バトルロワイアル@関西Jr限定Part1

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1ユーは名無しネ
関西Jr限定のバトルロワイアルが読みたいし、書きたいなとか思ったのですが
横山と村上しか判らないし…つー訳で職人皆さんのお知恵を借りたいと思います。

<基本設定>
登場人物は関西ジュニア。(20名以上いないと話にならないが名前が思い浮かばない)
渋谷すばる/横山裕/村上信五/錦戸亮/内博貴ほか西5/大堀/福原他
進行役はKinkiKids、TOKIOの城島茂、V6の岡田准一を想定。もちろんジャニー喜多川でも可。
2ユーは名無しネ:01/12/01 11:06
どうかんがえても現役で名前とキャラが一致するヤツが出る20人もでてこないので

★★★★★★★★★★★★★終了★★★★★★★★★★★★★
3ユーは名無しネ:01/12/01 12:03
>内博貴ほか西5
後輩ヒヨコの影で省略されてしまう4人にワロタ。
4ユーは名無しネ:01/12/01 13:29
よかった。自担は名前書いて貰えてる(ワラ)
5ユーは名無しネ:01/12/01 13:42
いっそKTKメンバーも入れてしまうのはどうだろうね
6ユーは名無しネ:01/12/01 14:05
>5
いいかも
でも牧山雄亮はもう、別芸名で活動してるからはずして。
7ユーは名無しネ:01/12/01 14:10
>1
一度関西Jrを出してバトロワを書いてみたけど、すぐに挫折した。
8ユーは名無しネ:01/12/01 14:46
KTKメンバー懐かしい…じゃあ魚谷や呉村もあり?
9ユーは名無しネ:01/12/01 14:51
名前は変わってるけど個人的にありにして欲しい…
辞めジュ入れるのありできぼーん
10ユーは名無しネ:01/12/02 21:53
では、辞めジュも入れてもいいということで、よろしく(他力本願。何せ当方関東在住にて関西Jrよくわからん)
11ユーは名無しネ:01/12/02 22:15
大倉忠義はこの日、いつもと変わらない朝を迎えていた。
あまり胃がうけつけないので、朝ご飯は抜き。
「行ってきまーす。」
誰に言うでもなく、ボーっとする頭のまま、家を出た。
「行ってらっしゃい。」
という母の声を遠くに聞きながら。

家を出て早々に、パンツのポケットにつっこんでいた携帯から振動が伝わった。
「誰やねん、こんな朝早く・・。」
そう思いながら画面表示を見ると
「事務所」
そういえば、ここ最近見なかった文字だ。
「・・・はい?」
何の用か全く思い当たらなかったがとりあえず出てみると、
「おはようございます。大倉くんですね。至急の仕事です。
 集合は京都タワー前。すぐに来て下さい。」
と、無機質な女の声が聞こえて来た。
「は、なんの仕事っすか?」
大倉の当然な疑問には答えず、電話は切れた。
「はー!?ちょ、待てや。こっちの予定も考えろやー。」
大倉は道端で一人キレたが、久々の仕事を無視することも出来ず、とりあえず誰かに電話することにした。
12ユーは名無しネ:01/12/02 22:22
「・・誰に電話すればええんやろ。」
携帯を見つめながら、大倉はしばし考えた。
「俺、友達おらへんな。」
思わず苦笑する。
「まーしーやったら声かかってへんかもしれんしなあ。」
そんなことをしばらく悩んで出した結論。
「あ、もしもし大堀くん?」
朝の光りが目に少しまぶしかった。
「今電車の中やねん。あ、おまえも電話かかって来たん?
 俺、今向かってんでー。」
電話の向こうの大堀の声もだいぶ眠そうだった。
「一緒行こうやー。」
大堀と一緒の仕事だとわかって、大倉の顔は自然と笑った。
「ええでー。」
短い会話の直後、大倉は駅へと走り出した。眠気はどこかへとんだ。
13ユーは名無しネ:01/12/02 22:28
やるなら、sageでやってくださいな。
荒される覚悟があるのなら、ageでもいいけど。
14ユーは名無しネ:01/12/02 22:40
京都駅に着いた早々、二人は停まっていた観光バスに乗せられた。
バスの中にいるメンツを見て、驚きの声をあげずにはいられなかった。
「あ、大樹やん。」
大堀の声に一人の少年が反応して、人懐っこい笑顔を見せた。
「え、なんで?なんで土山くんおるん??あ、松尾くんもおる。」
大倉の頭の中はパニックに陥っていた。
「これ何の仕事やのん?」
大堀は知らないと言われるであろうと思いつつ、田中大樹に尋ねた。
「えー、なんか郵便来てへんかった?俺、文章見てもイマイチわけ
 わからんかってんけど。」
そう言って大樹はまた笑った。
「郵便?」
大堀が訝しそうに首をかしげると、大樹は「これこれ」と言いながら
胸ポケットにグシャグシャに入っていた一枚の紙を取り出した。
15ユーは名無しネ:01/12/02 22:41
職人マンセー
16ユーは名無しネ:01/12/02 22:45
気持ち悪いのでさがってから開始してください。
17ユーは名無しネ:01/12/02 22:53
その内容は…
18ユーは名無しネ:01/12/03 02:44
つーか、リレーでやるなら、
ある程度のルール決めないと
収拾つかなくなると思われ。
19ユーは名無しネ:01/12/03 02:52
リレーなの?とりあえず先に倣って通し番号くらいつけてもいいのでは。
20ユーは名無しネ:01/12/03 02:56
本家のリレー版はかなり話し合ってたよね。
6後半くらいだったと思う。html化されてるはずだし参考にしてみては?
21通し番号をつけよう:01/12/03 07:11
11の名前欄は「リレー1@謎の呼び出し」、12の名前欄は「リレー2@大堀も?」、
14の名前欄は「リレー3@意外な再開」ということで
…次書くのなら「リレー4@????」てな感じで。
内容にあった副題をいれるともっといい。本家のリレー版参照のこと。

お約束として1の他に
・リレー進行でいく。
・関西ジュニアであれば辞めジュもOK。
・基本的にsage進行。
…てな感じでどうでしょう?
2221だけど間違えた…鬱:01/12/03 07:44
(誤)14の名前欄は「リレー3@意外な再開」ということで
(正)14の名前欄は「リレー3@意外な再会」ということで
…ですな。また始まってどうする…
23ユーは名無しネ:01/12/03 08:39
本家と紛らわしいので「関西リレー版・数字@〜」の方がいいと思う。どう?
24ユーは名無しネ:01/12/03 08:45
始まった…でも関ジュ名前ちっとも判らないので、
どういう人間模様が見られるのかが楽しみ(本家版みてジュニアの区別がつくようになった)。
25ユーは名無しネ:01/12/03 11:02
とりあえずsageでマタ−リいきましょう。
楽しみです。職人さんたち頑張ってくださいませ。
26ユーは名無しネ:01/12/03 21:47
本物のバトロワも本家スレも興味ないけど、
関ジュ好きだから、来てみたら、
松尾とか土山とか大樹の名前が。
これから、チョト楽しみ。
職人の方、ガンバレ。
27ユーは名無しネ:01/12/04 00:03
私も関ジュ大好きだから、楽しみ。
しばらくロムって状況把握できたら参加するかも。
とりあえず、職人さん頑張ってね。
28ユーは名無しネ:01/12/04 21:28
錦戸君も出して欲しいな〜。
がんばれ。
29ユーは名無しネ:01/12/04 22:13
>28
そう思うんならsageてね。
30ユーは名無しネ:01/12/05 00:11
昨日あたり関西関連のスレにここのリンク貼りまくられてたね…
もう少しスレが育ってからにしてほしかったよ
ここの住人さんにしても、貼られたスレの住人にしても…
大堀は大樹から紙を受け取ると、そこに書かれている文字を
じっと眺めた。
「・・SHOW TO SHOW2002年inUSJ」
最初の一文を読んだだけで、眩暈を感じずにはいられない。
「何これ、俺こんなん知らんで。」
横から覗きこんでいた大倉は素っ頓狂な声をあげた。
「えー、知らんと来たん??」
大樹が不思議そうに尋ね、
「うん。仕事やって電話かかって来てん。」
大倉は、そう返事した後、少し気まずい思いに陥った。
32リレー5@全員集合:01/12/05 18:08
「なあ、なんでなん?こんな仕事みんなやりたいん?」
だまってしまった大倉に対して、大堀は言葉を続けた。
「おぉー!アギトが来たでー!!」
その時、前の方から歓声があがった。
「俺はギルスやっちゅうねん。」
そう叫びながら現れたのは牧山だった。
相変わらず、センスはいいのだが、えらく派手な服を着ている。
「牧山くん!!良く、スケジュールの都合ついたな!」
高黒の嬉しそうな声に
「だって、同窓会なんやろー?俺が参加せんでどうする!」
という得意気な牧山の声。
「同窓会・・?」
大堀の疑問の声は、ドアが閉まり、バスが出発する音とともにかき消された。
33ユーは名無しネ:01/12/05 20:49
面白そうな人選、展開!どきどきしながら待ってますわ
ロムラー一人追加。職人の皆様、頑張ってください〜
窓枠に肘を掛けて外を見ていた大西に気がついて
バスに乗り込んだそうそう粟島はさっさとその隣りに座った。
「…瑞…か」
断わりもなく隣りに座った粟島に、大西は小さく吹き出すように
笑った。笑われた粟島といえば、解らない顔をして。それでも
口を少し尖らせて大西に視線を向けた。
「なんなん?人の顔見るなり笑うてやぁ」
ん?て顔をしてみせた大西が窓枠から肘を降ろし身体をちょっと
粟島へと向け、口を開いた。
「変わらへんなぁ、て思うて」
またくすっと笑う大西に、粟島も
「よしろーも、な」
とニカッと笑って見せた。
「あ、でも俺 背ぇ伸びてんで?」
粟島の自慢げな話しぶりに、大西は楽しげに相槌を打つ。
よぉわからん手紙やったけど、面白半分に来てみて正解やったわ…
と時折上がる楽しげな声にちゃちゃを入れながら、粟島は笑顔を浮かべた。
…バスは静かに走り始めていた。
35ユーは名無しネ:01/12/06 01:00
懐かしい面々が揃ったね。私もドキドキです。
陰ながら応援しております。
36ユーは名無しネ:01/12/06 04:08
巨根の登場はまだかしら?ドキドキ
武藤、巨根、大堀、高黒の仲良し4人組もひとつよろしくです!
がんばってください!
「と、とりあえず動き出してもーたし座ろか。」
大堀はとまどいつつも大倉をせかした。
「うん、そやね。」
大倉が空席を探すため車内を見まわすと、
「あー!!武藤くん!」
今までテンションの低かった大堀とはうってかわって明るい声が響いた。
「治樹ー。」
武藤も大堀の声に気付いて軽く手を振った。
「横空いてる?。あ、空いてるやん。俺横行くわ。」
そう言って大堀は、とっとと自分だけ席を確保してしまった。
(薄情すぎるで・・大堀くん・・・。)
そんな、大倉の思いは、
「大倉、その辺に座っときやー。」
という大堀の声に変わった。
「あれ?福原君おってんやー。電話してくれたってええやん。」
武藤の横に座ろうとした大堀は、一つ前の席に福原と高黒が座って
いるのに気付いた。
「あー、ごめんごめん。どうせ来るやろー思ってん。」
福原の悪びれない笑顔に
「ま、ええけど。」
と小さくつぶやいて、大堀は席に着いた。
途端、前の二人が後ろを向いて身を乗り出して来た。
「これだけ集まるってすごいよなあ。」
高黒がそのまま車内を見渡しながらためいきをついた。
「うん。すごいで。おがしゅーの横におるの廣太郎やんな?変わったな!」
福原も同じくためいきまじりに返事をした。
バスは順調に走りつづけている。
39リレー9@現役:01/12/06 11:55
「なあなあ、今日は京都やってたヤツ等だけの集まりなん?」
大堀が福原に尋ねると、
「いや、文ちゃんに電話したら、来てる言うてたで。横に今山とか
 おったし。内の声もしたなあ。バスが2台あるみたいやで。」
「ふーん。なるほどなあ。」
そんなことを思ってはいけない、とは思いつつ、現役のジュニアも来てるという
事実に、大堀は少なからず安堵していた。
「みなさぁん!!」
突然甲高いマイク音が鳴り響いた。
「お元気ですかぁ!?」
かわい子ぶる声は、まぎれもなく男のもので、
「きもいわ!呉村!!!」
多くの叱咤と嬌声が車内に響いた。
「今日1日ご案内させて頂きます呉子でぇす。まずは一曲
 歌わせていただきます!」
そこから車内は大カラオケ大会と化した。
40ユーは名無しネ:01/12/06 13:50
自分、関西現役しか殆ど知らないので、文ちゃんとか・・・助かります。
そのうちリレー参加したいなぁ。
41ユーは名無しネ:01/12/06 14:28
今川さんいつ出てくるのかしら・・・わくどき。
42ユーは名無しネ:01/12/06 16:40
そうよね!タケには治樹、徹には一哉よ!
このバカップルのWデート(違うって(藁))をここで見れるなんて!
43ユーは名無しネ:01/12/06 18:29
>42
発言には気をつけたほうが良いと思われ。
いきすぎは荒らしさんだと思われるよ。

よしろーくん!!うわぁ、友達がめちゃくちゃ好きなんだよなぁ〜
知ってる人いたんだなぁ〜(しみじみ
44ユーは名無しネ:01/12/06 20:39
>43
私も由郎好きだったりするー。
お友達によろしく!
45ユーは名無しネ:01/12/06 23:11
バス二台だと割と人数多い?どこまで出てくるのかしら〜。
46ユーは名無しネ:01/12/06 23:40
よしろー懐かしい・・・。
こっそり元担だったり。
47ユーは名無しネ:01/12/07 00:03
続きが気になる!!
48ユーは名無しネ:01/12/07 00:06
結構由郎好きいるのねー。(藁)
そういう私も元担だったり。
「俺、来るのちょっと不安やってんけど、やっぱ来て良かったわぁ。」
清水がダパンプを熱唱するのを聞きながら、今川は隣に座った牧山に言った。
「うん。俺もやー。魚に『晴司が来いって言ってんで!』って電話もらった
 から来たようなもんや。」
と、牧山も手拍子をしながら返したのだが、
「えぇ?俺は修に『マッキーが来てって言うてるから来いや』言われて
 来たんやで。」
そう今川はびっくりした顔でこたえた。
「あれー??」
二人は訝しい面持ちで見つめあったが、
「ま、誰かが適当に言うたんやろー。」
と、特には気にしなかった。
その頃、バスの中頃の席では、中嶋と後藤がさし入れされたお菓子を
つまみながら久々の再会を喜びあっていた。
「給料むっちゃええから興味あってん。ま、別に出なくても今日は同窓会
 やって言うし、何より俺、ごっぴが誘ってくれたっていうのが
 嬉しかったん。」
という中嶋の言葉に、
「え?俺?」
後藤は首をかしげた。
「何?」
「あ、いや、なんでも。」
後藤は中嶋の頭をグシャグシャとなでて、話しをそらした。
50ユーは名無しネ:01/12/07 00:31
やるならsageで頼むよ・・・
「ごせーちょーありがとうございましたぁ」
気分良く『19』をハモッたのは牧山と高黒で。お互いにふざけて
誉めあって席に着く。
「どやった?」
立ったまま牧山は横に座っている塩田にニカッと笑って見せた。
「相変わらず、上手いなー」
同じようにニカッと笑い返した塩田は『俺は俺は?』と離れた席から
高黒が問う声に『上手い、上手い』と笑顔を見せた。
「徹も相変わらずや」
座りかけた牧山の耳に苦笑交じりな塩田の声が聞こえた。
「お前も変わらず、ガリガリやしな」
「…うっさいわ」
座ったなりパコンと頭を叩かれて、牧山は首を竦める。
ちょっとだけ睨んだ塩田は、すぐに表情を和らげた。
「しかし、どんな集まりなんやろなぁ?」
改めて首を傾げ、塩田は牧山に問う。
「…同窓会、て訳やなさそうやな」
「…やよなー」
と紫煙混じりで呟いたのは、通路挟んで隣りに座る今川だった。
「今日のメンツってむっちゃ変わってるよな〜。」
内は家から持って来たチョコレートを食べながら横に座った今山に言った。
「あ、俺もそう思ったー。」
そう言いながら今山は車内の人間を確認した。
前の席に浜中と落合、斜め前に伊藤と菊岡、さらにその1個前に
梅阪と三宅が座っている。
「みっくんもやっさんも丸ちゃんも別のバスなんやんなあ?」
内はそんな今山の横顔に向かって問うが、
「うん・・。」
と返事する今山の声はまるで上の空で、車内の一番後ろを
じっとみつめていた。
「この人数でこんな観光バスって滅多にない贅沢やな!」
という内の嬉しそうな声は、しまいに無視され
「なんで亮ちゃんおるんやろう?」
今山は一人でつぶやいた。
車内の一番後ろの席には、錦戸が一人座っていた。
窓を開けてボーっと外を眺めているようだ。
耳はヘッドホンでふさがれているから、何か音楽でも聞いているんだろう。
「なんでスタッフ誰もおらんのやろう?」
内は、あくびをかみ消しながらさらに言った。
「っていうかなんでみんな寝てるんやろう?」
先ほどから車内は静まりかえっている。
みんな朝が早かったのかぐっすりと寝てしまっているのだ。
「俺も眠いわ。寝よ。」
そう言って内は目を閉じた。
5351っす。:01/12/07 00:41
やらかしたわ…
リレー10@カラオケ大会 は無かった事にーーーっ
5452です。:01/12/07 00:47
11を12にすれば良かったんですよね・・。
すみません・・・・。
5551っす。:01/12/07 00:53
いえ、こちらこそすみません…
「おっかしいなあ。」
安田が携帯をかけながらつぶやいたのを、横に座っていた丸山は聞き逃さなかった。
「どうしたん?やっさん。」
「透、出ぇへんねん。」
一度切ってまたかけなおす。
だがしかし、呼び出し音数回の後留守番電話センターに接続される
繰り返しだった。
「向こうは向こうで盛りあがってんちゃうのー?」
通路挟んだ隣の席から大樹と水野が安田の顔を見つめた。
「うん。きっと音消してんねんで。」
丸山も、そろそろ自分の得意技である中居の真似を披露したくて
うずうずしながら事もなげに言った。
「ああ、そっか。」
安田もこれ以上電話するのは諦めて、カラオケの順番がまわって来る
ことを願った。
その頃、今山は、頭の奥でかすかに着信音が鳴り響くのを聞いていた。
自分で作った「愛って?」である。
(取らなきゃ)
そう思うのだが、体が動かない。恐ろしく眠い。
(昨日寝たのに・・なんでやろ。?)
そう考えたのを最後に、ぷっつりと意識は途絶えた。
夢の中でも、愛って?は響いていた。
57ユーは名無しネ:01/12/07 01:23
職人様方 自担が恐らく初めて出ているバトロワ、非常に楽しんで読んでおります。
皆様方もsage進行でマターリと楽しみましょう。
58ユーは名無しネ:01/12/07 02:25
結局>51をなかったことにするの?
59ロムラー:01/12/07 02:34
49と51の順番を逆にして、席順他少し目を瞑ればいけそうだけど。
折角書いてくれたのに勿体無い…。
60ユーは名無しネ:01/12/07 07:42
本編書き込む前に「行きます!」「行ってもいいですか?」とか書いておくと
混乱が少ない…とか本家で書かれていましたね。

>59
そういう解決の仕方が粋でしょう。投稿しなおしますか?

>all
56が「関西リレー13@始まり」ってことで、次は「関西リレー@14〜」にしましょうか?
61ユーは名無しネ:01/12/07 07:46
60です。うっかりageちゃいましたごめんなさい…鬱。
まさかsが消えているとは…
62ユーは名無しネ:01/12/07 12:06
他スレsageつつ頑張りましょう。
書き込み前に「行きます!」などと書いて、一回リロードして様子を見てから
書き込めば大丈夫な気がしますね。
次が14っていうので私はいいと思います。
63ユーは名無しネ:01/12/07 16:59
もう遅いかもしれないんですけど北山、純弥を
入れてくれませんか?お願いします。
64ユーは名無しネ:01/12/07 19:23
行きますー。
錦戸は、流れていた「冷血」という曲が終ると、ヘッドホンをはずした。
「冷血か・・。」
自分の大好きな稲葉の曲である。
クッと嘲笑にも似た笑みを浮かべると錦戸は立ちあがった。
口にしていたガスマスクをはずして座席に投げ捨てた。
(今山が気付かんくて良かったわ。)
そう思いながら、バスの前方に歩いて行き、
他の面々が完璧に眠りの世界にいることを確かめる。
「かわいそうなヤツ等やわ。」
全員が眠っていることを確かめ、錦戸は携帯を取り出した。
「あ、もしもし?こっちはやったで。ちょろいもんや。
 そっちはどうや?・・まだかい。おぢけづいたらおまえが
 終りなんやからな。」
喋っている途中で、錦戸はバスが停止したことには気付いた。
だが、運転士が自分の方に向かって来ても、さほど警戒はしなかった。
ガスマスクで顔の下半分隠した姿が、妙に恐ろしくは思えたのだが。
「あ、ちょ、待ってな。」
電話の主にそう言い残し、錦戸は、運転士に話しかけようとしたのだが、
運転士は無言のまま錦戸に近づき、次の瞬間、錦戸の下腹部に鈍い痛みが襲った。
続いて、顔のあたりにスプレーをこれでもかというほど吹きつけられる。
薄れて行く意識の中で、錦戸は、
「話しがちゃうやんけ・・・。・・俺もまだまだ甘いってことか・・。」
そうして浮かべたわずかな笑みのまま、錦戸はバタリと通路に倒れた。
「もしもし?もしもし?亮ちゃん??」
「ヒナ、どした?」
村上の必死な声に、横山が横から心配そうに見つめた。
「亮ちゃん・・いきなり応答なくなった。」
村上の顔は幾分青白い。
「亮ちゃん、皆眠らせたって?」
横山はつとめて冷静に村上に尋ねた。
「あ、ああ・・。うん。」
村上もここでようやく横山の目を見つめた。
「俺らもやらなあかんのか?」
横山は、苦渋の面持ちで小さくうめくように言った。
車内では北山が、何故かアニメソングを熱唱し、誰もが楽しそうに
音頭を合わせていた。
「そりゃ・・俺ら、全然連絡とかせんかったけど・・・
 でも久々に会ってこんなことしてええんかな・・・。」
横山の声はますます弱気なものになって行った。
「しゃーないやん!やらんかったら俺ら殺されんねんから!」
村上は周囲に聞こえないように、だが、強く横山に言った。
「俺らだけちゃう。俺らの家族の命がかかってんねん・・・。
 俺らに迷ってる余地はないはずや。」
そう言って村上は、横山の肩に手を起き立ちあがった。
車内中盤に位置した北山の席に行き、マイクを奪い、村上は叫んだ。
「みなさーん!!トン汁のサービスがありまーす!!」
その目に小さく涙が光っていたことには誰も気づかなかった。
「なんでトン汁やねーん!」
と誰もがつっこみつつ、それでも車内はまた一層盛りあがりを見せた。
67ユーは名無しネ:01/12/07 23:50
℃ったら・・・・(藁)
わくわくしてきた。
68ユーは名無しネ:01/12/07 23:58
[参加者名簿]
粟島瑞丸
伊藤政氏
今川晴司
今山透
魚谷輝明
内博貴
梅阪剛司
大倉忠義
大西由郎
大堀治樹
小川修平
落合兄丞
菊岡正展
北山純一
木村廣太郎
呉村哲弘
後藤大祐
塩田修
清水大輔
高黒徹
武藤雅博
田中純弥(リクエスト有り)
田中大樹
土山俊樹
中嶋慶介
錦戸亮
浜中文一
福原一哉
牧山雄亮
松尾祐樹
丸山隆平
水野清仁
三宅将馬
村上信五
安田章大
横山裕
純弥以外は登場してます。一応リクエストされてるので
載せときました。まだ追加も可能かなと思ったので「追加有り
かも?」となっています。間違いあったらスマソ。
69ユーは名無しネ:01/12/08 00:01
68ですが名前のところに名簿(まだ追加有りかも?)って
書いてたんですけど消えてしまったようです。
最後の2行が意味なしになってしまいました…。
70ユーは名無しネ:01/12/08 00:07
この際だから、原作と同じ42名にしていいでしょうか・・。
71ユーは名無しネ:01/12/08 00:12
42名だと、あと何人?
6人…?
72ユーは名無しネ:01/12/08 00:15
只今36名ですね。42名でもいいんじゃないでしょうか?
私的には、ポンちゃん、すばる希望です(はぁと)
73ユーは名無しネ:01/12/08 00:21
政治郎とかもいーんじゃない?
74ユーは名無しネ:01/12/08 00:23
あ、あと女寺は?
75ユーは名無しネ:01/12/08 00:26
行きます。
大倉忠義は、車内の異様な盛りあがりとは裏腹に、どこか居心地悪い
思いをしていた。
原因は隣にあるということは明白なのだが。
(なんで俺がこいつの隣やねん。)
そう思いながら、チラっと目をやると、永田は勘良く気付き、大倉に
「何?」
と尋ねて来た。
「や、なんでもない。」
(なんか・・馴染めへん・・こいつ。)
同じヤングジャニーズチームとして1年間舞台をして来たはずなの
だが、どこか他人気な彼とは仲良く出来なかった。
(俺も意地はらんとあっち行きゃ良かった・・・。)
と視線を移した先には、だいぶ身長も伸びて大人っぽくなった高杉が
近くの水野達と楽しそうに話している横顔が見えた。
それにしても、バスはどこに向かっているのだろうか。
結局良く分からないままこの居心地の悪い同窓会もどきに参加してしまって
いる。
(学校行きゃ良かったかなあ。)
大倉は小さくため息をついた。
(でも・・すばるくんも大概やなあ・・・。)
そうして大倉は、後ろから3列目の席に一人で座ってひたすら外を眺めている
渋谷を見た。
「居心地悪いなんてもんやないんかなあ?」
大倉の一人ごとをかき消すかのように、牧山の、
「ノナ!歌え!」
という大きな声と、
「いややっ!」
とどこからか反応する野中の声が聞こえた。
「ノナ」という声に、渋谷の肩が一瞬、ビクっと動いたように大倉には見えた。
(色々大変やねんな、きっと。)
大倉は、自分の中で自己解決し、再び椅子に深く腰掛けた。
77ユーは名無しネ:01/12/08 00:53
かなり期待!頑張って下さい。
78ユーは名無しネ:01/12/08 01:25
女寺くんが出れば、枠はあと1人ですね。
誰か残ってないかしら(藁
79ユーは名無しネ:01/12/08 03:08
全員出そろったら名簿作らなきゃね。
80ユーは名無しネ:01/12/08 03:30
良かったら大堂くん入れて下さい〜
81ユーは名無しネ:01/12/08 06:52
あの、今更だけど
名簿とルールをまとめてから話進めません?
その方がスムーズに行くと思うんだけど。
あと、「かきます」宣言した後2,3分は待ってから投稿してもらえますか?
そうしないと混雑時間にはかぶっちゃう事があるので(本家リレー版でたまに起きてたし)。
82ユーは名無しネ:01/12/08 10:11
楽しくなってきた。
職人さん頑張ってください。
83名簿1:01/12/08 14:28
[参加者名簿]
粟島瑞丸
伊藤政氏
今川晴司
今山透
魚谷輝明
内博貴
梅阪剛司
大倉忠義
大堂祐史
大西由郎
大堀治樹
小川修平
落合兄丞
菊岡正展
北山純一
木村廣太郎
呉村哲弘
後藤大祐
塩田修
渋谷すばる
清水大輔
84名簿2:01/12/08 14:29
高黒徹
高杉政治郎
武藤雅博
田中純弥
田中大樹
土山俊樹
中嶋慶介
永田剛司
錦戸亮
女寺豊
野中和久
浜中文一
福原一哉
牧山雄亮
松尾祐樹
丸山隆平
水野清仁
三宅将馬
村上信五
安田章大
横山裕
85ユーは名無しネ:01/12/08 16:07
42人そろったんですねー。
非常に楽しみですわ。
86ユーは名無しネ:01/12/08 21:47
>81 and 全員

ルールか…ルールで何か提案ある?

※錦戸亮/横山裕/村上信五の3名は
事情説明されて(さらに家族が人質?)いるようだから
ちょっと注意して描写したほうがよいようですね。
(選ばれた基準は何なんやろな)
87ユーは名無しネ:01/12/08 22:26
村上議長いい! 涙が…何か泣かせる展開になりそうだ。
多分生き残れないようなそんな気がするけど
(数多くのJrバトロアあったが、議長が「やる気満々」ってのは皆無だったし、
なんていうか優しい/柔弱っていうイメージがあるんだろうか)。
88ユーは名無しネ:01/12/08 22:38
楽しみです!頑張ってください。

ところで錦戸・横山・村上は同じバスですか?
上の方で電話してましたよね???
89ユーは名無しネ:01/12/08 22:47
>88
読み返して見れ。
錦戸(睡眠ガス)と横山・村上(豚汁/多分眠り薬入り)はそれぞれ違うバス。
2台(あるいはそれ以上)分乗って感じですかね。
90ユーは名無しネ:01/12/08 22:58
どんな理由で集められてるのかさっぱり見当がつかない…。
もうちょっとしてから参加することにしよ…。
91予想してみよう:01/12/08 23:08
>90
辞めジュの…それも別事務所からのデビュー組(呉村哲弘(沢木哲)、牧山雄亮
(友井雄亮))まで
集めているしね。
…それで錦戸・横山・村上の家族を人質にしてまでってことは単なるデビュー選抜でもなさそうだし
あるいはジャニ事務所のみならず関西芸能界全体の再編に関わる暗黒街の…
いや単なるジャニーの道楽かもしれないが(w
92ユーは名無しネ:01/12/08 23:23
>91
あまりにも集められたメンツの幅が広過ぎて
なぜバトルをしなくちゃならないかが思いつかない(w
土山や松尾までいるからな〜
知らない人も多いんじゃないかと…(w
93ユーは名無しネ:01/12/08 23:31
(バトル理由)
ジャニ&変態政治家たち(or関東Jr)の血まみれギャンブルというのはどうか?
この場合。名簿と同時に倍率なんかも発表されたり(内博貴とかもの凄い倍率高そう/(w)

>92
確かにほとんどの名前は判りません(w
94ユーは名無しネ:01/12/08 23:38
>93
本家バトロワスレと同じような理由だねぇ<ギャンブル
進行役も悩むとこだね。

ごめんよ。全員わかるよ(w
ちょっとあやしいのもいるが、名前だけなら全員わかる。
古いものほど顔と名前が一致するところがアイタタ…
95ユーは名無しネ:01/12/08 23:45
バトル理由とかうやむやにして始めるのもいいけど、
それだと後半ギクシャクしそうだよね。どうしよ?
あと何人残そう?
96ユーは名無しネ:01/12/08 23:51
>進行役はKinkiKids、TOKIOの城島茂、V6の岡田准一を想定。
>もちろんジャニー喜多川でも可。
バトルの理由によってはこの辺りも考え直す余地がある?
97ユーは名無しネ:01/12/08 23:58
何人残すかは職人に任せた方がいいのでは。
何人残るのか結果がわかるとつまんないよ。
98ユーは名無しネ:01/12/09 00:44
アッチ終わらせてから始めればよかったのに・・・。
99ユーは名無しネ:01/12/09 00:52
あっちってどっちよ。
100ユーは名無しネ:01/12/09 00:55
リレー版でしょ?
でも、あれいつ終るかわかんないよ…
101ユーは名無しネ:01/12/09 00:59
ていうか、あっちとこっちの住人違うでしょ。
バトロワには興味なかったけど、関西Jrが好きだから
ここ来てるって人もいるだろうし。
別に足並みそろえなくてもいいだろうに。
102ユーは名無しネ:01/12/09 01:01
あっちは始める時にバトルの理由とか明確にしてなかったから、
職人さんがどんどん設定を膨らませて、収集がうまくつかなくなっちゃったんだと思う。
やっぱりきちんと決めてからはじめたほうがいいのでは?
103ユーは名無しネ:01/12/09 01:02
>101
そういう人もいるだろうが、結構かぶってると思う
104ユーは名無しネ:01/12/09 01:05
>102
決めちゃうと面白味が半減しそうだし、決めないと続かないし…
難しいところだよね。
105ユーは名無しネ:01/12/09 01:08
バトルの理由…関西Jrを過去から現在から全て抹消するため…な〜んちゃって。
106ユーは名無しネ:01/12/09 01:14
仕掛け側が生き残り枠を確保してるか、してるなら何人か
今の段階で決めておいた方がいいかと思う。
物語として最終的に何人残るか、ではなくね。
107ユーは名無しネ:01/12/09 01:23
生き残り人数決めたところで、本当にそれだけ残るかどうかわかんないしね。
ある程度設定決まらないと、書き難いものだよ。
108ユーは名無しネ:01/12/09 01:53
勢いで殺すと後で困るyo
109ユーは名無しネ:01/12/09 02:20
理由…「衝撃」の「with関西Jr」を決めるためではあかんの?
もう錦戸だけになっちゃったか(W
110ユーは名無しネ:01/12/09 02:24
理由は結構どうでもいいんだけどちゃんと殺し合って終わろうね
111ユーは名無しネ:01/12/09 02:26
>109
その理由だと、辞めジュ出してくる必要ないよ。
そんな魅力的な理由でもないしね。(w
112ユーは名無しネ:01/12/09 02:28
テレビで番組を持てるではあかんの?
113ユーは名無しネ:01/12/09 02:28
>102
設定ひろげて収集つかなくしたのは職人のうち一人の暴走だろ。
あれ見てて、どうやって終わるんだろうと思ってたらやっぱり終わらなかった。
114ユーは名無しネ:01/12/09 02:58
別に向こうのこと言わなくていいって。
関西は関西、ってしておこうよ。
115ユーは名無しネ:01/12/09 03:36
>106
そもそもの原作だってクラスで1人という設定で始まってるんだしね。
116ユーは名無しネ:01/12/09 04:15
そもそもこの人選に、
既に「ひろげすぎ」の感があるのだが…。

あっちが終わらないのは、
設定広げすぎの所為ばかりでもないと思われ。
終盤になってくると動かせる人間少なくなって行き詰ってくるのでは。
117ユーは名無しネ:01/12/09 04:36
だから、バトル理由に困るんだよね<ひろげすぎ
出せばいいってもんでもない…
118ユーは名無しネ:01/12/09 09:52
人が多いのは殺せば減るんだから、やっぱバトル理由だよ
119ユーは名無しネ:01/12/09 12:45
あっちとは切り離して考えていいならバトル理由はギャンブルでも良いと思う。
優勝者とその家族のみが生き残れる。(しかし国外追放か…)
キャラが違うんだから内容がかぶって萎えるってことはないし。
120ユーは名無しネ:01/12/09 20:15
単に関ジュの人気が落ちてきたからその復活の
ためのメンバー選出ってのはダメ?
もしかしてかぶってます?本家読んでないから
わかんないんですけど…。
121ユーは名無しネ:01/12/09 21:32
うーん、辞めジュ(しかも他事務所所属タレ)まで出してしまっているからね…

まあ、理由はバトル始まってからおいおい決めるのでは?
ダミーの理由は提示しておいてもいいけど真相でひっくり返す余地は残して置いてもよいかも
残すのは表向きは1名ってことで。

なんであれ、先が楽しみだ。
122ユーは名無しネ:01/12/10 00:45
結局バスは二台でしょうか。
誰がどのバスかも整理した方がいいかも。それにも理由はあり?
123ユーは名無しネ:01/12/10 01:04
2台でいいと思う
シアター組と現ジュ組に、で それぞれ+α?
124ユーは名無しネ:01/12/10 12:43
表は・…スマソ、思いつかないよ。
裏の事情は過去から現在までの関西Jrの抹殺っていうのでいいと私は思うんだが…
でもそうしたら進行役に支障が出るかもなぁ…
125ユーは名無しネ:01/12/10 13:02
126ユーは名無しネ:01/12/10 13:53
さげでよろしく
127ユーは名無しネ:01/12/11 01:07
とりあえずギャンブルとかでいいんじゃない?
大事なのはその中のドラマさ。
128ユーは名無しネ:01/12/11 05:43
>127 同意。とりあえず職人さんたちにお任せしますが…

表の目的:関西Jrデビュー選抜(&活躍するライバル事務所タレ抹殺…生き残ったら移籍させたるがな♪その事務所潰して♪)
裏事情:ホントはギャンブルなんや(汗)
真相:実は…(?)

…てな感じを提案。
129ユーは名無しネ:01/12/11 14:38
>128 いいねー。
職人様、予定が無ければその路線でお願いいたします。
「あれ?誰も歌ってへんの?」
先ほどまであれほど騒がしかった面々が、静かになっていることに大堀は気付いた。
横山と村上が、どこから出してきたのかトン汁を全員に配り、
ちょうど昼も近くなってきた頃でもあったので、ほぼ全員が歓声を上げながら
食べていたのだが、気が付くと車内はいやに静かになっていた。
あまり空腹でなかった大堀は、いやにしつこい横山と村上のすすめを断り、
武藤としゃべっていたのだが、トン汁を食べ終えた武藤が、しばらくすると
「なんか眠なってきたから寝るわー」と寝てしまったので、
退屈になって1人でヘッドフォンで音楽を聞いていたのだった。
それが気付くと、武藤だけでなく全員が静まり返って眠っている。
(みんな腹いっぱいになったから寝てしもたんやろか)
大堀が、なんとなく1人取り残された気分になって、少し腰を浮かせて周りを見渡すと、
後ろの方に座っている渋谷が、今までと変わることなく、1人外を見ているのが目に入った。
(なんや、渋谷くんも起きてはるわ)
大堀はなんとなくホッとした気分になった反面、
(起きてんのって、俺と渋谷くんの2人きり?)
という考えに至り、少し戸惑いを覚えた。
仲が悪いわけではないが、それほど親しくしているわけでもないので、
いざこんな事態になると、何を話せばいいのか迷ってしまう。
しかし幸い、席が近いわけでもなかったので、1人で音楽でも聞いておくことにしようと
大堀が座ろうとした瞬間、渋谷が顔を上げ、大堀と目が合った。
(・・・?)
渋谷の目は、大堀が起きていることに驚いているようにも見え、
それから少し、悲しげな色を含んでいるようにも見えた。
そんな予想外の渋谷の反応に戸惑っている大堀に、渋谷が何か言おうと口を開くのが見えた。
しかし、渋谷の口から声が発せられる直前、大堀に陽気な声がかけられた。
「おっ、大堀くんも起きてんねや♪」
村上が独特の八重歯を見せながら、ニコニコして近付いてきた。
「あ、ヒナちゃんも起きてたんや。良かったわーみんな寝てしもたんかと思った」
なんとなく、この妙な緊張感から抜け出せた、という安堵感を覚え、
大堀は渋谷から目をそらして村上に声をかける。
「うん、みんな寝てしもたわ」
「なんでやろな、腹いっぱいになったからやろか」
「そうかもしれんな。・・・やからな」
「え?」
と、大堀が疑問の声を出したか出してないか、本人にも自覚できない内に、大堀は頭部に激しい衝撃を覚えた。
(何・・?)
その衝撃の正体を確かめる間もなく、大堀の意識は闇に沈んでいった。
「大堀くんも、一緒に寝といてな・・・?」
村上の悲しげな声は、大堀の意識に届くことはなかった。
132ユーは名無しネ:01/12/12 00:01
ところで進行役は?
Kinki Kidsがやりやすそうかな?
「・・・大堀、痛かったかなぁ」
横山が心配そうな声を出して、おそるおそる村上の顔を見る。
「そら・・気絶するくらいやねんから痛いやろなぁ・・・」
「でもなぁ、そんなんオレどれぐらいの力でやったら気絶するとかわかれへんし
あんまり優しくして、気絶せぇへんかっても悪いやん?」
おろおろと声を出す横山に対して、村上は慰めるように声をかけた。
「しゃあないわ・・イヤな役やらせて悪かったな」
「そんなん・・お互い様や」
なんとなく声を落としてうつむく2人に、突然声がかけられた。
「お前ら、そんなんでやっていけるんか」
2人がほぼ同時にビクっと声の方を振り向くと、渋谷が2人をじっと見ていた。
「すばる・・・」
村上が搾り出すような声でその名前を呼ぶと、渋谷は顔をゆがめて笑った。
「もうオレらも引き返せへんところまできてんねん」
そういうと、渋谷は立ち上がって、通路を歩き出した。
固まったまま渋谷を見つめている2人の傍まで来ると、少し立ち止まり、
渋谷は村上と横山の顔を交互に見て、あの、大堀に見せた悲しみを含んだ目で笑うと
そのまま2人の間をすり抜け、トン汁の鍋が置いてある先頭の座席まで歩いていった。
「すばる・・・」
横山が、声をかけるともなく言う声を聞きながら、渋谷は
鍋のフタを開け、お玉でトン汁を少しすくうと、再び2人の方を見た。
「そんなカオすんなや」
苦笑いをしつつ、渋谷がトン汁に口をつける。
「・・すばる!!」
思わず村上が叫ぶが、その声にかまうことなく、渋谷はすくったトン汁を
一気に飲み干した。
「・・そんなカオすんな?」
再び同じセリフを口にすると、渋谷は誰も座っていない座席に腰を降ろし、
静かに目を閉じる。
渋谷が、規則正しい寝息をたてはじめるまで、
村上と横山は、その光景を見つめたまま、動くことができなかった。
「す・・・すばる!!」
まるで全ての光景が夢の中の出来事であり、そこから覚醒する。
村上はそんな気分だった。渋谷の側に駆け寄った時には、既に彼は
本当の夢の中の世界にいた。
「なんでやねん!なんで自分からこんなことすんねん!全員
 眠らせたら俺らは助けてやるって言われてたやん。」
渋谷の安らかな寝顔に向かって村上は届かない叫びをあげた。
「皮肉なもんやな・・・。すばるのヤツ、
 起きてる時よりよっぽど幸せそうな顔してんで。」
後ろからゆっくりと歩いて来た横山がつぶやく。
「ほんまや。」
村上はそう言って、目にたまった涙をぬぐい少し笑った。
「なあ・・。」
村上が出しかけた言葉を、横山は遮った。
「俺らだけ助かろうと思ってたんが間違いやったな。」
そう言った横山の横顔を村上は、(こいつやっぱ顔きれいなんやな。)
とどこか関係ないことを考えながら聞いていた。
「俺らは、逃げたわけやないよな?」
横山が村上に問う。
「むしろ、飛びこんでんで。」
そう言って村上は横山に微笑みを返した。
「じゃあ、家族は大丈夫やんな?」
横山は今度は自分に言い聞かせていた。
そうして、神妙な面持ちで、つい先刻、渋谷が手にしたお玉を持ったのだった。
「次起きたら、みんなにボコられてて、顔違ったりしてな。」
横山は精一杯の笑顔を村上に向けた。
「なんで気付かんかったんやろ。俺らだけ助かっても、俺らきっと
 ボロボロやで。生きて行かれへんよ。」
そうして村上も意を決した顔で横山の側に立った。
「すばるは分かってたんやなきっと。」
二人はもう1度渋谷の顔を見つめた。
次の瞬間、横山はトン汁の口一杯に入れて一気にのんだ。
「・・・俺も早く食お。腹減ったわ。」
横山が寝息をたて始めたのを確認し、村上は穏やかな表情で、
トン汁に手をつけた。
やがて、車内には静寂が訪れた。
137ユーは名無しネ:01/12/12 02:31
お、そろそろバトル部分に入っていきそうですね〜楽しみ。
さて、ストーリーの集計はどうしましょうね?
向こうは最近あんまり見てないので分からないんですが・・・
べつに集計だったらリンク貼っても構いませんよね?
138ユーは名無しネ:01/12/12 02:52
>137
いいんじゃないでしょうか。不便だし。
139ユーは名無しネ:01/12/12 02:56
進行役、関西ってことで1に挙げられてる人混合とか
あっさり蛇兄でもいいかも。非情に出来そうだし。
頭が重い。
目が覚めたとき、田中大樹はまずそう思った。
目は覚めているのに、頭の中にもやがかかったかのような状態で
なかなか頭の中身が動きだしてくれない。
無理に意識をハッキリさせようと頭を左右にぶんぶん振ると、軽くめまいがした。
(何や…?)
自分は今まで眠っていたのか。
眠る直前まで何をしていたのか思い出そうと、必死で頭を働かせる。
まず周りの状況を確かめようと顔をあげた瞬間、大樹は自分の目を疑った。
(何!?ココ、京都ちゃうん!??)
自分がいるそこは、まさしく、数年前に自分が立っていた劇場、
シアター1200以外の何物でもなかった。
しかし、数年前と違うのは、自分がいるそこは舞台の上ではなく、
客席に座っているということだった。
目の前には舞台が広がり、照明や音響セットまで置かれている。
(ココは京都なんか…?でもオレらは京都からバスに乗ったハズや…)
そこまで考えて、大樹はハッと自分のこれまでの状況を思い出し始めた。
(そうや…バス乗って、みっくんとか政治郎としゃべっとって…
そんで、村上くんとかがトン汁くれたんやわ。
それ食って、それから気が付いたら眠くなって…)
それ以降の記憶はない。
自分は何故こんなところにいるのだろうか。
そこまで考えて、大樹はやっと、自分の周囲の状況に気付いた。
客席に座っているのは自分だけではなかった。
薄暗くてよく見えないが、バスの中でしゃべっていた水野や高杉、
他にも、同じバスに乗っていた大堀や武藤、牧山や高黒などの面々の顔が見えた。
そして、同じバスには乗っていなかったハズだが、内や浜中を始めとして
あまり大樹には馴染みのない人間の顔も見える。
確か、大樹よりずっと後に入ってきたJr達だ。名前は思い出せないが。
そして、みんな眠っている。
(何、これ、どないなってん!?)
大樹は混乱し、そして、他には誰が?と更にあたりを見渡そうとした時、
なんの前触れもなしに客席部分に照明がつけられた。
突然の状況の変化に大樹は戸惑ったが、照明が付けられたことによって
周りの状況や人間の顔がよりハッキリとわかるようになった。
大樹の座っている座席は、前から5列目、センターブロックの少し右寄りの方で、
客席にいる人間は、全員そのセンターブロックに座っているようだった。
全員が、1つおきの座席に座っており、それぞれの両隣には誰も座っていない。
大樹も例外ではなく、大樹の両隣の座席は空席だった。
まず左右を確認すると、ひとつ座席をおいて右隣には大堀が、
左隣には、塩田が座っていた。
大樹が周囲を確認している間に、照明がつけられたことによって
刺激を受けたせいか、何人かの人間が目覚め始めていた。
あちこちで、ゴソゴソと起き出す気配がする。
が、あまり心地よい目覚めではないのは誰しも同様なようで、
うーん、とうなるような声もあちこちから聞こえてきた。
143ユーは名無しネ:01/12/12 03:36
そういえばシアターは変わってしまったね(寂)
「どこだここ?」
「シアター?」
周囲から聞こえて来るざわめきは次第に強くなって行ったが、大樹の
頭はまだ、なんとなく重たかった。思わず力任せに頭を振ってみて、首元の重たさ
がいつもしているシルバーネックレスとは明らかに違うことに気付いた。
「ん?なんやこれ?」
思わず両手を首のところに持って行くと、太くて冷たい感触が手に伝わる。首輪の
ようなものが勝手にはめられているらしかった。
「うわ。むっちゃうざいこれ。」
一度意識してしまうと、その首輪の感触がなんとも嫌な物に思え、大樹は一生懸命
取ろうとした、が全く取れる気配はない。
ふと他のヤツを見てみると、誰もが首に同じ物をされていることに気付いた。
色はシルバー、側面にいくつかの赤い玉がはめこまれているようだ。
これに気付いたのはもちろん大樹だけではなく、誰もが首の異物に困惑している
ようだった。
錦戸だけが、ひっそりと唇をかみ締めたことには誰も気付かなかった。
その時、「京〜の踊りは〜〜〜よ〜〜いや〜〜〜さ〜〜〜〜」
耳慣れた、されど懐かしい音が聞こえ、舞台のスポットライトが一斉に舞台真ん中を
照らした。
「みんな元気―!?今日も行ってみようかー。せーの…って
 それは番組が違うってね。」
そう言って、いきなり舞台上に登場したその男は喋り始めた。
「う・・内海さん?」
驚いた声で叫んだのは、呉村だった。
145ユーは名無しネ:01/12/12 11:04
うわー1晩経ったらすごい進んでる〜もの凄い楽しみです。
職人さんたちありがとうございます。
いわゆる関西3馬鹿かっこよくて泣けます(そうか、すばるも判っていたのか…)。
錦戸亮もいいキャラですね(w

内海さんって誰なんでしょ…光の内海じゃないよね…
146ユーは名無しネ:01/12/12 11:55
光の内海以外いないでしょう(藁
職人さんたち続き楽しみです!!
147ユーは名無しネ:01/12/12 12:21
光の内海さんって関西人だったのか?(すいません。そのころのことはあんまり判らないんです)
…てのは直接関係ないのかな。ともあれ続き楽しみです。
148ユーは名無しネ:01/12/12 12:36
内海は関西の番組の司会してましたからね。(関西人ではないはず)
なつかしい・・・。
149ユーは名無しネ:01/12/12 13:59
内海さん!なるほどそう来たかって感じです。
150参加者名簿(前編):01/12/12 15:19
覚え書きです。事実誤認あったらご指摘願います。

01:粟島瑞丸
02:伊藤政氏(現役)
03:今川晴司
04:今山透(現役。V-WEST/drums)
05:魚谷輝明(「ルースドソール」所属 ttp://www.luzdosol.co.jp/talent/Uotani_Teruaki/
06:内博貴(現役。V-WEST/vocal)
07:梅阪剛司(現役)
08:大倉忠義(現役)
09:大堂祐史
10:大西由郎
11:大堀治樹(現役。MAO)
12:小川修平
13:落合兄丞(現役)
14:菊岡正展
15:北山純一(「JAVELIN HEAD」guitar ttp://www.javelinhead.com/index.htm
16:木村廣太郎
17:呉村哲弘(「鈍牛倶楽部」所属“沢木哲”ttp://www.dongyu.co.jp/top_c.html
18:後藤大祐
19:塩田修
20:渋谷すばる(現役)
21:清水大輔
>>83-84

>>11 1@謎の呼び出し
>>12 2@大堀も!?
>>14 3@意外な展開
>>31 4@与えられた仕事
>>32 5@全員集合
>>34 6@車内のあちこち
>>37 7@    〃    2
>>38 8@懐かしい顔
>>39 9@現役
>>49 10@仲間の呼び出し
>>51 11@カラオケ大会
>>52 12@もう1台の車
>>56 13@始まり
>>65 14@仕掛けられた罠
>>66 15@    〃    2
>>76 16@憂鬱な人々
>>130 17@異変
>>131 18@ 〃 2
>>133 19@渋谷すばる
>>134 20@   〃   2
>>135 21@残された2人
>>136 22@旅立ち
>>140 23@覚醒
>>141 24@集められた者達
>>142 25@用意された舞台
152参加者名簿(後編):01/12/12 15:24
覚え書きです。事実誤認あったらご指摘願います。

22:高黒徹
23:高杉政治郎
24:武藤雅博
25:田中純弥(「JAVELIN HEAD」vocal& sax ttp://www.javelinhead.com/index.htm
26:田中大樹
27:土山俊樹
28:中嶋慶介
29:永田剛司
30:錦戸亮(現役)
31:女寺豊
32:野中和久(「JAVELIN HEAD」bass guitar ttp://www.javelinhead.com/index.htm
33:浜中文一(現役)
34:福原一哉(現役。MAO)
35:牧山雄亮(「ウィルハード」所属“友井雄亮” ttp://www.yusuke-tomoi.jp/
36:松尾祐樹
37:丸山隆平(現役。V-WEST/bass guitar)
38:水野清仁(現役。V-WEST/lead guitar)
39:三宅将馬
40:村上信五(現役)
41:安田章大(現役。V-WEST/guitar)
42:横山裕 (現役)

【エントリー42名。死亡0名。残り42名】
153ユーは名無しネ:01/12/12 15:25
一応集計してみました。見づらかったらスマソ。
込み合う時間帯以外は直リン効くはずなんで。
集計は話が20くらい進んだら次集計って感じでいいですかね?

