1さんご苦労様。
新スレできてるー!1さんありがとうございます。
1さん、ありがとうございます!!
過去スレまできっちり……ご苦労様でした♪
6 :
ユーは名無しネ:2001/05/29(火) 15:52
ここ上げでやってける?
やってけないでしょ…。
[辞めジュ版・お暇つぶし用(職人さんではありません>当然。文章力でバレる)]
`人は死んだら天使になるんだよ’
いつだったか、原がそんなことを言っていたのを、大野は思い出していた。
あくびを一つして、手近にあった毛布の中で丸くなる。目を閉じると、微かに原の付けていた香水が香った。
長年の友人を失って、いつ自分も死ぬか解らない状況の中で、それでも眠気はやって来る。
つくづく、自分は冷たい人間らしい。
(このまま深い眠りに入って……気付いたら天使になってる、って言うのも良いかも……)
瞼を開けるのもままならないほど、睡魔が襲ってくる。
どこか遠くの方で、銃声が聞こえた。朝のアナウンスが入り、錦織の声が響く。禁止区域の追加を発表しているような気もする。
けれど、その全てが今は遠かった。
(天使になったら、人を幸せにするのが仕事なのかな……)
白濁していく意識の中で、原の困ったような笑顔が見えた。何かを呟きながら、やれやれと言った顔で手を差し出している。
(ごめんね……俺、幸せにしてあげられなかったね……)
最後まで、甘えてたね。
原の手を握り返しながら、大野はなぜか安心していた。
原が死んでから、色々考えた。
自分には、原のように死を選ぶ勇気もなかったし、殺人に走る度胸もなかった。あの時、原が一言「一緒に来るか」と言ってくれていたら、とか、一人で勝手にケリつけやがって、とか。色々考えたけれど。
結局、甘えてたね。
意識が途絶える寸前に、羽化の邪魔になるかも、と仰向けの体をうつ伏せにした。
あら、素敵。
おひつまぶし、サンセー
>>9
ありがとう。何か、よく見返すと意味わかんない話だわ……
早く職人さん、帰って来てくれないかな。
完全なるお暇潰しに、自分もやってみます。
ミドル版。
暇潰しなんで、深く考えないでね。
歓声がまだ耳に残ってる。いや違う、雨だ。
「・・・ココ・・・どこだ?」
誰かが近くでそう呟く声で、福田悠太は目を覚ました。
随分長い時間眠っていたような気がする。
あれ、俺って何してたんだっけ?コンサートが終わって、
宿泊先に移動するバンに乗って、横に座ってたイットと
「疲れたなぁ」って話しして、それから・・・ダメだ、思い出せない。
じゃあココは宿泊先のホテルなのだろうか。福田はぼやけた目をこすりながら
体を起こした。目に飛び込んだのは、レッスン所のようなだだっ広い空間。
壁際の等間隔に窓があり、外に広がる闇が今は夜だと教えてくれる。
窓ガラスには水滴が流れ、バラバラと音が鳴り止まない。結構な本降りらしい。
トタン屋根を叩くようなその不規則な音は、福田をなにか不安にさせた。
窓から目を離し、ゆっくりと周囲を見回す。
学校の教室から机や椅子や黒板を取り去ったような、無駄なものは
何一つ無い、ただの部屋。そこに、無造作にJrの仲間達が
寝転がっている。福田と同じように体を起こして、辺りをキョロキョロと
伺っている者もいる。ざっと数えて、30人くらいだろうか。
いやぁん、福茶メインですか!?嬉しいわー。
「何、ココ・・・ていうかいつ来たの、俺達」
すぐそばでぼんやりと田中聖が呟く。先程の声も、聖のものだったらしい。
福田は田中のほうに目をやり、ある一点で視線を固めた。
「聖君、それ何?」福田は田中の首元を指差す。「首輪?」
「え、ホントだ何コレ?硬くて取れないし。福ちゃんも付いてるよ・・・」
福田は自分の首に手をやった。冷たくて硬い鉄製のがっしりとした首輪だ。
聖の首に取り付けられている物と同じ物らしい。良く見ると、ここにいる
Jr全員に同じ物が付けられているようだ。
「何だよ、これ」「何事だよ・・・」
皆、口々にぼそぼそとしゃべり始める。もう大半が目を覚ましており、
眠りこけている者も、周りに揺さぶり起されているようだ。
「オレ、便所」部屋の奥の隅のほうにいた赤西仁が、のそのそと立ち上がり
ドアに近付いてノブに手をやった。
「えっ・・・開かないんだけど」赤西は乱雑にノブをガチャガチャ言わせ、
体当たりする勢いでドアを開けようとする。
「外から鍵かかってんの?」そう声をかけて亀梨和也が近付く。
他のみんなも次第に不安になったのか、身を乗り出している。
「おい、向こうにもドアあるよ。あっち開くんじゃない?」亀梨が
赤西の格闘しているドアの平行線上にあるもう一方のドアに駆け寄ろうとした、その時
ガラガラッ・・・
「ハイ、もうみんな起きてる?その場に座っててよー、静かにねー!何だよ
亀梨お前何やってんの?赤西も。ちゃんと座ってろよ」
部屋に入ってきたのは、滝沢秀明と今井翼だった。
二人は入ってきたドアに程近い所にパイプ椅子を広げ、ドッカリと腰掛ける。
滝沢は挑むように周囲を見回し、今井は窓の外に視線をやり「雨が酷いね」と
誰に言うでもなく呟いた。
亀梨は滝沢に目で促されるままにその場に座った。赤西も「便所・・・」と
ぼやきながらも渋々しゃがみこむ。みんなコソコソと近くの者と囁きあっている。
「なんなんだろ?何が始まるんだろうね」田中も、福田に小さな声で話しかけた。
さぁ、と福田は首をかしげる。目線は、手前でみんなの顔をゆっくりと見回す
滝沢に釘付けられている。
「もうあんまり時間が無いからいきなりだけど話し、始めるよ。みんなちゃんと
聞いててねー」滝沢は、周囲に行き届くように声を高めてそう言った。
「俺と翼は、年内にもデビューすることが決まりました。でも当初の予定とは違って、
3人組でデビューします。その3人目を、ここにいるJrから決めたいと思います!」
おおっ!と一気に周囲がざわめく。みんなの心拍数が上がっていく。
動揺と興奮、歓喜と途惑いに周囲は包まれた。
「でもさ、山Pとかハセジュンとか、斗真とかいませんよ?」亀梨が手を上げて言う。
「彼らは別枠だから」今井がその質問に端的に答える。その後ポツリと
「いなくなっても困るしね・・・」と小さく呟いたが、その声はざわめきに消され、
誰の耳にも届かなかった。
「まだ喜ぶのは早いよ!自分って決まったわけじゃないんだからみんな!」
滝沢がみんなを諭す。「それで僕達は、一体どんな子をユニットに入れようか
話し合った。で結果、本気でデビューしたいヤツが良いってことに
なったんだ。だから」滝沢はそこで一息置いた。少し前に乗り出す。
「今日はみんなにちょっと殺し合いをしてもらいます。」
すごい納得のいく理由ですね・・・。
続きキボンヌ。
>>に激しく同意。
滝つが進行役とは斬新なスタイルだなー。
すごく面白そうー。続きキボンヌ。
えっ・・・
ざわめきは一気に掻き消え、辺りは凍てついたように硬い空気に満たされた。
今、何て言ったの、滝沢君は。聞き間違い?それともキツめのギャグ?
ギャグだとしたら滑ってるよ、駄々滑りだよ、滝沢君。
福田は一瞬で自分の体が鉄のように硬くなるのを感じた。無音になった部屋に、
雨のバラバラと降り注ぐ音だけが響き渡る。福田の不安は一層掻き立てられる。
「ころしあい・・・」近くで、そう呟いてみる声が聞こえる。島田直樹だった。
福田は反射的に島田の方を見る。島田と、じんわりと思考を溶かすように
視線が絡む。まさか、ね。まさか殺し合いなんて。できるわけないじゃないか。
福田は島田の目の中に救いの色を求めるように見つめた。
島田は複雑な表情で目を逸らし、滝沢のほうを向き直した。
福田ももう一度滝沢を見る。滝沢は少し乗り出し気味に椅子に座り、
30人余りのJr達に挑むような姿勢を続けている。
あくまでその表情は真面目だ。とてもギャグを言っているという顔では無い。
な〜んちゃって!っていうなら今だよ、滝沢君。福田は滝沢の口がそう動く
ことを願った。周囲が、またざわめきを取り戻し始めた。
ウソだろ、まさかね、ありえないし、意味不明だよ、信じられない・・・
そんな声があちこちから挙がる。
「ウソじゃないよ」そんなJr達に滝沢は言い放った。「ウソでこんなこと
言うわけないじゃん。デビューしたかったら死ぬ気で勝ち取れ、ってことだよ。
君らにとっても絶好のチャンスなんじゃない?」
滝沢の固い口調に、周囲はまた静まり返った。
ありえないこと・・・こんな非現実的なことが世の中にはあるんだ・・・。
福田は冷静にもそんなことを心の中で呟いた。あまりにビックリすると、
人間は逆に冷静になっちゃうんだ。そんなことも意外な発見だった。
「地理的なことは、詳しいことは言えない。ただここは無人島だってこと。
四方海に囲まれてるから、逃げようとしたって無駄。首に付いてる探知機が、
全員の居場所を僕らに知らせてくれるからね。何か不適切な行動を取ったら、
その首輪が爆発して、首が飛んじゃうことを忘れないで。あと時間が経てば
行動エリアを狭めるから。その都度、島内放送で伝えます。あとで渡す地図で
禁止エリアは確認して。禁止エリアに入ったら、首輪がドカン。分かった?
で、制限時間は24時間。24時間以内に、最後一人になるまで殺し合って
ください。で24時間以内に最後の一人まで絞り込めなかったら、全員死亡。
なるべくそれは避けてね。無駄死になんてみんなしたくないでしょ?
そんで、優勝者は俺らとデビュー」
滝沢はサラサラと、まるで明日のスケジュールでも言うように言った。
面白いです!続き待ってます。
田口くん、赤西くん、萩原くんも出演希望(出来れば、この3人+島田くんは、仲間が良いなぁ)
職人様たち、頑張って下さい!
「ちょっと待ってよ!オレらが死んだらどうなるんだよ!!」
赤西がほとんど叫ぶように声を張り上げる。
「別にどうもしないよ」今井は何気ない口調でさらっと答えた。
「最近頻繁にJr募集してるのも、このためってわけ。事務所的には、
君らの代わりは吐いて捨てるほどいるからね」と滝沢が続ける。
「っむかつくー!!」赤西は髪を振り乱して叫んだ。
むかつくって程度の問題じゃないんじゃん。福田は漠然と思った。
みんなは張り付いたようにぎこちない表情をしている。
わからない。俺達これから一体どうなっちゃうのか。全然分からない。
殺されるの?それとも殺すの?殺し合うって、どういうこと?
みんな、変わってしまうんだろうか。一気に豹変しちゃうんだろうか。
鼓動がどんどん速くなる。
「滝沢君」
ふと、すぐ隣にいた田中が手を挙げて立ちあがった。
続きが出来てる!!
ミドル版もすっごく楽しいです。頑張って下さい!
「田中聖。何?」滝沢は立ちあがった田中に目を向ける。
「やりたくないって言ったら?」田中は、真っ直ぐに滝沢を見つめながら言った。
「やりたくない?やりたくないって殺し合いを?」滝沢が聞き返す。
「そうです。殺されたくないし、殺したくもない。そんなことまでして
デビューできなくっていいです。だったら、今この場でJr辞めても
かまいませんか?」
聖君、やめとけ。そんなこと言って、どうなるかわからないよ・・・
福田は田中の隣で、身をさらに硬くした。怖い。止めなきゃいけないのに、
咽喉の筋肉まで震えて声が出ない。かろうじて腕を伸ばし、田中のズボンの裾を
引っ張った、その時。
一瞬、福田が考えたのは、建物の屋根が雨で抜けたんじゃないかということだった。
そのくらい、凄い音がした。そのくらい、何か液体が降ってきた。
「うわぁぁ・・・ウワァァァァァア!!」遠くで叫び声が挙がる。
それを合図に、あちこちで悲鳴が挙がった。田中の声は、もう無い。
田中が膝から崩れ落ちてくる。目の前にあるはずの首から上が、無い。
福田はその足の裾を握ったまま、呆然としていた。
時折、視界が赤に染まる。田中の血が前髪から滴り落ち、瞳の中を赤く満たして
いるのだ。
「これがその首輪の爆破の威力。みんな、覚えとけよ」
悲鳴や嘔吐の声、泣き声が間延びして共鳴する中、
今井がみんなに聞こえるよう比較的大きな声で言った。
今井の手に握られた、リモコンのような機械。あんなちっぽけな機械が、
田中聖の命を奪ったのだ。
福田はゆっくりと前髪を拭った。真っ赤な血。聖君の血。ついさっきまで、
すぐ隣で、彼の呼吸で揺れる肩を見ていたのに。止めようと思えばできたのに。
俺は何もできなかった・・・
【田中聖死亡 残り31名】
殺してしまうのって、ためらいがあるものなんですね・・・。
こんなんで自分、続けられるだろうか。
ファンの方、謝っときます。ごめんなさい。
「みんな、落ち着けよー!こんなことは序の口だぞ!今から、みんな自分で、
殺していくんだからな。もうゲームは始まってるんだ!泣いたり叫んだりしてる
暇なんてないんだよ。じゃあ今からみんなに武器を配るからね。名前の順で
呼んでいくから、荷物を受け取ったら外に出るように。今日はちょっと雨だけど、
みんな気を付けて頑張れよー!」
滝沢は立ち上がり、大きな声で皆に呼びかけた。今井がドアの外から、大きな
ワゴンを引っ張ってくる。そのワゴンには、大量のナップザックが納められていた。
「名前呼ぶよー!ハイ、赤西仁!」滝沢はワゴンからナップザックを一つ取り出す。
赤西は、その場を動けずにいた。さっきまでの威勢は掻き消え、膝がガクガクと
震えている。早く、と今井に促され、ようやく震えながら歩き出した。
「そんなんじゃ先が思いやられるな」ナップザックを渡す間際、滝沢が
赤西に語りかけた。赤西は無言で、何故かヘヘヘと笑い返していた。いや、
笑ったように見えたが、ただ単に歯が噛み合わず震えたのかもしれない。
赤西はほんの少しだけドアを押し開け、擦り抜けるようにして外へ出て行った。
外には、一体どんな世界が広がっているのか。どんな災厄が待っているのか。
今はまだ誰も知らない。
>>25 ミドル版職人さんの優しさを感じます。
でも続き読みたいです…出来る限りでよいので、読ませてください。
28 :
ユーは名無しネ:2001/05/31(木) 01:07
こそこそするなよ
辞めジュ版の職人さん、続きお願いします!!
忙しいかもしれませんが、少しづつで良いので書いてください!
つい最近まとめて読んだのですが、とても感動しました。
こういう物語(文章)を読んで泣いたのは初めてです。
本当に少しづつでいいので…
もし、続きを読むことができたら本当に嬉しいです。
内澤祐豊は、建物の外へ出た途端、恐ろしいスピードですぐ傍の植え込みの中へ
身を潜り込ませた。睫毛の先から足の小指まで、湧き上がる震えを止められない。
まさか、こんなことに巻き込まれてしまうなんて・・・!
内澤は最後の最後まで、この現実が信じられなかった。このナップザックを
受け取り、ズシリと腕にくる重みを感じるまでは。
何か硬質な物の重み。武器、という滝沢の口にした言葉の意味。
一体何が入っているんだ。内澤は土砂降りの雨に濡れ、少しかじかむ手でナップザックの
紐を解く。中には、ペットボトルの水と懐中電灯、簡単な地図とそれから大きな拳銃。
ウソ、これって本物・・・?本物かどうかは、その手に取った重さが充分
証明している。こんなの、使い方わかんないよ・・・
内澤は困惑し怯えきった気持ちのまま、植え込みから少し顔を出した。
内澤が植え込みに飛び込んだのには訳がある。とにかく、誰かと合流したかったのだ。
こんな真夜中に、こんな知らない島の中、何が起こるかも分からない場所で
一人では心細過ぎる。一人でなんかいられない。
誰でもいい、誰か、味方が欲しい。
建物の中にいた時、すぐ近くに岡田政治がいた。彼なら名前の順からいっても、
内澤のすぐ後に出てくるだろう。出てきた所で声を掛けよう。内澤はそう考えていた。
目論見通り、内澤のすぐ後は岡田だった。岡田が急ぎ足で建物の中から出口へ
近付いてくる。内澤は植え込みから体を出し、岡田に声を掛けようとした。
「おーい、岡・・・」
その声は、間近の上のほうから降って沸いた大きな衝撃音に掻き消された。
内澤は目を見開く。目の淵から眼球がこぼれ出しそうなくらいに。
岡田は衝撃で建物の玄関の扉に叩きつけられた。その後、ズルリと地面に落ちる。
扉のガラス面には赤く衝撃の跡が残されていた。
「・・・・・・ぅぁぁ!」内澤は声にならない悲鳴を挙げた。
何が起こったのか、わからない。整理できない。田中聖の時と同じだ。
それはいつもいきなりで、あまりにもあっけない。
内澤は植え込みから飛び出した。全速力で、とにかくやみくもに走る。
場所なんかどこだっていい。とにかく逃げなきゃ。殺される!
後ろなんて振り返る余裕なんか無い。追いかけられてるかどうかなんて、
知りたくも無い。
内澤は今までこんな速さで走ったことは無いと言い切れるくらい速く走った。
走りながら、いろいろなことを考えた。
俺がもし、もう少し早く植え込みから出て行ってたら、どうなってたろう。
今、こうやって走っていることも奇跡みたいだ。
岡田君には悪いけど、俺、生きててよかった。
それにしても一体誰が、誰があんなことを。
もうみんな、やる気になってるんだ。
本気で、殺し合い、始まってるんだ。
俺も、誰かを殺すんだろうか。
俺もあんな風に、殺されちゃうんだろうか。
【岡田政治死亡 残り30人】
ここ、ミドル版も増えていいかんじになってきてますね。
辞めジュ版や暇潰し版も続きが読みたいなぁ・・・
職人さんお願いします〜!
ううう、色んな話を同時進行で読んでるから
人員整理が大変だー。祭りもまた更新しそうだしね。
おお!いっぱい増えてる!!
田口くんはまだですか?(泣)楽しみに待ってます♪
あと、辞めジュ版の職人様!私も29さんと同感です。
お忙しいのは解ってるのですが、続きが読みたいです。お願いします!
外のすぐ近くで、ドーンという音がした。
部屋に残っている皆が一斉に窓のほうを向く。銃声?あれが、銃声だろうか。
本物の銃の音なんて、今まで一度だって聞いたことがないんだから、分からない。
でもあれが、銃声、なんだ。福田は落ち着かず、拳を作って指先が痛くなるほど
握り締めていた。
一体誰が?
もうやる気になってる?もう誰かが殺された?
自分の髪や服のあらゆる部分から、錆びたような田中の血の臭いが漂う。
本当に、殺せるのか?
デビューのためだったら、何でもアリか?
恐怖と嫌悪で吐き気がする。
誰が・・・今までこの部屋を出たのは、赤西仁、安蒜厚志、石田友一、伊藤達哉、
上田竜也、内澤祐豊、岡田政治の7人だ。その中で、すでに一人は銃を手にして
撃った。そして一人は、殺されたかもしれない。
ギャア、と外で悲鳴が挙がった。
今の声は、出て行ったばかりの加藤成亮の声だ。襲われたのだろうか。
それとも、何かを見た?
イヤだ、耐えられない。ここから早く出たい。いや、出たくなんか無い。
逃げ出したい。何もかも、普通じゃ無さ過ぎる。
ここから逃げ出す方法・・・生き残るしか、
最後の一人になるしか方法は無いのか。
スゴイデス!
職人さん、これからも頑張ってください!
あの・・できれば仁亀でいろいろ・・あの・・。
亀と仁は同グループでお願いします・・。
建物のすぐ傍に立つ桜の木の上から、石田友一は飛び降りた。
足元の水溜りから泥水が跳ね上がる。靴下へ沁み込む冷たい水の感触に、
石田は顔をしかめた。まぁ、いいよ。どうせ雨でびしょ濡れなんだし。
石田は今自らの手で撃った岡田の脇へ歩み寄った。ダランと伸びた腕が
水溜りに浸っている。絶命しているのは明らかだ。
「ごめんな。痛かった?」
空に視線を漂わせる岡田に向かって石田は言った。
「でもさ、これが弱肉強食ってやつなんじゃない?」
石田は、岡田の肩に掛かっているナップザックに手をやった。
乱雑に押し開け、中を漁る。岡田の武器は、手の平に納まる程度の大きさの
バタフライ・ナイフだった。
「なんだ、くだんね」
そう呟きつつ、石田はそのバタフライ・ナイフを自分のポケットに仕舞い込んだ。
しかし、あのすみっこの植え込みの中にいたヤツ、誰だ?アイツも
撃っとけば良かったかな。まぁ、あんなヘタレっぷりじゃ、アイツもこの先
長くないな。それにしても、すごい逃げ足だったぞ。植え込みにいつの間に入った
のかも分かんなかったし。あの逃げ足があれば、結構いいとこまでいくのかな?
でも逃げ足だけじゃ、デビューはできないな。
石田は踵を返し、建物から離れていった。
その直後、加藤成亮は出口の真ん中で横たわる岡田の死体を見て腰を抜かした。
「ギャア!」と悲鳴を挙げ、後ずさりしようとする。
ダメだ、戻れない。戻ったらきっと聖のようになるに違いない。
こんなとこでグズグズしてたら、すぐ後から来る亀梨君に殺されるかもしれない。
加藤は壁伝いにたどたどしく立ち上がり、雨の降る中に飛び出した。
時間が流れるのが異様に遅く感じる。
名前は、1人に付き1分の間隔をとって呼ばれる。
1分って、こんなに長いもんなの?福田は徐々に焦りを感じていた。
段々と人数の減っていくこの部屋。外では、あの最初のほうで聞こえた銃声と
悲鳴の他には雨音以外何もしなかったが、もしかしたら殺戮は繰り広げられて
いるのかもしれない。福田は苛立ちを止められなかった。
殺し合いに加わりたいと思っているわけではない。ただ、ここでじっとしているのも
気ばかりが焦り、苦痛なのだ。息が詰まる。体を動かして、思いきり
叫びたい気分。それは、ここに残されている皆も同様に違いない。
「次、中村翔」滝沢が声を発する。まだ「ナ」だ。前に中丸雄一が呼ばれてから
まだ1分しか経っていないのか。福田はいい加減疲れて肩を落とした。
中村はすばやく立ち上がり、ナップザックを受け取る。ドアに手をやり、
出て行くかと思ったら、一度手を離して皆のいるほうを振り返った。
「何、どうしたの中村君」滝沢は手にした時計から眼を離し、中村を見た。
今井も、首輪のリモコンを手に鋭い目をやる。
「いえ・・・みんなの顔、ちゃんと覚えておこうと思って」
中村ははっきりとした声でそう言った。
「へぇ」滝沢は興味深そうに笑顔を浮かべた。「優しいんだねー、中村君は」
中村は少し頭を下げて、部屋をあとにした。その背中を見送ると滝沢は
皆のほうを向き直し、
「中村君はやる気だよ。みんな要注意だねー」と言った。
中村が、一体どういう意味でそれを言ったのかは、よく分からない。
でも、そうなのだ。ここにいるみんなと、もう二度と会えないかもしれない。
いや、ほとんど二度と会えない。もうすでに出て行った人にも。
もう一緒にステージで踊ることもないのだ。
サクサク進行素晴らしいっすー!!
ますます続きに期待age、いやsage
赤西仁は草の生い茂った坂道を転げ落ちていた。いや、正確には走っていた。
なんだよコレ!こんなのってマジ最悪だー!!
赤西はずぶ濡れになりながら、必死で自分の身を収める所を探していた。
背中に背負ったナップザックももうドロドロで、尚且つペシャンコだった。
赤西に支給された武器。それは「素手」と書かれた紙だった。
ふざけんなよっ!「素手」ってなんだよ!闘えるわけないじゃんか!
拳法の達人でもあるまいし!みんなは銃とかガンガン撃ってくるんだろ?!
無我夢中で逃げている最中、最初にいた建物の方向で大きな銃声が響いたのを
赤西も耳にしていた。だからこそ、今隠れ場所を探しているのだ。
もームリ!絶対ムリ!!武器が無かったら自分の身だって守れないよ!
これは何だ、滝沢君の陰謀か?オレとのデビューは論外ってことなのか??
赤西は茂みの中に転げ込み、とにかく一度身体を休めた。随分遠くまで逃げて
きた気がする。
「落ち着いて考えよう・・・」赤西は溜息と同時に呟いた。
武器が無い限り、とにかく安心できない。誰かを殺す、殺さないは別にしても
向かってくる敵(敵?そんな言い方、したくないけど)から身を守れない。
じゃあずっと隠れていられるか。それもきっと無理だろう。
禁止エリアのことだってある。移動は不可欠だろう。やっぱり武器が必要だ。
誰かから奪う、という手がある。しかし、どうやって?
なにしろこっちは「素手」だ。武器を持ってるヤツには勝てそうにない。
相手がボヤボヤしている隙に武器を奪って逃走、これはどうだろう。
ありえない。こんな状況でボヤボヤするヤツなんて、よっぽどの馬鹿だ。
じゃあこの手はどうだろう、誰かと手を組む。
誰か・・・これが非常に大きな問題になってくる。
オレは誰を信用できる?オレは誰になら信用される?
「亀梨」赤西は、声に出してそう呟いてみる。
そうだ、アイツなら大丈夫かもしれない。かろうじて信用されてるかも
しれない可能性もあるかも・・・。しかし、会えるだろうか。亀梨を探している
うちに、他の何か銃を持ったとんでもないヤツに出くわすことだってある。
「あーもう、マジどうしよう・・・」赤西が絶望しているその時、
近くで誰かの声が聞こえた。雨の音に掻き消されて定かではないが、
確かに人の声だ。赤西は思わず身を縮こめる。全神経を耳に集中させた。
ちょっと思うんですが、皆さんミドル版楽しみにしているのは分かるんですが(私もです)
内容に対するリクエストとかは、職人さんが続けにくくなるので止めた方がいいのでは?
44 :
ユーは名無しネ:2001/06/01(金) 02:19
職人っていうか・・荒らし?
リクエストには、お答えできるかどうかわかりませんが、
(一応予定らしいものもあるので…)
御意見、御感想、批判等々は大歓迎です。
反応があるほうがやりやすいので…。
ま、暇潰しですので、軽い気持ちでいきましょう。
職人さんのオリジナルな味がよろしいかと。
>暇つぶしミドル職人さん
あのー、参加者名簿とかはないんですかー?
あんまミドル詳しくないので名鑑とかで参照したいんですけど(笑
>>44 荒らしではなく暇潰しです。
皆さんの気に障るようなら辞めにしますが・・・。
>>47 名簿。誰が出てくるか判らないのもいいかなと
思ってたのですが、やっぱり必要ですね。作ってみます。
やっと自担の登場が期待できそう・・・(ボソ
窓際ですがよろしくお願いします。
1.赤西仁 18.中丸雄一
2.安蒜厚志 19.中村翔
3.石田友一 20.野田優也
4.伊藤達哉 21.萩原幸人
5.上田竜也 22.橋田康
6.内澤祐豊 23.長谷部隼
7.岡田政治 24.伴貴将
8.加藤成亮 25.福田悠太
9.亀梨和也 26.藤ヶ谷太輔
10.五関晃一 27.増田貴久
11.小森輝明 28.松崎祐介
12.小山慶一郎 29.宮城俊太
13.島田直樹 30.盛哲也
14.武内幸太郎 31.森雄介
15.田口淳之介 32.良知真次
の、予定です。あくまで予定なので、
まだ出てきてない人に関しては保証はできないかも・・・
一応MAD、KAT-TUN、BADを基本に、
年齢(中3以上かな?)などを考慮して選出。
実のところ、自分もよく知らない人々が混ざってる。どうなることか。
>>50 職人さん、ありがとうございます。
私にとっては、とても素晴らしいキャスティングで嬉しい限りですわ。
大失敗。二人抜けていたので、やり直し。
1.赤西仁 17.東新良和
2.安蒜厚志 18.中丸雄一
3.石田友一 19.中村翔
4.伊藤達哉 20.野田優也
5.上田竜也 21.萩原幸人
6.内澤祐豊 22.橋田康
7.岡田政治 23.長谷部隼
8.加藤成亮 24.伴貴将
9.亀梨和也 25.福田悠太
10.五関晃一 26.藤ヶ谷太輔
11.小森輝明 27.増田貴久
12.小山慶一郎 28.松崎祐介
13.島田直樹 29.宮城俊太
14.武内幸太郎 30.盛哲也
15.田口淳之介 31.森雄介
16.田中聖 32.良知真次
久々に覗いて大感動です。ミドル版ぜひ最後まで続けて欲しい。
福茶の行く末が気になります〜
「五関〜!」
「イ、イット・・・!」五関晃一は、雨の中駆け寄ってくる伊藤達哉の姿を見て、
かつて無いほど脳内をフル回転させた。
逃げるべきか、駆け寄るべきか、信じるか、疑うか、闘うか・・・。
五関は一瞬のためらいの後に、逃げることを選んだ。駆けて来る伊藤に背を向け
走り出す。
「ア!待ってよ、五関〜!待てって!!」ためらっていた分、勢いよく走ってきた
伊藤にあっさり差を詰められてしまった。五関は途惑いながらも立ち止まる。
「何だよ、お前オレのこと疑うのかよ?」伊藤は息を弾ませながら情けない声を
出した。「みんな騙されてるんだよ〜!!」
「騙されてる?」五関は伊藤を見据えて聞き返す。緊張のためか雨で身体が
冷えたためか、声が裏返ってしまった。
「そうだよ!こんなの、ウソに決まってんじゃん!ジョークだよジョーク、
ブラックジョーク!きっとドッキリかなんかだって!」伊藤は笑いながら言った。
「ドッキリ・・・」五関は伊藤をまじまじと見つめた。イットってなんて
楽観的な考え方してるんだろう。「でも、滝沢君マジっぽかったけど・・・」
「あんなのタッキーの演技に決まってるし!だてにドラマ出てないでしょー」
「でも聖だって、あんな・・・」
「あれだって作り物だよ!ホント、マジみんな騙されてたね〜いやー、あの
銃声なんかもリアルだったな〜!」伊藤はさも嬉しそうに笑い声を挙げる。
「そ、そうなの?」五関はあまりにも明朗な伊藤の様子に、身体の緊張が
少しずつほぐれていくのを感じた。「ドッキリなんだ?」
「そうだって!多分ね、あのさっきまでいた建物、ちょっと高台にあるだろ?
あっこから全部撮ってるんだよ!」
そう言われてみると、そんな気もした。だってこんな常識外れなこと、
あるわけが無いじゃないか。そうだ、考えたら全部胡散臭い話しだ。
「そっか、そうだよね。なんだよも〜、俺ビックリしたよ〜」
「でしょ!ホント、ドッキリだよ!」言いながら伊藤は草の上に腰を下ろす。
「あ〜もうびしょ濡れ。風邪引いたら事務所に訴えてやろうよ!」伊藤は
五関を見上げ、にっかりと笑う。
「ほんと。もう、緊張しすぎて疲れたよ・・・」五関も伊藤の横に腰を
落ち着けた。
「そういやさぁ、武器?とかいうやつ?何入ってた?ま、どうせ偽物
だろうけどさぁ」伊藤は五関の背負うナップザックに目をやった。
「ああ、俺?なんか凄いの入ってたよ」五関は背中のナップザックを降ろし、
中身を広げた。そこには、大きく、黒光りするマシンガンがあった。
「ス、スゲー!・・・よくできてるなぁ。ホントに撃てそう。重さなんかも
本物っぽいよね」伊藤はそのマシンガンを持ち上げ、繁々と見つめる。
「うん・・・でもどうせ使い方ワカンナイし。まぁ偽物ならどうでもいいけど。
イットは?ナップザックに何入ってたの?」
「オレ?」伊藤はふざけたように顔をしかめる。「オレのはさらにスゲーよ」
そう言って伊藤が取り出したのは、何か束になって丸く巻いた針金のような物だった。
「ギターの弦だってさ!笑えるよな〜!こんなの、中江川しか喜ばねぇ〜よ!」
伊藤も五関も笑い転げる。
「そんなの、どこが武器なんだよ!」五関は目を細めて笑い続けた。
ふと、その細まった視界から、伊藤の姿が消えたような気がした。
「イット?」
「多分、こういうことだろ。」
伊藤は五関の背後に回り、手にしたギターの弦で五関の細い首を締め上げた。
「ぅぐ・・・」声が出ない。五関の咽喉にキリキリと透明色の弦が食い込む。
だましたな、イット。ずるい、ずるいよこんなやり方で・・・
五関の身体から力が抜け切るまで、伊藤は力を緩めなかった。
五関の手の甲が草の上で弾み、ようやく伊藤は弦から手を離した。
弦は伊藤の手にも食い込み、幾筋も血を滲ませている。
「悪いな。どうしてもお前のマシンガン、欲しかったんだ」
伊藤は雨に濡れテラテラと光るマシンガンを拾い上げ、見つめた。
オレは何だってできる。今までだって、これからだって、
オレは自分で何だって手に入れるんだ。
デビューだって、オレが手に入れる。
「オレってもしかして、タッキーより演技力あるんじゃない?」
伊藤はマシンガンを担ぎ、その場をあとにした。
【五関晃一死亡 残り29人】
ミドル版、今日はもうおしまいですか?
何気に、1回づつ題名が違うのがいいっすね。
どんどん続けてってください!
赤西は両手で口を押さえ、悲鳴を堪えるのに精一杯だった。
ヤバイ。マジヤバイ!なんだよあれ!なんなんだよ!!
イットが五関を、しかもあんなに平気な顔して!
なんだよあれじゃあイット、必殺仕事人じゃんかよ!!
イットは本気だ。本気でやる気だ。やる気マンマンだ!
イットはヤバイ。しかもあんな大きなマシンガンを手にしてる。
もうイットには近付けない。もし次にイットに会う時は・・・
殺されるか、殺すかだ。
殺す・・・オレにイットを殺せるとでも言うのか?
なんたってオレは「素手」だ。
「素手」とマシンガンじゃ、赤ん坊と世界チャンプの差だ。
とにかく武器を手に入れないと。武器と、仲間を手に入れないと。
「亀・・・」赤西は再度呟き、ゆっくりと立ち上がった。
イットが去った方角を気にしながら。
亀梨を探そう。とにかく、今オレにできるのはそれしかない。
ミドル版職人様スゴイわ〜(ホレボレ
かつん担ですが仲が悪いらしいので、ここでだけは
仲良しだったらいいなぁと思ってます。
まだ名前しか出てないけどドキドキします。
>>45での心の広さに思わずレスつけちゃいました。
すみません・・・
「ハイ次、福田悠太」
ようやく名前が呼ばれ、福田は立ち上がる。座り疲れて、腰が硬直して
いるように感じる。福田はぎこちなく滝沢に近付いた。
「福ちゃん」滝沢が、ナップザックを渡しながら、感慨深げに名前を呼ぶ。
「大きくなったよね、なんか・・・」
そこにいるのは、いつもの滝沢君だった。いつもの滝沢君なのに。
今、俺に武器を握らせようとしている。殺し合えと、そう言うのだ。
「・・・うん」福田は滝沢を真正面からしっかり見据える。
滝沢は、これからデビューして、ますますビッグになっていくだろう。
福田は、その活躍を見ることは無い。万が一、この殺し合いの果てに
生き残ることになったら、その時はこの人の隣で、一緒に活躍していくのだ。
しかし死んでしまえば、それまで。この人の顔を見るのもこれが最後だ。
「ありがとう」福田は、ポツリとそう呟いた。ドアに歩み寄る時、
チラリと部屋に残されているJrに目をやる。残されているのは7人。
まだ、森雄介もいる。松崎祐介も。宮城俊太も。
一瞬、宮城と目が合ったような気がした。どこかしらぎこちなくて、
変な気分だった。福田は、部屋をあとにした。
外は、思っていたよりも激しい雨だった。玄関の脇に、岡田政治の死体が
寝かされている。誰か良いヤツが、移動させておいてくれたのだろう。
皆の目に入らない影になる場所で、真っ直ぐに横たえられていた。
福田は、ぬかるんだ雨の中歩き出した。
これからどこへ行こうか。そんな答えも出ないままに。
今までBR全然興味なかったけど面白いわ〜ココ。
楽しみにしてます。
驚くほど冷静にこの状況を考えている自分がいた。
出て行くのは得策じゃない。
ここでやめろ、なんて叫んで飛び出してくのはただのバカのする事だ。
今まで自分の選択眼に誤りなど無かった。
必要な物だけを利用してきたし、その上で多少酷い事もしてきたと思う。
けれど、それを踏み越えて今の自分の成功がある。
アイドルで、大学にだってきちんと進学して――最高じゃないか。
だから、きっとこの判断だって間違ってない。
オーケイ、答えは出た。
ゆっくり立ち上がると、足元の落ち葉がさく、と軋んだ。
謙がぽかん、と見上げる視線が背中に感じられた。
そのまま立ち上がろうとした謙を片手で制す。
なんかこいつ付いて来たらめんどくさい事になりそうだしな。
「横山、尾身――やめろ。」
これが俺の答え。
あ、!邪魔なんてトンデモないっす!辞めジュ版だーー。
傘どうなるの?!ワクワク。
「俺は武器なんか持ってない。だから、絶対にお前らに危害を加えない。」
極力声のトーンを落として落ち着いて言葉を紡ぐ。
ぎゃあぎゃあわめくより、低い声のほうが説得には向いているのだ。
「お前らだってこんなのおかしいと思ってるだろう?」
交互に二人を見ると、お互い探りあうような視線を投げ合っている。
その目は2人とも不安に染まっていた。
大丈夫、大丈夫――もう少しだ。
自分に言い聞かせるように心の中で呟くと、次の言葉を投げかける。
「銃、下ろせ。行くとこ無いんなら俺といたっていい。」
自分に付いて来られてもどうするアテもないのだがとりあえずそう言っておいた。
先に尾身が銃を下ろす。
続いて、横山も。
「オレ――お前がピストル持ってたから、怖くなって――。」
尾身が二重のきりっとした瞳を強張らせながら横山に言う。
見た目の厳つい尾身がそんな風に小さくなっているのが可笑しくて思わず笑ってしまう。
口元が笑みの形を作ったその時――突然尾身の体が崩れた。
すぐに横山の方を振り返ると、下ろしたはずの銃を構えていた。
その銃からは一筋の煙。
煙の向こう、銃を発砲した張本人の横山は、呆然と自分の腕を見ていた。
「大丈夫!?」
謙が後ろの茂みから飛び出す。
尾身はぴくりとも動かない。
謙が尾身の体を揺するが、その体はぴくりとも動かない。
首筋のあたりからどくどくと生臭い血が溢れている。
「うわぁあああぁあぁぁぁぁあぁ!!」
突然の叫び声。
振り返ると横山は銃を地面に叩きつけ、走り出した。
俺が、尾身くんを殺した。
俺が尾身くんを俺が尾身くんを俺が尾身くんを俺が。
頌くんが出てきてくれたのに、俺がアホやから。
「横山!大丈夫だ!尾身は大丈夫だから…!」
後ろから桜井の声がする。
ウソや。絶対死んどった。俺が殺したんやもん。
「お前は悪くない!怖かったんだろ!仕方なかったんだろ!?」
そうや、怖かった。向こうから撃って来たんやもん。めっさ怖かった。
せやけど、仕方なくなんか無い。
尾身くん、銃下ろした。
せやのに俺が裏切った。
俺はどうしたらええ?どうしたら、どうしたら――!!
