疲れきっていた僕は、どうやら控え室で寝てしまったらしい
…眠い…体が重たい…誰かの気配は感じているものの、僕は起きあがるコトができなかった。
「誰もいないとこで無防備に寝てるなよ」
聞いたことのある声がする…もう起きないといけないのかな…
そう思いながらも、あまりの眠さに僕はまた、眠りにつこうとしていた…。
「ったく、人の気も知らないで…」
…なにかが唇に触れた。
バタンッというドアの音…唇の感触…夢…じゃない??
重い体をやっとの思いで起こし、眠い目をこすりながらあたりを見まわすが
モチロン、人の姿はない。当たり前だ…さっきドアの音が確かにした。
「なんだったんだろう…今の…」
まだ半分眠った頭で一生懸命考えてみるものの、うまく働かない。
ガチャッ…と入り口のドアの開く音がした。
「あれ?田口起きたんだ?」
中丸くんと亀梨がジュースを飲みながら入ってきた。まだぼーっとしてる僕を見て中丸くんは
「オレらジュース買いに行ってたんだけど、あんまり気持ちよさそうに寝てたから起こさなかったんだ」
寝癖ついてる…という亀梨の言葉を聞いて僕は髪をなでた。
「あ…そうなんだ…僕以外に…この部屋に誰かいたっけ??」
中丸くんはフフッと笑いながら
「まだ寝ぼけてんの?聖も赤西も上田もいたじゃん」
「そういえば3人はどこ行っちゃったんだ?」
亀梨はそう言って当たりを見まわす。
でも、さっきは確かに誰かいたし…夢じゃなければ…キスされたと思うんだけど…
「2人はずっと一緒なの?」
この2人ではないだろうと思ったがとりあえず聞いてみた
「なんかそれ、おれらアヤシくね?」
「ホントだよ、その言いかた!ま、一緒にいたけどさ、カップルじゃねーんだからよ」
じゃあ…残りの3人のうちのだれかぁ??まさかねぇ…。
「まだ寝ぼけてんじゃねーの?ヘンだぞ?…いつもヘンだけど」
亀梨がポコっと僕の頭をたたいた
「…うん…また寝る」
夢だろうな、と思いつつ僕はまた寝なおすことにした
「また寝るのかよーおまえー」
という中丸くんの声がうっすら聞こえたような気がした…zzz…
そんなことは忘れかけていた日のできごとだった
前からウチに遊びに来たいと言っていたので、仕事が終わって一緒に家に行くことにした。
田口家がどんだけ田舎にあるのか見てみたいんだってさ、失礼しちゃうよなー。
ちょうど明日は仕事も休みだし徹夜でゲーム大会しよー!って言ったら笑われた…いいじゃんかよー
「-ダメだ〜もう眠い…田口、そろそろゲームやめね?」
「え〜もう?明日せっかく休みなのにさ〜」
ふと時計を見ると、もう夜中の3時だった
「あれ、もうこんな時間だったんだ…」
「たくよーホンットにゲーム好きなんだなーおまえ」
「うん!だーいすき!」
「…おれも、好きなんだけど」
「うん?そうなの?じゃあもうちょっとやろうよぉ」
よっしゃ!と気合いを入れてSTARTボタンを押そうとした瞬間に電源を切られてしまった
「うわぁ!なにすんだよー!せっかく…」
はじめようと思ったのに!と言おうとしたら…口をふさがれた
「ゲームじゃなくてさ…田口が、好きなんだけど。…ゲームより楽しい事しようよ。」