あ、83-84は名簿です。書き忘れた〜。次回から直しまーす。
154151・153:01/12/12 15:26
名簿さんすみません、割り込んでしまいました・・・逝きます・・・
155ユーは名無しネ:01/12/12 15:27
150と151です。うぐっタイミングまずったか…
しかも150の方は直リンでちゃってるし…鬱
156150=152=155:01/12/12 15:31
150と152でしたね。さらに鬱。(151=153=154さん,お気になさらず)
これで、ちょっとでも職人さんたちの役にたてればよいのですが…
(ネット検索で確認しただけなので現役&辞めジュのところは実は怪しい…)
157ユーは名無しネ:01/12/12 16:07
職人様、集計人様ともにご苦労様ですー。
内海さんとは、これまたビクーリ。
「よぉ。みんな元気だった?」
内海は明るい声で面食らってる面々に向かって話しかけた。
「ど、どうしたんですか?どうしてここに?」
田中純弥の矢継ぎ早の質問には答えず、
「お、俺の知らないのも結構いるな〜。」
と言いながら、内海はゆっくりと客席に座っている顔を見まわした。
大倉忠義は、微かに自分が震えていることに気がついていた。
何故かは分からない。だが、理由があるとしたら、内海の固まったような
笑顔のためだろう。
「内海さん!俺ら一体どうしてこんなとこに?」
牧山がすくっと立ちあがって発言した。
「そうだよ。俺ら、バスの中にいたじゃん。」
そうしてまた辺りはザワザワとゆらめき始めた。
「静かに!」
内海が叫んだ瞬間、ドーンと太鼓の音が鳴り響いた。
「座れ、牧山。」
この声と共に、内海はふいに右手をあげ、舞台袖に向かって合図をした。
すると、男二人が次々と、いくつもの黒いナップサックを運びこみ始めた。
「んー、重い〜。」
突然、女の声がしたかと思うと、
「大石さん!!」
と、呉村が誰よりも早く反応した。
「あ、めぐみちゃんは持たなくていいからいいから。」
そう言って内海は彼女に駆け寄り、持っていたナップサックを受け取り、
静かに、他のナップサックの群れの中に置いた。
スッと大石は内海の横に立ち、
「みなさーん。」
とにっこりと微笑み、言った。
そして、次に続いた内海の言葉は、そんな微笑みとは全く裏腹なものであった。
「今日はちょっと、殺し合いをしてもらいまーす。」
159ユーは名無しネ:01/12/12 19:19
名簿、菊岡と三宅は現役では・・・?
他にもいるかも。
160ユーは名無しネ:01/12/12 21:41
わお。めぐみちゃんまで登場!
懐かし過ぎて、目頭が熱くなります…
161ユーは名無しネ:01/12/12 21:58
ビデオ引っ張り出したくなってきた…。
めぐみちゃん好きだったな〜。
162ユーは名無しネ:01/12/12 23:33
三宅は辞めたと聞いたんだが果たしてどうなんだ?
関ジャニナイトナンジャニカンジャニ引っ張り出したくなってきた…懐
163暫定名簿屋(150=152):01/12/12 23:35
>159
>名簿、菊岡と三宅は現役では・・・?
ほいほい指摘ありがとうございます。他の方もよろしくお願いします。

大石めぐみちゃん…すみません知りません(汗
その番組の補足お願いしたいな…と、お二方は今いくつなんでしょう…
内海さんと大石さんのキャラクター判らないので、ちょっと掴みづらいかも…しばらく静観します。
164ユーは名無しネ:01/12/12 23:44
大石恵はhydeの奥さんですよね。
165ユーは名無しネ:01/12/12 23:59
余談ですけど〜ハイドの実家2世帯建てたみたい…
地元であっちゃったらドキドキ
すみません。逝ってきます
166ユーは名無しネ:01/12/13 00:03
内海は1968年生まれです
キャラ的にはこの役にピッタリだと思う
(1)やはり、“錦戸亮”も横山や村上と同様に家族を人質に取られているのか?
(錦戸亮の家族構成って判らないけど、天涯孤独じゃないですよね)

(2)“横山裕”は昔のジュニアからは旧芸名(本名)の「横山侯隆(きみたか)」と呼ばれるのか?
(横山とか横と呼ばれている分には問題ないけど…
友井雄亮があくまで「牧村雄亮」と呼び、沢木哲が「呉村哲弘」に統一しているのなら)

(3)村上信五は(横山より)田中純弥(現「JAVELIN HEAD」)派だったそうだが、
そのあたりのお互いの反応はどうなるのか。

(4)辞めジュまで含めるとお互いに何と呼び合っていたのか判らない。
(もしかしたら辞めジュと現役で初対面も混じっていそうだし)
職人様がた、バトルの締め切りはいつにしましょうか?
○○時間内に規定人数(?)まで減らなければ、すべての首輪が爆発する時間です。

1)24時間(1日)以内
2)48時間(2日)以内
3)72時間(3日)以内

※42名参加というのはJrバトルロワイアルでも例をみない大人数です。
169ユーは名無しネ:01/12/13 13:03
武藤も現役復帰してる・・・。
今どうなのか微妙だけど。
170ユーは名無しネ:01/12/13 14:20
>168
人数多いし72時間で問題無いと思われ。
初対面の人間の描写だの167さんの言うことなど混ぜたら
実際問題3日は必要だと思うんだな。
ちなみに過去に仲良かった方などは直接対決にしてもヨシ
もしくは初対面の人間を絡めるもの面白いなと思うんだけど。
内海の言い放った言葉を一瞬の内に理解出来た人間はいるのだろうか。
「何言ってんですか?内海さん!」
ほとんどの人間は、笑顔で内海に返した。
「バトロワの読み過ぎや!」
そう、内海の言った言葉は、ベストセラーとなった小説の一節と全く
一緒なのだった。
「大食いで死んでもらうとかですかー?」
呉村のこの一声に会場は沸きあがった。
ただ数名だけは、顔色が真っ青である。
突如銃声が響いた。
大石が片耳を押さえて、天井に向かって撃ち放ったものだった。
「静かにしてねぇ。」
大石はにっこりとして言った。
その、笑顔に誰もが震撼した。
これは、冗談じゃないのかもしれない、そんな思いが誰もの胸を掠めた。
「わ、わけのわかんねー冗談言ってんじゃねーよ!
 俺帰る。やってらんねーよ!」
そう言って立ち上がったのは意外にも永田剛司だった。
「と、止めなきゃ」
大倉は、本能がそう指示したのだが、体が動かない。
ただただ、こみあげてくる震えを押さえることに精一杯だった。
「永田、こっちおいで。」
内海が笑顔を崩さず命じた。
「嫌や。帰る。」
永田はかたくなに言い、センターブロックを出て右側の扉に向かって
歩き出した。
皆が目で彼の姿を追った。
ダーン、と2発目の銃声が響き、永田が倒れた。
「いやーん…撃っちゃった。こわぁい!」
途端響いた大石の声を全員がぼんやりと聞いていた。
「な、永田。」
その時初めて、大堀が永田に近づいたが、彼はすでに息途絶えていた。
「死んでる…。」
大堀のこのつぶやきで、誰もがこれが冗談でないことを悟った。
「ルール説明するぞ。大堀、早く席つけ。」
内海が淡々とそれだけ言った。
【永田剛司死亡 残り41名】
「さて、じゃあ説明をはじめるけど、最後まで黙って聞けよー。
ほんとお前らはよくしゃべるからなぁ。
まぁそれでこそ関西Jrってやつなんだろうなぁ」
内海はそう言って笑ったが、客席にいるメンバーは笑うどころではなかった。
見えない鎖にしばられているように、全員が身動き一つしない。
永田の死体は、客席後方に転がったままだった。
「さて、これからお前らに殺し合いをしてもらうわけだが」
内海は永田の死体にチラっと目をやった後で、全体をぐるりと見渡した。
「なんかなぁ、ジャニーさん、お前らに飽きたらしいんだよな。
お前らっつーか、関西Jrか。で、飽きたからもういらないんだと。
でもさぁ、飽きたからって今いる奴らだけ殺すのって可哀相だろ?
だから、公平にする為に、今までの関西Jr全部集めたんだよ」
ここで、内海はふぅ、と一息吐いて続けた。
「俺もさー、大変だったんだよ。ジャニーさんは簡単に言うけどさ、
なんせ昔から今までいた奴全部集めるなんて大変だったんだぞー。
なんで俺がこんな下準備からしなきゃならないんだよなぁ」
さも大変だったかのようにため息をつく内海だったが、
客席にいる人間としては、そんな内海をねぎらう心境になれるはずもない。
そんなわけのわからない理由で、殺し合いなどさせられてたまるものか。
しかしその内海の言葉に、安田が疑問を覚えた。
「あのー・・内海さん?」
その場にいた全員が、比較的後方の席にいた安田をギョッとして振り返った。
たった今、大石によって永田が殺され、内海が「黙って聞け」と
言ったばかりではないか。
安田は、周囲の敏感な反応に、初めて自分がヤバイことをしたのでは
ないかということに気付いたようで、おろおろと泣きそうな表情になって
内海の反応をうかがった。
しかし、内海はちょっと驚いたようだったが、大して気を悪くした風もなく
「お前は、えーっと・・安田だっけ?なんだ?」
と、軽く返事をした。
安田は、内海の反応に少し安心したように、おずおずと口を開いた。
「あの・・・今、全員って言ってましたけど、関西Jr全員が
ここにはいないみたいなんですけど…」
安田の言葉を聞いて、まわりの人間もそれに気付いた。
確かにそうだ。
ここには、現役・元を含め、多数の関西Jrがいるが、全員そろってはいない。
在籍期間のごく短かったものや、在籍はしていたものの、あまり仕事を
することなく辞めていったものなど、その数を合わせると
もっと数は多くなるはずだ。
牧山も、かつてテレビで一緒に仕事をしていた犀川や金谷などを思い出していた。
(そんなら、あいつらは助かったちゅうことか・・・?)
牧山の頭に、元の仲間は助かったのだという、少しの安堵感と、
あいつらは助かったのに自分は何故、という理不尽な思いの両方を抱えて
複雑な気持ちにおちいっていた。
それは他のメンバーも同じことで、客席は次第にざわざわとしていった。
明らかに、なんで俺らだけ!と、不満を言う声も聞こえる。
ざわつきがますます大きくなっていこうとした時、
ズガーン!
またしても銃声がした。
「みんな、もうちょっと静かにしてね」
大石がまたしてもニッコリ笑みを浮かべて、天井に向けて撃ったのだった。
「はーい、めぐみちゃん、ありがとう。
お前らはほんと落ちつきがないなぁ」
この状況で落ちついていられる人間などいようはずもないが、
内海はそんなことはお構いなしだ。
そして、突然安田をビシっと指差すと、
「しかし安田!キミは実にいーいところに気がついた!」
芝居がかったようなセリフを発した。
「そのとおり!今ここには、関西Jr全員はいない。
だからって、お前達が理不尽に思う必要なんかないぞ。
ここに来ていない奴らは、ちゃーんと参加して、もう終了してるからな」
終了している?
訳がわからない。
自分達よりも前に、他のメンバーはすでに何かさせられていたのだろうか。
「まぁ、これは実際に見せてやった方が早いだろうな」
というと、内海は再び舞台袖に目をやり、手をあげて合図をする。
と、舞台にスクリーンが降りてきて、再び場内の照明が落ちた。
内海と大石は、2人バラバラになって、舞台の上手と下手に分かれたが、
大石はその際、客席に向かって
「そうそう、暗いうちに逃げようとか考えないでね。
赤外線スコープ付けてライフル持った、こわーいお兄さんが
みんなのこと見てるからね」
と、やわらかな声で言うことを忘れなかった。
175ユーは名無しネ:01/12/14 00:10
内海さんが関西の番組やってたこと知らなかったんで
最初は驚いたんですけど、ハマリ役ですね〜
ナップサックが怖い…
176ユーは名無しネ:01/12/14 00:36
昨日から連投してくださってるのは同一の方かしら?
あの、できれば「いきます」報告して少し待ってからお話投稿して下さい・・・
でないと話の間にレスしてしまうかも知れないので。
177ユーは名無しネ:01/12/14 01:45
別に「いきます」報告しなくても、
各個人が投稿する直前にリロード確認すれば
いいことじゃないでしょうか。
そんなに頻繁に書き込みのあるスレでもないですし・・・。
178ユーは名無しネ:01/12/14 02:03
一応いきます報告した方がいいんじゃないでしょうかね。
そんなに人がいないスレだとは言っても
昼に集計人さんが被っちゃってたようなことも起き得るし、
簡単なルールくらいは必要では。
179ユーは名無しネ:01/12/14 02:11
レスが挟まるくらいなら良いけど、話が被るのは避けたいところ。
今はまだ様子見の職人さん(予定)もいるのでは。
「いきます」宣言お願いします。
180ユーは名無しネ:01/12/14 02:17
もうちょっと進んだら参加するつもり。
バトルに入ってからかな。
181ユーは名無しネ:01/12/14 02:32
あと、連投さんが多いみたいだから
いくつくらい続くのかも宣言してくれるとウレスィ。
182ユーは名無しネ:01/12/14 02:45
内海さんもめぐみちゃんもいいキャラしてますね〜。
183ユーは名無しネ:01/12/14 08:01
そういえば内海光司はジャージが似合う男だった・・・。
人選、見事(w
184ユーは名無しネ:01/12/14 14:03
続きが楽しみになってきたな…
職人様方頑張ってください。
185ユーは名無しネ:01/12/14 23:38
いきます。1つだけです。
薄暗い場内にスクリーン。
まるでこれからのんびり映画でも見ようかというシチュエーションだったが、
やがて映し出された映像は、そんなものとはかけ離れたものだった。
(何やこれ・・ニュース・・・?)
全員が、始まった映像を、いぶかしげな気持ちで見ていた。
普段ニュースを見ない人間でも知っているであろう、
有名なアナウンサーが、ニュースを伝えている映像だった。
政治ニュースで、新しい法案が成立する見通しだと伝えている。
『それでは、次のニュースです。今日の午後2時頃、
ジャニーズ事務所所属のタレント数十名が乗ったバス3台が
崖から転落する事故が起こりました。
乗っていた数十名のうち、これまでに12名が遺体で発見されました。
まだ発見されていない数十名も、ほぼ絶望視されています』
・・・一瞬の空白があった。
何?
どういうことだ?
何かの冗談か?
客席に、当惑と混乱が広がっていく。
客席の当惑と混乱をよそに、アナウンサーは淡々と続けていた。
そして、これまでに遺体で発見されたという12名の名前が
画面に表示される。
【門田忠士・麻田泰佑・金谷亮・西山和孝・米原幸祐・今泉篤士・
堀田豊寛・内川一孝・・・・】
次々と読み上げられてゆく名前を、誰もがただ呆然と聞いていた。
永田剛司がすでに殺されているという事実をもってしてなお、
この映像が現実であると、なかなか受け入れることができなかった。
187ユーは名無しネ:01/12/15 00:00
職人さん、ジャニーズ事務所所属でいいんですか?
188ユーは名無しネ:01/12/15 00:13
話しを明確にした方がいいと思う
どうして事故が起こったか、とか12名は誰かとか。
189ユーは名無しネ:01/12/15 06:59
>188
横からスマソだが、話を明確にするも何もどうせ事故はダミーなんだし
(キャスター「崖から転落」って明言してるじゃん)。
12名はこの場にいないJrも一人残らず、無事ではないということだけ判ればよいのでは?
(だってたぶん他の4名の名前聞いても判らないし、実は私は永田剛司だって知らないから感慨も湧いていない)
190ユーは名無しネ:01/12/15 23:59
>186
あ、RUNandGUN死んでる・・・。
いいのか??アリなのか??
191ユーは名無しネ:01/12/16 05:06
>190
うん。それ、私も思った。
いいのか?
192ユーは名無しネ:01/12/16 06:07
よく判らないが、ようするに186でジャニ事務所所属といっているのは元ジュが含まれているってことね。
ニュースキャスターが「失礼しました。元ジャニーズ事務所/吉本興業の…誤りでした」…とか訂正すればいいことだね。
(本当は、現在の所属のみをいうべきだが、なんせよく判らないだろうし)

>190−191
RUNandGUNって吉本興業のユニット?
www.d6.dion.ne.jp/~ka.dai-f/rg/rg.html
宮下雄也、 米原幸佑、 上山竜司、 永田彬…ああ、米原幸佑がそうなんだね。

他事務所のやつだってバリバリ拉致してるんだから、いまさら…の話よ(w
193190:01/12/16 06:26
>192
そうだね。(w
194ユーは名無しネ:01/12/17 22:17
…いいところで止まってるね(w
(というかここが一番難しいところなんだよね。
バトルがはじまると早いんだろうが。その理由とかが絡んでくるから)
195ユーは名無しネ:01/12/21 02:02
職人さ〜ん、続き待ってます
よってあげ
196ユーは名無しネ:01/12/21 02:41
ここに最後に書き込んだの、20番代だったから
久々に来たら、すごい事になってる。
いいメンバー揃ったね。(涙
自担もいつのまにかいる・・・。
やっぱり、関ジュ大好きな私。(痛

職人さん、頑張ってくださいー。
197ユーは名無しネ:01/12/22 13:34
それじゃ行きます。5つほどまとめて行くかな(連続投稿でひっからなければ)。
関西弁はようわからんので、ツッコミ考証指摘訂正はよろしくね。
>186
「あーあ、これじゃあからさま過ぎだよね。このおっチャン」
 内海光司がつまらなそうに言う。

 牧山雄亮はその言葉に気づいた。

『ジャニーズ事務所所属のタレント』?
 そんなはずはない。そんなはずはない!
RUN&GUNの米原幸祐は《吉本興業》所属なのだ。そう紹介されなければおかしい。
ジャニーズ事務所の所属ではもはやないのだ。自分と同じく。

 考えられることはただ一つ、このニュースキャスターの脳裏には
《ジャニーズ事務所》のことしか頭に入っていないのだ。だから思わず“NG”を出した。
この《事故》の背後にある黒い力と存在。
ジャニーズ事務所の力はそこまで強大だったとは…

「…申し訳ありません。米原幸祐さんは関西発の新進注目バンドとして知られるRUN&GUNのメンバーでした…


妙に説明臭い訂正コメントもわざとらしく感じる。

「はい、ここで終了」
内海が合図するとスクリーンは消えた。
「これ以上流すと“向こう”の優勝者が誰か判っちゃうからね。
パートナーが誰か判らない方が張り合いがあるだろう?」

(パートナー? 優勝者?)
牧山の頭に?が回る。それは周囲の人間も同じようだ。
>198
内海光司は続けた。
「ああ優勝者はデビューできるんだよ。
ハングリー精神があるヤツはジャニーさんも評価するんだ。KinkiKidsもそのクチだよ。
本当はあいつらKansai-Boya3名でデビューするはずだったんだけど
勢い余っちゃって1名消しちゃったんだよね。あのときはさすがにジャニーさんもあわててたね。
まあその分、今2人で仕事回して過労死寸前だけど自業自得ってことかな♪」

 誰も言葉もなかった。
そういえば堂本剛はパニック症候群だったっけ…
子役としてジャニーズ事務所に入る前からローカル番組で司会業までやっていた堂本剛がなんでそんな…そうだったのか…

「V6の岡田准一もJr飛び越した形でデビューできたのは誰も不思議に思わなかったのか? 思ったよな?
アイツも凄かったよ。だって本命も対抗馬も大穴も皆殺しだよ。
大番狂わせでまさかソロデビューって訳にもいかないからV6に入れたのさ。」

 そういえば岡田准一にはどこか影があるように感じられる。

「V6って言えば坂本昌行も長野博も、辞めて一般人になったJrが
返り咲きデビューっての不思議に思っただろ?
 そう、こういうカラクリだったのさ。あいつらも必死だったと思うよ。
だから現役じゃないJrも安心して殺し合ってくれ。
移籍のときはちゃんと話は通しておくから。そうそう名前が変わっている君たち…」

 牧山雄亮(『ウィルハード』所属俳優“友井雄亮”)の背中が跳ね上がった。
呉村哲弘と視線が合う。
>199
「一応エントリーは昔の名前でしてもらってるから間違えないようにね。
沢木哲さんは呉村哲弘クン。友井雄亮さんは牧山雄亮クンってことだから。
聞き逃さないように。…死ぬよ」

(冗談やない。冗談やないで)
牧山雄亮は怒っていた。

自分は『仮面ライダーアギト』の葦原涼を演ずる若手俳優『友井雄亮』として既に一名をなしているのだ。
子供番組と侮るなかれ、すでに親である主婦層にも浸透し何度か各種雑誌でも特集を組まれている。

(俺のことを“元”ジャニーズJrの“牧山雄亮”と認識するやつは今やいない。
俺は俳優“友井雄亮”なんや。アギトのギルスはほんの足がかりや。
反町隆史をわざわざ元Jrなんて言う奴はいない!
何が悲しくて、今更ジャニーズなんかに…!)

牧山雄亮はさらに視線を移す。魚谷輝明が牧山を見つめていた。
魚谷は牧山と同じ『ウィルハード』に所属した後、
さらに「ルースドソール」に移籍したのだ。

(今、あの人はどういう気持ちなんやろか)
>200
>「移籍のときはちゃんと話は通しておくから。そうそう名前が変わっている君たち…」

 呉村哲弘(『鈍牛倶楽部』所属俳優“沢木哲”)の背中が跳ね上がった。
牧山雄亮と視線が合う。

「一応エントリーは昔の名前でしてもらってるから間違えないようにね。
沢木哲さんは呉村哲弘クン。友井雄亮さんは牧山雄亮クンってことだから。
聞き逃さないように。…死ぬよ」

(ケッ オモロないで!冗談は顔だけにしくされ!)
呉村哲弘は怒っていた。

自分は若手俳優『沢木哲』として既に一名をなしているのだ。

(俺のことを“元”ジャニーズJrの“呉村哲弘”と認識するやつは今やいない。
俺は俳優“沢木哲”なんや。
岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』にジャニタレが出られるのか?
逆立ちしたって無理やろ! 俺はもうリベンジ果たしとる。
反町隆史をわざわざ元Jrなんて言う奴はいない!
何が悲しくて、今更ジャニーズなんかに…!)
>201
(ヒナ…)
「JAVELIN HEAD」の田中純弥は会場を見回し、現役関西Jrの村上信五の顔を探した。
慎重に、不自然でないように注意深く…
(何故なんや。ヒナ…)
(判っていたんやろ? あのトン汁に何かしこまれているってことは。
判っていて俺らに食うように勧めたんやな? 何故や? ヒナ)

 横山裕ならまだ判る。だが…

(ヨコが何かしようとしてもお前は止めることもできたはずや。
知らなかったとは言わせんで。
そうしなかったってことは俺らを…俺をハメたのと同じや!)

 ギリギリと音たてて純弥の歯が軋み、隣に座っていた野中和久(「JAVELIN HEAD」)が
驚いたように振り向いたが…知ったことか!

(ジャニーズをやめた俺らがどうなっても構わへんってことか。
いやむしろ嘲っているのか?…憎んでるのか? 俺らを…!?)
>202
 ふと田中純弥の視点が止まった。…瞳孔が狭まる。
横山裕が座席に座っていた。舞台の袖ではなく。
首には首輪がつけられていた。

(…どういうことなんや? アイツは“進行スタッフ”やないのか?)

 表情は見えないが顔色は青ざめていた。…そうであって欲しい!
 俺の顔は充血しているだろうが。

(…いてくれてよかったで。ヨコ。この落とし前はつけたる!必ずな…)
しかしヨコがいるってことは…

 村上信五は会場にいた。同じように座席に座ってそしてうつむいていた。
 首には同じように首輪がついていた。…そんなことは関係ない!

(…いて欲しくなかったで。ヒナ。いたら逢わずにはいられない。そして必ず償ってもらうで)

 純弥は拳を握りしめた。
爪が掌に食い込む。痛みがしみ通る。
血が出ているかもしれないが一々目で見て確認などしない。

(…必ず償ってもらうで!ヒナ)
204ユーは名無しネ:01/12/22 15:45
一つだけいきます。
今や会場は声にならない感情のうねりで埋め尽くされていた。
かつての、そして現在の仲間が死んだという衝撃から現実に戻りつつあり
先ほどまでの困惑を通り越した怒りや悲しみ、憤りがそれぞれの顔に現れていた。

その中で内海の「デビュー」という言葉に、激しく反応した者が1人いた。
「V-WEST」のヴォーカル、内博貴である。
(優勝者が……ってどういうことや?)
(次のデビュー組にはオレが入ってるんやなかったんか?)

内はバンド「V-WEST」が結成されて以来、度々仕事のために東京を訪れている。
バンドの仲間と一緒の時もあれば、単独の時もあった。
東京の面々に比べると待遇こそ良くはなかったものの、
社長或いは事務所は、内個人を強く推してくれているものと思っていた。
実際にデビューを仄めかすような言葉をかけてもらったこともあった。
それが今になって何故崩壊しようとしているのだろう。
(全部ウソやったんか?)
(それともアイツの言うてることがウソなんちゃうんか?)
(でも……)
ふと内はいつか聞くとはなしに聞かされた社長の言葉を思い出した。

『仲間って言っても、事務所にいる以上は皆、ライヴァルだからね』

ライヴァル?
仲間では、ない?
だから、殺し合えと?

内は汗ばんだ掌を無意識のうちに服の裾で何度も何度も拭っていた。
「Jr同士の呼び方スレ」から転載編集しました。現役中心だからあんまり役に立たないかも…
事実誤認や追加がありましたらご指摘下さい。

大堀→今山「透」
大堀→大倉「大倉」
大堀→渋谷「渋谷くん」
大堀→丸山「丸ちゃん、マル」
大倉→三宅「ショーマ・三宅」
大堀→福原「一哉、福原、福ちゃん」
大堀→安田「やっさん」

北山→田中純弥「純弥」

渋谷→村上「ヒナ」
渋谷→横山「ヨコ」

錦戸→大堀「大堀くん」
錦戸→福原「福原」

丸山→大倉「ただちゃん」
丸山→大堀「大堀くん」
丸山→錦戸「亮ちゃん」
丸山→水野「みっくん」
丸山→安田「やっさん」

村上→渋谷「すばる」
村上→横山「ヨコ」

福原→今山「透(とおる)」
福原→大倉「大倉」
福原→大堀「治樹、大堀、ほりほり(色々)」
福原→高黒「とおる」
福原→村上「ヒナちゃん、村上くん」
福原→浜中「文ちん、文チャン」
福原→安田「アキオ」

安田→大倉「たっちょん」
安田→錦戸「亮ちゃん」
安田→水野「サル」
安田→丸山「マル」

横山→渋谷「すばる」
横山→村上「ヒナ」
享年(?)を確認するための覚え書きリストです。(2001/12/25現在)
www1.winknet.ne.jp/~suzu/suzu/kanju.htm
www.intacc.ne.jp/HP/mad/KIDS/Jbirth.html

進行役01:内海光司 1968/01/11(33歳11ヶ月)
進行役02:大石恵  1973/03/20(28歳09ヶ月)

01:粟島瑞丸 1981/09/02(20歳03ヶ月)
02:伊藤政氏 1984/10/14(17歳02ヶ月。現役)
03:今川晴司 1981/01/24(20歳11ヶ月)
04:今山透  1985/02/07(16歳10ヶ月。現役。V-WEST/drums)
05:魚谷輝明 1980/10/09(21歳02ヶ月。「ルースドソール」所属)
06:内博貴  1986/10/10(15歳02ヶ月。現役。V-WEST/vocal)
07:梅阪剛司 1986/07/21(15歳04ヶ月。現役)
08:大倉忠義 1985/05/16(16歳07ヶ月。現役)
09:大堂祐史 1984/01/09(17歳11ヶ月)
10:大西由郎 1980/09/28(21歳03ヶ月)
11:大堀治樹 1984/02/02(17歳10ヶ月。現役。MAO)
12:小川修平 1982/12/22(19歳00ヶ月)
13:落合兄丞 1987/09/08(14歳03ヶ月。現役)
14:菊岡正展 1985/04/29(16歳08ヶ月。現役?)
15:北山純一 1981/12/16(20歳00ヶ月。「JAVELIN HEAD」guitar)
16:木村廣太郎 1982/12/24(19歳00ヶ月)
17:呉村哲弘 1982/08/24(19歳04ヶ月。「鈍牛倶楽部」所属“沢木哲”)
18:後藤大祐 1980/12/26(20歳11ヶ月)
19:塩田修  1980/11/15(21歳01ヶ月。「新世界LOUK通天閣」所属ダンスユニット『AURA』メンバ

ー)
20:渋谷すばる 1981/09/22(20歳03ヶ月。現役)
21:清水大輔 1982/03/31(19歳09ヶ月)
享年(?)を確認するための覚え書きリストです。(2001/12/25現在)

22:高黒徹  1982/05/23(19歳07ヶ月)
23:高杉政治郎 1986/01/24(15歳11ヶ月)
24:武藤雅博 1982/08/02(19歳04ヶ月)
25:田中純弥 1981/07/13(20歳05ヶ月。「JAVELIN HEAD」vocal& sax)
26:田中大樹 1983/12/25(18歳00ヶ月)
27:土山俊樹 1979/03/10(22歳09ヶ月)
28:中嶋慶介 19??/??/??(??歳??ヶ月)
29:【死亡】永田剛司 1984/10/12(17歳02ヶ月)
30:錦戸亮  1984/11/03(17歳01ヶ月。現役)
31:女寺豊  1980/01/03(21歳11ヶ月)
32:野中和久 1981/09/17(20歳03ヶ月。「JAVELIN HEAD」bass guitar)
33:浜中文一 1987/10/05(14歳02ヶ月。現役)
34:福原一哉 1982/06/26(19歳06ヶ月。現役。MAO)
35:牧山雄亮 1980/04/02(21歳08ヶ月。「ウィルハード」所属“友井雄亮”)
36:松尾祐樹 1979/03/01(22歳09ヶ月)
37:丸山隆平 1983/11/26(18歳01ヶ月。現役。V-WEST/bass guitar)
38:水野清仁 1984/03/09(17歳09ヶ月。現役。V-WEST/lead guitar)
39:三宅将馬 1985/12/05(16歳00ヶ月。現役?)
40:村上信五 1982/01/26(19歳11ヶ月。現役)
41:安田章大 1984/09/11(17歳03ヶ月。現役。V-WEST/guitar)
42:横山裕  1981/05/09(20歳07ヶ月。現役)
210208.209:01/12/22 21:33
>209
|24:武藤雅博 1982/08/02(19歳04ヶ月)

武藤って現役でしたっけ? 忘れてた。鬱だ。

(正)
24:武藤雅博 1982/08/02(19歳04ヶ月。現役)
211ユーは名無しネ:01/12/22 21:50
生年月日確認、お疲れ様でした。
追加・訂正お願いします。
中嶋慶介=1982/1/9生まれ。
友井雄亮=現在はオフィスPSC所属です。
212ユーは名無しネ:01/12/22 23:34
>206-211
こりゃ便利。訂正もありがとう。

バトル予定地は島かな?と思い、季節が季節だし南の方を
考えていたら、不審船のニュース…洒落にならん。
213ユーは名無しネ:01/12/23 02:07
各種データすごいですね。
でも小説内ではあまり説明くさくない方が読みやすいです。
214ユーは名無しネ:01/12/23 02:20
皆様方ご苦労様です。
ところで呼び方データなどわかるものは書き足していったほうがいいんですかね?
リスト化できるほどの数がわかるわけではないのでどうしたものかと考え中。
215ユーは名無しネ:01/12/23 02:25
>199
真相にワロテシモタ…
城島の名前が挙がってないのが気になる
216ユーは名無しネ:01/12/23 02:35
でも呼び方って、リストにして下さった中でも
すでに本人同士使ってなかったり
そもそも本人同士のネタだったりするからなぁ。
217208.209:01/12/23 21:16
>211
ご指摘ありがとうございます。名簿リストの改訂はしばらく時間をおいてからウザクならないときにやります。
(それまでは各自の脳内で読み替えるということで…)

|友井雄亮=現在はオフィスPSC所属です。

おぉっと、うーん、結構、頻繁に変わるもんなんですね(絶句)。
ということは…
199(関西リレー34@伝説デビューの真相 )と
200(関西リレー35@ギルスの怒り )の該当の箇所は各自読み替えるということでよろしいですね。
以降の各職人の方よろしくお願いします。
218ユーは名無しネ:01/12/24 08:06
ええと質問なんですが
《12 :関西リレー2@大堀も!?》で言及されている「まーしー」って誰ですか?
大倉忠義の数少ない友人ってことですが…

こんな初歩的な情報も知らないで続き書こうという…蛮勇ですな。あたしゃ(w
さらにいうと大倉忠義すら知らなかったりする(w さらに逝って良し!)
219ユーは名無しネ:01/12/24 08:37
>218
まーしー=伊藤政氏だよ。
220218:01/12/24 17:51
>219
 ありがとうございます。
しかしやっぱり二人の関係知らないのに書くのはこわいな…
 このあたりはもう少し様子見します。
221ユーは名無しネ:01/12/24 18:26
℃視点で2つ3つ行かせていただきます。
「要は事務所としても運命を託し『一番、信用できるのは共犯者』ってことさ」
 内海光司はなおも続ける。

 錦戸亮は思わず自嘲した。
(共犯者か…)
 会場で聞いているほとんどのヤツにその言葉の意味を理解できているのは
どのぐらいいるだろうか?
 殺人という最悪の犯罪…その業(ごう)、この汚れ果てた事務所が運命を託し共有するのは
そういう類の「共犯者」だということを…決して裏切らない共犯者…
事務所も共犯者をまた裏切らない。いや「裏切れない」のだ。

−おいしい話のはずやった。

 KinkiKidsが出すCDは初登場いつも1位だ。
 確かに今回は新レコード会社『Jストーム』立ち上げに金がかかったせいか、
新曲『Hey!みんな元気かい?』の1位記録は1週のみしか金が続かなかったが、
それでもジャニーズ事務所は毎回金に糸目をつけず、
なりふり構わずKinkiKidsに尽くさなければならない。
 確かにKinkiはジャニーズ事務所の共犯なのだ。
 Kinkiもまたジャニーズ事務所の弱みを握り、利用している。
闇に汚れた自分たちの存在そのものを人質にして。

 うまく立ち回っている。あやかりたい!
(共犯者か…)
 錦戸亮もまた家族を全員人質にとられていた。それもある。
 しかし錦戸は心躍っていた。
この計画に乗れば、錦戸亮・渋谷すばる・横山裕・村上信五、
それに“優勝者”…デビューできる!

(最近、声変わりもしたし…俺ももうJrでは古株になってきている。
これが最後のチャンスなんや)
 事成れば最近目障りな内博貴(V.WEST)も含めてライバルは一掃できる。
KinkiKidsと同じかそれ以上のバックアップも期待できる!

 それは同時に同期の安田章大(V.WEST)、水野清仁(V.WEST)、大倉忠義、
それに辞めた田中大樹を巻き込んだ上に見殺しにすることを意味していた。
それに心痛まなかったと言えば嘘になる。

(やっさん、みっくん、大倉、大樹…すまんな…けど)

(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん!)

血まみれの夢の世界で錦戸亮は叫ぶ。
(残ったもんの勝ちなんや! ジブンらには声かからんで、
俺にきたのは意味があるんや! 判ってくれや!)

−おいしい話のはずやった。

(…いや、まだ終わった訳やない)
やっぱり自分の手を汚さずには栄光は掴めんてことやな。

(やっさん、みっくん、大倉、大樹…すまんな…けど)

(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん!)

(ジブンらの血を見なくてはあかん。この目で…)
 錦戸亮は不敵に笑った。
>223
 錦戸の腹は決まった。しかしまだ不安な要素がある。
事務所は内海が語る以上の“秘密”を知っている自分たちも
まとめて地獄に放り込んだ。
(うまく始末できたら御の字ってとこやな。…そうはいくか!)
 KinkiKidsは2人でデビューしている。うまく立ち回るんだ。
自分たちはそれ以上にうまくできるはず。
 なぜなら自分たちは知っているのだ。
 ごっつアホらしく残酷なこのゲームの本当の秘密を。そして他の参加者と違って、予めある程度の裏技も聞き出している。
それには横山裕、村上信五、それに渋谷すばるの協力がいる。
 4人で掴んでいる“秘密”とかけておいた“保険”を元に知恵を出し合えば
事務所を出し抜き、突破口は開ける。
 それでどうにもならなければ…改めてゲーム参加者として油断させた
3人を始末すればいい。
 でも最初から選択肢を少なくするようなことはしない。
自分は他の参加者とは違うのだ。

(しかしまあ、トン汁なんて、横山君も村上君も何でまたごっつアホな方法とったんや。顔覚えられてるやんか!)
 土壇場で裏切られて自分たちまでこのアホらしいゲームに放り込まれたとは言え、
置かれている状況は最悪だ。
 横山と村上はおそらく1号バスの全員から集中攻撃を受けるだろう。
 しかし何が何でも2人には死んでもらう訳にはいかない。
錦戸自身の命と運命もかかっているのだ。

 横山も村上も(もちろん渋谷すばるも)錦戸の助けを必要としているはずだ。
あいつらも生き残るためには錦戸の計画に乗るしかない。

 4人で集まれば、ランダムで回ってくるはずの武器も当たりがくる可能性が高くなる。
 生き残りさえすれば、すべてを出し抜ける。

(やっさん、みっくん、大倉、大樹…すまんな…けど)
(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん)(…亮ちゃん!)
(俺は…横山君たちと行くんや)

−おいしい話のはずやった。

(いやこれはチャンスや。ちょっとスリルがあるチャンスや)
錦戸亮は身震いした。恐怖ではなく興奮で。
 運命は掴み取る!切り拓く!自分の手で!
数少ない機会に気づく者は少ない。俺がそうなんや!
225ユーは名無しネ:01/12/24 18:55
223を書いた者です。題名間違えました。

誤)関西リレー40@捨てられた共犯
正)関西リレー41@捨てられた共犯
226ユーは名無しネ:01/12/24 19:07
内海さんのルール説明を行かせてもらいます。
2回投稿の予定です。
内海光司は静まりかえった会場の座席(座っている者たちの顔)を一通り見回した後言った。

「じゃあ、まず場所について説明するぞ。
ここは京都シアター1200じゃないし。京都でもない。
もっと言うと日本ですらない。とある小さな孤島だ。
携帯は通じないし、食べられるものは何もない。
生えている動植物キノコはすべて毒性がある。
お前たちの持っていた時計は全部回収して、こっちの時間に合わせておいたから安心しろ。
次からの説明は全部現地時間だ。明石標準時は優勝者以外には意味がなくなる」

「《ゲーム》のルールについて説明しよう。大前提は1つ。お前たちは殺し合う。
最後の1人になるまでだ」

「72時間…つまり3日の内に最後の一人になるまで戦ってもらう。方法は問わない。
武器と3日分の水/食料、方位磁石、島の地図、筆記用具は全員にあとでちゃんと渡す」

「まず、お前たちがつけている首輪…気になるだろ?
それには発信器がついていて、お前たちの体温、脈拍、血圧など健康状態を
記録してこっちに伝える。当然位置もだ」

「そしてその首輪は爆弾付きだ。上手に首と喉だけ爆発する。
爆発したら首と胴体が別れちゃうから、当然死んじゃうね。
ちなみにその首輪は頑丈で対ショック完全防水加工。壊れないし、はずれない。
無理にはずそうとすれば爆発する。
安全にはずしてもらいたかったら優勝すること♪」

 会場は内海の説明の反響以外沈黙に包まれていた。
しかし大倉忠義は鼓膜に痛みを感じていた。
音にならない感情のうねりが会場の気圧を変えていたのかもしれない。
 銀色の死神が首にしっかりとはまっている。
側面に輝いている赤い玉はランプだったのか…
 これが光るか点滅したのなら…多分もう祈るしかない。
「他に爆発するのはどういうときか。
(1)72時間経っても最後の一人が決まらない場合自動的に全員の首輪が爆発。
当然優勝者なし。
(2)最初の12時間が経っても誰も死ななかったとき。やっぱり全員の首輪が爆発。
ゲームオーバー。
(3)随時放送で発表する禁止エリアに入ったとき。それぞれの首輪が爆発する。
毎日定時で入れる朝6時と12時、18時、24時、それに臨時で入れる放送は
よく聞くこと。禁止エリアは2時間ごとにだんだん増えていくぞ。
とりあえず最後の一人がここを出て5分後にこの建物周辺が最初の禁止エリアになる。
さっさと離れた方が身のためだ。
(4)それと海岸から50m先の海は自動的に禁止エリアだから、のんきに泳いだりサーフィンしてない方がいいぞ。
(5)それから妙に反抗的だったり、変な動きをしたら随時遠隔操作で首輪を爆発させる。
本当はさっきだってリモコンのスイッチ一つで永田を始末できた。でも恵ちゃん、素早かったからね♪」

大石恵はにっこり笑った。
229ユーは名無しネ:01/12/24 20:13
内海さんでさらに2つ行かせていただきます。
「さていよいよ武器とその他もろもろの配布だな。
もうナップザックに詰めて用意してある。
じゃっ恵ちゃんよろしく♪」

 大石恵は舞台袖に引っ込んだ。
 やがてガラガラとキャスターが転がる音が聞こえると数名の迷彩服の男たちが
大石と一緒に大量の迷彩色のナップザックを積んだ網籠を数台運んで来た。
 内海の演壇の横に大量のナップザックは置かれ大石恵もその横に立つ。
舞台の前には階段が置かれる。
 客席から舞台まで荷物を取りに行くということか…内海の前を通って…

「エントリーは基本的にあいうえお順だ。
5分間隔でその順に荷物を配り、その順で出発してもらう。
41名ってことは…うーんと205分で約3時間半か…
後がつかえているんで行動は迅速にな。
あんまのろのろしてるとお仕置きしちゃうぞ♪
順番についてはご先祖様と親御さんを恨みな。
武器はランダムに入れてあるんで適当に引きな。当たりはずれはある。
体力と体格には個人差はあるから。結局はこれが一番平等に公平にってことだ。
中身は福袋と同じで引いてからのお楽しみだ。番号早いからって有利じゃないよ。
残り物には福があるってな」

誰も内海の他に話す者はいない。静まりかえっている。
「いきなりゲーム開始って言っても実感湧かないよな?
うん、よし覚悟を決めるように手助けしてやるよ。じゃ紙とペンを配って」

内海の指示で大石恵と迷彩服の男がA5判程度の白い紙とペンを配りはじめる。

「紙は回収するぞ。ペンはそのまま持っていてよし。
紙には各自の名前を書け。そして次にこう書くんだ。
大きな文字で『僕たちは殺し合いをします』
さあ、続けて言ってみろ。『僕たちは殺し合いをします!』」

「僕たちは殺し合いをします…」
まばらに声が聞こえる。あわてて遅れないように別の声が追いかける。

「声が小さい! 『僕たちは殺し合いをします!』」
「僕たちはァ殺し合いをォしまァす!」
「はい!もう一度!『僕たちは殺し合いをします!』」
「僕たちはァ殺し合いをォしまァす!」

3回目には不思議に声は揃いシアター1200の天上を落とさんばかりに怒号が響き渡った。
(俺たちは40人ぐらいしかおらへんはずなのに…)
大倉忠義は思った…
(死んだ永田とか米原とか門田とかも混ざってるのか…)
そう思う自分が悲しかった。

「さあ書け!『僕たちは殺し合いをします!』3つ書くんだ。
縦に3行でも横に3行でもいいぞ。
『僕たちは殺し合いをします!僕たちは殺し合いをします!僕たちは殺し合いをします!』
書いたか? 書いたな? では回収!」

内海の指示で大石恵と迷彩服の男が白い紙を回収し内海に渡した。
壇上の内海はそれをめくり愉快そうに時間をかけて目を通した。
いや本当は数秒だったのだろう…。
不意に紙の横を叩いて揃えおもむろに内海は言った。

「さて、覚悟は決まったな? では栄えあるトップバッターは1番、粟島瑞丸!」
粟島瑞丸は立ち上がって壇上に上がった。

(あいつ、右手と右足両方出てるで…)
大倉忠義は思わず笑いそうになった。
(あかんあかん。俺かて多分、あんな風になるはずや)

 内海光司に軽く会釈する。そこに横から大石恵がナップザックを放る。
とっさのことで粟島は受け取り損なった。

「おいおい、しっかりしろよ」
内海が笑う。
「あっはあ、すんません」

(あやまるなよ)
大倉はまたもツッコミを入れた。
(まあ俺かて愛想笑いしそうやな)

不意に会場後ろの出入り口が開いた。
皆一斉に振り返る。
「出口はあっちだぞ。粟島」
「あっ…はあ…」
粟島は混乱していた。
「これが何だか判るか?粟島」

内海は懐から携帯のようなものを取り出した。
−ピーピーピー
粟島の首輪が赤く点滅をし始めた。この警戒をそそる耳障りな音…!
−ヤバイ!
「あかん!あかんて! やめて下さい!」

「ダッシュだ!粟島。早くしないと…」
内海はあくまで冷ややかに言う。
「あかん!あかん!」

 粟島は落としたナップザックを引っ掴むや、こけつまろびつ舞台を駆け下り
座席の間を駆け抜けた。
 座席に座っていたJr(と元Jr)は、立ち上がって走ってくる粟島から離れようとする。

 粟島の首輪の音が不意に止まった。しかし粟島は止まらないで出口を走り抜ける。
「嫌や!嫌や!」
粟島瑞丸の声はだんだん遠ざかっていった。

「セーフだったな。ゲームが始まる前にまたリタイヤじゃこっちも面白くない」
本当に愉快そうに内海は言った。懐に携帯のようなものをしまう。
おそらく首輪のリモコンのようだ。

−ブラフじゃない。コイツは本気でやる。

「じゃあ5分後にあらためて呼ぶぞ。2番、伊藤政氏、準備はいいか?」
234ユーは名無しネ:01/12/24 21:25
いきなりとばしとばしで大堀で行きます。さらに福原も行きます。
4回か5回の予定…連続投稿規制ではねられるかもです
「8番、大倉忠義…!」
壇上で内海光司が大倉の名前を呼んだ。大倉が立ち上がりナップザックを取りに行く。
 大堀治樹(MAO)は11番目だ。
あと15分後には大堀もあの重たそうなナップザックを取りに行くことになるだろう。
(ああ、難儀やな。なんちゅう厄日や)

『治樹…大堀…ほりほり…!』
ささやき声で隣の席の福原一哉(MAO)が呼んでいる。
「何や?」
いらだって大堀は振り返った。自分の名前を聞き逃したらアウトやっていうのに!
『あほ! こっち向くな!』
福原は視線は合わせず、相変わらず内海を凝視している。
『目は内海かめぐみを見とくんや。唇は見えん程度ちょっと開いて囁き声や。喋ってると判ったらアウトや

んか』
(ドあほ! そんな器用な芸当できるかい! お前はいっこく堂か!?)
心中、つっこみつつ、なんとかマネる。
『何や。この糞忙しいときに!ジブン、俺を殺す気か?』
(ああ。人間やればできるもんやな)
妙なことに自分で感心した大堀の耳に福原の囁き声が入る。

『お前。俺を殺すんか?』
『?』
『外で俺に出くわしたら、俺を殺すやろ?』
『何アホなこと抜かしてるんや。殺すわけないやろ。お前ツレやんか』
大堀は心底あきれかえって答えた。
『きれい事はいい』
福原の囁きは冷徹だった。
大堀は溜息をついた。内海を見ながら囁きで答える。
『きれい事ちゃうで。ホンマや。俺はお前を殺さん。ほんまやで』
『俺は言葉なんぞ信じんで。殺さんと殺されるときには、お前俺殺すやろ』
『俺は誰も殺さん』
『殺さんと殺されるんや。お前、死んだ永田をすぐそばで見たやろ』
『そんなのどうせ早いか遅いかの違いやんか』
『ジブン何言ってるんや?』
福原の囁きに疑問の色が混じる。

『判らんか? 一哉。俺らこうやって捕まった時点でどうせ皆殺しの運命なんや。永田と同じや。
こんな仰山武器抱えた奴らがひしめいてる中で40人皆殺しして一人で生き残るなんか、
万馬券当たるより難しいやんか。』
『.....』
『内海やジャニーみたいなキ印の言うことまともに聞けるか。
あの因業どもは馬の面(つら)にニンジンぶら下げるように儚い希望でもって、
俺らなぶって楽しんでるだけや』
『それでもそれに賭けて、頑張ろうとは思わんの?』
『頑張ろうって殺し合いをか?』
『ジブン生き残る代わりに俺を殺さへんのか?』
『俺は絶対お前を殺さん』
『俺がお前を殺そうとしてもか?』
『ああ、お前が俺を殺しても俺はお前を殺さへん』
『武器抱えた俺がお前んとこ突っこんでくるんやで』
『えげつない事言うなや。今想像したやんか。まあお前が仁王様みたいな顔してても閻魔様みたいな顔して

ても俺はお前を殺さへん。ま、痛いとか恨み言ぐらいは言わせてぇな』
『そうか...』
『そうや...』
『......』
『......』
『お前はええ友達や』
『今更何言うてんのや。一哉』
『俺もお前を殺さへん』
『ああ、おおきに』
『3月6日』
『???』
(何なんや。藪から棒にその日付は?)
>236
『3月6日』
『???』

大堀治樹はやはり気づかないようだ。
福原一哉は大石恵に視線を合わせながら囁いた。
『しつこいようやけど、治樹。
3日後、生き残りが1人にならんと俺ら全滅するんやで』
『そらまあ、聞いた。で3月6日って?』
『3日後にもし俺ら2人が生き残ったら、
俺を殺さないとお前の首輪も爆発するんやで。
もしお前が俺を殺さんでも、結局首輪が爆発して俺も助からんのや。
お前の仏心も全くの無駄や。
お前も死ぬ。俺も死ぬ。それやったら俺を殺せば、お前一人だけは助かるんや。
0よりは1の方が大きいやろ』
『ああ、それでも俺はお前を殺さへんて。もしそないなときが来たら
自分でドタマ撃ち抜くか腹かっさばくかしてお前を生かしたる』

(治樹......お前はやっぱりアホや。でもいいヤツやな。お前に会えてよかった…)

福原一哉は決めた。

(お前を死なせへん。残り39人は可哀想だが一人残らず冥土に逝ってもらう。
無理矢理にでも俺が地獄へ蹴り落とす。
そんでもって40人目に俺が死んでやる。デビューするのはお前や。大堀治樹。
内海やジャニーにお前の運命託すのは業腹やけど仕方がない。
だから死ぬな)
『で3月6日って何よ?』
『俺の入所記念日や』
『ああ、そうでっか?』
『3はアルファベットで言うとC、6はFやな』
『それで?』
『内海が禁止エリア云々って言ってたやろ?』
『ああ言ってたなぁ』
『放送で伝えるエリアって言うからには地図がA-5とかF-11とかいうマス目になってるはずや』
『なるほど』
『最初の3ないしCが縦列。次の6ないしFが横列や。そこで合流するんや』
『何で?』
『2人でいた方が心強いやんか。ほんま言うとお前はアホらしくてほっとけないんで面倒見てやるって』
『はいはい、そうでっか』

ふと大堀が黙り込んだ。

福原が囁く。
『3−6が海か禁止エリアに当たっとったらひっくり返して6−3に変更。
それが駄目なら12月25日や』

自分の考えを言い当てた福原を大堀は疑問には思わない。福原も得意には思わない。
それは当然のことなのだ。12月25日は大堀治樹の入所記念日だ。
福原も大堀もそれをわざわざ確認することはなかった。

大堀はさらに黙っている。
福原は内海を見て囁く。
『地図が25マスなかったら、あるいは俺の目論見がはずれとったら、
まあ星回りが悪かったんやな。
行き当たりばったりで苦しいがなんとか俺が見つけだしたる。
…それまでは死ぬなよ』