後ろからはまだ桜井の声がするが、横山には何を言っているのかも聞き取れない。
頭が恐怖でいっぱいでおかしくなりそうだった。
いや――もうおかしくなってしまったのかもしれない。
「横山止まれぇえぇぇぇ!!!」
最後に聞いたのはその声だった。
いつもクールな桜井の焦りきって叫び声。
後は何やろう――赤やった。とにかく、赤。
ぴちゃ、と頬に液体がはねた。
目の前で横山の体が弾けた。
「ヨ…コ…?」
無残に折れた木の間に、僅かに横山のTシャツが見えた。
血に塗れた白い腕も。
禁止エリアだった。
まるでオカルト映画の1シーンみたいだった。
目の前で横山が弾けて、その血が撥ねた。
目の前の光景が信じられず、桜井はただ呆然と横山だった物を見ていた。
[ 横山優死亡 残り 24人]
遅ればせながら
>>8さん、ありがとうございます。
大野らしいですねー。
ミドル版さん、頑張ってください!!
いろんな話がいっぱいUPされててうれしいですね!
ミドル版さんも辞めジュ版さんも頑張って下さいね。
辞めジュ版さん、すみません。邪魔なのはこちらなのに気を使わせてしまって・・・。
元々ミドル版は暇潰しでサブ要員ですので、気にしないで下さい・・・。
一応、殺してしまったミドル達に申し訳が立たないので、
続けさせて頂きたいと思っております。辞めジュ版さんも頑張って下さい!
水飛沫をあげながら、内澤祐豊は海沿いの草むらに倒れ込んだ。
疲れた・・・どれだけ走ったろう。とにかく、無我夢中だった。
走って、走って、ここがどこだかも全く分からない。
とにかく人がいなければいい。誰にも出くわしたくない。怖い。
背の高い草の中に身を隠すように、うつ伏せになりながら内澤は息を整えた。
もう膝がガクガクだ。一歩も動きたくない。
これからのことを考えると、頼れる味方がどうしても欲しかったが、
先程の恐怖が脳裡に焼き付き離れない。
あんな場面を見て、一体どうやって他のJrを信じれるだろう。
とにかく、今は休みたかった。立ち上がることさえできない。
「動くな」
隙だらけの背中の真上から、いきなり声が降り注いだ。
内澤は息を詰め、硬直してしまう。心臓が狂ったように踊り出す。
・・・・誰・・・?恐怖で、振り向くことさえできない。
いつの間に、俺の後ろに?雨と波の音で、全く気がつかなかった・・・
「・・・・ぁ」かろうじて掠れた声を絞り出す。振り向けない。
自分が今、どういう状況に置かれているのか、分からない。想像ばかりが
先走りする。相手が拳銃をこちらに向け、自分が動くのを待っている、想像。
声の主が、草の上に放り出している内澤の腕を強く握り、引っ張り上げる。
「痛!」内澤は声をあげ、あお向けに転がった。
目の前で内澤を見下ろす相手は・・・島田直樹だ。
島田は、大振りの軍用ナイフを内澤の首にあてがい、睨み据えていた。
「動くな。大声も出すな。黙ってお前の武器を俺に渡せ」
内澤は痙攣のように震え、冷めた光りを放つ軍用ナイフを凝視した。
ナイフの刃が首筋に触れ、そこから電流が流れているのかと思われるほど
ビリビリと刺激を流し込む。
「早く出せ」島田はあくまで冷静な声で命令を下す。その眼は氷のように
冷たい。
「・・・た、助けて・・」内澤は震える声で命乞いした。
「武器を俺によこしたら、命の保証はしてやる」無表情な声。信じていいのだろうか。
「・・・ホントに・・・?」
「ホントに」島田が、首に当てているナイフの力を、少しだけ緩める。
内澤はそのナイフの感触に、少しだけ安堵を覚えた。
慌てたように肩にかけたナップザック手をやり、ためらいがちに
拳銃を取り出し島田に差し出した。
島田はそれを受け取った後、ナイフを完全に内澤から離した。内澤はホッと
溜息を付く。少し冷静になった頭で今の状況を考え、ハッと我に返った。
俺、馬鹿じゃないの?いくら脅されて怖かったとはいえ、こんなに簡単に
自分の武器おめおめと差し出して!これからどうするんだよ!
しかも拳銃なんか簡単に渡して、これじゃあ目の前の敵に撃ってくれって
言ってるようなもんじゃん!
「じゃあな」島田は受け取った銃に目を落として軽くいじくりながら、
内澤に背を向け歩き出した。
「待ってよ、島田君!」内澤は必死の形相で叫んだ。
「大きな声出すなっつったじゃん」島田は冷たい顔で振り返る。
「俺、これからどうしたらいいんだよ・・・!」内澤はほとんど泣きそうだった。
「知らねーし」島田の口調は徹底してそっけない。
「返してとは言わないよ。そんなこと言ったってもう無駄だろうし・・・
でもこのままだったら俺、すぐ殺されちゃう・・・。だからせめて、
一緒に連れてって!・・・島田君の仲間にしてよ!」
それは元から内澤の望んでいたことでもあった。誰か頼れる味方が欲しいということ。
さっき、あのいつでも内澤を殺せるような状況で、島田はあえて殺さなかった。
約束を守ったのだ。そんな島田になら、ついて行けそうな気がした。
島田は、雨で濡れて顔に張り付く髪を払いながらポツリと言った。
「・・・ウゼー」
それはとても急なことだった。
パーン、と何かが弾けるような張り詰めた音が空気を揺らした。
島田は内澤に向け、銃を構えている。銃口からは、薄い煙。
内澤は、何が起こったのか全く把握できなかった。
じわり、と胸の辺りに重さを感じる。それは急速に熱を帯び、身体中に
痺れを走らせた。
頭の中は真っ白。何も、分からない。
内澤は膝から崩れ落ち、そのまま意識を失った。
自分が、死んだなんて意識もないままに。
「他人のことまで構ってらんねーよ・・・」
島田は銃を降ろし、横たわる内澤に再び背を向けた。
【内澤祐豊死亡 残り28人】
ふと、そこに誰かがいるような気がした。
海岸の手前にある深い林の中。島田は真っ暗な木々の合間を凝視する。
誰かが、見ていた?
ガサ、と密集する雑草が揺れた。1歩、2歩と島田はゆっくり近付く。
雑草の揺れは遠ざかってゆく。こちらの動きに気付いて、逃げている?
木々の切れ間の多少影の薄い所で、かすかにその後ろ姿が見えたような気がした。
「・・・中丸?」島田はポツリと呟く。
確かにあれは中丸雄一だった。あの髪の毛の感じ。間違い無い。
中丸は今の島田の行動を見て、恐れを成して逃げたのだろうか。
中丸の後を追い、武器を奪おうか。島田はそう考えて逡巡した。
またさっきと同じような手で中丸に近付いて、次も成功するとはかぎらない。
それに、島田の勘ではあるが、中丸はきっとやる気になっているはずだ。
デビューへの執念。アイツはためらい無く向かってくるような予感がする。
島田は林から目を背けた。まぁ、いい。今は追わないでおこう。
ヤツが本気なら、またどこかで出くわすだろう。そしてその時はきっと。
俺だって本気だ。
う〜〜〜〜〜〜ん。島田っポイ。(って知らんけど。)
>>73 あたしもそう思った!!(良く知らないけどイメージ的に。)
辞めジュ版職人様、遅まきながらおかえりなさいませ。
ミドル版もどんどんおもしろくなってきましたねー。
職人様頑張ってください。
自担はいずれ福茶に襲いかかるのでしょうか・・ドキむね。
辞めジュ版職人さんって関西の方なのかしら?
ヨコの関西弁が上手いな〜と思って。自分、関西人なもんで。
あ、余計な詮索しちゃってごめんなさい。逝ってきます・・・
・・・でも逝く前に一言いいですか?
辞めジュ版、続きを楽しみにしてたんで復活めっちゃ嬉しいデス!
パーン、と遠くから銃声のような音が聞こえた。
ハッと音がした方を向く。大丈夫、全然遠い。落ち着こう。
ふう・・・と一つ溜息をつく。
あ〜あ。これからどうすっかなぁ・・・
亀梨和也は屋根付きの古ぼけたバス停のベンチにダランと腰掛け、
ぼんやりと雨を見つめていた。
亀梨はとりあえず、逃げていた。最初にいた建物の近くはやはり
危険であろう。うかつに民家の中に入っても、雨を避けた他のヤツと
出くわす可能性が高い。何も無い原っぱや海辺の砂浜を堂々と歩くような
勇気も無い。今のところ、島のはずれのこのバス停にひっそりと身を隠すのが
妥当に思われた。
でも、ずっとここにいるわけにもいかねぇしなぁ・・・
亀梨は、手に握った拳銃に目を落とした。そして、もう一つ溜息をつく。
ナップザックを開け、この拳銃が目に入った時には多少胸が踊った。
ピストルだ!俺もこれで戦えばいけるとこまでいけるかも!と思った。
しかし、次にこんなものが目に入った・・・BB弾だ。
エアガンかよ!おもちゃじゃん!!こんなんじゃ、ハトも殺せねーよ!
亀梨は落胆した。
もう、諦めるしかないかな。俺の人生もここまで、か・・・
先程の銃声を聞き、亀梨の意気はますます消沈した。
みんな、戦ってるんだ。デビューするために、生き残るために。
俺だってデビューしたいし、生き残りたい。でもやっぱり人を殺しに
向かって行く度胸も器量もない。度胸?違う。そんなのは度胸とは言わない。
人を殺す度胸のあるヤツなんて、狂ってるんだ。器量?そんなもの、あるわけない。
殺人の能力なんて、一体どこで習うんだ。慣れてるヤツのほうがおかしいんだ。
亀梨は、エアガンを構える。肘を伸ばし、前方のガードレールの錆びた一点を
狙った。
ガチャン、と本物の銃とは明らかに違う音がした。オレンジ色のBB弾は
ガードレールを超え、ヒュン、と森の中へ舞い込む。
あーまたハズレた。もう全然ダメじゃん。
とりあえず命中力さえあれば、エアガンだってそれなりの効力はあるはずだ。
相手の目を狙えばいいんだ。それだったら、相手を殺すこともないだろう。
痛がっている隙に逃げればいい。今亀梨に可能な交戦術はそれだけだった。
「仁、アイツ生きてっかなぁ・・・」亀梨はぼんやりと呟く。
アイツがいればなぁ・・・俺だってもっと強気になれそうな気がするのに。
亀梨はもう一度エアガンを構え直して撃った。
BB弾はむなしく森の奥へ消えていった。
自担さっさと死んだし、人家目は苦手だし・・・軽い鬱だわ(笑)
(辞尾のもあからさまに人家目なんだもん、泣くしか)
でも文章上手で面白いのでサクサク更新は嬉しいです。
ミドル版職人さん、今日もお疲れ様ッス。
最後の良知真次が部屋を出て行き、ガランとした部屋には
滝沢と今井の二人だけが残された。今井は熱心にパソコンのディスプレイ
に見入っている。ディスプレイには大きく島の全体像、そしてその島の
あちこちに散らばる赤い点灯が表示されていた。赤い点灯は、島に散らばる
Jr達を表している。もうすでに赤い点灯が緑の点灯に変わっているところもある。
そのJrが死んだ、という表示だ。
「そろそろこの建物を禁止エリアにしないとね」今井は滝沢のほうに顔を向け
言った。「・・・なに、どうしたの、滝沢」
滝沢は窓のそばで、降り止まない雨を見つめていた。今井の問い掛けに
少し我に返り、そうだね、と短く答えた。
「後悔してる、って顔だね」今井がパソコンから離れ、滝沢に歩み寄る。
「今さらだよ」滝沢は少し笑って見せた。ぎこちなく、むなしい笑顔だ。
「こんな憎まれ役、やらなきゃよかったな」今井が慰めるような口調で言った。
溜息混じりに滝沢が返す。「でも、やらなきゃもっと後悔してたかも」
「どうして?」
「・・・やれば少なくとも、生き残ったヤツと一緒に罪悪感を持てるから」
「・・・なるほどね。だからこんな役、買って出たんだ。オレてっきり
お前は楽しんでるのかと思ったよ」
「楽しむ?」滝沢が眉を寄せ、今井を見る。「楽しいわけないじゃん」
声音を固くする滝沢に今井はたじろぎ、首を振った。「冗談だよ、冗談」
滝沢は再び窓の外に目をやった。
後悔しているわけじゃない。今更、後悔したって遅い。
もうプログラムは動き出しているのだから。
コンサートを終えて移動中のバンが、ブレーキ事故により橋から川へ転落。
深く川へ沈んだバンは捜索が困難を極め、乗っていた30数名のJrの生命は
絶望的。そこで、奇跡的に1人が救出される。
その神憑りにラッキーな悲劇の少年は世間に一気に注目され、そのままの勢いで
滝沢・今井と3人組ユニットでデビュー。報道やマスコミの力を借りた、一般人を
巻き込む大掛かりなシナリオ。
それが、この殺し合いゲームに用意された表面上のプログラムだ。
海を隔てた向こうではもう、ダミーである無人のバンが川に突っ込んだことであろう。
新聞やニュースでも、大きく報道されるであろう。
自分達のデビューのために、もう世間は動き始めたのだ。
「このゲームが世間に知れたほうが、よっぽど話題になるだろうにね」
今井はフッと鼻で笑いながら言った。
「話題じゃないでしょ、こんなの知れたら大事件だ」滝沢も自嘲気味に笑う。
「さぁ、もうやるしかないよ。島内放送、入れよう」
滝沢は自分に気合を入れるように、大きな声で言った。
戻れないなら、進むしかない。
みんな、頑張れ。
生き残って、俺達のところへ来い。
縁起悪いこと書きました。すごい罪悪感。マジ謝りです。
まぁ、もともとバトロワ自体縁起悪いですしね・・・。
>>79さんへ。
担当様を殺してしまってすみません。
こちらも直感のみで書いているので、あまり深く考えず
軽い気持ちで楽しんで頂けたら幸いです。
83 :
sage:2001/06/04(月) 01:53
暇つぶし版の職人さん、滝つの描写まであって、すごくいい感じになってきました。
進行役が罪悪感感じるって、今までにないパターンですねぇ。
毎日楽しみにしてます。今後もがんばってください。
84 :
83:2001/06/04(月) 01:55
ぎゃあ!!間違えてあげた!すみません、逝ってきます……
>>84 申し訳ないけど、慌て方にウケタ(藁
ついでにsageましょう。
あ、更新されてた…。
まだ自担殺されてないわー。よかった。
このまま死なないで欲しい…。(ウソです。
ミドル版職人さん頑張ってくださいね!
87 :
83:2001/06/04(月) 02:28
すみませんでした……
今まで頑張って他スレをあげてました(ageじゃなくてちゃんとコメントして)。
ふう。
川ってもしかして大阪の淀川ですか、職人さん?
設定は今ってことですよね。今自担はたたかっているのかしら・・・。
だとしたらすごい。
久し振りに覗かせてもらったら、続きがいっぱい出来てる!!
嬉しいです。ミドル版もとっても楽しいです!殺すのためらうなんて、優しい方なんですね。頑張って下さい!
辞めジュ版の職人様も、お帰りなさいませ!
実は私、8です(照)あんなのに、職人様からコメントが頂けるなんて……嬉しいです!!でも、お目汚しですみません。お忙しいでしょうが、続き、楽しみに待ってます!
91 :
ユーは名無しネ:2001/06/04(月) 12:31
warata
>>91
あげないで〜、荒らされるから
そっこー「重要度+3」で登録させていただきましたわ。
更新たのしみです。>ミドル版
94 :
ユーは名無しネ:2001/06/04(月) 17:25
he~i
そろそろレンタル開始だよ〜
8日です
バイト先にはバトロワの飴がある(笑
ぶどうあじぃ
>>94
あげるなって!
反応してたらきりないよね・・。
ていうか反応すると喜ぶからだよ・・・
最初に皆でいた建物から北の方へ1km程の位置に、小さな民家の集落
があった。民家の数は十数件ほどの、小規模な村だ。もう何年も前から
人は住んでいないらしく、全てが今にも朽ち落ちそうな廃墟だった。
その中の1軒に、武内幸太郎は身を潜めていた。元は風呂場であった
と思われる場所に、弱々しく老朽化した扉を閉めて閉じこもっている。
ガチガチと、自分の歯の震える音が狭い個室に反響する。
怖い。怖い怖い怖い怖い。殺される。俺絶対殺される。
武内は自分が手にした武器の、彫刻刀(しかも丸刀)を握り締め、
身体を震わせていた。
ゲームが始まると宣言された時から、自分はもうダメだと分かっていた。
人なんか殺せない。殺したくもない。そんなんだったらデビューできなくて
構わない。あの田中聖が死ぬ間際に残した言葉に大賛成だった。
でも、何度か聞こえた銃声や、建物を出てすぐに見た岡田政治の死体
のことを考えても、みんながそう思っているわけでは無いということは
明白だ。こんな甘っちょろい考えの自分は、きっと真っ先に殺される。
本当は、建物を出たらすぐ内澤祐豊に追いつこうと思っていた。
彼は親友で、きっと自分と同じように怖がっているに違いない。
しかし、岡田の死体を目の前にして、そんな考えは吹っ飛んでしまった。
気が動転して、何も考える余裕も無く逃げ出してしまったのだ。
だが今も、まだ内澤と合流するのを諦めたわけではない。早く捜しに
行かなくちゃ、と思う。しかし、ここから離れられない。
ギシ・・・
風呂場の外で音がした。
誰かいる!!!
とうとう、来てしまった。恐れていたことが、起こってしまった。
その音は、すぐ間近で聞こえたり、遠ざかったりする。痛んでいる
家の中を土足で歩くため、床の軋む音だろう。家の中を物色している
様子だった。もしかして、誰か人を捜しているのかもしれない。
獲物を。
武内は、ほとんど叫びそうになるのを堪えながら、必死で息を殺した。
見つかってはいけない。殺される!!
武内は音を立てないように、ゆっくりと身体を動かし、カビで汚れた
風呂釜の中に移動した。自分が隠れるように、上にそっと蓋を閉める。
風呂の蓋は中から閉めるには重く、全部を閉めるのは断念し半分で諦めた。
とにかく、自分の身が隠れていればそれでいい。
ギシギシ、と音が近付き、とうとう風呂場の扉がガタンと開けられた。
(ヒィ!)と内心で叫び声を挙げる。身体が、石のように硬くなる。
しかし相手は、そんなにしらみつぶしに何かを捜しているという風でも
無く、武内には気がつかずそのまま風呂場を離れた。
武内は一気に脱力し、震える息を吐き出した。
今のは・・・大きな人だった。きっとMADあたりの人だ。
怖い。一番怖い。あのへんの人は一番危険だ。何を考えているのか
分かったもんじゃない。
ふとその時、遠くからマイクのハウリングの音が聞こえた。
キィーーーンとあたりに響く。
何かが、始まる?
それは、島の中心部に設置されているスピーカーから聞こえてくるようだった。
武内は再び息を殺し、集中した。家の中を歩き回っているその人も、
歩く足を止め立ち止まったようだった。
「アー。マイクテス、マイクテス、ワンツー、ワンツー・・・ちゃんと
マイク入ってる?みんな、ちゃんと聞こえてるー?今から大事なこと
言うから、ちゃんと聞いててよー」
滝沢秀明の声だった。島内放送、確かそんなことも言っていた気がする。
「今から、さっきまでみんながいた建物と、その周辺半径50m以内は、
禁止エリアになるからね!地図で言ったら、Gの7あたり。分かる?
まだその辺にいる人は、早く移動しろよー。でなきゃ爆発しちゃうよ!
東新、松崎、お前ら急げよー!で、今の死亡状況も、みんなに伝えとくからね!
現在午前2時半、死亡者は4人。内澤祐豊、岡田政治、五関晃一、田中聖の4人だよー。
残り時間は22時間半。まだまだ時間はたっぷりありゅyから
みんな息切れしないようにねー!がんばれよ!!」
「ああっ!!」思わず武内は声を挙げて、しまった。
内澤が、死んだ。そんな・・・
頭の中が混乱し、何をどう思って良いのか分からなくなる。自分が
声を挙げてしまったことすら、動転して気がつかなかった。
ウッチー・・・あんなに仲良かったのに。俺、捜そうと思ってたのに。
俺が臆病だから、こんなところで隠れてたから、ウッチーが
殺されてる時、俺こんなところでただ震えてた・・・
「残念だったな」
ハッと上を向くと、そこには石田友一がいた。
見つかった!でももう遅い!
武内は、声を発する間もなく、爆音の彼方に吹き飛ばされた。
額の大きな穴から、鮮血がドクドクと溢れ出す。
石田はすばやく立ち上がり、民家から姿を消した。
彫刻刀なんか、いらねーよ。
【武内幸太郎死亡 残り27人】
MAD悪役商会。(笑)ステキ。
うーん、リアル。滝がカンでるとこもリアル。(笑)
噛んでる。(笑)
極悪自担、ステキ☆
一応もってけばいいのに、彫刻刀(笑
狂気なMADも好き♪
ああ、でも萩原くんの壊れた姿は……
続き、楽しみです。
ミドル版職人サマ、武内の名前は「幸太朗」なんです…。
すみません最近武内好きなもんで気になってしまって(汗)
自担はミドルじゃないのですが
毎日見るのが楽しみなのでこれからも頑張って下さい〜。
この先ゼヒに悪役商会・釈迦石アヒルで三つ巴きぼん。
…なーんてダメっすか?(笑)
島田さんが悪役だと気付かないまま、声をかけて仲間になってしまう萩原とか。
自担、ミドルだけどまだ出てないから楽しみです。
今さらなんですが、岡田の死体を移動させたのは誰なんだろう。
島田、中村、萩原あたりかなぁ。
わざわざ移動させた理由はなんだろう。
優しさ?それとも見せしめ?
それによって誰だか変わってくる気が。
萩原くんの優しさが良いな。
辞めジュ版の職人様〜、お邪魔だなんてとんでもないです。
ミドル版と共に、楽しみにしてます。
もう一回読み直したら出入り口の真ん前から脇に移動させてるんだから
見せしめな訳がないんだよね。勘違いスマソでした。
・・・となると亀梨から伴までの誰かなんだろうけど
岡田と仲が良いJr知らないからなー。中丸辺り?(適当)
安○とか、○村とかでも、生き残ったら滝つばと3人でデビューなんですね??(笑)
(ファンの方スマソ。)でも見てみたいかも・・・
あ、そうだった!生き残りは1人だけなんですよね!!
じゃあ、共同線なんてはらないか…(泣)
>>111 少なくとも亀梨から伴の間に1人は正義の味方が
いるってことですよね・・・自担であって欲しいな。
>>108 武内幸太「朗」・・・でしたか。ごめんなさい。
マイナーだ地味だと言った上に名前まで間違え、
挙句の果てには殺してしまうという始末。
申し訳無いので、今後一年ほど死ぬ気で武内を応援しようと思います・・・。
>118の職人さん
すばらしすぎます!
とっても心の優しい人なんですね!
これからも頑張ってください。
田口淳之介と萩原幸人は、ぼんやりと雨を眺めていた。
「しかしこの雨さ〜、ひどすぎない?」田口はいつも通りの笑顔を
浮かべながら言う。
「ホントにね・・・」萩原ものんびりと答える。
「さっきの放送さ、滝沢君、噛んでたよね〜」田口はさらに笑顔。
「うん・・・「たっぷりありゅy」って何だよ、なぁ」
萩原もそう言って、とりあえず笑い合う。
2人は、島の東側にそびえる山の麓にいた。麓の切り立った崖の
下に、小さな洞窟を見つけたのだ。田口がそこで雨宿りをしていると、
そこにあとから萩原がやってきた。
2人は一緒に居るが、別に信頼しあっているというわけでも無い。
確かに普段仲は良いが、こんな時まで信じられるという確証は無いだろう。
ただ、1人でいるよりは、他の誰かといるよりはマシだということ。
あと、お互いの武器がしょぼくて互角だったので、たいした危機感も
無かったというだけのことだ。
田口の武器は木製バット、萩原の武器はフライパンだった。
「こんな無茶苦茶なゲームなんかするから、きっと神様が怒って
雨を降らせてるんだよ」と萩原が言う。
「うわ〜、萩原ロマンチック〜」田口が目に沁みるような笑顔で返す。
今萩原は、田口の笑顔すら胡散臭く感じていた。
コイツ、なんて顔してんだよ。こんな時によくもそんなに笑えるな。
心の中では何思ってるのか分かったもんじゃねー・・・。
今の萩原には、田口の笑顔は般若の仮面のようにさえ見えた。
また田口も、萩原を疑う気持ちを消せなかった。
コイツ偶然を装って、ホントは僕の後着けて来たんじゃない?隙を
見て襲いかかってくるかも。もしかしたら僕、食べられちゃうかも。
「しっかし、腹減ったなぁー・・・」萩原がお決まりの台詞を
口にする。
「そ、そうだね〜」田口の笑顔も、さすがに微妙に引きつった。
「それにしてもさぁ〜・・・俺達これからどうする〜?」
田口は話しを逸らすように言った。
「どうするって・・・これじゃあどうにもならないし・・・」萩原は
フライパンを見つめる。「とにかく、誰かに見つかるまでココにいる?」
「見つかってからじゃ遅いよ〜。僕、殺されたくないなぁ〜」田口も
バットに目を落とす。しょぼい。さっきも銃の音がどこかからか聞こえた。
みんな飛び道具を持ってるのに。バットなんていかにも「未成年の犯罪!」
って感じ。ダサイよ。
「そりゃ、誰だって殺されたくないでしょー・・・」萩原はフライパンを
持ち上げてテニスの素振りのように振ってみる。こんなの、武器になるかよ。
見てたらますます腹が減るだけだ・・・
その時、2人は何か奇妙な違和感を感じた。
何?なんだろう、この感じ。身体が、傾くような・・・震え?
ゴゴゴゴゴゴ・・・・
激しく、揺さぶるような衝撃。
「は、萩原、何コレ〜!!」
「わかんない!何・・・ギャァァァァァアア」
パラ・・・
耳元で、小石の砕ける音がする。
全身を襲う圧迫感。土や岩の、冷たい感触。
萩原は、何が起こったのか分からない。ただ、身動きが取れない。
冷たい岩に四方八方を固め込まれている。
まさか、土砂崩れ・・・?
そうだ、洞窟が、崩れたんだ。激しい雨で地盤が緩んで、押し潰されたんだ。
じゃあ俺達、生き埋めになったってこと・・・?
「・・・た・・・田口、田口・・・」萩原は苦痛そうに声を絞り出す。
胸が圧迫されている。息すら吸うことが困難だ。
「萩原〜・・・」蚊の泣くような田口の声が聞こえる。田口も、まだ
生きているようだ。
「・・・スゲー・・・こんなのって・・・俺らよっぽどついてねぇ・・・」
「・・・ホント・・・こんなんじゃ、デビューなんてできないよね〜・・」
「・・・田口、ちゃんと生きてるか・・・」
「・・・うん・・・萩原も、大丈夫〜・・・?」
「・・・・なんとか・・・」
2人は苦しいながらも声を掛け合った。意識があるかぎり、それを
続けようと思った。声が聞こえなくなるのが不安だった。
声が聞こえなくなった時が、終わりの時だと、思った。
「俺さ・・・もう最後かもしれないから言うけど・・・お前に、謝りたい
ことがある・・・」萩原は、息を途切れさせながら言った。
酸素が足りない。身体に痛みはない。重い・・・いや、感覚が無い。
もう身体中が冷え切って石膏のようだ。血の巡りが止まっているのだろう。
「・・・なぁに〜・・・」田口の声も、聞き取りにくくなってきた。
「・・・俺・・・ここにきて、お前のこと信じきれてなかった・・・
信じられなかった・・・ごめんな・・・」もう、ダメかもしれない。
萩原は限界を感じた。
「・・・そんなの・・・僕も一緒だよ〜・・・事故にあったんだし・・・
もう時効、ってことで・・・」田口は、どんな顔をして言ったのだろう。
きっと、笑顔に違いない。
「・・・ハハ・・・おもしれ・・・」萩原は、ゆっくりと目を閉じた。
この世で聞いた最後の言葉が、田口のつまらないオヤジギャグだなんて
最悪だな、と思いながら。しかし、顔は笑っていた。笑顔で死ねる俺は、
幸福かもしれない。
一方、田口も目を閉じた。もう、何もしゃべれない。
僕は死にたくなかったけど、そんなの当たり前だけど・・・
でも僕達は、幸せだったかもしれないね。
誰も殺さず、誰にも殺されず、ちゃんと埋葬までしてもらって・・・
僕達はきっと、この島で一番の幸せ者だね・・・
【田口淳之介 萩原幸人死亡 残り25人】
邪魔になるので途中でレスしませんでしたが、
こんなに更新が待ち遠しいことはありませんでしたわ。
泣いちゃいました・・・
職人様、感動しました。
ヘンな言い方かもしれないけど、
こんなキレイな死に方をさせてくれて、ありがとうございました・・
自担イイ死に方(?)させてもらって良かったなぁ・・・
それにしても初めてでコレはすごい。尊敬します。>職人さん
ってオイオイ。(笑)
ミスデブって2chのどこいってもこんなイメージなのな。
藁タ
自担、出して頂いて嬉しいです。
しかも殺人鬼じゃなくて、安らかにって感じで……
泣きました。続き、頑張って下さい!
不覚ながら、123で泣きました。
2ちゃんで泣いたのは初めてだ〜(藁
ぜひ最後まで書いてください!!
大泣きしました〜。
二人とも好きなんで、嬉しいです。
これからも更新楽しみにしています。
泣けました。
ありがとう。
皆さんが感動の涙を流しているというのに、
事故にあったんだし・・・ もう時効
で、うっかり爆笑してしまいました。…ス、スマソ。
各自の武器の割り振りも面白いです。
職人様〜、続き楽しみにしております。
皆さんのあたたかい反応、とっても嬉しいです。感謝。
さぁ、今日もそろそろ行こうかな・・・
自担死んじゃったけど、とても綺麗な死に方で感動・・・。
頑張って下さいね>職人様
辞めジュ版さんもお待ちしてます・・・
ここ見てる人って、田口or萩原の担当さんが多い?
そういう自分もですが(笑
松崎祐介は小走りに雑木林の中を進んでいた。
額には汗が滲む。前髪を伝い流れる雨と混ざり、視界を濡らす。
最悪だよ、滝沢君ひどいよ・・・!
先程の島内放送で、名前を呼ばれてしまった。自分の居場所を、
よりにもよって島内全部に知らされてしまったのだ。
滝沢は親切心で、自分に注意を促すために言ったのだろうか、それとも
故意に自分の居場所を皆に知らせるために言ったのだろうか。
どちらにしろ、ターゲットになることには変わりは無い。
急がなきゃ。なるべく遠くまで離れなきゃ。
しかし、松崎にはうかつに動けない理由もあった。
「とにかくどっかで落ち合おう。待ってるから」
東新良和が建物を出て行く寸前に、すぐ傍にいた松崎に残した言葉だった。
誰にも聞こえないように、ひどく声音を落として囁いた言葉であったが、
松崎は聞き間違いでは無いと信じた。
心細かったし、怖かった、ただ震えていることしかできなかった松崎に、
この言葉は一抹の勇気を与えたのだ。
東新はきっとどこかで待っていてくれているはず。建物からそう遠くない、
松崎でも見つけられるようなどこかで、待っていてくれているはず。
幸いなことに先程の島内放送で、どうやら東新も近くにいるらしいという
ことが分かった。その点では、あの放送は好都合だったとも言えた。
松崎は、早く移動しなければという気持ちと、東新を待たなければという
気持ちのジレンマに焦った。焦りながら、キョロキョロと周囲に目を配り、
東新を捜す。同時に、誰かが襲ってこないかということにも注意を走らせる。
自分には戦う力など、到底無い。武器も無い。いやあるが、無いに等しい
十手だった。しかもご丁寧に、持ち柄の所には毛筆体で「奈良」と
書かれている、土産物だ。自分が名古屋コンを修学旅行で休んだことへの
あてつけかと思われた。そういや奈良、楽しかったなぁ。
あの時にはこんなことになるなんて、夢にも思ってなかったんだ・・・。
「松崎!」
背後から呼び掛けられる声が聞こえた。東新だ。
「東新!」ようやく会えた。やっぱり東新は、俺のことを捜していてくれた
んだ。松崎は東新に駆け寄り、早口に捲し立てる。「今までどこにいたんだよ!
とにかく急ごう、この辺にいたらあぶないよ!俺らきっと狙われてる」
「そうだな」東新も緊迫した顔でうなずき、松崎の腕を掴んで走り出す。
同じ歳で、松崎より身体も断然小さい東新だが、冷静で頼りになる。
松崎はようやく張り詰めて高ぶっていた感情が落着きを取り戻すのを感じた。
2人で雑木林の中を駆け抜ける。
「とにかく、どこか避難できるところに行こう。そこでゆっくり考えるんだ」
東新が走りながら言った。
「避難できるところって?」松崎が問う。さっきから走りっぱなしで、
息が切れてきた。
「地図で見たけど、この林を抜けたところに神社があるはず。とりあえず
そこまで行こう」東新はスピードを緩めない。きっと、松崎を待つ間に
移動する場所も考えていたのだろう。つくづく冷静だ。松崎は、もう何もかも
東新に任せていいような気がした。ただ逆に、少しだけ恐怖も感じた。
東新は一体、どこまで先を考えているのだろう。
俺達はこのまま一緒に行動して、もしも最後まで残れるとしたら、
その時は・・・?松崎は走りながら、前を行く東新の後姿を見つめた。
肩には、ライフルのような長い銃が掛かっている。東新が手にした武器だろう。
それは東新の身体にはひどく不釣合いで、浮かび上がるように松崎の目に焼き付く。
ふといきなり、東新が足を止める。
ぼんやりと走っていた松崎は、東新に激突した。「痛!いきなり止まるなよー」
「シッ・・・」東新は松崎の顔の前に手をかざし、静止させる。
「誰かいる・・・」
松崎は急激に緊張した。身体中の血の気が引き、顔からサッと赤みが失われる
のを感じる。「だ、誰・・・?」
「・・・誰だろ・・・」
まだ結構距離はある。向こうもこちらの存在には気がついていないようだ。
身を屈めるようにしてゆっくりと、木々の間を移動している。
「・・・島田君・・・?いや、違う・・・良知君だ」東新が独り言のように呟く。
良知真次は背の高い草に身を潜め、じわじわと移動している。
それは不思議な移動の仕方で、こちらに向かって来たり、遠ざかったり
する。木に身体を隠し、木と木の間を渡り歩くようにして移動しているのだ。
忍者か、スパイのような動きだった。
良知君、もしかして怖がってる?松崎はその良知の動きに目が釘付けだった。
しかし、視界に黒く長い鉄の筒が目に入り、我に返った。
東新が、良知に向かってライフルを構えている。
「・・・東新!」松崎は声を潜めながらも慌てて言った。「何してんだよ!」
「何って?」東新は、何でもないことのように聞き返す。
松崎は東新の肩を揺さぶり、ライフルを降ろさせようとした。
「やめろよ!敵じゃなかったらどうするんだ!?」
「味方じゃなかったらどうするんだ?」東新は強い力で、ライフルを降ろそうと
しない。「触らないで、狙いが外れるから・・・」
「狙いって・・・殺す気なの?!」松崎は思わず声を荒げる。
その声で、良知は顔をこちらに向けた。「誰だ!!」と叫ぶ。
その声は裏返っており、怯えの色を隠せないかのように松崎には聞こえた。
職人さん毎日ごくろうさまです。
自担は先日土に埋まっちゃいましたが、続きを楽しみにしています。
最後まで頑張ってください!
「見ろ、気付かれた」東新は怒ったように松崎を一瞥する。松崎には、その
東新の目が何よりも恐怖に感じられた。東新の目。戦うという意思の溢れる目。
「誰だ!!」良知が再度叫ぶ。次の瞬間、良知は腕をすばやく伸ばし、
顔の前で拳銃を構えた。今にも撃とうという体勢。
東新は躊躇しなかった。
ズガーーン・・・
耳の奥が疼くほどの大きな音が、辺りに響く。
雨を避けて木々で羽を休めていた鳥が、大群で飛び立つ。
松崎は、目の前が真っ白になり、倒れるかと思った。
「うぁぁ・・・」良知のうめき声が聞こえた。わき腹の辺りを片手で
押さえている。指の間から、ここからでも分かるほど鮮明な赤い血が
溢れ出す。「あああああ!」良知は振り絞るように声を挙げた。
ガクガクと震える手で拳銃を持ち上げ、撃つ。
パーン、と弾けるような音がして、松崎のすぐ横の木の枝が舞い飛んだ。
そのまま、良知は地面に倒れ込む。
「松崎、今の当たってないよな!?ケガしなかった?」東新が驚いた顔をして
松崎を見る。松崎は痙攣のように震え、その場にしゃがみこんだ。
なんなんだ・・・今の、なんなんだ・・・
【良知真次死亡 残り24人】
あー!!やっと出た自担、あっという間に死んでしまったYO!
見つかってることに気付いてない小心釈迦力忍者、相当笑えました。
残る窓の活躍に期待〜
>>118 ミドル版職人様、先日は重箱の隅をつついてしまってすみませんです。
職人様の分まで自分が武内をひっそり本気で応援しますので
あまり気になさらないで下さい〜。
146 :
ユーは名無しネ:2001/06/07(木) 05:45
凄い速度ですね。
東新カッコイイな。流石裸少Jr内最強の腹筋を持つ男。
148 :
ユーは名無しネ:2001/06/07(木) 08:37
おはようあげ!
何か、展開が早くて毎朝楽しみです!
>>138さん
田口・萩原担、多いみたいですね。私もそうだし。
田口萩原東新どの担当でもないですが邪悪東新に萌え〜(ワラ
だいたい担当氏んだし(ワラ
誰が残るのか楽しみであります。
祭りの更新まだかな・・・
久しぶりに覗きましたら田口萩原に泣けましたー!!!
素晴らしいです職人様…。
自担は早々に涅槃へ逝ってしまいましたが…合掌。
武器集計
赤西仁 素手
石田友一 拳銃、バタフライ・ナイフ(元岡田)
伊藤達哉 ギターの弦、マシンガン(元五関)
内澤祐豊 拳銃
岡田政治 バタフライ・ナイフ
亀梨和也 エアガン
五関晃一 マシンガン
島田直樹 軍用ナイフ、拳銃(元内澤)
武内幸太朗 彫刻刀(丸刀)
田口淳之介 木製バット
東新良和 ライフル
萩原幸人 フライパン
松崎祐介 十手(奈良土産)
良知真次 拳銃
勝手に集計してしまいました。すみません。
辞めジュ版、ミドル版の各職人様
これからも楽しみにしています。
自担が出ないので次点が出るのを楽しみに
していたが、出たと思ったらサヨウナラでした。
誰も殺さなかった事にほっとしつつ…合掌(哀)。
明日からビデオレンタル開始ですよね。
私は映画はまだ見てないので楽しみ。
それから、バトロワ集計人さん、毎度お疲れさまです。
ごめんなさい、今更で申し訳なさ過ぎるが、やまとまのサイトってもう
閉じてしまったのだろうか…
ヒントに従って探してみたのだが、どうみてもここじゃないだろうという
所にしか行けなくて…
>>158 やまとまのとこはHP自体はまだあるけど
Jr版バトロワはもう消しちゃったみたいですよ。
>>144、
>>156の方々、ごめんなさいでした・・・
私も胸の痛む思いで毎回殺しております。
良知については、もうちょっと活躍させてもよかったなぁと今更後悔。すみません。
>>145の武内本気で応援してる方。
だんだん武内が本当に気になってきました。アナタのおかげです。
応援続けます。
あと、バトロワ集計人さん、ものすごく助かります!感動です。
では、今日もそろそろ行かせていただきます・・・
「よかった・・・もう死んじゃったよね」東新はライフルを手に持ったまま、
軽く息をつく。
「・・・よかった・・・って。よかったって、何がよかったんだよ!
