビデオ撮影の適法性と、同種犯罪の前科を公判の事実認定の証拠として用いることが
できるか−について論じる設問が出された。
一方、慶応大の答案練習会で出題されたのは、令状なしで誘拐犯などを写真撮影した
捜査事例を示し、撮影の適法性、前科を証拠として用いることの可否−の設問。法科大学院
とは別組織で、在校生や卒業生の受験支援をする「司法研究室」が開催し、法科大学院生ら
約二百人が参加した。
関係者によると、テストを作成したのは「実務家教員」として二〇〇五年四月、検事の身分
のまま派遣された刑事法担当教授という。
考査委員による答案練習会の開催が明らかになった後、司法研究室主催の練習会についても
類似性が指摘されたことから、同省は検事らから事情を聴くなどして調査。
その結果、今回は「実際の試験問題を知る立場にはなく、考査委員から試験情報を得た事実
も見受けられない」(人事部)として“偶然の一致”と判断。法科大学院以外での予備校的な
受験対策に検事が関与した点についても「公務ではない」(同)と不問とした。
別の法科大学院で刑事法担当教授を務める弁護士は「まったく異なる論点を問う二つの設問
が的中するとは、あまりにも不自然。身内意識を排した第三者による徹底した調査が必要だ」
と主張している。
373 :
名無しなのに合格:2008/02/13(水) 06:56:30 ID:uvNU/uiM0
新司法試験の不適切指導、法学部機関でも…慶大が調査結果
慶応大は7日、今年の新司法試験で出題担当の「考査委員」を務めた植村栄治・
元法科大学院教授(8月に辞職)が試験の類題を事前に教えた問題に絡み、同大学院
の複数の教員が、法学部の付属機関で新司法試験の答案練習会を実施していたとする
内部調査結果を明らかにした。
法科大学院制度は、受験対策に偏った教育を行わない前提で導入されたが、慶応大では
別組織に隠れる形で不適切な受験指導が行われていたことになり、法科大学院教育への
不信感が高まりそうだ。
慶応大によると、答案練習会を実施したのは法学部の付属機関の「司法研究室(司法研)」。
昨年10月〜今年3月、今年の新司法試験に向けて7回の練習会を開き、慶応大法科大学院の
学生や修了生が毎回100人以上参加した。考査委員の関与は確認されていないが、うち
5回は同大学院の教員が指導に当たった。
また、読売新聞が入手した資料によると、刑事法の練習会では本番の試験と酷似した
問題も出題され、出題した教員は解説文で「この時期の練習会は新司法試験を意識したもの」
と記述していた。
東京都内で記者会見した慶応大の西村太良(たろう)・常任理事は「司法研の詳しい実態は、
(植村氏の)問題発覚後に調べて分かった。法科大学院とは別の組織にまで目が行き届かず、
反省している」と述べた。その上で、司法研は今後、研究中心の組織に改編し、受験指導は
廃止する方向だとした。
また、慶応大は、植村氏の問題を受けた再発防止策も発表。同大学院では現在8人の
教員が新司法試験の考査委員を務めているが、今秋以降、同大学院教員の考査委員就任を
当面辞退する。また、大学院教員向けのガイドラインで、すべての受験指導を禁止するとした。
さらに、大学の責任を明確にするため、申請済みの文部科学省の補助金約2000万円を
辞退したことも明らかにした。
(2007年9月8日3時6分 読売新聞)