福原一哉のエントリーナンバーは34番。
欠番になった永田剛司を除いても
エントリー11番の大堀治樹との間には22名.−110分間の時間差があった。

『ああ、待ってるで』
大石恵を見つめながら大堀治樹は囁いた。
239ユーは名無しネ:01/12/24 23:52
リレーって難しいですね……
240ユーは名無しネ:01/12/25 00:10
本当に…
241ユーは名無しネ:01/12/25 00:14
ロムですが、職人様すごいっすよ!<リレー
ひさしぶりに来たらめっちゃ進んでてうれしすぎ。
242ユーは名無しネ:01/12/25 01:17
あのー、飛ばしすぎだと…(悲
243ユーは名無しネ:01/12/25 01:34
じっくりやりすぎても、だらだら長くなって
職人もROMも飽きてくるから、このくらいで丁度いいよ。
じっくり進めてほしいと思うのらな、自分で書くがよろしい。
244ユーは名無しネ:01/12/25 01:52
じっくり進めて欲しいというんではないけど、いきなりMAOは
ちょっとビクーリ(藁
245ユーは名無しネ:01/12/25 02:04
そう?
あんまりそうは思わなかったけどな。
他の人の心理も見てみたいと思った。
246ユーは名無しネ:01/12/25 02:09
でも、最初の方と雰囲気が変わっちゃってるような…<MAO
できれば前の方とも繋がるように進めて頂きたいな。
247ユーは名無しネ:01/12/25 02:18
>245
他の人の心理も見たいんなら
余計に飛ばしちゃいけないんじゃない?
飛ばすなとは言わないけど
あなたの論理ちょっとおかしいよ。
248ユーは名無しネ:01/12/25 02:25
MAO書いた職人さんが気の毒だね。
文句言うだけなら、簡単だものねぇ(w
249ユーは名無しネ:01/12/25 02:36
誰も文句言ってないと思うけど・・・なんでそう思うの?
250ユーは名無しネ:01/12/25 03:04
書いていただくのは本当に嬉しいですし心躍っております。
ただ、できれば メモ帳かなにかにまず書いてから纏めてUPしていただきたいです…。
で、予告に何回分なのかも入れて書き込めばダブりも防ぎやすいと思います。
職人様がた よろしくお願いいたします。
251ユーは名無しネ:01/12/25 04:43
こんな時間ですが、ひとつだけいきます。
大堀と福原の会話より、少し時はさかのぼる。
名前を呼ばれた伊藤政氏は、フラフラと舞台へ歩いて行った。
内海とは初対面だが、この事務所にいる以上もちろんその存在は知っている。
しかし、自分との人生とはまったく交わることのない存在のハズだった。
それが何故、こんな形で、自分の生死をかけて関わることに
なってしまったんだろう。
怖いといえばもちろん怖いのだが、目の前の内海を、
むしろ不思議な気持ちで見ていた。
大石からナップサックを受け取ると、伊藤はふと疑問に思い、内海に声をかけた。
「あの・・・」
「なんだ?伊藤」
「俺もダッシュした方がいいんですか?」
粟島が、さきほど内海に脅され、おそらく彼が本来持っている以上の
脚力を発揮して、ここから飛び出していったのを見て、伊藤としては
それがルールのうちなのかどうか、普通に疑問を抱いたわけだが、
内海にとっては意表をついた質問であったらしい。
内海は驚いた表情で伊藤の顔をまじまじと見つめた後、一気に吹き出した。
「あっははは!お前面白いこと質問するなぁ。俺気に入ったよ〜〜」
内海に気に入られてもちっとも嬉しいことはないが、
そんな伊藤の内心には構わず、内海は言葉を続けた。
「まぁ本当は別に走らなくてもいいんだけどな、粟島、あいつなかなか
行きそうになかっただろ。だからちょっと急かしたんだけどな。
手がかかるよなぁ。ま、お前の好きなようにやんな」
内海はそういって伊藤の肩を掴んでくるっと反転させると、
伊藤の背中をぽんと叩いた。
伊藤はそのまま内海の方を再び振りかえることなく、
出口の方へ向かって歩き出した。
客席に座っている人間と、真正面から向き合う形になる。
伊藤はなるべく目を伏せて歩いて行ったが、客席の中に大倉の顔を見付け、
一瞬、お互いに視線を交わした。
そして、そのまま伊藤は歩き続け、粟島と同じ出口に姿を消した
253ユーは名無しネ:01/12/25 07:19
 MAO(大堀・福原)書いた職人です。何かかっ飛ばしは不評のようで申し訳ないです…ゴメソ。
 言い訳ですが、メインのエントリー順番はまだ8番の大倉忠義で、
大堀・福原の該当箇所は裏話というか内面心理なので、
多少順番前後しても影響ないかな…と。
 でも確かに2番の伊藤政氏から7番の梅阪剛司までかっとばしてますね。
この当たりを書こうとしてた職人さん、ごめんなさい。

…でも41人のエントリー全部書き終わるの待つの?…
254ユーは名無しネ:01/12/25 07:57
う〜ん、自担は飛ばされてなかったからあんまり感じなかったけど
書きたい人、読みたい人は多そうなメンツだと思った
でも41人のエントリーを全部書かれてもダルイので
先に書いた者勝ちで進めてかまわないと思う
どうしてもエピソードを付け足したい人は
252さんみたいに時系列遡ってかけばいいんじゃない?
255ユーは名無しネ:01/12/25 07:57
別に、順番とか細かいこと気にしないで、書きたい人を書けばいいんじゃない?
あっち(本家?)のバトロワだって、時間も場所も行ったり来たりしてて、
あとから時間軸まとめるのに苦労したぐらいだから。
どうしても書きたいなら、あとから回想シーンでも入れれば済むことだし。
256ユーは名無しネ:01/12/25 07:59
>244
かぶってスマソ。
257ユーは名無しネ:01/12/25 08:21
ええと逆にですね。エントリーなんかで欠かしちゃいけない読みたいエピソードとか面子とかある?
そういうリクエストとか希望とかあった方が職人さん方も書きやすいのでは?
41名のエントリー…気が遠くなりそうなので、
ガンガン飛ばしてバトルでの回想シーンって形でもいい気はするけど。
258ユーは名無しネ:01/12/25 10:38
今のエントリー云々の流れに関係なくて申し訳ないのですが
内海が放送するとき
「みんな久しぶり〜元気〜?」
「じゃあまたがんばれよ〜ウエッサーイ(w」とか言ってくれるのきぼんです
259ユーは名無しネ:01/12/25 12:50
順番待ちのときにこう長々と話ってできるのかなあ、という疑問が。
目線そらして口だけにも限界があると思う。
待ち合わせ相談が簡単にできるということにしたらつまらないので、これ以上はなし、ということにしません?
260ユーは名無しネ:01/12/25 13:33
またMAO絡みになっちゃうけど、2ついきます。
小さな声で囁くような会話を、福原の前に座った高黒は
目を閉じたまま聞いていた。
(丸聞こえやで、一哉)
内海と大石が話し続けるのを聞きながら、
高黒は腕組みをし深く椅子に腰掛けていた。
(…そういう事になるんや)
福原の言葉に心の中で小さく溜息を吐く。

もう2年も前にジュニアを辞めた高黒には、
ここに集まる半分は知らない顔と言ってもいいくらいだった。
ジュニアを辞めて他の場所で同じような道を歩き始めた者も居れば、
自分みたいに芸能界なんて所からは全く離れてしまった者も居る。
そんな人間にとっては、今さらデビューなんて言われても
有り難迷惑なだけの話だ。
おまけに、それを理由に殺し合いをしろだなど、
大迷惑以外のなにものでもない。
それでも今さっき永田が撃たれ倒れたのは現実で、
どうやら逃げられそうもない状況になっているのも確かなようだ。
視界に入る安田は見て判るほど震えているし、
自分だって驚かずにはいられなかった。
なのに反面、どこかが冷めたように視界がクリアだった。
バスで同乗してた懐かしい面々は後ろ姿だけで十分に判る。
しかし、それ以外の者にはなんの感慨もない。
名前さえ知らないのだから当たり前だ。
そして自分は、生き残ってデビューしたいとまでは思わない。
だったら、仲間を集めて脱出を謀る。それが無理なら、
せめて福原の手助けを…
(あいうえお順…て言うたな)

頭の中で五十音順に名前を並べてみる。

(北くんは俺より先やし、無理か…
 ごっぴは信用でけへん。
 タケは俺とそんな離れてないはずや。
 純弥くんは…北くんのとこ行ってまいそうやな)

探し出せれば、の話やけど。と苦笑して、

(なかじはごっぴがなんとかするやろ。
 タケに声掛けて…一哉捕まえるか)

福原が迷いもなく自分を殺せるはずがない。
ならば、話をする時間はあるはずだ。後はやってみるしかない。
上手く行くかどうかなんて誰にも判らない事だ。
今判るのは、福原が大堀を生き残らせたいと考えたように、
自分は福原を死なせたくない、という事だけだった。
思い出、友情…失くしたくないものはいくらでもある。

(大事なもんは自分でなんとかせな、な…)
263ユーは名無しネ:01/12/25 17:20
時間が前後しますが、今山視点で1ついきます。
今山はシアターを模して作られたに相違ない建物の入り口を
見張ることができる場所を探し出し、そこで息を潜めていた。
今山の次に名前を呼ばれたのであろう魚谷は、背後をやたらと
警戒して歩いていおり、今山がいることには気付かなかった。
シアターの出入り口(きっと2度と入ることはない)には
ライフルか何かを持っている男達が威圧感を与えるように立っていた。

ナップザックの中身を点検したかったが、その時間はなかった。
内が出てくるのは次かその次の筈だ。5分後か10分後か。
そして内から水野の順番までは、恐らく1時間以上は間が空く計算だ。
その間ずっとこの場に留まり続け、仲間になりそうな連中
1人1人に声をかけることは、危険な賭けだろう。
そこまで考えて、今山は自己嫌悪に陥った。
――ろくに知りもしない相手だからと言って
誰彼構わず疑うことは、そいつのことを殺しても良いと
考えているのと同じことではないだろうか?

そもそも仲間を集めてどうするつもりなのか
今山には結論が出ていなかった。
むしろ決断を下すために、仲間を集めたかった。
ここから逃げ出す方法なんて、考えつかない。
でも、仲間が一緒なら、何か良い考えが浮かぶかもしれない。
人を殺すなんて、自分にはできそうにない。
でも、仲間が一緒なら、やれるかもしれない。
自分はきっと、1人でいることに耐えられないだろう。
今山は知らなかったが、魚谷が目の前を通り過ぎてから
内が出てくるまでたったの5分。たったの5分がこれほど長く
感じられたことは、今山の生涯の中で初めてで、ひょっとしたら
最後になるのかもしれなかった。
265ユーは名無しネ:01/12/25 17:44
るるじぃ頑張れ!!(萌え)
266ユーは名無しネ:01/12/25 17:48
るるじぃ萌え〜。
内との合流が楽しみです。期待!
267ユーは名無しネ:01/12/25 19:15
>>259
5分間隔だから3人待ちなら15分使えるよ。
多分、そんなに長い時間じゃないと思われ
268ユーは名無しネ:01/12/25 19:32
 あの宣言しま〜す。
現実時間の来る2002年1月1日の夜以降に
42番:横山裕の出発5分後(つまりニセシアターが禁止エリアになる瞬間)のシーンを書き込むつもりです。
場所は中央管制室(←どこや?)。分量は3〜5回投稿予定。
メインは内海光司(及び大石)で、錦戸(及び村上、横山、渋谷)と田中純弥(とジャベリンヘッド)
大堀、福原とかに関係したことがいろいろです。

それまでにエントリー関係とか書き込みたい職人さんがいたらその前に終わらせていただくとありがたいです。
(順番前後しちゃってややこしくなりそうなので)
269ユーは名無しネ:01/12/25 19:33
259が「長々と」と言ってるのは時間の問題ではないと思われ。
待ち合わせの相談が簡単にできるというは、確かにちょっと萎える。
270ユーは名無しネ:01/12/25 19:51
>258
>「じゃあまたがんばれよ〜ウエッサーイ(w」とか言ってくれるのきぼんです

ええとウエッサーイってどういうニュアンスで言われる言葉ですか?
ゴメンなさい。関ジャニとか見てなかったので…
ニュアンスとか意味判らないと見当違いな使い方しそうで…
271ユーは名無しネ:01/12/25 19:58
ここへ来て職人さんが増えて、自分の好きなキャラを
前に出したいというそれぞれの気持ちも分かるけど、
この先、少し不安…
272ユーは名無しネ:01/12/25 20:25
258さんではありませんが、「ウェッサーイ」に関しては
使っていただけると非常に楽しいけど(藁、
できれば、当時を知っててそのニュアンスがわかる職人さんにお願いしたい・・・。
273ユーは名無しネ:01/12/25 20:44
でもまぁ、原作にだって待ち合わせの約束する人たちが出てくるんだし、
これ以上増やさなければいいんじゃない?
274ユーは名無しネ:01/12/25 21:07
>272
>できれば、当時を知っててそのニュアンスがわかる職人さんにお願いしたい・・・。

該当者、何人いるのかな?手を挙げて〜(ちなみに私は当時は知らないので資格がないです)
275ユーは名無しネ:01/12/25 21:13
>271
心配は判るけどリレー小説なんだからそこは甘受するしかないよ。
先が判らないのが逆に面白いところでもあるんだし
(完成度は一人でで書く方が高いだろうけど、リレー小説には別のよさがある)
276ユーは名無しネ:01/12/25 21:49
めちゃくちゃ該当者なんだけど、
使えそうなシーンが思い浮かばない…<うえっさーい
277ユーは名無しネ:01/12/25 23:31
関ジュ版、ほとんどの子を知らないにも関わらず楽しく読ませていただいております。
リレー版のいいとこって、知らない子でもかっこいい記述とかあるとその子に興味持ったりするのが
いいんじゃないかなーと。
書く人も、話の繋がりとかで知らない子を書くことでその子の事調べてみたりして、
なんか…そういう風に幅が広がるのがいいんじゃないかと。
一人一人細かく書いてたら長くなるという心配もあるかもしれませんが
そこは仕方ないと思います。多分。
本家のリレー版に参加してみて思ったことでした。
頑張って下さい。楽しみにしてます。
長文スマソでした。
278ユーは名無しネ:01/12/25 23:39
1週間も先のこと指定なんてえらいまた偉そうな(藁
279ユーは名無しネ:01/12/26 00:58
>268
一応考慮には入れるけど、完全な保証はできない。
それがリレー小説だから。
280ユーは名無しネ:01/12/26 01:42
2ついきます。
伊藤が出口を出て、少しずつ建物から離れつつあった頃。
今川は迷っていた。
以前一緒に仕事をしたこともある内海と大石から
ナップサックを受け取って、とりあえず舞台から通路に降りたものの
そこからなかなか先へ進む事ができない。
今川は、見た目こそ怖いと言われることもあるが、
もともと、それほど肝の座っている方ではない。
ここを出てしまえば、ここにいる仲間と再び会えるのかどうか
わからない、このままここを出てしまっていいのか、という
疑問と迷いが、今川の足を止めていた。
「今川?どうした〜早く行けよ。早く行った方がいいぞ」
のんびりとした内海の声だが、その隣の大石の手元で
カチャリ、と銃が音を立てる音が聞こえる。
焦った今川は慌てて顔をあげたが、やはり歩き出すことができない。
その時、今川のいる通路とは反対側の通路際に座っていた、
魚谷の顔が見えた。
魚谷は今川の顔を見ていなかった。
見てはいなかったが、魚谷は、今川が魚谷に気付くと
拳を作って親指を立て、その親指で出口の方を指した。
『行け!』
今川はそれで覚悟を決めた。
この先どうなるか、再び仲間に会えるかはわからないが
この場で大石に撃たれて死ぬよりは、前に進んだ方が可能性はあるハズだ。
今川は魚谷から目をそらして、出口を見据え、そこへ歩き出した。
魚谷は魚谷で、いろいろと考えをめぐらせていた。
今川が出てゆき、続いて今山が出口に消えた時、まだ内海に
呼ばれてもいなかったが、自分で立ち上がり、舞台の方へ歩いて行った。
「おっ、魚谷か。なんだ、お前やる気満々だなぁ。
ま、ゲームはそうでなくっちゃ駄目だよな!
お前は昔から小器用な奴だったけど、器用貧乏になって
自滅しないように気をつけろよーー」
べらべらしゃべる内海に向かって、本当は殴り飛ばしてやりたい気分
だったが、魚谷は自分の感情をぐっとこらえ、笑顔を浮かべて言った。
「勘弁して下さいよー。オレまだこんな若い身空で死にたくありませんって。
ところでねー、オレ一つ疑問があるんですけど、
武器ってね、この人数分種類あるんですか?」
「ああ、武器か?かぶってるやつはないハズだぞ。
なんせ、オレとめぐみちゃんとで42種類、どんなの入れたら面白いか
一生懸命考えたんだからな!」
内海は笑って胸をはり、大石もクスクス笑った。
内海はなおも続けた。
「いろいろ面白いもん入れといたからな。期待しとけよ〜」
(面白いとかいう問題かいコレか!!)
魚谷はそう怒鳴りたい気持ちを無理矢理おさえ、
にこやかに大石からナップサックを受け取ると、くるっと内海に
背中を向け、一拍おいて、出口へ向かってダッシュした。
「おお、魚谷、ほんとやる気だなぁ。頑張れよ〜応援してるぞ〜」
のんきな内海の声が響いたが、客席にいた人間は、見ていた。
客席を向いた魚谷の顔が怒りにゆがみ、唇をかみしめていたことを。
魚谷が出ていったあとの空間は、何故か奇妙に静まり返っていた。
283268:01/12/26 07:14
>278
一週間ぶっつづけで書く宣言よりは謙虚でしょ(w

>279
>一応考慮には入れるけど、完全な保証はできない。

ええ、その通りですよね。それまでに全員死んでるかもしれないし(w
完全に思惑が潰れたら「ごめんなさい宣言」(wして他の方にお任せします。
それがリレー小説だし。
284268:01/12/26 07:31
>278
つーか、あとちょこっとだけ言い訳書いときますと、まったりした長々エントリー飛ばして早くバトル行かせたいのよ(w
それがメインのバトルロワイアルですし。1週間くらいなら耐えられるかなと(あたしが)
偉そうでスマソ。では1月1日か2日に…(「ごめんなさい宣言」するはめになるかも/w)
285ユーは名無しネ:01/12/26 13:39
これから行っても平気ですか?
内です。
「次は内博貴」
呼ばれる声に舞台を見上げる。
もう、5分たったのか。やっと、5分たったのか。
混乱する時間感覚と感情に振りまわされる。
「内〜。来ないのか〜?」
もう一度響く内海の声に、やっと身体を起こして立ち上がる。
舞台までの道が遠く感じる。
床を踏みしめている感覚も無い。
それでもやっと内海の前まで辿り着く。
「人生、そう上手くはいかないな。」
大石からナップザックを受け取る時にかけられた言葉。
その言葉には答えられなかった。
ナップザックの重さが気持ちの重さと比例して持っているのも辛いほどの重さに感じる。
階段を下りる時、バンドのメンバーを見つけようかと思った。
メンバーの顔が見たかった。
でも、内は俯いたままドアまで走り、そのまま外に出る。
目をそらされたらどうする?
そもそも…、本気でこんなワケのわからないゲームに
巻き込まれて、頭の整理がつかない。
「殺し…合い…」
口に出すと現実味がわいてくる。
どうする?誰を信用する?
みっくん…みっくんにあいたい。
でも、みっくんが出てくるまではざっと計算して155分。
だったら…自分よりも先に出てる今山を探す?
だけど…自分は今山の事をそれだけ信用してるのか?
一緒に行動すると言う事は…命を預けると言う事。
自分は最近に凄い勢いで売り出された。
バンドの中でも特別扱いで……。
嫌われてない保証なんて何処にも無い。
こんな状況下だったら、みんな、迷わず自分を殺しに来るんじゃないのか?
ナップザックを漁ると外に続くドアから全速力で走り出す。

内の心の中には不安と疑惑。混乱と恐怖が溢れ返っていた。
手には、拳銃が握り締められていた。
287ユーは名無しネ:01/12/26 13:50
お初に参戦です。
また外に出るシーンにしてしまったのですが、
42人全員が出るのを待つのは進まないですよね?
あんまり同じ場所が続くと読む方も辛いですかね…?
やっぱり、内を書いた私が言う事ではないですが、
飛ばして進めて、途中でそこまで進んできた経過に
触れるのとかでもいいんじゃないでしょうか…?
288ユーは名無しネ:01/12/26 15:21
けどいきなり始まるとソレもついていけないから
すばるヒナ横か錦戸の武器を受け取る時のものが読んでみたいです。
そこでの内海さんとのやり取りも気になるし
この4人に限ってそのまま何も無く殺し合いが始まるとは思えないです。
289ユーは名無しネ:01/12/26 15:34
>268
気持ちはわかるが、書き方が偉そうだぞ(w

すヒナ横℃辺りは置いといて、バトルに突入しちゃっていいかなぁ?
内海に早く「ウェッサーイ!(w」と叫んでほしいぞ。
290ユーは名無しネ:01/12/26 15:50
>289
突入しちゃってください。
バトル突入してしばらくしたら、参加するつもりなんで。
291ユーは名無しネ:01/12/26 17:08
1ついきます。
続きはまだ考えてないっす。誰か書いてくれても(w
落合兄丞は脅えて、泣いていた。
あのシアターもどきの中で内海に名前を呼ばれ、舞台に行く迄の間に
最初の犠牲者、永田の死体の横を歩かねばならなかった。
それだけでも耐え難い恐怖だったのに、震えてろくに歩けなかった落合は
「威嚇射撃」を受けて左手の小指を無くしてしまった。
いっそ胸を撃ち抜いてくれたら良かったのに。
血の滴る傷口を胸元に押さえつけ、落合はやっとのことで歩いていた。
早く歩かなければ次のヤツがやって来る。
その誰かは落合を殺そうとするかもしれない。
落合の心の中で「死んで楽になりたい」という気持ちと
「何としても死ぬのはイヤだ」という気持ちがせめぎあっていた。
肘の先を伝った血が、殺戮者を自分の元へと誘き寄せる道しるべに
なっていることに気付かなかった。

大西由郎は粟島を探している途中、道に迷った。
妙に気が急いて、ろくに地図を見ていなかったせいか
気付けば見覚えのある道に出くわしていた。
改めて地図を手に、周囲の地形を頭の中に叩き込む。
森の中をぐるぐる廻ったらしく、現在地は数十分前に出てきた建物から
さほど離れていないようだ。歯噛みをする思いだった。
粟島と合流どころか、会わなくても良い連中と顔を合わせる可能性大だ。
苛々と地面を蹴りつけて、その「道しるべ」に気がついた。
辺りを警戒しつつ、地面に顔を近づける。
間違いなく、血だった。
誰か、早くも殺し合いゲームを始めたのだろうか。
大西の動悸が早まった。
293ユーは名無しネ:01/12/26 18:39
>292
 おっ落合…まだ14歳なのに…ひでぇ…(そもそもBR自体がひどいんだが/藁)

でも一番、ひどいのは私は落合も大西も顔が判らないということ(藁)
ふうん大西は粟島と仲がいいのか…
294ユーは名無しネ:01/12/26 19:04
>262
高黒told
>(北くんは俺より先やし、無理か…ごっぴは信用でけへん。
>タケは俺とそんな離れてないはずや。
>純弥くんは…北くんのとこ行ってまいそうやな)

ええと当方、関ジュ担でないので確認なんですが…
北くん=15:北山純一 ごっぴ=18:後藤大祐
なかじ=28:中嶋慶介 純弥くん=25:田中純弥
…ってことでいいですか?
タケって誰やねん…
もしかして24:武藤雅博…たけふじって読むのか…「ムトウ」とか読んでた(た行だよな…自己嫌悪)。
そもそも高黒徹の読み方が判らない…タカグロトオルで良いんでしょうか?

…検索かけたらこんなものが見つかりました。
www.geocities.co.jp/Hollywood-Studio/1092/lival/fukuhalival.htm
参考にすべきか…ヨミガナが欲しかった…
295ユーは名無しネ:01/12/26 19:17
>294
読み方は大体、ここで判る。高黒徹=タカクロ・トオル
www.seaple-n.icc.ne.jp/~n-usagi/JWorld/J3list.html

読めないのは、落合兄丞(おちあいきょうすけ)
ttp://mad.pobox.ne.jp/e_class.html
ここでようやく判った…
296ユーは名無しネ:01/12/26 20:37
由郎はずいよりもせいじと仲いいですよね。
297ユーは名無しネ:01/12/26 22:31
58が二つある・・・
298287:01/12/26 22:53
あっ。スマソ…。
「関西リレー58@疑惑と混乱」は「関西リレー59@疑惑と混乱」だ。
申し訳ない。逝ってきます。
次はもっといい文章を書いてお詫びしなくては。
という訳で、
「関西リレー59@ヘンゼルとグレーテル」は「関西リレー60@ヘンゼルとグレーテル」
で、次は「関西リレー61@〜」からお願いします。
299ユーは名無しネ:01/12/27 07:18
>286
 内…拳銃は弾を入れないと撃てないんだよ。
あと撃つ前に安全装置をはずすのを忘れないようにね。
しかし、早々と武器を取りだしておくとはやる気まんまんですな。
(参加者で所持武器がはじめて明らかになった。銃の口径はいくつなんだろう?)

※というか、実は今山、何げに危ないのかも…?(w
300ユーは名無しネ:01/12/27 11:37
>296
誰と誰が仲がいい、っていうのは書く人の主観にまかせていいんじゃないでしょうか。
真相は本人以外わからないし、どう見えるかも人によって違うし、何しろ情報そのものが少ないし・・・。
あまりにもかけ離れてるのは困りものですが。
301ユーは名無しネ:01/12/27 12:52
長いの一ついきます。呼び名はわかりやすいものを採用しました。
呼び名、人間関係に違和感がありすぎたら、指摘お願いします。
大西の不安は粟島だった。一番手だったとは言え、あの混乱ぶりを
見せられ、心配するなと言う方が無理な話だ。
先に出た今川や魚谷の動向も気になったが、彼らのことは安心していた。
(せいじがオレを殺す筈ないやろ
 ……アイツも、この"ゲーム"自体にむかついとるみたいやったし)
過酷な状況に置かれながら、血を発見するまではどこか安穏としていた
大西の気持ちに再び警鐘を鳴らすように、一発の破裂音が聞こえた。
――大西は何故かそれが銃声だと確信した。

内は拳銃を握り締めたまま、荒い息を整えた。
声をかけてきた誰かに一発打ち込み、すぐさま逃げようとした。
しかし銃はガキッという音を立て、指が引金を引くことを拒んだ。
……安全装置を外すのを忘れていた。
声をかけてきた相手は、間違いなく「やる気」になっただろう。
内は追跡者から逃れるべく、森の中を右に左に走り回った。
振り向きざま、今山の顔に気付いた。「待て」と叫んでいる。
(誰が待つねん。アホ。)
走り続けるのにも限界があり、互いに速度が落ちつつあった。
一瞬で良いので身を隠すことのできる場所を探す。
拳銃の安全装置を解除する。説明書をポケットに捻じ込んだ。
(やっぱオレのこと狙っとったんや。
 みっくん……みっくんやったら撃たんで済んだのに)
――内は今山に照準を合わせた。

今山は内が自分に銃口を向けた事実に、深い衝撃を受けた。
その後すぐに、内が自分のことを認識できなかったのでは
という事実に思い至り、追いかけ始めた。
だが、心のどこかに迷いが生じ始めていた。
1人目の内でさえ仲間にできなければ、後の3人は……。
それとも、内のことは切り捨てるべきなのだろうか。
今山の脳裏を掠めたのは、先日放映された丸山の誕生日記念ロケのこと。
(みっくんとオレだけやな……番組で祝ってもらえんかったん)
今山の顔に微笑が浮かんだ。それが何だ。誕生日順でしかない。
(ヒヨコとやっさんは1日違いやったっけ)
この忌まわしいゲームの出発の順番が、五十音順と決められたように。
内を見過ごして、ナップザックの中を探るべきなのだろうか。
――今山は木と木の間に光るものを見つけた。
303292:01/12/27 18:07
通し番号うっかりしてました。すみません。
関ジャニの名前は今も昔(KTK時代)も読みにくい…(藁

#るるじぃ…逝ったの?(汗
304ユーは名無しネ:01/12/27 20:23
>>302
>その後すぐに、内が自分のことを認識できなかったのでは
>という事実に思い至り、追いかけ始めた。

うう、今山…大人だなあ。泣ける〜
今、この間の少年倶楽部にV.WESTが出ていたときの回のビデオ見てます。
ああ、彼らが殺し合いしているのね…
305ユーは名無しネ:01/12/27 21:41
どなたかいますか?
行って平気ですか〜?
平気なら5分後にあげます。
306305:01/12/27 21:51
すいません、PCフリーズで消えました…。
書き直してくるので、もう少し先になります。
飛ばしちゃってくれても構いません。
307ユーは名無しネ:01/12/27 22:11
>305-306
待ってま〜す。慌てずに書いてね。
※予告書くとき「誰について」とかも書くと重複とか矛盾なくていいかも。
308ユーは名無しネ:01/12/27 22:25
>305-306
楽しみにしてまーすv
頑張ってくださいね☆
誰についてかかれるのでしょうvv
309ユーは名無しネ:01/12/27 22:32
>306
メモ帳とかPadで書いてこまめに保存しながら書いた方がいいよ。
それでコピーペーストしてUPすると。
いきなり書くより、推敲して書けるし。
310305:01/12/27 22:39
行きます!大丈夫でしょうか?
311ユーは名無しネ:01/12/27 22:43
>310
はい、どうぞ。
今山は光る物を見つめていた。太陽の光に照らされて光るのは銃口。
顔が見えなくても、それは内だとわかってしまう。
「内!俺や!今山や!」
必死に叫ぶも銃口は揺るがない。
この状況下で信用できる相手はいないとさっさと行けば良かったのか。
それとも内を見た瞬間にナップザックを漁ればよかったんだろうか。
その中に銃とかが入っていたら?それを内にに向けて撃つと言うのか。
ムリだ。絶対ムリだ。
同じ仲間として番組を作ってきた…そんな奴らを裏切れるのか。
決断する為に仲間が欲しかったはずだった。
でも、その仲間が自分に銃口を向けた瞬間にわかってしまった。
どんなに話し合っても何しても、自分は仲間を殺せない。殺される訳にもいかない。どうしようもない。

「今山?」
後ろから突然かけられた声に驚き、思わずぐるぐると
出口が見えなくなりそうな思考を中断して振り返った今山の頬に一筋の熱が走る。
「…大…倉…」
目の前の大倉と今山の…二人の間の地面に小さな穴があく。
そして、銃口はがさり、と言う音と共に見えなくなる。
「誰やっ!?」
思わず後を追おうとする大倉の袖を引き、今山が必死に止める。
「ええから、大丈夫やから!」
自分を狙った相手を何故必死に庇う?
不思議に思い今までに出てきた連中を考えてみる。
どう考えても『やる気』とやらになりそうな人物は思い浮かばない。
でも、この場に銃を打ち込んだヤツが存在していて、今山が庇っている…………
「内、か。」
強張る今山の顔から予想があたってる事を確認して内心溜息をつく。
それでも、いつまた狙われるかわからない。
大倉は、今山の手を引いて走り出した。
安全なんて、何処にも無いんだ、ともうわかっていたけど。
目の前に、銃弾の小さな穴があいた時、初めてこれが現実なんだと大倉は実感した。
だから、走り出した。

走り出した瞬間の、内の目。
悲しそうな、傷付いたような、色々な感情のごちゃ混ぜになった目。
今、内の後を追わなかった事をこの先後悔する時があるかもしれない。
でも、きっとその時に思い出すのはあの目なんだろう。
そう思いながら、それでも今山の手を放さず走りつづけた。
「失敗するなんて思わんかったわ。」
予想外の人物の乱入で今山を逃してしまった内は、森の中を歩き始めていた。
繋がれた手がなんだか憎かった。
「2人まとめて、殺っておけばよかった…。」
感情と言うものがなくなってきた声で内は呟く。
その呟きと共に何となく大きく息を吐いて下を向く。
目に映った何かに、屈みこんで見てみる。
「…?血……?」
森の奥に向かって血が転々と続いていた。
なんやろう?そう思い歩き出す。
道標のように続く紅い点。
しばらく歩くと、切り株のような場所に座り込んでいる人影らしきものを見つけた。
身長からするとまだそんなに大きくは無くて…どこか見覚えのある姿。
もう少し近寄ってみると、それが落合だと気付いた。
拳銃をベルトの後ろの方にはさんで、落合に近付く。
落合の胸元は血に濡れていた。
落合の血か。それとも、他の誰かの血か。
「あっ!お願い!助けて!」
内を見るなり、落合は駆け寄って縋り付こうとする。
何で、そんな簡単に人を信用できるん?
お前かて、そんな風にして油断させて、俺のこと狙ってるんやろ?
内は、ベルトから拳銃を引き抜いて、安全装置を外し、
近寄った落合に向けて引き金を引いた。
胸の辺りから更に血が広がる。
「…なん、で……」
地面に倒れこんだ落合の頭に向けてもう一度引き金を引く。
今度こそ、落合は動かなくなった。
「…簡単やん。人って簡単に死ぬんやなぁ。」

内は、笑い出した。
喉が嗄れそうなほど、声を出して笑った。
恐怖、疑惑…その全てが、内のまだ成長途中の精神を壊すには充分な物だった。

【エントリーNo.13 落合兄丞 死亡 残り40人】
314ユーは名無しネ:01/12/27 22:48
…殺してしまった…。
書き込みに時間がかかってごめんなさい。
急いだのですが…。
>レス下さった皆様。
今度からこまめに保存する事にします。
いい教訓だ…。
315ユーは名無しネ:01/12/27 22:52
内〜!!(泣)。(いや可哀想なのは落合のはずなんだけど…)
316ユーは名無しネ:01/12/27 23:08
内が可哀相になってきた…
内動かしてるの同じ職人さんかなぁ?
毎日更新が楽しみです。
317ユーは名無しネ:01/12/28 00:11
いつのまにかバトル始まってたんですね…
やる気な内に萌え〜
職人さん頑張ってください
318ユーは名無しネ:01/12/28 01:03
健気なるるじぃと壊れていく内萌え!!!
職人さん頑張れ(ってください)よ〜ウェッサーイ!
319ユーは名無しネ:01/12/28 09:26
会場の内海で行きます。1つ…2つになるかも…
 それは15番、北山純一(JAVELIN HEAD)が内海に呼び出されるのを
待っていた時だった。
 静まりかえった会場、壇上の内海が耳に手をやった。

−イヤホンに何か…

にっこりと笑って言う。

「みんな、ニュースがあるよ。いいニュースと悪いニュースがあるよ。
どっちがいい?」

−何でこいつはこんなに嬉しそうなんや?

誰もそれに答える者はいない。
自分の番だと立ち上がった北山純一は居心地悪そうにその場で立ちすくんでいた。

「じゃあ、いいニュースから行くか。喜べ野郎共、寿命が伸びたぞ12時間から72時間だ。
あとは心がけ次第ってことだな」

−…!?

「悪い方はっていうと、みんなの友達、13番の落合兄丞が亡くなったってことだ。
悲しいことだけど、みんなめげずに頑張るんだぞ」

−死んだ!? まさか自殺じゃないよな
−…そんなはずはない!殺されたんだ。
−誰に…?
−01:粟島瑞丸、02:伊藤政氏、03:今川晴司、04:今山透、05:魚谷輝明、
−06:内博貴、07:梅阪剛司、08:大倉忠義、09:大堂祐史、10:大西由郎、
−11:大堀治樹、12:小川修平、14:菊岡正展
−誰が殺してもおかしくはない。
−ついさっきまで誰も人を殺しそうな奴はいなかった!

声なき思惑が錯綜する。

「みんな気をつけろよ〜会場の外に出たら『おうちに帰るまでが戦争』です。
じゃあ、15番、北山純一」

北山純一は立ち上がった。
321ユーは名無しネ:01/12/28 12:58
「−」じゃなく「―」か「――」を使ってほしいのは私だけ?
職人さんに何かこだわりがあるなら、好きにしてくれた方が良いが。
322320:01/12/29 00:37
>321
私の場合は、機種依存文字(この概念判る?)かもしれんので、
掲示板に書き込むときは無難な英数の「−」にしとるだけでやんす。
(オフラインでプリントアウトするときはその限りにあらず)
他の方はどうだか知らない。そもそも記述方式は統一すべきなのかな?
323ユーは名無しネ:01/12/29 01:05
えーと、北くん飛ばして、1ついきます。
島の形状について設定したいと思います。
内海の指示により、大石がステージからはけて
数分後、シアター内外に次のようなアナウンスが響き渡った。
「みなさ〜ん、お元気ですかー? 臨時のお知らせをしまーす。
 少し前に13番の落合くんの死亡が確認されましたー。全員が外に出るまではぁ、
 臨時放送で死亡者のお知らせをして行きまぁす。それ以降は定時の
 放送でのお知らせになります。頑張って殺し合って下さいねー?」

森の中の小さな茂みの間で、内はその放送を聞いた。
既に死体となった落合から奪ったペットボトルで喉を潤し、
固いパンを齧る間も、右手には相変わらず拳銃が握られていた。
内は既にそれを離すことができなくなっていた。

森を抜ける直前にあった物置小屋で、今山と大倉はその放送を聞いた。
応急手当で大倉が今山の頬を濡らしたティッシュで拭っていたのだが、
今山が顔を顰めたのは傷口が痛んだせいか、それとも--。
互いに考えていることは同じ。内に疑惑を抱いていた。
2人の間に、仲間を集めることへの躊躇が芽生え始めていた。

銃声のした方向と道標とを避け、隠れることを考え始めた大西もその放送を聞いた。
やはりさっきの銃声は誰かが…殺したのだ。
(ずいとせーじ、うおっちはちゃうやろ。
 もしそうやったとしても…多分正当防衛か不可抗力や)
自分に言い聞かせながら、大西は幹の太い木に凭れ地図を開いた。

地図はタテがA〜Fの6列、ヨコが01〜10の60マスだった。
島はおよそ楕円と長方形の中間の形状で、A01〜03・A09〜10・
B01〜02・B09〜10・C1・D10・E01・E08〜10・
F01・F06〜10は海か海岸から50m以上離れる為、禁止エリアとなる。
シアターはD03エリアの北部にあり、島の西部、南北で言うならほぼ真ん中。
そのシアターを除くと39のエリアがある。
大西が今いるのはB03か04辺りだろう。海岸以外は概ね森か草原で
建物や川などという気の利いたものは地図には記載されていない。
禁止エリアを記すためだけの地図なのだ。
大西は天を仰いで嘆息した。本当に、誰かと会えるのだろうか。
--その「誰か」が大西の背後に迫っていた。
325ユーは名無しネ:01/12/29 01:16
後半部分、単なる説明文ですな…(w

半角英数の「-」を二つつなげてみました。
これならどんなブラウザでも表示される筈!…と思う(ちょっと自信ナシ)
リレー小説なので記述方式は統一しなくて良いと思います。
326ユーは名無しネ:01/12/30 21:37
行っていいですか〜?
大堀です〜。
327ユーは名無しネ:01/12/30 21:51
どうぞー。
大堀は、放送の声で立ち止まった。
「…落合が…死んだ…?」

福原とあんな会話を交わして、落合が死んだということを聞いて、
それでも、まだ自分はこれが性質の悪い冗談だったり、ドッキリだったり。
そんな事を期待している。

延々と西へ続く林の中の道の途中、古びた建物を見つけた。
バス停だろうか。立ち止まって地図を広げてみる。
シアターらしき建物から真っ直ぐ西に向かって歩いてきた。
おそらく今いる場所がD-5辺りだろう。
林…森に近いこの中を突っ切るか。
それとも道に沿っていって途中で折れるか。
土地感のないこの場所では慎重に動いた方がよさそうだ…。
大堀がシアターを後にした時間から、およそ30分くらい経過している。
ゆっくりと歩いて来た所為で結構時間が経っていた。
今は…呉村辺りが出たくらいだろうか。
福原が出るまでざっと80分。待ち合わせのC-6まで福原の足でどのくらいだろう。
今まで出てる中でおそらく信用できるのは…。大倉。
これからで完全に信用できるのは、福原。
多分信用できるのは、高黒、武藤。

あとは、どうする?
すでに、一人死んでいる。
と言う事は今まで外に出たヤツの中に、殺したヤツがいると言う事で。
自分は、殺したくない。
それでも、殺されたくもない。
理由もなくこんな所で死んでいくのは嫌だ。
荷物くらいは確認しないといけない。
上手くいけば72時間、これで過ごすのだから。
ナップザックの中身はタオル、水、食料などの必要なものとさっき出した地図。
そして…奥のほうに転がっている小さいビンを手にとる。
ラベルには、沢山のアルファベットが並んでいた。
その中で目についた単語は。
『deadly poison』『pottassium cyanide』
deadly poison…poisonは毒。そうすると…思いつく単語は猛毒。
ならば、pottassium cyanideは…毒の名前?
一般に言われている毒は、青酸カリ、トリカブト。
その二つのどちらかなんだろう。

人を簡単に殺せる毒。
それが手元にある事に微妙な恐怖心を抱き、その薬ビンを袋の奥底に放り込んだ。
水を一番上に取り出しやすいように置いて、毒の事は頭から締め出して
大堀はまた、目的の場所に向かって歩き出した。

歩きながら考える。
そう言えば、頭が痛い。触ってみるとこぶさえあるようだ。
原因は多分…バスの中での衝撃。
誰に殴られたのかもわからなかったけど、
渋谷は無事だったんだろうか?
渋谷もシアターの中にいたと言う事は、渋谷も殴られて…?
そこまで考えて思い出す。
気を失う直前の悲しそうな渋谷の目。

まさか…知っていたのか?
こうなる事を。
ならば、何故…同じように首輪をつけて…
あの場所にいたんだろう?
わからない事だらけだ。

この状況で、福原と無事会う事ができるんだろうか?
もし、皆を殺してでも…そう思うヤツに会ってしまったら?
会うまでに、福原がそう言う人物と会ってしまったら?
大倉は無事なんだろうか?

幸い、考える事は沢山ある。
福原を待つ間、退屈しないですみそうだ…。
手ごろな木に寄りかかり、大堀は大きく溜息をついた。
330ユーは名無しネ:01/12/30 21:59
一応書いてる者なんですが…。
確認したい事がありまして。
このバトルの場所は島でいいんですよね?
で、開始日時と終了日時も決めませんか?
微妙に時間がわからなくて書きにくいんですよ…。
331ユーは名無しネ:01/12/30 22:36
リレー43で内海がここは孤島だって言ってるので島でいいと思いますよ。
開始時間は暗そうじゃないから…朝の6時か昼の12時のどちらか?
6時間毎の時間がいいですよね?
自分的には朝かなと思ってました。
332324:01/12/30 23:34
勝手に島の地図作ってしまってすみません。
参考に下の略図をご利用下さい。
携帯から見たら訳わかんないだろーなー(ニガワラ
開始時刻はどちらでも…漠然と昼間かと考えてました。

 12345678910
A■■■□□□□□■■
B■■□□□□□□□■
C■□□□□□□□□□
D□□×□□□□□■■
E■□□□□□■■■■
F■□□□■■■■■■
□=島(陸地)、■=海(禁止エリア)×=シアター
333ユーは名無しネ:01/12/30 23:53
ご苦労様でーす。
全ての職人様方頑張ってください。
334ユーは名無しネ:01/12/31 04:22
次、行きますー
高黒で2つ。

「…次!おー、ちょうど折返しだな。高黒徹くーん」
そろそろだろうと思っていたところで名前を呼ばれ
息を小さく飲むと、高黒はスゥと立ち上がった。
ステージに向かい、淡々とナップザックを受け取る。
「…重いっすね」
ん?と呟いた高黒に内海が笑みを浮かべる。
「重いからって、当たりだと思っちゃだめだぞ。
なんてったって42種類だから、な?めぐみちゃん」
まだ手に銃をしたままの大石がにっこりと可愛く
笑って見せた。
横目でその様子を見ると、高黒はそのまま歩いて
劇場を後にした。
「当たりて…何がどう当たりや言うねん」
吐き捨てるように呟いたが、出口が見えてきて
高黒は唇をぎゅっと噛んだ。

この先、すでに殺し合いが始まっているのだ。

外に出た高黒は、辺りを見回し 一応人影がない事を
確認すると出た所で左に曲がった。
道脇に続く林は何処まで続いているのか…。
あまり出口から離れて、出てきた武藤を見失っては
意味がない。高黒はもう一度辺りを確認すると
林へと身を潜めることにした。
出口辺りが見えるように、体の位置をずらした。
木々の隙間から様子を伺う
自分の後は高杉だったようだ。よろよろとした足取りだったのが
どんどんと足早になっていき、こちらへと駆けてくる。
茂みの中で高黒は身体を強張らせた。
しかし、高杉は何かに追われてるかのように道を行ってしまった。
ホッと息を吐くと、また視線を戻す。
次は武藤だろうか。
息の詰まるような時間が、どんよりと流れていく。
5分、という感覚がマヒしていくようだ。
「…タケや」
早足で出てきた人影は待ち望んでいた武藤だった。
キョロキョロと様子を伺う武藤を茂みの中から呼んだ。
「タケッ…タケッ」
呼ばれて、あからさまにビクッとした武藤は声のする方に
懸命に目を凝らす。
「徹…?」
茂みからそっと立ち上がると、高黒は道へと出た。
馴染みの高黒の姿に、武藤はホッとした表情を浮かべ駆け寄る。
「待っててくれたんや」
その言葉に高黒は頷いて答えると、顎で林の方を指す。
「ここに居てたらあかん。ちょお離れようや……話がある」
険しい顔の高黒に、武藤は気圧されたように頷いた。
337ユーは名無しネ:01/12/31 18:19
続いて申し訳ないですが、高黒&武藤 行きます。
2つー。
338ユーは名無しネ:01/12/31 18:26
すいません、3つになりますー

しばらく二人で道を行く。しかし、次の者が出てくるまでに身を
潜めなければならない。どちらともなく歩みを止めた二人は
獣道も何もない所で顔を見合わせ、茂みへと入って行った。
道脇に生えていた細かな木々と違い、鬱蒼とした雰囲気を漂わせる
雑木林が広がっている。
「…徹、どこへ行くんや?」
黙々と歩き続けることに不安になってきた武藤が声を掛ける。
「どこへ?…ここが何処なんかわからへんのに、答えられへんな」
大木の前で高黒は足を止めると、周りを見渡し武藤に視線を向けた。
クッと首を傾げて武藤を見る。その表情が想像していたよりずっと
落ち着いていて。今まで詰まっていた息に気がついた武藤は
軽く深呼吸した。
「…話、てなんや」
ナップザックを傍らに置いて大木に凭れた高黒の前に立った武藤も
同じように背から黒い塊を下ろした。
「ここがどこか解らへんけど、俺はいつまでもこんな所に居る気は無い。
…脱出…出来へんか考えたいねん」
真っ直ぐに武藤を見つめ、高黒は言葉を噛み締めるように言った。
――脱出…
武藤は心の中で唱えるように呟いた。
「どうするつもりなん?」
武藤の声に、高黒は苦笑を浮かべた。
「やから、考えたいて言うてるんやないか」
「…うん」
武藤は目を伏せた。
「1人で脱出なんか出来そうも無い…それに…そんなんしたないしや」
その言葉に ふ、と武藤は顔を上げる。
「それで俺を待ってたんや?」
こっくりと高黒は頷いた。

「やったら、もうちょい待って純弥くんも…」
武藤が言い終わらないうちに高黒は首を横に振った。
「なんでや?」
問われて、少し言い淀むように高黒は唇を噛んだが 口を開いた。
「北くん、先に出てるやん?やのに…俺に声、掛けてけぇへんかった。
北くん一緒やなかったら、純弥くん 一緒に来てくれるんか自信なかったし…
信用してへんわけやないで。
…ただ、俺はお前等の方が気楽やなぁて」
「気楽、てなんやねん」
高黒らしい言い方に、武藤はちょっと笑ってしまった。笑われて、高黒は
口を尖らせる。
「…ほな、一哉待つんや?」
今来た方を振り返るようにしながら、武藤は言った。
「…ん…あとは大堀や」
遠くを見るように言うと高黒は、ここでやっとナップザックに視線を向けた。
おもむろに中を漁り始めた高黒に武藤も気がついて、自分のを引き寄せた。
ゴツ、と手の甲に当たった固く冷たい感触に高黒は眉をしかめたが、そのまま中を
探る。折り畳まれた紙を見つけ、取り出す。
「あったか?地図」
地図を広げ始めた高黒の横で、軽く頷いてみせた武藤もそれを同じように広げた。
案の定マス目の書かれた、それでも想像よりずっと簡素な地図に目を凝らす。
シャツのポケットに挿したままだったペンを取り出すと…縦3横6のマスを
円を描くように指した。
「ここに…大堀が向かってるハズやねん」
高黒は、シアターもどきで待っている間に福原が大堀に話していた事を
武藤に説明した。……簡単に。
「ただ…大堀が出てから1時間以上経ってる。探し出せるかどうか…」
「わかった。行ってみるわ」
あっさりと言った武藤に高黒は驚いて…クスッと笑った。
「なん?」
笑われた武藤は不思議そうな顔を見せながらも、地図以外をナップザックにしまい直し
さっさと背負った。
「今、この辺やろか?」
広げられたままの高黒の地図に武藤が指先を置く。
「…やと思うわ。したら、C−6のど真ん中で会おうや」
「ど真ん中て、また解かりにくいな」
苦笑して答える武藤の肩を、ハッと笑って高黒はバンと叩いた。
「ほな、後で。一哉捕まえたら すぐ向かうしや…気ぃつけてな」
「うん、お前もな」
ヒラ、と手を振って高黒が答えるのを見て武藤は歩き出した。
木々に見えなくなっていく武藤の後ろ姿から視線を外すと、高黒は腕時計を見た。

――…戻るか

あの…入り口とも出口ともつかない場所へ。
342ユーは名無しネ:02/01/01 15:43
皆様明けましておめでとうございます。
続きを楽しみに2002年もマターリと職人様のお越しをお待ちしてスレが進行いたしますように。
343地図改訂:02/01/01 20:38
>>332

>>324の文章を確認しましたが次のような地図になるはずです。
(違いは…B09が海になり、D09、E07、F05が陸地となること。
そして陸地のマス目を数えるとシアターエリアも「含めて」39マスということになる。
海が21マスなんだから…)

 12345678910
A■■■□□□□□■■
B■■□□□□□□■■
C■□□□□□□□□□
D□□×□□□□□□■
E■□□□□□□■■■
F■□□□□■■■■■
□=島(陸地)、■=海(禁止エリア)×=シアター

つーことで皆さんよろしくお願いします。
344ユーは名無しネ:02/01/01 23:18
北山純一(15番)エントリーで1つ行きます。2つになるかも
>321
「みんな気をつけろよ〜会場の外に出たら『おうちに帰るまでが戦争』です。
じゃあ、15番、北山純一」

北山純一(15番)は立ち上がった。
動揺を悟られないようにゆっくりと堂々と壇上の内海の元へ歩く。内心不安だった。
自分はジャニーズ事務所を辞めて別のプロダクションからバンドデビューしている。
いわばジャニーズ事務所の敵だ。目の上のタンコブだ。
この場には自分の知っている顔も知らない顔もある。
その内何人が今でもジャニーズなのかそうでないのか今の北山には判らなかった。
(ジャニーズの奴らと本当に条件は同じなんやろか。
ひょっとして現役ジャニーズみんなで組んで俺らを狙い撃ちするのと違うか。
そもそも現役のヨコとヒナがトン汁に一服もったわけやし)

今や北山が信頼できるのは同じ「JAVELIN HEAD」の田中純弥(25番)と野中和久(32番)だけだった。
(純弥と話したい。今、話したい。でもダメや。余計なことしたら首輪の爆弾が…)
内海が何かを話しかけているが耳には入らない…大石恵から渡されたナップザックのことも思案の外だった。
(ああ、意外と重いもんなんやな…)
内海に背を向け出口に向かって歩いていくと不意に手を掴まれた。

振り返るとそれは立ち上がっていた田中純弥(25番)だった。
何時の間にここまで歩いてきたんだろう。
「純弥…」
「純一…」
田中は北山の手を痛いくらいに握りしめ握手していた。
「おいどういうつもりだ?田中」
壇上の内海光司は懐からリモコンを出していた。
「これが最後かも知れないんや。励ます位いいじゃないですか」
(純弥…お前なんて大胆なことするんや)
「まあいい。今回は大目に見よう。でもこの次からは変な動きしたら悲しいけど俺、
このリモコンのスイッチ押しちゃうぞ」

二人が無言で握手していたのは時間にして数秒だった。
「じゃあ行け。純一、俺たち友達やったな」
「過去形で言うな。今でもこれからもそうや」
「おい、早く行けよ。北山」
壇上の内海の声がいやに無機質に感じられる。
「ほな行くで」
「ああ」

そのまま北山は振り返らず、出口から外の光に溶けて消えた。
田中もそのまま北山に背を向けて元の席に座る。周囲の視線と注意は田中に集中している。
しかし内海も、もはや田中を見てはいなかった。

外の光に目が慣れると北山純一の前には南方の原生林が開けていた。
(なるほど日本やないな)
北山は握りしめていた拳を開く。手の平に小さな紙クズが転がる。
開くとインクのにじみのような小さな金釘文字が書き殴られている。
《オレハミカタ。ヨコヒナヲマークシロ》
(俺は味方。ヨコとヒナをマークしろ)
--味方がいる。敵ばかりのこの島で味方がいる!
そう感じるだけで北山は癒された。少なくてもこの瞬間だけは。
347ユーは名無しネ:02/01/02 00:00
渋谷すばる(20番)のエントリー1つだけ行きます。
「20番、渋谷すばる」
壇上の内海光司に呼ばれ、気だるそうに渋谷すばる(20番)は立ち上がり舞台に向かった。
「光一がお前のこと気にしてたぞ」
渋谷の肩が痙攣したように動いた。しかしそれは一瞬のことだった。
とくに内海と会話するわけではない。
内海の言葉に反応したのはその一瞬だけだった。
 大石恵から(食料と地図が入っているだろう)黒色と
(武器が入っているだろう)迷彩色のナップザックをそれぞれ受け取ると
渋谷は無言で出口に向かう。
 不意に右手で虫を払うような仕草をしたがそれは一瞬だった。
 通路脇の錦戸亮(30番)と視線が交錯したのも一瞬だった。
他の大部分の者と同じように渋谷すぱるのエントリーも何も目立たず滞りなく終わった。
誰も注目する者はいなかった。ごく一部を除いて。
349ユーは名無しネ:02/01/02 10:59
呉村で1つ行きます。
(は…ハズレやぁ〜)
 茂みの陰で迷彩ナップザックを漁っていた呉村哲弘(17番。“沢木哲”)は幻滅した。
保護用の発砲スチロールの粉の中から出てきたのは9mm口径弾の10発入りカートリッジが24個、計240発。
9mm口径拳銃の取り扱い説明書(組み立て図、射撃姿勢、弾の交換方法、安全装置の外し方諸注意)。
しかし肝心の拳銃が入っていないのだ。
 呉村がこのかさばる大量の銃弾を有効に使うには、何とかして拳銃を入手し、しかもそれが偶然にも9mm口径であることが必須だった。

(かといってホカす訳にもいかんしな…)

そう、このあまりも多い銃弾を9mm口径拳銃を持つ者に拾われたとしたら危険きわまりない。
それが呉村自身に向けられないとも限らないのだ。

(何とも底意地が悪い選び方しよるの〜)

 内海と大西に毒づきながら呉村は迷彩ナップザックに銃弾カートリッジを放り込み、
気合いを入れて背負い込んだ。

(重たい重たいと思ったが、中身が判ったらますます重くなったわ。
この重さは『当たり』やと思ったんやけど…甘かったわ)
351ユーは名無しネ:02/01/02 11:11
錦戸亮(30番)のエントリー軽く1つだけ行きます。
5分前に出発した中嶋慶介(28番)の次である永田剛司(29番)は既に死亡していた。
「29番…じゃなくて30番、錦戸亮!」
錦戸亮(30番)が立ち上がった。

「落合は残念だったなぁ。亮ちゃん」
錦戸を前にした内海光司の軽口に、ゲーム参加者最年少--浜中文一(33番)の肩がびくりと動いた。
浜中も死んだ落合兄丞(13番)と同じくSercret Agentとして錦戸亮と共にユニットを組んでいた。
CDだって出したのに。
(俺も死ぬんやろうか…錦戸君と出会ったら助けてくれるんやろか。それとも…)
こわい。怖い。死にたくない。錦戸亮とは番号が近い。時間差は15分だ。
必死に探せば追いつけるかもしれない!
(錦戸君、助けて!)