なんで撃ったりしたんだよ!なんで殺したりすんだよ!」
松崎は火が付いたように叫び出した。理解できない。なにも理解できない!
「殺さなきゃ、こっちが死んでたかもしれないじゃん。向こうだって銃を向けて
きたんだから!」東新も半ば声を荒げる。
「でも、撃つかどうかなんてわかんなかったじゃん!先に撃ったのは東新だよ!」
「じゃあお前は、殺されてもよかったっていうの?」
「そうじゃないけど・・・でも、敵か味方かだって、良知君わかんなかったのに!」
「向こうは、銃を向けたんだよ?!」
「それは東新が先に銃を向けたからだよ!!!」
松崎は半狂乱になって悲鳴のように叫んだ。心では分かっている。撃たなきゃ、
撃たれていたかもしれない。殺さなきゃ、殺されていたかもしれない。
でも、どうしても認めたくなかった。
ここで殺人を認めたら、人間として何かが違ってしまうような気がした。
「・・・やめよう。喧嘩したってしょうがないよ。あんまり騒ぐと危険だし」
東新がフッと松崎から視線を逸らし、冷静な口調でそう言った。
「サイテー・・・最悪だよ!俺、お前が一番怖いよ!一緒に行動なんて
出来ない!!」
松崎は立ちあがり、東新に背を向けて走り出した。
「待てよ松崎!」東新がそう叫んだが、松崎は無視して振りきった。
松崎の背中が林の奥深くまで消えてしまうのを、東新は呆然と眺めていた。
禁止エリアからもう少し離れようと、雑木林の中を移動していた
森雄介は、大きな怒鳴り声に驚いて足を止めた。
誰だ、こんなところであんなデッカイ声あげてる馬鹿は・・・
声のするほうに近付き、木に身体を隠した。距離があり誰かはわからないが
とにかく2人で揉めているようだった。片一方はその場に座りこんで
ひたすら大きな声をあげている。もう片一方は長い銃を手に、相手の剣幕に
引いている。なんだ、仲間割れか?森は木にもたれ、事が落ち着くのを
待とうと思った。あんなに興奮しているヤツらに見つかったら、軽く
殺されかねない。さっきの2発の銃声も、きっとこいつらだろう。
「最悪だよ!俺お前が一番怖いよ!一緒に行動なんてできない!」
そうこうしている間に、座りこんでいた方がいきなり立ち上がり、
走り出した。もう1人はぼんやりと立ち尽くしている。
あーあ、かわいそ。決裂しちゃったよ。喧嘩なんかしてる場合かよ。
まぁ、人を信じられなくなる気持ちも、分かんなくはないけど。
残されたもう一人も、走り出す。さっきの奴とは違う方向だ。
あ、あの小っちゃいヤツ、俺が行こうと思ってた神社に行くんじゃねー?
森は溜息をつき、ゆっくりと木から離れ、再び歩き出した、が、
そこで見たくないものを見てしまった。
「良知・・・」森は、身体から力が抜けていくのを感じた。
良知はミゾオチのあたりから血を流し、横向けに倒れて絶命していた。
髪や顔が泥水に浸かり、その死顔をさらに険しいものに見せている。
・・・もう、わかってたことだ。こんな光景に、慣れなければならない。
これからいくらだって、こんな光景を目にするだろう。
自分だって、こうなるかもしれない。自分の身を守るために、
誰かをこんな姿に変えてしまうかもしれない。
森は耐えがたい無気力感を振り払うように首を振り、良知の横に屈みこんだ。
手を合わせ、目をつぶる。良知、難しいかもしんないけど、成仏しろよ。
「あの2人の喧嘩の原因は、これか・・・」森は立ち上がりながら呟いた。
片方(たぶん小っちゃい方)が撃って、もう一方がそれを怒った。
あの怒ってたヤツ、あいつ大丈夫かな。そんな甘いことじゃ、すぐ死ぬぞ。
ふと森は、良知の手前に転がっている拳銃に気がついた。良知の武器だろう。
小振りだが、役に立ちそうだ。森は拳銃を拾い上げる。
「良知、コレ借りてくね。」森は良知に詫びつつ、その場をあとにした。
もしかして森雄は・・・違うかな。
いずれにしても今までの中で一番好きな奴になりそう。
自担はまだ出て来ないので当分森雄の活躍に期待。
職人様、わざわざレス下さってありがとうございます。
名簿の中に名前があるだけでも嬉しかったんです。
他のどのバトロワでもヨネ止まりだったんで(藁。
名前引っぱっていただいて産休、毎回毎晩楽しみにしてます。
集計人様も山九、奈良土産に再度ワラテしまいました。
勝手に集計したのに
>>157 >>165さん
ありがとうございます。
ミドル版職人様
レスありがとうございます。
すごい楽しみにしてます。
あぁ、職人様に惚れそうです(笑)
集計人様、ご苦労様です!お疲れ様でした。
ミドル版、また続きが!毎日、本当に楽しみです。頑張ってくださいね。
あと、辞めジュ版の職人様、続きはお書きにならないんですか?すっごく待ち遠しいです!早く帰ってきて下さいませ〜
蛇娘。版も辞めジュ版も暇潰し版も、全ての職人さま待っておりますので
是非続きお願いします〜。
169 :
ユーは名無しネ:2001/06/08(金) 20:06
奇妙な疾病
170 :
ユーは名無しネ:2001/06/08(金) 22:16
重複スレなので終了します。
このスレは語りましょうスレに統合されました。
速やかに移動して下さい。
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥ありがとうございました¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
だったらエロスレ統合してくれ〜〜
>>170はあちこちに貼られてるコピぺだから気にしないで。
前方の森の奥から、ガサガサと激しい音が聞こえた。
誰かが、近付いてくる音。
やべっ・・・誰か来る!亀梨和也は弾けるように立ち上がり
ベンチの裏へ回ってしゃがみこんだ。
一体、誰だ?すごい勢いで走ってる・・・亀梨は様子を
伺うように、ベンチと地面の間から音のするほうを見た。
このバスの停留所が目に付いたのだろう、こちらに向かって
一目散に駆けてくる・・・赤西仁だ!
「じ、仁〜!仁!!」亀梨は思わずベンチを飛び越え、
駆け出しながら叫んだ。
ウソみたいだ、こんな状況で会えるなんて、奇跡に近い!
「亀ーーー!!」仁も驚いたように走り寄って来る。
「よかったー!マジよかった、探してたんだよ亀!マジで!!
もー誰に会っちゃうか怖くってさー、マジびびったよ〜!!」
仁は声を裏返らせながら嬉しそうに叫んだ。
「俺も怖かったよー!一瞬殺されるかと思ったよ!マジお前で
よかったー!!」亀梨は安堵で腰が砕けそうだった。
赤西は、自分を探していてくれたんだ。その事実だけで
気持ちが高揚する。やっぱり仲間なんだ。こんなことになっても、
信じれる仲間が俺にはいたんだ!
「しっかし、無事でよかったな〜お互い。もう絶対会えねぇーって
思ってた!」仁は疲れたように停留所のベンチに倒れ込む。
「マジで、無事でよかったよ・・・お前、他に誰かに会った?」
亀梨もベンチに腰を落ち着ける。さっきまでの気持ちとは全然違う。
味方が傍にいるというだけで、絶望的な気持ちに一筋の光が射し込む
ような気がした。
「会った会った!ってゆーか見た!イットなんだけどさぁ・・・
アイツ、マジやべーよ。イッちゃってる。素で五関殺してたよ・・・」
「五関・・・」亀梨はポツリとその名を口にした。
島内放送で五関の名前が呼ばれていたのは知っている。
もうすでに4人死んでる。今こうしている間にも、次々と誰かが
死んでいるかもしれない。
ずっと一緒にJrでがんばってきた仲間が。一緒に、ステージで
踊ってきた仲間が。今は殺し合っている・・・。
いや、考えないようにしよう、と亀梨は思う。そんなこと、今考えて
落ちこんだって仕方が無い。考えたところで、この現実が終わる
わけでは無いのだ。向かってくるヤツがいるからには、戦わなければ
ならない。
起きてた甲斐がありました!
「・・・そっか、イットには気をつけないとな」亀梨は深刻な顔で
うなずく。
「でも他にもさぁ、銃の音とか聞こえるじゃん?みんな結構
やる気になってんだよね・・・」赤西は溜息をついた。
「仁は?やる気になんないの?」亀梨が問う。
「お前はどうなんだよ?」赤西も聞き返す。
「俺は・・・ムリだよ、できっこない。こんな武器じゃ、
どうしようもねぇーよ・・・」亀梨は、赤西の目の前にエアガンを
差し出した。赤西は一瞬本物と思ったらしく、身を引いた。
「おもちゃだよ、やめてよ怖がんの・・・撃たねぇし・・・」
亀梨は少なからず胸が疼くのを感じた。こんな状況で、完全に人を
信じきることなど、誰だって不可能だろう。しかし、信じて欲しいと
思った。自分は信じられていると、思いたかった。
「ゴメンゴメン、なんだおもちゃか〜、お前もたいした武器
持ってねぇのな!」赤西は安堵したように笑った。
「お前の武器はなんなんだよ?」
「オレの武器は、聞いて驚くな。自分自身だ。」
「はぁ?」亀梨は顔を歪めて問い返す。
赤西は、ポケットから「素手」と書かれた紙を出した。「これが
オレの武器」とふざけたように顔をしかめながら言う。
「お前・・・それって、多分一番貧乏くじ引いたんじゃねぇ?」亀梨は
思わず吹き出した。武器無しで戦えだって?頭から死ねって言われてる
ようなもんじゃん!赤西もつられて笑い出す。
「俺ら2人合わせても、ヘボいなぁ〜」亀梨は苦笑しながら言った。
「ホント、どうなるんでしょうね〜」赤西の笑いも、苦笑いに変わっていく。
なんにせよ、笑い合える相手がいるのは心強い。
「・・・とにかく」と亀梨が真面目な顔に戻る。「生き残る方法、考えよう」
亀梨は強い口調でそう言った。
職人さん今日はなぜか眠れません。
良ければ自粛なさらずに続きをお願いしまーす。
起きててよかったぁ。職人様、深夜にお疲れさまです。
続き、お待ちしております。
素手ってかなりおもしろいです。
じんじんヘタレなのに心配です。
続きお待ちしています。
180 :
ユーは名無しネ:2001/06/09(土) 15:47
(ノ^^)ノ
あげて〜
さげましょう。
職人様、昨日初めて読まさせていただきました。
かなりの文章力に感動です!!
早く自担が出てこないかな・・・と期待。
すぐ殺されそうな気もするが・・・。
自担はやるよりやられるタイプそうなので。
今日初めて読みました。
自担、かなりいい感じです・・・。再登場はいつかしら。
自担はデビューなんて考えてないだろうけどあの冷たさはイメージにピッタリ
です(笑)
福田悠太は、海の見渡せる丘の上をぼんやりと歩いていた。
雨に煙る海はどす黒く、うねるように荒れている。
福田は、その海を眺めながら、姿を隠すわけでもなくただ歩いた。
誰かに見つかるかもしれない。そこで、殺されるかもしれない。
でももうそんなことはどうでも良かった。
「どうにでもなれ・・・」福田はポツリと呟いた。
自暴自棄になっている?そうかもしれない。ただ、何もやる気に
ならない。眼をぎらつかせて他のJrを探す気にはならない。
怯えながら隠れる気にもならない。
自分が、何を考えているのか分からない。
想像できないのだ。こんなこと、リアルじゃない。
福田は、自分の手に握られた小型の銃に目を落とした。
BERETTA M84、と書いてある。ズシリと感じる、重量感。
ふいに、撃ってみたい衝動に駆られた。おもちゃを与えられた、
子供のような気分だ。海に向けて、銃を構える。
目を固く閉じて、撃鉄を降ろし、引金を引く。
バーーン・・・
反動で身体が後ろに吹っ飛ぶ。想像もしなかった、強い手応え。
弾は、海の上で渦を巻く重い雲の中に掻き消えた。
福田は思わず銃口を見つめる。銃口は、熱を抱え煙を噴出している。
それは、確かにリアルな感触だった。自分は今、銃を手にしている。
引金を引くことが出来る・・・
あわわわ・・・森、かっけぇー・・・!
「なにしてるんだ、むやみに大きな音たてたら危ないぞ!」
ふいに、後ろからそんな声を掛けられた。
福田は小動物のように、ビクリと身体を震わせる。
緩慢に振り返り、そのまま硬直してしまった。
中村翔だ。
(中村君はやる気だよ。みんな要注意だねー)
外に出る前、建物の中で滝沢秀明が言った言葉が脳裡を駆け巡る。
一気に、胸の中が鉛を飲みこんだように重くなるのを感じる。
ここで、殺されるかもしれない・・・そんなの、どうでもいいわけがない!
死にたくない、生きていたい、たとえ目の前の誰かを殺してでも!
福田の中で、本能とも言える感情が一気に湧き上がった。
手に握った小型銃を持ち上げる。
中村は、その動作にスッと身を引き、両手を軽くあげた。
「待てよ、俺は何もしない」中村が落ち着いた声でそう言う。
「・・・そんなの、信じろっての?」福田も、なるべく冷静を装った
声で言った。咽喉の奥が震えている。
「信じられないかもしれないけど、本当だよ。」中村は手をあげたままだ。
福田は拳銃を構えたまま、苛立ちを覚えた。
一体自分はどうしたい?どうすればいい?
このまま彼を疑って、殺す?
信じて、殺さない?それとも信じて、殺される?
「・・・どうすればいいのか、分からないよ・・・」福田は自分の気持ち
そのままを口に出した。「・・・もう、どうしよう・・・」
中村は溜息を1つ吐き出し、福田を慰めるような口調で言った。
「混乱するのはしょうがないよ。誰だってこんなこと、普通に対応できる
わけがない。・・・俺が何もしないっていう証拠を見せるよ」
中村は手を降ろし、肩に掛けたナップザックの中を探った。筒のような
物を手にし、福田に向かって差し出す。
「吹き矢だ。これが俺の武器。こんなもの、アフリカ人でもあるまいし、
使いこなせるわけが無い。疑うんなら、お前が持っててもいいよ」
福田は、差し出された吹き矢と中村の顔を交互に見やり、やがて
銃を降ろした。
「・・・疑って、ごめん」福田は銃を強い力で握り締めた。
俺、今ホントに嫌なヤツだった。自分が、全然違う獣みたいになるのが
手に取るように分かった。こんなに自分が、弱かったなんて・・・
「人間なんてそんなもんだ。恐怖って、きっと人間を想像できないくらい
変えてしまうものなんじゃないかな・・・今銃を持って走りまわってる
奴らも、きっとみんな怖いんだよ」中村がゆっくりとそう言う。
福田は、まじまじと中村を見た。
「中村君はスゴイね・・・こんな時にそんな風に考えられるなんて、
大人だよ・・・」
「そうかな?」と言って中村が白い歯を見せて笑う。
「これから・・・どうするの?中村君は」福田はその笑顔を空しい物の
ように眺めた。
「これから・・・わからないな。考えてない。まぁ、いけるとこまで
生きるよ。逃げまくる、って感じかな」中村は吹き矢を振って見せ、
また笑った。福田も少しだけ笑う。
「お前はどうするの?・・・まぁその様子だと、お前も何も考えてない
って感じだな」中村は、ナップザックに吹き矢を仕舞いながら言った。
ゆっくりと歩き出そうとする。もう、どこかへ行ってしまう気らしい。
「うん・・・俺も、行けるとこまで行こうかな」福田はそう言って、
唇をぎゅっと結んだ。
自分は、きっと誰かを殺すだろう。
さっき中村に、銃を向けたその感情のままに。
福田は、そんな考えを振り払うように目を閉じた。
今は何も考えない。きっと、時が教えてくれるだろう。
中村は「じゃあな」と言って福田に背を向けた。福田は、少し慌てて
声を掛ける。
「ねえ、連れてってよ!」
ここで離れてしまったら、もう会えないような気がした。
そんなことは考えたくないけど、これが最後の別れのような気がしたのだ。
「ムリだよ。疑うのも疑われるのも、お互い疲れるだろ」中村は、
少し振り返りながら言った。歩く足は止めない。
「ねぇ、中村君!」もう一度、福田は声を掛けた。
なんでもいい、思いついたことを口にする。
「建物の入り口にあった岡田の死体、横に寄せてあげたの、あれ
中村君でしょー?」大きな声が、海のこだまのように周囲に鳴り渡る。
「もう、忘れたー!」中村の声は、間延びして丘の上に響いた。
アニキ、カッコイイ・・・
カケルかっこいいなー。
そして何日か前にちょこっと話題になった死体移動の謎が解けましたね。
職人様流石です。
自担は早々に死にましたが(笑)これからも楽しみにしてます。
カケルアニキ・・・惚れそう
アニキ〜。福茶も連れて行ってくれ〜。
各職人様、集計人様いつもお疲れ様です。
辞めジュ版の続きも楽しみにしています。
カケル素敵なんですけどぉ。
自担もかっこ良く出て欲しいなぁ。
職人様、今夜もよろしくお願いします。
もう泣きそうな気分だ。絶望的、ってこんな時に使う言葉なんだな・・・。
小山慶一郎は深い森の中に1人傘を差してたたずみながら、そんなことを考えた。
建物を出発した後、小山はとにかく歩き続けた。
草原を越え、林を抜け、そして今この森の中で、迷子になっている。
右へ行っても左へ行っても全く景色が変わらない。
はじめは、「島なんだしいつか海に出るだろう」と高を括っていた小山だが、
同じ所をぐるぐる回っているということに気付き、次第に焦りはじめた。
オレってもしかして遭難してる?待ってよ、こんなのゲーム以前の問題じゃん!
「あーーもう!!」小山は思わず声を挙げ、頭を抱えた。
俺、なんでこんなとこにいるんだろ・・・
こんなとこで何してんだろ・・・
殺し合いだとか、わけわかんないこと言われちゃって・・・
こんなんだったらオレ、Jrになんかならなきゃよかったよ・・・
「マジで泣きそう・・・」小山は頭をグシャグシャと掻きむしり、再び
さ迷い出す。手に握った自分の武器をチラリと見た。
このビニール傘だ。最初傘を見た時、この雨のために用意された雨具かとも
思ったが、他に武器らしいものは何も無かったので、どうやらこれが自分に
与えられた武器だということを悟った。
傘なんて武器になんかなるわけないだろ!なんだ、これで突けってのか?!
大体、不公平だ。銃を持ってるヤツもいれば、こんな武器とも
言えないようなものを持たされているヤツがいるなんて。
第一、自分のような弱い立場の人間にこそ、拳銃とかを持たせてくれれば
いいのに。味方だっていない、誰のことも信用できない、誰にも信用される
訳が無い、新参者のオレなんか一番に狙われるに決まってるじゃないか。
小山はやけくそになって走り出した。
もういいよ!誰かに殺されるくらいなら、ここで遭難して死んだほうがマシだ!
「ここ、前も通った気がする・・・」森の中の小道で、再び小山は
足を止めた。「もう、最悪だよ・・・」そう呟き、引き返そうとしたその時、
何かが視界に入った気がした。
何・・・人?
その人物は、土砂降りの雨の中、小道の脇でうずくまっている。
膝を抱え、顔をうずめているのでよく分からないが・・・泣いている?
コイツもオレと同じように、遭難して参っているのだろうか。
小山はある程度の距離を取り、その人物を観察することにした。
華奢で、黒い髪。手には何の意味があるのか、十手を握っている。
十手・・・まさか、あれがアイツの武器なのか?オレの傘も哀れだけど、
コイツも大概哀れだな。いやオレの傘のほうが、役に立ってる分まだマシだ。
小山の緊張感は、一気に溶けた。
しかし、声を掛けようかどうかは逡巡した。声を掛けても、どうせ
ギクシャクするだけだろうし、逃げられても気分が悪い。
遭難仲間は欲しかったが、仲間にはなれないだろうと思った。
思ったのだが・・・。
「なんだよ・・・泣きたいのはこっちだよ」
小山はその人物に、傘を差しかけてやりながら言った。
「そんな風に泣いてたら、ほっとけなくなるじゃん・・・」
松崎祐介は、いきなり振って沸いた声に驚いて顔を上げた。
怒ったような顔で傘を差し出し、小山が傍に立っている。
涙で濡れた頬のまま、松崎は一瞬で顔を引きつらせた。
「警戒しないでいいよ!武器も持ってないし・・・お前も、
その十手でいきなり殴りかかったりしないでよね」小山は慌てて言った。
松崎も、たじろいだように十手を後ろ手に隠す。「そんなことしないよ・・・」
「何、松崎君も遭難したの?」小山がゆっくりと松崎の横に腰を下ろした。
「遭難?」松崎は首をかしげる。「俺は迷ってないけど・・・」
あ、と小山は決まり悪そうに顔を赤らめる。そうか、遭難するような
阿呆はオレだけなのか・・・。
「じゃあ、なんで泣いてるんだよ?怖いの?」小山が尋ねる。
松崎の顔に、ふっと影がよぎる。うつむきながら言った。「友達と、
喧嘩したんだ」
「喧嘩?」小山は聞き返した。「喧嘩って、なんでまた。」
「何もしてない奴を、東新が撃ったんだ。・・・殺しちゃって。
俺は、そんなのイヤだったのに・・・」松崎はまた膝に顔をうずめる。
「でも・・・殺し合い、してるんだから。当たり前なんじゃないの?」
小山は困ったように言う。泣かれるのは、女でも男でもゴメンだ。
「分かってるんだ、でも・・・やっぱりヤだったんだよ」
「ヤだって言われても・・・」小山は困り果てて眉間に皺を寄せた。
小山には、松崎が駄々をこねてるようにしか聞こえなかった。
「少なくともゲームの中にいて、向かってくる敵がいる可能性があるんだから、
しょうがないんじゃない?正当防衛だよ」
「正当防衛・・・」松崎が、ポツリと呟く。
「東新君は、自分とアナタの身を守ろうとしたんだよ」小山は、
松崎の顔を覗きこむように見ながら言った。
パラも松崎様もカワイイ。
さすがです、職人様。
松崎様の事を十手と呼んでしまいそうです・・・
松崎様、十手いいね(w
呼びたい・・・
私も十手と予備隊。ダメかな?(ワラ
松崎は顔を上げて、小山を見た。小山は、考え込むような様子で続ける。
「オレ思うんだけど・・・武器の力って、スゴイんじゃないかって
思うよ。人を変えるっていうか・・・オレも今ピストル持ってたら、
松崎君に向けてたと思う。戦う、って気持ちになると思う。オレは今、
傘しか持ってないから、逃げるしかないけど・・・だから、東新君もきっと、
気持ちがでっかくなってたんだよ。「オレが松崎を守んなきゃ〜」ってね」
小山はそう言って、ニッと笑った。松崎も笑顔を浮かべる。
「そうかな・・・」
「そうだよ。」小山はさらに笑う。「ホラ、後悔したくなかったら、早く
仲直りしたほうがいいよ。次会えるなんて保証はどこにもないんだから」
「・・・まだ、いるかな?東新」松崎は自分自身に問い掛けるように言った。
「神社に行くって言ってたんだ。まだ、いるかな?」
「いるよ、絶対!」小山が、松崎の背中を押す。松崎は、きっかけを掴んだように
立ちあがった。「小山君も、行かない?」と尋ねる。
小山は首を振った。「オレはいいよ〜、アンタ達がそれで揉めたらオレやだもん」
松崎は、苦笑いを浮かべて頷いた。「道はこっちだよ。真っ直ぐ行ったら
林を抜けるから」と言って、小道を走り出した。
うわ、オレだせ〜。道案内とかされちゃったよ・・・
そう思って小山が顔をしかめるのと、目の前の森から誰かが飛び出してくるのは
ほぼ同時だった。
ワクワクして続き待っております。>職人様
職人さん、今日もお疲れさまです。
小山ノキャラがすごくカワイイ・・・
好きではなかったけど思わずときめきました。
小山ノキャラ→小山のキャラ、でした。
あぁ、明日が楽しみです・・・
うわー、いいところで引っ張ってるー
テレビドラマのようだー ワクワク
辞めジュ版の職人さんも来て下さいね・・・。
元担出てたのでかなり楽しみにしています。
気長に待ちますんで。かなり切実です(泣)
橋田やっくんがまだ出てない…トロいので心配。(切り身)
さすがのアニキもここじゃ助けてくれないかな…(ドキドキ
ドン、と後ろから押されたような気がした。
熱の塊が、背中に押しこまれたような感覚。
何かが、焦げるような臭い。
「あ・・・」と一言発しただけで、松崎は小道の上に前のめりに倒れた。
後ろを振り返る余裕も無く。
小山は目の前で起こった急激な変化に、自分の血の巡りが逆行するのを感じた。
「やめろーーーー!!」
そう叫んで、小山は目の前で背を向け銃を構える相手・・・島田直樹に飛び掛った。
傘を振りかざし、島田に向けて突進する。
自分でも何をやっているのか分からない。完全に頭に血が上って、判断できない。
傘の先端が、島田の身体を捕らえる微かな感触。
島田はすばやく身を避け、小山の後頭部を銃のグリップで殴りつける。
「痛ー!」小山は地面に顔から突っ込んだ。泥まみれになりながら、
慌てて島田のほうに身体を向ける。
島田も右の二の腕あたりを押さえ、苦痛に顔を歪めている。
小山の握る傘の先には、突き破った島田の服の切れ端が掛かっていた。
「なんでこんなこと・・・なんでこんなこと!!」小山は叫ぶ。
分かっている。殺し合いゲームだ。さっき松崎にも自分で言ったじゃないか。
でもこれは・・・こんなのは、あまりにもひどすぎる!
【松崎祐介死亡 残り23人】
東新と仲直りできないまま死んじゃうなんて、
かわいそうに十手・・・
「正当防衛だよ」島田が、苦痛の中に微かに笑みを浮かべ、わざとらしく言う。
先程の2人の話しも聞かれていたのだろう。「こんなゲームの中にいるんだ。
何が起こってもおかしくないだろ」島田はそう言って、小山に向かって
真っ直ぐに銃を向けた。
「・・・ふざけるな・・・お前になんか、殺されたくないぞ」小山も真っ直ぐに、
島田を見つめる。間違ってる・・・コイツは間違ってる。
「お前がふざけるなよ、大体お前って何?いきなりやってきて偉そうに・・・」
島田が憎々しげに呟く。小山を、見下すような視線。
小山がカッとなり、再び島田に飛びかかろうとしたその一瞬。
ためらいもなく島田は引金を引いた。
「お前も、いきなりこんなことに巻きこまれて可哀相だったけどな・・・」
島田は小山を見下ろし、哀れむような口調でそう言った。小道を、ゆっくりと
歩き去る。
小山は、小道の真ん中に大の字に倒れていた。
まだ、息はある。
腹の真ん中に風穴が空いている。息をする度に、その穴から血がドクドクと
流れ出す。それはとても不思議な感触で、自分がまるでシャンプーのボトル
にでもなったような気分だった。そっか、そういえば、人間の身体なんて、
ポンプみたいなものだったっけ・・・こうやってオレは死んでいくんだ。
身体から血が全部押し出されて、それで・・・
小山はそんなことを考えながら、一言ポツリと呟いた。
「・・・あやまれ・・・」
誰に向かって言ったのか、自分でもよく分からない。ただ、思いついた言葉だ。
「・・・あやまれよ!!あやまれ!!」小山は全身全霊をかけて叫ぶ。
それで少しくらい命が縮まったってかまわない。もう、たいして時間は無いんだ。
小山は、その命が途切れるまで叫び続けた。
島田直樹、オレにあやまれ!オレのことこんな目にあわせやがって!
松崎も、東新にあやまれ!お前そんなんじゃ、死にきれないだろ?
東新だって、松崎にあやまれ!このまま会えないなんて、お前ら悲しすぎるだろ?
誰かを殺したヤツ、あやまれ!後で後悔したって、どうにもならないんだぞ!!
こんなくだらないゲーム始めたヤツ、出てきてあやまれ!!
オレに、みんなに、あやまれ!!
土下座して、あやまれ・・・
【小山慶一郎死亡 残り22人】
213 :
ユーは名無しネ:2001/06/12(火) 00:54
小山……(TдT)ダー
>>210 松崎…十手になったのね(泣笑
ぎゃー!!まちがってあげた!!
すみませんすみません、今から他をあげまくってきます!!
他あげまくるのはやめたほうが…
やめます、スマソ…
アヒルとパラってタメなんだよね、そういえば。
パラっていつ入所?
>>213 勝手に十手にしちゃった・・やっぱだめ?
今日はもう終わり?
めちゃくちゃ面白いです。すごいですね。
>>219 いや、十手いいです。
なんか松崎様って十手って感じする・・・(笑
アヒルVS東新が見たくなってきた
でも十手がアヒルにやられたって東新が判らないと意味ない対決か
小山に感動しました・・・
アヒル、やっぱやってもうた…。
しつこいかもしれませんが、辞めジュ版職人さん・・続き待ってます〜。
職人様のクッキーに愛を感じる(ボソ
ごめん、職人さんに「様」つけんの辞めない?
また宗教とか言われちゃうよ(涙)。
このスレはあんま騒がずヒソーリやりたいんで・・・ただでさえ基地外じみてるのに(藁
>>227
そうですね、その方が荒らされないかもしれないし。
ところで、辞めジュ版の職人さんは、もう書かれないんでしょうか?
全員、すっごく生き様(死に様?)が男前で好きだったのに……
225さんと同じく、続き待ってます!!!
どこをどう歩いたのか、覚えていない。
今、何がどうなって、何を見たのか、わからない。
ただ、謙と尾身の所へ戻らなければと言う思いだけで重い足を進める。
爪先に何かがこつんと当たり、不意に現実に引き戻された。
そこには一丁の銃があった。
横山の使った、銃が。
ずしりと思いそれを手に取る。
桜井の平均より小さめの手にもそれはすっぽりと収まった。
虚ろな目でそれを見下ろし――そしてそのまま硬直した。
弾は、まだ残っていた。
一発だけ。
もしも、もしもあの時止めなかったら?
馬鹿げた独り善がりな正義感で飛び出したりしなかったら?
そうしたら、弾切れになったんじゃないか?
誰も死ななかったんじゃないか?
俺は――間違っていたんじゃないか?
遠くに、しゃがみ込んだ謙の姿が見えた。
謙が尾身の半身を抱えている。
そして――尾身が絶命している事は明らかだった。
妙に反った背中。
離れた位置からでも確認できる青白い顔。
白濁した瞳。
それは何も写していない。
――何も、写していないはずなのに。
桜井の耳元で、声がした。
――オマエガオレヲコロシタ。
ぞくりと背中に冷たいものが走り、気付くと転がるように駆け出していた。
俺が、殺した?
横山を、尾身を――。
そうだ、俺だ。
きっと俺が殺したんだ。
「おみ、くん…?」
もうこの名を呼ぶのは何度目だろう。
返事は無い。
尾身が死んだ。
ほんの少し前、自分の目の前で死んでしまった。
腕の中で体温はどんどんと下がっていく。
「おみくーん…」
返事は無い。
いくら呼んだってもう二度と無い。
その時、がさがさと何かが走る音がし、反射的に体を硬直させる。
慌てて振り返るとそこには遠ざかる桜井の姿があった。
「しょ…ッ…!」
呼び止めようとしたが、その背中は既に生い茂る葉に隠れ見えなくなっていた。
どうしよう。
追うべきだろうか。
けれど、自分は直樹を探さなくてはならない。
これは、絶対だ。
自分に何が出来るのかなんてわからない。
けれど――とにかく自分は直樹を止めなければならいのだ。
それは一種の強迫観念のように重く謙に圧し掛かる。
暫し尾身を見る。
ゆっくりと目を瞑らせてやり、立ち上がる。
ずっとしゃがみ込んでいた所為で足が少し痺れていたが、そんな事どうだって良い。
「ごめん。」
小さく呟き、歩き出した。
1人にさせてごめん。
でも絶対1人にさせたくない奴がいるんだよ。
俺、トロいからちゃんと会えるかもわかんないんだけど、さ。
――直樹、お前はどこにいるんだ?
簡易レーダーを握り締め、謙は桜井とは反対の方向に歩き出した。
[ 尾身一樹死亡 残り 23人]
ミドル版さん、泣きました…。
何気に小山が好きなもんで。
>>76(って遅すぎ。)
関東住みですよー。関西弁何もわかりません…。
おかしかったらご指摘くださいまし〜。
辞めジュ職人さま、お久しぶりです。
続きありがとう。
この調子でゆっくりでもいいのでまた続きお待ちしています。
武器集計
赤西仁 素手
石田友一 拳銃、バタフライ・ナイフ(岡田所持)
伊藤達哉 ギターの弦、マシンガン(五関所持)
内澤祐豊 拳銃
岡田政治 バタフライ・ナイフ
亀梨和也 エアガン
五関晃一 マシンガン
小山慶一郎 ビニール傘
島田直樹 軍用ナイフ、拳銃(内澤所持)
武内幸太朗 彫刻刀:丸刀
田口淳之介 木製バット
東新良和 ライフル
中村翔 吹き矢
萩原幸人 フライパン
福田悠太 小型銃
松崎祐介 十手:奈良土産
森雄介 拳銃(良知所持)
良知真次 拳銃
辞めジュ版職人さんの復活が嬉しかったので相変わらず
勝手に集計してしまいました。すみません。
ちなみに松崎様は行が長くなったので十手と省略して
しまいました。ウケ狙いでも安置でもありません。
申し訳ありませんでした!
しかも武器集計がまたズレてる…
各職人さん、これからも頑張って下さい。
楽しみにしてます(マジ告白)
このスレ初めて来たのですが、
バトロワミドル版面白いです。
自担が極悪人ですがそれでも生きててくれて嬉しい・・・。(極悪)
続き楽しみにしてます〜。
辞めジュ版もミドル版も読み応えあって面白いです。
無理しない程度に頑張って下さいね。楽しみにしています。
そして集計人さん、毎回お疲れ様です。
部分的に読み返したい時にとても助かってます。
これからも集計よろしくお願いします。
辞めジュ版さん、有難うございます。自分の物など底が浅くて恥ずかしい限りです…。
辞めジュ版、とても楽しみにしてます。共に行けるとこまで行きましょう!
今日も行かせていただきます。
>>222さん、行きます。
東新良和は、神社の拝殿の階段に座り、考え込んでいた。
今までのこと、これからのこと、それから、ついさっきのこと。
「松崎が間違ってるんだ。俺は間違ってない・・・」そう、自分に
言い聞かせる。自分の命を守って何が悪い?松崎は良知君のことを、
「敵じゃないかもしれない」と言ったが、少なくとも自分は敵だと判断したんだ。
それを殺して、何が悪い?
自分の判断が間違っていたのでは、とも思う。
ゲームの色に染められて、武器に魅了されて、自分の気が狂っていたのでは、
とも思う。しかし、そうは考えたくなかった。それを認めてしまうと、
自分はもう立ち直れない気がした。後悔したら、そこで終わりな気がした。
後悔なんかしたくない。後悔したって、もう何も元には戻らないんだから。
いくら悔やんでも、良知君はもう生き返ったりしないんだから。
俺が人を殺した事実も、消えないんだから。
東新は、松崎に戻って来て欲しかった。
「やっぱりお前は間違ってなかった」と、言って欲しかった。
でないと、自分がダメになってしまう気がした。自分の判断は正しかったと、
認めてくれないと、俺は・・・
東新はハッと顔を上げた。
拝殿から少し離れた神社の境内の鳥居に近付いてくる、人影。
松崎が、来てくれたのだろうか・・・
「良知君」が「良和君」に見えてしまいました。
本人も間違えた事あるらしいが、ちょっと宇津・・逝ってこよ・・・
東新は目を凝らした。雨の中、徐々に近付いてくるのは・・・
違う、松崎じゃない。
東新は、サッと立ち上がり拝殿の中へと身を隠し、格子戸の隙間から
様子を伺う。暗くてよく見えないがあれはきっと・・・島田、直樹だ。
ライフルを胸に引き寄せて握り締め、島田に向けようとする。が、少し途惑う。
「敵じゃなかったらどうするんだ!?」松崎の声が脳裡に蘇る。
敵か味方かなんて、どうやって判断するんだよ?そんなこと考えてるうちに、
殺されたらどうするんだ?!東新はためらいを、振り払おうとする。
しかし、身体が動かない。
島田は拝殿の階段の下までやってきた。そして唐突に、
「東新、いるんだろ?」と言う。
東新は、ビクッと身体を震わせる。胸の辺りが、波打ち出す。
島田君は、どうして俺がここにいることを、知ってるんだ?
姿を見られた?そんなはず無い。姿が見えるより先に隠れたはずだ。
扉の裏にいる俺の姿が向こうから見えてるなんて、ありえない。
じゃあ、どうして、知ってるんだ?
嫌な予感がする。なにか酷く不快な、胸騒ぎ。
「松崎が言ってたよ。東新は神社にいるって」島田は、抑揚の無い声で言った。
鼓動が、どんどん速くなる。抑えられない。
東新は震える咽喉に必死で力を入れ、声を出した。
「松崎を、どうしたの・・・?」
「・・・殺した。」
ドクン・・・と脈が浮き上がる音が聞こえた。全身が、地面が揺れるような
眩暈に襲われる。悲しみ・・・いや違う、これは怒りだ。東新は目を閉じる。
「・・・わざわざ、伝えにきてくれたの?」東新はゆっくりと島田に尋ねる。
「待ちぼうけ食らってんのも可哀相かと思って」島田も、ゆっくりと答える。
「島田君は・・・俺に殺されにきたの?」
東新は目を開けた。視界は真っ赤に染まっている。身体中が熱い。煮えたぎる
血が全身を駆け巡る。ライフルを構え、拝殿から飛び出す。
殺す。殺す殺す殺す殺す殺す!コイツだけは絶対、絶対殺す!
自分が間違っていようが構わない。そんなことはもうどうだっていい。
俺の全存在を賭けて、コイツを否定してやる!
島田も冷静な目で東新を睨み、拳銃を構える。
先にアクションを起こしたのは東新だった。ライフルの引金を引き、すばやく
賽銭箱の裏手に駆け込む。弾丸は微かに島田の脇に反れ、地面にめり込む。
島田も銃を二発、三発と撃つ。格子戸が弾け飛び、木片を散らしながら賽銭箱に
穴が開く。島田の持つ銃は8弾装弾のフルオートのコルトガバメント、対して
東新のライフル銃は、次弾を手動で装弾する連射力の無い物だ。そのハンデは
大きい。東新は賽銭箱の裏で弾を詰める。その隙に、島田は拝殿の階段を駆け上
がって来た。続けざまに銃を撃つ。東新は転がりながら賽銭箱から離れ、拝殿を
飛び降りた。裏手に走りながらライフルを撃つ。弾は再び外れ、拝殿の手すりを
破壊する。
あわわわ、大変な事になってますね。
職人さん、私も千草のセリフ大好きです。
ダメだ、命中させないと!こっちが一方的に不利だ!東新は拝殿の縁の下に
潜り込み、隠れて再び弾を込めた。島田は、ゆっくりとその縁の下に近付いて
くる。
「待って、島田君!」東新は思わず声を挙げる。
「殺し合いに、待ったなんてあるかよ」島田が笑いを含んだ声で返す。
「1つだけ、聞きたいことがある・・・」そう言って、東新は声を詰まらせた。
島田は、東新の目の前まで来て、黙って足を止めた。縁の下の東新からでは
その表情は見えないが、攻撃する姿勢ではないようだ。東新はその足を見つめ
ながら、声を震わせる。
「武器も持ってない無抵抗の・・・松崎を、どうして殺したんだ!!」
感情が、全て涙へと代わって溢れ出す。湧き上がる涙で、前が見えない。
心を占領する、悔しさと怒りと、悲しみ。
ホラ見ろ松崎、甘えたこと言ってるから簡単に殺されちゃったんじゃないか。
俺お前と一緒に、生きたかったのに。最後の最後まで、生きたかったのに。
やっぱりお前、間違ってたよ。悔しいだろ、松崎。でも、俺が仇取ってやるから。
お前の仇は俺が取ってやるから!
東新は叫び声を挙げ、島田に立ち向かった。縁の下から一散に飛び出す。
「うわぁぁぁぁぁ!!」東新はライフルを撃った。不意を突かれた島田も、
驚愕に目を見開いたままに銃を撃つ。
激しい音が重なり合った。
辞めジュ版職人さん、関東の方なのですね!
関西弁お上手ですよ!驚きです。
今後も楽しみにしておりますのでぼちぼち続けていただけると嬉しいです。
元担がいつ出て来るかとドキドキしながら読ませてもらってます。
「うっ・・・」
島田はえぐれた左肩を押さえてうめいた。痛い。先程小山に傘で突かれた右腕の
傷とは比にならない痛み。島田はその場に膝を付いた。地面に、血がボタボタと
不規則な絵を描く。その傍には、額を撃ち抜かれた東新が倒れ込んでいた。
島田はチッと小さく舌打ちをする。ここでこんな大きな怪我を負うことになるとは
思っていなかった。相手が小さいと思って、油断していた。
「松崎を殺した理由、教えてやるよ。・・・俺の目の前にいたからだ。」
島田は自分の肩をきつく握り締めながら言った。
そうだ。俺の目の前にいる奴は、全員殺す。
こんな馬鹿馬鹿しいゲームに、俺がとっととケリをつけてやる。
意味無く殺されるか、殺してデビューするか、選択は2つに1つ?
だったら答えは出ている。何も迷うことなんてない。
くだらない仲間意識は、もう捨てた。
それで何を失ってしまったとしても、構わない。
甘ったれた感傷など、命取りになるだけだ。
俺はきっと・・・誰にも殺されない。
【東新良和死亡 残り21人】
あぁ・・・東新(涙)
でもアヒルの怪我手当てしてあげたい(小声)
辞めジュ版&ミドル版の職人さん、今日はとっても得した気分です。
これからも頑張って下さいましー。
さよなら東新…。
そして、まだ自担の出番がない模様。
同じく自担出てない。
シンメと戦ってほしい反面一緒にいてほしい。
でも仲悪いらしいから(苦笑)
東新と十手みたいなのいいな〜
ずいぶん引っ張ってきた部分だったので、
最後にはコメントする気にもなれなかった…。
集計人さん、十手死亡には参りました。面白過ぎです。
っていうか、武器の集計本当に役に立ちます。ありがたい!
あの、原作の千草のとこ読んだんですけど、どのセリフかわかりません…
すみません、どれですか…(ボソ
あぁ東新…格好良かったよ…(涙
>>252 滅相もございません。十手死亡・・・そのままでいいでしょうか?
すみません、個人的に気に入ってしまいました。
武器集計は次回はもう少し解り易くしますのでご了承下さい。
毎夜楽しみにしてますので頑張って下さい。
確か森も神社へ向かってましたよね?
島田と森、接近中?!ドキドキ・・・
>>253 ミドル版59の東新のセリフ
「俺の全存在を賭けて、コイツを否定してやる!」
が、千草貴子のセリフの引用です。
貴子VS新井田の辺りを読んで下さい。
手元に原作がないんで、何ページか分からないんですが…。
産休です!
>>253 俺の全存在を賭けて、コイツを否定してやる!
↓
あたしの全存在をかけて、あんた(新井田)を否定してあげる
かぶった、スマソ・・・
原作の289ページです。
すごいテンションで進んでいきますね!
ほんとにすごい。
自担はどうやら悪者っぽいんですが(笑)楽しみにしてます。
ミドル版職人さん、
>>222です
まさかこんなに早くアヒルVS東新が見れるとは思いませんでした
感謝感激です
そして東新がカッコ良過ぎて墜とされかけてます…ごめん武内
これからの展開も楽しみにしています!
ちょっとだけ、予告しておきたい気分になりました・・・。
まだ生きている人の中で、ものすごく悲惨な目に遭う人がいます。
まぁ、後半になると思うのでまだまだ先ですけど。
ああ、島田くんが冷たくてカッコイイ!!
ミドル版を読み始めてから、島田担になりそうなくらい、島田くんにハマってます。
島田くんの冷酷っぷりが、これからも楽しみです♪
辞めジュ版の職人さんもお帰りなさいませ!!!
翔くんの苦悩と譲の決断、なんか真に迫るものがあって、泣きました。
やっぱり職人さんはすごいです!ただの殺し合いじゃなくて、それぞれの心情が感動します。
これからも更新、楽しみにしてます!
ミドル版の職人さん。
面白くて毎回楽しみに読ませて頂いてます。(ぺこり)
自担極悪人なのできっとロクな死に方しないでしょう(涙)が最期まで見届けたいと思います。
辞めジュ版の職人さん。待ってました!
元自担はまだ出ていませんが楽しみです。やっぱり旧ミドルはいいですね…。
スタパーで山本太郎がバトロワ裏話をしてますね。
ビクーリしましたわ。
厚い雲に覆われた東の空が、少しだけ明るくなりはじめた。朝が近い。
降り続く雨はまだその勢いを緩めようとはしない。
増田貴久は、余裕の笑顔を浮かべて民家の合間を歩いていた。
大丈夫だ。誰も俺を殺せない。増田は喜びの余り声を挙げそうになる。
自分の手に持った、ゲーム機のような小さなモニターを見つめ、目を輝かせた。
探知レーダーの、携帯端末だ。モニターには切り替え可能の島の断片図と、
赤か緑の点灯が表示されている。増田は初めこれを見た時、意味が分からず
なんて役立たずな武器だと腹を立てたが、今はその全く逆だ。
むしろ、こんなに有能な武器は無いと思った。
「逃げるが勝ち、っていう言葉もあるしね」増田は1人でさも楽しそうに
呟いた。これさえあれば自分は最後まで生き延びれるんじゃないかとさえ思えた。
今歩いている民家の集落の中には、4つの点灯がバラバラに分布されている。
1つは自分で、2つはそれぞれ別の民家の中に、そしてもう1つは緑の点灯だった。
緑はきっと、死んだ人間を示しているのだろう。ついさっきも、2つ、3つと
赤い表示が緑に変わった。
みんな、その調子でがんばれ。早く俺を1人にしてくれ。
そんな事を考えながら歩いているうちに、民家の中の1つの赤い点灯に
自分がずいぶん近付いていることに気付いた。
まぁ、大丈夫だろ。コイツさっきから全然動いてないし。きっと怖がって
隠れてるんだ。臆病なヤツめ。増田がそう高を括った瞬間だった。
ダダダダダダ!!
すぐ間近で、恐ろしい破壊音が鳴り渡った。
>>268 関西ローカルの番組だよ。>スタパー
山本太郎がゲストだった。
「ギャア!!」増田は左の太股を押さえ、弾けるように転げた。
何?!何が起こったんだ?!俺、撃たれた?!
「あ、ごめん」すぐ近くの民家の2階の窓から、伊藤達哉が顔を出す。
「当たっちゃった?」そう言って、伊藤が窓から姿を消した。どうやら
こちらに降りてくるようだ。
ヤバイ!完全に油断してた!油断?違うよ、だっていきなりだったんだ。
こんなこと、予測できるはずない!
増田はドクンドクンと血を流す自分の足を見た。イヤだ、大怪我だ!
助けて!!痛い、痛い!!立てない!
伊藤は決まり悪そうな笑顔を浮かべ、小走りで増田に寄ってきた。
「いやーごめんごめん、狙ったつもりは無かったんだよ?まぁ、事故って
ことで」そう言いながら笑う伊藤の手には、とんでもなく大きな
マシンガンが握られている。
「あああ、助けて!!」増田は必死で立ちあがろうとし、足の痛みに再び
悲鳴を挙げた。伊藤はそんな増田の様子を、興味深そうに眺めている。
伊藤の目線が、増田の手元で固定された。
「何それ。ゲーム?ちょっと見せてよ」伊藤が、増田の携帯端末に手を伸ばす。
「い、いやだ!やめて!!」ダメだ、これだけは渡せない!これを手放したら、
自分にはもう死しか残されていない。増田は必死に抗う。
「なんだよケチな奴だな。いいじゃん、貸せって!」伊藤は増田の手から
無理矢理もぎ取った。
「返せ!!返せよ!!」増田は狂ったように叫ぶ。頼むから、これだけは
やめてくれ!
「おおー!これスゲー!!お前いいモン持ってんなぁー!」伊藤は顔を
輝かせてモニターに見入っている。その背中はがら空きだ。
しかし、増田には攻撃するすべが無い。
「返して・・・お願いだから」増田はもう涙ながらに懇願した。足の痛みなんて
これに比べたらどうだっていい事のように思えた。
「コレ欲しい。ちょーだい。」伊藤が無邪気に増田の顔を覗きこんで言う。
「ダメーー!絶対ムリ!!頼むから返して・・・」増田ももう必死だ。伊藤の
身体に這って行ってすがり付きながら泣き喚く。
「ちょっっと、お前ウザ!もーいいじゃんお前、諦めろって!」伊藤が眉間に
皺を寄せる。増田はイヤだ、イヤだと首を振った。伊藤の顔からスッと
表情が消える。「お前、しつこいな」それは、ゆっくりとした動きだったが、
確実で、無駄の無い動きだった。伊藤はマシンガンを構える。
ハッ、と増田も我に帰る。あ・・・ヤバイ・・・!
「このマシンガンさ・・・五関にもらったんだけど、使い方分かんなかったん
だよね。タッキーも、説明書くらい付けときゃいいのに」
伊藤はゆっくりと、増田に語って聞かせるように言う。先程までの声音とは、
全然違う。冷淡で、無感情な伊藤の声。
増田は、立ちあがれない足を引きずりながら、座ったまま後ずさりした。
「でも、もう分かったんだ。さっきまであの家の中で、頑張っていじくる練習
したからね・・・完璧だよ」
「あ・・・た、助けて。それ、その探知機あげるから・・・持って行っていい
から・・・助け・・・」
ダンッ!
増田が言葉を言い終わらないうちに、伊藤の指先は動いた。胸に一発。確実な狙い。
伊藤は、その痺れを伴うマシンガンの感触に、恍惚の表情を浮かべた。
・・・楽しい。今までやってきたどんなTVゲームより。どんな危険な遊びより。
どんなスリルのある違法行為より。リアルだ。自分が生きている事を、こんなにも
ナマに感じられる。こんなリアルなことが、他にあるか?
伊藤の眼には、狂気の色が宿り始めていた。
【増田貴久死亡 残り20人】
ITがどんどん恐ろしくなっている・・・コワー。
でもITっぽい気も(ワラ
職人さん、今夜もお疲れ様でした。
自担がジャイアン呼ばわりされてる…(ワラ
きっとロクでもない死に様になるんだろうと思いつつも
そんな自担に惚れ直してしまいました(恥
職人さん、無理せずに進めて下さいね〜。
あっ、ジャイアンてそういう意味だったんだ・・・
狂ってて怖いけどジャイアンだと思うとなんかかわいいな(笑
ミドル版バトロワ職人さん、今日初めて読ませて
いただいたのですがおもしろいですぅ!
自担、狂気の色をただよわせておりますが、とても
自担っぽくていいです!
続き楽しみにしております。
山本太郎のバトロワ裏話が気になる・・・
しかしスレ違い、聞くに聞けん。(聞いてるよ)
>>276 大した事話してないよ。
山本太郎のバトロワオーディションの時の話とか、そういうの。
映画自体には余り触れてなかったと思う。
スレ違いスマソ。
>>276 たいしたこと話してなかったよ。>山本太郎
なんか、「監督が、山本太郎が出ないんだったらこの映画を撮らない
って言ってくれた」とか、「私生活で藤原竜也と安藤政信と仲が良い」
とか、「オーデションの時「いくつ?」と聞かれて「16です!」って
答えたら、「身長を聞いてるんだよ!」って言われた」ってことくらいですよ。
あーかぶった!スマソ。しかもスレ違いスマソ。
重苦しい雲に空を覆われたまま、朝が来る。
雨の合間を縫うように、金属的なマイクのハウリングの音が響いた。
「みんなー!ただ今午前6時、朝になりましたよー!今みんなちょっと
眠くなってきてるんじゃない?寝てる場合じゃないよー!殺されちゃうよー!
じゃ、今から新しく禁止エリアになった所を言うからね。みんなちゃんと
覚えとくように!まず、北の民家の集落、あれ立ち入り禁止ね!
あんな所に逃げてるようじゃ、話しにならないからね。それから、
東の山の麓の崖?あれも禁止エリアね。雨のせいで崖崩れとかしちゃって
るから。誰かさん達みたいに、意味無く死なないように!
地図の見方はもう分かってるー?F−6とB−6あたりだよー!
あとねー、気になってるんだけど、全然動いてない人いるでしょー?
隠れてちゃダメだよー?次の放送までには動いといてよー!
さっきの放送から後に死んだ人の報告もしとくよー。みんな結構頑張って
るねー、8人死んじゃったよー。小山慶一郎、武内幸太朗、田口淳之介、
東新良和、萩原幸人、増田貴久、松崎祐介、良知真次だよー。
ご冥福を、お祈りしま〜す!
まだまだ残り時間はあるよー。残り19時間でーす!で残り人数は、
20人。まぁ1時間に1人殺していくペース?そんな感じだから。
みんな、がんばれよー!」
テンションの高い滝沢秀明の声を、海辺の切り立った崖の岩場に腰を下ろして
森雄介は呆然としながら聞いていた。
何が「ご冥福をお祈りしま〜す」だ。誰のせいでこんなことになっていると
思ってるんだ。軽く言いやがって、8人も死んでるんだぞ?ゲームが
始まってから、もう12人だ。こんなこと、尋常じゃない。
森は岩肌に地図を広げ、禁止エリアにチェックを付けた。同時に、
地図の隅に死んだ8人の名前も書き記す。ご冥福を、お祈りします・・・か。
良知の死体を発見した後、森は続けざまにイヤな光景を目にしていた。
東新がいることを一応警戒し、ゆっくり歩いて行った神社の境内で、
変わり果てた東新の姿を発見した。それを見て気分を害し、走って逃げた
小道の真ん中で、さらに二つの死体を発見した。1人は松崎。あの、
良知の死体の傍で喚いていた奴だ。案の定、とっとと死んでしまったようだ。
もう1人は、あまり見覚えの無い奴だった。
一体誰が、あんなことを?
いくつかの顔が、森の脳裡に浮かび上がる。
このゲームに乗ってきそうな奴、こういう状況に恐れを成さない奴、
理性よりも利害で動きそうな奴・・・
やめよう、と森は思う。邪推しても疲れるだけだ。考えたくない。
考えたって、疑いたくない奴を疑ってしまうだけなのだから。
アイツを・・・疑ってしまうだけなのだから。
「・・・考え過ぎ、だったらいいんだけどなぁ・・・」
森は岩の上で膝を抱えながら、ぼんやりと呟いた。
あぁ、明日が待ち遠しいです・・・
もしかしてもしかしますか?ドキドキ
だれが、最後まで生き残るのかな?
うー楽しみ。
[ミドル版・お暇つぶし用]
死体を冷たく見下ろしたまま、島田はがくりと膝をついた。傷口に手を当てて、押さえる。
撃たれた左肩が、熱い。
じわじわと熱を持って疼く。妙な感じだった。
着ているTシャツの袖を口でくわえて、引き裂く。それを軽く当て布にして、上からハンカチで縛る。即席の応急処置だけれど、何もしないよりはましだった。傷が化膿して、銃を握れなくなったら困る。
銃声を聞きつけて誰か来ないうちに、さっさと移動しようとして、島田はふと、ハンカチに目を留めた。淡い水色のハンカチ。見覚えがあった。
「……萩原のじゃん、これ」
ちょっと前−コンサートが終わって、汗だくの島田に笑いながら萩原が放ってよこしたものだ。
まだ、こんなことになるなんて思う前の。
唐突に流れ始めた騒音が、島田の思考を止めた。滝沢の声が、耳につくノイズと一緒に流れる。また、誰か死んだらしい。自分が殺した人間以外にも、数人名前があがった。
やる気、になっているのだ。他の連中も。
急がなければ。手負いの自分は、この状況ではかなり不利だった。安全な場所の確保と、相手を確実に狙い撃ちできる場所を探さなくてはならない。
けれど。歩き出そうとして、島田はその場に凍り付いた。
思わず、自分の耳を疑った。
萩原が、死んだ−?
285 :
暇つぶしにいかがでしょう?3:2001/06/15(金) 13:02
冷たい汗が、首を伝い落ちて地面に小さく影を作る。
がたがたと足が震えて、立っていられなくなる。思わず手を離して、口元を覆う。拳銃が、乾いた音を立てて落ちた。
実感がわかなかった。けれど、言い様の無い、黒い塊がうごめく。
ずっとシンメだった。学校の連中にも双子に間違われるくらい、何となく通じるものがあって、仲が良かった。人見知りなとこがあって、かと思えば天然ボケで、そして驚くくらいの努力家で。懐いてくるのを鬱陶しいとあしらいながらも、つい面倒を見てやるハメになって。
萩原が、死んだ。
殺されたのだ。誰かに。
小さくうめいて、壊れた賽銭箱を蹴った。頭に血が上る。
とっくに捨てたはずの何かが、蘇りそうだ。
くらい感情が、ふつふつと湧きあがる。
その時、背後の草むらがざわめいた。
島田は反射的に銃を拾い上げると、振り向きざまにトリガーを引いた。安全装置を起こしたままのコルトガバメントから放たれた弾丸は、狙った位置よりかなりずれた草むらの影に吸い込まれる。
汗が流れた。思ったよりも傷は深い。確実に命中していなければ、こっちがヤバい。
しかし、意に反して草むらから出てきたのは、1匹のウサギだった。銃声に驚いて、大慌てで逃げていく。
緊張の糸が、切れる音がした。がくり、と膝をついて腕を下ろす。発砲の振動で、腕が痺れている。
激情のままにコルトガバメントを強く握りながら、島田はふと我に返った。
今、何を考えた?
萩原を殺されたことに、怒りをおぼえたのだろうか。
手の中の銃を、呆然と見つめる。
復讐でもする気だったのだろうか。
でも、1人しか生き残れないのだ。もし、萩原と会っていたら−目の前に転がっている東新のようになっていたのだ。萩原か、自分のどちらかが。あるいは、両方が。
もう一度、拳銃に視線を落とした。黒い銃身と赤く濡れた手が、奇妙なコントラストを描く。
さっき、反射的に銃を撃ったとき、相手が誰か確認しなかった。もしかしたらMADのメンバーだったかもしれない。なのに、まるで拳銃自体が意志を持っているかのように、自然に動いた。気付いたら引き金を引いていた。
その瞬間には、萩原の死さえ頭には無かった。
アヒルの心情って出てきたの初めてですね。
気になっていたので嬉しいですわ。
お暇つぶし職人さん、ありがとうございます。
島田は、自嘲的に笑った。
もし誰かに殺されていなかったら、萩原を殺すのは、俺だったのかもしれない。
腕のハンカチを、ちらりと見た。元は綺麗なパステルブルーだったそれは、島田の血で赤黒く染まりかけている。
生きるのに執着しているわけではない。
死ねないだけだ。死ぬことを、許されてないだけだ。
島田は首を振った。
萩原の死に、感傷はない。むしろ、安心したくらいだ。萩原を自分の手で殺さずに済んだ。それに、復讐という人を殺すには良い口実が出来た。
ただ、それだけのことだ。
痛くて、目を閉じた。
萩原が、笑っていた。
島田は大声で笑い出した。
何かを吐き出そうとするかのように、笑って、笑って、笑いつくして、やがて喉がかれて声にならなくなった。島田は唐突に黙り込み、少しばかり弱々しく咳き込んだ。
息苦しさに涙が滲み、世界が霞んだ。
うわあ!途中で間違えて上げちゃってる!!
ごめんなさい。頑張って下げまくります。
アヒル…(涙)
埋まったシンメの分までがんばって生き延びるんだよ〜
職人さん、続きが楽しみで楽しみで、
今週末は眠れそうにありません。
がんばってくださいませ!
[ミドル版・お暇つぶし用(の言い訳)]
下げるために、分けてみました。
久し振りにここを覗かせてもらったら、島田さんがあんまり冷酷でカッコよかったものですから、つい……夢にまで出てきました。
ミドル版の職人さん、イメージを壊してしまってすみません。続き、楽しみに待ってます♪
>>287さん
暖かいお言葉、ありがとうございます!他の職人さんと違って、完璧なお暇つぶし用ですが、喜んで頂けて良かったです。
ん〜この島田は何か違うモノって感じが…。
うまく日本語に出来なくてスマソなんですが…。
ミドル版の職人さんの書く島田とお暇つぶし職人さんの書く島田が
違うって言いたいんじゃない?
違ったらゴメンよ。私がそう思ったので・・・。
でもこういった話題はやめた方がいいよね?
ごめんなさい。
う〜んたしかに…。
ミドル版さんの島田も暇潰しさんの島田もかっこいいけど、別物って感じ…。
職人さんの設定に支障がなければいいけど…。
でも面白かったです〜>暇潰し職人さん
ミドル版職人さん、今日も楽しみに待ってます!
>>277-
>>278 ありがとうございます。
遅レスですいません、寝てしまったもので・・・
映画のパンフレットでも言ってたわ>監督・身長の話。
他にもあるだろう、裏話が山程!!山本太郎!(笑)
スレ違いスマソ。
島萩シンメ好きには、嬉しかったです。
ありがとうでした>暇つぶし職人さん
おお・・・!衝撃です。暇潰し職人さん、どうもありがとうございます。
萩原については今後書く予定もありませんでしたし、こんな風にステキに
フォローしてくださり、非常に感謝です。
今日は島田登場予定でしたが、せっかく書いてくださった余韻を大事にしたいので
自粛します。島田に関しては今後さらに煮詰めていこうと思っておりますので、
気長にお待ち下さい。
さて、今日どうするかな・・・。
あーぁ。暇潰しさんのおかげで、
ミドル版職人さんの予定が狂ってるじゃない。
悪いとは言わないけど、邪魔しちゃだめよ。
ミドル版職人さんも感謝してるって言ってるんだから…。
私は面白くていいと思ったよ。
アヒルの登場、楽しみにしてます職人さん!
やっぱ雄介とアヒルの対決だったのでしょうか?
雄介は是非アヒルに殺されて欲しい・・・
これ、ぜひ実写版にして欲しい・・・(小声
>>302 十手の紐は是非、紫でお願いしたい(小声
別に邪魔してるなんて思わないけどなぁ。
そんなコト言ったら、もう誰も暇つぶし版を書けなくなっちゃうよ。
「予定が狂った」んじゃなくって、「構成を変更した」って
思ったらいいんじゃない?
みんな、楽しくいきましょう〜
暇つぶし版さん、シマユキシンメが好きなんで、嬉しかったです!
ミドル版職人さん、今夜も更新を楽しみに待ってます!
すごいよ〜!!!泣いちまったじゃないかよ〜!
あひるぅぅぅ!!!
>>304 なんとなく十手の紐は紫のイメージが(照)
それを持つ十手に萌え(ボソ
>>307 でもなんとなく分かるわ(ワラ
紫の紐の付いた十手を握る十手萌え〜(ボソ
もしかしてミドル版で一番のヒットキャラは、十手?
自分は東新に異様にはまった…。
>>309 同じく私も東新がツボに。
以降何故か少クラ見ても目が行くようになってしまった。ああ。
>>308 紫の紐を振り回す十手に激萌え〜
ごめんなさい(小声
>>309 十手という新たなネーミングに萌えなんだな・・・
面白いと思う人もいるように面白くないって思う人もいるってことでしょう。
ただ、まだ全部終わったわけではないし、書いている途中の人物でもあることだし
同じ書くのであれば、終了してからの方がいいのでは?
読み返すきっかけにもなっていいんじゃないのかな?
ふと、自分の後ろの岩がギリッと軋む音を感じた。森はハッして振り向く。
すぐ間近に、包丁の刃が見えた。
「うわっ!!」森は慌ててすばやく身をひるがえした。あばら骨の脇に、
じんわりと熱い感触が残る。森は傷に手をやりながら、包丁を構え引き攣った
顔をする相手を見た。
「長谷部・・・!」長谷部隼はギラギラした目をこちらに向け、足場の悪い
岩の上に仁王立ちしている。何かにとり憑かれたような形相。長谷部はその
引き攣った顔に奇妙な笑みを浮かべ、再び森に向かって突進してきた。
「やめろ、長谷部!!」森はバランスの悪い岩の上で、長谷部の包丁を握る
手をかろうじて掴んだ。包丁を挟み、強い力で押し合う。
「・・・なんなんだよ、お前はよー!!」森は歯を食いしばりながら叫んだ。
包丁の刃が、ギリギリと2人の間で揺れている。森の腕のあちこちに傷をつける。
「うるさい!!黙って、死ねーー!!!」長谷部の目は血走り、通常の倍ほどの
大きさに見開かれている。黒目の周りの白い部分がしっかり見える。
ヤバイ、狂ってる。コイツは、このゲームにとり憑かれてる!森は包丁を握る
手を、勢いよく横に振った。長谷部が、身体ごと岩場に振り倒される。
そうだね、まだ生きてる人に関しては職人さんの予定もあるだろうし。
死んじゃった人のエピソード、暇潰しさんきぼーん!
あの・・・良知とか(ボソ
森は息を荒くしながら、長谷部との距離を開けた。後ろは海。前には長谷部。
とりあえず、コイツを何とかするしかなさそうだ。森は、良知から拝借した
小型銃をポケットから出す。
「長谷部、撃たれたく無かったら頼むから俺の前から消えてくれ!」森は
銃を長谷部に向けて構えながら言った。長谷部の顔も、硬直する。
しかし、長谷部が再び動き出すのは速かった。自分が握っていた包丁を
その場に置き去り、森の握る銃に掴みかかってくる。さっきと形勢が逆になった。
「おいっ・・・やめろって!!」森は必死で拳銃を振り上げる。長谷部は
狂犬のように食らいついてくる。1発、2発と空に向けて銃の引金が引かれる。
その衝撃で、森の身体は後ろに弾き飛ばされた。雨に濡れた岩で、足が滑る。
「アアッ!!」声を挙げた時にはもう遅かった。
眼下には、灰色の海。
長谷部と森の身体は、もつれながら宙に浮いた。
「うわぁぁぁ!!」と声を挙げ、ようやく長谷部が森の拳銃から手を離す。
ドンッ
爆発するような大きな音が、海を震わせた。
腕が、ギシギシと音を立てて伸び切る。指に岩が食い込む感触。
「・・・ううっ」森は苦痛にうめき声を挙げた。足元に、地面は無い。
遥か下に海が広がっている。左手一本で自分の身体を支え、崖っぷちに
宙吊りになっている。落ちる瞬間にかろうじて、岩を手で掴んだのだ。
「た、助かった・・・っていうか助けて・・・」森は必死に腕に力を入れた。
片手で自分の身体を持ち上げるのは難し過ぎる。右手に握った銃を、
上の岩場にめがけて投げる。銃は弧を描いて宙を舞い、見事に岩場に着地
したようだ。野球が得意で良かったと、森は心底感じた。両手を使い、
なんとか岩肌を登っていく。岩場に戻った時には、森の顔はすっかり
青ざめていた。なんで俺が、こんな目に遭わなきゃなんないんだ・・・。
森は身を乗り出し、崖の底の海を見た。そこには、元々は長谷部であった
であろう物体が、浮かんでいる。海一体も、禁止エリアになっているのだろう。
首輪が、爆発したのだ。田中聖の時と同じように、長谷部も首から上が
すっかり粉砕されている。森はその悲惨な光景を見て、震える息を
吐き出した。
ゴメン、長谷部。もっと良いやりようがあっただろうに、こんなことに
なっちゃって・・・。それに・・・俺今スゲー自己中なこと考えてんだよ・・・。
自分はこんな風にならなくて良かった、って・・・。ゴメンな、長谷部・・・。
森は動揺と疲労で震える手で、地図の隅に書き記した死亡者の名前に、
長谷部隼、と付け足した。
【長谷部隼死亡 残り19人】
ごめん、長谷部・・・
森雄が死ななくてよかったって思っちゃった。
今日は長谷部のためにお祈りするね。
暇潰しさんには本当に感謝しています。
島田、面白い展開にできそうな予感がします。良いトスをあげてくれて、ありがとう!
今日はなんだか申し訳ないので、後程もうちょっと進みます。
自担とっくに死んでるけど(ついでにライクも・・・)
でも読むの楽しいなぁ〜(笑)
ああ、雄介オ・ト・コ・マ・エ
>>318 ちょっとといわずどんどん進んで下さい!
は〜、楽しみっす。
民家の集落から西へ1km程の所に、小さな村役場がある。
橋田康はその村役場の裏手にある小さな物置の中に、必死に身体を
縮こめて隠れていた。ゲームが始まって以来、ずっと民家の一角に
身を潜めていたのだが、禁止エリアに指定されてしまい移動を止む追えなく
なった。ようやく、また次の潜伏先を見つけることが出来たのだ。
よし、ここならもう大丈夫・・・。集落からもだいぶ離れたし、
首輪も爆発しないよね・・・。
幸運なことに橋田は、この島ではまだ誰とも出くわしていなかった。
出くわした時が、自分が死ぬ時であろうと思っていた。
人一倍臆病な橋田にとっては、この役場の物置まで移動することさえ
命がけだった。民家を抜けてここまで全力で走ってきた、その道のりを
思い出しただけでも身震いする。途中で2回ほど銃が炸裂する音が聞こえた
だけで、もう心停止してしまうかと思ったほどだ。
イヤだ・・・イヤだ・・・もうこんなことはイヤだ、助けて!!
橋田は目をつぶり、必死で祈る。その手には、がっしりとした拳銃が
握られている。ワルサーP99。ルパン三世のと同じモデルだ、
などと喜んでいる場合ではない。本当はこんなもの、握っているだけでも
物騒でイヤになるが、護身用なのだから仕方が無い。
誰かが近付いてきたら、殺される前にこれで撃たなきゃ・・・。
橋田は自分に一生懸命そう言い聞かせていた。自分の身を、ちゃんと
自分で守らなければ。怖いけど、正当防衛なら許される。
ガサッ・・・と草を掻き分ける音が、ふいに聞こえた気がした。
橋田はビクッと身体を震わせ、これ以上無理というほどさらに身を縮こめた。
誰かが・・・近付いてくる・・・??
橋田は耳を澄ませ、息をつまらせる。ダメだ、死ぬ、死ぬ・・・!!
耳に届く音は、物置の屋根を雨が叩く音、自分の巨大な鼓動の音、
それから、草を掻き分けて誰かが歩く音・・・。
その音は、どんどん近付いてくる。物置に向かって、真っ直ぐに
近付いてくる・・・近付いてくる!!
もう耐えられない・・・!!気が狂いそうだ!!
橋田は恐怖と興奮と混乱で、居ても立ってもいられなくなった。
発狂したように武者震いしながら立ちあがる。
「ぎゃあああああああ!!!」と雄叫びを挙げて物置を飛び出した。
そこには驚愕の表情で、中丸雄一が立っている。
その中丸の手には銃。・・・銃だ!!
橋田は、やみくもに中丸に向かって飛びついていった。何も考えている
余裕は無い。生存本能だ。
中丸は何が起こったのか分からないといった状態で、そのまま草の上に
押し倒された。橋田がその上に馬乗りになり、奇声を発しながら
やたらめったに中丸の顔めがけて拳を振り落とす。混乱のあまり、
自分が拳銃を持っていると言う事さえ思いつかなかった。
中丸は、不意を討つ橋田の攻撃に必死に抗う。悲鳴を挙げながら足を
ばたつかせ、橋田の腕を必死に掴もうとした。しかし正気を無くしている
橋田は、その中丸の手にすら構っている暇は無い。
殺されてたまるか!殺されてたまるかっ・・・!!
橋田は中丸に向かって執拗に振り下ろす拳を止めなかった。指の関節がめくれ、
中丸の鼻や口から流れる血とごちゃまぜになる。それでも、攻撃の手を
止めなかった。
パンッ!!
いきなり、弾けるような銃の音が響いた。
「アアーーーッ!!」橋田が急激にのけぞり、中丸の上から転げ落ちる。
中丸が握っている銃から、細く煙が上がっている。
「・・・なんなんだよ・・・いきなり・・・お前」中丸は意識が朦朧となる
頭を起こし、息も途切れ途切れに言った。眩暈がする。顔中に広がる、痺れ。
痛みではなく、麻酔を打たれた時のような麻痺感。顔が、普段の三倍くらいに
膨れ上がっていそうな感覚。目もうまく開かない。口の中が血でいっぱいだ。
前歯の少し横の歯が全部こぞってグラグラいっている。中丸はむせるように
その場に嘔吐する。血に混ざって、歯が何本か落ちている。最悪だ。
最悪だ・・・!
仮にもタレントの顔を、こんなにボコボコ殴るなんて・・・!
橋田は、右腕の真ん中の付け根あたりを抑え、草の上を転げ回っている。
クソッ、感謝しろよ。殺さずにいてやっただけでも、ありがたいと思え!
泣き声を挙げる橋田に一瞥を食らわせ、中丸はフラフラとその場から逃げ去った。
起きてた甲斐がありました・・・
2人とも死ななくて良かった(涙)
中丸が自分の予想と違った感じで面白いです。
自担はいつ出てくるのだろう…どきどき。
銃持ってるの忘れちゃうくらい必死になるのが橋田らしくて良かったです。
とりあえず生きててホッ。
中丸は今後のキーパーソンの一人になりそうな気がしますわ…
BRの原作や映画だと主要キャラぐらいにしか感情移入できなかったけど、
ミドル版読んでると、なんだか誰も彼もが愛おしくなってきます。
自担にしか興味なかったはずなのになぁ?(笑)
橋田とカケルの邂逅が楽しみです…。
中丸好感度アップしました。
そんなに殴られてかわいそうに。痛かろうに。
橋田・・・どんな奴か全く知らないけど(←失礼)
臆病過ぎでウケル。
ちなみに毎回変わる名前欄も実は楽しみにしてます(笑)
今までずっと人に合わせて生きてきた。
周りが笑うから笑って、キレてたら一緒んなってキレて。
そこそこワルい事も、たまにはして。
上手い事合わせてたら、衝突しない。
調子良く合わせてたら、上手く行く。
揉めんのはキライ。
適当に生きてりゃそこそこやっていける。
賢しげなこの目で世界を見てる。
ズルいのかもしんないし、汚いのかもしんない。
だけど、今までもこれからもオレはそうやって生きてくんだ。
でも、さ。
おかしいだろ?
こんなの、絶対おかしいだろ?
腹が立って仕方なかった。
誰がって?
オレが。
他の誰でもない、オレ自身が。
馬鹿な事したって思うよ、そりゃ。
相手はピストル持ってんのにさ。
こんなダッサイ傘一本で敵う訳が無い。
泥だらけだし、雨でぐちゃぐちゃだし、撃たれたトコもすげぇ痛い。
しかもちょっと前まで軽く遭難してたし。
多分オレ、傍から見たらすげぇカッコ悪い。
でもな、これだけは言える。
オレが生きてきた中で今が一番カッコイイ、って。
>>332-333のミドル版暇潰し職人さん
ここの小山がすっごく好きなんで取り上げてもらえて嬉しかったです。
またお時間がありましたら他の子の事も触れて頂きたいです・・・。
十手の紫の紐についてどう思ってるかを是非・・・
しつこくてスマソ。
暇潰し小山編、ありがとうございます。
小山は書いていてとても楽しかった人物なので、かなり嬉しいです。
最後の1行は、是非本編で使いたかったくらいの名台詞です。やられた!感動しました!
今日も行っときます。
>>329さん、行きますからね。
ごく近くで銃の音が響き、中村翔は足を止めた。
銃声・・・それから叫び声・・・泣き声・・・。
誰だ?・・・まだ、生きてるのか?
中村は、音のしたほうへ向かった。
自分の身が危険にさらされるかもしれない。そんな恐怖もあったが、
誰かの命がかかっている場面を無視できるほど、自分が器用にできていない
ことを中村は重々承知していた。
助けられるものなら、助けてやりたい。
マンガの主人公のようにうまくはいかないだろう。所詮自分は吹き矢しか
持っていないのだし。でも、やれるだけのことはしたかった。
自分のこの命、無駄には終わらせたくない。
中村は、すぐ近くにあった役場の裏手に回り、そこでハッとした。
「橋田!!」中村は、腕を押さえ転がって泣き叫ぶ橋田を発見した。
「橋田!大丈夫か!?」慌てて橋田に駆け寄る。橋田は、中村の姿を
一瞬見とめ、再び大きな悲鳴を挙げた。
「わあぁぁぁぁあ!!ち、ち、近付くなーーー!!」
「何言ってるんだ!俺がお前を殺すわけないだろ!?」中村はあまりの
橋田の取り乱し様にたじろぐ。
「やめろ、やめろ!!近付かないでくれー!殺さないでくれ!!」
「落ち着け、橋田!大きな声出すと、ホントに誰かがお前を殺しに来るぞ!」
途惑いながらも中村は橋田に近付く。橋田はギャアギャアと何事か
叫びながら、必死に後ずさりする。
橋田の恐慌ぶりは、見ていて哀れなほどだった。中村は無理矢理橋田を
抑え込み、黙らせようとする。
「死にたくなかったら静かにしろっ!傷、見せろよ。誰にやられた?」
中村はまだまだ暴れようとする橋田を、必死で地面に押し付けながら傷の
具合を確かめた。止血さえすれば大丈夫そうだ。それよりも、このまま
橋田の近くにいると、自分のほうが大怪我をしそうだ。橋田は気が狂ったように
呻き声を挙げ、バタバタと暴れ続ける。極限の恐怖で、気が狂ったとしか
言いようがない。確かこんな映画があったな。そう、エクソシストだ。
とり憑かれた女の子と様子がそっくりだ。
中村は、地面に転がっている拳銃に目をやった。あれは今、橋田に持たせると
危険だ。言っとくけど、俺はお前に殺されるのだけは勘弁だぞ。
そう思って中村が銃に手を伸ばした、その時だった。
ドゥンッ!!と鈍い爆音が鳴り響く。
すぐ傍の小さな物置が、破片を飛び散らしながら砕ける。
中村と橋田は、同時に顔を上げた。血走った橋田の眼球は、今にも
顔面から飛び出しそうだ。
どこだ!!誰かが、俺達を狙ってる!!どこから撃った?!
「橋田、逃げるぞ!!」中村は拳銃を手に取り、橋田の服を強く引っ張った。
橋田は腰が砕けているのか、意識がぶっ飛んでしまったのか、呆然として
動かない。その場にへたり込んだままでいる。
「早く!!立てよっ!!逃げるんだ!!」中村が鬼の形相で橋田を急かす。
一向に腰の浮かない橋田を、中村は一つ引っ叩いた。
左腕を掴んで引きずり起こし、そのまま2人でもつれるように走り出す。
誰が、一体どこから、どんな武器で、距離はどれくらいだ、追いかけてきてるのか?
橋田を支えて走りながら、中村は数々の疑問を反芻させる。
役場の裏手の林に入り、細い木々を掻き分けるようにして、走る。
草木を踏み倒す自分達の足音で、相手の動く音は全く聞こえない。
走りながら振り返って見るが、その姿も確認できない。
俺達に見えないところから、狙ってくる??
中村は息を呑んだ。これは・・・この恐怖は・・・
「狂っちまう気持ちも分かるな・・・」走りながら、中村は呟く。
橋田も平手打ちが聞いたのかどうなのか、ぼんやりとした表情のままだが
一応走っている。とにかく、どこか隠れるところを・・・
そう思った瞬間、またあの重低音の銃声が響いた。中村のすぐ横の木が、
メリッと音を立てて黒く変色しながら折れる。火薬と、木を燻す渋い臭気。
追ってきている!!
確実に、俺達を、狙ってる!!