浜中の焦りと恐怖を知ってか知らずか、錦戸は内海の言葉には全く無反応だった。
錦戸の方からも何も話しかけず、
大石から黒と迷彩のナップザックを受け取るとあくまで淡々と出口に向かった。

客席の視線は錦戸に集中した。錦戸の表情から何かを読みとろうとしているようだった。
しかし錦戸からは怒りも悲しみもヤケになっている様子も全くなかった。

--何であんなに落ち着いてられるんや?

通路脇の村上信五(40番)と通り過ぎる錦戸の視線が軽く交錯したがそれに気づいた者は少数だった。
353ユーは名無しネ:02/01/02 11:55
福原行きます。たぶん2回になります。
 シアターの外に出た外に出た福原一哉(33番)は素早く小走りで原生林に入る。
既に死人が出ている。出口付近でのろのろしていると待ち伏せで狙い撃ちされる危険性がある。
(もし俺がやる気なら、あそこで待ち伏せて全滅させるのが一番楽で確実だろうし)
息せき切って走り疲れて立ち止まる。幸運にも誰も追っては来ていないようだった。
 適当な茂みの中で一息つくと所持品のチェックをはじめる。これからがサバイバルのはじまりだ。
生き残るだけでない。一つの命を守りきり、そして残りの命を殺し尽くすためのサバイバルが。

 黒のナップザックからはペットボトルの水が3本とおにぎりと乾パンがそれぞれ3×3で9食分。
(随分貧相やな。まあ、贅沢せんかったらなんとか食いつなげそうや)
ほかに60マスに区切られた地図と方位磁石…
「C06…あったわ」
福原は安堵した。
大堀治樹(11番)は素直にC06に向かっただろうか。信じるしかない。
大堀は福原が行くまで生き残れるだろうか。まだ死亡放送はない。信じる他ない。

 そして迷彩のナップザックから出てきたのは…。
(ポントウかぁ…)
発砲スチロールの粉の中から出てきたのはずっしりと重い鞘付きの日本刀だった。
刃渡り80cmはあるだろうか。飾り付けは質素で実用本位。
銘を見たら嘘か本当か「村正」と彫られていた。そして白刃の真剣だ…
触れるだけで血が出そうだ。
(…竹光やなくてよかったわ)
内海と大石と信じてもいない神に唾を吐きながら感謝した。
>354
これは十分な武器だろうか? いや足りない。大石恵ですら拳銃を撃っていた。
本格的な殺戮をさせるにはそれを凌駕する武器が用意されているはずだ。
飛び道具がいる。強力なヤツが。ないのなら奪うしかない。

がしかし、今はそのときではない。
大堀が出発して既に2時間近くが経っている。C06エリアで合流することが最優先だ。
ぐずぐずしている間に大堀が殺されてしまっては元も子もない。

福原は知らない。
先に出発した親友、高黒徹(22番)が自分を捜しにシアターもどきに戻っていったことを。
福原は知らない。
高黒が何故、シアターもどきで自分に会えなかったのかを。
356ユーは名無しネ:02/01/02 12:08
350(関西リレー76@ハズレ? )を書いた者です。
打ち間違いしちゃいました…恥

誤)内海と大西に毒づきながら呉村は(後略)
正)内海と大石に毒づきながら呉村は(後略)

逝ってきます。鬱
357ユーは名無しネ:02/01/02 12:15
牧山雄亮(35番)エントリー2つ行きます。
シアターもどきではさらにエントリーが続いていた。
牧山雄亮(35番。“友井雄亮”)は内海の前に進み出た。
「いい面構えしてるなぁ〜牧山ぁ」
仏頂面の牧山は内海の軽口には答えない。
横から大石恵が黒と迷彩のナップザックを牧山に放る。
受け取った牧山は迷彩のナップザックを軽く振ると大石に投げ返した。
客席は当然騒然とし、キャッチした大石は言葉もない。
「おいおい、どういうつもりだ?」
内海の手にはリモコンが握られていた。
「あんまり舐めたマネしてると…」
「こっちは命がかかっとるんや」
牧山は内海を無視してワゴンの中から無造作に取った2つ3つのナップザックを振るとその1つを選んだ。
「俺はこっちのをもらう」
そして黒と迷彩ナップザックを肩にかけるとくるりと背を向けて客席への階段を下りた。
「お前面白い奴だな」
牧山は振り返らず左手を挙げて軽く横に振った。
「まあ頑張れよ〜」
のんきな内海の声が響いたが、客席にいた人間は目にしていた。
出口に向かう牧山の顔が怒りにゆがみ、唇を噛みしめていたことを。
 外に出た牧山は素早く小走りで原生林に入る。
既に死人が出ている。出口付近でのろのろしていると待ち伏せで狙い撃ちされる危険性がある。
(もし俺がやる気なら、あそこで待ち伏せて全滅させるのが一番楽で確実だろうからな)
息せき切って走り疲れて立ち止まる。幸運にも誰も追っては来ていないようだった。

 適当な茂みの中で一息つくと所持品のチェックをはじめる。これからがサバイバルのはじまりだ。
 黒のナップザックからは食料他諸々…迷彩のナップザックから出てきたのは…。

(発破かぁ…)
保護用の発砲スチロールの粉末の中には
いわゆる導火線付きダイナマイトが7本と100円ライターが1つ入っていた。
 分厚い取扱説明書からひらひらと落ちてきた補足の紙に内海の筆跡で
「火をつけると爆発します。危険です」と書かれていた。
(ふざけんな!)
敵が40人いるのに7本でどうやって殺せというのか。確かにその殺傷能力は桁違いだ。
用意された武器では間違いなく最強の兵器だろう。
全く小回りが利かないのがフォローできないほどの欠点だが。
 しかし…牧山は思った。これを抱えてD03のシアターもどきに戻るか?。今なら戻れる。
正直その破壊力は判らない。
しかし7本まとめれば内海も大石もシアターごと爆死させられるかもしれない。
まだエントリーの最中だ。内海も油断しているだろう。

(だめや。まだみんながおる)
まだシアターもどきには何人かエントリーを待っている者がいるはずだ。
彼らを巻き込もうとは牧山にはどうしても思えなかった。
(俺もつくづく甘ちゃんやな。みんなやる気になとるかも知れんのに。
ほんなら今がチャンスかもしれんのに)
 牧山は苦笑した。皮肉にもそれはゲームが始まってからは初めて牧山が見せた笑顔だった。
誰もそれを見たものは居なかったが。
360ユーは名無しネ:02/01/02 14:33
村上信五(40番)のエントリー行きます。2回の予定。
「40番、村上信五!」
既にシアターに残っているゲーム参加者は3名のみ
今、内海光司に呼ばれた村上信五を除けば安田章大(41番)横山裕(42番)だけだ。
耳鳴りがするほど静まりかえっていたシアターはさらに広くさらに冷え切って感じられた。

待っていたかのように村上が内海の下へ駆けていったのに安田は驚いた。
今までそんな素振りは見せていなかったからだ。村上は何かを叫んでいる。
拳銃を村上へ向けた大石恵を内海は右手で制した。
さらに内海は何を思ったのかマイクのスイッチを切ってマイクをはずした。
二人は何かを話しているが聞き取れない。
演壇の内海に掴み掛からんばかりに顔をつけるように話している村上は泣いているのか。

(今、聞こえたで。『家族』って言ったよな…)
安田は頭を捻った。
(何、内緒話しとるんやろか。ここ今3人しかおらんのに。
『家族に会いたい』とか『家族が悲しむ』とかそういったもんやろか。
村上君もしょもないこと言っとるな。家族は俺にだっておるんや。会いたいのは誰かて同じやで。
あのケダモノが今更泣き落としにかかると思うとんのか)

--横山には判っていた。
--横山も村上と同じように家族を人質にとられていた。
--村上が家族のことで泣くとしたらそのことしかない。

 村上は大石が放った黒ナップザックを受け取るや、
大石を制して残った4つの迷彩ナップザックから1つを奪い取るようにして手にすると
足音立てて階段を客席へ駆け下りた。
「ヒナ…」
横山は席を立ち上がると驚く安田の横をすり抜けて通路の村上のところまで歩いていった。
(わぁやばい。やばいやんか!)
 内海はリモコンを取り出すだろう。スイッチを押すだろう。
横山か村上かもしくはその両方の首輪爆弾が警告音と共に作動し始め…ない。

「……」
立ち止まった村上は黙って横山と握手する。その目と鼻から涙と鼻水が垂れていた。
内海はそれを止めない。何も言わない。
(えっ何でや? 何で止めないんや)
安田の頭に?が回っていた。
 村上は涙も拭かず、振り返りもせず。出口から光に溶けて消えた。
横山も出ていく村上を見送りもせずそのまま悠然と席に戻って落ちるように腰を下ろした。
 腕組み足組みをし舞台に居る内海をかつてない形相で睨みつけている。

(えっ何でや? 一体、何なんや!)

「41番、安田章大。5分後に呼ぶぞ」
内海のマイクが復活している。

「えっ…あっ…はい!」
慌てて返事をした安田の声は裏返っていた。
363ユーは名無しネ:02/01/02 14:42
野中和久(32番)行きます。
「ようやくヒナのおでましや」
野中和久(32番。“JAVELIN HEAD”)の武器はトランシーバー大の『首輪探知機』だった。
液晶モニターを覗くとこのエリアから大分離れているD03エリアから緑色の【40】という数字が離れつつあることを確認する。
(これで【42】と合流したら、純弥の読みも当たってるってことやな)
…と野中は思わせぶりに考えたが、結局のところ、
野中には田中純弥(25番)の思惑は判らなかった。

《オレハミカタ。ヨコヒナヲマークシロ》
(俺は味方。ヨコとヒナをマークしろ)
野中はエントリーで会場を出ていく田中が目の前でさりげなく落としていった小さな紙くずを拾って読んだだけだ。
田中の意図はわからない。
 村上信五(40番)と横山裕(42番)に会ってどうするつもりなのか?
この狂った殺し合いから脱出する方法が判るとでも言うのか。
 しかし何にせよ野中には北山純一(15番)と田中を疑うつもりも彼らと殺し合うつもりも毛頭なかった。
ここでは“JAVELIN HEAD”は3人しかいない。
回りはジャニ。敵ばかりだ。田中を信じるしかない。
倍率を上げると島の至るところへ散開する2ケタの緑の数字が判る。

(【15】も【25】も、随分、遠くに離れたな。
まあやる気になっとる奴がいるわけやからしようがない。
問題はどうやって合流するかなんやけど…)

最終的には他の数字を避け隠れてつつ【15】や【25】と合流しなくてはならない。
何せ野中の武器はこの探知機だけなのだ。
やる気になったヤツと出くわしたら目も当てられない。
(持っとる武器も判る機能がついとったらなぁ)
しかし倍率を慎重に合わせ自分自身の周囲に目を配っている限り、不意打ちや待ち伏せは避けられそうだ。
こういう状況ではそれが一番頼もしい。

(しかし因果なもんやな…)
ジュニア時代、野中と田中と村上信五(40番)の3人はいつもつるんでいた。
見張り見張られ殺し合うかもしれない、まさかこういう形になってしまうとは…

(何はともあれ、気づかれんようにマークや。
純弥も純一もヨコヒナのところに来るはずやし)

まさしくそれには打ってつけの武器だった。それだけの。
365ユーは名無しネ:02/01/02 15:52
田中純弥(25番)で1つ行きます。独白です。
田中純弥(25番)の武器は9発の手榴弾だった。
(確かパイナップル型って言うんや。栓を引き抜いて2ぃ数えて3で投げる。
引き抜いてすぐに投げると相手に投げ返されるんやったな。確か前に見た戦争映画なんかでやっとった…)
 田中は苦笑した。
(戦争『映画』? 俺らこれから本物の戦争するんか…)

岩の陰で、おにぎりを頬張りながら手榴弾の取扱説明書に目を通す。
どうも集中できない。

北山純一(15番)と野中和久(32番)は田中のメッセージ気づいてくれただろうか。
(あんな小さな紙くず俺やったらホコリと間違えてまうで)
危ない橋を渡っている。内海に見咎められたら、自分たち3人は確実な破滅だ。
しかし賭けるしかなかった。25番の自分の出発まではセーフだった。
32番の野中はうまくやり過ごせただろうか。
自分が出発したあとの事は田中には判らない。

村上信五(40番)と横山裕(42番)をマークするように何とか北山と野中には伝えたつもりだ。
自分も村上・横山をなんとかして捕捉するつもりだ。
(どないしてや?)
出発順番もバラバラな自分たちが合流できるだろうか? 武装した殺人鬼たちがたむろするこの島で…
(目的は一緒や。ゴールが一緒なら必ず会える。そう信じるしかないやろ)
我ながら行き当たりばったりだ。しかし自分は一人じゃない。少なくとも北山と野中は味方だ。
(で、もしヒナに会ったらどうするんや?)
判らない。
(ゴメンて謝らせるか?土下座させるか?理由を話させるか?それで許せるのか?どんな理由であれ)
判らない。
(ヒナを殺せるんか?ジブン。これで…)
手榴弾の一つを握りしめる。
判らない。自問自答で頭が混乱する。
乾パンを水で流し込む。手榴弾の説明書にどうも集中できない。
367ストーリー集計:02/01/02 16:54
ストーリー集計1
>>151 1〜25

ストーリー集計2
>>144 26@再会
>>158 27@信じられない言葉
>>171 28@最初の犠牲【永田剛司死亡 残り41名】
>>172 29@理由
>>173 30@疑問
>>174 31@疑問2
>>186 32@不在者たちの行方
>>198 33@訂正コメント
>>199 34@伝説デビューの真相
>>200 35@ギルスの怒り
>>201 36@沢木哲怒る!
>>202 37@ヒナ…
>>203 38@必ず…
>>205 39@口約束
>>222 40@おいしい話のはずやった…
>>223 41@捨てられた共犯
>>224 42@大逆転の皮算用
>>227 43@ここは孤島
>>228 44@首輪と爆発
>>230 45@ナップザック
>>231 46@僕たちは殺し合いを…
>>232 47@トップバッター
>>233 48@セーフ
>>235 49@いっこくシンメ
>>236 50@いっこく漫才
368ストーリー集計:02/01/02 16:55
ストーリー集計3
>>237 51@静かな修羅
>>238 52@3月6日
>>252 53@2番手
>>261 54@巻き込まれた者
>>262 55@新たな決意
>>264 56@仲間探し
>>281 57@迷いと覚悟
>>282 58@笑顔の裏の本心
>>286 59@疑惑と混乱
>>292 60@ヘンゼルとグレーテル
>>302 61@2人目……
>>312 62@現実への直面
>>313 63@簡単な事【落合兄丞死亡 残り40人】
>>320 64@Good and Bad
>>324 65@臨時アナウンス
>>328 66@待ち合わせの場所へ向かって
>>329 67@思い出す事
>>335 68@折り返し
>>336 69@待ち伏せ 1
>>339 70@待ち伏せ 2
>>340 71@待ち伏せ 3
>>341 72@頼りない地図
>>345 73@握手
>>346 74@握手2
>>348 75@滞りなく

バトル開始時間は朝の6時か昼の12時
バトル地は孤島(国外らしい)
地図(訂正版)>>343
369ユーは名無しネ:02/01/02 17:41
>367、368
集計お疲れさまです。でも集計4もあるんですよね。
集計途中で申し訳ありませんが、大西由郎(10番)で1つ行きたいんですが如何でしょう?
(長くてアップできないと2つになりそうだけど)
370ユーは名無しネ:02/01/02 17:46
369です。
特に反対がないようでしたら集計途中で申し訳ありませんが
大西由郎(10番)で1つ(もしくは2つ)
本日の18:00過ぎたらアップさせていただきます。
371ユーは名無しネ:02/01/02 17:50
>369-370
集計は25エピソードごとにまとめているので
集計4は76−100でまとめるのですよ。
安心して続き書いてください。
>328
大西由郎(10番)は天を仰いで嘆息した。本当に、誰かと会えるのだろうか。
--その「誰か」が大西の背後に迫っていた。

「…由郎?」
「うわああああ」
背後からいきなり声をかけられた大西は凭れた樹から跳ね上がって武器を引き抜き、声の主へ向けた。
大西の武器は刃渡り15cmのジャックナイフだ。
刃はブ厚く柄頭も立派で無骨なその様はナイフというよりは鉈か短剣と言った方が通りがいい。

声の主は呆然としてそこに立っていた。
「それがあんたん武器か?」
「ずいやないか。ああ、ビックリさせんといてくれ」
それは大西が先刻まで探していた粟島瑞丸(01番)だった。
「びっくりさせとるんは、あんたやんか」
「急に声かけられたんで驚いたんや。それよりどないしたんや」
「どないもこうもさっき逃げるのに夢中で荷物みんな落としてしもうたんや」
大西が見ると粟島の手には長さ20cmほどの銀色の棒一本しかない。
あの体たらくでは仕方がないか。大西はシアターでの粟島の醜態を思い出し苦笑した。
「残ったのはそれだけかい」
「ああ、何の役に立ついうんや」
「そらまあ難儀なことやな」
「今、どこにおるか判るか?何せあれから何も食ってへんのでひもじゅうて」
「なんや地図も落としたんかい。まあええか、おむすび半分コするか…」

(ホンマうまいこと、ずいと合流できた。あとは清司やな)
安心した大西の関心は既に今川清司(03番)に向かっていた。
さっきの地図を広げ、ナップザックからおにぎりを手探りで探す。
大西は気づくべきだった。何故荷物を全部落としたはずの粟島が都合良く武器だけ握りしめていたのか。
風を切る音とともに連続した鋭い金属音を聞くと大西は頭に衝撃を感じた。
>372
(なんや一体?)
大西は自分の頬が地面についていることに気づいた。
(俺、倒れたんか…)
倒れた大西が頭を上げるとさらに鈍い衝撃が襲ってきた。首の骨が軋む。
「ず…ずい…」
「なんやしぶとい。ごっつ頑丈な頭しとるんやな」
そこには60cmに伸びた特殊警棒を握りしめた粟島が仁王立ちしていた。
「ず…なん…」
脳震盪を起こしている大西は舌がもつれて言葉が出ない。息が出来ない。喉が詰まる。
(裏切り?…なんでや…ずい)
「シアターでの演技は迫真やったろ?俺のことごっつヘタレだと思ったろうな」
ウルンと風を切る音が鈍い音で止まる。すでに大西には痛覚はなかった。
「それはな、お前みたいなアホを騙くらかすためや。ヘタレやと安心したやろ?不用心にな」
さらに轟音が響く。いや耳鳴りの後は静寂な世界が広がる。大西の視界は真っ赤に染まった。
「内海の言うこと聞かずにノロノロしとったんはホンマに首輪の爆弾動くか試したんや。
俺の首賭けてな。お前らに出来るんかい! お前らにできんのかい!」
大西だった肉塊はそれには答えられなかった。

【エントリーNo.10 大西由郎 死亡(享年21歳03ヶ月) 残り39人】
374ユーは名無しネ:02/01/02 18:12
晴司ですよ。
字間違ってます。(藁)
375ユーは名無しネ:02/01/02 18:38
372と373を書いた者なんですが…うげげ間違い。

>372 :関西リレー86@おむすb :02/01/02 18:06
慌てて標題間違えてるな(意味判らないし)。
もちろん「関西リレー86@おむすび」が正解です。

>374
>晴司ですよ。
>字間違ってます。(藁)
ぐふっ…ご指摘感謝します。というわけで372の該当箇所
「(誤)清司」は「晴司」に脳内で読み替えてください。>各位
376ユーは名無しネ:02/01/02 18:43
粟島瑞丸(01番)で行きます。
(思ったよりは小さい光りモンやな…まあ警棒よりはまだましか)
粟島瑞丸(01番)は大西由郎(10番)の遺体の側に落ちたジャックナイフを鞘に納め
ズボンのベルト孔に引っかける。
(今回は上手くいったが次もそうとは限らん。油断する相手ばかりとは限らなんし。
早いとこ、もっと強力な武器を手に入れんと…やる気になっとるもんもおるようやし)
粟島は落合兄丞(13番)の死を伝えた放送を思い出し武者震いした。

すぐ近くの茂みに隠していた自分のナップザックを取ってくる。
(なくなっていなかったわ。少しの間でもでも手放すのは心細いもんやな)
持ち主のなくなった大西のナップザックから食料と水を移し替える。
(そうや。こいつの死体をそのままにしとくのもまずいな。鈍器が武器で殺されたと判ってまうで)
「…堪忍……堪忍な」
まだ温かい大西の遺体を引きずって茂みの中に隠す。
「…堪忍…かんにん…」
空っぽのナップザックも放り込む。血に濡れた地図ももう意味はない。同じものは二ついらない。
「堪忍…堪忍…」
(さっきから俺は何を言ってるんや)
地図をきちんと広げ、仰向けに寝かした(なんでわざわざ整えるんや。俺)大西の顔にかぶせる。
「すまん。すまん…許したっとくれ」
(謝るな。俺はヘタレやない。ヘタレの演技してただけや!)
「すまんかった。すまんかった。由郎…堪忍……やめろ! 謝るな!俺!」
不意に粟島の足がもつれた。(なんか疲れとるんか。俺)
「泣いてるのか?俺…」
涙で視界が霞んでいるのに気づいた。(はじめての殺人でストレス反応が起きてるだけや。当然なんや)

ここから離れなくてはならない。気分を変えるんや、最初は誰でもそんなもんや。
この次からはきっと慣れる。

粟島はナップザックを背負うとふらつきながらどこへともなく歩き始めた。
378ユーは名無しネ:02/01/02 19:14
横山裕(42番)エントリーで一つ行きます。
「こんなことしても意味がないと思ってるだろ?」
内海光司の声が会場いっぱいに反響する。
 安田章大(41番)は既に会場の外にいる。
シアター1200もどきに残されたゲーム参加者は今や横山裕(42番)一人だけだ。
「でもまあ、これは決まりだから5分間は待ってもらわないといけないんだよね。
そうじゃないと公平じゃないし。特にお前たちには」

 客席に一人座る横山は答えずに内海を睨みつけている。

「何でも好きなこと言っていいぞ。何でも訊いていいぞ。ここには俺らだけなんだしな。
他に聞いているヤツはいない。聞かれても意味ないしな」

「そうか。ほんならこの際、言わせてもらうで」
横山は立ち上がった。
「おう、何でも聞くよ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それからきっちり5分後、京都シアター1200(もどき)の会場を横山裕は後にした。
黒と迷彩のナップザックを左肩にかけ、肩を怒らせ、憤懣やるかたない足取りで外に出た横山は
血を吐くような雄叫びをあげた。

--午前11時34分55秒--今、最後のゲーム参加者がエントリーした。
380268:02/01/02 19:28
268です。先の予告(2001/12/25 19:32)通り、
横山裕(42番)の出発5分後(つまりシアターもどきが禁止エリアになる瞬間)のシーンを書き込ませていただきます。
場所は中央管制室(←どこや?)。分量は3〜5回投稿予定。
>379
--06分01秒経過
 中央管制室の扉が開く。
 内海光司と大石恵が護衛とともに入ると室内では無数の計器とモニターの隙間を縫って10名を超える迷彩服の男たちがせわしなく動いていた。
男たちのうちの何名かが内海に敬礼したが、大部分はお構いなしに働いている。
 部屋の正面壁面の大画面に広がる巨大な島の地図が縦6×横10のマスに区切られている。
その地図を二桁の緑色の数字が散開しつつ動いていた。その数は39。
微動だにしない赤色の数字が3つ。
D-05に位置する【13】とD-03に位置する【29】、さらにB-04に位置する【10】である。

 エントリーNo.42、横山裕が出発して既に06分03秒が経過していた。
(うーん、ヨコとは一緒に出たんだけど。ちょっと遅刻しちゃったな)
内海光司は差し出された起動スイッチを緊張した面もちで押す。

 刹那、足下から破裂音が響いた。その場にいる誰も驚かない。内海には判っていた。
 横山裕(42番)が出発して06分05秒−−つまり午前11時41分丁度、
今この瞬間に設定された禁止エリアD03によって、会場内に残された永田剛司(29番)の首輪爆弾が作動したのだ。
しかし何重の防御壁に守られた中央管制室には実害といえる影響はない。

正面モニターの島全図にあったD03エリアが灰に染まり、29番の数字が黒く変わった。
この変化をあと39個見届けなくてはならない。
2時間経過するごとに禁止エリアは1つずつ増えていく。
72時間後には合わせて37マスが禁止エリアで埋め尽くされることになる。
追い立てられた猟犬と獲物は否が応でも顔を合わせることになるのだ。
>381
「恵ちゃん、何−何に賭けた?」
指令席に腰を下ろした内海光司は傍らの机の上に腰掛けた大石恵に尋ねた。
「あたしは35-11」
馬券大のBR券の束を見つつ大石は答える。
「牧山と魚谷か。どうして?」
「ギルス強そうだし〜魚谷君いいところまで行きそうと思うの」
「なるほどそれで魚谷かぁ〜 やっぱり何だかんだ言って『実地経験』があると違うもんなぁ」
内海は『関ジャニナイト』で自衛隊に体験入隊したメンバーを思い出していた。
--あの頃はサバイバルとかいろいろやったな〜
…魚谷輝明、田中純弥、横山侯隆(現:横山裕)…
「内海さんは?」
「俺は11-25。次点は42かな…」
「横山君ツメ甘そうだしね」

「おいお前は?」
内海は不意に近くを通った迷彩服の男の一人に話を振った。
「自分は33-06ですね」
「浜中が1番で内が2番かぁ…大穴狙いだね」
「自分は07-06であります」
内海の視線に気づいた別の迷彩服が答えた。
内海の手に意味ありげにマイクロテープを渡す。
「お前適当に言ってるだろ?」
内海はワイヤレスイヤホンで聞きながら笑った。
「うちの娘の誕生日なんです」
内海は苦笑した。
「でもまあ、そういうのが結構当たってたりするんだよな」
383関西リレー92@J氏:02/01/02 19:45
>382
「内海さん、今、『上』と回線がつながっています」
「あっジャニーさん? ゲーム今はじまったところですよ。バトル自体はもうはじまってるんだけど」
そう言って、内海は紙の束の縁を指で弾いた。
「うん、錦戸とか田中純弥なんかの例の紙はきっちり小さくなってたよ。
やっぱり賢い奴は用意されたチャンスは逃さないようだね〜他にもいろいろ♪」
《頭のいい子はミーも好きだヨ》
「例えば、こんなのとか?」
内海はイヤホンジャックをはずした。
--『で3月6日って何よ?』
--『俺の入所記念日や』
--『ああ、そうでっか?』
--『3はアルファベットで言うとC、6はFやな』
--『それで?』
--『内海が禁止エリア云々って言ってたやろ?』

管制室いっぱいに流れ出した『声』は福原一哉(34番)と大堀治樹(11番)の『会話』だった。

 内海はあえて話さなかったが、各首輪にはゲーム進行の行動把握を確実にするため
盗聴マイクが仕掛けられている。
布でもハンカチでも首輪の喉部内側の集音孔にはさめばとたんに集音できなくなるような貧弱なものだが。
渋谷すばる(20番)、錦戸亮(30番)、村上信五(40番)、横山裕(42番)は当然、そのことを知っている。
 その証拠にゲーム開始直後この4名の声は独り言すら集音されていない。
それはそれでよし。
仮にこの4名の声がとらえられたとしてもそれはこちらを混乱させるためのダミーであ
ることは自明の理だ。眉につばをつけて聞かねばならない。
 彼らはこの秘密を他のゲーム参加者に告げるだろうか?
 もしそれをされると参加者の行動把握が困難になる。
しかしおそらく教えないだろうと内海は踏んでいた。
周囲のジュニアは全員敵だ。何しろ彼ら4名は自分たちが『裏切り者』だということを自覚している。
>383
「腹が据わってるのかエントリーの最中に腹話術だよ。笑えるよね」
内海は愉快そうに笑った。
《これは福原だネ。ふうん。彼がこんな大胆なことをネ》
「追いつめられると化けるもんだよね〜 …それでジャニーさんはどいつに賭けたの?」
《ユーも知ってるだろ。ミーはジュニア全員の味方だヨ》
「そんな建前言わないでよ〜。誰か一人に賭けたんでしょ?」
数秒の沈黙が流れた。
《…だよ》
「へえ〜意外だね。」
《そうかな。ミーにとっては必然の結論なんだけどネ》
「いや判らないって!ジャニーさん以外誰にとっても意外だって!
でも何でジャニーさんには『判る』のかなあ。しかも何で『当たる』のか。いつも不思議なんだよね」
《愛だヨ。愛!ユーたちのことなら何でもお見通しなのサ。それより内海、そろそろ時間じゃないのか》
「ああ、そうだね。定時の放送の時刻だ。それじゃ、次は3日後に」
回線が切れると内海は無意識の内に肩に力が入っていたことに気づいた。
“あの男”とは数千キロを隔てていると理屈では判っている…だがやはり緊張は解けない。

「それでC-06は次の禁止エリアにするんですか?」
大石恵が確認した。
「何で?しばらくは待ってやろうよ。その方が面白いって。ジャニーさんも何も言わなかっただろ」
「別にいいですけど」
「それからA-07も、当分置いておくよ。楽しくなってきたぞ〜」
「?」
「それじゃ第一回目のお昼の放送いってみましょうか♪」
385ユーは名無しネ:02/01/02 20:47
268です。他の方に突っ込まれる前に間違いを自己申告します(w

381 :関西リレー90@中央管制室
誤)この変化をあと39個見届けなくてはならない。
正)この変化をあと38個見届けなくてはならない。

いやあ、あと39個見届けたら1人も残さず全滅ですね。ふははは。
とんでもない間違いです。申し訳ありませんでした。
386ユーは名無しネ:02/01/02 21:53
では内海の第1回(第1日目昼12:00)の放送で1つ行きます。
「みんな久しぶり〜元気〜?」
全島に内海光司のアナウンスが響き渡る。

「ただいまの時刻は1日目の昼12:00。これが記念すべき第1回の放送だよ。
もう恵ちゃんの臨時放送で聞いていると思うけど最初だからそれも合わせて死亡者発表するぞ」

「一番最初から12:00までに死亡確認したのは、29番:永田剛司。13番:落合兄丞。10番:大西由郎。
以上3人。残り39人。おいおい思ったよりペースが悪いな。こんなんじゃ先が思いやられるぞ。
もう一度確認しておくが首輪爆弾のリミットは今からきっかり72時間後4日目の昼12:00だ。
エントリー時間は練習時間/サービスタイムってことで、これからが本番だ。気合い入れていけ。
4日目の昼12:00までにあと38人殺すんだぞ。」

「次に禁止エリアの発表な。ついさっきシアターがあったD-03が1つ目の禁止エリアに指定された。
誰もこれで死んだドジはいなかったな。偉いぞ。よく注意を聞いていたな。
ではこれから追加の禁止エリアを発表するよ。
14:00にF-03、16:00にA-04、18:00にE-07だ。
次の放送は18:00つまり夕方6:00だぞ。聞き逃すなよ。」

「じゃあまたがんばれよ〜」
388ユーは名無しネ:02/01/02 22:03
集計をした者です。
>371さんの仰る通り、25単位で集計しています。(>151さんに准じて)
もうすぐ集計4いきそうな勢いですね、楽しみです。
私は06一点狙いで賭けたい(w/とか書くと頃されそう

93(>>384)での内海のセリフ「第一回目のお昼の放送」から、
バトル開始時刻は午前8〜9時になりますね。

ところでリレー85がすっとばされてます。
訂正するかどうかは次に書かれる職人さんにお任せします。
389ユーは名無しネ:02/01/02 22:12
>388
 集計お疲れさまでした。

>ところでリレー85がすっとばされてます。

あり? うちのマシンからは
>366 :関西リレー85@悩めるパイナップル :02/01/02 15:56
が読めるんですが…どこか他の番号とお間違いでは?
390ユーは名無しネ:02/01/02 23:09
みっくんで1つ行きます。

集計の直前の85をカウントし忘れてました、すみません。
自分(388)のミスです。すみません。
>387
水野は海沿いを廻ろうと思っていたので、放送に困惑しつつ
地図に禁止エリアと時刻とを記入していった。
(海らへんのエリアから潰されてくみたいやな)
首輪が爆発するのだけは嫌だ。
シアターのある場所から離れようと焦ってせいで
丸山(丸さん…)とも三宅(しょーま…)とも合流できなかった。
もちろん、安田(やすだくん…)とも。

水野は1人で行動しなければならない。そんなことは構わなかった。
永田が惨い方法で殺され(あんなんタダの見せしめや)
落合が何らかの方法で死に至ったという事実。
このゲームを知る者を、事務所は絶対に放置してはおかないだろう。
春には芸大で音楽の勉強を始める予定だった。
V-WESTの活動に終止符が打たれるなら、事務所を辞めるつもりだった。
既に辞めた人間まで駆り出されている以上、そんなことを言っても
このゲームから足を抜くことはできないだろう。
もう覚悟はできている。誰を殺すのも、誰に殺されるのも嫌だ。
海沿いを廻ろうと決めた理由は、誰にも邪魔されたくなかったからだ。
1人で幸せな想い出だけを噛み締め、家族や友人へ想いを送る。
それから…。

首輪が爆発するのだけは嫌だ。
誰を殺すのも、誰に殺されるのも嫌だ。
もう覚悟はできている。

しかし運命は、水野を解放してくれそうになかった。
森のどこかから、誰かの(誰や?)気配が感じられた。
392ユーは名無しネ:02/01/02 23:32
今日の回りっぷり、すごい…
読み応えがありました。
職人さんたち、今年も頑張ってください。
393ユーは名無しネ:02/01/02 23:43
細かくてすいません。

>382 関西リレー91@何に賭けた? :02/01/02 19:41
>「あたしは35-11」
>「牧山と魚谷か。どうして?」

11は大堀ですよね?会話の内容から、11>5番 魚谷と解釈して
いいですか。
394ユーは名無しネ:02/01/03 04:03
内海が「ペースが悪い」って言うから進めてみます。
こんな時間だけど…
「あほか」
近くにあったらしいスピーカーから聞こえてきた放送の
内海の軽やかな声に、ギリ…と唇を噛む。

大堀は、その場所でじっと待ち続けていた。
(遅い…遅いやんか)
何度も時計を確かめる。福原が出発したであろう時間から、
もう1時間は経っていた。不安な考えが頭を過る…が、
今の放送で福原の名は呼ばれていない。という事は、
まだ生きているという事だ。
(大丈夫。一哉は大丈夫や…)
自分に言い聞かせるように胸の中で繰り返し、
禁止エリアを書き込んだ地図をナップザックに戻す。
自分が出発した時間はまだ外に出ている人間も少なかった。
けれど、福原が出る頃にはもうほとんどの人間が島内に散らばっている。
ここに来るまでに誰かに出くわしているとも限らない。
人に会うのを避けて道なき道を行けば、遠回りになる事だって考えられる。
(大丈夫…)
…と、その時、ガサ…と音がして前の木が揺れた。
ビクリとして音のした方に顔を向け、横に置いていたナップザックを抱えると
微かに震える唇をぎゅっと噛みしめて、ごくり…と息を飲む。
「…一哉…か?」
大堀の低い問いかけに返事はなかった。
(一哉ちゃうんか?)
ドキドキと心臓が脈打ち始める。
福原じゃなかったらどうする?
武器らしい武器は何も持っていない。
ここでピストルでも持った相手が現れたら終わりではないか。
福原が来るまで、もっとちゃんと身を隠せる場所に居れば良かった。
今更後悔しても遅かった。
どんどん早くなる鼓動をムリヤリ抑え込んでじっと目をこらす。
その先、揺れた木々の間から姿を現したのは、
大堀が待ち望んでいた相手ではなく、さっきバスの中で再会するまでは
その存在を思い出しもしなかった塩田修(19番)だった。
「塩田…くん…」
乾いた声でその名前を呼ぶ。
「大堀…やんな?久しぶりやね」
ナップザックをぎゅっと抱きしめ、合わせた視線を一瞬も反らさずに
大堀は塩田を見上げる。そんな大堀を見つめて、塩田はにっこりと
笑顔を返した。
「そっち、行ってもえぇ?」
睨むように見上げたままピクリとも動かない大堀に、塩田はナップザックを
足元に下ろして両手を上げ、
「オレの武器とやらは、こんバンダナやってん。こんなモンで
何せぇっちゅうねんな」
困ったような笑顔で首を傾げて見せる。
確かに塩田の頭には紺色のバンダナが巻かれていたけれど、それがバスに
乗っている時からしていた物かどうか、大堀には判らなかった。
「…て言うても信用でけへんか」
まだ見つめるだけの大堀に、悲しそうな表情になった塩田が肩を落とす。
「…大堀は、こんゲームとやらに参加する気なんか?
友達を殺したり…できるんか?…オレには、無理や…」
遠目にも震えてると判る指先をぎゅっと握り締める塩田を見て、
大堀はやっと口を開いた。
「俺も…や。塩田くん」
「なぁ…古い話、してもえぇか?」
「え…」
怪訝そうな顔の大堀が頷く。
「京都ん時な。オマエ、夜は出られへんかったやろ?あれでな…
オレ、随分オマエの代り、やってんで?」
何を言い出すんだろう?と身構えていた大堀は、ぽかんとした顔で
横に座った塩田を見つめていた。
その顔を見返した塩田が小さく笑う。
「なん?昔過ぎて忘れてた?」
「…ぁ…ちゃう…けど…」
「けど?」
「や…あの…」
大堀の頭をぐるぐると過去が甦る。
そもそも塩田と大堀の接点なんて、京都時代のほんの少ししかない。
練習こそは一緒にした事もあったけれど、チームも違い、同じポジションの
二人が同時に舞台に立つ事は稀で。翌年ともなれば益々縁遠くなり、
そのうち塩田はジュニアでいる事を辞めてしまった。
「あ、ほんま…あん時は…」
そんな塩田に返す言葉など、上手く見つけられるはずもなかった。
「えぇって」
ニコニコと塩田が笑う。
自分より随分年上なくせにどこかかわいく人懐っこくも見える笑顔に、
大堀もぎこちない笑顔を返す。
「京都。いろんな事あったけど、楽しかったやん?」
笑顔の塩田の手がすっと伸びる。
ビクリとした大堀の体を優しく抱き締めるように引き寄せ
「やから…舞台に出れるん、嬉しかってんで…」
「…え…?」
「やから、ありがとう…って、言わせてな」
塩田の言葉に、大堀の体からほっとしたように力が抜けていく。
「…塩田くん…」
緊張感から少しだけ解放され、忘れていた安心感を思い出していた大堀は
気づかなかった。塩田の片方の手が、ゆっくりと自分の背後に回したのを。
その手が、大堀からは見えなかった背中側に差していたソレをしっかりと
握り締めていた事にも。
「塩田くん…俺……っ」
言い掛けた言葉が止まる。
ザク…と言うような、聞いた事のない音が耳のすごく近くに聞こえて、
首の後ろ辺りがとてつもなく熱くなっていた。
生暖かい物が背中を流れていくのが解る。
(…なん?)
今度は自分の鼓動がものすごく近くに聞こえた。
言葉を繋ごうにも、喉の奥がつかえて声が出ない。
ぎこちなく動かした視線の先に、少し困ったような笑顔で自分を見下ろす
塩田が見える。
そしてもう一度、さっき聞いたのよりもほんの少し鈍い音がこえて…
大堀はようやく理解したのだった。

(…約束、守れへん…みたいや…)

ゴホッと咳込むように吐き出された血で塩田の肩が赤く染まる。
段々と薄れていく意識の中、大堀はずっと一緒だった笑顔を思い出していた。

(…ごめん…一哉…)

武藤が向かっている事も知らないまま、
福原が辿りつくのさえ待たずに、大堀の意識は途切れた。

【エントリーNo.11 大堀治樹 死亡 残り38人】
腕の中でぐったりと重くなって行く大堀の体をゆっくり離しながら、
「でもな。やっぱ、ちょっとツラかってん」
ごめんな?と軽く挨拶でもするように首を傾げると、
塩田は大堀の体をぐっと押しながら、力を入れて鎌を抜き取った。
ぱぁっと赤い血が飛び散って、押された体はうずくまるような姿勢で
地面に転がる。
傷口から溢れ出す血が地面の草を真っ赤に染めていった。
「あーぁ汚れちゃった…」
自分の肩に掛かった血に不満そうに頬膨らませながら、
ブンっと、手にした鎌の血を払うと、
倒れた大堀の横に転がるナップザックに手を掛ける。
…地図、水、食料…と、やっと手に触った物は小さなビンだった。
取り出したそれをじっと見つめて、呟く。
「…クスリ?」
そして、ほっと溜息を吐きながら立ち上がり、自分の横に
うずくまるように倒れている体を見下ろす。
「飛び道具が欲しかったのに…やっぱオマエ、使えへんなぁ」

それでも、大堀のナップザックから必要そうな物を手早く抜き取ると
塩田は次の獲物を探して林の中へ姿を消して行った。
400ユーは名無しネ:02/01/03 07:03
268です。ほとんどコテハン状態で恥ずかしい…謝りに参りました。

>>382 関西リレー91@何に賭けた? :02/01/02 19:41
>>「あたしは35-11」
>>「牧山と魚谷か。どうして?」
>11は大堀ですよね?会話の内容から、11>5番 魚谷と解釈して
>いいですか。

はい。さいです。ごめんなさい。
脳内で次のように読み替えてください…(こればっか)
(正)
>「あたしは35-05」
>「牧山と魚谷か。どうして?」
401ユーは名無しネ:02/01/03 07:17
おお、ついに100エピソードまで行ってしまいましたね。
 ぐふっ大堀治樹(11番)死んじゃった…ああ名前目立つとダメですな。
もうちょっと引いて使おうかなとか思ってたんですが…ドンマイドンマイ。
C-06エリアに大堀が待っていると期待しているのは少なくとも3名。
高黒徹(22番)、武藤雅博(24番)、そして言うまでもなく福原一哉(35番)
特に福原が死体を見つけてどういう反応を見せるかが見物です(邪笑)
402ユーは名無しネ:02/01/03 14:17
ちょいと時間を戻して第1回の放送の前(355/関西リレー@79の続き)で、
内博貴(06番)のエピソード入れます。たぶん2回になります。
>355(関西リレー79@行き違い)
(あれ誰やったっけ?)
前方を何者かが道沿いに移動しているのに気づいた内博貴(06番)は木立の陰に隠れた。
(あいつは確か高黒徹?…昔、何かで見たことある)
だが今更、名前を知ってどうする。
(俺の前にいるのは死体や。ただ今死ぬ前にちょっと動いているだけや)
 ナップザックを引き寄せ幹に肘を固定し狙いを定めた内は逡巡した。
この距離ではずすかもしれない。もう少し近づくべきかも…
(いや遠いというのは向こうも同じや。今ならまだ気づかれてへん。楽勝や)
狙うのは右の背中。心臓の当たり。
1発の銃声が響くと同時に高黒徹(22番)は前のめりに倒れ込んだ。

(なんやえらくあっさりと逝ったもんやな)
ついでに近づいてもう一発撃ちこもうとした次の瞬間、その死体はがばりと跳ね起きて、逃げはじめた。
(何でや! 当たっとったはずやで!?)
「クソっいいかげんに死ねや!くたばり損ない!」
連続して速射する。もはや両手で構えてはいない。
木々の間をジグザクに逃げるのを追い、邪魔するように盛り上がる木の根を乗り越えながら
左手でナップザックを振り回し、右手でトリガーを引きまくる。
既に硝煙の匂いなど慣れて感じなくなっていた。
確かに何発か当たっている。服に穴が開いたのを見た。
不意に内の頭に閃いたものがあった。
(…防弾チョッキ!? くっ…ふざけたモン使いおって!)
そうと判れば頭か脚に、と狙いを定めたが、狙って撃つと枝にばかり当たる。
やがてトリガーを引くたびにカチリと乾いて削れるよう金属音が続くようになった。
(あかん。弾切れや)
高揚していた内の頭は瞬時に冷え切った。

最初に入っていた弾が1発。弾倉に装弾されていたのが10発。
これで最初の総弾数11発を撃ち尽くしてしまったのだ。
>403
反撃を恐れ慌てて内博貴(06番)はナップザックから追加の弾倉を取り出して装着する。
「どこや!出て来さらせ!」
内の怒声は林にこだましたが、応じて動く者は視認できない。
脅しに一発撃ち込もうとした内の脳裏で理性が囁いた。
(冷静になれや。博貴。今ここで意地になって弾を撃ち尽くしたら何になる?)
銃弾の残りはあと10発。武器を抱えた人間が30名以上徘徊する中で、この10発が内の命の限界とも言える。
(弾が…もっと弾があったらええのに…)

(今の銃声で回りのモンに気づかれたかもしれん。しばらくは不意打ちはできんな。
次からは慎重にもう少し近づいてから撃とう。その方が確実や)

近くにあった木に蹴りを入れると内はその場を離れた。
(弾が…もっと弾があったらええのに…)
405ユーは名無しネ:02/01/03 14:27
高黒徹(22番)で1つ行きます。
原生林の木陰で高黒徹(22番)は息を殺していた。
林の中だというのに物音一つしない。昼間だというのに鳥や虫の声すら聞こえない。
(もう行ったようやな)
緊張が解け息をつくと肩と背中の激痛で腰が抜け、背中を幹に滑らせて地面に尻餅をついた。
(痛、背中青タンだらけなのは間違いないな。…肋骨折れとらんだけでも儲けもんか)
疼痛に耐えながら、高黒は上着を脱いだ。
下に着込んでいた防弾チョッキにめり込んだ銃弾を指で抜き落とす。
男臭い汗の匂いが広がる。肌着を捨て素肌に直接着込んでいたせいか肌も少しかぶれているようだ。
(くぅー。ごっつ撃ち込みおってあのガキ! まあある意味腕はいいんやろな。
はずれて頭か尻に当たっとったらシャレにならんし)

肌冷えしても風邪を引いても仕方がない。弾処理を終えると高黒は汗で濡れた上着を再び着込んだ。
持ち物を確認する。着の身着のまま、唯一の武器(ナンセンスな言い方だ)である防弾チョッキ。
そして折り畳んでポケットに突っ込んでいた地図とペン。これですべてだ。
あとは内博貴(06番)の襲撃から逃れる際にすべて捨ててきてしまった。
(食料も水もなくなったのは痛いな。ホンマに誰かと合流せんとシャレにならんことになる)

内の追撃を撒くために大分目的地からはずれてしまった。
福原一哉(34番)に会いにシアターに行くにしても、
大堀治樹(11番)、武藤雅博(24番)と合流しにC-06エリアへ行くにしても随分と時間のロスになる。
(まずは、ここがどこだか確認せなあかん)
高黒は溜息をつくと木の陰に隠れながら歩き出した。

一歩歩くだけでも衝撃吸収剤がつまった防弾チョッキがずっしりと重い。
(重くて当たり前や。俺の命の重さなんや)
高黒は苦笑した。
(こんなものに頼らないとならんとあかん命なのか。俺のって)
407ユーは名無しネ:02/01/03 15:31
浜中文一(33番)で一つ行きます。
「じゃあまたがんばれよ〜」
山々に響き渡る内海の放送を聞きながら浜中文一(33番)は泣きそうになった。
(何を頑張るんや!)
禁止エリアをチェックした地図を畳むとナップザックと武器を引き寄せる。
 浜中の武器は小柄な浜中には不釣り合いなほど武骨かつ大型のボウガンだった。
横に装着された洋弓に銃床がついているような形のいわゆる弩(いしゆみ)だ。
発射の際は、まず弦を張り、トルクを回転させて弦を引き絞って、矢を装着しトリガーを引いて発射する。
機械仕掛けで発射するくらいなので当たれば当然かなりの威力を発揮するが銃ほどの速射は効かない。
取扱説明書に挟まっていた“内海メモ”によると
「使わないときには弦をはずしておかないと伸びきって使いモノにならなくなる」らしい。
発射するたびにしゃかりきにトルクを回転させることを思い返して浜中は鬱になった。
 そもそもこれを使わなくてはならなくなるときが来るのだろうか…
浜中がシアターの外に出た時には既に15分前に出発した錦戸亮(30番)の姿は形もなかった。
探す当てもない。探しようがない…
(錦戸く〜ん!…とりあえず、昼飯を食べてから考えるか…)
食欲がないが、味気ない乾パンを何とか水で胃に流し込む。
(とりあえず、この2時間とちょっとを生き抜いたのはラッキーなんやで。浜中文一。死んだヤツかておるんや。
あとはこれを72時間伸ばすんや)
 それは残り38人を殺すことを意味していたが、浜中はあえてそのことは考えないことにしていた。
409ユーは名無しネ:02/01/03 16:45
いやーん、ホリホリが!
名前が目立つのもナンですが、わからないのも(w
木村、とか記憶にないんですが、職人さんがどんな風に読ませてくれるか
楽しみですとか言うと頃され以下略
410ユーは名無しネ:02/01/03 17:19
今山透(04番)と大倉忠義(08番)で行きます。
多分3回…もっと行くかも。
「じゃあまたがんばれよ〜」
内海光司の第1回の放送を聞きながら、
森のはずれの物置小屋にいる大倉忠義(08番)は地図のチェックをしていた。
ふと今山透(04番)の様子を見ると地図を広げた様子もなく物憂げな様子で壁を見ているだけだ。

「今山、おい今の放送聞いとったか?」
「あ…ああ」
「仕方ないやっちゃな。地図出せや。14:00にF-03、16:00にA-04…。おい、今山」
「あ…ああ」
「…18:00にE-07や。ここはシアターとは遠からず近からずE-04ってとこやな」
「ああ」
今山の様子は変わらない。さすがに大倉もいらだつ。
「状況確認しよ。現実を見るんや。死ぬで!」
「俺らこれでいいんか?」
「何が?」
大倉は今山が何を言ってるのか判らなかった。
「お前、殺し合いに参加するんか?俺も?」
今山の問いかけは大倉も内心思っていることだ。それには得心する答えは見あたらない。
「まだ判らん。が、このままやと何も判らんまま殺されてまうで。それぐらいは判るやろ?」
今山は何も答えない。大倉は溜息をついた。