中村は、勢い込んで後ろを振り返った。
そこには、バズーカのような大きな銃を構えた、石田友一がいた。
ひぇぇ!夢にまで見たアニキやっくんの邂逅に極悪自担がっ。
どうしよう〜(泣)非常にツライです…(でもドキドキしながら読みつづけますっ)
自担はすでに死亡してますが、極悪そうな石田に萌え!!(藁
さすが石田・・・
でもアニキの優しさに萌え〜
アニキも好きだけどついうっかり石田を応援してしまう〜
どっちが残るんだろ〜ドキドキ
バズーカ石田と呼びたくなりました(藁
345 :
ユーは名無しネ:2001/06/17(日) 04:19
十手に続いて、バズーカ誕生って感じですね。
はいはい。sageようね。
ミドル版職人さん、いつもドキドキしながら読ませてもらってます〜
これからもよろしくお願いします!
そして辞めジュ版職人さんも首を長くして待っておりますので
お時間がありましたら続きをよろしくお願いします。
元担がどうなるのか気になります・・・。
橋田と中村の邂逅をリクエストしたものでございます。
想像を遥かに上回る出来に感激!でございます。
…ちなみに昔アフリカに住んでおりましたが(実話)
毒を塗った吹き矢は猛獣をも倒せます。
極悪石田を吹き矢で倒してくれ!カケル(石田担のみなさま、スミマセン)
349 :
告白:2001/06/17(日) 10:06
カケル兄貴に抑え込まれて
ひっぱたかれたいと思ってしまいました…別スレに逝ってきます。
カケルはガタイはいいんですが
「小さな幸せ」が「ぶじに家に帰りついた時」という平和主義者です。
家に帰りつかせてやりたい…
でも職人さん、好きなようにしてください…。
カケル兄貴素敵だ・・・
つつつついに同グループ対決?!
心中穏やかでないMAD担。(2人とも自担ではないが)
拳銃の似合わない橋田。職人さんお見事です。
ドキドキしながら今夜もお待ちしてます。
ドンッ、と再び銃の唸る音がした。それと同時に中村は、足に焼けるような
痛みを感じる。
「うわあっ!!」中村は後ろから膝を押されたように、その場にガクンと
ひざまずく。左の太股。生々しい肉と、白い骨が覗いている。中村は
一瞬、気が遠くなるのを感じた。
「橋田、逃げろ!!」中村の腕を掴んだまま、その衝撃に立ち止まる橋田に、
中村は怒鳴った。「早く行けーー!!」
橋田は、驚愕に打ち震え、もうどうしたらいいのか分からないといった風に
立ち尽くしている。
「い・・・イヤだ!!翔君!!」橋田が悲鳴のように叫ぶ。中村は、今日
初めて橋田のまともな言葉を聞いたような気がした。
「行け!!早く・・・後で絶対追いつくから!!」中村は左足を引きずりながら
かろうじて立ちあがる。たまらなく痛い。脳天まで突き抜けるようだ。
全然、力が入らない。
足を引きずりながらも前を向き、逃げようとする中村につられ、橋田も
歩き出す。
「急げ!とにかく走れ!!」中村はもう一度怒鳴った。実際、もう声も
出したくない。疼くように痛みが走る。
橋田は、途惑うような素振りをした後、「ごめん!!」と一言残して
走り出した。・・・その瞬間だった。
それは、瞬きよりも速い速度で襲ってきた。中村が瞬きをしたその一瞬。
・・・まちがい探しの絵のようだ。こっちにあって、こっちに足りない物は
なんでしょう・・・?
目を開けると、そこにあるはずの橋田の口から上が、無かった。
そのまま、ゆっくりと棒のように直立の姿勢のまま、橋田は倒れる。
中村はあっけにとられて立ちすくむ。息をすることも、忘れそうだ。
「は、橋田!!」中村は叫び、壊れた人形のように力を無くす橋田に駆け寄った。
絶命までのカウントダウンのように、痙攣する、橋田の身体。
・・・あの野郎っ、狙ってやがった!!
俺達が立ちあがって、また逃げ出す瞬間を。
俺が橋田を先に逃がすことを読んでやがった!!
中村は目の前が真っ暗になるのを感じた。何も、見えない。見えるのは、
自分の心の中の闇。どす黒く渦巻く怒りの深淵。
・・・俺は、誰も殺したくなかった。例え誰に疑われても、俺は誰のことも
疑いたくなかった。一緒に踊ってきた仲間を、こんな形で無くしたくは
なかった。こんな状況で、恐れて銃を振り回す奴もいるだろう。
やみくもに人を殺してしまう奴もいるだろう。それでも、心の底では
ずっと信じていたかった。ここにいるのは、紛れも無く俺の仲間だと。
この島で、戦うことになろうとも、俺達はJrの仲間だと。
・・・でも違う。こんなことは、許せない。
こんな卑劣で、悪魔のようなやり方は、許さない!!
中村は歯を食いしばり、背後に立ちふさがる石田に向かって全力疾走した。
足の痛みなど、もうどこかへ消えた。こんな足の1本や2本、くれてやる。
もっと痛い目に遭ってる奴がいっぱいいる。
もう文句も言えない奴がいっぱいいる。
二度と会えない奴がいっぱいいる!
【橋田康死亡 残り18人】
中村は石田に向かって走りながら、持っていた橋田の銃を向けた。
それを見て石田はスッと横手の木に身体を隠す。中村はすばやく狙いを定め、
撃鉄を降ろす。そして、引金を引いた。
・・・カチッ。
撃鉄はむなしく元の位置へと戻っていく。空回りする、頼りない手応え。
・・・弾切れだ。
橋田!!お前、銃弾くらいちゃんと入れとけよ!!
お前って、最後の最後まで世話のかかる奴だよな・・・。
その中村の様子を見て、石田はゆっくりと木の背後から姿を覗かせる。
「もう降参ですか〜?翔君」
石田の楽しそうな声音に、中村の神経は逆撫でされる。もうここまでか、俺は?
でも、こんな馬鹿に殺されるのは絶対御免だ。
この足で、どこまで逃げれるだろう・・・
もう、無理なのか、俺は?
「お前は甘いよ。絶対甘い。翔君」石田はフッと顔に笑みを浮かべて中村に
語り掛ける。銃は、地面に向けて降ろしたままだ。
「殺されるか殺すかのデスゲームをやってるんだ。そんな時に友情ごっこかよ?
二つのゲームを同時進行できるほど、お前、器用じゃないじゃん」
中村は石田の声を聞きながら、少し笑った。
器用じゃない、か。確かにその通りだな。
中村は、強い口調で言う。
「二つのゲーム同時になんて、やってねーよ。」
中村が石田をしっかりと睨み据えた。これが、最後のチャンスだ。
せめて、アイツのツラに一発でも拳入れとかないと、成仏できなくなりそうだ。
「俺は、友情ごっこしか、やってねーんだよ!!」
中村は石田に向かって再び走り出す。石田の驚いた顔が間近に迫る。
出遅れて石田が銃を構える。炸裂する爆音。
それよりも一瞬速く、中村は石田の顔面に強烈な一発をお見舞いしてやった。
石田は軽くふっ飛ばされ、雨に湿る地面に横倒しになる。
また、中村も衝撃と共にはじけ飛んだ。下腹に、どす黒い穴が開いている。
「・・・いってー・・・なんだよ」石田は身を起こし、頬を押さえながら
呟く。離れた所で倒れてピクリとも動かない中村を確認し、石田は足早に
その場を去った。
途切れがちではあるが、中村にはまだ意識が残っていた。
目をぼんやりと開け、雨の降り注ぐ木々を眺める。
短い命を繋ぐように、ゆっくりと細く、息を続ける。
ふっ・・・ざまぁみろ・・・クソ・・・鼻の一つでもへし折ってやれば
よかったな・・・でも・・・まぁ上出来かな・・・。
・・・橋田・・・悪かったな・・・。俺・・・お前のこと・・・
守ってやれるつもりでいたんだよ・・・結局・・・何にもできなかったな・・・。
・・・まぁ・・・あっちに逝っても・・・会えればいいな・・・
また一緒に・・・踊ろうぜ・・・
うおおおおおお感動です。
カケルかっこいい!!
こんな時間に泣いたら目が腫れると思いつつ、号泣しました。
絶対リアルバトルロワイヤル@映画版より面白いと思うのは私だけでしょうか。
かなり泣けました。
カケル兄最高です。石田の今後も気になるところ。
あぁ、続きが気になり夜も眠れない・・・。
ジャニショに行ってアニキの写真買ってしまいそうです・・・
私もお守りに欲しい・・・<カケルの写真
ミドル版本気ですごい…。
泣かされたよ!
バズーガ担ですがアニキ素敵すぎです。惚れちゃいそうです。
でもやっぱりむかつくくらい極悪な自担がたまりません。
密かにむかつくヤツ対決、伊藤VS石田が来ないかと心待ちにしていたり。
残り人数減ってきてるから出会う確率高いと思うんだけど。
何げに両方好きなんです。
かぁぁぁぁぁっけぇぇぇぇぇぇぇっ!!>アニキ
でも【アニキ死亡】って書いてない。
もしかして職人さんがアニキを生かしてくれるとか?
と淡い期待を抱いております。ダメっすか?
ほんとだ!【死亡】って書いてない!
ドキドキ・・・職人さんの書き忘れでないことを祈る・・・。
感動です〜〜。アニキかっこいぃぃぃぃ!
この続きは本日読めるのでしょうか…。
気になって眠れません…アニキ死んでないんだよね?
今日の少クラのビデオで、MADEが踊っているのを
見ただけで泣けます…
文才ないなんてとんでもないですよ!ミドル版職人さん!
この三つ巴は大好きな子ばかりだったので
あぁ…やっぱり辛かった(泣)でもカケルかっこいい…
そして一瞬でも正気なセリフを言わしてもらったやっくん、
よかったね。ホント泣きました。
そして自担バズーカはどこまで行くのだろう…
少しは人間らしくなってくれるのだろうか。
ミドル版職人さん、これからもよろしくお願いします。
涙、涙のカケル担です。
こんなかっこよく描いてくれて産休。
バズーカ石田、どんどん悪くなってくれ(笑)
カケルくんがホント、カッコ良かったです!
次、講義があるのに泣いちゃいました。
極悪MADも素敵でしたが、アニキの生き様も惚れそうです……
鎌田は怒っていた。
ムカつくムカつく。
すげぇムカつく!!
こんな事させる事務所もムカつくし殺し合いを始める仲間もムカつく。
教室を出たら、みんながいると思った。
一緒にこんなつまんねぇゲーム、ぶっ壊してやろうと思った。
――なのに。
教室を出たら、誰も居なかったし、二宮が死んでた。
放送ではたくさんの名前が連なっていた。
その後、山下が植村を殺したのも見てしまった。
微かな銃声がしたので、遠くの山麓へ目を凝らした。
丁度、山下が手負いの植村を撃つ所だった。
必死に走ってその場所まで戻った。
間に合わなかった。全然、間に合わなかった。
植村はもう冷たくなっていて、山下もいなかった。
「…う…」
足元の植村を見下ろし、強く唇を噛む。
「畜生!」
唇が切れて少し血の味が広がった。
オーケイ、やってやるよ。
俺にはまだ血が通ってる。
俺はまだ生きてる。
あぁぁ・・ついに鎌さん登場ですね・・。ずっと待ってました・・泣
――まずい。
舌打ちして、美しい形の手に握った銃を見る。
残りの弾数はあと2つ。
うまくやっても、このままでは2人しか殺せない。
今までの殺しを誰にも見られていないという保証は無いし、もし見られていたら
そいつは確実に自分を襲ってくるだろう。
そして、相手が銃を持っていたら――ジ・エンドだ。
それまでになんとかして銃を(またはそれ以上の武器を)手に入れる必要がある。
――どうやって?
再び、舌打ち。
長い前髪をうざったそうに掻き揚げて煙草(矢代のものだが)をふかしながら木に
寄りかかる。
もうすぐこの煙草も切れる頃だ、とぼんやり思う。
その時、突然ガサガサと草を掻き分ける音がした。
見慣れた後姿――あれは生田、だ。
転がるようにこちらから逃げようとする。
その手にはしっかりと銃が握られていた。
ガラス玉のような瞳をスッ、と細める。
――良かった。俺はついてる。
煙草を揉み消し少しだるそうに立ち上がり、走り出す。
「待って!斗真!待ってよ!」
懇願するような声を出し、草むらに飛び込む。
トロくさい生田に追いつく事は簡単だろう。
――さて、NGは許されない。頑張るとしますか。
「来ないで!」
生田が叫ぶ。
――あぁ面倒臭ぇ。さっさと止まれよ。
「大丈夫!俺、何もしないから!」
――今は、ね。
がさがさと茂みを掻き分け生田が逃げる。
生田が踏み固めた後を追うのはごく簡単な事だった。
案の定、すぐにその腕を掴む位置まで追い付く。
ぱし、と生田の銃を持っていない空いている方の手首を強く握る。
――はい、捕まえた。
「斗真!落ち着けって!俺だよ?山下だよ?」
生田の両肩をしっかりと掴み、揺する。
「…山P…。」
「良かったぁ、見つけられて。俺、探してたんだ。」
――ホント、良かったよ。武器見つけられて。
その笑顔に生田も安心したように笑顔を見せた。
「俺、ずっと1人で――すごい怖くてさ――…。」
どんぐりのような目にたっぷり恐怖を湛えながら小さく呟く。
「うん、俺もずっと1人だった。どっかで座って休もうぜ?」
山下の提案に生田もこくん、と頷く。
「何それ?ピストル?カッコ良くね?」
手を差し出すと、生田は簡単にそれを渡した。
――ハイお疲れ様。ありがとうね。
珍しそうに見るフリをしながら左手を後ろに回す。
後ろのベルトに挟んだ、銃を探す為に。
「カッコ良くなんか、ないよ…」
少し寂しげにそう呟いたのだけど、それ以上声が出なかった。
最後に聞いたのは大きな銃声。
最後に見たのは山下の冷たい笑顔。
あぁ、つばさくんもこんなに痛かったのかなぁ。
苦痛に顔を歪める生田を無表情に見下ろす。
とどめを刺すべきか、と思ったが弾が勿体無いのでやめた。
俺、酷いのかな。
確かに、生田とは一緒の仕事いっぱいあったし、仲も良かったけど。
――欲しかったんだもん、仕方ないじゃん?
[ 生田当麻死亡 残り22人]
それでこそ・・・山下
素敵だ。
『当麻』になってたり『斗真』になってたり訳わかんなくなってまた。
ごめんなさい!!
>>160 で、もうちょっと良知を活躍させてもよかった
とあったんで、ちょっと考えてみたんですけど載せてもよろしいですか?
話は同じように終わるんでお話の進行に問題はないと思うんですけど・・・
いまさらこんな質問で恥ずかしいんですが、
高橋直樹は、なんで滝沢を殺したいんですか?
職人さん、今後も楽しみに読ませていただきます。
その質問にはさすがに、職人さんも答えにくいと思われ。
>>379
>>378 職人さんではないですが、ぜひ釈迦の活躍を読ませて下さい。
お待ちしています。
あの、暇つぶし用を書いた者ですが、本当にすみませんでした!ご指摘通りです。
確かに、イメージとか全然違いましたね。本編のお邪魔をしてしまって、ごめんなさい。
しばらく自粛しますが、もしまた書くことがあれば、あくまでもお暇つぶし用なので、サラッと読み流していただけると嬉しいです(石田くんと良知くんのを思いついたのですが、石田くんが亡くなったらお邪魔させていただいても良いでしょうか?本編と内容は合ってると思うので。あ、でも石田くんが生き残るかもしれないんですよね。う〜ん…)。
辞めジュ版もミドル版も、続きを楽しみにお待ちしてます。頑張って下さいね。
>>378さん、私も読んでみたいです!お願いします。
辞めジュ版が更新されていて嬉しい!
Pの美しく非情なイっちゃってるキャラが最高です!
このまま突っ走れ山下!!
悪役なのに山下が好きだ・・・。
「――」の後の台詞?がたまりません!
辞めジュもミドルも非常に楽しい。
そのうち話しの部分をまとめてプリントすっかなあ。
本の形にして一気に読みたい気分。
あぁ、今日もリロードの夜(藁
カケル兄のその後が気になる・・・。
職人さん、今晩も感動の夜をっ!(叫
ミドル版武器集計
赤西仁【素手】
石田友一【バズーカ並の銃】【岡田のバタフライ・ナイフ】
伊藤達哉【ギターの弦】【五関のマシンガン】【増田の携帯探知機】
内澤祐豊【拳銃】
岡田政治【バタフライナイフ】
亀梨和也【エアガン】
五関晃一【マシンガン】
小山慶一郎【ビニール傘】
島田直樹【軍用ナイフ】【内澤の拳銃】
武内幸太朗【彫刻刀:丸刀】
田口淳之介【木製バット】
東新良和【ライフル】
中丸雄一【銃】
中村翔【吹き矢】【橋田の拳銃】
萩原幸人【フライパン】
橋田康【ワルサーP99:ルパン三世とおそろ】
長谷部隼【包丁】
福田悠太【小型銃】
増田貴久【携帯探知機】
松崎祐介【紐は紫「奈良」は黒の毛筆体の銀色十手:奈良土産】
森雄介【良知の小型銃】
良知真次【小型銃】
またまた辞めジュ版職人さんの復活が嬉しいので勝手に集計
してしまいました。申し訳ないです。
辞めジュ版の死亡状況も載せたかったのですが前スレとの
集計と異なるので止めました。少し残念です…。
ミドル版の武器集計は少しは見やすくなったと思って頂けると
嬉しいです。
辞めジュ版、ミドル版、各暇つぶし版だとおっしゃる職人さん
楽しみにしています。これからも頑張って下さい。
無断で申し訳ないですが集計がとても楽しみです。
ごめんなさい。
つい気になってしまったので。
ルパン三世の銃はワルサーP38では…?
>>392さん、そうなんですか?失礼しました。
訂正ありがとうございます。ルパン三世に怒られますね(汗)
以後気を付けます。今後ともご指導宜しくお願い致します。
修正
橋田康【ワルサーP38:ルパン三世とおそろ】
お暇つぶし用(とおっしゃるので)っていう
集計人さんの気配りが(・∀・)イイ!
いつもいつも感謝です。
集計人さん、お疲れさまです。武器集計、見やすいです!
もうこれが無いと自分でも訳がわかんないもんで・・・。頼りにしてます!
お暇潰しを書いてくださる皆さんへ。
>>378、
>>382 自分では力不足で書くことの出来なかった良知、皆さんのお力で救済してやって下さい。
楽しみにしてます。良知と石田、気にせず書いてくださいね。
今後暇潰しを書いてくださる時、今回のように事前に教えてくださると
とっても助かります。どうしてもそっとしておいて欲しい人物が、若干名いますので・・・。
じゃ、進みます。
すみません、自分の書き方が悪かったです。
>>392、
>>393 橋田の銃はワルサーP99で正しいです。
P38はP99の原型らしいですよ。モデルは一緒です。
・・・って。こんなマニアックなこと言ってどうなるんだ・・・。
>>396 訂正しつつ間違えた・・・。
ルパンがP38からP99に持ち替えたというのが真相です・・・。
原型じゃなかったです。ま、とりあえず橋田の銃はP99です。
あぁ。ドキドキする・・・。
石田は前方を睨みながら、林の中を黙々と歩いた。
中村に殴られた左の頬がジンジンと痛む。口の中を歯で少し切ったようだ。
鉄っぽい味がする。
何が友情ごっこだ・・・ふざけるな。
石田は苛立ちと共に地面に唾を吐き捨てる。血の混ざったその赤い色は、
雨に溶け込みすぐに色褪せていった。
確かめるように、手に持った銃のグリップを強く握り締める。
・・・オレは、賭けをしたんだ。
石田は、脳裡を占領する闇を思い出す。
あの闇。全てを塗り潰す闇。哀れむように降り注ぐ、黒い雨。
賭けをしたんだ・・・あの時。あの建物から出た時。
そばのデカイ桜の木に登って・・・そこから海が見えるか。
海の向こうに、陸が見えるか。微かでもいい、光りが見えるか。
オレ達に、希望を見いだたさせてくれる何かが、見えるか。
結果は、NO。なんにも見えない。見えるのは、不穏な木々の黒い影。
どす黒く渦巻く厚い雲。心まで冷やす、暗黒の雨。そして、闇。闇、闇、闇。
お先真っ暗。オレ達の未来に、明るい兆しは、ナシ。
・・・オレは、引金を引くことを決心したんだ。誰よりも早く、引金を引いたんだ。
何が悪い?与えられたチャンスを物にしようとして、何が悪い?
暗闇の中で一筋だけ射す希望の光を目指して、何が悪い?
オレは何も迷わない。
オレが、このゲームを始めたんだ。
引金は、オレだ。
>>394さん、有り難うございます。照れます(笑)
ミドル版職人さん
集計の度に武器の内容に感動しておりました。
武器も詳しく書きたいのですが役不足ですみません。
武器集計少しはお役に立てれば幸いです。
では、橋田の武器はそのままということで。
クッキー削除してロムラーに戻ります。
今日もドキドキする夜が始まったのね…
中丸雄一は、役場からそう遠くない場所で、身体を休めていた。
木に寄り掛かって腰を下ろし、雨で濡らした手の平を一生懸命顔にあてていた。
くそー・・・鏡が無いだけまだマシだ。現実見たら、橋田を殺したくなりそう・・・。
イライラとしながら激しい痛みと眩暈と屈辱に耐える。そうこうしている間に、
近くで大きな銃声が響いた。1発・・・2発・・・3発。
その音は徐々に中丸の位置から遠ざかっていく。
誰かが、誰かを追い駆けながら銃を撃っている・・・そんな感じだった。
・・・4発目。
遠くなるその音に半ば安心しながらも、中丸は一抹の不安を感じる。
誰が、追われてるんだ・・・?
・・・5発目。
位置的に言って、橋田だろう。だが、橋田のあの状態を考えると(アイツは
俺のことをなぎ倒してボコボコにしてきやがった。ギャンギャン泣いてたし。
冷静に逃げ切れるような精神状態じゃなかったぞ)誰か違う奴という可能性もある。
しばらくの間、銃声が止んだ。
・・・終わったのか?
終わった、ってどういうことだろう。中丸は自分で考えながら疑問に思う。
逃げ切った、ってことなのか?それとも、死んだってこと?
中丸は眩暈をこらえながら、ゆっくりと立ちあがった。
銃声のした林へ足を踏み入れる。辺りは静寂を取り戻しており、
雨が葉の上を叩く音と、自分が草を踏み分ける音しか聞こえない。
中丸は慎重にその足を進めた。ぬかるんだ地面に、ぐちゃりとした
足跡がいくつも残されている。細い木々を掻きわけ、目に飛び込んできた
それを見て、中丸は足を止めた。
「・・・翔君」中丸は絶句する。仰向けになって横たわる、中村の死体。
死体・・・違う、まだ生きてる!よく見ると、呼吸で胸が上下している!
「か、翔君!!」中丸は慌てて駆け寄った。そばにひざまずき、中村の
頭を抱き起こす。腹の下辺りに、銃弾の通った穴が開いている。雨で
薄められた鮮血が、周囲の水溜りに色を付けていた。
中村は、微かに目を開け遠くを見つめるような視線を中丸に送った。
アニキがまだ生きてる・・っ!(泣)
ふいに、頭を持ち上げられて中村は再び目を開けた。
ぼやけた視界。霧の中のように、真っ白だ。もう、ほとんど見えない。
中村は弱々しく瞬きする。まぶたに降り注ぐ雨が、水滴になって零れ落
ちてゆく。
自分の首を抱き留める相手。誰だろう、よく見えない。
・・・橋田?・・・いや、アイツは死んだんだったっけな・・・。
俺ももうすぐ、そこへいくからな・・・。
「おい、しっかりしてくれ!!なぁ!?」誰かが、大きな声で呼び掛ける。
・・・馬鹿、大きな声出すなよ・・・まだ石田が近くにいるかも・・・。
「・・・・・だれ・・・?」中村は掠れてほとんど吐息のような声を出す。
「俺だよ!中丸雄一!ナ・カ・マ・ル!!分かるか!?」
なかまる・・・ああ、中丸かぁ・・・。ここは・・・危険だぞ・・・
早く、逃げろ・・・。俺なんかに、構うな・・・。
「・・・に・・・にげろ・・・」唇が、異様に震える。自由に操れない。
でも・・・伝えなければ。最後まで、自分にできる精一杯のことを・・・。
「なか・・まる・・・い・・・いしだ、だ・・・いしだに・・きをつけろ・・・」
中丸は強く、何度も頷き返す。「石田、石田だね?!わかったよ、翔君!!」
「・・なかまる・・・しぬな・・・」
「翔君も死ぬなよっ!!諦めんなよ!!」中丸は、中村の首を支える手に
力を込めた。赤く腫れた頬の上を、涙がつたう。口の端の、傷に染みる。
中村はふっと目元に笑みを浮かべ、そのまま目を閉じた。
なぁ、中丸。
死ぬ時に誰かがそばにいてくれるって、いいもんだな。
俺はお前に救われた・・・。
俺もお前のことを救いたいよ・・・
【中村翔死亡 残り17人】
アニキ・・・・・・・・・最後までカッコよかったよ。。
涙止まらないんスけど・・・。
ア、アニキ・・・。
これからは理想の男性=アニキって書きます。
でも石田を応援したい…
そんな自分が恐いわ…
411 :
ユーは名無しネ:2001/06/19(火) 01:25
今更ですんまそん。↑の集計人さん・・・
プン太がいないです・・・。
カケルアニキ、あんた格好良すぎだよーーー!
プンの武器はまだ出て来てないよ・・・
アニキィィィ〜〜〜!!!(じょぉぉぉぉ〜)←涙
新手の嵐かと…
<生き残り>
既に登場している人:赤西、石田、伊藤、亀梨、島田、中丸、福田、森
まだ登場してない人:安蒜、上田、小森、野田、伴、福田、藤ヶ谷、宮城、盛
で良いんですかね・・・?
あ、福田がダブってるわ。登場してない生き残りに加藤追加、かしら?
力を失い、急激に重くなった中村の頭を抱えながら、中丸は愕然とその死顔を
見つめた。言葉も出てこない。何をどう感じていいのか、わからない。
どうして・・・どうしてこんなことが・・・
中丸はしばらくそのまま、その場所を離れることができなかった。
ひとしきり、涙の流れるままにする。
こんなことをしている場合ではない、という意識が頭をもたげる。
自分には、やらなければいけないことがある。
急がなければ、と思う。
しかし、身体が動かなかった。
今は、泣いていたい。もう少しこのままでいたい。
せめて、この痛みと悲しみを自分の力に換えられるまで。
もう少しだけ、ここで泣かせてくれ。
中村翔のために。橋田康のために。
死んだ他の奴等のために。
こんな不条理な世界にぶち込まれた、俺達のために・・・
いつ辞めジュさんが現れるか分からないので
毎日ここに来るのドキドキっすわ。
だって自担(辞め組)いるし(笑)
420 :
ユーは名無しネ:2001/06/19(火) 08:04
ここ最近いい感じだね!
>>418 叩かれそうだけど、中丸に萌え萌え。
このまま優しいキャラで逝って欲しいわ・・・。ボソッ・・・。
アニキ〜、カッコ良すぎ(泣)
>>409さん
私も同意見です(笑)ああ、自担より惚れそう……
アニキあっこよすぎっす・・・感動もんです!
プン太は是非背の低い自担と出会って・・・
(自粛)
ミドル版職人さん、ありがとうございます。
ちょっとこんな感じだったらいいかなあって言う程度のものなんで、
みなさまセルフあぼーんの準備をよろしくおねがいしますね。
「はいっ!じゃ〜最後はラッチくん。」
滝沢は良知に渡すはずのナップザックを探りながら名前を呼んだ。
「残念…ラチ君はずれだよ、ホラ」
そういった滝沢の右手には粘着式のねずみとりがあった。
「でも、うまい棒でも仕掛けておけば、赤西が釣れるかもしれないですよね。」
良知は明るくそう言って笑って見せた。
「けど、外には敵が30人、君を待ち構えているんだよ。
ホラ、こっちはあたりだ。こっちを持っていきなよ。」
田中が死んでしまったせいで、あまったもう一つのナップザックを滝沢は渡した。
「がんばって。」
良知はそれには答えずに
「今までありがとうございました。失礼します。」
そう言って深々と礼をして部屋を出て行った。
―外には敵が30人、君を待ち構えているんだよ
滝沢の言葉は嘘のようでもあり、本当のようでもあった。
この雑木林に身を潜めるまで、良知は誰にも会わなかったし、
倒れていた岡田以外には誰のことも見かけなかったからだ。
ゲームが始まっていることを確信してから、良知は自分のとる方法を決めていた。
死のう。
だから劇薬が、睡眠薬が入っていることを期待していた。
けれども、滝沢が取り替えてくれたナップザックには小さな銃が入っていた。
この銃を使って、誰のことも殺したくはない。
良知は何度も銃をこめかみに押し当てたり、喉に突っ込んでみたりして
引き金を引こうとした。
でも、できなかった。
自分がこんなに意気地なしだとは思ってもみなかったな。
―こうなったら、誰かに殺してもらうしかないよ。
そう決めてからぼんやりとしていると遠くから人の声が聞こえた。
体勢を立て直して、2人の様子を見る。
東新の右肩には大きなライフルがあった。
―あれくらい大きな銃だったら、僕のことを一発で殺してくれるかもしれない。
気づいていると、気づかれないようにして、
向こうに気づいてもらうにはどうしたらいいんだ。
とりあえず、動かなきゃ。
―早く、早く気づいて。
僕が恐怖に負けてこの銃を撃ってしまう前に。 声をだしてみようかな。
「誰だ!」
作戦は大成功だった。
東新の撃った弾丸は良知のミゾオチを見事に貫いた。
これくらい血が流れてたら、確実に死ねる。
少し眉をしかめたら悲惨な感じに見えるだろうか?
そんなことを思いながらバタリと地面に倒れる。
薄れていく意識の中で2人の争う声が聞こえた。
松崎、そんなに大きな声をだしたら誰かに気づかれちゃうよ
僕は2人にまで死んで欲しい訳じゃないんだ
僕は敵でも味方でもなんでもないよ、
ただ、自分で自分を殺せなかった臆病者なだけなんだよ
ごめんね松崎、ごめんね東新、ほんとごめんね
……ありがとう
やっぱり職人さんにはかなわないよな!
オンオンなきました。
良知だいすきだ〜〜〜!!!
感動だよね〜、ラチくん・・・(涙
泣かせて頂きました、ありがとうございます!
432 :
ユーは名無しネ:2001/06/19(火) 21:05
怒涛の更新だけど、話が混じって混乱してるアホな私。
ミドル版とミドル版暇つぶしと@小山は別物なの???
>>432 あげちゃダメ〜〜〜。
ひっそりやるのがこの板のお約束!
432なのら〜
ごめんなさいのら〜
ま、まぶしい
ミドル版・簡易名簿
【登場済】
赤西仁、石田友一、伊藤達哉、亀梨和也、島田直樹、中丸雄一、福田悠太、森雄介
【登場済・武器未定】
宮城俊太
【死亡】
内澤祐豊、岡田政治、五関晃一、小山慶一郎、田口淳之介、武内幸太朗、東新良和、
中村翔、萩原幸人、橋田康、長谷部隼、増田貴久、松崎祐介、良知真次
【死亡・武器未定】
田中聖
【未登場】
安蒜厚志、上田竜也、加藤成亮、小森輝明、野田優也、伴貴将、藤ヶ谷太輔、盛哲也
こんなカンジで宜しいでしょうか?
各職人さん方のお陰で集計のしがいがあります。
これからも頑張って下さい。楽しみにしてます。
まったくの別物じゃないけど、本編とはあんまり関係がなくて
別の人がかいてると思えばいいかと思われ。
実際、いつもの職人さんが書いてるんじゃないらしい。
良知〜!!!いい!最高です!
加藤って武器は未定だと思うんですが最初にほんの少し登場しませんでした?
ミドル版・簡易名簿
【登場済】
赤西仁、石田友一、伊藤達哉、亀梨和也、島田直樹、中丸雄一、福田悠太、森雄介
【登場済・武器未定】
加藤成亮、宮城俊太
【死亡】
内澤祐豊、岡田政治、五関晃一、小山慶一郎、田口淳之介、武内幸太朗、東新良和、
中村翔、萩原幸人、橋田康、長谷部隼、増田貴久、松崎祐介、良知真次
【死亡・武器未定】
田中聖
【未登場】
安蒜厚志、上田竜也、小森輝明、野田優也、伴貴将、藤ヶ谷太輔、盛哲也
>>439さん、ご指摘有り難うございました。
今回の集計は色々と申し訳ないです。
加藤は
>>37で登場しておりました。
今後もご指導宜しくお願いします。
他、無いですよね?(汗)
439です。
いえいえ、私も記憶が曖昧なままに気になっていたので。
一応書きこむ前に確認はしました。ほんの一瞬でしたね(笑)
気を抜くと混乱してしまうので集計にはいつも助かってます。
集計人さん、これからも頑張って下さい。
>>429 ヒマだよね〜ラチくん、感動させていただきました・・・。
不憫だった良知をこんなにもカッコ良く救済してくださって、本当に本当に感謝です。
良知が敵か味方かの謎も解けましたね。産休です!
盲点かもしれないが、森の武器もまだ分かってないんだよね〜・・・
今日はマターリ進みます。
>>378さん
職人さんでもないのに、釈迦ヴァージョンリクエストした者です。
ありがとうございました。本当にらしくて、泣きました。
未登場の人物、イイなぁ〜。ツボだなぁ〜。(小声
あっという間に退場した時も切なかったが
釈迦バージョン読んでも切なかった。
でもらしくて納得。マジ泣きしそうだった。
そっかそういや森雄の武器って、まだ出てきてないんだ…。
気になるな〜(笑)
>>445さん、あなたコアね(笑)
ミドル版って、本職人さんもお暇潰しの職人さんも
皆さんすごく感動的な話で素晴らしいです。
今回の釈迦サイドストーリーももちろん泣かせて頂きました。
これで何度目だろう、泣いたの・・・。
灰色の空から容赦無く降り注ぐ雨が、吸いこまれるように波間へ消えてゆく。
福田悠太は、砂浜を1人歩いていた。寄せる波の白い泡をぼんやりと見つめながら。
歯の根がギリッと音を立てる。目に焼き付いて離れない、光景。
先程、すぐ近くで内澤祐豊の死体を見つけた。うつ伏せに倒れた、死体。
目は驚愕に見開かれ、胸から流れた血が不確かな模様を作っていた。
ウッチー・・・たいして仲良くは無かったけど、同じ学校だったんだ。
一緒の学校で勉強して、運動して、放課後には同じ場所に向かう電車に乗って・・・。
「もっと仲良くしとくんだったな・・・」
もやもやと不愉快に広がる感情。悲しみ?怒り?どっちつかずだ。
しいて言うなら、悔しさ・・・自分が、何か至らなかったような、物足りなさ。
彼に対してもっと何か、してやれることがあったんじゃないかという、自責。
今更、どうあがいたって、時間は戻りはしないのに。
「あーあ、もう・・・わけわかんねぇ・・・」福田は波打ち際に近付き、
寄せてくる波を足蹴にした。
「・・・海」福田は、何かに気付いたようにポツリと呟く。
そうだ、ここは島だ。海がある。海の向こうには、もちろん陸がある。
その陸まで、もし泳げるとしたら?逃げられる?
このままここで死ぬのを待つより、前向きな方法なんじゃない?
「・・・泳いじゃおっかな〜・・・」福田は、冗談を言うように軽い口調で言った。
波打ち際からさらに足を進め、波間に靴のまま足を埋める。
「悠太、自殺でもする気?」
波音の合間に、聞き慣れた声が聞こえた。
「・・・森君」福田はぎこちなく振り返る。少し離れた岩場の影に、
森雄介が立っていた。
・・・俺は、この人を疑うのか?
ごく身近で親しいこの人のことも、この状況下で敵と疑うのか?
福田の鼓動が高まる。ダメだ、落ち着け。落ち着かないと、また同じことの
繰り返しだ。中村君を疑った時と同じように、ひどく自己嫌悪に陥るだけだ。
・・・でも、森君は良い人なのか?やる気になってないと、言いきれる?
全部が全部中村君みたいな人じゃないんだ。現に銃声が、何度も聞こえてる
じゃないか。
「待って、森君!近付かないで!」福田は早口で捲し立てた。森は驚いたような
表情で、福田を見つめる。
「森君の持っている武器をこっちに投げて!絶対に俺を殺さないって約束して!」
森は福田の真剣な様子をまじまじと見て、苦笑を浮かべる。
「ずいぶん慎重にやってんだな〜。ま、そのくらい用心してるのが利口な
やり方だと俺も思うけど」森はナップザックから拳銃を取り出し、
福田に向かって投げた。「お前は別に武器持っててもいいよ。俺、お前の
攻撃くらい、素手でかわせる自信あるから」森はそう言いながら福田に近寄った。
「お前、今海に入ろうとしたろ?あのな、悪いこと言わないからやめとけ。
首ぶっ飛ぶぞ。その恐怖は俺はもう経験済みなんだよ。お前その首輪付けてんの、
忘れてんじゃねぇ?それとも、マジで自殺?」
福田は森の銃を手で弄びながらうつむいた。
「・・・現実逃避だよ・・・」福田は唇をとがらす。徐々に感情が込み上げてくる。
不安や悲しみ、そして、一握りの安堵。
「森君・・・俺怖いんだ・・・。たまらなく怖いんだ・・・」
暫くの間、森は何も言わずに福田のそばにいてくれた。
海辺の大きな岩にもたれて、黙って白い波を見ていた。時折、森がふざけるように
歌を歌う。「波は〜ジェットコースタ〜・・・」この状況に合わない
能天気な曲調と、森の調子っぱずれの歌声に、福田は思わず声を挙げて笑う。
張り詰めていた心が、ほどけてゆく。時計も無いから時間など分からない。
福田は、このまま時が過ぎてしまえばどれだけ楽かと願った。このまま
何もかもが過ぎ去ってしまえば、どれだけ楽か。
「・・・あ。」ふいに、森が声を挙げた。海とは反対の、砂浜の手前に広がる
草むらを見ている。
「・・・何?」福田の気持ちに、再び影がよぎる。人だ。誰かがフラフラと
草むらを歩いている。もうすでに、こちらの存在に気が付いているのか、
こっちに向かって近付いてくる。
「ヤバイよ・・・森君、逃げよう!」福田は思わず走り出そうとする。それを、
森が制した。
「今さら遅いよ。それよか俺の銃返して・・・一応、護身用に」森は前方から
近付いてくるその人物を、じっと見ている。「第一、俺らを殺そうって奴が、
あんなに大胆に近付いてくると思うか?普通、隠れて狙ってくるだろ・・・
あれは、中丸だな」
福田もその人物を凝視した。・・・中丸?ずいぶん印象が違うな。顔が・・・。
中丸雄一は手に銃を持ち、こちらに向かってフラフラと歩いてくる。何と言うか、
顔がボコボコだ。誰かにこてんぱんに殴られでもしたのだろうか。
「・・・福ちゃん、森君・・・」中丸は少し距離を空けて立ち止まり、こちらに
声を掛けた。
「どうした、中丸。俺達を殺す気?」森が落ち着いた声で聞き返す。中丸に
敵意がないかの確認だ。
「・・・そんな気無いよ!俺それどころじゃないし・・・お前らこそ、やめてよね」
森はその中丸の言葉を聞きながら、哀れむように眉間に皺を寄せた。
「お前・・・顔大丈夫か?・・・スゴイぞそれ」
「言わないで・・・俺が一番ショック受けてますから・・・」中丸は小さな
声で、うなだれるように肩を落とす。「でも、死ぬよりはマシなのかな・・・」
中丸はボソッと言った。何気ないようで、実はあまりにも深い言葉だと
福田は感じた。
「・・・とりあえず、俺急いでるんだ。いきなり来て怖がらせて悪かったよ。
なんかさ・・・殴られたせいで目が霞んでてさ・・・よく見えなくて。
誰かな〜と思って」中丸は詫びるように頭をフラリと下げた。顔をやられてる
せいだろうか、なんだかボロボロで、悲壮感が漂っている。
「いや、別にそれはいいけど・・・」森はそこで言葉を止める。何を、
急いでるんだ?そう問うのを、ためらう。中丸も、ぎこちなくうつむく。
一瞬の間があって、やがて途惑いを振り払うように中丸が顔を上げた。
「お前らどっちか、上田、見なかった?」
「上田?」福田は思わず聞き返す。
「上田は、見てないな・・・」森も、不思議そうに答える。
「マル、上田を探してるの?」福田は、少なからず興味を持った。二人は
もうずっと前から疎遠になっているはずだ。そんな上田竜也を、中丸がどうして
探してるんだろう?