「とにかく言っても詮無いやん。あるモンの確認や。武器の確認しよ」
大倉は迷彩ナップザックをかき回す。発泡スチロールの粉末のままから出てきたのは…
「あ…金属バットやね」
それを見た今山もふと自分のナップザックの中に手を突っ込み…
「…何や。これは?」
「鍋? 中華鍋?」
「やっぱそう見えるか」
今山の武器は両耳付き中華鍋と鍋返し、それにゴマ油1リットルだった。
>411
「何やこれ!ふざけとる!」
ようやく感情を取り戻した今山に大倉は笑った。
「何が可笑しいんや。お前はいいわ。まだ武器に使えるやんか」
「鍋かて何かに使えるやろ」
「何に使うんや。これで殴るんか?」
「それもあるし。ほら兜やら楯やら胸当てやら」
「一つしかないんじゃ。いくつもそんな器用なことできるかい。ボケ!」
「待て。何か説明書がついとるで」
鍋の取っ手についている紙に大倉は気づいた。
「“内海メモ”って…なんじゃこれは」
「“餃子よし。揚げ物よし”」
「ああぁあったまくるわぁ!」

今山は立ち上がって中華鍋を壁に叩きつけた。
もの凄い金属音が響き渡る。
「おい! 大きな音さすな。人が来るて」
「内海のドアホ。ピストルとかもそっとマシなの入れる甲斐性ないんか!」
「ピストルならよかったんか…?」

大倉の静かな問いに今山は一瞬言葉を失った。
「ピストルなら…よかったんか?」
「…そんなことやない!」
「今、そう言うたやん」
「…ああ、そう言うた!それの何が悪い!? じゃあお前、バットと鍋取り替えるか?」
「い…いや…」
「ほれ見ろ。そうやろ。鍋じゃ何もできひんやん」
「…お前、何かしたかったんかい」

今山は黙った。
(俺、だだっ子かいな。こりゃごっつ格好悪いで)
>412
大倉は続ける。
「俺は別に…ええよ。俺が鍋使うわ。お前にバットやる。そんでお前が満足するなら」
「いやええ。お前バット使えや。俺は鍋で何とかしたる」
「…そうか」
しばしの沈黙の後、大倉は立上がり、床に転がる中華鍋を拾って今山に渡す。
「…これ持っとけ。お前を守る大事な武器さかい」
「ああ」
「まあ、その“内海メモ”にヒントがあるかもな。油あっためてぶっかけると火傷負わせられるだろうし」
「悠長な武器やな…と待てよ。そもそも火がないのに油が何の役に立つんや」

今山が気づいたように、そもそも火付けの道具はすべて取り上げられている。
おにぎりも乾パンも食べるのに火を使わない。
「ライターとかチャッカマンとは言わんからせめてマッチの一本でも入れてくれたら…
襲ってきた奴に油ぶっかけて火ィつけてやるんやけどな」
「お前、おっとろしいこと言うなぁ」
「あとは油撒いとけば、多少滑って転んでくれるかもしれん」
「結構、アイディアマンなんやね。今山」
「『必要は発明の母』ってヤツやな」
「マッチって言えば、ここ何か落ちてないかな?」
「???」
「見た感じ、ここ物置らしいし。何か使えるものありそうやん」
「そやな。禁止エリアにならん内に家捜ししようや」
大倉と今山は顔を見合わせた。数秒後黙って使い物になりそうなものを探す。
お互いに口には出さなかった。
--禁止エリア
--家捜し…物色
--武器の使い方…敵の倒し方
この状況に適応しつつある自分たちの切なさを。
414ユーは名無しネ:02/01/03 18:29
今山透(04番)と大倉忠義(08番)で続き行きます。
多分2回…
「鉈があったで」
刃渡り30cmの鉈1本を見つけた大倉忠義(08番)は今山透(04番)に渡す。
「錆ついとるな…刃こぼれしとるし」
「文句言うな。鍋で殴るよりはましやろ」
渋々今山は錆びて柄も朽ちかけた鉈をナップザックに入れる。
「蝋燭もある」
「火がないとな…」
しかし大倉は大振りの白い蝋燭を3本ほどナップザックに入れておくことにした。
「やっぱりここ日本やないな。これ英語やし。こっちはフランス語?」
カレンダーやらワイン瓶(空瓶)のラベルを見て今山は告げた。
日付はいずれも年代物だ。
「お前わかんの?」
「いや英語でないのは確かや」
「おい。ロープあったで」
「あんま荷物多いと動けなくなってまうで」

「ん?これなんや?…どっかで見たことあるんやけど」
金属片を拾った大倉は小屋の隅を見た。何かがある。近づいて…
「うあぁああ」
「どないしたんや! うっ」
近づいた今山は腐臭にむせた。
そこには壁に背を凭れかけたほとんど白骨死体があった。その頭はもげていた。
>415
大倉は呟いた。
「俺らの仲間やないよな」
「今日死んでこんなになるかいな」
「それよりこれ『首輪』やで。破片や」

「どれ」
今山は大倉に手渡された金属片を大倉の首輪に並べてみる。
「そうや、ひん曲がってるけど。同じもんや。爆発したんやな」

大倉は骨を見つめた。
「Kinkiの時もV6のときもやったって言ってたな。この仏さん、俺らの先輩なんやね」
「多分、もっと前からやっとたと思うで。なんて事務所なんや!」
「出よう。」
大倉はナップザックを背負った。今山のナップザックも手に持つ。
「行くで!」
「まだや。まだ何かあるかも知れん。火付けの道具が」
「さっきの鉈で十分やんか。多分あれも前か前の前のときの武器や。多分血で錆びたんやと思う」

「待て。ちょっと待て…」
今山が口と鼻を押さえて骨に近づく。その様子に出て行きかけた大倉も振り返る。
「ひょっとしてこれ…」
骨の長い指の間に挟まっていたのは…
「…マッチや」

紙が朽ちかけたマッチ箱の中にはマッチ棒が20本ほど入っていた。
今山は1本箱でこすった。薄暗い小屋の中が淡い炎で照らされる。
大倉も戻って座る。淡い光で二人の笑顔が浮かび上がる。
今山は不意に黙って火がついたマッチを床に置いた。湿った地面に火が消え白い煙が立ち上る。
二人は誰言うまでもなく厳粛な面もちで目をつぶり骸骨に手を合わせた。

二人がE-04エリアを出たのはそれからまもなくだった。
417ユーは名無しネ:02/01/03 20:30
錦戸亮(30番)で行きます。2-3回予定。
錦戸亮(30番)は慎重かつ密かにA-07エリアに向かっていた。

「A-07レイノバシヨ」
『A-07 例の場所に集合』
これが錦戸亮(30番)が「僕たちは殺し合いをします。」の紙から
密かに切り取って作ったメッセージである。
これを見つからないようにうまく渋谷すばる(20番)に投げ渡し、さらに
「A-07レイノバシヨ。ヨコニモワタセ」
『A-07 例の場所に集合。横山君にも渡せ』
このメッセージを村上信五(40番)の前に落として渡す。
それが横山裕(42番)の元へ渡ることは確信していた。
 村上も横山も他の参加者にマークされていることは自覚している。
錦戸との合流計画に乗らないはずがない。
 そもそも半分執行側に居た錦戸亮、渋谷すばる、村上信五、横山裕の4人は
渡された島の地図に書かれていない建築物やマークポイントも大体把握している。

○F-02には船着き場と太平洋戦争の米軍上陸記念碑。
○E-04には村の共同物置小屋。
○E-03には村の診療所跡。ここには池がありそこから流れる小川はE-02を通って海に注いでいる。
○D-05には酋長の屋敷跡(大堀治樹がバス亭と間違えたのはここである)。
○C-10の岬には灯台。
○C-08の山頂には日帝時代の旧護国神社(その前は精霊の社)
○C-07には大きな池がありそこを源とする川はD-07、D-06を通りE-06の河口へ注いでいる
○B-08には鍾乳洞があって地下を通ってE-06そしてC-08の洞窟までつながっている

 そして今、錦戸亮が向かっているA-07には草木でカモフラージュされた防空壕(シェルター)がある。
事前に知識がなければA-07エリアに入ったとしてもそこに人が住める建築物があるとは判らない。
錦戸亮が4人のとりあえずの集合場所に選んだのはここだ。
ここが禁止エリアに指定される前に合流しなければならない。
村上や横山の出発順がやたらに遅いのはさすがに計算外だが、
あの二人なら隠れるポイントも知っているし
時間をかければうまくA-07のシェルターまで来られるはずだ。
>418
A-07エリアへ急ぐ錦戸亮(30番)は首輪の喉にタオルを差し入れ巻き付けていた。
おそらく、他の3名もそうしているはずだ。
これから錦戸たちがはじめようとしていることは、無知なジュニアどもが殺し合う
このゲームにより高度な大きな次元で影響を与えることになる。
 計画が実行前に首輪爆弾に装備されている盗聴マイクで察知されれば即座に、
内海光司の手によって首輪爆弾を爆破されるだろう。ならどうするか?
その前に内海ごときが爆破したくてもできない状態にしてやればよいのだ。
錦戸たちを殺せば「損」である。いや「命取り」になるということを心の随まで判らせてやればいい。
慎重な計画を大胆な実行力で。
…と言っても錦戸も今のところ確たるビジョンを持っている訳ではない。
錦戸のかけていた《保険》は今の状態では意味がないのだ。
何とか他の3名と合流し知恵と力を合わせてこの破滅から逆転するのだ。
そう追いつめられれば追いつめられるほど逆転劇は劇的になる。
(一番信頼できるのは共犯者や。俺の共犯者--渋谷君、横山君、村上君、
そしてジャニーズ事務所も俺の共犯者にしてみせる)
>419
 それに錦戸は他の4人にどうしても会わなければならない理由がある。
 錦戸亮の武器はスタンガンである。
携帯大だが強力な電流を数秒流して相手を数秒〜数分間失神させる。
心臓が弱い者なら即死するかもしれない。相手に接触させさえすれば…
大して体力も必要でなく小柄な錦戸には一見、最適な武器かもしれない。
しかし不意打ちならともかく正面きって戦うとなると接触武器であるスタンガン
では組み打ちに持ち込まなくてはならない。離れたところで使っても意味がないのだ。
格闘戦は小柄な錦戸には不利である。

(都会の深夜の変態どもなら油断するやろが、ここじゃみんな殺し合いするつもりなんや。
照明がないから夜になると真っ暗闇で俺も見えんし。わざわざ感電すると判ってんのに近づけてはくれんやろ。
こんな格闘武器、横山君や村上君が持つべきなんや。
俺は飛び道具がよかったんやけど…まあ使い方に工夫するしかないかな)

 何とか他の3名に飛び道具が回ってくることを祈るしかない。
そういった意味でも4名は運命共同体なのだ。

 あともう少しでA-07に入る。さすがの錦戸も緊張する。
ここから例のシェルターに入るところは他の参加者に見つからないようにしなければならない。
中では渋谷すばる(30番)が待っているだろう。「遅い!」と理不尽に怒るかもしれない。
自分もゴメンとやきもきしながら村上信五(40番)と横山裕(42番)を待つことになる。
まだはじまってすらいない。
(成功するまで安心できん)

「…亮ちゃん」
聞き慣れた声が聞こえる。まさか…しかし…
「すばる君!」
渋谷すばるは自分より1時間近くも前に出発しているはずだ。
もうシェルターに入っていなくてはおかしい!
(何でこんなグズグズしてるんや!もう!)
421ユーは名無しネ:02/01/03 23:49
錦戸亮(30番)&渋谷すばる(20番)で3つか4つ行きます。(ひょっとしてもっと行くかも…)
>420
錦戸亮(30番)が見ると茂みの中から渋谷すばる(20番)が手招きしている。
外からは気をつけて見ていないと判らない。
錦戸は周囲の様子を確かめると思い切って飛び込んだ。

中はドーム状の木立になっており、形状も大きさもさながら植物で出来たかまくらのようだった。
あんなにも強烈だった南国の昼の日差しが和らぎ、緑色に薄暗くおちついた空気を醸し出している。
首輪の喉部分にタオルを巻き付けて渋谷は薄目をあけて胡座をかいていた。
錦戸も思わず渋谷と同じように腰を下ろしてしまった。

「あぁなんか落ち着くところやな。…じゃなくて! すばる君、一体どういうことなんや」
「ええとこ見つけたやろ。声かけたのは亮ちゃんが初めてなんで」
「はじめて? 他に誰か来たの?」
「俺がここに来てから通っただけや。
高杉やら中嶋やらみんな俺がここにいるの知らんで怖い顔して通り過ぎていったわ」
(高杉…!?)
 辞めJrの高杉政治郎(23番)は、大倉忠義(08番)、田中大樹(26番)、水野清仁(38番)、安田章大(41番)、
と同じく錦戸と同期入所の仲間であった。
「どうした? 亮ちゃん」
「いや、何でもない。それより何でこんなとこでグズグズしてるんや。俺のメモ見なかったの?
あのときちゃんとキャッチしてたやないか」
「ああ、読んだで。でも俺、亮ちゃんたちには悪いけど、なんやかんや、
もうあくせくもがくのはやめたんや。」
>422
「あぁ? すばる君。何言うてんの?」
「だから亮ちゃんには何にも言わんと心配かけるよって、それだけ伝えようとして声かけたんや。
これが俺の答えや」
「自分が何言うてんのか判っとんのか? このままゲームにのっかると殺されるか死ぬかするんやで」
「そんなの判っとる。俺は自分で決めてトン汁飲んだんや。ヨコもヒナもそのこと知っとる」
「それでここで隠れてるんか? それで助かると思うんか?」
「誰にも殺されないし。殺さない。いつかはここも禁止エリアになるやろ。
そしたらひっそりと逝ったるわ」
(何、達観したこと言うとんのや。このヘタレは!)
昔から渋谷の傲慢なところは自信のなさの裏返し、
何だかんだであきらめが早くツメが甘いことを錦戸は知っていた。
しかし今度ばかりはそのままにはしておけない。文字通り錦戸自身の命運も掛かっているのだ。

「そんな浮き世離れしたこと言うなや。すばる君らしくもない。デビューできるんやで!」
「ジャニーや内海のいうこと真に受け取るんか。亮ちゃんも可愛いところあるな」
渋谷は静かに笑って錦戸の頭を撫でた。その手を錦戸は振り払う。
「そんなんやない! ジャニーと事務所を脅すんや。俺たちを殺さずデビューさせるようにと。
KinkiやSMAP並のバックアップも約束させる!」
「はは、どうやって?」
(この場で言うべきやろか? 全員集まってから進めるはずなのに、
今こっちのカードを半分見せることになる。
いやここは腹を割って話さなければ、すばる一人もを説得できへん)
>423
「あのときの俺ら4人とジャニーとの会話、実は全部録音してあるんや。
いくつかダビングして銀行の貸金庫に入れてある」
「偽造や合成ってことになる。警察でも裁判でも証拠にならへんで」
「別に法律云々はどうでもええんや。要はスキャンダルになればええ。ハイエナみたいなマスコミ相手や。
日本だけやのうてアジアの世界の芸能界もすべて…政財界もひっくり返るで。
なんせこのバトルロワイアルは『ジャニだけの問題』やないんやからな」
「マスコミが信じるか?単なる中傷と言われるのがオチや」
「『社長が前もって予告した日時に都合良く、何台ものバス事故が同時に起こった』んやで。その予告事故
の前にブツを貸金庫に預けとるから俺には編集できへんことは銀行が証人になる。
バトルロワイアルは信じられなくとも、会社総出の予告大量殺人を自白してるんと同じや!」

「なるほど、わりと考えたんやな。亮ちゃん。けどその計画には決定的な穴があるで。
亮ちゃんがこうして捕まっとったら、貸金庫の鍵が開かんし。亮ちゃん殺せば、何もなかったことになる」
その通りだ。錦戸もまさか自分まで捕まってゲームをさせられるとは思っていなかった。
しかし…
>424
「そこですばる君の力が必要なんや」
「何で、俺なんや?」
「俺、知っとるんやで。すばる君がこのゲームシステムの裏技、Kinkiの光一君から聞き出したのを。
それで降ろされたんやろ。『ピカイチ』のレギュラー…」

 日本テレビ系のバラエティー番組『ピカイチ』においてレギュラーの座にあった
渋谷すばるは司会の堂本光一(KinkiKids)の不興をかったとして途中降板させられ、
東京ジャニーズJrの生田斗真が後任となった。
関西Jrの横山、村上を据え置いているのに何故、関西Jrが渋谷の後任とならなかったかは
その理由は表沙汰にはならなかった。何故関西Jrを警戒したのか…

「そんなこと俺は知らん!」
「家族が人質になっとるのは知っとる。俺かて同じや」
「知らんで!俺は!」
 悲痛な渋谷の表情からその否定は完全な肯定であることを錦戸は判っていた。

「横山君か村上君も外界に連絡取る方法を知っとると聞いたことがあるんや。
でも連絡とれてもジャニーを動かす材料がない。それは俺が用意してるんや。
でも俺だけではどうにもできへん。俺らが死んだら自動的にジャニーが破滅するような仕掛けを作るんや。
そしてそれを楯に俺らはジャニと交渉する。俺らは命を賭けるんや。ジャニーにも賭けてもらうで」

「ダメや。俺を苦しめんでくれ。亮ちゃん。俺もういやなんや!」
「すばる君。俺らを助けてくれ。俺らの家族を助けてくれ。後生や。死にたくないんや。すばる君!」
「……」
「例の隠れ家に来てくれるだけでええ。すばる君の顔を見るだけで村上君も横山君も安心できるんや」
(理でだめなら、情に訴えるしかあらへん。このヘタレなら必ず乗ってくる!)
「一つ約束してもらうで。亮ちゃん。A-07の隠れ家に行くのはええ。ヨコにもヒナにももう一度会いたい。
けど俺は人殺しはせん。人殺しの手伝いはせん。それでええか?」
>425
錦戸亮は満面の笑みを浮かべた。
「無理強いはせんて。で、すばる君の武器はなんや?」
「俺はこれや」
渋谷すばるの武器は大口径のライフル銃だった。ライフル専用の大口径マグナム弾を使用。
拳銃などとは比較にならない殺傷能力を持つ。
(こんなヘタレには宝の持ち腐れや。けどこれだけデカイ銃だと
さすがに俺じゃ反動がでかすぎて撃てんしな)

「なんや使わへんのにこんな立派なのを持ち歩くの?」
「俺がこのゲームに参加したのは武器を一つ減らすためや。この武器持って隠れとったら。
この武器で殺す奴も死ぬ奴も少なくなるやろ」

(俺には判らないヘタレな理屈や)
錦戸は心の中で毒づきながら明るく言った。
「何でもいいやん。早く行かな、村上君や横山君に追い越されてまうで」
「…にしても亮ちゃんが、こんなにデビューや仕事にしがみつくとは思わんかったわ」
「やる気ないように見えた?」
「うん」
「意外なJrがいつもデビューするんや。ジャニーはそういうの好きやろ?
ポーズや。ポーズすばる君にもそう見えたんなら成功や。」
427ユーは名無しネ:02/01/04 00:50
伊藤(02)と水野(38)で2ついきます。
>391
辺りの様子を伺おうとした水野(38番)は、突如背後から羽交い締めにされた。
「手ぇ上げぇ!」
普段よりも荒い息遣い、興奮した語調、それは伊藤政氏(02番)だった。
水野がゆっくり手を上げると、地図と筆記用具が丈の高い草の中に落下する。
そろりと覗き見ると喉元にナイフが突き付けられている。刃先は声と同様、震えている。
「おま、お前の武器は?」
伊藤の問いに、足元のナップザックを目線で示す。
伊藤は水野を地面に突き飛ばしナップザックを奪った。
ナイフはまだ水野の方を向いているが、よく見れば少しばかり
よく切れそうな、果物ナイフに毛が生えたような代物だった。

「何やこれ!?」
悲鳴に近い伊藤の叫び。鉄アレイ。それが水野に与えられた武器であった。
「くそっ」
腹立ち紛れに、伊藤は鉄アレイを蹴飛ばし…誰もが予想し得る結果に陥った。
水野は一瞬目を丸くして--つま先を抑えて悶絶する伊藤の姿に
こんな状況にも関わらず、笑いを堪えることができなかった。
伊藤もやがて水野の横にしゃがみ一緒に笑っていた。
「あほくさ」
吐き捨てるように言って、伊藤はナイフを地面に突き挿した。
>428
「悪かったな」
伊藤はぽつりと呟き、水野は黙って頷いた。
旧知の友人が混乱している姿を見るのは、もうたくさんだった。
「…誰かに狙われたん?」
問い返した水野に、伊藤もやはり沈黙をもって答えた。
肯定の意味だろうか。訝る水野に、思い切ったように伊藤が口を開く。

「オレが狙われたんちゃうねん。内や。アイツが落合を殺してん」
水野は答える言葉を失った。あの人一倍臆病な内が…?
「銃の音が聞こえて、そっちの方に行ってんや。
 オレもたいがいあほやな--反対の方向に逃げるやろ、普通。
 --そんで、多分もう死んどったんやろな、内が落合の荷物調べとった」
「内がやったて言われへんのちゃうん?
 たまたま…おんなしように音聞いてそこに行ったか知れんやん」
「それでたまたま犯人が落とした銃を拾ったんか?」
冷水を浴びせられたような心地がした。
内が…殺…死体…銃…犯人…虚構の世界に放り込まれたようだった。
水野の中にまた新たな覚悟が一つ芽生えた。
--どうせ自分でほかすつもりの命やったんや。

「内を探すわ。アイツめっちゃ怖がりやし、多分1人で泣いてんで」
「おい、人の話聞いとったんか!?」
「聞いとった。自分で確かめたいんや」
あまりに淡々とした水野の声と微笑とに、伊藤は気圧された。
「--勝手にせぇ。オレは遠慮すんで」
伊藤の声はまた、震えていた。
--話すんやなかった。オレは何したんや。混乱を押し付けただけや。

数分後、2人は名残の握手もせず、互いの道を歩き始めた。
430ユーは名無しネ:02/01/04 01:23
>421さん
>427-428を投稿した者ですが、もし間に挟まってしまってたら申し訳無い。
メモ帳か何かに書いておいて投稿する方法が良いかと。<もっと行くかも…
431421:02/01/04 06:40
>430(427-428)さん
421を書いた者です。

|メモ帳か何かに書いておいて投稿する方法が良いかと

あ、メモ帳には前もって書いて保存しといてあるんです。
でも「本文長すぎます」とか「改行多すぎます」とかでハネラレるんですね…
そのたびに分割して再UPしてるので、最終的にUPするまで目分量でいくついけるか判らないんです。
…という次第でご納得いただけますでしょうか? ご忠告はありがとうございました。
432421(431):02/01/04 08:22
あ、421の補足(判りづらかったので)
「本文長すぎます」とか「改行多すぎます」とかはUPするときです。
最終的にUPされるまで目分量で何分割でUPできるか判らないんです。
(他に何かいい方法はあるのかな…)
433ユーは名無しネ:02/01/04 21:16
>432
前もって自分で、
話や文章の流れ的にキリのいいところで
切っておくしかないんじゃないかなぁ。
段落ごとというか。
そのときにタイトルも前もって考えておくと、さくさくアップできるし。
434421(432):02/01/04 22:01
>433
 ご提案ありがとうございます。
実は個人的には、段落ごとで分けているつもりではあります
(タイトルも大体そのときに。だから投稿数の「大体の目安」は判る)
でもまあ話の流れ的にうまく切れなくて、結局ハネられたりするわけです。
(そのときに段落の切り変えたり、タイトルつけ直したり)
5行ごとにUPとか1人のセリフごとにUPするのだとだと逆にウザそうだし(w

※というかそもそもこの板の投稿・改行限界とか本文のバイト数の限界とかが予め判っていれば
それに合わせて原稿用意できるんだが…(各自の通信環境にもよるだろうし一概には決められないんだろうな)

まあ、ウザイ悩みと愚痴は読んでもらっても意味ないだろうしこれの位にしときます。
多分、話の続きの方が期待されていると思うし。長文蛇足の文章スマソ
435ユーは名無しネ:02/01/04 22:02
似非関西弁の方多いですね(藁
436ユーは名無しネ:02/01/04 22:20
>435
じゃ、方言考証よろしく(藁
437ユーは名無しネ:02/01/04 22:27
あはは、私、関西弁知らないで書いてる職人の一人です(藁
そもそも大阪/京都/奈良/神戸/和歌山って全部違うはずですしね。
ほとんどイメージで書いてますんでネイティブの方が読めば噴飯ものでしょう。
ということで方言考証よろしく(藁 >435
438ユーは名無しネ:02/01/04 22:32
>435-437
 方言の考証っていうか、「このJrはこういう言葉遣いはしない!」とか
いくつか具体例を引用して指摘してくれると、これからの進め方に資するわな。
(単純な間違い指摘じゃなくて。正解(?)も併記して)
437のような職人さんも居るわけで。
439ユーは名無しネ:02/01/04 22:59
だけどあんまり指摘されると職人さん萎えるんじゃ?>438
憶測だけど、437さんだって関西弁は知らなくても、
自分が書いてる子のことを知らないってことないだろうし。
方言に関しては指摘なしの方がいいかと。
さすがに「でんがなまんがな調」とかだったら言ってあげればと思うが(W
440ユーは名無しネ:02/01/04 23:27
>439
私はNot関Jr担で『関ジャニナイト』も『週刊V・WEST』も見たことがない職人の1人です(関東在住でして)。
(リレーとJBRが好きなので書いています)
最近の『少年倶楽部』でようやく「す」と「℃」と「西5のうちの4人」がどんな「声」で話して歌うのか知りました。
(雑誌には声のらないもんね)。当然、辞めJrとか大倉とか梅阪とか知らないので
2chのスレとかでの情報で書き込むという恐ろしいことをしています(むははは、担の方ゴメンナサイ)
つっこみとか指摘とかはむしろ希望します(多分、該当するの私だし…/W)。
つっこまれて当然なので萎えません。(他の職人さん方は知りませんが)
大して「でんがなまんがな調」と変わらないかも
441ユーは名無しネ:02/01/05 00:11
440ってもしかして429ー430を書いた人ですか?
だとしたら確かに「でんがなまんがな調」だね(W
442ユーは名無しネ:02/01/05 01:53
>428-430を書いたのは私で、440さんではないですよ?>441
生まれも育ちも大阪で(すと同じ地元)私はあれで自然体なんです(w
他の方のリレー読んでて「噴飯もの」等の感想を抱いたことはありません。>437
ついでに私もKYOTO時代知らないので、キャラは2で把握してます(スマソ)
>438さんの言うような指摘のしかたをしてくれると嬉しいです。
宜しくお願いします。
443ユーは名無しネ:02/01/05 06:57
437です。
>440さん
>他の方のリレー読んでて「噴飯もの」等の感想を抱いたことはありません。
 ネイティブの方に保証(?)していただいて何かほっとしました(少なくとも大阪部分では)。
何かお気づきの部分がありましたら、これからもよろしくお願いします。
 でも、どこを書いた職人かはちょっと秘密にさせて下さい(w
指摘されたときに密かに反省・精進しますんで。
 ちなみに前の方の書かれた口調見ながら参考にして書いているので
ほっとくと多分影響受けていきます…(w
444ユーは名無しネ:02/01/05 10:49
ほしたら、どうしても気になってることをひとつ。

とてもやる気な福原さん
口調含めキャラが違い過ぎて どうにも…
できればもう少しリサーチして頂けるとありがたい。
と思うのは私だけー?

て、もー遅いのかしらー
445ユーは名無しネ:02/01/05 11:46
>やる気な福原さん

それは私も思いました。
書いていただけるのはありがたいのですが、
あまりにも かけ離れた印象を受けましたので。
「創作だから」と言ってしまえばそこまでですが…
モデルが居るのだから もう少し、とも思います ハイ。
446ユーは名無しネ:02/01/05 13:10
リサーチしようがないじゃん、福原なんて。(藁
キャラが違うっていうのも、自分の中のキャラと違うっていうんでしょ?
そんなの最初に書いた者勝ち。出遅れて文句言うな。
天使な福原が好きな同じ人ってウザい。
447ユーは名無しネ:02/01/05 14:19
なに決めつけてんの?
最初から読んでる?
天使な福原はいかがかと思うが、
少なくとも、リレーの最初の方に登場してる福原は、
「やる気まんまん」にはなりそうもない感じだったよ?
448ユーは名無しネ:02/01/05 14:23
なんだかちょっと雰囲気悪いところに恐縮ですが、
2つ行きます。福原と浜中です。
福原はC−06エリアを目指す途中、茂みの中に人影を確認した。
(誰や・・)
身構えて慎重に近づく。
相手は無防備で、福原に気付く様子もない。
福原に背を向けて何やら食事をしているようだった。
(呑気なヤツもおんねんなあ。)
このまま行けば手持ちの日本刀で簡単に刺し殺してしまえそうだが、
それはせずにゆっくりと近づいた。
福原の靴が枯れ葉を踏んだその音に気付き、相手は福原の方を振り向いた。
「福原くん!!!」
真っ白い頬を幾分紅潮させた浜中が、立ちあがった。
「ぶん…。」
相手が浜中であったことに対し、福原は少なからず動揺した。
考えてみれば、福原の直前に出たのが浜中なわけで、
進む方向さえ違わなければ、小さい体で進む距離に
追いつくことはわけはない。
「ぶんちゃん、こんなとこで飯食ってたら殺されてまうで。」
右手に持った日本刀を背中で隠しながら福原は優しく声をかけた。
「だって、そんなこと言うたらメシ食うとこあれへん!」
浜中は、目に一杯涙をためて、それでも気丈に言った。
自分のことを1番かわいがってくれた、大好きな福原が
信用できるのかできないのか浜中には分からなかった。
「福原くんは、俺のこと殺す?」
浜中からは見えないように隠された
福原の右手をじっと見つめて浜中は言った。
「もう嫌やねん!俺の知らんでっかい人等一杯おるし、落合は死んだ
 とか言うし、俺、足疲れてんもん!動きたくないねん!」
そうは言いながら、福原が一歩、歩みを進めると、浜中はビクっと後ずさりした。
「ぶんちゃんは、いっつもそうやなあ。」
福原は苦笑いしながら言った。
自分を殺すのか?という浜中の問いには答えずに。
「ちょっと疲れるとすぐわがまま言うのはあかんで!」
言いながら福原は考えていた。
(俺はこいつを殺すんか?)
日本刀を持った右手は、先程からやけに汗ばんでいる。
「福原くんはすぐに説教や!じじいや!」
威勢だけは相変わらずいい。
昔から浜中はそういうヤツだ。小学生の頃から面倒を見ている。
よくダンスを教えたりもした。
小さい体で、精一杯自分に付いて踊る姿はいつも真剣だった。
(…無理やな。)
自問自答の答えは最初から出ていたのかもしれない。
福原は、右手に持っていた日本刀を手放した。
地面に日本刀が落ちるのを浜中は目で追った。
「福原くん、それ・・・。」
「ぶんちゃんは頭いい子やからな。もう分かった思うけど、俺、おまえを
 殺そうと思っててん。」
福原はゆっくりと浜中に近づいた。
今度は、浜中は逃げない。体が固まってしまったせいもあるかもしれないが。
「でも、無理やわ。」
そう言いながら福原は浜中の頭を撫でた。
福原の本当の笑顔を見てとり、浜中の目にたまっていた涙はついに溢れた。
「俺な、大堀のために鬼になろう思ってん。」
浜中の頭をなでながら、福原はゆっくりと語った。
「そのためには全員殺すって思った。」
浜中は、無言のままコクコクと首を縦に降った。
「でも、最初っからこんなんじゃ到底無理やな。
 考えてみれば、俺、自信ないわ。透や伊藤や、あとタケとか徹
 殺せる自信ない。」
福原は自分に諭すように言った後、声を強めた。
「でも、大堀は守るって決めたから、俺は大堀の元に行く。
 あいつ待ってくれてると思うし。あいつを守るためやったら俺は仲間を
 殺す…また鬼になるかもしれん。今度会った時、ぶんちゃんを殺す
 かもしれん。ごめんな、ぶんちゃん。ここでお別れや。」
大堀がすでに息途絶えていることなどこの時の2人は知るよしもない。
浜中はゆっくりと福原の顔を見た。
「おまえ、背ぇ、伸びひんな〜。」
ポンポンっと浜中の頭を叩きながら、福原はもう1度にっこりと笑った。
「じゃあな。」
福原は日本刀を拾いあげて、浜中に背を向けた。
「また生きて会おうな。」
その言葉を残し、福原は走り出した。
(福原くん、俺も一緒に連れてって…。)
この言葉を浜中はのみこんだ。
体も年も1番小さい自分が福原の足手まといになるのは分かっていたから。
涙を袖でぬぐって、浜中はある決意を固めた。
452ユーは名無しネ:02/01/05 14:46
すみません…。3つになっちゃいました。
453ユーは名無しネ:02/01/05 15:06
今でもお泊りをするほど仲の良い福原と浜中が殺し合い??とヒヤヒヤしました。
続きが楽しみです。職人さん、頑張って下さい。
454ユーは名無しネ:02/01/05 16:20
やっぱりその人物を知る人が書く話は引き込まれますね。
思わずうるうるしてしまいました。
448-451さん、素敵な話をありがとうございます。
455ユーは名無しネ:02/01/05 17:58
それぞれ決意とか覚悟とか固めてきてるね…ぶんちゃんでさえ。
どーでもいいけど福原のイメージって巨…です(ファンの人ごめん)
456ユーは名無しネ:02/01/05 19:19
455って職人?(ため息
457ユーは名無しネ:02/01/05 20:22
>447
|少なくとも、リレーの最初の方に登場してる福原は、
|「やる気まんまん」にはなりそうもない感じだったよ?

446でないし、煽りでもないですが。
それを言ったらバスに乗ってたJrでやる気まんまんになりそうなJrは一人もいませんでしたよ。
(錦戸亮だけは悪キャラ(?)みたいなので微妙だけど)
そういうキャラが極限状況で次第に変化していくのがBRの悲劇であり醍醐味だと思うのですが。
(変わらないというのも勿論OKですが)
殺しのエピソード読んでからバスの仲良しシーンを読み返したら感慨もひとしおでした。

それに福原がやる気になるのは変で、
内や塩田がやる気になったのは変じゃないんでしょうか…?

>454
その人物(あるいはイメージ?)を知る方が書かれる話は素敵だというのには同意します。
458ユーは名無しネ:02/01/05 21:12
455は単なる読者です。
2chでのイメージが強いってことを言いたかったんだけど・・
ごめんなさい。
459ユーは名無しネ:02/01/05 21:47
マターリ(´ー`)y-~~

当方関ジャニ詳しくないのですが、主要人物になるだろうと思っていた
大堀が早々に殺されてしまったことで、却ってストーリー展開がより
面白くなりそうで読者としては楽しみです。
職人さんがんばってください。
460ユーは名無しネ:02/01/05 22:50
中央管制室の内海で2つ行きます。
「うっあぁぁぁ大堀がぁ〜」
中央管制室に内海光司の叫びが響いた。
正面大モニターに映る島全図C-06エリアに留まっていた【11】が赤色に変わっている。
緑色の【19】がそこから離れつつあった。
「塩田かぁ…うぅ、やってくれちゃったなぁ」
悔しそうに内海は呟く。内海が賭けていたのは「11-25」。大堀治樹(11番)−田中純弥(25番)である。
残る望みは2番手に賭けた田中純弥が2番目に生き残るか(つまり優勝者に最後に殺されるか)
優勝することだがどちらにしても大堀優勝に比べれば配当はぐっと低くなる。
「俺も魚谷か呉村あたりに賭けておけばよかったかなあ」
内海は大石恵を横目で見る。大石が賭けているのは「35-05」。
すなわち牧山雄亮(35番)−魚谷輝明(05)である。
「途中変更はなしですよ。変更が効くのはエントリーの間だけでしょ」
ぴしゃりと大石が言い放つ。
「ううん。それはそうなんだけど」

このバトルロワイアル賭博が全世界から集め動かす闇の金は天文学的な数字になる。
胴元のジャニーズ事務所の取り分だけでも日本円にして数百億の金…。
内海の一存で好きにできる訳ではない。
--新レコード会社『Jストーム』の会社設立。
--KinkiKids連続シングルCD売り上げ1位記録ギネス入りの運動資金。
--嵐の500円シングルCDの赤字補填にTV主題歌2本同時運動資金。
集まってくる膨大な資金もさることながら、
“賭け”に参加することで信頼できる共犯者にできる政財界の要人たちの影響力は金額には替えられない。
このゲームは何としても成功させなければならないのだ。
>461
名残惜しそうに内海は呟く。
「ちょっと発破かけ過ぎちゃったかなぁ」

昼の放送で内海はペースが遅いと言ったが、実際のそれは殺戮を促すレトリックであり
実際はエントリー3時間弱で3人死亡というのは凄まじいハイペースなのである。
そのペースで殺戮が続けばこれから72時間どころか30-40時間でゲームは終了してしまう。
まあ、実際は睡眠や休息時間も考えると50-60時間というところだろうか。
(早けりゃ2日くらいで帰れるかもな。ま、早いに越したことないし♪)
内海は前向きに考えることにした。
463ユーは名無しネ:02/01/05 23:48
野中和久(32番)1つ行きます。
(ふん、やっぱり思った通り、ヒナとヨコは同じとこへ向かってるな)
野中和久(32番)は首輪探知機を見つつほくそ笑んだ。

 村上信五(40番)はシアターを出発してからしばしば横道に逸れ休みつつも
北…北東の方角へ移動している。
 横山裕(42番)はそれから遅れること約10分、多少道程は違うが村上の跡を辿るように
北…北東の方角に正確に移動している。
途中には林があり崖あり谷ありしているのにも関わらず、
視認しているかのように正確に同じコースをトレースしている。
(何かで連絡を取ったか、予め打ち合わせがあったとしか思えん)

北山純一(15番)や田中純弥(25番)はまるっきり明後日の方向にいる。
ここは取りあえず自分がヨコヒナをマークするしかない。
あいつらがどこへ向かうのかつきとめなければ…
 野中は今、横山から100mほどの距離を置き、跡を追っている。
障害物を間に置きつつぎりぎり横山の姿が見え隠れする。
横山からこちらは判らないはずだ。
また自分たちの回りに他の番号が来たときもすぐ警戒できるはず…
465ユーは名無しネ:02/01/06 21:42
横山裕(42)番で1つ行きます。
 横山裕(42番)は特に身を隠す様子もなくシアターの北東の方角…A-07を目指していた。
横山の首輪にはタオルが巻かれている。ただでさえ暑苦しい南方の日差しの中でその風体は異様だった。
妙に不機嫌そうに見えるのは暑いせいなのかそれとも…
左肩に黒ナップザックを引っかけ、左手で銃床を抱え、銃身は右肩に掛け、銃口は天に向けている。
横山裕の武器はショットガン(散弾銃)だった。

 10分前に出発したはずの村上信五(40番)の姿はあれから見ていないが、身を隠しながら
先にA-07へ向かっていることは確信していた。
 横山は自分と村上が1号バスに乗っていた者全員に注目されマークされていることは自覚している。
 そして自分の出発順番が一番最後であることは待ち伏せが予想され不利だ。
自分と村上の順番が近過ぎるのもまた危険だった。
自分と村上が同じ場所へ向かっていると気づかれるのも危険だ。
 横山はA-07に入るまであえて姿を隠さず囮になることに決めた。
467ユーは名無しネ:02/01/07 08:44
梅阪剛司(07)行きます。1つで間に合うと思うけど…
梅阪剛司(07番)は火炎放射器のノズルを草むらに向けてレバーを引いた。
オレンジの炎が轟音を立てて2m先まで噴出される。出てきた煙にむせかえる。
(うっへぇ〜ガソリン臭くてかなわへんて。こりゃ料理には使えんな…)
文明的な食事を食べるための実験に失敗した梅阪は落胆して足下の黒ナップザックに目を落とした。。
中には冷たいおにぎりと乾パン、ペットボトル入りのミネラルウォーターが入っている。
(火ぃ通したあったかいもん、食いたかったんやけど…)

(貴重なガソリン…無駄にしてしもた…)
ボンベに入っているガソリンは再度入手できると思えない。
“内海メモ”から、ボンベに入っているガソリン約1リットルを計算してみると、こまめに止めて使ったと

してもトータルで1時間しか使えないことになる。
そのあとはこの火炎放射器はガソリン臭いガラクタに成り果てる。

しかし他に何の役に立つというのか。
(これは元々雑草を焼くのに使うもんや。…あとは…人間を燃やす?)
 梅阪は想像した。命請いをする顔見知りのJrたちを。
聞こえないふりをして梅阪は放射器のノズルを向けてレバーを引く。
噴出する炎の舌。肉が焼け焦げる臭い…断末魔の悲鳴…髪が燃え、服が燃え、眼球が蒸発し、骸骨が見えて歯茎が現れる…
(俺は嫌や。そんな死に方したくない!。人間は雑草やない。俺は雑草やない!)
生きている人間を焼き殺す。そんな想像をしただけで自分が焼き殺されるようで梅阪は身震いした。
寒気がする。自分がされたら嫌なことは他人には絶対しない。それが常識だ。
殺されたくないなら殺すのはよくない。そんなの常識じゃないか!
(俺は嫌や。嫌や。でもそうするのか?。やっぱり殺されるのも嫌や。
襲われそうになったら内海の言ったとおり、俺は殺すのか。俺は人間でも焼き殺してまうのか…)

D-06エリアから天高く立ち上った白と灰色の煙は森や山を越え、遙か遠くまで見える。
広範囲で目立つ煙の柱を目撃した者たちがどういう反応を示すか梅阪はまだ考えていなかった。
469ユーは名無しネ:02/01/09 15:04
魚谷輝明(05)で3つ行きます。
(家族がおる。恋人もおる。仕事もあるんや。
どうしてこないなふざけたことに巻き込まれなければならんのや!)
 シアターを出た魚谷輝明(05番)は東に見える山を目指し歩いた。
 少しでも高いところへ登って回りを見回してみたい。そうすれば考えもまとまる。

(まずは視点を変えるんや。死ぬ?殺す?こんなところでせせこましく歩いてはおれへん。
鬱になるか狂ってまうで。とにかくちょっと高いところへ行って回りを見回すんや。
大きくモノを見るんや! …こないなこと考えるのは逃避なんやろうか?)

 いや違う。殺す?死ぬ?今投げ出されたこの状況にも、まだきっと別の選択肢、
そして解決策があるはずだ。

(内海や大石…ジャニーかて別に神サンでもなければ悪魔でもあらへん。
俺らと同じ、切れば赤い血の出るただの人間なんや。こんな大がかりで無理なこと強引に進めてるんやで。
どこかに何かしらボロがあるはずや。ちょっと見には判らんけど、致命的なモンが何か…)
…残り72時間…その間にそれを見つけだして突く。突き破る!
 皆まとめて日常に戻るには、なんとかそれでいくしかない。
このふざけたゲームに何も考えずに乗って流される訳にはいかない。
(なんとかするんや。魚谷輝明…人任せにはするな)
魚谷は両頬を叩いて自分を叱咤した。
471ユーは名無しネ:02/01/09 15:08
さげてくれませんか・・・?
魚谷に用意された武器は道路工事用のツルハシだった。
道無き熱帯林をツルハシを振り回し邪魔な木々を切り倒しながら魚谷は進んだ。
やがて傾斜を登り、ツルハシをピッケルや杖の代わりに使いながら山(?)を登る。
等高線の具合からいうと今は地図でいうところのC-06エリアだろう。
おそらく山頂はC-07にかかることになる。

麓を振り返った魚谷は西の彼方に灰の煙が立ち上るのを見た。
(この島は俺ら以外人はおらんはずやし。誰か何か火を使っとるな)
いろいろ嫌な想像が魚谷の脳裏を巡ったがそれを振り払い山登りを続ける。

不意に異臭を感じた魚谷は慎重にそちらに近づいた。
木の陰にある人影にツルハシを構えながら近づく…
「誰かおるんか? 俺や。魚谷や。まず話そうやないか」

人影は動かない。静かに近づいた魚谷は顔をしかめ溜息をついた。ツルハシを握った両手を力無く下ろす。
両脚を投げ出し樹に背をもたれさせ座っているかのように見えたのは木村廣太郎(16番)の死体だった。

【エントリーNo.16 木村廣太郎 死亡(享年19歳00ヶ月) 残り38人】
>>472
(長いモンで刺されとる。滅多刺しや。槍…か…竹槍か本格的な槍かそれは判らんけど)
頭…肩…胸…腹…飛び散った血はすでに黒ずんでいたが、かろうじて生前の外形は留まっていた。
木村の右手には金槌が握られていた。おそらくこれが木村の武器だったのだろう。
鼻と口を左手で押さえ腐臭に耐えながら魚谷はツルハシと荷物を足下に置き、右手で木村に触れた。
(冷たいし。堅い…死後硬直ってやつやな。殺されてから大分時間は経っとる)
殺害者はおそらく大分前にこの場から離れているだろう。
運良く殺害者と顔を合わせなかったことを思い、魚谷はようやく周囲への警戒を解き安堵した。
金槌に触れ木村の指を離そうとする。ノリで固められたように動かなかった。
木村が死んだときにあまりに堅く握りしめて殺害犯も金槌を奪い去ることはできなかったのか
それとも金槌ごときを最初から戦利品として勘定しなかったのか。
(おそらく後者やろ。槍持ったやつが今更トンカチなんかな…)
そこで魚谷は自嘲した。木村の死を悼まず、まず武器を漁ろうとしたあさましい自分を。

数秒手を合わせ、黙祷したあと魚谷は当初の目的通り、山頂を目指すことにした。
木村の側に落ちているナップザックは潰れており、めぼしいものは根こそぎ奪われていることは
明らかだったからだ。
今更何もできない。木村が生き返るわけでもない。

どこからか視線を感じた気がした。何度も振り返るが誰も見あたらない。
あえて気にしないことにして魚谷は山頂へなおも向かった。
474469:02/01/09 15:15
ごめんなさい。うっかりageちゃいました。
475ユーは名無しネ:02/01/09 17:21
行きます。
武藤で2つ。
縦3横6・・・。
高黒に教えられたエリアを目指して武藤は歩いていた。
ともすればなるべく早く行きたいという思いから、走り出したい衝動に駆られるがそうすると注意力が散漫になる。
襲われるのは冗談じゃない。
さっき高黒と別れてから自分のナップザックを確認した。
内海と大石が選んだという武器。
当たり外れがあると聞いたときは、普段からくじ運の悪い自分を知っているので思わずため息が出た。
しかしそこにあったのは黒光りする大きな銃。
内海メモには『当たり!ワルサーP38!ルパンと一緒だよ〜格好いいね!探せば五右衛門や次元もいるかもね?』と書いてあった。
その横にはVサインをした赤いスーツの男の絵が描いてある。
ルパンのつもりか?ヘタクソめ!
思わずメモを握りつぶしたが、そのまま捨てるのはどうも無用心な気がしてポケットに押し込んだ。
当たり?冗談や無い、外れだ。大きく外れだ。
人を殺すための銃なんていらない。
欲しかったのは、何か脱出に役立つかもしくは身を守るためのもの。
こんなもんいらん。そう思い、ナップザックに押し込んだ。
けど・・・人に襲われたら。
俺はこの銃をそいつに向けてまうかもしれん。
撃ってまうかもしれん。
だから、誰かの襲撃を受けるなんて冗談ではなかった。
辺りを睨みつつ、時々方角を確かめながら武藤は歩きつづけた。
もうエリア内のはずやな・・・。
この島自体そう広くはなさそうだし、エリアに区切るとなお狭い。
しかしその中で人を探すとなると大変だ。
足を緩めていっそう辺りに気を配りながら歩きつづけた。
南国特有の茂み。
大きな葉。
人ひとりひっそりと隠れていたら見つからないかもしれない。
あいつが俺を見つけて出てきてくれたらええねんけど・・・。
信用・・・してくれるやろか?
してもらえる自信はある。けれどこの状況下。
治樹がどういう対応に出てもいいように、心構えだけはしておこう。
もし、なんて想像したくも無いけど・・・。
きゅ、と下唇をかんだとき、前方に見付けた。
木の根元に、人影・・・倒れている。
まさか。
心臓がどきんと音を立てた。
転がるナップザック。手を入れすぎて痛んだ髪の毛。バスの中で確かに見た服。
それを汚している赤い、赤い・・・。
一歩一歩足を進めるにつれ明らかになる風景。
全身が心臓になったかのように脈打つ。
そんなあほな。そんな事態は覚悟してへん。
心構えなんて・・・できてる訳無い。
駆け寄る。
本人にはちょっとしたコンプレックスだったらしい、いつかちょっとからかったことのある浅黒い肌が。
血の気が抜けて白く白く・・・。
「治樹!!」
何で?何で?何で?何で?・・・・・
武藤は冷たくなってしまった大堀の身体を抱き上げて、いつまでも答えの出ない問いを繰り返した。
478ユーは名無しネ:02/01/09 18:45
また続きが気になるところで…
>470のタイトルが前の投稿と微妙に繋がってておっと思いました。
五右衛門は斬鉄剣=福原? 次元の武器…何でしたっけ(w

125までの集計を載せます。2つ連投になります。
479ストーリー集計:02/01/09 18:46
>>151 ストーリー集計1(1〜25)
>>367 ストーリー集計2(26〜50)
>>368 ストーリー集計3(51〜75)

ストーリー集計4
>>350 76@ハズレ?
>>352 77@静かに淡々と
>>354 78@銘は村正
>>355 79@行き違い
>>358 80@キャッチリュック
>>359 81@悲しい笑顔
>>361 82@泣き落とし?
>>362 83@泣き虫ヒナ
>>364 84@探知機
>>366 85@悩めるパイナップル
>>372 86@おむすび
>>373 87@ヘタレ役者
>>377 88@きっと慣れる…
>>379 89@参戦=開始
>>381 90@中央管制室
>>382 91@何に賭けた?
>>383 92@J氏
>>384 93@J氏の予言
>>387 94@1日目昼の放送
>>391 95@覚悟
>>395 96@待ち人
>>396 97@バンダナ
>>397 98@思い出話
>>398 99@守れなかった約束
>>399 100@長身の悪魔
480ストーリー集計:02/01/09 18:47
ストーリー集計5
>>403 101@当たっとんのに
>>404 102@もっと弾を…
>>406 103@チョッキ様様
>>408 104@たぶんラッキー
>>411 105@無気力
>>412 106@鍋奉行
>>413 107@アイディアマン奉行
>>415 108@家捜し
>>416 109@先輩
>>418 110@取らぬ狸の
>>419 111@首輪封じ
>>420 112@スタンガン
>>422 113@緑のかまくら
>>423 114@このヘタレ!
>>424 115@亮のカード
>>425 116@ピカイチ
>>426 117@ライフルピカイチ
>>428 118@危機
>>429 119@分かれ道
>>449 120@遭遇者
>>450 121@本当の笑顔
>>451 122@小さな決意
>>461 123@大損だぁ〜
>>462 124@ハイペース
>>464 125@トレース

かなりハイペースですね。木村…
>477までのストーリーで残り人数は37人です。
次に死なす人は気をつけて下さい。ウエッサ〜イ!
481ユーは名無しネ:02/01/09 18:56
>478
>五右衛門は斬鉄剣=福原? 次元の武器…何でしたっけ(w

次元大介の愛銃はオンラインで検索したところ
「S&W M19 (銃身)4インチ」です。リボルバー(回転式)拳銃なので総弾数は6発。
9mmオートマであるワルサーを内の拳銃にすればぴったしだったんですけど…(w
とりあえず、次元の銃はお楽しみですね。
読み直して参考までに自作資料にしておきました。
行がずれたらごめんなさい。
上が進行方向左右で2列並び合わせて4列のつもりで作ってます。
仲良し(因縁)関係を考察できるかも
読み違いや代案とかありましたら、ご指摘お願いします(左右は入れ替わったりするかも)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     (運転席)
横山/村上 呉村/清水
大西/粟嶋 土山/松尾
福原/高黒 松尾/女寺
武藤/大堀 大倉/永田
牧山/塩田 今川/魚谷
後藤/中嶋 北山/田中(純)
小川/木村 高杉/野中
丸山/安田 水野/田中(大)
----/---- ----/----
渋谷/---- ----/----
----/---- ----/----
----/---- ----/(最後列)
>482
よく見たら松尾が二人いました(w
と言うわけで自主訂正。
−−−−−−−−−−−−−
      (運転席)
横山/村上 呉村/清水
大西/粟嶋 土山/松尾
福原/高黒 大堂/女寺
武藤/大堀 大倉/永田
牧山/塩田 今川/魚谷
後藤/中嶋 北山/田中(純)
小川/木村 高杉/野中
丸山/安田 水野/田中(大)
----/---- ----/----
渋谷/---- ----/----
----/---- ----/----
----/---- ----/(最後列)
>483
読み直して参考までに自作資料にしておきました。
(2号車は7名で貸し切り状態です。℃は浜中や落合と随分離れてるな…)
行がずれたらごめんなさい。
上が進行方向左右で2列並び合わせて4列のつもりで作ってます。
仲良し(因縁)関係を考察できるかも
読み違いや代案とかありましたら、ご指摘お願いします(左右は入れ替わったりするかも)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      (運転席)
----/---- ----/---- 
----/---- 梅阪/三宅
浜中/落合 伊藤/菊岡
-内-/今山 ----/----
----/---- ----/----
----/---- ----/----
----/---- ----/----
----/---- ----/----
錦戸/---- ----/(最後列)
485469(472):02/01/09 19:33
479-480の集計人さまお疲れさまでした。
482-484のバス席も参考に。粟嶋は粟島の方がよかったかも