「いや・・・見なかったなら、いいんだけど」中丸は1人で何度か頷き、
その話題を切り上げようとした。森は神妙な顔で、中丸を見る。
「中丸、やめとけよお前。こんな状況で人探しなんて。どんな馬鹿に
出くわすか分からないんだぞ?」森が厳しい口調で言い放つ。
「分かってるよ、分かってるから」中丸は会話を打ち切るように早口に言った。
「・・・そんなことより、お前らも気をつけろよ。少なくとも・・・
石田と島田はやる気になってるから。石田は翔君と橋田を殺ったよ。島田は
ウッチーを殺した。この目で見たから間違い無いよ。気をつけろ。
じゃ・・・機会があったらまた会お。」中丸はそう言い放って、
その場を逃げるようにフラフラと走り去った。
森はフッと目を伏せた。
・・・やっぱりな。だろうと思った。予感的中・・・。
そう考えて、少し自己嫌悪に陥る。やっぱりって、なんだよ。俺は鼻ッから
アイツを疑ってたのか?それを、認めるのか?
(島田はやる気になってるから。)中丸の言葉が胸の中で渦巻く。
・・・あの馬鹿。テンパったことしやがって。先走ってんじゃねーよ・・・。
なんでもそうだ、いっつも、アイツは・・・。
自分を、騙そうとする。
くだらない仮面を被ろうとする。
自分が強いモンだと、勘違いしようとする。
自分を騙して、他人を欺いて、それで満足しようとする・・・。
「悠太、俺もそろそろ行くわ」森は意を決したように目を開けてそう言った。
「え!!・・・どうして?行くってどこに?俺も行くよ!!」福田は慌てて
森の腕を掴む。「1人にしないでよ、ちょっと!!」
「悠太、誰かが狙ってきたら、迷わず撃てよ。自分の身を守れ。俺や中丸が
近付いてきた時みたいに、敵かどうか疑わしい時は、さっき俺にやったやり方で
いいからな。あの「武器を出せ」ってヤツ。分かった?」
「イヤだよ!!連れてってよ!!」福田は涙目になりながら森の腕を引っ張り
続けた。「1人でなんて、もう怖くていられないよ!!」
「・・・じゃあ、ここで待ってろ!どこかこの辺に隠れて・・・俺は絶対に
戻ってくるから。それでいいだろ?!・・・連れてくわけにはいかないんだ」
森は怒ったような顔で言う。福田は、駄々をこねるように首を振った。
「イヤだ!・・・森君、島田君探そうと思ってるだろ?さっきマルに自分で
言ったじゃん!人探しなんてやめろって。なのに、島田君を探すんだ?
島田君は危険だって、聞いたばっかなのに!!森君、絶対殺されるよ!」
森は福田の手を振り解き、踵を返した。「とにかく、ちゃんと生きてろよ!」
と一言叫ぶ。
「イヤだよ!!友達同士で殺し合うなんて、イヤだよ!!」
福田は泣きながら叫んだ。
「絶対イヤだよ!!森君!イヤだよ!!」
福田の悲痛な声は、森の耳にいつまでもこびり付いて離れなかった。
かんじよめないよ!
最初からずっと読ませて頂いてましたが
今回初めて泣きました・・・自担とっくにいなくなってるのに。
中丸・・・探し出してやってくれ。頼む。
同じく探してあげて、中丸(涙)
タイムリー過ぎです。
森雄と島田も会わせてあげたい・・・
今日一挙にミドル版頭から読ませていただきました。
カケルのあのおっとこまえっぷりと
釈迦のマジでありそうなあの死に様。。。
かなり泣かせていただきました。
極悪街道まっしぐらな島田石田に
かなり期待☆
一気にミドル版、頭から読みました。
めちゃめちゃおっとこまえなカケル、
この上なくらしい死に様な釈迦。
号泣でございました。
今後、現在極悪街道まっしぐらな
島田石田が楽しみです。
書き手さん方がんばってください☆
きやあああ〜。
二重カキコしちゃいました。
新しいPCがなかなか言うこと
聞いてくれないもので。。。
スマソ。
460 :
げろをた気取り:2001/06/20(水) 05:54
\ /
\ /
■■■■
■■■■■ カサカサ
■■■■■■■
■■■■■
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■■■■■■■
■■■■■■
■■■■ カサカサ
釈迦には南香織@原作が向いてると思うんだな。
妄信的なところが地でいけるんだな。
いいよね〜、ラチくん。
こんな時でもお干菓子様のポスター必携で。
泣きながら読んでるところに、中丸にとどめを
刺されました(涙)。中丸、会えるといいね…
昨日からへこんでて、中丸に泣かされました
会えるよね…
上田ぁ、どこにいるの…。
ああもう、森がカッコイイ!!島田との対決が楽しみ。
中丸も会えるといいなぁ……
中丸も森も、2人も会わせてあげたいなぁ〜
でも、会ったら会ったらで、殺し合いは避けられないし・・・あぁ、BRって今更ながらに残酷な話よね・・・
468 :
ユーは名無しネ:2001/06/20(水) 14:15
全部読みました!!
本当感動!田口と萩原のところマジでよかったです!
自担に良い死に方させてくれてありがとうございます!
これからも頑張ってください!
頑張ってもらいたいキモチは分かるから、あげないで・・
中丸…。ここのあんたのキャラと、
現実のあんたのキャラをダブらせてるの。
お願い!上田を探して!!
な、なかま、る…。
ミドル版全部読んできてスゴイ感動!
そして、先が楽しみすぎるよ〜
職人さん素晴らしいです。頑張って下さい!
なんだか自作自演じゃねえのかよ!
と思うくらい意外と気に入っていただけたみたいでうれしいです。ありがとうございます。
しかも職人さんにまでそういっていただけて…
勝手に滝まで出してしまいましたが問題ありませんでしたか?
私の中で、良知は永遠の優等生キャラ(学生時代に一度もエリカラーをはずさなかったタイプ)
なので、こんな感じだったらな〜って考えてみました。
それでは今夜も楽しみにしております。
ヒマだよね〜だった。忘れてた。
お恥ずかしいです。
ミドル版も大好きだけど、辞めジュ版の続きも
めっちゃ楽しみにしております。
まだ出てこない元担が気になって気になって・・・
>474
お仲間発見。何気に気になる元担。出てきてすぐ死にそうだけど(笑)
『・・・10時です。』
周波数の乱れる砂嵐の音に混ざりながら、ラジオが時刻を伝えた。
「・・・さぁ、そろそろ始めようか」確かめるようにゆっくりと、
野田優也が口を開く。その声で、場の空気はさらに張り詰める。
灯台の一室。鍵も窓も閉ざした、密室。
野田優也、伴貴将、安蒜厚志、盛哲也の4人は、四角いテーブルを囲むように
座り、互いの動作をくまなく観察し合った。
皆、それぞれに沈黙を保っている。部屋に響く、ラジオの砂嵐。
「・・・決めたじゃんか。10時になったら始めるんだろ?」野田が
確認するかのように伴の顔を見る。伴は、ぎこちなく頬を引き攣らせ
「ああ」と返事した。安蒜は挙動不審に野田と伴の顔を見比べる。
盛は、テーブルの上を一点に見つめている。
テーブルの上には4つ、それぞれ4人の武器が真ん中に集められている。
野田の武器は、カッターナイフ。
伴の武器は、携帯ラジオ。
安蒜の武器は、コルク抜き。
盛の武器は、S&Wリボルバー・・・拳銃だ。
盛の持ってきた銃は、この灯台に一時波瀾を巻き起こした。元々、別に
集まろうと約束をして集まったわけではないのだ。気がついたら、皆
この灯台に足が向いていた。盛を除く3人までは、気が楽なものだった。
互いに致命的なダメージを与えることができる武器を持っていなかったからだ。
盛が最後にここにやってきて、おずおずと拳銃を差し出した時には、
この灯台の空気は一瞬にして肌を射し切るような寒気へと変わった。
そして今も、その空気を引きずっている。
4人は互いに距離を保ち、口も聞かずにただ時が流れるのに任せていた。
伴のラジオからは、雑音混じりに音楽やニュースが流れていた。
ラジオは、武器では無いにしても予想以上に便利なものだった。
たまに誰だかも分からないパーソナリティーが、『WBS』と口にする。
4人でしばらく議論した後、和歌山放送ではないか、という結論に落ち着いた。
聞いていると確かに、関西弁が混じっている。
自分達が今いるのは、和歌山ではないにしてもきっとその周辺の島なのだろう。
そして、ニュースも聞いた。
「コンサート後移動中のジャニーズJrの移動車が橋から川へ転覆」
「救出に遅れ、全員絶望的」「悲劇の大事故に、ファンは悲痛の声」
なるほど、自分達はもう死んだことになっているわけだ。
雑音の中を掻い潜るように聞こえるそのニュースに、もう自分達は戻れない
絶望の中にいるという現実を、嫌というほど思い知らされた。
そんな中、最初に言い出したのは、伴だった。
「・・・俺達、もう殺し合うしかないな」
その言葉に硬直する、4人の表情。伴は続ける。「いずれは俺達、死ぬ運命
なんだ。ここにこうやって4人でいるわけにはいかない。32人が1人に
絞られるんだ。まず、この4人を1人に絞る必要があるんじゃないか?」
その言葉には、諦めと希望がごちゃまぜになった不思議な魅力があった。
「・・・どうやって?」盛が伴を見ながら口を開いた。もう、答えは出ている。
伴は一心に、盛の持ち込んだ銃を見つめていた。
「・・・ロシアンルーレットだ・・・」野田がポツリと呟く。
安蒜も顔をあげ、銃を見つめる。全員の目が、一つの凶器に集まる。
そう、ロシアンルーレットだ。
自分の全運勢と、運命にまかせた殺し合いゲーム。
命懸けの、ロシアンルーレットだ。
「弾丸の1発だけ入った銃を、1人ずつ回していく。誰かが死んだら、
ゲームは一旦終了。3回戦までだ。最後まで生き残った1人は、この銃と
残りの弾丸を持ってこの灯台を出る。ゲームはラジオで10時の時報が鳴ったら
始める。・・・そう決めたよな、みんな」野田が3人を見渡しながら言う。
伴も安蒜も、無言で頷く。盛も途惑いながら頷いた。
そうだ、これが最善のやり方なんだ。傷つき合って殺し合う野蛮なやり方より、
はるかにマシだ。自分の運の無さを恨めばいい。誰も、悪者にならない。
「・・・じゃあ、始めよう。まず、安蒜からだ」伴が重苦しい声で言った。
ラジオの雑音よりも大きい、安蒜の息を呑む音がする。
順番は、名前の順ということに決めていた。1回戦はア行の安蒜から。2回戦は
逆回りで、盛から。それが一番公平なやり方だと皆で判断したからだ。
じゃんけんやくじにすると「ずるをした」などと低俗なことを言い出すヤツが必ず
出てくるだろう。名前なら持って生まれた揺るぎようのない物だし、親を恨むしかない。
安蒜はゆっくりと、震える手で銃を掴んだ。そのまま、銃をこめかみに持って
いこうとするが、腕を上げるほどに震えが酷くなる。安蒜は震える右腕を
左手で強く掴み、必死で抑えながらこめかみに銃口を当てた。
残り3人が、魅入られたように安蒜を凝視する。安蒜は歯をガチガチと
鳴らしながら、そのまま動けずにいる。
「・・・引けよ、安蒜」伴の声も震えている。安蒜は黒目だけで伴の方を
チラリと見て、あああ、と声を挙げた。
「早く引けって・・・!」野田も緊迫した声で言った。
安蒜は目をギュッと閉じ、歯を食いしばった。右手の血管が青く浮き上がる。
「ウウーーーッ!!」歯の間からうめくような声を挙げ、安蒜は引金を引いた。
・・・カチ
全員の身体から、一気に力が抜ける。安蒜は目を見開き、だらしない涙を零した。
「ああああ・・・助かった・・・」鳥を絞めたような声を出し、安蒜は銃を
テーブルに投げ置いた。
ミドル版職人さんのお邪魔かもしれませんが…
祭が更新されてました。
灯台組の続きが気になってしょうがないです。
元担はどうなるんだろう・・・。
灯台の続き気になります。
もう現役でない1人が誰なのか分からない・・
1人って言うか・・・
野田以外は全員辞めた、ってことじゃ・・・。>3/4がもう現役ではない
481です。全然知らなかった・・産休
森の独白、「あの馬鹿。・・・」のくだりで泣き入りました。
深いところでつながってる感じが良いです。
会えることを祈ります、最期に・・・。
ロバ丸もね。
灯台組、何気にすごい度胸あることしてますな。
やっと自担登場しました。
名前を見ただけでドキドキ・・・。
ここ毎日見てドキドキしてるけど、
こんなにしたのは初めてです。
4人がどうなるか気になってしょうがない。
職人さん自担をよろしくお願いします。
ちなみに自担は、唯一の現役です。
最初から読んでて、いつもドキドキです。
ITとアヒルと石田って、誰が一番強いんだろう・・・。
私の勝手な予想ではいとうだと思われ。
(生き残るとかそういうことじゃなくて、ためらいのなさっていうか…)
>>488 同意。
ITが一番楽しんでるように思われ。
ITは強いというより恐いと思われ。
いやん。
でもITは一つ失敗したら爆走して自滅してしまうタイプだと思われ。
なんにせよ、全ては職人さんのみぞ知る…ですわ。
今夜もたのしみにまっております。
>>479さん、報告三級です。
早速行ってきましたわ。祭りの更新久々で嬉しいわん。
「次は俺だね」野田は短くそう言って銃を引き寄せる。銃は、安蒜の手の
汗で、ぐっしょりと濡れている。野田は、一つ大きく呼吸をして、
銃をこめかみに運んだ。
安蒜みたいに怯えてタメるから、余計に怖くなるんだ。こんなものは
パッとやっちゃったほうが楽だ・・・ちゃっちゃとやったほうが、
何もわからないうちに死ねる。
野田は心の中でそう思いながら、撃鉄を降ろした。3人の視線が、
自分の指先に集まっているのを感じる。
何だよお前ら、どうせ弾が出ればいいとか思ってんだろ?死ねばいいって
思ってんだろ?お前らだって、いずれはそうなるんだからなっ!!
野田は息を止め、身体をぎゅっと固くした。
素早く引金を引く。
カチッ。
音が鳴り、撃鉄が上がる。シリンダーがゆっくりと回転する。
野田は唇の隙間から、長く息を吐いた。身体の筋肉が弛緩していく。
「・・・ほら、次はお前だよ!伴!!」野田は大きな声で言った。
恐怖が、声音に現れるのが無性に不愉快だった。
クソ・・・なんだかんだ言ってやっぱり怖い!!なんだこれは!?
野田は唇を噛み締め、湧き上がる震えを堪える。
恐怖を、抑えこむ。震えが、怯えが、身体の中に蓄積されてゆく。
・・・どうでもいい、早く解放されたい!!
野田に投げ渡された銃を両手で受け止め、伴はグッと息を呑んだ。
「野田・・・お前って強ぇな・・・」伴は裏返りそうな声を吐き出す。
「早くやれよ。こんなこと、とっとと終わらせたいよ!!」野田が切れ気味
に言い放つ。確かにその通りだ。結局、これは始まりにすぎない。
このゲームが終わったら、終わった時生き残ってたのなら、
この灯台を離れてまた別のゲームに乗り込まなければならないのだから。
伴は浅く頷き、引金に指を架けて銃をこめかみまで持ち上げる。
周囲を見回す。
安蒜はすっかり脱力して、椅子の背もたれに覆い被さるようになりながら
すすり泣いている。野田は怒ったようにこちらを睨んでいる。盛は唖然と
した顔で、ポカンと口を開け銃を見ている。
・・・俺は死なない!!死ぬのはお前らだ!!
チクショー!!こんな所で死んでたまるか!!
伴は歯をギリギリと鳴らしながら、引金に架けた人差し指に力を入れた。
「見てろよ!!俺は、死なないーーー!!」悲鳴のように、叫ぶ。
その声と、引金の軋む音が、重なる。
・・・カチ
脳が疼くような金属音が、こめかみに伝わった。
・・・・・・助かった。
思わず、銃が手から滑り落ちる。
銃はゴトン、と床の上で大きな音を立てた。
その音に、盛がビクリと身体を震わせた。
・・・お、俺の番だ。俺が・・・死ぬ番・・・?
ガクガクと震えながら、伴が銃を拾って盛の前に置く。小さな声で「早くやれ」
と呟きながら。盛はその目の前にある銃を見つめた。
・・・元々は俺の銃だ。なのに、なんでこんなことになる?
俺の命を守るための銃じゃないのか?
俺はこの銃に打たれて、死ぬのか?
「早くしろって!!」野田がドンとテーブルを叩く。その反動でガタンと
音を立てる、銃。
盛は慌てて銃を握った。そのままの勢いで、こめかみに銃口を付ける。
シリンダー・ホールの数は6つ。今までに、空弾は3発。
残り3発のうち、1つに実弾。
死ぬ確率、33.3333333・・・・
・・・無理だ!俺は運なんて、良いほうじゃないし!
どっちかといえば、運悪いし!
第一、こんなことに巻きこまれてること自体、最悪だ!!
この島に連れてこられたこと自体、最低最悪だ!!
デビューってなんだよ!?考えたこともねぇーよ!!
普段大した活躍もさせてくれないくせに!!
そんな事にだけ、ご立派に巻きこんでくれてんじゃねぇーよ!!
盛は半ばやけくそになって引金を引いた。
俺の運、あるんだったら、今全部使い果たしたっていい!
神様・・・・!
カチ・・・と指に伝わる感覚。
「・・・ふ・・・はは・・」盛の口から、だらしのない笑いがもれた。
「ははは・・・」笑い続け、それが徐々に泣き声に変わってゆく。
「・・・こ・・・こわいよ・・・」盛は痙攣のようにしゃくりあげ続けた。
「泣くなよ・・・お前ら、泣くな!」野田がイライラと怒鳴る。ギンギンと
冴えた眼光を放ちながら、1人1人一瞥していく。盛は呼吸困難のように
短く息をしながら泣いている。伴は野田を見つめながら、親指の爪を噛んでいる。
安蒜は机の上に突っ伏し、うなだれている。
「・・・安蒜、次お前だよ」伴が低い声で呟く。
「・・・もう無理だよ・・・できっこない」安蒜が弱々しく返した。
「できっこないじゃねーよ!!やるんだよっ!!」野田が立ち上がり、盛が握った
ままになっている銃を引ったくり、安蒜の所まで寄って行って押しつける。
「やるんだよ!!」もう一度野田が叫んだ。その野田の様子を見て、伴は
不快感を抱く。アイツ、なにムキになってんだよ・・・!
安蒜は野田に引っ張られ、無理矢理頭を起こした。泣きながら、銃を握る。
2発に1発。天国と地獄。フィフティー・フィフティーの一発勝負・・・。
「・・・さようなら・・・」安蒜は泣きながら言った。
「安蒜、そんなこと言うな・・・」盛が慌てて安蒜を止める。「もうやめよう、
こんなこと無理だよ!自殺と同じじゃないか!怖過ぎるよ・・・」盛は
泣きながら、野田と伴に向かって言う。
「自殺だなんて、くだらないこと言うな!」野田が盛を睨んで怒鳴る。
「これは勝負だ。真剣勝負だよ!!」野田の目に宿る光に、盛は言葉を失った。
「・・・さようなら!みんなぁ!!」安蒜が大声で叫ぶ。その声に、3人がハッと
する。
バーーーン!
・・・ぐしゃりと、潰れる安蒜の頭部。椅子ごと、横になぎ倒される。
スローのような、光景。
3人は、呆然とただ見ていた。
ザーーーーーーー・・・と、ラジオの砂嵐が、響いている。
【安蒜厚志死亡 残り16人】
灯台の場面、長ったらしくなってしまいましたね・・・。
明日中になんとかします。
職人サンありがとう
今日もドキドキして見させていただきましたよ
自担(辞めジュになりましたが)出ててウレシカッタ
今日はもう終わりなんですね。
明日も楽しみにしています。
ほんとに毎日読むのが楽しみです。
今、ミドル版をプリントアウトしてB5サイズの小冊子に
まとめています。
読み応えありますよ〜。
職人さんに感謝☆
>>501 実は私もやっていたり(藁
読み応えあって大好きです!!
両職人さん、がんばってくださいー。
504 :
ユーは名無しネ:2001/06/22(金) 19:07
痛
私も小冊子にしようと思ってたー!
2ちゃん知らない友達に見せたいと思って。
職人さん今日も楽しみにしてます!
「・・・ギャアアアアアアアアアア!!」
砂嵐を蹴散らすような盛の悲鳴が、沈黙を切り裂く。盛はあたふたと
立ち上がり、部屋の隅へと逃げた。その場にしゃがみ込み、悲鳴を挙げ続ける。
伴は言葉を失い、生き絶えた安蒜を凝視した。その壮絶な血や肉片に
圧倒されて声が出ない。殴られたように、現実に気が付く。
俺達、こんなエグイことやろうとしてたのか・・・!?
俺、こんなこと・・・もう無理だ!!
こんな風になるなんて、考えただけでもう無理だ!!
「・・・1回戦終了だな。次、2回戦」野田は冷静な声で安蒜の傍に転がる
銃を手に取り、新たな弾丸を1つ詰め込む。シリンダーを、カララ・・・と
回す。
「・・・もう、無理だ・・・やめにしよう・・・」伴が脱力したような声を出す。
目は、相変わらず安蒜に釘付けのままだ。
「今さら何言ってんだよ!・・・今やめたら、安蒜はどうなるよ?!まるっきり
自殺じゃん!!」野田が再び激昂した。伴は野田を見ることも出来ないまま、
ぼんやりと首を振る。
「野田・・・お前怖くないのかよ?こんなの見て、まだできるってのか・・・?」
「どうでもいいよ!やるんだよ!!次は盛だろ!!早く・・・!」野田は早口で
捲し立てた。・・・狂気。蓄積された恐怖が、形を変えてゆく。
野田は盛の足元に銃を滑らせた。盛は途切れ途切れに悲鳴をあげ、泣き叫ぶ。
「ごめんなさい!!もう許して・・・!!ごめんなさい・・・!!
俺がいるのが悪いんだ!!俺が、銃なんて持ってたからいけないんだ!!
もうどっか行くから・・・銃持って姿消すから・・・もうやめよう・・・
もう許してよっ!!」
「うるさいよ!!だから今更だっつってんだろ!!」野田が傍にあった
椅子を蹴り倒す。
伴はゆっくりと立ちあがった。ダメだ・・・もうダメだ。狂ってる。
野田も、盛も・・・俺も。こんなこと、はじめから無理だったんだ。
こんな状況で、誰かと一緒にいるって事事態、はじめから間違いだったんだ。
俺達、はじめから甘かったんだ・・・。
伴は盛の足元に転がったままの銃を手に取る。そのまま、銃を野田に向けた。
「・・・なんのつもりだよ・・・」野田がビクッと顔を引き攣らせる。
「殺すよ・・・お前を。」伴はゆっくりと息を吐き出しながら言った。
「卑怯だぞ!!ルール違反だ!!」野田が叫ぶ。
「やめてよ・・・やめてよ・・・!!」盛が嘆き声を挙げる。
「元々ルール通りになんて、進むはずなかったんだ・・・」伴は撃鉄を下ろし、
引金を引いた。野田が、ビクリと身を引く。
カチ・・・
・・・ハズレだ。
「・・・やめろ伴!!」野田が、目を見開いて伴に跳び付いた。テーブルの
脇に、2人でもつれながら倒れ込む。
「やめて・・・ごめん・・・ごめんなさい!!」盛が叫ぶ。しかし、驚愕と
恐怖でその場を動くことが出来ない。
野田と伴は銃を奪い合い、もみ合いながら転げ回った。
「お前が言い出したんじゃないか!!お前が4人を1人に絞ろうって!!」
野田は目を血走らせながら叫び、伴の手から銃をもぎ取ろうとした。
「ロシアンルーレットなんて、俺は一言も言ってねーよ!!」伴も
必死になって叫ぶ。
「もうやめろよ・・・!!」盛は声を張り上げた。・・・なにやってるんだ?
何が、どうなって、こうなったんだ・・・??盛は混乱し、頭を抱えて
泣き続ける。
「いまさら!人に全部責任押し付けるのかよ!!」野田は拳を振り上げ、
伴の頬に振り落とす。伴は反動で跳ね飛ばされる。2人の間に、距離が開いた。
伴は撃鉄をすばやく下ろし、引金を引く。カチ。ダメだ。もう一度、撃鉄、
引金、カチッ、まだだ!撃鉄、引金・・・
「やめろー!!」野田が再び拳を振り上げたその時。
バーーーン!
放出される、熱。辺りに漂う、火薬の臭い。
野田は腹から煙と血を出しながら、後ろへ飛ばされた。
「・・・もうやめて・・・もういやだよ・・・ごめんなさい・・・」
盛の声と、ラジオの雑音が混ざって反響する、灯台の密室。
床に突っ伏して倒れる野田を一瞥し、伴はテーブルの上に無造作に転がる
弾丸を、シリンダー・ホール6つ全部に詰め込んだ。手が震え、動作がもたつく。
・・・なんてことない・・・人を殺すのなんてなんてことない・・・!
あの恐怖に比べたら。ロシアンルーレットの、自分で自分に銃口を向ける、
あの恐怖に比べたら・・・!!
伴はシリンダーを元に戻し、くるりと振り返る。、部屋の隅で膝を抱えて
呪文を唱えるようにぶつぶつと呟く盛に、銃を向けた。その瞬間。
伴の背中に、衝撃が走る。一度ではなく、何度も、何度も。
野田が狂気に打ち震えながら、カッターナイフを握り締めていた。
手には伴の血。腹からは、自分の血。
今にも事切れそうな身体を精神だけで支える、その狂気。
「・・・うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!」伴は驚愕と痛みにのた打ち回る。
その伴に馬乗りになり、野田はカッターナイフを振り下ろす手を止めない。
野田の口からは、興奮と錯乱の入り混じった呻き声が漏れる。
伴も、悲鳴を挙げ続ける。盛も再び泣き叫ぶ。
肉を切り裂くグロテスクな音。
3人の、絶叫。
砂嵐。
地獄だ。
ここは、地獄だ。
盛は目を閉じ、そのまま意識を失った。
今日は更新終わりですか?
次は100ですね!職人さん頑張って下さい!
キーーーン、という耳障りな音が空気を震わせる。スピーカーの音。
どれくらいの時間が流れたのだろう。
盛は、音に誘われるようにゆっくりと目を覚ました。
生臭い血の臭いが辺りに充満する、灯台。
床に転がる、3つの死体。
安蒜・・・
伴・・・
野田・・・
盛は膝を抱えたまま、ぼんやりとその凄惨な光景を眺めた。
「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」そう呟き続ける。
滝沢秀明のハイテンションな声が、それにかぶさる。
「おーい、みんな〜!ただ今正午で〜す。12時だよ!
みんなお腹減ってるだろー?でも我慢してねー!生き残ったら、
俺が好きなモン奢ってやるから!楽しみにしてろよー!
ってゆーかさぁ、前の放送で俺みんなに言ったよねー?
全然移動してないヤツは移動しろって。ま〜だ動いてないヤツがいるなー!
これから、そんな臆病者さん達の隠れ家を、一斉禁止エリアにしまーす!
今から言ってくよー!
赤西亀梨!東のはずれのバス停は禁止!F−10は禁止だよ!
藤ヶ谷小森加藤!北の山の麓の駐車場も禁止!C−7だよ!
宮城俊太!民家の集落近くの派出所の中に立て篭もるの禁止!E−6!
上田竜也も!ポンカン畑近くのトラクターにもぐり込んでるの禁止!D−8!
あと・・・ここはちょっと動きがあったみたいだけど、灯台も一応禁止エリアに
しとくよ。C−10!盛哲也、早く逃げろよー!
で、死んだ人も一応教えとくよ!え〜っとね、6時から現在までは、6人。
安蒜厚志、中村翔、野田優也、橋田康、長谷部隼、伴貴将の6人だよー!
みんなスゴイね〜、ホントに1時間に1人のペースで殺しちゃうんだから。
別にペース落としてもいいんだよ?まだまだ時間はあるからね!
残り人数は14人、残り時間は13時間だよー!
じゃあ、後半戦開始ーー!!」
盛の耳に、その放送は届かなかった。
放心状態のまま、ピクリとも動けない。
「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
5分後、灯台を揺るがす爆発音が響いた。
【野田優也 伴貴将 盛哲也死亡 残り13人】
嗚呼、なんて切ない・・・
職人さん、ついに連載100回記念ですね。
すばらしいペースに感動します。
100回目の更新で、一応登場人物の名前は全部出揃いました。
駆け足でここまで来ましたが、これからも初心を忘れず頑張ります。
ミドル版職人さん、連載100回突破おめでとうございます。
こんな展開に切なくなってるはずなのに、ポンカン畑近くのトラクターに
もぐり込んでるロバには笑ってしまいましたわ…
ポンカンっていう響きが…(笑)
職人さん、なぜポンカン畑にしたんだろう。
自担は派出所に立て篭もってたらしい…(藁
和歌山だからですよね?<ポンカン畑
>>517 あら、同担。
>>518 あらら?同担ですか?
やっと出て来ましたね、プンタくん…(藁
今後どうなんのか楽しみですね。
ミドル版職人さん、
>>512の最終行、死亡したのは
盛哲也ではなくて、安蒜厚志なのでは?
安蒜はちょっと前に死んだよ。
盛は禁止エリアで爆死…。
職人さんではないですが
>>520 盛の首輪が爆発したので盛で合ってますよ。
安蒜は
>>497ですでに亡くなっております・・・
>>521 ありゃりゃ、ごめんなさい。
失礼しました。
>>520 いや、合ってますよ。
安蒜はその前に死亡と書かれてます。
盛は禁止エリアのおかげで首輪が爆発した、ということでしょう。
あ、かぶってる。スマソ〜
520です。皆様ありがとうございます。
すみませんでした。
灯台編、職人さんの筆力に脱帽です。
人間は哀しい生き物よのぅ。
原作よりミドル版が好きでたまりません。
自担がどうなるか、結末がどうなるか・・・
かなり楽しみです。職人様がんばって下さい!
原作でも映画でも灯台では涙止まらなかったけど、
ミドル版の灯台も泣きました。
切ないよう。
もう枯れ切ったと思っていた涙が、また流れ出した。
福田悠太は、砂浜の大きな岩に身を隠すように縮こまってもたれている。
森雄介と一緒にいた場所から、一歩も動けずにいた。
「・・・中村君」福田は、咽るような泣き声と同時に、その名前を吐き出す。
滝沢の放送で、死者として呼ばれた、中村翔の名前。
中村君・・・この島に来て、ゲームが始まって、一番初めに
会った人だ。
自分が自暴自棄になってるのを優しくたしなめてくれた人。
死んだ岡田の死体を丁寧に移動させてあげた、思いやりのある人。
こんな状況の中でも、屈託の無い笑顔を自分に向けてくれた人。
(まぁ、いけるとこまで生きるよ。)そう言った中村の顔を、福田は
鮮明に思い出す。
「嘘つき・・・なにが「いけるとこまで」だよ。こんなに早く
死んじゃうなんて・・・」福田は握った銃を砂の上に置き、両手で
顔を押さえる。
中村君・・・どんな風に死んだの?どこで死んでるの?誰に、やられたの?
痛かった?辛かった?怖かった?死ぬ時、どう思った?・・・聞きたいことが
山ほどあるよ。俺は今、怖い。どうすればいいのか、全然わかんないんだよ。
中村君、教えてよ。いけるとこまで生きるって、どういうことなんだよ・・・?
(とにかく、ちゃんと生きてろよ!)同時に、森雄介が最後に残していった
言葉も思い出した。
ちゃんと生きるって、なんだよ・・・!
先程の放送で、森の名前は呼ばれなかった。島田の名前も。
まだ、生きているようだ。その点には、福田は少しだけ安心した。
しかし、遅い。戻ってくると言ったきり、帰ってこない。
「・・・何時間待ってると思ってんだよ!早く帰ってきてよ・・・!」
福田は悲痛な声を挙げた。声は、波の合間に掻き消えた。
ま・・待ってました!頑張って下さい!!
木々の合間を、走る。
斜面を滑り、岩を飛び越え、木の根につまずきながら、走る。
せっかく乾いていた髪がまた雨に濡れ、頬に張り付く。
赤西仁は、前方を急ぐ亀梨和也の背中を見ながら、荒い溜息を吐き出した。
「待ってよ、もう走れないよ〜!!」赤西は情けない声を挙げた。
立ち止まり、膝に手を付いて息を切らす。
亀梨は怒ったように振り返った。「そんなこと言ってる場合じゃないじゃん!」
情けなく口を開けている赤西を一瞥し、先を急ごうとする。
先程の放送で、自分達がずっと潜伏していた小さなバス停を
禁止エリアに指定されてしまった。
早く移動しなければ。早く次の隠れ場所を見つけなければ。
亀梨の気は焦る一方である。赤西は泣きそうになりながら、
重い足を引きずった。
「またどっかに隠れたって、禁止エリアにされるだけじゃん!
もうムリだよ〜!」赤西がごたごたと愚痴を言う。
「・・・じゃあお前、もう死んでもいいっていうの?」亀梨が赤西を
軽く睨む。森の中を進む足は止めない。
「そういうわけじゃないけど!だから違う方法を考えたほうがいいって
言ってんだよ」赤西は横腹を押さえながら辛そうに亀梨に付いてくる。
「違う方法ってなんだよ。さんざん話し合ったじゃん!でもなんにも
出てこなかった。結局生き残るためには、隠れてるのが一番いいんだよ!」
亀梨は突き放すような口調で言った。
今日は誰が死んでしまうんだろう。。。
頑張って下さい!!!
2人はバス停にいる間、無い脳味噌をフル回転させて話し合った。しかし、
この非道なゲームを打破する方法は、当たり前だが何一つ浮かんでこなかった。
結局2人が出した結論は、とにかく最後まで2人生き残ろう、ということ。
その後2人で滝沢秀明と今井翼に、なんとか交渉を試みてみよう、という
なんとも都合の良い計画のみだった。
「そんなに簡単にいくわけないじゃん!」と赤西は散々難癖を付けた。
しかし、亀梨はその方法がうまくいくと信じて疑わなかった。
「滝沢君だって人間だよ。最後まで2人で生き残って必死に頼めば、
きっと考え直してくれるって!2人生き残らせてくれるよ!」
亀梨は根拠の無い自信を持ってそう言った。
「お前は滝沢君をかいかぶりすぎ!第一、こんなゲームやらせること自体、
人間とは思えねーよ」赤西は亀梨にことごとく反論した。
しかしその反面、赤西もどこかその計画に賭けてみたい気がしていた。
根拠も理由も無く、確実ではない何かを信じれる亀梨がうらやましく思えた。
とにかく、武器の無い自分達にできることは、逃げて逃げて逃げ延びる、
それしか無いのだし。
・・・それにしたって、辛い。放送があってからすぐにバス停を離れ、
それから走り続けている。しかも、雨でぐちゃぐちゃの山道だ。
「亀、亀ー!ちょっと休もう!もう俺マジ無理!」しばらく走って、
赤西がまたへたり込む。
「お前いい加減にしろよ!状況わかってんの??」亀梨も息を切らせながら
立ち止まり、呆れた様に赤西を見る。
「大丈夫だよ、そんなに簡単に誰かと出くわしたりしないって!人数も
減ってるんだし・・・」そう言って赤西は、ふっと憂鬱そうな表情を浮かべる。
その赤西の表情を見て、亀梨も唇を少し噛み締める。
「・・・早く行くぞ。やっぱりこんなとこでぐずぐずしてらんない」
亀梨はそう言って、赤西に向かってエアガンを一発ガチャンと打つ。
BB弾は赤西から少し反れ、森の奥へヒュンと飛んで行った。
赤西は驚いてすばやく腰を上げる。「あぶねーよ!オモチャでも痛いんだぞ
それ!」
「行こう、早く」亀梨は再び赤西に背を向け、走り出す。「俺達は
死なないぞ、仁!」
赤西も、ああ、と頷いて再び疲れた足を引きずった。
小石や雑草の上を、オレンジ色のBB弾が転がってくる。
コロコロと、こちらにめがけて真っ直ぐに。
BB弾は、石田友一の足元すぐの水溜りで、その転がりを止めた。
石田は、そのBB弾を無言で見つめる。
・・・俺はどうも、武器に巡り会わせが無いようだ。
初めの奴は脅しにも効かないようなバタフライ・ナイフ。
次の奴なんか論外。彫刻刀なんかで何ができる?
その次は、弾切れの銃。これもお話にならない。
そして今度はBB弾か?お笑いだな。
役に立ちそうな武器ならいくらでも欲しいと思っているのだが、
どうもこのM203グレネードランチャーの銃を初めに手にしたことで、
運を使い果たしてしまったようだ。
まぁ、相手が俺より強力な武器を持っていたとしたら、今までのように
うまくいかないだろうけど。その点では、俺はラッキーってことだろう。
とにかく、俺はやる。
誰が何と言おうと、俺がこのゲームを勝ち抜いてやる。
生きて家に帰るのは、俺だ。
石田はBB弾の沈む水溜りに、1歩足を踏み出した。
空に銃を向け、1発、グレネードランチャーを唸らせる。
木々を震わせるように響く轟音。
いくぞ、お前ら。
絶対に仕留めてやる。
>無い脳味噌をフル回転
ワロタ!
あぁー!早く続きが読みたいですー!!
でも石田がステキ・・・(ワラ
石田を応援するが、どうにも
馬鹿コンビには勝てなそうだ・・・なぜか。
しかし石田頑張れ。頑張れ。
>>539 気持ち、分かります!!
あんなにダークで強い石田なのに、
馬鹿コンビの前で死んじゃいそうな気がして(泣)
ともぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!(not石田担より)
ドーーン!とすぐ背後で爆音が挙がった。小さな鳥が一斉に舞い上がる。
「ぎゃあああ!!」赤西が強烈な悲鳴を挙げる。
「わぁぁぁ!!」亀梨も驚愕に一瞬足を止める。
「な、何、何何何?!何の音!?」赤西が挙動不審に周囲を見回した。
「馬鹿、銃の音に決まってんじゃん!!敵がいるんだよ!!」亀梨は
前にも増した速度で走り出した。「逃げなきゃ!!」
赤西も意味不明の奇声を発しながら、疲れを忘れて走り出す。
後ろの方で、ザッと木々を掻き分ける音がして、飛び出してくる人物がいた。
石田友一だ。手には大砲のような銃口の銃を持っている。
石田は、2人をめがけて真っ直ぐに走っている。
「わぁぁぁぁ追ってくるよー!!」
「石田だ!!石田だ!!ぎゃぁぁぁ!!」
赤西と亀梨は交互に叫び声を挙げながら、全力疾走した。
「お前がくだんないことグダグダ言ってるから見つかったじゃん、馬鹿!!」
亀梨が走りながらも赤西を非難する。
「馬鹿、お前が、エアガンとか、調子に乗って、打つからだよ!!」
赤西も息を切らせながら反論する。
「うるせーよ馬鹿!!」
「馬鹿はそっちだ馬鹿!!」
ドーン!とまた爆音が挙がり、亀梨の足元の水溜りが破裂するように
跳ね上がる。
「×¥〇★%▲!!」
2人は声にならない叫び声を発し、わけも分からぬまま全力疾走し続けた。
「亀!!エアガン打て!エアガン打て!!応戦しろ!!」
赤西はとにかく思いついたことを叫ぶ。
「馬鹿、そんなの何の足しにもなんないよ!!」亀梨は前を向いて走るのに
精一杯だ。とてもエアガンなんて打っている場合ではない。
「目を狙えばいいんだよ!!目潰し!目潰し!!」赤西が必死に叫ぶ。
「当たるわけないだろー!!」亀梨も必死に言い返す。
「やってみなきゃワカンナイじゃん!!やれよ!早く!!」
赤西は切れぎれになって怒鳴る。亀梨は走りながら、身体半分だけ
振り返り、後方を見る。後ろには、追ってくる石田。その不敵な表情が
ありありと見える。
ムリだよ!!ぜってームリだよ!!そう思いながら亀梨は、石田の顔を
標的にしてやみくもにエアガンを打った。走りながらということも加算され、
案の定BB弾は石田にかすりもしない。
「ふざけてんのかお前ら!戦争ごっこじゃねーんだぞ!!」
石田が嬉々とした声音で叫ぶ。立ち止まり、銃を構える。
ドーン、と石田のグレネードランチャーが火を吹く。
「ギャアァァァ!!」
赤西が、つんのめったように傾きながら悲鳴を挙げた。
「仁!!」亀梨が、倒れそうになる赤西の身体を横から支えた。
赤西の左上腕はえぐれ、血が吹き出している。
「亀〜〜!やられた!!オレもう死ぬ・・・!!」赤西は涙声で訴え、
その場にひざまずこうとする。
「オイ!!腕のケガですぐ死んだりしないよ!!」亀梨は赤西の右腕を
引っ張り、引きずって走る。「ホントに死にたくなかったら逃げろ!!」
「ムリー!!ムリムリムリもう死ぬー!!助けて・・・!!」
泣きながら左腕を押さえて叫ぶ赤西も、フラフラとした足取りで再度走り出した。
「お前がエアガン打ったりするからだよ!!馬鹿ぁ〜!!」赤西が泣いて
やつあたりする。
「お前が打てって言ったんじゃん!!信じらんねー!!」亀梨が怒鳴る。
速度の落ちた2人に、石田は徐々に近付いてくる。
あぁ、馬鹿ふたりが可愛い・・・逝ってきます。
「ああっ!!」亀梨が声を挙げて急に立ち止まった。
赤西も、呆然としながら立ち止まる。
行き止まりだ。
切り立った断崖絶壁が、そびえている。高い丘。登れそうにない。
「あああ、もうダメだ〜!!」赤西が悲痛な声で嘆く。
石田は、追いつめた獲物を捕らえたといった満足気な顔で
近付いてきた。
「ハイ、亀梨赤西ジ・エンドだね」ゆっくりとそう呟く。
「仁、横に飛びこめ!」亀梨が赤西の背中を押す。赤西は奇声を発しながら
転がるように森の横手へと姿を消した。
亀梨は気の焦るのを抑えながら、息を呑んで石田と向かい合う。
至近距離。撃たれて、死ぬかも。
でも、俺にとっても至近距離ってことだろ?
このまま逃げたって、コイツは追いかけてくる。
きっと、俺らが死ぬまでどこまでも。
少しでもいい、ダメージを与えなきゃ。
逃げきるヒマを作らなきゃ。
頼む。一発勝負だ。当たってくれ!!
石田が銃を構えようと動く、その一瞬前。
亀梨は素早くエアガンを構え、とにかく連射した。
打ちながら、赤西の後を追うように横移動する。
「いってっっ!!」石田が、声を挙げた。
どこに当たったのか、確認している暇などない。亀梨は、再び赤西の
右腕を引っ張り、深い木々の密集する森の中を、断崖伝いに走った。
走って、走って、逃げた。
自担は今日で死ぬものとばかり思ってました…
生きてる…(藁
誰を出しとけば良かったと職人さんはお嘆きかはわかりませんが
今日もお待ちしています。
と…ともひと…
極悪加減が妙に気になる…
好きってことかしら…(ワラ
石田は思わず銃を手から落とした。
左眼に走る、電撃のような痛み。
「クソ・・・アイツらっ!!」石田は苦痛に顔を歪めながら叫んだ。
左目から、ボロボロと涙がこぼれて止まらない。涙だけじゃない、
血も混ざっている。全然目が開けられない。
BB弾といっても、目に当たったら失明しかねない。
畜生アイツら、絶対殺す!俺の目、こんな風にしやがって!
絶対殺す!!
石田は憎しみと痛みに歯軋りしながら、着ていたシャツの袖先を破り、
左目を覆うように頭に巻く。巻いた袖は急速に涙と血で濡れてゆく。
石田が杭を打つような厳しい痛みに耐えながら、2人を追おうと
地面に転がる銃を拾おうとした、その時。
ふと、視線を感じた。
誰かの、射すような視線。
石田はハッと上を見上げる。
切り立った断崖絶壁の頂上。
そこに1つ、たたずむ人影があった。
だっ・・誰っ?!
バズーカ石田ピンチ!
石田以外の極悪人のどちらかと思われる
あぁ、続きが楽しみです!
誰だーーーーーーー!!!!
島田さんだといいな…
あ、でも森くんと会ってほしいし…
うーーーー!!!
い、いっともファイト!!
以外と歯のない○だったりして
歯がないのか・・・ワラタ。
>>555 でも○にはポンカン畑行ってほしいな。
>>555 それじゃあどう考えても○が死んじゃうって(ワラ
上田辺りまだ出てないよなぁ〜
歯抜け○と会えればいいな
島田が石田を殺すに3000ジャニー
続きは今夜読めるのだろうか??
かなり楽しみ…眠れない…。
>>559 同意。私は10000ジャニーで!
松崎様=十手
石田=バズーカ
○=歯抜け
ですか?バトロワ名(ワラ
バズーカ好きな私は非道でしょうか…
>>559 やっぱその対決が妥当、というか見たいですわ。
ということで手堅く15000ジャニー
確かに極悪対決が見たいのでひっそり500メリー
>>563 バズーカはいいよねー
わ、私が起きている間に続きが読みたい…
誰と会ったの〜!!?
同じ極悪でも、熱い系のバズーカもいいけど、冷酷なアヒルに萌えなんだな。
私の地域ではもうすぐキンキSPだよ。
本物に萌え〜
辞尾も祭りもサクッと更新。うれしいな〜
はぁーーー。
極悪対決が見たいが、なぜか森と会って欲しい…。
確立低そうなので、100ジュリー。
中村=アニキ
うれしそうにバズーカの銃を巻き上げる
ジャイアン伊藤ってのはダメかしら。
私も弱気に50メリー。
極悪対決も楽しみだし、森の登場でも嬉しい!
あ〜、今夜が楽しみです。
573 :
ふーん:2001/06/25(月) 13:33
ふーん
>>573 sageてねー。
うん、でも森くんとアヒルには会ってほしいね…!
575 :
ユーは名無しネ:2001/06/25(月) 19:24
職人さんこれさ〜全部で何話位になります〜?
577 :
ユーは名無しネ:2001/06/25(月) 19:32
ここ何でさげなの?おもしろいのに。
ageてると荒らされるんですよ。
面白いと思ったらさげてね。
なんでageてるの?
だめよ!
sageるのはみんなの約束なんだよ。
嬉々とした声音!!
石田こええ!でも好き!!頑張って石田!
でも自担との対決の時が来たら、お願いだから君が逝ってくれ
と思うに違いない自分を許してくれ石田。
その人物は微動だに動かず、崖の下の石田を見下ろしている。
拳銃を持った手をブランと下にさげたまま。
視線が、絡み合う。
「・・・島田」石田は真っ直ぐにその人影を見つめたまま、呟いた。
島田直樹はじっと、石田を見下ろしている。
何を思って・・・?
石田の心によぎる、今までとは違う、違和感。不安な気持ち。
攻撃的な気持ちが、急激に萎えてゆく感触。
なんでだ?この嫌な気分は。アイツが、仲良い友達だからか?
・・・アイツを、殺したくないからか?
アイツと、殺し合いたくないからか?
「・・・久しぶりだな、島田!」石田は遠い崖の上に立つ島田に
大きな声で呼び掛けた。「今までどうしてたんだよ?!」
島田は、その石田の問いには答えない。ただ、見下ろしている。
無言の、圧力。そこに見え隠れする、敵意。
石田の気持ちに、また不穏な影がよぎる。
殺し合いたくない?・・・違う、そうじゃない。
俺は・・・殺されたくないんだ・・・。
恐怖・・・そう、これは恐怖だ。俺は、アイツが、怖い。
島田の身体から漂うあの殺気が、沈黙が、怖い!
直感的に感じる、自分より強い者の匂い。
この島に来て、初めて感じる脅威。
俺は、アイツに殺されるかもしれない!!
あぁっ、やっぱり・・・・・。
アヒルーー!!待ってました極悪対決!!!
し、島田さん。他担ながら素敵です。
10000ジャニー貰える(嬉)
「島田ぁ!その調子だと、お前もやる気になってるみたいだな!!」
石田は引き攣った笑いを浮かべながら再度声を掛けた。
「もう何人殺したよ?俺とお前の勝負だな!!」石田のその言葉に
反応したのかどうか、島田はゆらりと身体を動かした。
それだけで、石田はギクリと肩を震わせる。恐怖の隙間を埋めるように、
慌てて言葉を続ける。
「最後にお前と戦うのが楽しみだよ!!それまでお互い頑張ろうぜ!!」
石田にとって、必死の牽制だった。今、コイツと戦うわけにはいかない。
本能がそう教える。今、コイツと戦っても、俺は負けるかもしれない。
島田が、言葉を発する代わりにゆっくりとした動きで拳銃を構える。
石田はそれに反応して、慌てて自分の銃を拾おうとする。が、動揺して
しまい、取り落とす。思いのほかに言う事を聞かない身体。焦りと恐怖
ばかりが増してゆく。
島田は、しばらく黙ったまま石田の挙動を見下ろし続けていたが、
何を思ったのか、やがて銃を下ろし崖の向こうにスッと姿を消した。
島田の姿が見えなくなったことに気付き、石田はその場に膝をついた。
髪の毛の間を流れる雨に混じって、汗が額を濡らす。
口元を、手で覆う。極度の緊張から解放されたことへの、安堵と嘔吐感。
もうすでに、先程まで追いかけていた赤西と亀梨のことなどは記憶の彼方だった。
初めて感じたこの身の危険。
震えが湧き上がるほどの、敵の威圧感。
石田は、しばらくその場を動くことができなかった。
「なんだよ、コイツ結局逃がしやがった・・・。ツメの甘い奴らだな」
伊藤達哉は、北の山の頂上の展望台で寝転がりながら、携帯探知機の
モニターを眺めていた。
滝沢の放送があってから、この映像を見ているのが俄然楽しくなった。
赤い点灯だけで表示されていた人物の一部が、誰だかがはっきり分かるように
なったからだ。
島の真ん中辺りの派出所から南の海の方へ逃げたのが、宮城俊太。
ポンカン畑から北の方角へのろのろと動いているのが、上田竜也。
東のバス停の方から西の林へ逃げて行ったのが、赤西仁と亀梨和也。
中でもこの赤西と亀梨辺りの動きは、ヘタなドラマを見ているより楽しかった。
誰かは分からないが、やる気になっている奴に追われ、銃声と共に
動きが遅くなった。きっとケガでも負ったのだろう。
かと思えば追っ手の動きが止まり、そこに新しい人物が近づき・・・。
伊藤は、冷めた表情で画面を切り替えた。
「つまんねー。誰も死なねぇーじゃん。へタレばっかだな」
切り替わった新たな画面には、動かない1つの赤い点灯が表示されている。
北の展望台。自分の点灯だ。
その近くに、徐々にこちらに向かって近付いてくる、3つの点灯。
伊藤は、にやっと笑った。
面白いことになりそーじゃん。自分達からオレに近付いてきてくれるなんて。
オレは大歓迎してやるよ。
伊藤は、ゆっくりと身体を起こした。
・・・腰抜け共め。オレが手本を見せてやるよ。
イット、下手したら死んじゃいそう…
うわぁ!!
ついに三強が(一人間接的だが)
出くわしましたね!!
も〜、これでバズーカの死が遠のいたかと思うと
ちょっと安心したり(←バズーカ担)
三つ巴っすね!IT恐いー。でもステキー(ワラ
ガヤーーーーー!!!!(間違い)
イットにちかづいてる3人は誰だー!イット死ぬなよー!
やはり、順当に行くと、小森、ガヤ、シゲでないかと思われ。
ミドル版職人さんへ
10000ジャニーありがとうございました。
使わずに貯金します!
1ロムラーより
くっそー、500メリー損しちまったよ。
あと20ジュリーしか残ってない。
ちょっくらイットに借りてこよっと。
ミドル版職人さん、名前欄、面白すぎです。
本編とのギャップがたまらん。
続き楽しみにしております。
皆さんがミドル版に萌えている中、唯一まだ自担が生きている辞めジュ版を
切望する私(笑)。辞尾でも祭でも死亡したし、ミドル版にはいないし〜。
空気が読めなくてスマソ。もう逝っちゃいます。
omosiro-i
>>571があるので、職人さんの損失は
28000ジャニー 450メリーですわ。
100ジュリーも手にされておりますわ。
職人さんと
>>559にかけてくださった皆様へ
島田が石田を殺すに3000ジャニーをかけましたので
石田が生きている以上まだわからないと思いますわ
ITどうするつもりなんだろう。
かなり楽しみになってきたな…。
石田vs島田、緊張して
スクロールする手が震えた・・・
極悪自担にも人の心が見え隠れ!
続き楽しみ〜
もう疲れは限界に来ていた。2人とも、全く口を利かない。
藤ヶ谷太輔と小森輝明は、加藤成亮を交互に背負いながら、険しい山道を
登っていた。とにかくどこか落ち着ける場所、雨のしのげる場所・・・北の
展望台を目指す。
「俺達、一体どうなるんだろう・・・」久方ぶりに小森が口を開いた。
加藤を背負い、黙々と歩く藤ヶ谷に声を掛ける。
「・・・さぁ・・・ここまで、生き残っただけでも、スゴイんじゃねぇの?」
息を途切れさせながら、藤ヶ谷が答える。「お互い、そろそろ腹括ったほうが、
いいのかもな。加藤もいることだし・・・」
加藤は藤ヶ谷の背中で、ひどく汗をかいて辛そうに目を閉じている。
元々、3人は別行動だった。それぞれ個々に、北の山の麓の広い駐車場の
植え込みに潜んでいたのだが、滝沢の放送をきっかけに、一緒に逃げることに
なったのだ。山へ向かって走り出そうとした時だった。急に、加藤がその場に
倒れてしまった。ひどい高熱だった。ずっと雨に濡れていたことに加えて、
恐怖によるストレス、コンサート後の疲れもあったのだろう。なんにせよ、
そのまま放っておくことはできなかった。
「・・・展望台に敵がいたらどうする?」小森が、不安そうに言う。
「もう・・・だから、その時はその時だよ。考えたって、しょうがないよ」
藤ヶ谷はぬかるんだ山道を、加藤の重さに必死に耐えながら登る。
敵が、目の前に現れたら・・・俺達は、戦う手段など持ち合わせていない。
3人の武器は、武器とも言えないどうしようも無い物ばかりだった。
小森の武器はマッチ。藤ヶ谷の武器はヘアスプレー(ハードにがっちり
固めるタイプだ)。加藤の武器は拡声器だった。
どれもこれも・・・どう考えたら武器だと言えるのだろう。
武器を持っていない、病人がいる、最年少である・・・三重苦だ。
でも、こんなことは言い訳にもならないだろう。
敵はきっと、無差別に襲いかかってくる。同情の余地も無く殺される。
何故なら、これは1人だけの生き残りの座を賭けた戦争だからだ。
ま、まさか拡声器って・・・
「藤ヶ谷、もうすぐ頂上だよ、頑張れ」小森は前方を見上げながら
そう言った。藤ヶ谷は、無言で足を進める。口を開くのも、体力を
消耗しそうで嫌だった。目をちらりと上に向ける。木々が途切れ、
丘のように広がる草むらが見えはじめる。あと少しだ・・・。
そう思った時。木々の切れ間に、スッと動く人影が1つ、現れた。
自分達よりも小さな身体に、大きな機関銃。伊藤達哉の姿。
「お前ら、ご苦労さまだったな!!でももうココで終わりだ!
ここでオレに殺されろっ!!」伊藤が大きな声で叫ぶ。その表情には、
楽しくて堪らないといった嬉々とした色がありありと見えている。
「小森!!戻ろう!!」藤ヶ谷は瞬時にそう叫んで踵を返した。小森もそれに
続こうとする。
ダダダダダダダダ!と、伊藤のマシンガンが炸裂する。飛び散る、草や木。
その中に、小森の背中から吹き出す血も混ざった。
「うあっ!!」小森は呻き声を挙げて、その場に躓いた。そのまま、山道を
滑り落ちる。伊藤の攻撃の手は緩まない。間髪入れずに再び砲弾を
浴びせ掛ける。蜂の巣のように、黒く焼けた穴の開く小森の身体。
伊藤はそれを飛び越え、先を行く藤ヶ谷を追った。
【小森輝明死亡 残り12人】
藤ヶ谷の体力は、もうとうに限界を超えていた。小森がちゃんと着いて
きているか、確認している余裕はなかった。今自分がこうやって
山道を駆け下りてることが、まるで夢の中のことのように思えた。
追いつかれる、もう追いつかれる。それどころか、あんなデカイ銃
撃たれたら、一貫の終わりだ。
背中に背負っている加藤の重みを急激に感じる。降ろせばいいのに、
と自分でも思う。でも、それはできなかった。
今ここで加藤を降ろしたら、加藤は死ぬに決まってる。自分が加藤を
見捨てたせいで、加藤が死んでしまうのは許せなかった。
殺されるのは嫌だ。でも殺すのも、嫌だ。見捨てることなど、できない。
「・・・藤ヶ谷・・・降ろせ!」加藤が、うなされるように背中で呟く。
藤ヶ谷は、無言で走り続けた。
「藤ヶ谷・・・もういいから!」加藤が背中で泣き出す。
藤ヶ谷は必死に走った。もう、何も考えられない。とにかく、走った。
加藤は、泣きながら途切れ途切れに言葉を吐いた。
「・・・俺、ホントは怖かったんだ・・・誰も信じられなかったんだ・・・
初めに岡田君の死体をみた瞬間から・・・全員敵だと思ってた・・・
ホントはお前と小森のことも・・・疑ってたんだ・・・おぶってもらって、
助けてもらっときながら・・・いつ裏切られるか・・・ホントは怖くて
仕方が無かった・・・」
藤ヶ谷は、そんな言葉に耳を貸さない。貸している暇は無い。
ただ無心に走った。前だけを見て。
最期まで。
「ありがとう・・・藤ヶ谷、ありがとう・・・」
加藤のその声は、伊藤のマシンガンが雄叫びを挙げる音に掻き消された。
藤ヶ谷と加藤の2人は、覆い被さったままで、事切れた。
伊藤は、ゆっくりと2人の横にしゃがみこんだ。
「オレがデビューしたあかつきには、お前らもあの世で応援しててくれよ。
自慢してもいいぜ。オレに殺されたことを。」
そう言って、伊藤は笑った。声を挙げて、高らかに。
「オレがこの島で最強だ!!誰にも負けねーー!!」
【藤ヶ谷太輔 加藤成亮死亡 残り10人】
この年にして達観してる3人がおもしろい!
藤ケ谷父さん…(涙)カッコヨカッタヨ…トウサン…
父さん、かっこいい死に様でした。
あともう10人になったんですね。
人探しの人達会ってほしいな。
藤ヶ谷カッコイイ!…ハッ!こんな言葉を言う日が来るなんて…。
マッチとヘアスプレーがあったんだったら、
立派な武器になったのに…
3人に教えてあげたかったなぁ。
そしたら、もうちょっとITと互角に戦えたかも。
マッチとヘアスプレーは、今後の伏線のような気がする・・・
マッチさんの昔の髪型を思い出してしまいました。
スプレーで固めてたんだろうか・・・
ああ、ツボ人たち(というか、小森、藤ヶ谷)・・・サヨウナラ。。。
か・・・かわいすぎる!
伏線がことごとくばれてるので、照れ隠しにもうちょっと進みます。
技術も無いのに余計なことはするモンじゃないね!
619は1〜5まであるのでかわいいから全部見て!
わーい、まだ読めるんだー。
少なくとも私は伏線読んでないのでご安心を(藁
イット爆弾・・・で自爆
イットは殺さないでー!
自分の放つ血の匂いに混ざって、強い柑橘の匂いが漂う。
もう何年も誰も手入れしていないのか、伸び放題の木々の下に、
山のように腐った大きな果実が転がっている。
北の山の麓近くの、ポンカン畑。
「・・・もうさすがにココにはいない、か・・・」
中丸雄一はポツリと1人呟きながら、濃緑の木々の合間を掻き分けて歩く。
滝沢の放送では、上田竜也はポンカン畑のトラクターの中にいると言っていた。
手に入れた、唯一の手がかりだった。
まだこの辺にいるかもしれないと思ったんだけど・・・。
中丸は、生い茂る木の葉の下までくまなく覗いてみる。
上田、どこにいるんだよ。
探してるんだぞ、早く出て来い。
上田、出て来い。
コン・・・
ふと、何かが転がる音がした。
ポンカンが、木から落ちる音・・・?違う、今木になっている実はまだ
青くて小さい。木から落ちたりしないだろう。じゃあ、何の音?
中丸は、息を詰め、じっと耳を澄ます。
じゃり・・・じゃり・・・
誰かの、足音。
この畑の中に、誰かがいるんだ。
歯抜け気をつけろ!
自担はいよいよ登場なのだろうか・・・。
夜まで楽しみに待ってます。
中丸と尋ね人がなんとか会えるよう、
祈っております……。
>>601 10000ジュリー懸けとくんだった・・・。
いやぁーーーーーーーーーーー!!
歯抜けーーーーーーーーーーーー!!
死なないでーーーーーーーーーーーー!!
…でも、ちと見たいかも? ナル対決(藁
お願い、歯抜け。仲直りしてから・・・
でも尋ね人の方が先に死にそう。
633 :
ユーは名無しネ:2001/06/27(水) 13:47
hanuke!
早く夜中になれ〜続きが待ち遠しい
635 :
ユーは名無しネ:2001/06/27(水) 13:52
職人さん待ちあげ!
636 :
ユーは名無しネ:2001/06/28(木) 01:02
期待あげ!
ダメ。
今日ばっかりは期待sage。
だよね。
sage。
当たり前、期待sage。
ずっと期待sage。
ああ、待ちきれないsage
中丸はゆっくりとした動きで、ポンカンの木の下に身を潜めた。
誰だ・・・上田か?
いや・・・直感だけど、上田じゃない気がする。
今までトラクターの中に隠れていたような奴が、こんな風に畑の中を
堂々と歩き回ったりするだろうか。
足音は、徐々に近付いてくる。まるで中丸の存在を知っていて、
そこを目指すかのように。中丸は、静かに深呼吸を繰り返した。
森や福田のような、悪意のなさそうな奴だったら救われる。
島田や石田のような狂った奴だったら・・・ちょっとキツイな。
誰が来たとしても、このままやり過ごそう。このまま隠れていたら、
きっと気付かれないだろう・・・。
足音は真っ直ぐに、こちらへ向かってくる。跳ね上がる中丸の、鼓動。
・・・足が、中丸の目の前で、止まった。
「・・・足跡・・・バレバレ。お前、馬鹿?」ゆっくりと、そう呟く声。
聞き覚えのある声。
キツイな・・・島田だ!
そうか、足跡だ。雨でぬかるんだ地面に、俺の足跡が残ってたわけだ。
俺ホント馬鹿だ。バレバレじゃん!
島田直樹はスッとしゃがみ、ポンカンの木の下を覗き込む。中丸と、
目が合う。中丸は火が付いたように腰を上げ、木の下を飛び出した。
畑の中を、一直線に走り出す。
島田が、その後を追う。
いやん、ドキドキsage。
お願いします。一目会わせてあげてから・・・(泣)
今晩も待ってました職人さんっ。
最近はここを見てからじゃないと眠れなくて毎日遅刻ッス。(藁
でも、10000ジャニーあるからしばらくプーでも生きて行けるかしら。
願望は心の中だけにしときませんか?
私も・・願うことは色々あるんですが(笑)
職人さんの思い通りにやってください!
中丸は走りながら、手に握っていた銃の撃鉄を降ろす。
木々の切れ間のカーブを曲がりながら、視界に見える島田に向かって
銃を構え、引金を引く。島田は俊敏にそれをかわし、逆に中丸めがけて
銃を構える。勢いよく走りながら、銃弾を放つ。
「ギャアア!!」中丸が悲鳴を挙げる。
左ふくらはぎを貫く、強烈な衝撃。後ろから撃たれたのに、
前のスネから血が吹き出す。貫通したのだ。
中丸は両手で足を押さえ、その場に倒れ込んだ。
初めて知った!弁慶の泣き所、って物にぶつけた時も痛いけど、
銃で撃たれても恐ろしく痛い!!信じられない・・・っていうか、
知ってる奴なんてほとんどいないだろうな!!
「アアアアアッッ!!」中丸は悲鳴を挙げのた打ち回る。逃げなきゃ、
と思いながらも、立てない。痛過ぎる!
畑のわだちで這いずる中丸に、島田がゆっくりと近付く。
銃を、中丸に向けたまま。
「・・・っ島田!待って・・・俺、やんなきゃいけないことが、あるんだ!
・・・上田を、探してるんだ!お前、見なかったよな・・・?!殺してないよな?!」
中丸は痛みに息を弾ませながら、必死になって言った。
島田は、冷たく冴えた表情のまま、中丸に銃を向けた姿勢を保っている。
「・・・ぅぅ、質問に、答えて、島田っ!!」中丸は苦痛に顔を歪めながら、
島田を真っ直ぐに見つめた。
>>646 前もそんな話になったけど職人さんは心が広くて
大丈夫だとレスつけてくれたよ。
確かこのスレの最初の方参照。
「・・・殺してねぇよ。」島田が、中丸を見下ろしながらそう呟く。
「上田を、見て、ないんだな・・・っ?!」中丸の額には、痛みで汗が噴出している。
「見たら殺してる。」島田は、スッ横に目を逸らした。一瞬の、罪悪感?それに
近い物が、島田の表情に浮かぶ。
「・・・ここで死ぬわけにはいかないんだ・・・!!頼むよ、島田!
行かせてくれよ・・・!!上田に会ったら・・・そのあと、お前に殺されても
俺、構わないから・・・!!」中丸は悲痛に掠れた声で叫んだ。
島田が顔を引き攣らせる。「・・・何甘いこと言ってんだよ・・・」
島田の、銃を握る腕の筋肉がピクリと動く。
「頼むよ島田っ!!!」
島田の指が、動く。引金が、引かれる。
さあ、どうなるっ(><)
・・・カチッ・・・。
ゆっくりと、戻る撃鉄。
島田はふっと目を伏せ、薄く開けた口から吐息を漏らした。
「・・・弾切れだ。行けよ。」短く、そう告げる。
ゆらりと踵を返し、中丸に背を向けた。
中丸は、一瞬にしてギュッと固くした身の緊張を、解いた。
「・・・島田・・・?」中丸は、痛みをこらえて少しだけ身を起こし、
島田の背中を見る。島田は脱力したような足取りで、そこを去ろうとしていた。
ふと島田は、その足を止めて中丸を振り返る。
「中丸。」
中丸は、唖然として島田の顔を見た。冷たい、表情。いや、冷たいだけじゃ
ない・・・その表情に刻まれるのは・・・何か、もっと別の物だ。
「・・・上田は、お前に会いたくないかもしれないな。」
島田はそう言い残し、ポンカンの木の狭間に姿を消した。
中丸は、島田の残したその言葉と、足の痛みに苦痛を感じ、
溜息をついて唇を強く噛み締めた。
ゴミつけんな。
マターリいくべし。
今夜は切ないですね。
よ、よかったぁ・・
なんか気が抜けたら涙でてきた・・
島田いいヤツ・・・
島田・・・何か知ってるんだな?
くだらない・・・くだらないくだらないくだらない・・・!!
島田はポンカン畑の中を駆け抜けながら、イライラと目を細めた。
ムカツク・・・!!何もかもうまくいかない、何もかも!!
青臭い仲間意識はもう捨てようと決めたはずなのに。
甘ったれた感傷など命取りになるだけだと、充分わかっているのに。
どうして、俺は・・・
どうして俺は、萩原の死に憤りを覚えた?
どうして俺は、石田を撃つことができなかった?
どうして俺は、中丸を逃がすような真似をした?
うまくいかない。自分をコントロールできない。弱い自分ばかりが
見え隠れする。
「あー、ウゼー!!!」立ち止まり、島田は思わず大声を挙げる。
やつ当たりだと分かっていながら、手に持った拳銃を地面に投げつける。
拳銃は泥にまみれ、その輝きを半減させる。島田は、拳銃を見つめた。
認めたくない。あの時、あの瞬間、弾切れだったことにホッとして
しまった自分を。中丸に、中丸の一生懸命さに、一瞬でも情をかけて
しまった自分を。許さない。そんな弱さは、許さない。
最後、中丸に向かって俺は何を言った?
中丸の姿に、誰かを、重ねた?
もしも・・・今、俺を探している人間がいるとしたら・・・。
そう、考えた?
誰かって、誰だ?!何を期待している?
・・・ダメだ、このままいくと、俺はダメになる。
もう何も考えたくない。何も、迷いたくない。
島田は、両の手で顔を覆う。視界の端に、肩に括った萩原の水色のハンカチが
焼き付く。島田は苛立ちに震える手で、そのハンカチを乱雑に解いた。
もう、やめてくれ。俺を、呪縛しないでくれ!
島田は萩原のハンカチを握り締める。しばらく立ち尽くしたままそれを見つめ、
やがて、決別するかのようにそれを投げ捨てた。
素早く拳銃を拾い、そのまま走り出す。後ろは振り返らない。
もう、二度と。
島田…せつねぇぞ(涙)。
涙が止まらない・・・
明日、目が腫れちゃう(笑)
『そんな弱さは、許さない。』
良いわー。許さない、って言葉の選び方がツボ。
職人さんいつもドキドキしながらロムしてます。ありがとう。
ロバ丸も気になるが森と島田の行方も気になる(涙)
ちゃんとお暇つぶし用職人さん(島田編)の設定を使ってくれている
ミドル版職人さんに頭が下がります。
水色のハンカチ、ちゃんと巻いていてくれたんですね。
何か嬉しいです。
>>660 ほんとに職人さんは言葉選びがうまい!
かっこいいです。名言集とか作れそう…。
私が今まで一番グッときたのは、カケル兄貴の
「俺は友情ごっこしかやってねーんだよ!」でした。
ハァ、かっこいい・・・。
感動路線ですね〜。
でも島田さん、自担殺しちゃったので応援できないです、ゴメソ(笑)
し、島田・・・。
自担を殺さないでくれてありがとう・・・。
島田に、10000ジュリーあげる。涙。
あぁぁぁぁ。初めての書き込み…。
島田が切ない…。
探してくれてるかもしれない人に会いたくないのか〜?
涙が止まらない〜。
いつも楽しみにしてます、職人サマ。
森との行き先が気になる〜。
ああ、島田カッコイイ〜!!
もう大泣きです。次の授業、サボって余韻に浸ります(笑)
669 :
ユーは名無しネ:2001/06/28(木) 16:34
島田ー!
仕事中暇だったから初めて読んだけどおもしろい!
なんか読みやすいですね。場面が、脳裏にすぐ浮かぶ。
職人様、どうぞこれからも貴方様の思うがままに続けてください。
私がミドル版職人さんがスゲーなって思ったのは
>>400だな〜
誰かを狙うためだけに木に登ってたのかと思ったら、
後から話になっててすごい〜って思った
し、島田〜!!
やっぱり好きだ〜!!
例え極悪商会(藁)だとしても!!
早く森くんと会えるといいなぁ…(ホロリ
厚かましいお願いですが・・・
そろそろ集計人さんおねがいしたいです。
十手様、カーム・バーック!
島田、いいやつ。
ただの極悪人じゃないことにホッ。
ミドル板のお話って、実はいろんなところに細かい伏線がはってありますよね。
あとでこれがこういうふうに使われるのかって、毎回凄く驚かされます。
何だか大きなクロスワードパズルって感じ。
675 :
ユーは名無しネ:2001/06/28(木) 21:37
職人さまあげ〜!
676 :
ユーは名無しネ:2001/06/28(木) 21:44
集計人さまあらしゃいませんか?
いちいち上げなくても職人さんは来るから安心しなはれ。
少々お待ち下さいませ。遅くなって申し訳ありません(謝)
最初辞めジュ版目当てで来てたんですが、
ここ最近気が付いたらミドル版にはまってます。
あんまよく知らない方も多いのですが、かっこいい。
展開が気になります。がんばってくださいね!
辞めジュ版の職人さんも楽しみにしてます〜。
赤西仁【素手】
安蒜厚志【コルク抜き】
石田友一【バズーカ並の銃】【岡田のバタフライ・ナイフ】
伊藤達哉【ギターの弦】【五関のマシンガン】【増田の携帯探知機】
内澤祐豊【拳銃】
岡田政治【バタフライナイフ】
加藤成亮【拡声器】
亀梨和也【エアガン】
五関晃一【マシンガン】
小森輝明【マッチ】
小山慶一郎【ビニール傘】
島田直樹【軍用ナイフ】【内澤の拳銃】
武内幸太朗【彫刻刀:丸刀】
田口淳之介【木製バット】
東新良和【ライフル】
中丸雄一【銃】
中村翔【吹き矢】【橋田の拳銃】
野田優也【カッターナイフ】
萩原幸人【フライパン】
橋田康【ワルサーP99:ルパン三世とおそろ】
長谷部隼【包丁】
伴貴将【携帯ラジオ】
福田悠太【小型銃】
藤ヶ谷太輔【ヘアスプレー:ハードタイプ】
増田貴久【携帯探知機】
松崎祐介【紐は紫「奈良」は黒の毛筆体の銀色十手:奈良土産】
盛哲也【拳銃】
森雄介【良知の小型銃】
良知真次【小型銃】
【登場済・武器決定】
赤西仁、石田友一、伊藤達哉、亀梨和也、島田直樹、中丸雄一、福田悠太
【登場済・武器未定】
森雄介←銃??
【登場済・武器未定】
宮城俊太
【死亡・武器決定】
安蒜厚志、内澤祐豊、岡田政治、加藤成亮、五関晃一、小森輝明、小山慶一郎、
田口淳之介、武内幸太朗、東新良和、中村翔、野田優也、萩原幸人、橋田康、
長谷部隼、伴貴将、藤ヶ谷太輔、増田貴久、松崎祐介、盛哲也、良知真次
【死亡・武器未定】
田中聖
【未登場】
上田竜也
大変遅くなりました(汗)毎度の事で勝手に集計させて頂きました。
辞めジュ版の死亡状況も載せたかったしミドル版の銃名も詳しく
載せたかったですが…残念無念です。
ミドル版の聖の武器は「ヒマだよね〜ラチくん。」から引用させて
頂こうかと思ったのですが…すみません。
集計も前回の追加分からと思ったのですが全部やってしまいました。
辞めジュ版、ミドル版、他各職人さん(他扱いで申し訳ありません)
楽しみにしています。これからも頑張って下さい。
>>686 バトロワ集計人さん、いつもご苦労様です。
お話を読み進める上で参考になります。ありがとう。
集計人さん、毎度ありがとうございます。お疲れ様です。
莫大な量で大変な作業だと思いますが、ホントに感謝です。
今後とも、この鳥頭気味なミドル版の者を支えてください。頼りにしてます!
「ううっ・・・痛い〜・・・痛いよ〜・・・」
深い森の茂みの中で、赤西仁がうなされるように呟く。
「仁、大丈夫か・・・?」亀梨も心配そうに声を掛ける。
一応、止血はしてみた。ケガをした部分より上をキツク縛ればいいと
どこかで聞いた事がある。でも、それで傷が癒えるわけではない。
赤西のケガは予想以上に酷い。きっとこんなケガは、赤西にとっても
生まれて初めてだろう。まぁ、今まで銃で撃たれるなんてこと
当たり前だが無かっただろうし。
横たわって辛そうに目を閉じる赤西を、そばに腰掛けて眺めながら
亀梨は溜息を付いた。
もっと遠くまで逃げて、安心して隠れていられる場所を探したかったが、
こうなってしまっては仕方が無い。これ以上赤西を走らせることは、
亀梨にとっても胸の痛むことだった。もう、敵が来ないことを祈る
しかない。次に誰かに狙われたら、石田に襲われた時のように逃げ切れる
自信は無い。先程も、すぐ近くで銃声が2発聞こえた。こちらには
来ないで欲しい・・・そう必死に願うばかりだ。
「・・・うぅ・・・亀〜、・・・お前1人で逃げても、いいんだぞ?」
赤西が小さく頼りない声でそう言う。その顔には、苦痛に混ざって
寂しそうな表情が、うかがえる。
「・・・馬鹿、そんなことするわけないじゃん・・・」亀梨は怒った
ように呟き返した。
ふざけんなよ、仁。
2人で生き残ろうって言ったじゃん。
見捨てるわけないだろ。
俺が1人で逃げたって、そんなの何の意味も無いよ。
亀梨は心の中でそう呟き、雨でびしょ濡れになった髪の毛をグシャッと
両手で掻きあげた。何か、これからの対策を考えないと。
どうにかして、2人で生き残りたい・・・
雨の音に混じって、不意に茂みを掻き分ける音が、亀梨の耳に届いた。
また、誰か来たのか・・・?!
ど、どうしよう・・・どうしよう、どうしよう・・・
茂みのガサガサと揺れる音は、徐々に近付いてくる。亀梨は再び
震える手でエアガンを握り締めた。息を詰めて、音のするほうを
凝視する。腰まである草を掻き分けながら近付いてくるその人物は、
亀梨の存在に気が付いたのか、急にピタリと足を止めた。
ああ、気付かれてる・・・もうここまでか・・・
亀梨がそう諦めかけた時だった。茂みの向こうの人物が、こちらに
向かって声を張り上げた。
「そこにいるヤツ!・・・お前は敵か、味方か?!武器をこっちに
よこせ!俺を殺さないと約束しろ!」
亀梨は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。赤西も、寝そべっている
茂みから、頭を持ち上げる。
「・・・それ、どういう意味?!」亀梨も、声を挙げる。
「俺は戦う気はない、だからお前らも攻撃すんな、ってこと!」そう言いながら
ゆっくりとこちらに近付いてくる。「誰かさんの受け売りだけどね。」
森雄介は、なごやかな声音でそう付け足した。
「武器なんて持ってないよ!ケガ人もいる!助けてよ!!」亀梨は立ち上がり
森に駆け寄った。正直、この人をどこまで信じて良いのかなど、分からない。
しかし今感じている一握りの安堵感は、何物にも変えがたい物のように思えた。
亀梨は心細かったのだ。唯一の味方である赤西が怪我をして、どうすればいい
のか、もういい加減ドン詰まりの状況だったのだ。
森は手に持っていた銃をナップザックの中に仕舞い、亀梨と向かい合った。
「ケガ人?・・・誰に、やられた?」森が真剣な顔で亀梨に問う。
「・・・石田だよ。追われたんだ。デッカイ銃で・・・仁、腕撃たれて・・・」
森はフッと複雑な表情をして、草の上に寝転ぶ赤西の元へと近付いた。
「痛そうだな、赤西」森が困ったような笑みを浮かべて言う。
「・・・痛いに決まってんじゃん!!ふざけないでよ〜・・・」赤西が泣きそうな
声で言い返す。森は、赤西のそばにしゃがみ込んだ。
「こんな止血の仕方じゃダメなんじゃない?もっとギュッと縛らないと」
そう言って赤西の腕に巻いた止血の布を、素早く結び直す。
「うまいね、森君」亀梨が感嘆の声を挙げた。森の手を見ながら、
強力な味方を手に入れたような安堵に包まれる。
「教習所で習ったからね。応急救護」赤西の止血帯を巻き終えると、森は
すぐに腰を上げた。「なぁ、お前ら。この辺で銃の音、聞こえたんだけど
心当たり無いか?」森は交互に2人を見ながら尋ねた。
「銃声なら・・・2発、崖の上から聞こえたよ。すぐ近くだったみたい
だけど」亀梨は、すぐそばにある崖を指差して言った。先程自分達の
行く手を阻んだ崖だ。
「石田の銃の音?」森も崖の上に目をやる。どっから登れるかな?と1人
呟きながら。
「石田のじゃなかったよ。石田のは、もっと強烈だから・・・森君、
誰か探してんの?」亀梨は森の様子を見ながら言った。
森は、いや、とごまかすように頭を振り、赤西と亀梨に背を向けた。
「とりあえず俺もう行くわ。お前ら、まぁがんばれよ」あっさりとそう告げる。
「がんばれって・・・森君!」亀梨があまりに急なことに驚いて声を弾ませる。
森は再びガサガサと茂みを分けて、元来た道を戻って行った。
せっかく見つけた味方を、こんなにあっさり失うなんて・・・。亀梨は呆然と
して、遠ざかる森の背中を見つめた。
「・・・森君は・・・絶対誰かを探してるね・・・オレの予想では、
多分、福ちゃんか島田君か俊太だ」赤西が、ぼんやりとそう呟いた。
>>687さん、ミドル版職人さん、ありがとうございます(幸)
では、ロムラーに戻ります。
職人さん、私でよければ彼氏に(ボソ
でも女ですがいいですか?