>477までのストーリーで残り人数は37人です。
ご指摘の通りです。(汗

472 :関西リレー129@ツルハシ :02/01/09 15:08の該当箇所を訂正します。
誤)【エントリーNo.16 木村廣太郎 死亡(享年19歳00ヶ月) 残り38人】
正)【エントリーNo.16 木村廣太郎 死亡(享年19歳00ヶ月) 残り37人】
486476:02/01/10 10:29
>9mmオートマであるワルサーを内の拳銃にすればぴったしだったんですけど…(w
申し訳無い。歌のイメージだけで書いておりました。
ちゃんとした下調べは必要ですね、やっぱり。ああ。

そろそろ武器集計などしていただけるとうれしいかも・・・(他力)
487476:02/01/10 10:44
ついでに「五右衛門」ではなく「五エ門」でした。
お詫びして訂正します。
488ユーは名無しネ:02/01/10 17:03
武器集計既にしております
死亡者の分等不明瞭な点が多いのですが<武器
今夜載せて良いでしょうか?
489ユーは名無しネ:02/01/10 17:27
>488
ありがとうございます。
わかってる分だけでいいのでお願いします。
490ユーは名無しネ:02/01/10 22:30
>488 よろしくです。タイヘンなことだなーと思いながら他人任せでスマソ。
491ユーは名無しネ:02/01/11 00:18
時間はあやふやなんですが、管制室で1つ行きます。
sageは半角でお願いします。>490
トイレにまで護衛がつくのはちょっと、ねぇ……。
『外』ではトイレどころの話じゃないんだろうけど。

休憩から管制室に戻って来た大石は、妙に浮き足立った空気に気付いた。
「どうしたんですかぁ?」
熱心にモニタを眺めている内海に尋ねると
「また1人、やってくれちゃったよ。
 ほんっとやる気まんまんだよね、今回は」
「え、誰ですか!?」
焦る大石に、内海は肩を竦めてみせた。
「死んだのは16番の木村。賭けてる人少なかったけどね〜。
 問題はコイツだよ」
内海は赤く変化した16番から離れて行く緑色の数字を指した。
「へぇ…そっかぁ。頑張ってますね〜。
 そう言えば、各自の武器とかどの程度把握できてます?」
後半は迷彩服の男の一人に向けての質問だ。
「盗聴できた範囲では、こんなところです」
男は素早く机の上を掻き回し、大石にレポート用紙大のメモを渡した。
字が汚いなぁ、と思いながら大石は5番と35番の武器を確認した。
残念なことに、彼らの武器は判明していないようだ。
たとえ支給された武器が使い物にならなくても、他人から奪うほどの
気骨があるなら、生存の確率は高くなる。

なるようになるかな、せめてどっちか生き残ってくれないと。
(「*」=廃棄ないし奪われた。「?」=現時点で不明)
01:粟島瑞丸 特殊警棒(60cm)ジャックナイフ(刃渡り15cm)
02:伊藤政氏 ナイフ(大きさ・外見は果物ナイフ様)
03:今川晴司 ?
04:今山透  中華鍋・ゴマ油1リットル・鉈(刃渡り30cm・錆・刃こぼれ)マッチ棒20本ほど
05:魚谷輝明 ツルハシ
06:内博貴  拳銃(9mm口径・残弾10発・オートマ?)・拳銃の取り扱い説明書
07:梅阪剛司 火炎放射器(ガソリン1リットル・1回試用済み・使用範囲は約2m、1時間程度)
08:大倉忠義 金属バット・蝋燭3本
09:大堂祐史 ?
10:大西由郎 *
11:大堀治樹 毒物(『potassium cyanide』=シアン化カリウム)?
12:小川修平 ?
13:落合兄丞 ?
14:菊岡正展 ?
15:北山純一 ?
16:木村廣太郎 金槌
17:呉村哲弘 9mm口径弾の10発入りカートリッジ24個(240発)・拳銃の取り扱い説明書
18:後藤大祐
19:塩田修  鎌
20:渋谷すばる 大口径のライフル銃

11:大堀が「?」表記なのは奪われたかどうか明確でないため。
13:落合についても同様。
21:清水大輔 ?
22:高黒徹  防弾チョッキ
23:高杉政治郎 ?
24:武藤雅博 ワルサーP38
25:田中純弥 手榴弾9発
26:田中大樹 ?
27:土山俊樹 ?
28:中嶋慶介 ?
29:永田剛司 *
30:錦戸亮  スタンガン
31:女寺豊  ?
32:野中和久 探知機
33:浜中文一 ボウガン
34:福原一哉 日本刀「村正」(刃渡り80cm)
35:牧山雄亮 導火線(長さ不明)付きダイナマイト7本・100円ライター1つ
36:松尾祐樹 ?
37:丸山隆平 ?
38:水野清仁 鉄アレイ(ダンベル)
39:三宅将馬 ?
40:村上信五 ?
41:安田章大 ?
42:横山裕  ショットガン(散弾銃)
495ユーは名無しネ:02/01/11 15:58
職人さんご苦労様です。
晴司の話もみたいなぁ・・。
496ユーは名無しネ:02/01/11 17:38
土山とか松尾とかも・・・。
497ユーは名無しネ:02/01/11 19:44
丸ちゃんとやっさんの出番も…。
498ユーは名無しネ:02/01/12 19:14
女寺くんのも見たいなー・・・
499オール巨人:02/01/13 03:29
これからみなさんに殺し合いをしてもらいます。
500ユーは名無しネ:02/01/13 05:53
登場Jrのリクエストをされる方へ。
関連づけたいエピソード、言及してもらいたいエピソード
なんかも併記してもらえると助かります。
さもないとただ「死んでもらいます」(藁
501ユーは名無しネ:02/01/13 05:57
>76 :関西リレー16@憂鬱な人々 :01/12/08 00:27
(略)
>「ノナ」という声に、渋谷の肩が一瞬、ビクっと動いたように大倉には見えた。
>(色々大変やねんな、きっと。)
>大倉は、自分の中で自己解決し、再び椅子に深く腰掛けた。

このバスでのエピソードは伏線か暗示のようですが、渋谷すばると野中和久の間には
過去どんな因縁があったのでしょうか?(単純にすばるとノナが仲がよかっただけ?)
それが判るとこのあたりも絡められそうなんですが…
丸ちゃんのあひる筋自慢とか書いてホスィ…( ゚д゚)
崖でリポビタンデーみたいになる
丸ちゃんとやっさんとか…コメディか…
503ユーは名無しネ:02/01/14 01:49
 
504ユーは名無しネ:02/01/14 07:14
あのageないで。今準備すすめている最中だから。
ある程度sageられてない怖くて書き込めない。
505ユーは名無しネ:02/01/14 08:02
>502
>丸ちゃんのあひる筋自慢
…スマソ。意味判らんです。あひる筋…?
リポビタンデーと崖は判るんだが…
506ユーは名無しネ:02/01/14 09:39
>505
あひる筋とは上腕筋のことだよ。
腕を曲げた時できる力こぶがあひるの形に似てるからって
マルが命名したの。
507ユーは名無しネ:02/01/14 09:49
>506
ご教示サンクス。
508ユーは名無しネ:02/01/14 12:33
頑張ってサゲー( ゚д゚)
509ユーは名無しネ:02/01/14 19:27
誰か、大倉君と、田中大樹君の話書いてください
510ユーは名無しネ:02/01/14 19:42
>509
君のおかげでまた書き込みが遅れるんだよ(怒)。
このスレに書き込むときはメール欄に英数小文字でsageって入れてね。
511ユーは名無しネ:02/01/15 01:04
なかやま 筋に君も仲間に入れてyo !
512ユーは名無しネ:02/01/15 01:28
>509
大倉と大樹が一緒だったのって無邪気な感じの頃しか思い浮かばないから
どうなるのかは興味がわく
513ユーは名無しネ:02/01/15 12:18
続きが気になるので、sage
514ユーは名無しネ:02/01/15 23:54
丸山隆平(37)で行きます。2−3回予定。田中大樹(26)も登場。
あひる筋とやっさんは今回見送り。次の楽しみに。
「まだ誰も来んのか?」
ブーメランを揺らしながら丸山隆平(37番)は、また尋ねた。
「さっき訊いたばかりやろ。…まだ見えんな。何せ向こうさんの都合やし」
 双眼鏡を構え森を見つめる田中大樹(26番)は目を離さず淡々と答える。
ここはC-10エリアの岬にある象牙色の灯台の上である。
螺旋状の階段を上っててすり付きの最上階まで登った。階数にしたら5階建て程度には匹敵するだろう。

 しばらく前に偶然出くわした丸山と田中大樹は行動を共にし、
特に示し合わせた訳でもなく流れ流れて島の反対側にあるこの灯台までやって来たのだった。
 今は無人島らしきこの島には大して目立つ建造物があるとは思えない。
 丸山たちがそうであったように他に何か目標がないJrたちは
割と目に付くこの灯台に集まってくるだろうと彼らは考えたのだ。
そこで合流すれば、何とかなるかもしれない。ならなくとも少しは心細さは減少する。
今の自分たちのように…

丸山は森はずれの岩場で田中大樹と遭ったときのことを思い返した。
(もし俺らの武器がブーメランや双眼鏡やのうて、もっと危ないもっと強力な殺しの武器だったら…
俺たちはこうして今みたいに一緒におったんかな?)
 その瞬間に躊躇無く殺し合いにならなかったと言えるのか?
(俺らが殺し合いせえへんかったのは武器の回りがたまたま殺しの武器やなかったからなんか?
だとしたら俺らが…いや少なくても俺が救われたのは『哀しい偶然』なんやな)
>>515
丸山は堅く握りしめた冷たい木製のブーメランから田中大樹の方へ目を移した。
田中は丸山の悩み揺れる心を知ってか知らずか森を双眼鏡で監視していた。静かだった。
疲れていたのか。内心苛立っているのかそれは丸山には判らない。
(こいつはどう思ってるんやろ?)
聞けない。恐ろしくて…いや悲しくて…

「やっさん、どうしとるかな」
安田章大(41番)にはどんな武器が回ったのだろうか。殺しの武器だろうか。
また生きて再会できたとして、丸山に武器を向けてくるだろうか。
「うん。どうやろな」
田中はその問いに感情を込めずに答える。

「まだ誰も来ンのか?」
丸山はまた尋ねた。
「さっき訊いたばかりやろ…」
嘆息した田中はそれでも双眼鏡から目を離さず背を向けたまま丸山に答える。
「見つけたらこっちから教えるわ。少し休んどけ。しばらくしたら交替やで」
その田中の声音にかすかな優しさを見いだし、丸山は目に涙が溜まりそうになった。
(俺は…情けないやっちゃな)
>516
 しかし誰か本当にこの灯台に来るのだろうか?
 ひょっとしてこの世に残されたのはこの静かな島の灯台の上に座る丸山隆平と田中大樹、
二人きりなのではないだろうか?

(…もしかしたらお出ましになるのは仰山武器を抱えたやる気まんまんの奴かもしれん。
そしたら見つからんように隠れるんやったな)

 本当に隠れるのか? もしかしたら武器持ってるだけで実はおとなしい奴かもしれない。
自分のように心細く泣きそうになっている奴かもしれない。
やる気があっても話をしたら判ってくれるかもしれない。

(判る? 何をや? 俺らを殺さないかどうかか?
えげつない武器持っとったら俺かてやる気になっとるかもしれへん。
なのにお前は根拠もないそんな思いこみに命を賭けられるんか? 丸山隆平)

自分だけでなく田中の命まで危険にさらして…

 友・旧友との再会。
このゲームの中ではそれさえも『悲しい偶然』に支配されているのか。
518ユーは名無しネ:02/01/16 00:32
丸山&大樹篇、嬉しいです。職人さん、ありがとう。
519ユーは名無しネ:02/01/16 02:09
小川で3つほど行きます。
時間遡りますが・・あっさり逝ってしまった木村が淋しかったので・・。
>473
「はぁっ・・はぁ・・」
走って走って走り続けて、限界に来た足がもつれて、
小川修平はそのまま地面に転がった。
木々の向こうから水音が聞こえて来る。
立ち上がろうと土を掴んだその手は血で汚れていた。

時間を遡ること1時間と少し。
シアターを出た小川はまっすぐ太陽に向かって歩いていた。
それに意味はなく、ただこんなふざけた事態を深く考えたくなかっただけだった。
道がなくなり山にさしかかった頃、後ろからいきなり声をかけられた。
「修平」
「キム・・」
驚いて振り向くと、そこには息を切らした木村廣太郎が立っていた。
たぶんずっと走って来たのだろう。
自分がゆっくりと歩いている間に出発時間の差を埋められてしまった。
だがそれよりも、まるで追いかけて来た・・そんな気がして、
「なんで?」
思わず呟いた小川の疑問に対する答えは笑えるものだった。
「なんとなくまっすぐ走って来たら会えた」
単純で短気で変なところだけ真面目で細かくて、でも素直で優しくて・・
あぁずっと一緒におったよなぁ・・。
ふと小川は3年前に戻ったような錯覚を覚えた。
しばらくの沈黙の後、
「ちょお、疲れたわ・・座らへん?」
木村が言うのに小川も頷いて、ふたりは土から大きく露出した根に腰を下ろした。
今自分たちがしなければならないこと・・
『殺し合い』なんてものは頭からなくなっていた。
>520
「謝りたかってん」
ポツリと木村はそう言った。小川は黙って聞いている。
「3年間ずっと逃げとってごめん」
木村はそっと頭を下げた。
3年前。事務所を辞めた頃。
全てを遮断して何も思い出したくなくて誰とも会わなかった。
電話にさえ出なかった。
それからすぐに思い直して連絡しようと思ったのだけれど、
なんとなく電話も出来ずにずるずる来てしまった。
だから今回「同窓会」という話を聞いてやっと会えると、
ちゃんと謝れると思ってやって来た。
「バスの中ではなんか言われへんくて・・もたもたしとったら
 こんなことになってもうて・・」
でも会えて良かったと笑う顔が以前と全く変わらないように思えて、
小川もついつられて笑顔を返した。
「えぇよ、もう」
「・・徹くんたちにも謝らな・・」
「そうやな」
会える確率はものすごく低いのだろうけれど、自分たちが出会えたように
そんな偶然がもうないとは限らない。
そう思って立ちあがろうとした時。

「そんな友情ゴッコなんかやっとったら死んでまうで?」

自分の腹から飛び出た鋭い切っ先を木村は呆然と見つめていた。
それが何かを理解する前に激しい痛みが体を貫いた。
「うあぁぁぁっ」
「キム!?」
支えようと伸ばした小川の手は吹き出した血に赤く染まった。
>521
「何すんねん?!」
小川がパニックを起こした頭をどうすることもできず振り向いた先には、
血に濡れた槍を手にした清水大輔が立っていた。
「修平・・逃げ・・」
木村が必死に小川の体を突き飛ばす。
「けど・・」
「・・徹くんたちに・・ごめんて言うといて」
まるで逃げる口実を与えるかのように木村が言う。
躊躇う小川に清水が一歩づつ近付く。
木村は自分のナップザックを探って配給された武器である金槌を取り出した。
よろめきながら殴りつけた金槌は清水の肩に当たった。
致命傷を与えられるはずもなかったが足を止めるには充分だった。
「はよ・・逃げぇや・・」
木村をここに残して行ったら後で絶対後悔する。
そう思ったけれど、立ち尽くす自分を見る木村の顔があまりにも悲しそうで。
苛立ったように清水が自分に背を向けた時、小川はその場を逃げ出した。
走り出す瞬間、木村が安心した顔で笑ったような気がした。

そのまま何も考えずに走り続けてここまで来た。
小川は立ち上がろうとして叶わず、ずるりとそのまま土の上に倒れ込んだ。
今になってやっと『殺し合い』という言葉が実感を持って襲って来ていた。
自分は今、無条件に信じられる唯一の相手を失ったのだ。と、思う。
小川は土に額を擦りつけたまま声を殺して泣き続けた。
523ユーは名無しネ:02/01/17 21:01
女寺豊(31)でいきます。2回の予定ですが…4回になるかも。
「おっ大分、様になってきたやんか!」
 女寺豊(31番)は特訓の成果を自画自賛した。
 少し離れた巨木の幹には女寺が投げた棒手裏剣が5本ほぼ上下一列に突き立っている。

(少しジグザグに曲がっとるが、ちょっと前までは1本も刺さらなかったんや。
その時からすれば、割と上達するの早いな。俺。
やっぱ、人間になると何でもできるようになるんやな…)
 女寺はクスリと笑った。

 女寺豊の武器は手裏剣セット20本。
 内訳は棒手裏剣5本と十字手裏剣5つ、卍手裏剣5つ、それに日輪手裏剣5つだった。
 内海メモによると「手裏剣は投げつけるだけとは限らない。握って殴ってもよし斬りつけてもよし」

(でもまあ、手裏剣て言えば、やっぱ投げて当てるもんやろ?)
それはこの極限状況における女寺のこだわりというか美学だった。
いや内海に対する単なる反発だったのかもしれない。

(何でこんなことになったんやろなぁ…)
女寺はその日、何度目かの溜息をついた。
女寺豊は京都は祇園でホストをしている。自分の稼業を卑下するつもりはない。
辞めたジャニーズJrがホストに転身するのはそう珍しいことではないのだ。
 女寺は今回の「同窓会」で懐かしい顔ぶれに再会すると同時に
芸能界の空気からいくつか酒の肴の話のタネを仕入れるつもりで顔を出したのだ。
(それにしてもジャニーめ、えげつないことしよるなあ。相変わらず…)
 KYO TO KYO 1998のとき女寺は名前の読みを「にょうじ」から「みょうじ」に変えられたことすらあった。
牧山雄亮(35番)の代役として『MAIKO&お国』の《M》にあてはめるためである。
 それでも《&》は《S》と読んで塩田修(19番)…よりはましなのだが。
ジャニーズ事務所の強引なところはあのときと全く変わっていない。
>524
 ふと腰を下ろし、女寺は足下に転がしてあるガラスの薬瓶を拾い上げた。
黒いドクロマークが印刷された紙が横に巻かれ、黒い粘り気がある液体が中に詰まっている。
 内海メモによれば「効果はヒミツ♪」とのことだった。
(ただの傷薬…なわけないやん! これ手裏剣に塗ったらシャレにならんやろな…)
女寺は結局、手裏剣に《それ》を塗っていない。

(別にホンマに毒塗っとく必要はないんや。
ちょこっと湿らせといて「毒が塗られとる」とテキに思わせとけばいくらか脅しになるやろ)
 何としても生き残る。生き残って必ず帰る。自分と家族とお客のためにも。
しかしだからといってそのために積極的に“獲物”を探しだし殺し尽くす決断を女寺はまだ下せなかった。
(思い切りやる気の奴が襲ってきてくれたら、こっちも踏ん切りがつくんやけどな)
今、自分が投げ手裏剣の特訓をしているのはあくまで護身のため。
相手を殺すためではない。自分の身は自分で守る。当然のことだ。
 だが明日はどうだろう? 明後日は? そして3日後は?
…それでも自分は手裏剣に毒を塗らずにいられるのか?
(何やジブン 決断を先延ばしにしてるだけやんか…)
薬瓶を手慰みながら女寺は自嘲した。
(めっちゃかっこ悪いな…)
しかしそんな自分に安堵したりもする、
自分はまだ人間だ。まだただの人間なのだ。

「さあて練習。練習や!」
 女寺は立ち上がり、幹に刺さった棒手裏剣を回収する。
(今度はこっちの卍の奴でやってみるかな…。なんかカーブもできそうな気がしてきたで。
あは、すっかり忍者やな。俺)
526524:02/01/17 21:12
タイトル ミスりました。ごめんなさい。

誤)関西リレー140@即席忍者失
正)関西リレー140@即席忍者
527ユーは名無しネ:02/01/17 23:07
人間になるとって…女寺の正体は何だ?!
これから人間じゃなく(基地外?)になるかもしれんということでは?>527
リクエストに応えてくれようとしている律儀な職人さんが好きだ。
529524:02/01/18 05:30
>527
>人間になるとって…女寺の正体は何だ?!

あっごめんなさい。校正ミスです。一語抜けてた…。

524 :関西リレー140@即席忍者 :02/01/17 21:06

誤)やっぱ、人間になると何でもできるようになるんやな…)
正)やっぱ、人間、必死になると何でもできるようになるんやな…)

…ということでご勘弁下さい。
530524:02/01/18 05:31
さらに動揺してageてしまいました。すいません。(恥ずかしい…)
sage進行に協力を。
531ユーは名無しネ:02/01/18 20:05
島内放送はいつするのでしょうか・・・?
532ユーは名無しネ:02/01/18 20:57
>531
一日目、夕方の18:00に第2回の放送が入ります。
ただその前に14:00、16:00の禁止エリア関連でちょっと書き込みたいことがあるのでもう少しお待ちを。
14:00までにやっておかなければならないことがいろいろとあるので(笑)
533ユーは名無しネ:02/01/18 21:01
横山裕(40)で3回行きます。土山俊樹(27)と松尾祐樹(36)も…
「ヨコ! ようも一服盛ってくれたな! ワレ!」
脇の茂みの中から横山裕(42番)の前に躍り出てきたのは、リボルバー拳銃を構えた土山俊樹(27番)と
メリケンサックをはめた両手でファイティングポーズを取った松尾祐樹(36番)だった。
このゲームについて何か知っていることを聞き出すため、
横山と村上信五(40番)を捕捉する。それが1号バスの乗客の何人かが確実に考えたことだった。
 横山の視線はあくまで冷ややかだった。
 土山への答えは腰ダメに構えたショットガンのトリガーを弾くことだった。
 2連32発の散弾が弾け飛び、前方半径10mの半円をくまなく覆った。
 2人の人間だったものが声もなく倒れ伏した。
 地を赤く染めて転がるそれはもはや服の切れ端をまとった血の塊でしかなかった。

【エントリーNo.27 土山俊樹 死亡(享年22歳09ヶ月)
 エントリーNo.36 松尾祐樹 死亡(享年22歳09ヶ月) 残り35人】
>>534
(何も言わんとさっさとぶっ放すべきやったんや。これはサバイバルなんやで)
土山の手にまだ握られているリボルバーの拳銃--S&W M-19--を見つめ横山は思った。
それがアニメ『ルパンIII世』に出てくる次元大介の愛銃であることまでは横山も知らない。

不意に横山は土山たちが飛び出てきた茂みの奥からかすかに嗚咽が聞こえるのを耳にした。
(まだ、おった…)
土山たちを貫通した散弾が茂みに潜んでいた何者かに重傷を負わせていたのだ。
刹那、横山はショットガンの銃身を前に折り倒すと腰ポケットから無造作に取り出した1連16発の弾2つを

左右2連装の弾倉に装弾する。その間0.5秒。
センターを出てから歩きながら取説を熟読し、イメージトレーニングを含め何度も反復練習したのだ。
ほとんど反射と化したその動きにはタイムロスはない。

 茂みまで早足に歩き出すと横殴りに連射した。
軽い爆発音が響き、緑の草木が爆ぜる。
とっさに横山は伏せた。右手で銃を引き寄せ。左手で頭をかばう。
 数秒の時が流れた。
硝煙の臭いが立ちこめるなか、立ち上がった横山はおそるおそる茂みに入る。
そこには長さ1mほどの鉄鎖を両手に握りしめた血まみれの死体が転がっていた。
首が見あたらない。
(弾が何発か首輪に当たったんやな)

さっきの押し殺した声には聞き覚えがあった気もした…
しかし横山のビスクドールのような白い顔は変化することはなかった。
いつもと違うところがあるとすれば眉間にわずかだが深い皺が刻まれていたことぐらいだった。

【エントリーNo.09 大堂祐史 死亡(享年17歳11ヶ月) 残り34人】
>535
横山は続けざまの殺戮に夢うつつになっていた。こうも簡単に日常を飛び越えてしまうとは…
まるで現実感がない。しかし硝煙の香りに朦朧としてはいられない。

(俺はこないなとこで殺されるわけにはいかんのや。亮ちゃんが今更、何を考えとんのか知らんけど、
会って話ぐらいは聞かんとな。A-07まで行けば…)

土山の冷たくなった手からリボルバーをむしり取って、ナップザックに放り込む。
--予備の弾もあるはずや。
ナップザックをひっくり返し、土山のパンツの中まで探る。
6発ずつ2セット。12発の予備の弾丸を入手した。
メリケンサックと鎖はそのままにしておく。持っていく余裕がない。

横山は再びA-07へ向かって歩き始めた。
537ユーは名無しネ:02/01/18 21:14
野中和久(32)で一ついきます。
「やった…やってもうたな…」
首輪探知機を凝視する野中和久(32番)は思わず呻いた。
探知機を掴む手の平が汗ばむ。
【42】に近づいた【27】【36】【09】の緑の数字が瞬く間に赤に変わった。
 意味することはただ一つ。横山裕(42番)は《やる気まんまん》ということだ。
しかも3人をほぼ同時に瞬殺出来るほどの強力な武器を装備して。
(…案の定ってとこやな。内海め。恵め。因業ジャニーめ。やっぱこりゃフェアな勝負やないで)
 遠目に見える豆粒のような横山は大きめの飛び道具を持っているという以外判らない。
発砲音から機関銃の類ではないようだ。銃器の知識には当然疎い野中に判るのはそれぐらいだった。
(せめて双眼鏡でもあったらな…)
それより一番心配なのは田中純弥(25番)や北山純一(15番)が横山に不用意に近づくことだ。
(純弥、純一、気をつけや。これは思った以上に難儀なことになりそうや)
539ユーは名無しネ:02/01/18 21:17
村上信五(40)で1つだけ行かせていただきます。
「!?」
 身を隠しながら先を急ぐ村上信五(40番)は、かすかに耳にした続けざまの銃声に振り返った。
 村上の5分後には『翔べ翔べ!女たち!!』で共演もした安田章大(41番)が、
10分後にはA-07で落ち合うはずの横山裕(42番)がそれぞれセンターを出発しているはずだ。
 このどちらかが発砲したかそれとも撃たれたか…
(ヨコ…無事なんやろか…)
 別に後ろから聞こえたからといって横山が関係しているとは限らない。村上は自分にそう言い聞かせる。
(戻ったかて、俺に何ができるんや?)
首輪の喉に巻いたタオルで汗ばむ手をぬぐい、村上は目をつぶった。
 そもそも村上の武器は銃器ではない。正面から銃器に敵う術はなかった。
(今、俺にできることは、A-07でみんなと合流することや。ヨコのことは…信じるしかない)
 村上はどうしてもA-07に行き着かなければならない。
 渋谷すばる(20番)、錦戸亮(30番)、横山裕とは必ずそこで落ち合える。
どうしても会わなくてはならないのだ。確実に。
541ユーは名無しネ:02/01/18 21:43
>493 :所持武器一覧(前編) :02/01/11 00:24
>11:大堀治樹 毒物(『potassium cyanide』=シアン化カリウム)?

|「potassium cyanide 【化】 シアン化カリウム,青酸カリ.」 
…ですから、そのものズバリ。《青酸カリ》ですね。
ttp://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=potassium&search=%B8%A1%A1%A1%BA%F7&sw=0

|◆ 青酸カリ ◆
|シアン化カリウムの別称。猛毒がある白色の結晶。金属精錬やメッキ、殺虫剤などに使われる。
|毒劇物取締法の毒物に指定されており、成人の体内に入った場合の致死量は約0・15〜0・2グラムとされる。
www.mainichi.co.jp/news/kotoba/sa/20010219_05.html
542ユーは名無しネ:02/01/18 21:50
>493 :所持武器一覧(前編) :02/01/11 00:24
>11:大堀治樹 毒物(『potassium cyanide』=シアン化カリウム)?

|「potassium cyanide 【化】 シアン化カリウム,青酸カリ.」 
…ですから、そのものズバリ。《青酸カリ》ですね。
ttp://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=potassium&search=%B8%A1%A1%A1%BA%F7&sw=0

|◆ 青酸カリ ◆
|シアン化カリウムの別称。猛毒がある白色の結晶。金属精錬やメッキ、殺虫剤などに使われる。
|毒劇物取締法の毒物に指定されており、成人の体内に入った場合の致死量は約0・15〜0・2グラムとされる。
www.mainichi.co.jp/news/kotoba/sa/20010219_05.html
543ユーは名無しネ:02/01/18 23:21
おお、今日はいっぱい氏んだなぁ〜。
放送で名前いっぱい呼べるねー?(ちなみに放送係ではない)
544ユーは名無しネ:02/01/19 00:00
>543
まだ「今日」は終わっていないよ。
まだ14:00「前」(藁
…って現実時間の今日ってことね。
545ユーは名無しネ:02/01/19 00:20
リレー時間の「今」が12:00〜14:00の間ってことで良いんだよね?>544
私は逆に放送までまだまだあるのに、死にすぎと思った。
放送時間を聞いてた人は、職人さんのペースを気にしてるのかな。
546ユーは名無しネ:02/01/19 02:43
土山と松尾はそんなときでも一緒に逝くのね・・・はあ、なんか萌え。
547ユーは名無しネ:02/01/19 05:15
>546
sage進行に協力を。
548ユーは名無しネ:02/01/19 10:13
素朴な疑問
レーダーって誰が誰ってことまでわかるんだっけ?
549ユーは名無しネ:02/01/19 10:28
>548
「ここ」ではそういう設定。読み返して見れ。数字でとりあえず表示されている。
アイウエオ順や名簿はとっさに全部暗記できるか疑問だが、少なくとも横山が42番ということは判るだろう。
550ユーは名無しネ:02/01/19 10:31
>548
レーダーじゃないよ。首輪探知機だって。首輪から何か信号出てるんだよね(そういう設定)。
だから屋内とかのも筒抜けで判る。
551ユーは名無しネ:02/01/19 17:59
>548-550
首輪探知機のオプションで名簿があるという設定かな?
そうじゃなきゃ>464の辻褄が合わなくなるよー

便乗で>418の地形説明を書いていた職人さんに質問
禁止エリアが地下トンネルにかぶった場合
トンネルの中で首輪は爆発しちゃいます?
552ユーは名無しネ:02/01/19 18:57
>551
ごめんなさい。>464のどこが辻褄合わなくなるか読みとれなかったんだけど。
ちょっと補足してもらえますか?
553551:02/01/19 19:10
>464で野中が番号が動くのだけを見て
村上・横山の動きを把握していた
名簿がないとわからないはずの
村上=40番を断定してるぽかった
動きを見て40番を村上と思ったのかもしれないけど
考えすぎかな
554ユーは名無しネ:02/01/19 19:27
>553
 会場で待ってる間にJrの名前確認したんじゃないの? 野中。
事前にあいうえお順とも言われていたし。確認する時間は十分あったと思われ。
(確かに自分が辞めたあと入ったJrの名前はさすがに無理そうだけど)
それで納得できないなら名簿機能がついていても別に問題ないと思われ。
 後の書き込みで誰か職人さんが「名簿機能ついている」と本文中に書き込めばいいだけだし。
別に既存の設定と矛盾はしないわな。
555418の職人:02/01/19 20:01
>551さん
|禁止エリアが地下トンネルにかぶった場合
|トンネルの中で首輪は爆発しちゃいます?

当然爆発するはずです。地下トンネルが禁止エリアから除外されるなら
錦戸はA-07じゃなくて地下トンネルを集合場所に選んだはず。
 錦戸たち4人衆(?)は、そのことは当然、認識しているはずなので、
禁止エリアにかかった地下トンネルは使わないでしょう。

※もっとも地下トンネルは今のところ出口しか設定していないので
各職人さんは、地下トンネルのルートを禁止エリアにかからないように
蛇行して設定できますよね(笑)
556ユーは名無しネ:02/01/20 17:47
内博貴(06)一つ行きます。
 茂みの中で目を閉じて呼吸静かに内博貴(06番)は座っていた。
手には、モンキーレンチ--落合兄丞(13番)の武器--をしっかりと握りしめている。
 少々心許ないがこれが今の内を守る、そして獲物を「狩る」ための武器だ。
拳銃はしっかりとしまっている。残された貴重な9mm弾10発をここで浪費するわけにはいかない。
(ここぞというときまで取っておくんや)
眠ってはいない。何か物音がしたらすぐに反応できるように内は心がけていた。
 次の18:00の放送、24:00(00:00)の放送で出来るだけ「数」が減っていることを内は祈っていた。
(禁止エリアのこともある。聞き逃したらアウトやで。絶対に眠ったらあかん)
前回の放送で大西由郎(10番)の死を耳にし、自分以外にも「やる気がある」者がいることは確認済みだ。
 そんな中、一切明かりの期待できない夜の森を動くことなど、こわがりの内には考えられない。
しかし眠ることはなおさら出来なかった。
 今夜からは夜襲に備え徹夜するために、今の内に心も体も休ませておかなければ。
少なくともこの3日の間は。
夜が過ぎ、朝日が昇ったとき、内の「狩り」ははじまる。
(夜の間に誰かさんが頑張って「獲物」の数は減ってくれるやろ)
 それを利用させてもらわぬ手はない。
 午前中は「狩り」、午後は仮眠、夜は夜襲に備えて徹夜。
 あと数日数夜乗り切れば、大事に取っておいた拳銃の威力が相対的に増大するはずだ。
 そのときには倒すべき獲物の数は十分すぎるほど減っている。最後の最後に生き残る。
そう決意して仮眠を取っている内を目撃したものがいるとするなら、
その外見は何故か数歳年を経たような印象を与えただろう。
558ユーは名無しネ:02/01/20 18:48
菊岡正展(14)で1つ行きます。
「冗談や。悪い冗談や」
菊岡正展(14番)は迷彩のナップザックの中から出てきたものを目にすると呟いた。
透明な瓶の中にどろりとした液体が入っている。
『H2SO4:硫酸』--ラベルにはそう印刷されれていた。
《内海メモ》と書かれた紙には、ただこう書かれていた。
--濃硫酸99% 水気に触れると爆発するよ--

(…硫酸ってあれやろ。かかったりすると火傷したり…溶けたり…)
慎重にフタを開け、おそるおそる緑の葉に一滴だけかける。
白い煙を上げて葉が黄色く変色し枯れ、葉脈となりそしてすべて消えた。
「冗談や。おかしい! 頭おかし過ぎる! こんなの変や!」
菊岡は泣きそうになった。

まだ迷彩ナップザックの中に何かが入っている…
発砲スチロールの粉の中から出てきたのは水鉄砲だった。
輪ゴムでかかっている《内海メモ》には
--特殊ファインセラミック製。硫酸でも大丈夫。最大到達距離8m--とあった。
 菊岡の目が宙を泳いだ。数秒後、菊岡は「その意味」に気づいた。
「冗談や。笑えん。笑えんで」
 菊岡は喉を鳴らして笑った。目に涙があふれていた。

--「…一番最初から12:00までに死亡確認したのは、29番:永田剛司。13番:落合兄丞。10番:大西由郎。
以上3名。残り39名。おいおいペースが悪いな。…」--
(何でや…何でや!…狂っとる…狂っとる!)

 きっちり10分間、菊岡は悩んだと思った。もしかするとそれはもっと短い時間だったかもしれない。
さらに20分間、菊岡は慎重に作業を進めた。息を止めていたのかもしれない。
失敗は許されない。危険すぎる。
慎重に、一滴もこぼさないように菊岡は作業を進めた。

「護身用や。これは護身用なんや」
歩きながら菊岡は呟いていた。菊岡の目は宙を泳いでいた。
菊岡の手には特殊セラミック製の水鉄砲が握られている。
「護身用…。危なくない… 危なくない… 護身用…」
歩きながら菊岡は呟いていた。
560ユーは名無しネ:02/01/21 01:12
武器にお笑い系が少ない・・・
職人さんもやる気まんまんですか?
561ユーは名無しネ:02/01/21 07:35
>560
水鉄砲ってお笑い系ですよね?(くっくっくっ←邪悪)
562ユーは名無しネ:02/01/21 21:20
三宅将馬(39)で1ついきまあす。もしかしたら2つになるかも。
長さ5mの登山ザイル(いわゆる登山ロープ)--それが三宅将馬(39番)に与えられた武器だった。
(随分と中途半端な武器やな)
ザイル「だけ」長さ5mでは本来の登山にさえ使えない。
しかも登山用の頑丈な材質・構造なのでナイフでもないと切れない。
刃物一つ持たせられていない三宅には切ったり加工することなどまず不可能だった。

(は?…どうやって使えいうんや。後ろから忍び足で近づいてこれで首絞めいいうんか?
それとも…これで俺に首を吊って死ねと? それでこのロープ? 嫌や!)
ザイルを握りしめる三宅の両手が白く変色する。
(使えん、使えん、使えん武器や!…でも考えてみたらこれ、《当たり》かもしれんな。
人殺さんで済みそうや…)
 三宅は思わず苦笑した。人を殺さない…つまりそれは三宅自身は死ぬということを意味していた。
(…仕様がない。仕様がないのは判るんやけど、しんどい思いをするのは嫌や。)
そのとき三宅の頭にある決意が浮かんだ。

悔いは残したくない。
(残された時間…何がしたい? 三宅将馬…)
--夕日…朝日…食いもん…それに…あれ…“あれ”!?
(死ぬ瞬間に“あれ”か…)三宅は苦笑した。
(それもええか。でもそれは明日にしよ。明日の朝まで生きていられたらや。
今できること…とりあえず…海…)
 とりあえず三宅は無性に海を見たくなった。海に入ることはできなくとも目にすることぐらいはできる。
海が見たい! 三宅は海まで行くことにした。
564ユーは名無しネ:02/01/21 22:53
キャラが変わったと話題の鬼福原(34)が行きます。2つの予定(3つになるかも)
北山純一(15)も登場。
 人の気配を察した福原一哉(34番)は木陰に伏せた。
やがて姿を見せたのは北山純一(15番)だった。長い銃を持っている。
 それは突撃銃(アサルト・ライフル)--小型のライフル弾を全自動又は半自動射撃できる代物--
だったが、北山の《内海メモ》を読んでいない福原はそれを知らない。
(…殺るか?)
--北山はまだこちらには気づいていない(少なくともその時の福原はそう感じた)。
 不意打ちなら殺れる。いや不意打ちでないと勝てない。勝負は一瞬で決まる。いや決める!
喉から手が出るほど欲しかった飛び道具が今、手に入るならなおさらだ。
 戦いに備え福原の全身の筋肉が緊張する。死闘の予感に震える。だが…
(…待て! ここで時間を取ってる余裕はないんや。C-06で治樹が待っとる。
ここで時間取られたら、先に治樹が殺されてまうかもしれん)

北山が遠ざかる。
銃口と視線を周囲に向け警戒しているが福原が隠れていることには気づいていない(ように見える)。
その背中を福原は冷ややかに凝視していた。
>565
《内海メモ》を読んだ福原は知っている。
日本刀は切れ味こそ世界最強の武器だが反面、血と脂ですぐに切れなくなる。
たとえ名刀といえども連続して斬り殺せる人数は4、5人。
その後は刃についた血や脂を洗い落とし研ぎ直さなければなまくらになる。
研ぎ直す? 砥石もないのに?
 《内海メモ》によると緊急時には砂をかけると刃が欠けて多少は殺傷力が増すらしい。
(そんな余裕はない、とりあえず斬れる限り斬り殺す。斬れなくなったらこいつで殴り殺す。
なあに斬れなくなっても鉄の棒や。折れても曲がっても鉄の棒や。
武器なしでも拳固と爪と歯で何とかするつもりやった。これだけあれば30人だって殺せる。殺してみせる!)

北山の背中は小さくなりながら茂みに見え隠れする。
(…その首と命預けておくで。治樹と合流するまではな…)
遅かれ早かれ、北山にも死んでもらわなければならない。
 しかし今は身を隠しできるだけもめ事は避けなければならない。
時間と村正の切れ味を保つために。

福原は知らない。C-06で待つ大堀治樹(11番)は既に生きてはいないということを。
福原は知らない。C-06で福原を待っているのは武藤雅博(24番)であるということを。
福原は知らない。高黒徹(22番)が自分を捜して果たせなかったということを。
567ユーは名無しネ:02/01/21 23:20
ここの福原さん、二重人格みたいだ…
568ユーは名無しネ:02/01/21 23:25
>567
そこがリレー小説の醍醐味(w!
何だかんだ言い訳して結局殺さない福原イイ!
・・・ところで福原以外はいいの?(w
569ユーは名無しネ:02/01/22 01:05
ヒヨコ頭良すぎるYO!
計算できなさそうなのに(w
570ユーは名無しネ:02/01/22 06:26
>569
追いつめられて変わったんでSYO!(w
571ユーは名無しネ:02/01/22 20:14
武藤雅博(24)で一つ行きます。
(…待つしかない)
ワルサーP38を構えた武藤雅博(24番)は、C-06エリアの一画で焦燥感に耐えながらひたすら待っていた。
 静寂に包まれた熱帯雨林、高黒徹(22番)の言葉が正しければ、
亡き大堀治樹(11番)と待ち合わせている福原一哉(34番)は必ずここに来る。
センターの方向へ戻った高黒も福原を連れて、あるいは行き違いになったとしても必ずここへ来るはずだ。
そのときに自分はここで彼らを迎えてやらなければならない。
そして大堀の死を伝え共にその死を悼むのだ。
そのために大堀の遺骸をまだ埋葬せずにそのまま横たわらせている。
自分一人では送ってやれない…それでは寂しすぎる。

 この熱帯の蒸し暑さ(この湿気ではまもなく雨が降るかもしれない…)で
増した大堀の腐臭にも既に鼻が麻痺している、
先刻までまではむせかえるぐらいだったのに慣れだろうか。
武藤はしばらく前から大堀の遺骸の傍らにずっと立ち続けていた。
変わり果てた大堀を座って近くで見るのは耐えられないというのもある。
しかしそれより何とも言いようもない焦燥感が武藤を落ち着かせて座らせてくれないのだ。
もし高黒や福原がここに来る算段がなければ、大声で叫んで休まず走って二人を探しに行っただろう。
しかし福原は必ずここへ来る。高黒も来る…はず。
(…待つんや。待つんや。ここで待つしか…ない)
3人居れば何とかなるはずだ、もう一人では何も考えられない。いろんなことが起こりすぎた。
(…徹…一哉…はよう…はよう来てくれ…俺…俺…)
573ユーは名無しネ:02/01/22 20:44
管制室で1つ行きます。ようやく14:00ってことで。
…13:59
中央管制室の様子はそれまでとほとんど変わらない。
相変わらず多数の人間が交替で入れ替わりながら休みなく動き回っている。

違いがあるとすれば、遅めに出された昼食の皿は各机の上に散乱しまだ片づけられていない。
油まみれの食器類からはまだ湯気が出ている。
冷え切ったおにぎりや乾パンとは雲泥の差である。

机の上に腰掛けた大石恵は暇つぶしに妻夫木聡(ブッキー)の写真集をまた眺めだした。
一つ取り置かれた迷彩ナップザックから取り出されたそれは、
永田剛史(29番)がエントリー前に死ななければ誰かの“武器”になるはずだった。
(まったく悪運の強いやつらだ)
内海光司もその様子を見ながら暇そうにあくびしている。
 血と刃そして弾幕の中であがく死闘の地獄絵図も、
中央管制室では画面の中の数値の変化でしかない。
ゲームが始まってしまえば、“終わる”までは大体こんなものだ。

…14:00。正面モニターのF-03エリア表示が灰色に変わった。
勝手に地図とか作ってみた
訂正箇所あったらツッコミよろしく。
鯖は友達のとこ間借りさせてもらいました。
広告出るのでうざい人はジャヴァスクリプトきっといてくだちい。

ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
576ユーは名無しネ:02/01/22 21:59
>575
おお、すばらしい! とりあえず感謝します。
577ユーは名無しネ:02/01/22 22:26
>575
いつもお疲れさまです。
でも『418 :関西リレー110@取らぬ狸の』によると…

|E-03には村の診療所跡。
|ここには池がありそこから流れる小川はE-02を通って海に注いでいる。

…らしいので、余裕があったら、
これを付け加えていただけるとありがたいのですが
(ちょっと地図を大きめに変えないと入らないかも…)。
>577
何か忘れてると思ったらそれだ…。指摘ありがとうございます。
直しときました。まだ何かミスがありそうで怖い脳。
579ユーは名無しネ:02/01/23 02:08
>574
そのネタは…!
580ユーは名無しネ:02/01/23 09:10
>572
死体って・・・そんなに早く腐るの?
581ユーは名無しネ:02/01/23 12:11
>572
腐臭じゃなくて死臭じゃない?
早く埋めないと髭が生えてきたりするのか。
…そんな大堀はイヤだ!
582572の(悪)職人:02/01/23 13:04
>580 死んだら当然腐るでしょう、臭うぐらいに。暑いらしいし。

>581 じゃ死臭でいいっす。
《大辞林第二版》
|ししゅう ―しう 【死臭・屍臭】
| 死骸から発する腐臭。
ってことで同じことだけど。
髭は生える(っていうか見える)でしょう。死体はそれでなくともイヤなもんです(笑)。
ついでにいうと生きてて1日髭剃らないと男は(当然Jrも)髭ムクジャラになるはず(ニタリ)。
583ユーは名無しネ:02/01/23 13:11
>578
ご苦労様です。でも

>>小川はE-02を通って海に注いでいる。
だから小川のルートは「E-02を通」らないといけないのでは?
 いや河口の位置はE-02かF-02か判らないけど…(E-02と読むのが自然かな)

なんて文句つけるばっかですいません。
584583:02/01/23 13:17
補足するとつまりE-03の池から発した小川は
そこから「西へ」流れてE-02で海に注ぐんではってことです。
585ユーは名無しネ:02/01/24 00:56
また直しました…すみません。
友達にもちゃんと日本語とアルファベット読めと怒られました。

どーでもいいけどヘンリーイイね。
586ユーは名無しネ:02/01/24 01:04
585は地図を書いた者です。
指摘ありがとうございました。>583
587ユーは名無しネ:02/01/24 09:17
しかし大堀が死んでからどう多く見積もっても2時間。
暑いとはいえ、そんなに早く臭うとは…。
最終日とかになったらそこらじゅう臭くてえらいことになるのでは。
588ユーは名無しネ:02/01/24 11:27
>587
それはどんな場合でも2〜3日たてば同じ事では?
そこらへん特にリアルにする必要はないと思われ。
589ユーは名無しネ:02/01/24 17:51
>587
ふーむ、2時間だと臭わないもんですかね。夏の生肉。
死臭って死後どれだけ経つと臭いはじめるんでしょうかね。
ところで最終日そこら中臭いんだったら、誰も気にしないと思われ。そういう状況なんでしょ。
590ユーは名無しネ:02/01/24 18:48
>ふーむ、2時間だと臭わないもんですかね。夏の生肉。

いわゆる牛やブタのような解体された「生肉」なら匂うでしょうが、
まだ人の姿だから、肉としての腐臭はまだしないかもしれないけど、
この場合、大量の血が流れてると思うので、血の匂い=死臭で
いいんじゃないでしょうか。血って量多いと相当匂いますから。
591ユーは名無しネ:02/01/24 21:08
錦戸亮(30)で2つか3つ行きます。
その時、錦戸亮(30番)と渋谷すばる(20番)はA-07にあるシェルターに身を潜めていた。
二人とも無言で座っていた。
沈黙が破られるのは横山裕(42番)や村上信五(40番)と合流する時と思われたのだが…
タタタタタッ…軽快な速射音と共に付近の草むらが砂を撒いたようにパラパラと音を立てた。
「すばる! 亮! 出てこぉーい!そこに居んのは判っとるんや! ヨコとヒナはどこや! 出せ!」
静かに立ち上がった錦戸は隠し窓から外を見た。
シェルターから数十m離れたところに仁王立ちして周囲を見回しているのは中嶋慶介(28番)だった。
構えているのはサブマシンガン(短機関銃。拳銃の弾丸を連射する)だろう。
そこから数m離れて高杉政治郎(23番)が両手に長目の銃らしきものを提げている。
ライフルか? 自動小銃か? この位置と距離ではよく判らない。

「…入るとこ見られたんかもな」
物憂げに渋谷が言った。
「そやけど、何も知らんと外からはここの入り口は見つかりっこない。
放っとけばそのうちどっか行くやろ」

「いや、そういうわけにもいかへん」
錦戸は隠し窓を閉じて離れた。
「あいつらにあそこで頑張られると横山君も村上君も入ってこれんやないか。
何とかあいつらここから引き離さんと」

「どないするつもりや?」
「とにかく裏からここを出るんや。俺らが囮になって、こっから出来るだけ引き離す」
「あの音聞いたやろ。蜂の巣にされてまうで」
渋谷が呆れたように言う。

「あいつらヨコヒナの場所聞き出す言うたやんか。それまで俺ら殺せんて」
そう言いながら錦戸はかすかな違和感を感じていた。おかしい。どこか引っかかる。
(…まあいい。今はそないな些細なことにかまけてられへん。まずはあの二匹を始末するのが先や)
素早く錦戸は作戦を組み立てた。相手の武器…弱点…心理戦…
>592
「ともかく、すばる君先に出て。俺は後から時間差で行く」
「ちょい待って、亮ちゃん。あいつら引き離してその後どうするんや?」
「そっから後のことは任してや。何とかする。とりあえずあいつらをこっから引き離す。
それから俺らは絶対死なんで生き残る。これが最優先や」
「めっちゃ行き当たりばったりやな」
「とにかくこっから離れさえすれば、そこで捕まってもかまへんで。
いやどっちか言うと捕まりどき間違えなければ死なんで済む。後は何とか交渉して丸め込む」
(要は“始末”するんやけどな)
心の中で錦戸は付け加える。

「何や、随分と自信満々やないか」
渋谷が苦笑する。
「何言うとんの。不安だらけや。そやけどやるしかあらへん。
俺ら、あいつらだけやのうて事務所も相手にするんやで。
ここで尻込みしたって仕方ないやん」
「うーん」
「ほら、ここで長話しとる余裕ないで。早う行って!」
「ああ」
渋谷はライフル銃を杖代わりに面倒くさそうに立ち上がると裏口から出ていった。

10数秒後に走り去る音と、サブマシンガンの速射音が時間差で響き渡る。
手早く錦戸はペンで床に大きくメッセージを殴り書きする。
--スグモドル。リョウ--
(すぐ戻る。亮)
横山と村上に行き違いになってもらっては困る、あくまでここで待ってもらわなければ。
ナップザックはあえてここに置いていく。どうせすぐに戻るつもりだ。
その決意を自分自身と横山たちに明らかにするためでもある。
必要なものはすでに持った。これからしばらく少しでも身軽でなければ命取りになる。

「お〜ら、俺はここや。捕まえてみい!」
外へ出た錦戸は大声で怒鳴った。

そして鬼ごっこがはじまった。
594ユーは名無しネ:02/01/24 21:18
錦戸亮(30)で2つ行きます。
「鬼ごっこはもう終わりや」
中嶋慶介(28番)は目の前の錦戸亮(30番)にサブマシンガンの銃口をつきつけていた。
錦戸は黙って中嶋を睨みつけている。その手には何も持っていない。
「すばる、出てこい! 亮ちゃんが蜂の巣になるで!」

少し離れた茂みからライフルを抱えた渋谷すばる(20番)が姿を現した。
「よし、すばる。そのぶっそうなもんを捨てろ! 手ぇ上げるんや」
渋谷は黙ってライフルと肩に提げたナップザックを足下に捨て、手をゆっくりと上げた。

別の茂みから高杉政治郎(23番)が現れた。
手にした火縄銃の銃口は渋谷を狙っている。

「よぉし、二人とも近くに来い。落ち着いてハナシしようやないか」
その時、喉を鳴らすように錦戸が皮肉げに笑った。
「何を話すんや? そないな玩具突きつけられてよう落ち着かんわ」
「要らんこと抜かすな。チビ。撃ち殺すで」
「ふぅーん。撃てるんか。お前に?」
「亮ちゃん!」
堪らず渋谷が叫んだ。この局面で武器を構えている者に刺激を与えるのはあまりに不味過ぎる。

「逝ってまえ!このクソチビ!」
顔を真っ赤に染め中嶋が怒鳴った。
次の瞬間サブマシンガンが炸裂し錦戸の小柄な体は宙を舞いミンチに…ならなかった。
「どうした?ン」
錦戸が愉快そうに言った。
中嶋はパニックになっていた。トリガーを引いたのにサブマシンガンが作動しないのだ。
「ここを掴んどくと機関銃動かんのやて」
錦戸の左手はいつの間にかサブマシンガンの銃身を可動部ごとがっちりと握りしめていた。
「《内海メモ》にそう書いておらんかったか?」
「おま…どうしてそれを…?」
中嶋はその問いの答えを永久に聞くことは出来なかった。
錦戸の右手が一閃するとポケットから取り出したスタンガンのスパークが中嶋の首筋で炸裂したのだ。
>595
痙攣した中嶋は白目を剥いて仰向けに倒れた。
その瞬間、錦戸はスタンガンを投げ捨て倒れた中嶋の上半身に馬乗りになった。
いつのまにやらその右手にはペンが握られている。
勢いをつけて振り上げ振り落とすやそのペンは中嶋の眼窩に突き立った。
勢いづいたペン先は瞼も眼球も突き抜け中嶋の脳まで達した。
中嶋があげた断末魔の声は人間が出せる声とは思えなかった。

顔と胸に返り血を浴びるのにも構わず、錦戸はとめどなくその“作業”を続けた。
何かがつぶれ飛び散りしたたる音の連続が目を閉じた渋谷と高杉の耳に響き続けた。

【エントリーNo.28 中嶋慶介 死亡(享年19歳11ヶ月) 残り33人】
597ユーは名無しネ:02/01/24 21:31
錦戸亮(30)で行きます。2回になるかも
「うわああああ…っ」
顔と声をひきつらせ、忍耐の限界を超えた高杉政治郎(23番)は背を向けて逃げた。

--…逃がすか!
高杉の悲鳴に我に返った錦戸亮(30番)はすでに物体と成り果てた中嶋慶介(28番)から離れるや、
傍らのサブマシンガンを引っ掴み、高杉の後を追った。

「亮ちゃん! もういい! もうやめるんや!」
後ろから渋谷すばる(20番)の声が追ってくる。
しかしそんなもの聞いてやるわけにはいかない。
(遅かれ早かれ、死んでもらわんとならんのや)
逃げる高杉から目を離さず錦戸はサブマシンガンのトリガーに指をかけながら銃身を大きく左右に振った。
連続して響く発射音。反動で揺れる銃口。砂を撒くような音、高杉はもんどり打って倒れる。

銃声が止むと啜り泣くような声が聞こえる。
「い…いた…痛い… ち…血ぃ出とる!」
必死に声を絞っていた。脚を押さえてうずくまっている。
「何、眠いこと言うとんのや。お前、さっき、俺ら殺そうとしたやんか!」
動けない高杉のところまで歩みを進めながら錦戸は冷ややかに切り捨てた。
「違う! 俺がそんなことするわけないやん」
>598
返り血を拭きもしない錦戸は血まみれのまま無言で近づいた。ゆっくりだが歩みは止めない。
「てあ…手当…亮ちゃん…錦戸くん…俺ら同期やんか…」
「……」
錦戸はやはり無言だった。
「ほら、これ火縄銃なんでぇ。こんな面倒なもん、いちいち使えるわけないやん。なあ」
高杉はいわゆる種子島型の火縄銃を見えるように高く掲げると笑って放り捨てた。
「……」
錦戸はやはり歩みを止めない。
「お…俺、中嶋君たちに無理矢理誘われただけなんや。
別に錦戸…くんをどうこうってそんなつもり全然あらへん。ホンマや。
村上くんたち締め上げて裏聞き出せば助かるかもって…
ほら、俺らのバス一服盛られて連れてこられたんや」
「ふうん」
もう錦戸と高杉は手を伸ばせば届くぐらいの距離まで来ている。
「後生や…俺、死にとうない!」
高杉の笑顔がひきつる。
「気が合うな。俺もや」
錦戸は満面の笑みを浮かべた。
刹那、サブマシンガンが錦戸の手の中で踊った。
(この距離なら外さん)
高杉政治郎は体重をきっかり2.5kg増やし同時に挽肉と化した。

【エントリーNo.23 高杉政治郎 死亡(享年15歳11ヶ月) 残り32人】
600ユーは名無しネ:02/01/25 01:59
高杉は思えばまだそんなに若かったんだね…
冥福を祈るよ
601ユーは名無しネ:02/01/25 16:45
中嶋・高杉の冥福を祈りつつ、安田章大(40番)で1ついきます。
ミジカイ…( ゚д゚)
安田章大(40番)は古びた建物の中で束の間の休息を取っていた。
シアターを出てから2時間ちょっと休みなく歩いていたことになる。
乾いた喉にはぬるい水も心地好く沁みていく。
今いるここはD-05に当たるようだ。
地図の端に自分で書き殴った禁止エリアと
名前の連なりを見て、安田は気分が悪くなった。
ナガタ…オチアイ…オオニシ…

それでも安田にはまだこの人殺しゲームの実感が伴って来ない。
黒いナップザックに入っていたのが
とても武器とは言えないような、懐中電灯だったせいもある。
ふと建物の中に何かないか探してみようかなと考える。
(何や暑いし…昼寝でもしてたいわ)
目が覚めれば全てが夢だった、ということにでもなれば良いのだが。
(ドッキリ企画…とかちゃうよなぁ)
それは流石にのんびり構え過ぎだろうか。

森の中を足元と人影のみに注意して歩きまわっていた安田は
D-06で梅坂が上げた゛のろし゛には気付いていなかった。
そしてそれを見た何人かがD-06に向かったことや
梅坂の身の危険、自身の身の危険についても。
603ユーは名無しネ:02/01/25 20:50
やっさん…これでようやく新(旧)西五揃い踏みですね。
梅阪…何人か来たのか…

ところで武器入っているのは黒のほうじゃなくて、迷彩ナップザックの方なんでは…
てことはやっさんの本当の武器はまだ別にあるのかも
604ユーは名無しネ:02/01/25 21:50
錦戸亮(30番)で2つ行きます。
興奮から冷め、ほっとすると錦戸亮(30番)は右手が猛烈に痛んでいることに気づいた。
人体を貫通するほどの衝撃をもってペンで滅多刺しにしたのだ。
柄頭で保護されているナイフならともかく、その反動で内出血しているのだろう。
(青タン出来とるんは仕方ないか…)
「…お前、何考えとるんや!」
ようやく追いついた渋谷すばる(20番)が怒鳴る。
「それはこっちのセリフじゃ、アホンダラ!」
サブマシンガンを構え直した錦戸は銃口を渋谷に向けた。
「何や、逆ギレかい。何トチ狂ったんや!?」
渋谷は唖然としながらも錦戸を睨み返した。
「何でや!何で俺ら売るようなマネしたんや? すばる君」
「何のことや」
「もうみんな判っとんやで」
「……」
「中嶋や高杉がたまたま偶然A-07をうろついていたのかもしれん。
偶然俺ら二人を見かけたのかもしれん。
そやけどあいつらがヨコヒナと俺らのつながりに気づくはずがないんや!」
>605
渋谷は反駁することもなく錦戸を見つめていた。
手に持っているライフルは下がったままだ。
錦戸はなおも続ける。
「あいつらは俺より先にシアターを出発しとる。
俺が村上君にメッセージ渡したのを見られるわけないやん。
もしすばる君にメッセージ渡したのを見たんだとしても俺とすばる君を結びつけるのはいいとして、
ヨコヒナと俺ら二人を関連づける理由がないんや。
横山君たちがあいつらにコンタクト取るわけがないし、一番通る理屈は…」
「俺があいつらに俺ら4人のこととA-07のシェルターのことをチクッたとこう思うんやな」
こころなしかすばるの表情が重しがとれたように軽くなったようにも見える。
「状況証拠だけや。そやけどそう考えるんが一番自然やろ?」
「もしホンマそうならどうする。俺、撃ち殺すんか? 高杉や中嶋みたいに…」
渋谷はただ静かに淡々と尋ねた。その口調と表情には恐怖も狼狽もなかった。
錦戸はゆっくりとサブマシンガンの銃口を上へ…天に向け、笑みを渋谷に見せた。
「…過ぎたことやん。そろそろ“あそこ”へ戻ろ。もうとっくにA-07の外や。
必死とはいえ随分と離れてしもうたんやな。戻る頃には横山君たちも来てるころやろ」
…ライフル、サブマシンガン、火縄銃、そしてその弾薬…
これだけ火器があれば横山や村上に運悪く冗談武器が回ってきたとしても十分守りきれる。生き残れる。
「その前にあいつらから貰えるもんは根こそぎ貰っとかんとな。元取らなあかんで」
「…理由は聞かんのか?」
「聞かんでも大体判るわ。くだらんことや」
錦戸は振り返った。
「そう、これは忘れんで欲しいな。すばる君はこれで俺におっきな借りが1つ出来たんやで」
渋谷は視線を逸らした。しかし錦戸の後を力無くとぼとぼと着いて来ている。
錦戸は会心の笑みを浮かべた。
607ストーリー集計:02/01/25 23:20
>>151 ストーリー集計1(1〜25)
>>367 ストーリー集計2(26〜50)
>>368 ストーリー集計3(51〜75)
>>479 ストーリー集計4(76〜100)
>>480 ストーリー集計5(101〜125)

地図(暫定版)ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
608ストーリー集計6:02/01/25 23:21
ストーリー集計6
>>466 126@ショットガン
>>468 127@雑草やない!
>>470 128@煙と何とかは…
>>472 129@ツルハシ
>>473 130@気のせい
>>476 131@外れ武器
>>477 132@再会4
>>492 133@ハイペース2
>>515 134@悲しい偶然
>>516 135@さっき訊いたばかりやろ
>>517 136@灯台の上で
>>520 137@奇跡
>>521 138@謝罪
>>522 139@喪失
>>524 140@即席忍者
>>525 141@ドクロ
>>534 142@これが答えや
>>535 143@連殺
>>536 144@ハイエナ
>>538 145@千里眼
>>540 146@どうしても
>>557 147@モンキーレンチ
>>559 148@悪い冗談
>>563 149@海へ
>>565 150@ニアミス
609ユーは名無しネ:02/01/26 00:09
ストーリー集計、今回2つに分けます。
って書きこんだのに反映されてませんでした…度々すみません。
610ユーは名無しネ:02/01/26 11:02
>608-609
お疲れさまでした!
611ユーは名無しネ:02/01/26 11:54
>602の×梅坂は○梅阪に各自脳内変換よろしくお願いします!
梅阪ファンと職人さんには申し訳ありませんです、はい。

>603
迷彩ナップザックの中身はまだ秘密です。
誰かが書いてくれるかも…
612ユーは名無しネ:02/01/26 12:17
>611(602)
黒に懐中電灯が入っているということは懐中電灯は標準装備ってことですね。
(つーことで各職人さん、よろしく)
なんかちょっと安心かも(あんまり救いになっていないけど)
613ユーは名無しネ:02/01/26 13:55
地図が禁止エリアも再現されていることに今更ながら気づく。Thanks!
ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
614ユーは名無しネ:02/01/26 17:05
本家バトロワスレはどこかで復活してる?
615ユーは名無しネ:02/01/26 17:09
614ですが、ただいま発見しました。
余計なカキコごめんなさい。
616ユーは名無しネ:02/01/27 21:04
614-615はせっかちということで宜しいか?
自担は夜中に懐中電灯振り回して発見されてやられてしまいそうです。
617自担へ:02/01/28 14:50
まだダイジョウブ?
618ユーは名無しネ:02/01/28 18:48
>617
ageないように。続きが書けなくなる…
619ユーは名無しネ:02/01/28 21:44
そこでいきなり福原一哉(34番)1つ行きます。
「…治樹…」
身を隠しながら小さな声で福原一哉(34番)は呼びかけていた。
地図によるとおそらくこのあたりがC-06エリアの真ん中(?)にあたるはずだ。
大堀治樹(11番)が約束を守っていることを福原は信じていた。
「…一哉か?」
--!?
 返ってきた返事は大堀の声ではない。抜刀した福原は茂みから声の方へ飛びだした。
そこで待っていたのは拳銃を構えた武藤雅博(24番)だった。
「待っとった。お前一人か?」
武藤は安心したように拳銃を下ろした。
「どういう意味や?」
福原は混乱していた。状況が全く把握できない。何かが狂いはじめていた。
「徹に…高黒に遭わんかったか?お前を迎えに行ったんや」
「徹が…」
その時、福原は武藤の足下に転がっている血塗れの死骸を目にした。
「…治樹!」
--これはどういう…どういう事なんや!?

胸元まで血にまみれている武藤を見るや福原の血は頭に逆流した。

「貴様!」
目を血走らせた福原は日本刀を頭上に振り上げた。
621ユーは名無しネ:02/01/28 21:49
武藤雅博(24番)で3つ行きます。
>620
(あかん! 変な誤解されとる!)
 武藤雅博(24番)は咄嗟にワルサーP38の安全装置を外すと
迫る福原一哉(34番)の頭上めがけて引き金を引き絞った。
 一発の銃声とともに硝煙のむせかえるような臭いがたちこめ、
刀を振り上げたまま福原の動きが止まった。
すかさず照準を福原に定める。
「妙な誤解すな! よく見い! こいつの致命傷は切り傷やろ。俺の武器やない!」
絞り出した声はかすれている。しかし今はそんなこと気にする余裕はなかった。
一発目は威嚇用に空砲にしておいた。それでも頭に血が上っている福原を押し止めるのには十分だった。
一発の銃声が武藤をその場すべての支配者に変えたのだ。
「……」
刀を振り上げたまま福原は無言だった。
「俺が来たときには治樹はもう殺られとったんや。頭冷やせや。
治樹殺られて頭きたのはお前より俺が先や!」
武藤に気圧されたように福原がゆっくりと刀を下ろした。切っ先は地面スレスレにまで落ちた。
(判ってくれたんやろか…)
>>622
福原は肩の力が抜けたように腕をだらりと垂らし、俯いている。
緊迫した沈黙の中ゆっくりとした呼吸音も聞こえる。
息を整えているのか、たかぶる気を落ち着かせているのだろう。
心なしか目つきが穏やかな福原に戻ったように感じられた。
(あ、いつもの一哉や…)
「なあ、一哉。二人で徹戻ってくんの待とうや。行き違いになったと判ったらすぐに戻って来るて」
福原は武藤と視線を合わそうとしなかった。居心地悪そうに見える。
(やっぱ刀向けたの気にしとるんやろか…)
「もうええて。そやけど治樹の敵討ちはひとまず後回しや。
ここで俺らまで狂ってこの殺し合いに乗ってもうたら、もうどうにもなんなくなるやん。
脱出や。どうやってここを出るか。
ここでふんばって冷静にどうするか考えるんや。三人寄らば文殊の何とか言うやろ」
(うーん、俺今何言うてんやろか… しっちゃかめっちゃかで自分でもよう判らん。
まあええ、徹来るまでまでしゃべり倒しとけばそのうち考えもまとまるやろ)
不意に福原が後ろを向いた。
(? あれ?)
福原は早足でもときた道を戻っていく。
「おい、どないしたんや?」
武藤の声が聞こえないかのように福原は早足だ。
「話聞けや! 徹来るってさっき言ったやんか!」
福原は歩みをやめない。止めなければ…!
「おいこら待てって。おい!」
慌てて武藤は福原を追った。
ここで福原を行かせてしまったら、何のために自分が待っていたのか判らなくなる。
走った武藤が福原の肩に手を掛けようとした瞬間、福原は体ごと振り返った。
>623
武藤は肩と手に高熱を感じた。同時にワルサーP38は吹き飛んでいた。
(な…何…何や!?)
肩に袈裟懸けに斬られたと気づいたのは一瞬だった…しかしさらに福原は大振りに第二撃を加えた。
それはさながら踊っているような動きだった。ただ素早かった。素早すぎた。
とっさにリアクションがとれないほどに。
(斬られた…一哉に…しまった…何で俺…油断したんやろ…死ぬのか…俺…)
痛みは無かった。ただ熱かった。そして赤いものが自分の首筋から吹き出るのを目にすると
同時に冷たさを感じた。
(治樹もこんな感じやったんやろか…)
悔しくも怒りもなかった。もう何も感じなかった。
(俺…逝くんやな…)

【エントリーNo.24 武藤雅博 死亡(享年19歳04ヶ月) 残り31人】
625ユーは名無しネ:02/01/29 09:18
おいおい。福原が武藤をたいした理由なく殺すか・・・。
文ちゃんより、むしろ大堀より仲良いはずだが。
626ユーは名無しネ:02/01/29 16:56
基本的に駄目出しはしないつもりだったけど
この展開はちょっと…福原一体何考えてるの?
627ユーは名無しネ:02/01/29 17:19
福原で1つか2ついきます。
>624
(…やってもうた…)
全身に浴びた返り血の温かさと生臭さに朦朧としながら
福原一哉(34番)は血塗れの武藤雅博(24番)だったものを見下ろしていた。
(とうとうやってもうた… しかもタケを…俺はもう)
守ろうと思っていた、生かそうと決めていた、大堀治樹の骸を目にしたとたん
福原はどこかに突き抜けてしまった。福原の世界は変わってしまったのだ。
浜中文一も北山純一も結局、福原は殺すことができなかった。殺そうと思いながら鬼になろうと思いながら
大堀の死体を見るまでは…

--『こいつの致命傷は切り傷やろ 俺の武器やない!』--
そうなのか、そうでなかったのかは意味はなかった。大堀の傷をしっかり見たわけではない。
大堀を殺したのは武藤であろうとなかろうとそんなことはもうどうでもよかった。
大堀は帰らない。死んだのだ。そして福原一哉もある意味死んだ。
武藤は何かを叫んでいたような気がする…聞いていなかった。
 判っていたのは武藤は銃を持っているということ。福原は銃を持っていないということ、
武藤に今、殺される訳にはいかず、銃を奪うためには武藤を殺さなければならなかったということ。
とりあえず、この島にいる者はすべて殺すこと。意味などない。もうない。
(…とりあえず、鉄砲や…)
武藤が取り落とした拳銃がすぐそこに落ちている…
かがんで取ろうとしたその時、福原は風を感じた。
血と鋼と危険の香りを嗅いだ福原は本能的に横へ転がった。

「さすがはMAOやな。あの位置からよう避けたもんや」
(敵? 不意打ちか!)
体勢を立て直した福原は刀を構えなおし声の主に向き直る。
地面に突き立った鎌を引き抜きながら、不敵に笑って立ち上がったのは
塩田修(19番。「新世界LOUK通天閣」所属ダンスユニット『AURA』メンバー)だった。
629ユーは名無しネ:02/01/29 18:19
塩田修(19)で2回行きます。3回になるかも。
 福原一哉(34番)と対峙する少し前、銃声をかすかに耳にした塩田修(19番)は
驚き避けるよりも早くそちらへ走っていった。
(チャンスや。これはチャンスや)
 大堀治樹(11番)を殺してから、これと言った目算もなくひたすら獲物を求め彷徨っていたが、
ようやく意味がありそうなものが見つかりそうだ。
--できるだけ早く火器を見つけること。--
それはこのサバイバルゲームを勝ち抜き最後まで生き残る必須条件だと塩田は踏んでいた。
火器・銃器を手に入れる。それは持っている者から無理矢理にでも奪うことを意味していた。
そしてその過程であるいは結果として人が死ぬとしても塩田は躊躇するつもりはない。
そもそも目的からして「人殺し」なのだから。

 複数の人の気配を感じた塩田は物陰から観察した。
緊迫した空気の中、武藤雅博(24番)が拳銃を構えている--おそらく先刻の銃声の主はこいつだろう--。
そして鬼気迫る様子で日本刀を振り上げてそれと対峙しているのはあの福原だった。
 あの福原が…しかも武藤と?あり得ない!
さすがの塩田も目を疑ったがやがて思い直した。
(生きるか死ぬかの瀬戸際や。恥も外聞も化けの皮も吹き飛んでまう。
普段気弱でのほほんとしてそうな奴ほどいざブチ切れたときはおっかないはずや)

 そしてさらに武藤の足元に転がっているのは、しばらく前に塩田自身が
首を掻き切った大堀の死体ではないか。

(ふうん。おかしな巡り合わせやん。ここの土は、よっぽど人の血を吸いたいらしい。
あと一人や二人は確実に死によるで)
 そしてそれは塩田が望むところだ。労力は少なければ少ないほどいい。

やがて福原は刀を下ろし、武藤は拳銃を下ろした。
一見緊張は解け戦いは終わったように見えた。しかし塩田は見抜いていた。そして的中する。
 福原の強襲による大逆転。武藤の死。転がるワルサーP38。

 さてここからがいよいよ塩田の出番だ。
>630
 飛び道具が欲しい。手を伸ばせば届くほどの距離にある。
 しかし福原の日本刀と正面からぶつかるのは危ない。
こちらの鎌より向こうの方が長い分、間合いの点で不利だ。
 では、ここでただでさえ強力な武器を持っている福原が
さらに銃を入手するのを指をくわえて見ていられるのか?
否! 今ここでそれを阻止しなければ、福原との戦力差はさらに開いてしまう。
 今、ここでやらなければ「チャンス」を逃す。
 自分が生き残るチャンスを、強敵を殺すチャンスを。塩田は決めた。
賭に出たのだ。今なら「殺れる」。

 しかし済んでのところで福原は塩田の必殺の一撃を避けてしまった。
 福原は今、日本刀の切っ先を塩田に向けている。

 不意撃ち…騙し討ち…も、もうできない。この不利な状況を打開するには…
「いいこと教えたろか。福原。そこに転がっとるお前の相方。殺したのは俺や」
怒れ。冷静さを失え。何とかここで勝機を見いださなければ…
「…だからどないしたんや? 俺ら今やっとるのは殺し合いやろ?」
 福原はかすかに目を細めてそれに答えた。口調は冷静だ。手に持つ刃と同じように。
(こいつホンマに福原か…)
しかし…
「ほう。思い切りがよくて面白いやないか」
塩田は不敵に笑った。はじめて踊るとき、舞台に立つとき。塩田はこの感覚を感じ楽しんでいた。
 お互いに持っている武器は手持ちの刃物。福原はの日本刀は長いが重い。
塩田の鎌は短いが小回りが利く。
力対力、素早さ対素早さ純粋な肉体同士、獣同士の闘いに持ち込めばまだ勝機はある。
友情…思い出…そんなものが何の意味がない闘いに。
--俺らは腕っ節実力の世界で生きてきたんや。ジャニーズの生ぬるい舞台に残っていたお前らとは違う。

「じゃあ早速、始めようやないか。お前の命とそのピストル両方俺が貰うで」
塩田は鎌を振り上げて福原に躍りかかった。
632ユーは名無しネ:02/01/31 18:23
塩田修(19)と福原一哉(34)で行きます。2回になるかも
>631
 死闘はなおも続いていた。剣戟と激しい息づかいは断続的に10分以上も続いている。
福原一哉(34番)の続けざまの斬撃をすんでのところで塩田修(19番)の鎌が弾いた。
(…なんてえげつない攻撃をしよるんや。鎌やのうて、刃と柄のつなぎ目狙っとる…)
 何とかあの間合いに入らなければ。接近戦に持ち込めば一転して小回りの利く鎌が有利になるはずだ。
 一方、福原も焦っていた。
(…しぶといやっちゃな。すぐに勝負つくと思ったのになかなか頑張りよる)
福原の筋肉もまた休みない緊張と酷使に耐えかね悲鳴を上げている。
(時間が経つと武器が重い分、こっちが不利や。組み打ちされたらどう転ぶか判らんで…)
そうはさせてはならない。必ずこの闘いに勝ち、生きてピストルを手に入れるのだ。
でなければ武藤雅博(24番)を殺したことが無意味になってしまう。
それはただ死ぬより福原にとって耐えられないことだった。

塩田の影が跳んだ。福原の影がそれと交錯する。
その時、二匹の獣の頭にあったことは相手の体に鉄の刃を叩き込み己の血の濁流に沈めることだけだった。
出会いも別れも思い出も人としての思いはそこにはなかった。無意味だった。
 刃が風を切る音が何重にも響く。
 そしてなおも戦いが続くかと思われたが不意にリズムが崩れた。
一方の反応がわずかに遅れたその刹那、容赦ない他方の乱れ撃ちがバランスを崩し差を広げていく。
空気に鉄の臭いが混じったとき吹き出した鮮血が森の一角を染めた。
 倒れた敵に馬乗りになり、獣じみた声を上げながら勝者はさらに滅多刺しにした。
 その血生臭い儀式が数分続いた後、血塗れの修羅はよろよろと立ち上がり、
刀にまとわりついた血と脂を振り切った。

【エントリーNo.19 塩田修 死亡(享年21歳01ヶ月) 残り30人】
634ユーは名無しネ:02/01/31 19:22
福原一哉(34番)で。3つの予定です。
>633
 刀を地面に突き立て杖代わりに体を支えた福原一哉(34番)は、
あがった息と止まらぬ胸の鼓動を落ち着けつつ、血の臭い漂う周囲を見回した。

塩田修(19番)、武藤雅博(24番)、大堀治樹(11番)
…血だらけの屍が決して広くはないその一角に3つも転がっている。
その場に生きて立っているのは福原ただ独りだった。
物音はおろか生きている人の気配は全くしない。あるのはすえた死の空気だけだった。
(俺かて、ホンマに生きとるのか判ったもんやない…)
心臓だけでなくこめかみまで脈打っている。体中の節々が思い出したように痛み出した。
それでも福原はそんな自分をどこか遠くに感じていた。
>635
塩田だった肉塊の傍らに転がる血塗られた鎌を拾い上げ、血を切って柄を腰のベルト穴にひっかける。
この物騒な武器の殺傷能力は馬鹿にならない。
うっかり拾われて使われると巡り巡って命取りになるかもしれない。
さらに塩田の荷物を漁ると薬瓶が1つ出てきた。ラベルに記された多くのアルファベット…
『deadly poison』『pottassium cyanide』

(Poison…ポイズン…毒か?)
効果は全く判らない。
その中身がpottassium cyanide--シアン化カリウムいわゆる青酸カリ--であるということは
当然福原には知るよしもなかった。
(飲ませる毒やろか、つける毒なんやろか…
ダメモトでこいつを刀と鎌に塗っとけばいくらか相手が死にやすくなるかもしれん)
 蓋を外し、抜き身の刀に少し振りかける…アーモンドの香りが広がった気がした。
その時、ふと福原は思った。
(もし全員殺すか死ぬかして、3日後、生き残ったのが俺一人になったとき、
この毒飲んで死んでやったら、ジャニーや内海はどう思うんやろか?)

--優勝者なし。全員死亡--ある意味大番狂わせかもしれない。福原は笑った。
(生きるために殺すんやない。死ぬために殺す。それもいいか。)

狂っていた。どこかでなくすべてが狂っていた。
福原は自分が狂っていることを何となく自覚していた。
そもそも福原だけでなくそもそも置かれている状況が狂っていたのだが。
>636
武藤の死体の側に転がるワルサーP38も無造作に拾い上げた。
武藤のポケットから取り出した《内海メモ》を読み、何の感慨も抱かず自分のポケットに捻り込む。
武藤の荷物も当然漁る。
そこから発見した替えの弾倉2つと取扱説明書を自分のナップザックに放り込む。
後でじっくりと熟読しなければならない。
--後で?
よろよろと福原は歩き出していた。
日本刀は抜き身だ。捨てた鞘は拾わない。その必要はもはやなかった。
--もうこの場所には用はない。自分に必要なものはもうない。
そう言い聞かせて福原はこの場所から離れようとしていた。

--「なあ、一哉。二人で徹戻ってくんの待とうや。行き違いになったと判ったらすぐに戻って来るて」--
 高黒徹(22番)がC-06にやって来る…福原は自覚していなかった。
自分が無意識の内にも高黒と出くわすのを避けていることを。
>637
 福原の木立と茂みを掻き分けて歩み去る音が遠ざかっていくにつれ
C-06エリアのその一角は再び静寂に包まれた。
 後に残されたのはむせ返るような血の臭いと3つの屍。
赤い鮮血はやがて茶と黒にその色を変え、高黒徹の来訪をただ待ち続けていた。
639ユーは名無しネ:02/01/31 21:55
福原、いっそ早く死んでくれ。
640ユーは名無しネ:02/01/31 22:03
>639
続き書けば…? 他力本願流されるだけ。
641ユーは名無しネ:02/01/31 23:36
職人になったら殺したいキャラに
℃についで福原ランクイン
書いてみるか…?>639
642ユーは名無しネ:02/02/01 06:55
>641
そうか℃は真っ先に「殺したいランキング」入っているのね(当然といえば当然か/藁)
福原と違って話題にものぼっていなかったのでみんなに許されているとオモタよ(←んなわけない)。
個人的には福原は大堀をあっさり殺しやがった塩田に引導渡してこちらの溜飲下げたのでOK。
643ユーは名無しネ:02/02/01 07:18
誰も塩田には同情しないんだね(w
644ユーは名無しネ:02/02/01 08:50
>641
おいおい、職人になったら…って、書いた瞬間にあなたは職人。
今の職人さんたちも誰に任命されたわけでなく勝手に書いているだけ(そもそもリレーなんだから)
645ユーは名無しネ:02/02/01 12:58
要望を出しすぎても職人さん困るだろうし
出さないと自担あっさり死んじゃうし(ナキ

とりあえず議長出してくれ、議長
646ユーは名無しネ:02/02/01 22:30
修死んで欲しくなかったなぁ…。
647ユーは名無しネ:02/02/02 00:53
>646
それを言ったら、土山や松尾も死んで欲しくなかったよ…
648641:02/02/02 01:06
文章書けないから職人にはなれない
こうしてほしいとかこんな性格じゃないって言うと
リレー小説だからって言われる…言ったの職人さんとは
限らないし、書いてくれてる人には感謝してるよ
気分悪くした人いたらごめんね
649ユーは名無しネ:02/02/02 01:32
なんでこんなにヤ●ザ言葉(藁
関西弁ってこんなイメージなのか脳
650ユーは名無しネ:02/02/02 10:08
>648
ほんじゃば、書かれる前に事前にリクエストしとけば?「こういう性格で書いてください」とか
(その通りに書いてくれるとは限らないが)

>649
ヤクザ言葉っていうか生きるか死ぬかっていう状態だから
そんな言葉使いになるんじゃないのだろうか?
殺すときには丁寧語じゃないでしょう。
651ユーは名無しネ:02/02/02 13:45
書く方も読む方も適度に肩の力を抜いた方がいいよ
などと提案してみるテスト
652ユーは名無しネ:02/02/02 14:08
>649
言いたいことは分かる。
今時こんな言葉使わねーよって言葉が多いと言いたいんだろ?
かなり藁える。
653ユーは名無しネ:02/02/02 16:03
リクエスト(無理なら流してくれてOKです)
・内をもっとバカに書いて下さい
・議長は私も気になります
・丸ちゃん達に早く誰か合流しないかな
(できればやっさんがいいな)
654ユーは名無しネ:02/02/02 18:12
>649>652
こんな言葉使わないよってのはフツーのドラマや映画にも言えること。
これはそれとおんなじようなもんだから、仕方ないんじゃ?
だってドラマとか見てて、標準語(東京弁)でも、「こんな言葉使うかよ」って
思う事ばっかじゃん。
だから別に大仰な言葉使いでもあまり気にならないです>職人さん
655ユーは名無しネ:02/02/02 18:31
清水大輔(21番)で一つ行きます。エリアとか矛盾ないか実はちょっと不安です…
「…煙?」
清水大輔(21番)はD-06エリアから立ち上る灰色の煙を確認すると
血塗れの槍を片手に山を下りて(C-07)そちらに向かうことにした。
途中の川(D-07)で槍の穂先についた血を洗い流す。
いざというときに穂先が鈍らないように慎重にこびりついた血をふき取る。

次の18:00の放送には自分が殺した木村廣太郎(16番)の名前が呼ばれることになるだろう。
(そしたらやる気の奴が他にいるってことが判ってまう。特に落合や大西殺した奴には)
 そうなれば今後このサバイバルで生き残るために非常にやりにくくなるだろう。
からくも取り逃がした小川修平(12番)を除くとして、皆が混乱して置かれている状況を把握していない
今の内にできるだけ「稼いで」おかなくてはならない。
(時間との勝負や)
「獲物」の存在がいち早く確認できた今がチャンスなのだ。

 それに煙の主は何らかの火種を持っている。
 懐中電灯ぐらいは清水の持つ黒ナップザックに入っているが、
火そのものを使えるというのは大きな利点だ。
 焚き火をすれば最悪最後には武器にもできる。
(夜に焚いておけば獲物も集めやすいしな…)
清水の頭の中は既に火種を手に入れたところまで飛んでいた。
結果として、自分もその煙に誘い出されているということをそのとき、清水は気づいていなかった。
657ユーは名無しネ:02/02/02 18:54
粟島瑞丸で1つ行きます。
「…煙?」
 粟島瑞丸(01番)も、D-06エリアからたなびくその煙には気づいていた。
(…親しい奴なら騙し討ち。知らん奴なら不意打ち。気づかんようならやっぱり不意打ち。
臨機応変。大丈夫や。俺は《経験者》なんや。そうやろ?)
胸に静かに手を当てて気を落ち着かせる。
 特殊警棒を縮めて持ち、隠し持ったジャックナイフの場所の確認をする。準備は万端だ。
メンタルトレーニングも繰り返した。多分、大丈夫なはず…
 大西由郎(10番)が殺されたことで落合兄丞(13番)を殺した奴も
自分の他にやる気になっているのがいることに気づいたはず。
ぼやぼやはしていられない。粟島は空にたなびく煙の源に向かった。
659ユーは名無しネ:02/02/03 00:10
>647
修はやる気あったみたいだから最後のほうまで
残って欲しかったんです…。まぁしょうがないっすね。
660ユーは名無しネ:02/02/03 20:12
大倉君たちと誰か合流させて!
661ユーは名無しネ:02/02/04 13:05
職人には全体的な展望を持って書いて欲しいというのは贅沢かな。
全員分は無理だけど、自分の書きたい人物ぐらいは。
662ユーは名無しネ:02/02/04 14:20
既に死んだ子の生きてる間の回想(?)シーンとか
リクエストしても良いんでしょか?
幽霊とかじゃなくて。
663ユーは名無しネ:02/02/04 16:22
今川晴司で1ついきます。
今川は木の根元に座り込んでいた。
一応大きな葉の陰になるようにはしていたが、本格的に隠れているわけではなく、はたから見ると無用心極まりない。
しかし本人はそんなことをあまり気にしていないようだった

最初のあのシアターもどきから出たとき、すぐ出てくるだろう魚谷を待つつもりだった。
しかし次に出てきた今山(今川はあまりよく知らない)が、出口付近で陣取ってしまい、魚谷に声が掛けられなかった。
そのまま追うのも今山に対して角度が悪く、見つかるかもしれないと思うと動けない。
そうこうしているうちに銃をぶっ放すやつがいて・・・。
思わず方向も考えずに逃げ出してしまい、運良くそいつには見つからなかったようだが、気がつくと自分がどこにいるのかわからなかった。
地図も方位磁石もまず自分がどこにいるのかわからなければ役に立たない。
目の前には原生林が続くばかりで目標物も無い。
たぶん地図上になにもない北の方にいるのだとは思うが・・・決め手は無い。
そしてさまよった挙句、疲れ果ててここにこうして座っているのだ。

--誰か来ーへんかなあ・・・。
今川は手に持ったタバコを弄びながらぼんやりと思った。
そのタバコはナップザックに入っていたもので、どうやらこれが今川に与えられた武器らしかった。
日本では見た事の無い銘柄がご丁寧に1カートン。
書いてある文字は読めなかったが、数字だけ拾い読むと結構きついヤツらしい。
しかし。
--これも生殺しっちゅうヤツやなあ・・・。
内海メモには「未成年は吸っちゃだめだぞ!」と書いてあり、火気類が入っていなかった。
火がつけられないタバコは嗜好品にならない。
とっくに成人しており(まあ未成年の頃から吸っていたが)喫煙者の今川にはこの状態は辛かった。
命が危ないというときにタバコを吸う吸わないもないのだが、なんだか周りは静かで緊迫感はどこかへ行ってしまいそうで。
--火ぃ持ったヤツ、どっかおんのかなあ・・・。
フィルターを甘噛みしながらのんびりとそんなことを思った。
665職人の一人:02/02/04 19:51
最近、書いている職人の一人です。
リクエストとかつっこみとかありがとうございます。励みにさせていただいています。
一々細かく反応するとどこ書いてる職人か判っちゃうしウザイと思われるので自制してますが、
リクエストとかは目を通しているので、これからもよろしくお願いします。
今度からは一々レスしませんので最初にまとめて書き込んでおきます。
勿論、私だけのことで他の職人さんとは関係ないですよ。

(方言問題)
ヤクザ云々は多分、私が書いてる部分ですね(w。
お気づきの方もおられますが確信犯的に「わざとそうして」ます。
関西弁っていったってイントネーション除けば標準語とそう変わらないのですが、
文章だとイントネーションなんて出せませんから。つーわけでイメージです。
(本当にネイティブそのままだと逆に全く部外者に判らなくなりそうですし)
というわけでどうぞお笑い下さい。
どうせつっこみ入れるなら何番のどういう表現は
こういう言い方にすべきとか書くのが建設的でしょう。
どの職人が言われているのか判って反省材料になるだろうし。
666職人の一人:02/02/04 19:53
(リクエスト関連)
リクエストも批判もばしばし書いていただけるとありがたいです。励みにも道しるべにもなります。
(でも他の職人さんとの兼ね合いもあって全くその通りにはならないと思うけど。
こうして書くことで、もしかして各人の死期が早まったかも…)。
・内をもっとお馬鹿に→夜暗くなるとお馬鹿になるんじゃないかと…というか動けなくなるでしょう。
・議長を出せ→議長は出ます。もうちょっとだけ待って。実は張ってる伏線はいろいろ…
・やっくんと灯台組を合流→どっちももう少ししたら出ますけど合流するとしてもかなり先の予定。
ファイト一発とあひる筋…それまでにどっちか殺されなければ実現するかも。
・大倉合流→もうちょい先で動きがあるかも
・全体構想練れ→覆面職人複数のリレー形式なので無理です。お互い牽制しながら書いているはず。
私も何度か血の涙流しました(w。
一応、私個人は2日目の6:00までは全員分の構想決めていますが、その通りなんて絶対行かないでしょう。
その先なんぞ、さらに不透明。

そうそう、皆さんの今の時点の「殺してやりたいJrを5位まで」と「死なないで欲しいJr5位まで」
参考までに聞いておきたいですね。(いや聞くだけ聞くだけ)

見苦しい書き込みごめんなさい。つーわけで、もう黙ります。
667ユーは名無しネ:02/02/04 20:44
小川修平(12番)で2ついきます。
 涙を泣き涸らした小川修平(12番)はとにかく自分の武器を確認しておくことにした。
予め十分な武器を準備していたら木村廣太郎(16番)を見殺しにせずに済んだかもしれない。
もしそうなら…とてつもない後悔が自分にのしかかってくることになる。
考えずにいた…こんな状況なのに逃げていた…それこそが自分の罪だったのかもしれない…
 今まであえて開けずにいた迷彩ナップザックに手を掛ける。中から出てきたのは…
「…何やこれは!?」
何重にも巻かれ輪になっている細い金属線…伸ばしてみると長さ約1.5mの…ピアノ線だった。

「何やこれは…何やこれは…」
小川の口からとめどなく漏れ出す疑問の言葉は止まらなかった。
(こいつを相手の首に巻いってて引っ張って首をねじ切れって言うんか…必殺仕事人みたいに。
そんなアホな。ンなことしたら俺の手の方が切れてまうて)
「…!?」
まだ何か入っている。次に出てきたのは金属鋲付きの黒革手袋と『内海メモ』と記された紙だった。
何か下手くそなイラストらしきものが描かれている。
 しかし何が書かれていたのか結局正確には判らなかった。
一目見た小川は発作的にその紙を千々に破り捨ててしまったのだ。
どんな内容の絵が描かれていたのかあらかた想像は付く。ふざけすぎてる!
こんなマンガみたいな…冗談みたいなことで永田剛司(29番)や木村は死んだと言うのか。
>>668
憤って天を振り仰いだ小川の目に遠くでたなびく煙の柱が目に付いた。
(ここは偽シアターから大分離れとる。…誰か人が居るんや)
不意に木村の言葉が小川の脳裏に蘇る。
--『謝りたかってん』--
--『3年間ずっと逃げとってごめん』--
--『バスの中ではなんか言われへんくて…
もたもたしとったらこんなことになってもうて…』--
(誰でもいい。とにかく行ってみて、話かけるんや)
誰がそこにいるか判らない、誰でもいい。後悔はしたくない。
ここでうじうじと黄昏れていても何にもならない。

ピアノ線に目を落とした小川は首を横に振った。
そして黒革グローブに目をやると唾を飲み込んでそれを両手にはめる。
次にピアノ線を再び巻くとそれを黒ナップザックに放り込んだ。
(持っていこ。一応や。何か別に使い道があるかもしれへんし)
そして立ち上がった小川は煙の源--D-06エリア--へと足を向けた。
木村の仇である清水大輔(21番)もそこへ向かっていることなどその時の小川が知るよしもなかった。
670ユーは名無しネ:02/02/04 23:38
>666
色々回答ご苦労様です。
全体構想、もちろんリレー版である以上個人の思い通りには進みません。
それこそ職人同士のバトルロワイヤルでしょう。
言いたかったのは職人のその場感情のみで殺しすぎるのはちょっと・・・ということです。
面白そうなネタや流れはできるだけ拾って話を広げたい。
自分なりの構想を持って書いていて、それが他の職人の別の構想により止められたのならリレー版職人として本望。
そういうことなのですが・・・気負いすぎかな。

長々とスマソ。
671職人もどき:02/02/04 23:59
私が気をつけていることは、伏線を拾う&はる。
性格を知らない子のことはなるべく書かない。
関西弁をナチュラルに。
書きたいエピソードがいくつかあるので該当キャラが死なないように祈る。
以上です。
672ユーは名無しネ:02/02/05 06:15
>662
|既に死んだ子の生きてる間の回想(?)シーンとか
|リクエストしても良いんでしょか?

リクエストするのは勿論、自由でしょう。その通りに書いてもらえるか判りませんが。
というより自分で書いちゃえばイメージ壊れずに済むので一番確実です。
673ユーは名無しネ:02/02/05 16:18
>672
>の代わりに|を使ってるので、コテハン状態になってるよ?
職人さんがわざと統一して使ってるんじゃないならやめた方が良いと思う。
コメントの内容で「もしかしてあのリレーを書いた人?」って思っちゃうから。
674672:02/02/05 19:42
>673
ご親切どうも。
>ってタグでも使うから引用符では避けているんです。多分私だけじゃないはずなんですが...
(そうか職人さんも使ってるのね。どの職人さんと間違えられているんだろ/藁)

675ユーは名無しネ:02/02/05 20:02
>674

2ch初心者?
676ユーは名無しネ:02/02/06 00:29
職人さんにお願いです.私的に、灯台組と、大倉&今山を合流させて欲しいのです.
なんというか、夜に、望遠鏡をのぞいたら、小さい明かりみたいなのが見えて、倍率を
上げてみてみたら、それは、火のついたろうそくを持った、大倉たちだった。
見たいなシチュエーションで。
677ユーは名無しネ:02/02/08 23:39
職人さんいつも楽しみにしています
大変でしょうけど頑張ってくださいネ
678ユーは名無しネ:02/02/09 03:20
                 ┌─┐
                 |も.|
                 |う |
                 │来│
                 │ね│
                 │え .|
                 │よ .|
      バカ    ゴルァ  │ !!.│
                 └─┤    プンプン
    ヽ(`Д´)ノ ヽ(`Д´)ノ  (`Д´)ノ    ( `Д)
    | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎
679ユーは名無しネ:02/02/09 17:14
新規のお客さんが来たかもしれないので
ここらで集計を致します(て優香連休で暇だから)
ストーリー集計7、現在の動向、所持武器つき名簿(×3)
全部で5つになります。職人随時募集中。
過去ログを良く読んで参加して下さい。ウエッサ〜イ!
680集計:02/02/09 17:15
ストーリー集計7(151〜175)
>>566 151@五右ェ門の葛藤
>>572 152@待つしかない
>>574 153@1日目14:00
>>592 154@かくれんぼ
>>593 155@すぐ戻る
>>595 156@鬼ごっこ
>>596 157@ペンは剣よりも…
>>598 158@血ぃ出とる!
>>599 159@気が合うな
>>602 160@一休み
>>605 161@こっちのセリフ
>>620 163@C-06
>>622 164@変な誤解
>>623 165@おいおい
>>624 166@熱く冷たく
>>628 167@やってもうた
>>630 168@銃声を聞いて
>>631 169@両方貰う!
>>633 170@二匹の修羅
>>635 171@屍を超えて
>>636 172@アーモンド
>>637 173@悲しい無意識
>>638 174@待つ死者たち
>>656 175@煙?
681集計:02/02/09 17:15
>>151 集計1(1〜25)
>>367 集計2(26〜50)
>>368 集計3(51〜75)
>>479 集計4(76〜100)
>>480 集計5(101〜125)
>>608 集計6(126〜150)
地図(暫定版)ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
禁止エリア
1日目 14:00=F-03 16:00=A-04 18:00=E-07

粟島・小川・清水はD-06へ。
伊藤は移動中。
今川はどこかでのんびり。
今山は大倉と共にE-04を出てどこかへ移動。
内は森の中に潜伏。
魚谷は山頂ヘ。
梅阪はD-06で゛のろし゛をあげてしまう。
菊岡は混乱している。出会うとある意味危険。
北山は福原とニアミスするも、気付かず。
呉村は不貞腐れてる場合じゃない。
後藤はどうした?
渋谷・錦戸はA-07に潜伏。
高黒は内に襲撃されるも命拾い。C-06へ。
田中(純)は頭を抱えている。
田中(大)・丸山は灯台で誰か来るのを待っている。
女寺は手裏剣の練習中。
野中はレーダーにて村上・横山を追跡中。
浜中は移動した?
福原は壊れました。
牧山は原生林から移動した?
水野は内を探し中。
三宅は海へ。
村上はA-07へ。
安田はD-05で屋敷跡探索中。
横山はA-07へ。
682集計:02/02/09 17:17
01:粟島瑞丸(20歳03ヶ月)
/特殊警棒(60cm)・ジャックナイフ(刃渡り15cm)
02:伊藤政氏(17歳02ヶ月。現役)
/ナイフ(大きさ・外見は果物ナイフ様)
03:今川晴司(20歳11ヶ月)
/タバコ1カートン(外国産)
04:今山透(16歳10ヶ月。現役。V-WEST)
/中華鍋・ゴマ油1リットル・鉈(刃渡り30cm・錆・刃こぼれ)マッチ棒20本ほど
05:魚谷輝明(21歳02ヶ月。「ルースドソール」所属)
/ツルハシ
06:内博貴(15歳02ヶ月。現役。V-WEST/vocal)
/拳銃(9mm口径・残弾10発・オートマ?)・拳銃の取り扱い説明書・モンキーレンチ
07:梅阪剛司(15歳04ヶ月。現役)
/火炎放射器(ガソリン1リットル・1回試用済み・使用範囲は約2m、1時間程度)
08:大倉忠義(16歳07ヶ月。現役)
/金属バット・蝋燭3本
09:大堂祐史(17歳11ヶ月)【横山により死亡】
/鉄鎖長さ1mほど
10:大西由郎(21歳03ヶ月)【粟島により死亡】
/*奪われた
11:大堀治樹(17歳10ヶ月。現役。MAO)【塩田により死亡】
/*奪われた
12:小川修平(19歳00ヶ月)
/ピアノ線(約1.5m)・革手袋(金属鋲付き)
13:落合兄丞(14歳03ヶ月。現役)【内により死亡】
/*奪われた
14:菊岡正展(16歳08ヶ月。現役?)
/濃硫酸入り特殊ファインセラミック製水鉄砲
683集計:02/02/09 17:17
15:北山純一(20歳00ヶ月。「JAVELIN HEAD」guitar)
/突撃銃(アサルト・ライフル)
16:木村廣太郎(19歳00ヶ月)【清水により死亡】
/金槌
17:呉村哲弘(19歳04ヶ月。「鈍牛倶楽部」所属“沢木哲”)
/9mm口径弾の10発入りカートリッジ24個(240発)・説明書
18:後藤大祐(20歳11ヶ月)
/?
19:塩田修(21歳01ヶ月)【福原により死亡】
/鎌
20:渋谷すばる(20歳03ヶ月。現役)
/大口径のライフル銃
21:清水大輔(19歳09ヶ月)
/槍
22:高黒徹(19歳07ヶ月)
/防弾チョッキ
23:高杉政治郎(15歳11ヶ月)【錦戸により死亡】
/*奪われた
24:武藤雅博(19歳04ヶ月。)【福原により死亡】
/*奪われた
25:田中純弥(20歳05ヶ月。「JAVELIN HEAD」vocal& sax)
/手榴弾9発
26:田中大樹(18歳00ヶ月)
/双眼鏡
27:土山俊樹(22歳09ヶ月)【横山により死亡】
/*奪われた
28:中嶋慶介(19歳03ヶ月)【錦戸により死亡】
/*奪われた
684集計:02/02/09 17:18
29:永田剛司(17歳02ヶ月)【大石により死亡】
/*支給されず
30:錦戸亮(17歳01ヶ月。現役)
/スタンガン・サブマシンガン・火縄銃
31:女寺豊(21歳11ヶ月)
/手裏剣4種(棒・十字・卍・日輪)×5・毒らしき液体
32:野中和久(20歳03ヶ月。「JAVELIN HEAD」bass guitar)
/首輪探知機
33:浜中文一(14歳02ヶ月。現役)
/ボウガン
34:福原一哉(19歳06ヶ月。現役。MAO)
/日本刀「村正」(刃渡り80cm)・ワルサーP38・青酸カリ
35:牧山雄亮(21歳08ヶ月。「オフィスPSC」所属“友井雄亮”)
/導火線(長さ不明)付きダイナマイト7本・100円ライター1つ
36:松尾祐樹(22歳09ヶ月)【横山により死亡】
/メリケンサック
37:丸山隆平(18歳01ヶ月。現役。V-WEST/bass guitar)
/ブーメラン(木製)
38:水野清仁(17歳09ヶ月。現役。V-WEST/lead guitar)
/鉄アレイ(ダンベル)
39:三宅将馬(16歳00ヶ月。現役?)
/登山ザイル(長さ5m)
40:村上信五(19歳11ヶ月。現役)
/?
41:安田章大(17歳03ヶ月。現役。V-WEST/guitar)
/?(本人は懐中電灯を支給されたと思いこみ中)
42:横山裕(20歳07ヶ月。現役)
/ショットガン(散弾銃)・リボルバーS&W M-19・予備の弾丸6発×2セット
685ユーは名無しネ:02/02/09 17:20
集計終わり。
連休中に感想でもしたためておく。
686ユーは名無しネ:02/02/09 17:50
集計人さん、ご苦労様です。さて続きでも書くかな…
687ユーは名無しネ:02/02/09 18:20
>683
塩田の鎌は福原が持っています。>>636参照。
688ユーは名無しネ:02/02/09 20:41
灯台組(マル、大樹)行かさせていただきます。とりあえず2−3回予定
ここはC-10エリア--灯台の最上階からブーメランが円を描いて周回する。
「どや、ここまでできるようになったで」
「ふうん」
戻ってきたブーメランをキャッチし得意げな丸山隆平(37番)を
田中大樹(26番)は双眼鏡から目を離すことなく軽く流した。

 最初の内こそ目立ちすぎるとケンカになったが
あまりにも何も起こらないのでしまいにはどうでもよくなってきた。
何か起こって欲しいとまで思ってしまうのは退屈の贅沢というところだろう。
かといって灯台から動こうとは田中も丸山も思っていなかった、
「まだ誰か来んのか?」
「さっき訊いたばかりやろ…ん!?」
「何…何か見えた?」
「今、森の中を何か通った…」
「どれ、貸してみ」
田中大樹から双眼鏡を奪うと丸山は森を見た。
「あれ? みっくんやん」
森の木陰に見え隠れしているのは確かに水野清仁(38番)だった。
>689
「みっくん? 何か持っとるように見えるか?」
田中大樹の声に緊張が走る。
「手荷物だけや。武器らしいのは持っとらん」
「判らんで。隠しとるのかもしれん」
「おーい!みっくん!」
丸山は手を振って呼びかけた、その声が付近にこだまする。
「アホ!」
目を丸くした田中は咄嗟に丸山の手を掴んで引き倒すと床に伏せた。
『何でそんな考えなしなことするんや!』
囁き声で田中が苛立つ。