崖の上がポンカン畑なのですね?(メモメモ
どこから登れるんだろう?って、
なんだか地図が欲しくなってきました。
今、取り敢えず紙に升目書いてみたりして。
よくよく考えてみたら、中丸ってボロボロ?
歯は抜けてるー、スネは貫通してるー、顔は腫れてるー。
でも、頑張れ〜。
>>697 の、覗いてきちゃいました…
すごかったです〜。これで闘ってると思うと
なんだかドキドキですね…!!
コルト・ガバメントを構えるアヒルを
実写で見たい〜。
狙い撃ちされてー!!!
あれブッ放してる石田を想像してみる・・・み、見たい!
見てきました・・・十手。
この十手を握る十手を想像したら色んな意味で泣けました(笑)<あ。
もう、森君は死んだんだ・・・。
マルも、死んだかもしれない・・・。
島田君も、きっと・・・。
俺、これから一体どうすればいいんだよ・・・?
福田悠太は放心したような表情で岩にもたれて座り、海の彼方を見つめていた。
このまま動かなかったら、先程のように滝沢にここを禁止エリアにされて
しまうかもしれない。そうは分かっていても、福田は動く気にはなれな
かった。ほんの少しの可能性にすがりついたまま、ここを動けないままで
いる。森が帰ってくると、心底では信じたまま。
もう一体どれくらいの時間が経過したのだろう。この砂浜で待っている
時間が、気の遠くなる永遠のように感じられた。
福田がそうやってぼんやりと時間をやり過ごしていると、
ふと、自分の真横を小さな小石が飛んでいった。
福田は、ビックリして肩を震わせ岩から身を起こす。
「・・・誰っ!!」小さく、悲鳴のように叫び、小石の飛んできた方に
素早く顔を向ける。隠れているのか、そちらには誰の姿も見えない。
「・・・誰・・・森君?」福田は慎重に立ち上がり、銃を握り直す。
敵だと判断したら、容赦無く撃つ。敵か味方か分からなかったら、
とりあえず相手の武器を取り上げる・・・福田が編み出した防衛法だ。
「・・・こっちだよ」岩の影から、小さな返答が聞こえる。
この声は・・・よく聞き慣れた声。
福田は眉間に眉を寄せる。
敵か、味方か・・・疑うことは、罪かもしれない。
福田はそっと、声を掛けた。
「・・・俊太君・・・?」
宮城俊太は、恐る恐る岩の影から顔を出した。
福田と目が合い、ぎこちなそうに笑顔を作る。
「・・・いつからそこにいたんだよ・・・?」福田は固い声で言った。
完全に警戒を解くなど、できない。いくら相手が慣れ親しんだ宮城だと
分かっていても、敵じゃないという確証は、無いのだから。
「ついさっきだよ。・・・なぁ、福ちゃん、撃ったりしないでね」
宮城は福田の手に握られた拳銃を見つめている。福田も、自分の拳銃と
宮城の顔を交互に見比べながら言った。
「俊太君も武器、隠し持ってんじゃないの?出してよ。俊太君が俺を
殺さないなんていう保証、ないじゃん」
「・・・そっか、そうだね」宮城はナップザックを探り、小さな拳銃を
取り出した。福田の物と、形が似ている。宮城はゆっくりと、その拳銃を
砂浜の上に置いた。確かめるように、福田の顔を見つめる。福田も宮城を
しばらく凝視した後、砂浜に並べるように銃を置いた。宮城は、やっと
安心したように溜息をついた。岩に寄り掛かり、福田を促す。福田も、
岩に寄り掛かって再び腰を下ろした。
「オレ・・・怖いんだ。今までずっと民家の近くに隠れてたんだ・・・
でも、禁止エリアにされちゃって・・・」宮城はポロポロと話し始めた。
「放送で聞いたよ」福田は、ぎこちなく相槌を打った。
「・・・それで、必死で逃げたんだ。逃げながら、考えた。いろいろ
考えたんだ。でも、どうにもならないんだ、って・・・結局、オレなんて
無力でさ・・・」
福田は宮城の話しを聞きながら、無言でうなずくばかりだった。
草木の間を必死で逃げる宮城の姿が、脳裡に思い浮かぶ。それに、自分の
姿が重なる。不安を抱えて、どうすることもできなくて、ただ逃げるばかりの
自分達・・・。
俺と俊太君は、結局似ているのかもしれない。
福田は心の中でそう呟いた。
「オレ・・・逃げる途中何度も思ったんだ。もう死のう、って。誰か
に追い駆けられて殺されるなんて、オレ耐えられないよ。かといって、
向かっていく度胸も無いし・・・。自殺しようと思った・・・。でも、
それも怖くてできないんだ・・・。頭に銃の先当ててみたりもしたん
だけどね・・・ムリだった。自分で自分なんて、殺せない・・・。
ここに来たのもね・・・海に飛び込んじゃえば楽かな、って・・・」
福田は、話しながらどんどんとうつむいて塞ぐ宮城を見つめた。
自分も、やみくもに銃を撃ってみたり、海に足を突っ込んだり、した。
宮城は今、自分の気持ちを代弁しているんじゃないか・・・そんな風に
考えられた。
「俊太君・・・ごめんね、俺、何て言っていいのか分からないよ・・・
気持ち、すごく分かるから・・・」福田も、宮城と一緒に頭を垂れる。
自分の弱さを、付きつけられたような気持ちだった。
不意に、宮城が岩から身体を離す。砂浜に並べて置いた拳銃を2つ
手に取り、戻ってくる。福田は予期せぬ宮城の動きに目を見張った。
宮城が、福田に拳銃の1つを手渡す。
「・・・福ちゃん、オレを殺してよ」
「・・・え?」何を言われたのか、福田は理解できない。ただ、手に
乗った銃の重みだけを感じる。
「・・・オレも、福ちゃんを殺すから」
「・・・」ますます分からない。混乱する。宮城の真剣な眼が、
鮮明に意識に焼き付く。
「・・・一緒に、死のう」宮城の声が、耳の奥を震わせる。
福田は、宮城の眼を見つめたまま、ゆっくりと薄く口を開いた。
唇の隙間を通る吐息のように、一言、呟く。
「・・・心中・・・?」
やっと出てきた自担は、シンメの心中っ…!?
あぁ…どうなるんでしょう〜。
シンメと・・・だね(笑)
あぁ・・・(おろおろおろおろ)
ひぃぃ・・・(どきどき)
ここらでちょっと話しを交差させます。
ややこしくしてしまうかもですが、ご了承下さい。
今日はもうちょっと進みます。気合入ってます。
嬉しいです。お待ちしてます。
頑張って下さい!
ずいぶん遠回りをして崖の上に登ると、そこは一面のポンカン畑だった。
咽るような果実の匂いが鼻を突く。森雄介は急ぎ足で畑の中を
進んだ。わだちには最近付いたと思われる足跡が、無数に残されている。
「島田ー!」森は思わずそう呼び掛ける。うまくいけば、島田がこの
畑の中にいるかもしれない。
地面に付いた足跡を追っていると、ふと、ある一部から不自然な
足跡が残されていることに気が付いた。左の足跡が、引きずるように
長く伸びている。ここで誰かがケガをして、逃げている・・・?
「島田ー!」森はもう一度叫び、その足跡の上を走った。
足跡はポンカン畑を抜け、海の見渡せる高台へと続いている。
そこで森は、必死に足を引きずる人物を見つけた。
「・・・中丸!」森は中丸雄一の後姿に駆け寄り、肩を支えた。
また島田では無かったことに、ほんの少しの落胆を覚えながら。
「森君!」中丸は驚いたように目を見開いた。「どうしてこんなとこに
いるの?福ちゃんは?俺、心配してたんだよ・・・」中丸は、前に見た
時よりも顔のアザがどす黒くなり、何本か歯が欠けているのも手伝って、
足を引きずる様はますます悲壮な光景だった。
「中丸・・・大丈夫か?その足も・・・誰にやられたんだ?」森は
中丸の足元にしゃがみ込み、傷の様子を見た。溢れる血が、靴まで赤黒く
染めている。森は自分のシャツの袖を強く引き千切り、中丸の傷の
すぐ上を縛った。
「ありがとう、森君・・・島田に、やられたんだ・・・」
森の手がふと、止まる。森は立ちあがり、中丸を見た。
「島田が、ついさっきまでそこにいたんだな?」
寝ずに待っております。今日会社で全て読ませていただきました。
圧倒的な筆力にただただ引きずり込まれて‥頑張ってくださいね〜
今日誰か死ぬのかな・・・。もう誰も死んで欲しくないけど、
でも話しは進んで欲しい!(葛藤)
ただただ感動です。職人さん頑張って下さい!
森の真剣な表情に、中丸は一瞬たじろぐ。
「・・・なんで?森君・・・島田を探してるの?」
「・・・うん、ちょっと、用事があるんだ。」森は考え込むように
首元に手をやる。「島田はどっちに行った?どこに行ったかわかるか?」
中丸はそんな森の様子を見て、複雑そうな顔で首を振った。
「・・・やめといたほうがいいよ。危険だと・・・思う」
「だから、やめさせるんだろ。」森は真剣な顔で、中丸を見た。
中丸は眉をひそめ、神妙な表情を作る。
「・・・わからないけど・・・もしかしたら、島田をやめさせられるのは、
森君なのかもしれないね・・・。島田、迷ってるみたいだった。
俺のこと殺さなかったのが何よりもの証拠だよね。・・・森君も、
頑張って・・・。」中丸はそう言って森を見据えた。「島田君はきっと、
海のほうに行ったと思うよ。俺、アイツがウッチー・・・内澤から銃を奪ったの
見てたけど、換えの弾丸までは奪ってなかった。きっと、それを取りに
行ったと思うな・・・。森君と福ちゃんが一緒にいた辺りだよ。だから俺、
ちょっと心配してたんだ・・・。でも、良かった。移動してたんだね」
それを聞いて、森は身体の上のほうから血の気がサッと引いていくのを
感じた。鳥肌が立つ。そのわりには身体の芯が奇妙にカッと熱くなる。
・・・ヤバイ。
悠太を置いてきた・・・!
考えるよりも先に、身体が動き出す。森は何を言う暇も無く走り出した。
「も、森君!!」
中丸は、その森の勢いに唖然とし、ただその背中を見送るばかりだった。
俊太、悠太…気を付けろ〜っ!
森くん、早く行って下さい(焦)
すごく無礼なお願いだというのはわかっておりますが・・
今日はここまでっていうのを教えて下さい。
もう・・気になって眠れなくて・・・わがままですみません。
自分で書いていてミス発覚です。
島田のヤツめ、今までに拳銃9発撃ってます。8弾しかムリなのに・・・(泣
暇潰しさんのを合わせると、10発も・・・。
・・・まぁ、ご愛嬌ということで。
ではまた明日。
でも島田の銃は弾切れの状態ですよね?
反対にあの2人は銃を持ってる・・・
意外に島田のほうが返り討ちにあってしまいそうだ・・・。
>>718 お前がミドルかよ!つっこまれる前に自分でつっこんどこう。
これは恥ずかしい間違いだ・・・。
今後は何らかの形で分かりやすく更新を終えます。
今日はもうお終いです。
ミドル版職人さん・・・藁タヨ!
なぜか森が死んでしまいそうな気がするのはなんでだろう・・・ドキドキ
職人さん今日もありがとうございました。
明日も楽しみにしています。
途中でレス付けるのも申し訳なかったので待ってました(笑)
ミドル版職人さん、待ってて下さい。
手術して貴女の元に戻ってきます。その時は・・・
もう離さない、側にいてくれるね?誰よりも大切にするよ。
アホでスマソ。
森・・・死なないで・・・
中丸もがんばれよ〜
職人さん、今夜も楽しかったです。
ここ見るのが日課になってます。
石田の行動エリアが気になる…。
イットも山から下りてきたら近いな…。
で、ロバはどこに行ったんだろう、気になる。
職人様、今日もガンガン進めちゃって下さ〜い!
はぁ〜・・・。森、産休。
新しいシャツを買ってやりたいよ・・・。
中丸、ロバに会うまで頑張ってくれっ!!
↑ただ単なるつぶやきです。職人さん、職人さんの思うがままに!
森頑張ってくれ!島田を頼む!
パンパン打ちまくる島田もかっこいいんだけど。けど。
このまま1人でいたらダメだあー(泣
宮城俊太は、福田悠太の眼を見つめながら、ゆっくりと深くうなずいた。
「一緒に死のう、福ちゃん・・・」
福田は、呆然と宮城を眺める。手に乗った銃が、急激に重く感じられる。
「・・・ど、うして・・・?」声が緊張している。カラカラに乾いたように
掠れた声が咽喉から漏れた。
「・・・じゃあ、福ちゃんは、自分の将来に希望が持てる?今この状態で、
先が見える?」宮城はゆっくりと福田に近付いた。福田は、思わず後ずさり
する。「オレ達いずれ誰かに殺される。誰かを殺すかもしれない・・・
だったらオレ、今、福ちゃんに殺されても・・・」
「・・・ちゃんと・・・生きなきゃダメだよ・・・」福田は震える声で小さく
呟いた。森が、自分に残していった言葉だ。そうだ、俺はちゃんと生きなきゃ
いけない。いけるとこまで、生きなきゃいけない・・・
「ちゃんと生きるって、どういうこと?今、福ちゃんはちゃんと生きてるの?」
宮城が強い口調で問いかける。また1歩、福田に近付く。
福田は言葉に詰まり、宮城から目をそらす。
・・・確かに、俊太君の言う通りかもしれない。こんな風に怯えてて、
一体何になるっていうんだ?森君は・・・もう帰ってこない。いずれ・・・
誰かに殺されるんなら、ここで俊太君に・・・殺されても、一緒じゃないか。
宮城は、怯えたように視線を泳がせる福田のすぐ間近まで近付き、
強く力を込めてグッと抱き締めた。福田は呆然と、宮城の身体の温度を知る。
これが、生きている人間の温かさ・・・。
生きてるって、証拠・・・。
宮城は、サッと福田から離れた。3,4歩、そのまま足を進める。
「さぁ。もうお別れだよ、福ちゃん」
宮城の凛とした声が、砂浜に響く。
鼻腔をくすぐる潮の香りが、雨の湿った匂いを覆い隠す。
島田直樹は、不気味に荒れる海に目をやった。
足元には、内澤祐豊の死体。元々は動いていたとは思えないほど
真っ青に変色し、目はカッと見開きどこかを眺めたままだ。
島田は、ゆっくりと内澤に目を落とす。
自分が、初めて殺した人間。
ここから、全てが始まったんだ・・・。
島田はスッと内澤のそばにしゃがみ込み、ペシャンコになって転がっている
ナップザックに手をやった。
中から、銃弾のケースを取り出す。
島田は、無言でそれを見つめた。
換えの銃弾が無いということには、途中から気付いていた。
取りに行かねば、と思いながらも伸ばし伸ばしにしていた・・・
弾が切れたらその時だ、とどこかで諦めの気持ちがあったのかもしれない。
島田はケースを開け、銃弾を取り出す。
手に握るコルトガバメントに、1つ1つ積めてゆく。
・・・もう、俺は迷わない。
生き残るためなら、心なんていらない。
俺は、鬼になったって構わない。
着弾を終え、顔を上げる。その島田の冷たい眼がとらえたのは、
遠くにある小さな2つの人影だった。
「オレは今から福ちゃんを殺すよ。だから福ちゃんも、オレを殺して。
せーので一緒に引金を引こう。ちゃんと、胸を狙って。ハズしちゃダメ
だよ!?」宮城俊太は大きな声で福田悠太に言った。顔には、笑顔を浮かべながら。
「・・・ムリだよ、俊太君!」福田は途惑いながらそう叫んだ。「やっぱり
そんなの、怖くてできないよ!!」
「大丈夫だよ、福ちゃん!1人じゃないんだよ?!一緒に死ぬんだから!」
宮城はそう言って、銃を下に向けて撃鉄を降ろした。
「俊太君・・・」福田が、その宮城の動作を見ながら、頼りない声を挙げる。
「大丈夫だよ、福ちゃん!」宮城は、福田を励ますような口調でそう言った。
福田は宮城を見つめた。目に映るのは、宮城の笑顔だけ。鮮明に思い出される、
宮城の体温のあたたかさ。
生への執着、死への不安、自分達のやろうとしていることへの恐怖。
福田は、小刻みに首を振り、呟く。「・・・やっぱり、できない」
「福ちゃん!」促すように、宮城が名前を呼ぶ。
パーーン!
パーーン!
急に、連続した2つの破裂音が、海を震わせた。
「・・・え・・・?」
自分達が、銃を、撃った?
・・・違う。
嗚呼神様・・・チビ2人をお守りください。
森・・・島田を救ってあげて下さい。
「あ・・・あついっ!!」気が付くと福田は、そんな言葉を発していた。
胸の下に、熱の杭を打ち込まれたような感覚。そこから、身体中に熱い
痺れが広がる。銃を落とし、その部分を抑えてみる。熱を持ったその部分は
赤い血を吹き出している。「うわああああ・・・」震える唇が、奇妙な言葉を
発させる。福田は、その場にぐしゃりと潰れるように倒れ込んだ。
目の前に、宮城の苦しそうな顔が見える。「・・・ウウッ!!」と噛み締める
唇の隙間から、声を挙げている。
・・・どうして・・・?
・・・俺、撃ってないのに!!
なんで俊太君まで倒れてるの・・・??
福田はガクガクと震えながら、砂の上から頭を持ち上げた。砂浜の向こうに、
直立する1つの影。銃を構えた腕。頬に張り付いた、長い前髪。
島田直樹だ。
「・・・し・・・しま、だくん・・・島田君・・・!!」福田は驚愕と
身体を襲う熱さに打ちひしがれながら叫んだ。
・・・どうして、島田君が!?
・・・どうして俺達を殺すの??
・・・あんなに・・・俺達のこと、かわいがってくれてたじゃないか!!
「・・・しま・・・だ・・・くん」宮城も声を挙げる。苦痛に目を
きつく閉じながら。
「島田君っ・・・なん、で・・・?!どうしてっ・・・!!こんなの・・・
ヒドイよっ・・・!!」福田は叫ぶ。泣きながら島田を責める。
島田は、その声から逃げるようにサッと踵を返し、2人の前から逃げた。
「・・・しゅ・・・しゅんたくん・・・」
福田は、囁くような声で呼び掛けた。
死なないで・・・俺も死にたくないよ・・・だから、死なないで・・・。
「ふく・・・ちゃん・・・?」宮城も、弱々しい声で福田を呼ぶ。
「・・・しゅんたくん・・・痛い・・・?」
「・・・ううん・・・重い・・・ぼーっと・・・してるよ・・・」宮城が
まどろむように呟く。その声を聞きながら福田は、もう自分達にはいくらも
時間が残っていないのだ、ということをぼんやりと思った。
「・・・俺も・・・俺は・・・熱いよ・・・なんか・・・熱い・・・。
撃たれても・・・痛くない、んだね・・・ビックリしたよ・・・」自分の声が
小さくなってきているんじゃないかと、不安だった。ちゃんと、宮城に
届いているかどうか。
「・・・大発見・・・だね・・・」か細い息に途切れながら、宮城もそう
答える。その口に、宮城はフッと笑みを作った。
「福ちゃん・・・ごめんね・・・一緒に死のうって・・・言ってごめんね・・・
でも・・・やっぱり・・・・よかったよ・・・一緒に、死ねるのは・・・
心強い・・・」宮城の声が掠れる。どんどん、遠くなる気がする。
「俊太くん・・・俺のほうこそ・・・。こんな風に・・・島田くんに
殺される、なら・・・しゅんたくんに・・・殺されたかったな・・・」
福田は、まぶたが急激に重くなるのを感じた。もう、目を開けていることすら
できない。宮城の、姿も見えない・・・。閉じた目から、涙が零れた。
「・・・しゅんたくん・・・そこに、いるよね・・・?」
「・・いるよ・・・ふくちゃんも・・・ちゃんといるね・・・」
2人は、お互いがそばにいるのを確認した。福田は、まぶたの裏に宮城の顔を
思い浮かべる。初めて会った時から、今さっきの苦しい顔まで、いろんな
瞬間の宮城を。
・・・こういうのが、走馬灯っていうのかな・・・。
・・・思えば昔からずっと・・・俊太君は俺の近くに、いたんだ・・・。
・・・俺達・・・死ぬときまでシンメだったね、俊太君。
「・・・おれたち・・・最高のシンメだよね・・・しゅんたくん・・・」
「うん・・・ふくちゃん・・・これからも・・・ずっとね・・・」
【福田悠太 宮城俊太死亡 残り 8人】
だーーーーーーーーーっっっ!!(号泣)
この後に及んで福茶が主役だなんて、言い張るつもりはありませんが、
こんなことになってしまいました・・・。
まぁ、この場面はこのバトロワを書くにあたって
一番初めに思い浮かんだ場面だし・・・なんでもアリってことで。
久々に殺してしまいました。担当の方、ごめんなさい。
な、何故か福ちゃんは主役だと思いこみ・・
この二人は殺されることはないと思っていた・・。(号泣)
職人さん、続き頑張って下さい!
担当外ながら、泣きそうになりました・・・。
俊太と福ちゃんは永遠のシンメ決定ですーっ!(号泣)
ああ、切ない切ない切ない∞…
今夜ばかりは、島田を恨むモードになっちゃったなぁ。
あと何人、島田の凶弾に倒れるんだろう。
森にーさん、早く島田を見つけてやって下さい。
あ〜〜〜〜〜!!!福ちゃん・・・(泣)
こんな時間に泣いたら明日目がはれるのにぃ〜。
・・・はやく自担に死んで欲しいと思う今日この頃・・・。
これ以上人殺して欲しくない。
感動しました〜。号泣です。
職人さん、本日もお疲れさまです!
あぁ大御所、早く自担を楽にしてやって下さい・・・。
本当の鬼になってしまう前に・・・。
う〜せつない〜。
・・・・・・・・島田・・・・・・・・・・
ミドル版が生まれてから1ヶ月過ぎましたね〜
福茶が主役だと私も思い込んでいましたよ
ますます先が読めなくなって面白いです!
シンメ話、羨ましかった・・あ〜ロバ丸・・
大御所ーーーーーーっ!!
早くアヒルを探してくれーーーーーっ!
そしてーーーーーーーー!
・・・中丸、ガンバッ(藁
職人さんが予告してた悲惨なめに遭って死んじゃうひとって
なんとなく分かってたけど、やっぱりあの子達だったのね。。。
よわよわ自担(笑)可愛かったし相方と共に死なせて頂いて
とっても嬉しかったです。ありがとうございました。
これからも楽しみにしてます。
あ、ありがとうございました…。
担当じゃないけど、こんなに感動したの久しぶりです。
いつも楽しく拝見しています。これからも頑張ってください。
職人さんお疲れさまです。
辞めジュ版の職人さんの復活を願っている者
です。気が向いたらで良いので是非続きえを
書きにいらしてくださいね・・・。
お待ちしてますよ〜!
我が担当・俊太くん、そしてシンメ・悠太くん。
いつまでも2人仲良く・・・。
職人さん・・・泣きましたッ!
2人一緒で、私としては安心です。
職人さん、毎日楽しみにしてます。
とうとう福ちゃんが…自担ではないけど悲しかった…。
でもふたり一緒にっていうのはこの中ではまだ幸せなのかな。
私も辞めジュ版の職人さんが帰ってこられるのをお待ちしています。
続き書いていただけると嬉しいです。
751 :
ユーは名無しネ:2001/07/01(日) 23:09
職人さんいつもご苦労様☆
最後がまちどうしい!!
あ〜、はやく続きが見たい!!
ところで、残り8人だけど誰が残ってるの?
>>751 赤西・石田・伊藤・上田・亀梨・島田・中丸・森
この中で無傷なのって伊藤と亀梨だけ?
今日は少々長くなるかもしれませんが、
あたたかい目で見守ってやって下さい。
ちなみに今日は、なんとなく名前の欄にコメントは控えさせていただきます。
では、いきます。
遅かった・・・。
何もかも、遅かったんだ・・・。
森雄介は砂浜にひざまずき、荒く息を吐き出した。
目の前には、横たわる福田悠太と宮城俊太の姿。福田は胸元から、
宮城は背中から血を流し、お互い向かい合うように倒れている。
陶器のように白く、ピクリとも動かない2人。死んでいるのは一目瞭然だ。
「悠太・・・宮城・・・」
森は砂の上に額を押し付け、突っ伏した。
悠太・・・ごめん・・・。間に合わなかったよ・・・。
俺のせいだ・・・。ごめん・・・。
宮城・・・お前も・・・悪かったな・・・。
ちっとも助けてやれなかった・・・。ごめん・・・。
森は唇を噛み締め、目を細めて首を振った。
滲みそうになる涙を、振り払おうとする。
・・・涙?
そんなものより、今俺にはやらなければいけないことが、あるだろ・・・。
森は身体を起こし、再度福田と宮城の変わり果てた姿を見つめる。
身を切るような、悲しみ。
込み上げる、憎しみ。
抑えきれない、怒り。
もやもやと渦巻く、途惑い。
嵐のように吹き荒れる感情の中で、森は自分の両腕を強く掻き抱いた。
ゆっくりと、立ちあがる。
1つの決意を胸に。
林の中を、ザクザクと荒々しく進む。
島田直樹の顔からは、およそ表情らしい物が消えている。
自分の全神経の、全てを麻痺させる。
何も、感じない。何も考えない。何も聞かない。何も見ない。
ただ、歩く。とにかく、前に進む。
後ろは絶対に見ない。自分のしたことも、振り返ったりしない。
俺は、鬼だ。
悪魔だ。
それでいい。
そんなこと、どうだって構わない。
俺が悪いんじゃない。
このゲームが悪いんだ。
誰も俺を裁いたり、できない。
自分に、そう言い聞かせる。島田は表情を無くし、感情を無くし、
とにかく先を急ぐ。
何かに、追われるように。
バーン!!
木々の合間に木霊する、銃の爆発音。
島田は、その足を止めた。
・・・・・・何が、起こった・・・?
閉ざしていた感覚が、もやもやと頭をもたげる。
耳に戻る、木々のざわめき。肌を射す、雨の冷たさ。眼に焼き付く、
緑の青さ。鼻につく、火薬の匂い。
島田は、ぎこちなく後ろを振り返った。
そこには、森雄介の姿が、見える。森の手の中の銃から、立ち込める煙。
「・・・森君」島田が、呟く。震えた声で。
背筋を、熱い液体がゆっくりと流れてゆく感触。
「・・・森君・・・!」島田は、顔を引き攣らせ、もう一度名を呼んだ。
痺れるような激痛が、出し抜けに島田の神経を襲う。
身体中の感覚が、一挙に背中の一点へと集まる。
島田は目を見開き、森の顔を凝視した。森も硬直した顔で、島田を一心に
見つめている。
「・・・森君・・・・・・どうして・・・」瞬きをするのも忘れ、森を
見る。
「・・・気持ちが、分かるか?」森は感情を抑えた低い声を吐き出した。
「お前に撃たれた悠太と宮城も・・・同じ気持ちだっただろうな」
「・・・森君・・・」島田は、糸が切れたようにその場にひざまずいた。
手に握っていた拳銃が、濡れた草の上に転がる。島田は、それを見つめる。
・・・撃たなきゃ。
森君を・・・撃たなきゃ。
俺を撃ったヤツをこのままにしておくなんて、許しちゃ駄目だ・・・!
島田は、心の中でそう叫ぶ。しかし、身体が動かない。撃たれた傷のせい
ではない・・・相手が、森だからだ・・・。
・・・だから、イヤだったんだ・・・。
俺は、森君には会いたくなかったんだ・・・。
こんな俺を・・・この人には見られたくなかったから・・・。
この人の前では・・・俺は、かなわないから・・・自分の弱みまで見抜かれて
しまうのが分かるから・・・。
愕然と、ひざまずく島田に、森は少しずつ近付いた。島田は、その気配に
脅える。しかし、逃げることすらできない。背中が・・・心が、重くて
動けない。島田は、咳き込むように血を吐き出し、頼りなく顔を上げた。
森は、ゆっくりと島田の前へ膝を付いた。
「殺したヤツの名前を・・・1人ずつ言っていけ。」森は厳しい眼で
島田を見つめている。島田も、森を見ている。涙で濡れた眼で。
「・・・森君、俺・・・」島田が、掠れた声で森に訴えかける。森は
それを制した。
「言えよ・・・。俺は、長谷部を殺してしまった・・・事故だったけど・・・
悔やんでるよ。だからお前も・・・殺したことを、悔やめ・・・」
森の眼は切実で、島田の心を拘束して離さない。島田は、震える唇を
動かした。
「・・・う、内澤・・・東新・・・小山・・・松崎・・・・・福ちゃん・・・
宮城・・・」島田は、言いながら徐々にその場に突っ伏する。身体が、
痙攣のように震える。「・・・・・・・・・ごめんなさい・・・」
森は、そんな島田の肩にそっと手を置いた。
「・・・辛かったな。・・・もう、終わりにしような」
森の優しい声が、島田の頭上に響いた。
そうだ・・・俺は、本当は・・・辛かったんだ・・・。
それを隠して・・・生き残る為に、前に進むために、それを隠して・・・
俺はこの島に来てからずっと・・・無理してたんだ・・・。
俺はホントは・・・強くなんか無い・・・。強くなんか・・・全然無い・・・。
ホントは誰かに、助けてもらいたかったんだ・・・。
1人でいるのが、怖かったのは・・・俺だ。
きっと俺は・・・この島で一番の、臆病者だったんだ・・・。
「・・・ありがとう・・・森君・・・終わらせてくれて・・・
良かった・・・」
島田は、掠れた声でそう呟いた。そのまま、ゆっくりと横倒しに倒れる。
森は、ずっとそばにいた。ただ黙って、ずっとそばにいた。
・・・この島で、一番初めに会ったのが森君だったら・・・俺も少しは
違ってたかもしれないな・・・。ああ・・・こんな気持ちで死ぬんだったら
・・・萩原のハンカチ・・・ちゃんと持っとけば良かった・・・。
アイツに・・・返せないままになっちゃうな・・・。
ごめんな、萩原・・・ごめんな、みんな・・・
ありがとう、森君・・・
【島田直樹死亡 残り 7人】
760 :
ユーは名無しネ:2001/07/02(月) 00:24
とうとう死んじゃったね。目がウルんだよ!!!
職人さん、もっとシャカリキ書いちゃって下さい!
>>760 ここはsage進行でお願いします・・・。
うわあ・・・
なんてこったい・・・
なぜにageるの・・・
上げ荒らしとしか思えない・・・煽り臭い書込み方。
確か数時間前もあったわね、そういうのが・・・。
765 :
ユーは名無しネ:2001/07/02(月) 00:27
ごめんつぁい・・・
ごめんつぁい…とかいいつつageるな・・・・
新聞配ろうっか・・・
まいど〜、報知新聞で〜す
森は、島田の横で愕然と肩を落としたまま、ずっと座っていた。
とうに死んでしまった、島田。頬や唇から、時を追い越すような速度で
赤味が引いてゆく。福田や宮城のように、陶器のような塊に変化してゆく
島田の死体・・・。
「・・・ホントは、殺したくなんて無かったよ・・・」森は、ぼんやりと
呟いた。
殺す気なんて無かった・・・島田を必死に探して、見つけて・・・
殺そうなんて、考えてたわけじゃ無かった・・・。
でも、どうしても許せなかったんだ・・・。
俺だって人間だ・・・何もかもを許せるわけじゃない・・・。
悠太と宮城のことが頭に浮かんで・・・どうしても許せなかった。
それだけ、お前は罪なことをしたんだ、島田・・・。
俺に裁く権利なんて、無いのかもしれないけど・・・。
話し合いで・・・やめさせようって思ってた・・・でももう、
何もかもが手遅れだった気がするよ・・・。
お前を・・・偉そうな言い方かもしれないけど、救いたかった。
なのに・・・俺はこんな極端なやり方しか、できなかった。
お前を止めるには・・・俺の気が済むには・・・こうするしかなかったんだ・・・。
「ありがとう」なんて言うなよ。
俺はお前を殺したんだぞ・・・?ありがとうなんて、言うなよ・・・。
ごめん・・・島田。
ごめんな、島田。
時が、駆け足で過ぎてゆく。森を、島田の横に残したまま。
重く黒い雲は夕暮れの空を覆ったまま、雨を降らせ続ける。
二度目の夜が、近付いている・・・。
あっ新聞屋さ〜ん、こっちこっち!
今日はここまでです・・・今日は持てる力を全て出し切った・・・。
燃え尽き症候群。明日は1日休みます。続きは火曜の夜ということで、
すみませんがご了承下さい。では・・・。
ありがとうございました。
物凄く泣きました。
あさっての復活を楽しみにしてます。
森君と島田が会えてよかった。
島田に戻ってからで良かった。
本当にありがとうございました。
職人さん、本当にお疲れさまでした。
今日も楽しませていただきました。
ゆっくりお休みしてください。
おつかれさまでした!
見せ場でしたな。
いえいえお疲れ様です。マジ泣きました・・・
リフレッシュして下さい。
お疲れさまでした。
素晴らしかったです。ゆっくりしてください。
ミドル版職人さん、お疲れ様でした!!
本日も泣かせていただきました…。
ありがとうございました。
火曜日のお越しをお待ちしておりますね。
職人さんありがとうございました。
泣きました…ホントに。
島田にはもう人殺しをして欲しくなかったので、
いっそ…って思ってましたが、実際死んじゃうと悲しい。
悲しいけど、心を取り戻してくれて嬉しかったです。
森くんありがと…(涙)
今までさんざん泣かされてきたけど(笑)
今日は一番泣きました…。
「・・・辛かったな。・・・もう、終わりにしような」
サイコー…(号泣)
今までロム専だったんですが初の感想を……。
パソコンに張付きながら号泣しました……。
島田が救われて良かった……。
職人さんありがとうございます。
火曜日を心待ちにさせてもらいます……。
島田・・・自担殺したけど、謝ったから許す(泣)
感動しました!
辞めジュ版さんをしつこく待ってるのって私だけ?
いや、みんな待ちながら楽しんでるんでしょ。
職人さん、本日もありがとうございました。
大御所、自担を救ってくれて本当にありがとう・・・。
今回の話は読み終わってから、ものすごくジ〜ンときちゃいますね。
やっぱスゴイよ職人さん!
謝る島田にきました。
そしてその後、森に礼を言う島田に更にきました。
もうすぐミドル版終わっちゃうのかと思うと寂しいです。
>>782 私も待ってますよ。
元自担がまだ出てきてないんです…気になって…。
今何人生き残ってるんだっけ?
>>787アヒルが死んだところに書いてあると思われ…
赤西、石田、伊藤、上田、亀梨、中丸、森の7人?
この中でやる気なのが石田と自担(ワラ)
火曜の夜が待ち遠しいです。
職人さま今回もお疲れさまでした。
仕事中だというのに、涙が止まりませんでした。
島田が最後に森雄と出会えて良かった〜。
中丸、早く上田を見つけてやって!
あぁ上田の事が心配でしょうがない・・・。
馬鹿なので、やっと気づいた・・
森が怪我人に会う度に
「誰にやられた?」っていちいち聞くのは
なんでなのー?と思っていたが、やっとわかりました・・・
今後こうなって欲しい、みたいなのあるけど
職人様のお好きなように・・・
楽しみにしております。
いちいち「誰にやられた」って確認して、
島田の名が出るたび、どんな気分だったんでしょうね…森君。
なんだかますます切ない気もちになってしまふ。
この職人さんは最後までちゃんと書いてくれるから
好きです。更新のペースも速いしこっちからしたら
凄くうれしいです。職人さん、ありがとう。
彼氏と別れちゃっても何かここでいっぱいファン出
来ちゃいましたね(W
794 :
東山:2001/07/03(火) 10:17
_____\
、___─ ̄  ̄yヽ
.彡 / \
彡彡 ///⌒Y^\ |
彡彡//───┬|
| | ━━━━━ | | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽト ̄ ̄| ̄ ̄フ|/ ./
| | |_ | | ./>職人さん
\| ── |/| < 以後頑張ってほしい!
___| ヽ──イ | \ 期待してるよ!
__// | / \ \
/ ̄/ ./ ___─ ̄ ̄ ̄─Y .\____________
./ | | __/.___─ ̄ ̄ ̄─ \
丿 |___|/ __/ /⌒| .ヽ
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/ | ヽ ̄ __/( ̄____ )___ ノ .|
.| ( | ̄| ( ̄____ .)  ̄ ̄ |
| (⌒| | \ | /
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795 :
ユーは名無しネ:2001/07/03(火) 11:32
昨日一日で、最初から今までのミドル版読んでしまいました!!
職人さんあと、残り少ないですが、頑張って下さい!!
私的にイットモ好きです!
ロバマルは絶対会わせてあげて欲しいし、ジンカメもガンバって!って
感じですわ、
自担は関西なんで、出てませんけど、ミドルも大好きなんで楽しんでます!
sageられない人って「!」の多様が・・・
いわゆる○房ってことですかね。
ホントにもう。。。
もし職人さんがこれほど心の広い方でなかったら、続きが読めなく
なっちゃうかもしれないのにね。
今夜は続きが読めるんですね…
うわぁ、夜まで待てない!!
でも、夜までにとりあえず引越しかしら。
職人さん待ちsage〜。
このままミドルはこのスレで終わるかしら?
1000まで行かせて頂いたらご迷惑でしょうか?
>>712が・・・(反省)こちらからお願いします。
おぅ!1日休んでたら新スレに移動してましたね。
このスレだけで終わらせるつもりが、意外と長くなってしまって・・・。
実際、初めのほうで書いたように、物語の中だとしても殺すのが辛くて、
本気で挫けそうになったこともありました。でも皆さんのあたたかい声に
励まされ後押しされ、なんとかここまで来れました。本当に皆さんに感謝です。
スレの終わりだし、今まであまり感謝のレスを返せなかった分、ここでお礼を言わせて下さい。
とにかく最後まで(どんな結果になろうと、ね)書ききろうと思います。
では、新スレにいかせていただきます・・・。長レススマソ。