「誰や? 誰か居んのか?」
再び取り返した双眼鏡をかざした田中の視界には
木立から顔を出した水野はおそるおそる森から歩み出てきて呼びかけているのが映った。
「俺や!」
田中に押さえつけられながら丸山は叫ぶ。
「マルか? そこに居んのか?」
水野はようやく岬の灯台に気づいたようだった。
「お前の武器は何や!」
口を押さえようとする田中に抵抗しながら丸山は叫んだ。
「俺は…鉄アレイや!」
(鉄アレイ…?)
思わず田中が手を離した隙に立ち上がった丸山は扉の鍵を開けに階下へ降りていった。
「あ〜あ、もう勝手にしてくれ!」
田中は起きあがることも忘れて溜息をついた。
691ユーは名無しネ:02/02/10 01:35
ついに合流・・・うれしいです!
692うっかり集計人:02/02/11 19:38
>687
訂正ありがとうございます。
書き忘れてましたが、前回の武器集計の時にシアン化カリウム=青酸カリ
という指摘をしてくれた人もありがとうございました。

マルちゃんおもろか○いい…
693ユーは名無しネ:02/02/12 19:23
灯台組3人で2つ行きます。3つになるかも…
>690
「居んのはこれだけか?」
ナップザックから取り出した鉄アレイを床に置きながら水野清仁(38番)は言った。
「ああ、俺の武器はこのブーメラン。大樹の武器はあの双眼鏡や」
 そう説明する丸山隆平(37番)に背に向けつつ、
双眼鏡で森を眺めている田中大樹(26番)はただ頷いてそれを肯定する。
「お前こそ、誰かに会うたか?」
「まーしーに遭った。果物ナイフ持っとったな。そのまま別れて別行動や。それより内、知らんか?」
「内? 見とらんな。何かあてがあるんか?」
「まーしーに聞いたんや。多分、怖い思いしとると思う」
「まさか捜しに行くとか言わへんやろ? 落合や大西殺されたのは放送で聞いたと思うけど…」

(その落合を殺ったのは内かもしれへん…とはさすがに言えへんな…)
「そやけど、ほっとけんやろ。な」
「そうか…」
丸山と水野の出発時間差は5分間。それから再会まで随分時間が経った。
時間だけでなくあらゆる意味で距離も遙かに離れてしまったのかもしれない。
「内、見つけたら、こっち戻ってくるわ」
「…あと武器がヘボい奴とか『やる気がなさそう』な奴見かけたら…」
「ああ、この灯台行くように声かける。C-10やな」
>694
「あんま時間取られんなよ。ここが禁止エリアになったら…」
視線をあえてはずしていた丸山は顔をあげて水野の顔を見つめた。
「…多分、もう会えへん」

2人は…いや3人は押し黙る。
沈黙の中、時間はただ流れ、三日後の最後の瞬間まで3人の意識は飛んでいた。
--決断?それとも死?
 しかし今そのことをあえて口に出すことはしない。
深呼吸を1つすると水野は鉄アレイを拾い上げてナップザックに放り込んだ。
「じゃあ、もう行く…」
「待っとる。できるだけ…」
階下に下りる水野に丸山は付き添った。
「ありがと、会えて嬉しかった。あんま話せなかったけど大樹にもよろしくな」
「今度は内ともや。な?」
丸山は安田章大(41番)や今山透(04番)のことまではあえて口に出さなかった。
そこまで水野に強制することはできない。
扉のノブに手を掛けた水野は振り返らず後ろの丸山へ手を振った。

外の暑い空気を感じるや水野の背のすぐ後ろで締められた扉の鍵の金属音が大きく聞こえた。
振り返ることなく水野は再び鬱蒼と茂る森に入る。

(落合を殺したのがホンマに内だとしたら…この灯台まで連れて帰るべきなんやろか…)
その戸惑いがさっきの丸山の言葉に返事をさせなかったのだ。

(何、そんな先のことまで気ぃ回しとんや…まず内見つけてから悩めや)
首を振って水野は森を進みはじめた。
696ユーは名無しネ:02/02/12 20:15
2人に戻った灯台組で1つ行きます。
>695
 最上階に戻った丸山隆平(37番)は
出たときから姿勢を変えていない田中大樹(26番)を目にして溜息を一つつくと
あえて明るい声で尋ねた。
「まだ誰か来んのか?」
「いんや、出てった奴なら居るけどな」
双眼鏡から目を離さず田中は答えた。

「1時間替わるか?」
丸山は田中の肩に手を置いた。
「そやな、そのブーメラン楽しそうやし」
双眼鏡とブーメランを交換すると田中は初めて笑った。
「…落としたら、自分で拾いに行くんやで」
双眼鏡から目を離さず丸山は言った。

「判っとるって♪」
698ユーは名無しネ:02/02/12 20:43
議長こと村上信五(40番)行きます。1つで間に合う…はず
(何てことや…)
 A-07エリアのシェルターに入った村上信五(40番)は静まりかえったその内部に落胆した。
(計算が狂ってもうた…)
 中にはシアターもどきを遙か前に出発した渋谷すばる(20番)と錦戸亮(30番)が打ち合わせ通り、
村上を待っているはずだった。
そして横山裕(42番)が、まもなく村上を追うようにこちらに来るはずだ。
(どこで行き違ったんや)
 ここに来れば3人に会える…その一心でここまで急いで来たのだ。

 ふと床の片隅にナップザックが落ちているのに気づく。いや置いてあった。
 外から完全にカモフラージュされているこのシェルターが他の人間に見つかるとは思えない。
(すばるたち…やっぱりここに来てたんや…)
ナップザックの脇の床に何かが殴り書きされている。
 しゃがみこんでナップザックを脇によけ、よく読む。
--スグモドル。リョウ--
(すぐ戻る。亮)
 かなり乱雑だが錦戸の筆跡だ。少なくとも錦戸はここへ来ていた。
何らかの理由でここを離れたのだ。
 一人分にせよ荷物がそっくりそのままということはすぐ戻るつもりがあるということだ。
(待つしかないか。ヨコが先に来るかもしれへんけど、順番はどうでもいいやん)
 村上は立ち上がった。無人のシェルターの中で一人立ち続けた。
700ユーは名無しネ:02/02/12 22:12
お待ちかね(?)
ついに最後の参加者、後藤大祐(18)の登場です。
1回かな?
「…やっぱり、あのあたりに入り口があんやな」
不意に視界から消えた村上信五(40番)にそう確信した後藤大祐(18番)は唾を飲み込んだ。
 組んでいた中嶋慶介(28番)と高杉政治郎(23番)が、
渋谷すばる(20番)と錦戸亮(30番)を追ったとき、
打ち合わせ通り後藤はここに残った。
 その間に村上と横山裕(42番)がこちらに現れる可能性を考慮したのもあったが
自分の武器を修羅場でうまく扱える自信がなかったからだ。
 後藤の武器は吹き矢だった。おまけでついている毒は既にセット済だ。
《内海メモ》によれば当たれば即死間違いなし
--南米アマゾンに生息する毒ガエルの猛毒--フグの毒の数千倍の毒性があるらしい--だそうだが、
そもそも当たらなければ仕方がない。
 中嶋も高杉も武器は飛び道具だったので、あえて後藤が吹き矢を使う必要はなかったのだ。
(結局、実地で練習するしかないんやけど)
そうこうしていく間に視界にちらほら村上が見え隠れし、慌ててまごついている間に見失ってしまったのだ。
 あえて村上を探しにあそこへ向かうのも間抜けだ。その間に横山がここへ現れるかもしれない。
もし二人に見つかったら不意打ちにならない。近くで見つかったら飛び道具の意味がない。
 遠すぎても当てる自信がない。
(何しとるんや…早う早う、帰ってきてくれ…)
 中嶋と高杉が渋谷と錦戸を連れて戻ってくるのを後藤はとにかく待っていた。
 中嶋も高杉ももう戻ってはこないことなどそのときの後藤には知るよしもなかった。
702ユーは名無しネ:02/02/12 23:53
灯台がなんか切ないことになってる・・・
「別れはしばし」に期待したい気分です
℃もヘンリーもやる気な分、圧倒的にごっぴ不利?
なんか書き散らかした感想ですみません
703ユーは名無しネ:02/02/13 12:16
よかった、ごっぴ出てきた・・・。
嬉しいです、ありがとう!
704ユーは名無しネ:02/02/13 20:18
ときどき書いてる職人なんですが、
最初のバス職人さんとかシアター職人さんとかってまだ書いてらっしゃいますか?
今の展開ってどんなもんでしょうか? 当初の予定と比べてどうなんでしょ。
ちょっと興味がありまして。
705ユーは名無しネ:02/02/14 01:04
>704
シアターやエントリー部分を何人かを書きました。
その子達はわかりやすいキャラだったのか、各職人が書いたリレーで
ほとんど違和感がなかったです(笑
自分が動かしたりこれから動かしたいと思っている予定の子に限って言えば
今の展開は当初の展望やその後の予測からそんなにずれてはいないです。

職人としてではなく、読者として意外な展開と思ったのは大堀と福原です。
706ユーは名無しネ:02/02/14 06:17
>704
私もシアター部分やエントリーを少し書きました。
関ジャニとか関西弁どころか内海も大石も知らなかったので違和感なく書けてたか不安ですが(w

主要キャラというか当初から主人公だと思ってた大堀があっさり殺されたのにはびっくりしました。
707ユーは名無しネ:02/02/14 23:04
>704
バスからシアターにかけて書きました。
今は、他の職人様方が進めて下さってるので
安心して隠居し、完全ロムラーです(笑

意外というならば、すべてが意外な展開です。
当初の予定など、あって無きが如しですしね。
708ユーは名無しネ:02/02/15 06:22
>707
あ、バス職人さんがついに降臨。最初に進めて下さってありがとうございます。
「当初の予定」ってのがとても気になりますが(笑 まあおいおい
とにかく職人総出で先に進めますか。
本家リレー版もとうとうラストスパートですよね。
あれ、嵐進行と黒幕と真相とラストスパートかけてる職人さん、全員違うそうで
まさしくリレー進行の勝利ですよね。負けないように精進しますか
709ユーは名無しネ:02/02/15 16:27
職人さん!いつも楽しく読ませていただいてます。
プロ顔負けの文才ですね〜。これからもがんばってください☆
710ユーは名無しネ:02/02/16 17:07
>709
あまり余計なものつけて書かないほうがよいと
思われます。
711ユーは名無しネ:02/02/16 19:25
沢木哲こと呉村哲弘(17番)で1つ行きます。
呉村哲弘(17番。“沢木哲”)は、E-06エリアの海に面した洞窟(鍾乳洞)に身を潜めていた。
捨てることができないかさばりもの(迷彩ナップザックの中にまだ入っている)を抱えながら
何とか誰にも会わずにここを見つけたのだ。

鍾乳洞はずっと奥まで続いているようだが、奥を探検する気にはなれなかった。
忌まわしいが必要な島内放送が聞こえない恐れもあったし、外界が見えるところには留まっていたかった。
何だかんだいっていずれ誰かと組まなくてはならないだろう。

 自分の“武器”はあまりにも「はずれ」過ぎる。
信頼できる仲間を見つけ、こいつを有効に活用してもらわないとならない。
(できれば俺に鉄砲か何かを任せてもらって、主導権を握っときたいんけど、
そないに都合良く事態が進むとは限らんしな…)
少なくとも3日目の最後の瞬間までは、仲間が必要だ。
 しかしどうしても仲間を捜すために外に踏み出す勇気が出ない。
(ここでグズグズしてる間にも味方になる奴らが殺されてるかもしれん。どないしたらいいんや)
713ユーは名無しネ:02/02/16 19:32
田中純弥(25)を動かしてみます。1つだけ。
田中純弥(25番)はE-05エリアの茂みを細かく移動して隠れながら原生林を進んでいた。
自然のままの熱帯雨林なので踏みしめる苔にしっかり靴跡が残ってしまう。
隠れているつもりになっているのは無意味だと自分でも気づいていたが仕方がない。
危険は承知でそれでも自分は動かなければならない。
じっと待っていても北山純一(15番)と野中和久(32番)とは合流できない。
村上信五(40番)と横山裕(42番)も探せない。

昼の放送は聞いている。落合兄丞(13番)の他に大西由郎(10番)も殺されたらしい。
ということはこの島で歩き回っているのは自分を除けば38人以下。
誰かと会ってそれが探している4人の誰かである確率は10%以上(?)、決して少ない確率ではない。

(いっそのこと一発だけ、弾けさせたろか?)
左手に握りしめた手榴弾の感触に田中は思った。取扱説明書は熟読した。あとは実践のみだ。
(何か目立つこと起こせば、何人か集まってくるかもしれんしな)
集まってくるのは敵かもしれない。そのリスクは大きいが逆にこの状況は打開されるかもしれない。
しかし田中が持っている手榴弾はこれも含めて9発しかない。おそらく補充は望めないだろう。
(残り8発もある。残り8発しかない。うーん考えどころやな)
715ユーは名無しネ:02/02/16 23:01
ヘンリーこと横山裕で3回ほど行きます。議長と再会…
「(おい、俺や)」
ようやくA-07の隠れ家に入った横山裕(42番)は囁き声で呼びかけた。
緊張する。初めて人を殺したときよりもずっと。もしも誰もいなかったら…

「…ヨコ?」
奥から呼びかけに答えたのは村上信五(40番)だった。
「ヒナ…無事だったんやな」
村上を見た横山の声は柔らかかった。シアターを出て初めて出す親しげな声。
しかしこれまでの緊張のあまりか、努力はしたが自然な笑みは浮かばなかった。

「…オレはな」
答える村上が浮かべる笑顔もどこか引きつっていた。
 
 不意に横山は自分がショットガンの銃口を村上に向けていたことに気づいて、笑って銃身を下げた。
「えらくごっつい武器やな」
「くじ運よかっただけや。それより亮ちゃんたちは?」
「こっち来てみ」
村上が指さしたところに
荷物が転がり、床に文字が大きく殴り書きされている。
村上の脇を通り、横山はそれをそれを覗いた。
--スグモドル。リョウ--
(すぐ戻る。亮)
>716
「一体、どこ行ったんや?」
「さあ…」
「それよりヒナ。お前センターで…」
振り返ると風を切る音…横山は衝撃を感じた。

「ゴメン!ヨコ…ゴメン!」
(ヒナ…?)

天井が見えた。壁が下に見える。
(あれ、俺倒れたんか?)
痛みはなかった。ただ熱かった。

横山は理解した。大体を理解した。おそらく間違っていない。
(多分、もう神経やられとるんやろ。別にどうでもええ。もう助からんし)

村上が泣いているのだけは判った。泣きながらで謝っていた。
(ヒナ…血塗れやんか。俺の返り血なんやろな)

ゆっくりとスローモーションのように回りの情景がはっきりと見えていた。
すべての動きがはっきりと捉えられる。しかし自分の体と動きはそれに追いつかなかった。
村上は謝りながら横山を「叩いて」いた。
右手で振るわれるトマホークの刃が風を切り横山の血と脳漿を散らしていた。
(それがお前の武器やったんか…)
>717
「勘弁してぇな。ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!」

トマホークは、北米ネイティブインディアンの武器である小型の投げ斧である。
投擲武器でもあるが、勿論、近接戦闘に使ってはならないことはない。
遠距離から攻撃するより、近くでの確実なダメージを狙ったのだろう。
直接握って攻撃すれば確かに外す心配はない。
>718
「ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!」

(判っとる。家族なんやろ?ヒナ。判っとる。
ただ…俺かて家族にもう会えないのは嫌や。悔しい。悲しい。けど仕方ないか。
俺、死ぬんやし)

「ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!
ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!ゴメン!…」

(謝んなくてもいいんや、もう。恨みっこなしや、もう。
俺ら覚悟してたやんか、最初から。殺されるの…お前にでよかった…)

【エントリーNo.42 横山裕 死亡(享年20歳07ヶ月) 残り29人】
720ユーは名無しネ:02/02/16 23:19
議長こと村上信五(40)で2つほど行きます。
>719
ふらふらと横山裕(42番)から離れた村上信五(40番)は
心ここにあらずといった体たらくで首に巻いたタオルをむしり取ると上半身に浴びた血をぬぐった。
しかし被った血の量にはとても追いつくはずもなく、赤い染みをこすって広げただけだった。

「…見とったか?」
嗄れた声で絞り出すように村上は呟いた。
『よくやったぞ、ヒナ』
村上の喉から響いたのは内海光司の声だった。

 イヤホンとマイクはそもそも原理と構造は同じである。
イヤホンジャックにマイクを差し込めばイヤホンになるし、
逆にマイクジャックにイヤホンを差し込めばマイクになる。
 中央管制室で切り替えれば首輪の集音盗聴器は増音マイクになるし、
また少しの操作で中央管制室からの受信マイクとして働くのだ。

『家族も喜んでいると思うよ。首を長くして生きてるお前を待ってる』
「…信じんで。あんたの言うことなんか信じんで。あんたらはオレら騙したやんか。
言う通りにしたら家族は助ける言うたやんか。もう信じんで!」
『それでもお前はオレの言うことを信じて従う。信じたいだろ? 信じるしかないよな、もう』
>722
 人質にされていた家族がなおも解放されていないことを知った村上は、
錦戸亮(30番)たちとの合流計画を内海にバラした。
渋谷すばる(20番)を、錦戸を、横山を売ったのだ。
 自分の命惜しさからではない。自分が死ぬこと、殺されることは受け入れる。
それがせめてもの償いと村上は覚悟していた。
 しかし内海はそれでは満足しなかった。さらに…

『凄いよな、ヒナ。お前は知らないだろうけど、ヨコは割と人気高かったんだぞ。
俺たちの中にゃ結構大損で泣いたのも多いんだよ』
「ヨコの…ヨコの家族はどうなるんや?」
『…ヨコの家族の心配をするぐらいなら、そもそもお前はヨコを殺すべきじゃなかった。
お前はひどい奴だな。ヒナ』
 村上の目がさらに大きく見開かれる。その目には大粒の涙が見る見るうちに溜まっていった。
(ゴメン…ゴメン…ヨコ…最低や。オレって最低な奴や…)

『ヨコみたいになりたくないよな、ヒナ。生きて家族と会いたいよな。優勝したら会えるよ』
「ウソや。ウソや! アンタらウソツキや!」
『ぶっちゃけた話、俺たちは生き残った奴しか用はないんだよ。
死んだ奴の家族なんて生かしといても面倒なだけだし』
「お母ンに手ぇ出したら殺すで」
『それなら頑張れ。死んだら仕返しできないよ』
村上の答えはなかった。ただ啜り泣く声だけがあった。
『ついでにこれはサービスな。表に隠れている奴がいるぞ。すばるでも亮でもない』
723ユーは名無しネ:02/02/16 23:27
野中和久で1つ行きます。2つになるかも
>722
 A-07エリアの茂みの中で野中和久(32番)は震えていた。
汗ばむ手で掴む首輪探知機の画面で【42】の色が赤に変わった。
(嘘や。嘘や。どうなってるんや…)
その隣の【40】の数字は緑のままだ。
(ヒナがヨコを? どうなってるんや! あの二人は組んどるんやなかったんか!?)

 村上信五(40番)も横山裕(42番)もシアターもどきから、
このA-07エリアの隠れ家(?)までほぼまっすぐにやってきた。予め打ち合わせしているとしか思えなかった。
まさかわざわざ村上に殺されに横山が来たとも考えにくい。
(ヒナが…裏切ったのか…)

それはある意味真相に近かったが、もちろん野中には込み入った裏事情は判るはずもない。
自分や田中純弥(25番)とつるんでいた村上が人を殺した。その衝撃に耐えるだけで手一杯だった。

「…!?」
 画面の【40】が素早く震えように移動した。
同時に遙か遠くに何かを抱えた村上が躍り出た。
「おぉら、そこ! 隠れとるのは判っとんじゃあ! 相手したる。出てこいやあ!」
村上は涙声で怒鳴ると上空めがけて続けざまに2発発砲した。
森と茂みにパラパラと砂を撒く音がしたかと思うと
何者かが「ひゃあああ!」と叫び声を上げて茂みを掻き分け逃げていった。
画面から遠ざかる緑色の【18】を見ながら野中は安堵した。
みるみる離れていく後藤大祐(18番)を追うこともなく村上はそのまますぐに姿を消した。
(驚かすな。見つかったかと思ったやんか)

たぶんあれはショットガン(散弾銃)。おそらく横山の武器だろう。
これで容易には村上には近づけない。
(…どないしたらええんや)
状況があまりに変わりすぎて、野中は混乱していた。
725722:02/02/16 23:33
722 :関西リレー194@サービス :02/02/16 23:25を書いた職人ですが
レス番号間違えました。
誤)>722
正)>721
…でした。大ボケスマソ。
726ユーは名無しネ:02/02/16 23:34
中央管制室で1つ行きます。
>724
「特定対象への過干渉はルール違反ですよ」
「インチキしようとしたのはあいつらが先だろ? 他とのバランスとったんだよ」
大石恵の抗議を内海光司は軽く受け流した。

「別に、その場で首輪を4つ爆発させてもよかったんだ」
胸ポケットから取り出したリモコンを回転させながら内海は不敵に笑った。
「…ただゲームのことはゲームに沿って解決するのが粋だからね」
「何でヒナちゃんなんですか?」
「ヒナだからだよ。ヨコや亮が、ましてやすばるが素直に動くと思う?
面白いほど可愛い奴だよ♪。ヒナ」
「……」
「すばると亮を始末させたらあとは好きにさせるさ。それでハンデもボーナスもなしだ。
うまくいかなくてヒナが殺されても多分あいつらの悪巧みはジ・エンドだし。それでいいだろ?…おっ!」
 大画面を見た内海は傍らのマイクを引き寄せた。
『すばると亮が隠れ家に戻ってくるぞ。マイク隠しとけ。掃除しとけ。じゃあな。ウエッサ〜イ!』

40番からの盗聴音声は再び途絶えた。あとは画面に映る数字の変化で推し量るしかない。
728ユーは名無しネ:02/02/16 23:38
>721-722
すみません、内海は村上のことは
「ヒナ」とは呼びません。
各職人様、「村上」でお願いできますと嬉しいです。
729722職人:02/02/16 23:43
>728
おお、そうですか。ご指摘ありがとうございます。

…というわけで722以降は脳内読替で、各職人様、以降「村上」でお願いします。
ついでに確認ですが、すと℃はどうですか?
やっぱり「渋谷」「錦戸」「横山」でしょうか?
…ていうかKYO TO KYO関係の呼び名全部確認すべきかも…(w
730722職人:02/02/16 23:47
恥かきついでに関ジャニナイトで大石恵は各Jrをどう呼んでいたんでしょう?
不自然なところありませんですか(ありすぎのはず(w)
後学のためにちょっとご指摘願います。
731728:02/02/17 00:24
内海は、どのJrに対しても名字呼び捨てでした。
錦戸に関しては、内海との接点はありませんが、
名字呼び捨てでいいかと思います。
恵ちゃんは、同じく名字にくん付けでした。
732ユーは名無しネ:02/02/17 01:29
>718-719が荒らしかと思ってびっくりした。
(小説としてはアリと思います。でもここ2ちゃんだからつい…)
あううヘンリー…(涙目)
733ユーは名無しネ:02/02/17 11:05
まっさか議長がヘンリーをやってしまうとは・・・
これが伏線の正体だったのか?
すごい驚いたけど続き気になってしょうがないよ
734ユーは名無しネ:02/02/17 20:15
>727 とうとう「ウエッサーイ」放送出ましたね。対象一人ですが。
これが放送にに...
735ユーは名無しネ:02/02/17 21:12
>731
>内海は、どのJrに対しても名字呼び捨てでした。
(中略)
>恵ちゃんは、同じく名字にくん付けでした。

すいません、関ジャニナイトとか観たことないので確認なんですが
田中大樹と田中純弥はどう呼び分けられていたんでしょうか?
736ユーは名無しネ:02/02/17 21:36
>735
内海も恵ちゃんも、関ジャニナイト・ナンジャニカンジャニに
出ていたジュニアしか呼び方わかりません。
(横・ヒナ・すばる・純弥・北山・野中・大堀・呉村・魚谷・・・このあたりがメインだったので)
呼び分けは職人さんの判断でフルネームとかでいいと思われます。
737ユーは名無しネ:02/02/21 15:46
職人さん方続き期待してます・・
738ユーは名無しネ:02/02/21 19:10
ええと今川晴司の“武器”関連で・・
関西Jrで煙草全く吸わない、あるいは吸いそうにないJrって言ったら誰がいますか?
(さすがに浜中は吸わないと思うけど、判らないし)
逆に煙草吸うためなら人殺しもしそうなJrってあのメンバーの中にいますか?
739ユーは名無しネ:02/02/21 20:01
タバコ吸わない人→大倉&丸山
740ユーは名無しネ:02/02/21 20:41
>739
ううむ、ブンちゃん含めて42名中吸わないのは大倉と丸だけか・・これほどまでとは・・
ま、煙草好きな奴ほど銘柄にこだわりそうだけど・・
741ユーは名無しネ:02/02/22 23:45
ちょっと進めますか。℃と議長合流…
錦戸亮(30)で4つほど行きます。
>727
 錦戸亮(30番)が息せき切って隠れ家に戻ると、
そこには村上信五(40番)が待っていた。

「どこ行ってたんや? 心配したんやで」
そう言って村上はトレードマークとも言える八重歯を見せて笑った。
 その笑みが凍り付いたのに錦戸は気づいた。
「ああ、これ? ちょっと邪魔が入ったんで片づけたんや。もう心配いらん」
既に乾いて黒ずんでいるシャツを広げてみせて錦戸は笑った。
「村上君も派手にやったみたいやん」
「ああ、まあ…」
 村上の上半身もまた茶に染まっていた。
 水浴びして髪がまだ乾いていないのか垂れている。
 樋を伝った雨水を貯めてあるとはいえ、この状況下では大切な資源の浪費だ。
まあ一日目だ。この場は見逃すことにした。
 何にせよ村上の首にはタオルが巻かれている。
ここでの会話が中央管制室に届くことはない。

「ホンマ、合流するのも一苦労やね。あ、俺、トイレ…ちょっとチビリそうなんや」
村上の横をすり抜けサブマシンガンと火縄銃を脇に立てかけると
トイレの前に立った錦戸はトイレの扉に手を掛けた。
>742
 扉を開いたとたん錦戸は声を失い目を見開いた。
中に座らされ、いや立てかけられていたのは、
かつては人だったものの赤黒い残骸--見え隠れしている衣服の色からして横山裕(42番)--だった。
錦戸の瞳孔と視界が一瞬狭まった。

 振り返って叫ぶ。
「何でや!」
 刹那、その顔のすぐ脇を赤黒い刃が一閃した。
 わずかの差で錦戸は即死を免れた。
 扉の横のサブマシンガンを取るのを優先していたら、
受けていたのは間違いなく致命的な一撃だ。

「スマン!亮ちゃん。死んでくれや!」
血塗れのトマホークを振り上げながら村上は怒鳴った。

(何でや! 何でこうなったんや!?)

謝りながら村上はトマホークをめちゃめちゃに振り回す。

(内海か? 俺が出てってから内海に何か吹き込まれたんやな…)
素手をめちゃめちゃに振って村上の攻撃を牽制しながら
次々と疑念が渦巻き錦戸の頭は混乱していた。
>743
(どうしたらいい? どうしたらええんや!?)
 認めたくない。認めたくないが錦戸の計画は今や水泡に帰したのだ。
 さしあたって今確かなことは村上に殺されかけていることだけだ。
 その時生じた戸惑い。わずかなタイムラグ。その間隙を縫って村上の指が錦戸の胸倉を掴んだ。
逆の手に握られた赤黒いトマホークの刃が高く振り上げられたのを錦戸は見た。

(あかん!殺られる!)
その瞬間、衝撃と共に錦戸も村上も吹き飛ばされた。
横に数回転するや素早く錦戸は起きあがった。既に村上の手から離れている。
 さっきの場所に向き直るとそこには顔を真っ赤にした渋谷すばる(20番)が立っていた。
つい先刻シェルターに戻った渋谷は錦戸を殺そうとする村上を見るや、咄嗟に跳び蹴りを喰らわせたのだ。
>744
「ヒ…ナ…! オ…オンドレ、何をしとんのや!」
荒い息でむせつつそれでも渋谷は怒鳴った。
「スマン! すばる」
飛び起きあがった村上はそのまま渋谷にトマホークを振り上げる。
ライフルを捨てた渋谷は村上の両手を真っ向から掴んで受け止めた。

「こんのドアホ! 狂ったんか、ヒナ!」

「ゴメン!ゴメン!ゴメン!」
泣きっ面の村上は怒鳴りながら脚払いをかけ渋谷を押し倒す。
村上が馬乗りになる寸前、その腹を渋谷が膝で蹴り上げてひっくり返した。
 転がり、蹴り合い、頭突きもし、床に互いの両手を拳を叩きつけ、
それでも二人の手はのり付けされたように離れない。
 トマホークも村上の手に握られたままだ(というよりその上から渋谷が握りしめているのだが)。
 技も見栄えもひったくれもない。力対力。単純なる命がけのもみ合いだった。

「…何やっとるんや!?」
村上の頭突きで鼻血を出した顔を錦戸の方へ振り上げて渋谷が叫んだ。
「早よ逃げろや! 今、押さえとる間に!」
「あ…ああ…」
我に返った錦戸は転がるようにシェルター外へ飛びだした。
混乱のあまりライフルもショットガンも拾い上げることも忘れて…
746ユーは名無しネ:02/02/23 23:05
D-05エリアのやっさん行きます。2−3回予定。
>602
 一休みにも飽きた安田章大(41番)は家捜ししたがめぼしい物は何も見あたらなかった。
吊り棚にはいくつもの精霊のお面、なにやら多量の飾りがついた棒
--安田は知らなかったが島の祈祷師も兼ねていた酋長の呪い棒である--、
ボロボロに腐ったシャツや腰簑、朽ちかけた木製の皿などがあったが
安田が持ち出そうと思えるようなものは何もなかった。
(一体、誰が住んどったんや…)
溜息をつき、今度こそこの廃屋に飽き飽きした安田は場所と気分を変えることにした。

 廃屋の回りには朽ちて壊れた柵の残骸ががいくつも落ちていた。
かつてそこで飼われていた豚や鶏は今はとっくに他の島に移されるか食べられるかしていた。
しかしそんなことはもはや無意味だった。
意味があったのは安田が去った廃屋ではなく、その下に隠されていたのだ。

 この高床式の古ぼけた木造家屋が酋長の屋敷跡だったということは安田は知らない。
さらにその床下の地面に隠し扉があったのにも安田は気づかなかった。
その中に何が隠されているのかも…
 唯一それを知っていた横山裕(42番)は既にこの世にはいなかった。
>747
 歩き疲れた安田は道端(そう安田が感じただけで実際は草木障害物がないだけの単なる開けた場所)に
腰掛けるのに丁度いい大きさの石を見つけ休むことにした。
 そこへ弱り目に祟り目とはこのことか、ぽつりぽつりと雨が降り始めた。
 一度、腰を落ち着けてしまうと雨宿りにそこの木陰まで歩いていくことさえ億劫になってしまった。
(そや、こいつに何か入っているかも…寝袋か毛布だけにしてはかさばるし…
傘か合羽でも入っとらんかな)

 初めて口を開けてみた迷彩ナップザックにはぎっしりと発泡スチロールのクズがつまっていた。
「何や?これ…」
手を突っ込んでかき回すと何か堅いものに当たった。
しかもなんか重い。
「何やろ…」

 この感触からすると丁度握れるようになっている。
好奇心も半分あって思い切って引き抜いてみることにした。
勢いよく引き抜いた反動で安田は後ろ向きにひっくり返った。
「おわっ!」
安田の手にあったのは刃渡り50cmの葉刀--いわゆるカンフー映画などに良く出てくる青龍刀--だった。
…とその直後、青龍刀に何かがぶつかり火花が飛ぶや何者かが驚きの叫びを上げた。

(何や! 何が起こったんや!?)
パニックになりつつ落としかけた青龍刀を構え直し、安田が起きあがると、
そこには長さ60cmの金属棒を手にした粟島瑞丸(01番)が尻餅をついていた。
749ユーは名無しネ:02/02/24 00:52
続きが気になります〜!職人さんがんばって!!
750ユーは名無しネ:02/02/25 22:33
視点を変えて粟島瑞丸(01)で1つか2つ行きます。
751関西リレー203@チャンス!:02/02/25 22:34
話は数分前に遡る。
たなびく煙の源を求めてD-07に向かっていた粟島瑞丸(01番)は、
進む先に人の気配を感じて物陰に隠れた。
雨も降り始めたのは気配を隠すのには好都合だ。

慎重に身を隠しながら先の様子をうかがうと石に座った安田章大(41番)が、こちらに背を向けている。
何やら荷物を漁っているらしい。そのせいかこちらには気づいていないようだ。
(…チャンス!)
願ってもいない不意打ちのチャンスだった。
注意深く忍び足で安田の後ろに近づき、特殊警棒を構える。

「何やろ…」
後ろに迫る危機に何も気づいていないのか安田が独り言を言っている。

(シアワセな阿呆…気づかんうちにもっとシアワセになれ!)
安田の後頭部めがけて思いっきり振るうや20cmから60cmに伸びた特殊警棒が唸りをあげる。
「おわっ!」
安田が前触れなく後ろ向きにひっくり返り、
粟島の特殊警棒は突如出現した青龍刀にぶち当たり火花を散らした。
「うわあああ…!」
はじき飛ばされた特殊警棒を手にしたまま、粟島は尻餅をついた。

(何や、俺がおるのに気づいとったんか!)
これは油断ならない。
起きあがり青龍刀を構え直した安田を見るや粟島も慌てて立ち上がった。

(しもた!早まったか…)
 すべて偶然の出来事だったとは粟島は気づかなかった。

(今更、やり直しは利かん。こうなったらこのまま勢いで押し切るんや)
粟島は特殊警棒を振り上げて突進した。
752751の馬鹿職人:02/02/25 22:36
ageちまったぜ。逝ってきます。
皆様sage進行に協力を。
753ユーは名無しネ:02/02/25 23:19
安田章大(41)で2つほどいきます。足りなきゃ3回かも
>751
 立ち上がった粟島瑞丸(01番)が金属棒を振り上げて突進してくると、
安田はあわてて青龍刀で振り下ろされた棒を受け止めた。
 火花が散り、青龍刀で受け止めた衝撃がびりびりと両手の骨まで響いた。
(これはおふざけやない。本気や…何?それじゃ、ひょっとしてさっき、俺は殺されかけたんか?)
今更のように背筋がぞくっとする。安田がさっき死ななかったのは単なる偶然なのだ。

「おぉ〜りゃあぁあぁああ!」
なおも粟島が雄叫びをあげて棒で滅法に打ちかかる。
対する安田は青龍刀を振るってそれらを懸命に弾いていたが、受けている内にだんだん腹が立ってきた。
「あぁあ!? 何や、やる気か、こら! ええ根性しとるなジブン」
思いっきり凄みを利かせ(たつもりで)安田は怒鳴った。
自分の甲高い声では効果半分と判ってはいたが気になどしてられない。
(気迫や)
何とか青龍刀の動きを止めて粟島を睨みつける。
(気迫や)
粟島も何か感じ取ったのか金属棒の動きを止めた。
安田を睨む血走った目に戸惑いとも怯えともつかぬ変化が見えた。
(来るなら来いや。やったる。やったる…)
粟島は安田と青龍刀をしばらく交互に見て一瞬目を泳がせると…いきなり背中を見せて走り出した。

「あ…おい、こら、待て!」
粟島は安田の声に振り向きもせず、途中で自身のものであろう荷物を引っ掴み、
そのまま茂みをすり抜けて姿を消した。
>754
「何やこら、逃げるんかい!」
我に返って叫んだ安田章大(41番)は追おうとしたが…足が動かない。膝が笑っていた。
ただ雨の音以外は何の音も聞こえない。
「お…俺…助かったんか…」
思わず口から出た言葉。しかし心の声が「違う」と答える。
目が涙で滲む。
(助かったんやない。『命が延びた』だけや…)
思わず触れた首輪は雨に濡れたせいかさらに冷え切っていた。
ふと安田は思いだした。
 今、襲ってきたのは偽シアターで怯えまくっていた粟島瑞丸(01番)ではないか。
確か村上や横山たちと同期だったっけ。
(あの人もやる気になったんやな…)

 何もかも変わっていく。
「ホンマなんや…殺し合いなんや。ドッキリやなく」
(ドッキリやったらよかったのに)
しかし背後から現れたのはプラカードを持った内海光司ではなく、
粟島の武器はピコピコハンマーでもハリセンでもなかった。
 思い出したように首輪にもう一度触れる。冷たい。これが現実だ。
ついている水滴から雨に濡れていることに気づくと安田は荷物を拾って木陰へと歩いた。
今、風邪を引くわけにはいかない。今ここで本調子でなくなるのは文字道理、命取りだ。

普段こんなに健康に気を使っていたか?
何もかもが変わっていた。音もなく。
756ユーは名無しネ:02/02/25 23:46
粟島ずいで1つか2ついきます。
>754
(失敗やった…)
もう誰も追ってこないことを確かめ、粟島瑞丸(01番)は立ち止まった。
荷物を落とし、荒い息を整えつつ特殊警棒を縮める。
(青龍刀と正面からってのは分が悪いやんか)
 不意打ちに賭けた。できるだけ慎重に行動したつもりだ。
しかし結果がすべてだ。今は特に。
(何とか不意打ちから決めたかったんやけど。しかもあれ青龍刀だったし…惜しかったな。青龍刀…
まあ、過ぎたもんは仕方あらへんやん)
 もしこれが失敗だとしても許される失敗だ。第一、粟島はあの場では死ななかった。
死ななければやり直せる。確かに相打ち覚悟なら安田を殺せたかもしれない。
しかし粟島自身が致命傷を負ったら意味がない。
無理に頑張ってあそこで安田に殺されればそれで終わりだ。
(リスクがでか過ぎや。もちょっとおいしい武器を手に入れんと、まだ冒険はできん)
 思い出したように空を見上げる。木々の隙間には灰色の空。
降り出した忌々しい雨によって煙をふき流されたらしい。

(まあええか。大体、あっちの方角やろ)
まだやり直しは利く。粟島は煙があったと思われる方向に改めて進むことにした。
758ユーは名無しネ:02/03/03 01:52
煙草ってどうやって武器にするんだろうと思っていた

青龍刀ってかなり重そうですね・・・頑張れやっさん(ずいも)
759ユーは名無しネ:02/03/03 21:13
ちょっと進めるため、℃で2つ行きます。
>745
(何でや…何でや)
 シェルターの外へ転がり出た錦戸亮(30番)は走りながら自問自答していた。
外には何時の間にやら冷たい雨が降っていたが今の錦戸はそんなことも気にしていなかった。
 大体、このゲームに終止、消極的だった村上信五(40番)が自分から積極的に殺し合いに走るとは思えない。
きっと内海光司(ひょっとするとジャニー喜多川自身)から直接アプローチがあったのだろう。

(…何で『俺』やないんや!)
自分たち4人の中で村上が選ばれた。錦戸は選ばれなかった。
それが何より悔しかった。
事務所と渡り合うために自分が必死で立てた計画がおじゃんになったことよりも。

(大体、俺はSecret Agent ManとしてCDも出しとるやないか。
CDデビューしとるやろ。何でデビュー扱いされないんや!)
 自分は選ばれた存在のはずだった。選ばれるべき存在だった。

 小中学と一緒だった今山透(04番)と一緒に入所オーディションを受けたときも今山は落ち、
錦戸だけは受かったのだ。…なおも再挑戦した今山も遅れて入所したが。

(コンでもいつもソロ歌ってた。殺しだって村上なんかより思い切りよくスマートにやれる。
声かけるんなら俺やろ。何で何で俺やないんや!)
 そう、そのことこそが問題だった。
 扱いやすさの観点から自分が選ばれず村上が選ばれたのだということに錦戸は思い及ばなかった。
>760
(こうなったらしゃーない。事務所のレール通りに動くのは癪やけど、自力で『優勝』するしかあらへん。
残りの奴らは…やっぱり皆殺しやな)
 可能性としては終止頭に置いていたが、いざそのことを決断すると、
さすがの錦戸もに血が上り興奮する。
コンサートではじめてソロで出たときを思い出した。

その時、紅潮した頬に冷たい雨滴を感じ、錦戸ははっとした。

(そやけど武器どないしよ…)
 あまりにも慌てていたため、サブマシンガンもライフル銃も、火縄銃さえ、
隠れ家に置いてきてしまっていた。背筋が文字通り冷たくなった。
(何てドジなんや、俺…アホ!アホ!俺のアホ!)
泣きそうになった錦戸だったが、ポケットにスタンガンをしまっていたことを思い出した。
おそるおそる取り出して凝視する。
…格闘戦は不利なことは最初から判っている。

 しかし今やるしかない。今、銃器を失うわけにはいかないのだ。このゲームで勝ち残るためには。
このまま捨て置けばあの十分過ぎる銃器は、すべて潜在的な敵の手に渡ってしまう。
それは考えられるうちで最悪に近い結果だ。

 幸い、今、渋谷すばる(20番)が村上と組み合っているはずだ。
お互いに押さえ組み合っている今なら漁夫の利が狙えそうだ。
…いわば最後のチャンス。(まだ間に合う!勝てる!)
 錦戸は素早く頭の中でシミュレートした。
時間もない。余裕もない。
 小柄な渋谷は錦戸と体格はほとんど同じだ。村上と拮抗できるのはせいぜい数分。
この瞬間にタイミング次第で3人の運命が決まる。
(いや俺一人の運命や。俺が切り開く。勝ち取るんや)
不敵に笑った錦戸は雨に少し濡れたスタンガンを服の袖口でよく擦って、ポケットに入れる。
そして早足で隠れ家に戻った。
762ユーは名無しネ:02/03/04 21:43
やっさんに青龍刀が渡って、これで武器は42種全部揃ったね。

>>684の表
>29:永田剛司(17歳02ヶ月)【大石により死亡】
>/*支給されず

のところ、寂しいから、用意されてた「妻夫木聡(ブッキー)の写真集」入れといて下さい。
>>574(関西リレー153@1日目14:00)参照
763ユーは名無しネ:02/03/05 00:15
>762
自分で書き加えて集計表の最新版をうpして下さい。
764sage:02/03/05 00:55
青龍刀のつかいかたってむずかしいよね。
765集計:02/03/05 08:31
ストーリー集計8(176〜200)
>>658 176@煙?2  …粟島ずい、D-06へ移動
>>664 177@ちょっとのんびり …今川、仕方なく禁煙中
>>668 178@仕事人  …小川の武器はピアノ線
>>669 179@誰でもいい  …小川、D-06へ移動
>>689 180@みっくん? …灯台組、みっくん発見
>>690 181@マル?
>>694 182@内知らんか?
>>695 183@別れはしばし  …みっくん灯台を出る
>>697 184@楽しそう  …ブーメラン♪
>>699 185@計算違い …議長、A-07の隠れ家に到着
>>701 186@全員登場 …ごっぴ登場
>>712 187@洞窟の入り口  …呉村、E-06の鍾乳洞に潜伏中
>>714 188@確率は少なくは…  純弥、手投げ弾使おうか思案中
>>716 189@ようやく会えた …議長とヘンリー合流
>>717 190@そして最後の武器  …議長強襲
>>718 191@トマホーク
>>719 192@謝んなくても …【エントリーNo.42 横山裕 死亡 残り29人】
>>721 193@見とったか?  …議長、内海とお話
>>722 194@サービス
>>724 195@驚かすな …ごっぴ逃亡、野中びっくり
>>727 196@バランス取り  …中央管制室では
>>742 197@トイレ  …℃、隠れ家に到着、議長と合流
>>743 198@何でや!
>>744 199@水泡  …ヒーローす、議長にタックル、℃救出
>>745 200@逃げろや!  …℃逃亡
766集計:02/03/05 08:33
>>151 集計1(1〜25)
>>367 集計2(26〜50)
>>368 集計3(51〜75)
>>479 集計4(76〜100)
>>480 集計5(101〜125)
>>608 集計6(126〜150)
>>680 集計7(151〜175)
地図(暫定版)ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
禁止エリア
1日目 14:00=F-03 16:00=A-04 18:00=E-07

粟島は安田を襲撃失敗、再びD-06へ。
小川・清水はD-06へ。
伊藤は移動中。
今川はどこかでのんびり。
今山は大倉と共にE-04を出てどこかへ移動。
内は森の中に潜伏。
魚谷は山頂ヘ。
梅阪はD-06で゛のろし゛をあげてしまう。
菊岡は混乱している。出会うとある意味危険。
北山は福原とニアミスするも、気付かず。
呉村は、E-06エリアの鍾乳洞に潜伏中。
後藤はA-07に隠れているのを村上に見つかり追い払われる。
高黒は内に襲撃されるも命拾い。C-06へ。
田中(純)は北山・野中を探してE-05エリアを移動中。
田中(大)・丸山は灯台で誰か来るのを待っている。
錦戸は村上に襲われるも逃亡、スタンガンを握りしめA-07の隠れ家へ(リベンジ?)
女寺は手裏剣の練習中。
野中はA-07の隠れ家を震えながら様子見。
浜中は移動した?
福原は壊れ中?。
牧山は原生林から移動した?
水野は灯台に立ち寄った後、内を捜索中。。
三宅は海へ。
村上はA-07で村上を惨殺後、渋谷と格闘中。
安田は粟島に襲撃されるも撃退。
767集計:02/03/05 08:35
01:粟島瑞丸(20歳03ヶ月)
/特殊警棒(20cm←→60cm)・大西のジャックナイフ
02:伊藤政氏(17歳02ヶ月。現役)
/果物ナイフ
03:今川晴司(20歳11ヶ月)
/タバコ1カートン(外国産)
04:今山透(16歳10ヶ月。現役。V-WEST)
/中華鍋・ゴマ油1リットル・刃渡り30cmの錆びた鉈(小屋で発見)マッチ棒20本(小屋で発見)他
05:魚谷輝明(21歳02ヶ月。「ルースドソール」所属)
/ツルハシ
06:内博貴(15歳02ヶ月。現役。V-WEST/vocal)
/オートマチック拳銃(9mm口径・残弾10発)、落合のモンキーレンチ
07:梅阪剛司(15歳04ヶ月。現役)
/火炎放射器(ガソリン1リットル・1回試用済み・使用範囲は約2m、1時間程度)
08:大倉忠義(16歳07ヶ月。現役)
/金属バット・蝋燭3本(小屋で発見)
09:大堂祐史(17歳11ヶ月)【横山により死亡】
/鉄鎖長さ1mほど(そのまま?)
10:大西由郎(21歳03ヶ月)【粟島により死亡】
/(刃渡り15cmのジャックナイフ(粟島に奪われました)
11:大堀治樹(17歳10ヶ月。現役。MAO)【塩田により死亡】
/(青酸カリ(→塩田→福原))
12:小川修平(19歳00ヶ月)
/ピアノ線(約1.5m)・革手袋(金属鋲付き)
13:落合兄丞(14歳03ヶ月。現役)【内により死亡】
/(モンキーレンチ(内に奪われました))
14:菊岡正展(16歳08ヶ月。現役?)
/濃硫酸入り特殊ファインセラミック製水鉄砲
768集計:02/03/05 08:35
15:北山純一(20歳00ヶ月。「JAVELIN HEAD」guitar)
/突撃銃(アサルト・ライフル)
16:木村廣太郎(19歳00ヶ月)【清水により死亡】
/金槌(そのまま?)
17:呉村哲弘(19歳04ヶ月。「鈍牛倶楽部」所属“沢木哲”)
/9mm口径弾の10発入りカートリッジ24個(240発)
18:後藤大祐(20歳11ヶ月)
/毒吹き矢
19:塩田修(21歳01ヶ月)【福原により死亡】
/(鎌(福原に奪われました))
(大堀の青酸カリ(福原に奪われました))
20:渋谷すばる(20歳03ヶ月。現役)
/大口径のライフル銃(床に落として村上と格闘中)
21:清水大輔(19歳09ヶ月)
/槍
22:高黒徹(19歳07ヶ月)
/防弾チョッキ
23:高杉政治郎(15歳11ヶ月)【錦戸により死亡】
/(火縄銃(錦戸に奪われました)
24:武藤雅博(19歳04ヶ月。)【福原により死亡】
/(9mm口径ワルサーP38(福原に奪われました))
25:田中純弥(20歳05ヶ月。「JAVELIN HEAD」vocal& sax)
/手榴弾9発
26:田中大樹(18歳00ヶ月)
/双眼鏡
27:土山俊樹(22歳09ヶ月)【横山により死亡】
/(S&W M-19および予備弾丸6発×2セット(横山に奪われました))
28:中嶋慶介(19歳03ヶ月)【錦戸により死亡】
/(サブマシンガン(錦戸に奪われました))
769集計:02/03/05 08:39
29:永田剛司(17歳02ヶ月)【大石により死亡】
/*支給前に死亡…妻夫木聡(ブッキー)の写真集の予定?
30:錦戸亮(17歳01ヶ月。現役)
/スタンガン・中嶋のサブマシンガン(隠れ家に落としてきました)・高杉の火縄銃(隠れ家に小屋に落としてきました)
31:女寺豊(21歳11ヶ月)
/手裏剣4種(棒・十字・卍・日輪)×5・毒らしき液体
32:野中和久(20歳03ヶ月。「JAVELIN HEAD」bass guitar)
/首輪探知機
33:浜中文一(14歳02ヶ月。現役)
/ボウガン
34:福原一哉(19歳06ヶ月。現役。MAO)
/刃渡り80cmの日本刀「村正」・武藤のワルサーP38・大堀の青酸カリ・塩田の鎌
35:牧山雄亮(21歳08ヶ月。「オフィスPSC」所属“友井雄亮”)
/導火線(長さ不明)付きダイナマイト7本・100円ライター1つ
36:松尾祐樹(22歳09ヶ月)【横山により死亡】
/メリケンサック(そのまま?)
37:丸山隆平(18歳01ヶ月。現役。V-WEST/bass guitar)
/ブーメラン(木製)
38:水野清仁(17歳09ヶ月。現役。V-WEST/lead guitar)
/鉄アレイ(ダンベル)
39:三宅将馬(16歳00ヶ月。現役?)
/登山ザイル(長さ5m)
40:村上信五(19歳11ヶ月。現役)
/トマホーク・横山のショットガン(渋谷と格闘中)
41:安田章大(17歳03ヶ月。現役。V-WEST/guitar)
/青龍刀
42:横山裕(20歳07ヶ月。現役)【村上により死亡】
/(ショットガン(村上に奪われました))、
(土山のS&W M-19、予備の弾丸6発×2セット(村上に奪われた?))
770集計(訂正):02/03/05 22:03
>>766
>村上はA-07で村上を惨殺後、渋谷と格闘中。

村上はA-07で横山を惨殺後、渋谷と格闘中。
…の間違いです。スマソ(自分殺してどうする…)
771ユーは名無しネ:02/03/05 23:27
集計お疲れ様です〜。
なかなか4時にならないなぁ…。
772ユーは名無しネ:02/03/06 05:57
>771
もうちょい待って…
773ユーは名無しネ:02/03/06 22:36
℃で3回ほど行きます。でもいいのかな?
>761
 シェルターの中では渋谷すばる(20番)が、仰向けの村上信五(40番)に馬乗りになって押さえていた。
といっても、かろうじてお互いに向かい合わせに両手で組み合っているといった方が
正しかったかもしれない。
トマホークは既に部屋の反対側まで飛んでいた。

「す〜ばる君♪ ご苦労さんやね」
忍び寄った錦戸亮(30番)が背中越しに声を掛けるや、
びくりと背を震わせた渋谷は驚きの顔で振り返った。

「アホ…行け、言うたや…!」
渋谷はその言葉を最後まで言いきることはできなかった。
スタンガンの青い火花が首筋にスパークしたのだ。
白目を剥いて痙攣し倒れ込む渋谷を押しのけ、
村上が起きあがるとそこにはスタンガンを手にした錦戸が不敵な笑みを浮かべていた。
 村上が反応するより早く錦戸の手が前に出た。
スタンガンが火花を散らし、村上も俯せに倒れた。

(やった…やったで…)
ここで安心してはいられない。
数分足らずで2人は気絶から覚めるだろう。
>774
(武器…武器や)
即座に2人を始末できる武器…錦戸はトイレの扉の脇を見た。
そこにサブマシンガンが立てかけてある、
(見とれ…)
サブマシンガンに手を伸ばした、そのとき、錦戸の足首を何者かが掴んだ。
(えっ?)
驚きのあまり声も出ない錦戸の反応を待たず、手の主は錦戸を引きずり倒した。
(…なっ…!?)
錦戸の手から転がり落ちたスタンガンが壁際まで滑っていく。
 倒れた錦戸に素早く馬乗りになったのは顔中血だらけで膨れあがっている…村上信五だった。

 錦戸はおろか、村上自身も何故気絶しなかったのか判らない。
短時間の連続使用のため、2回目の電撃は電圧が下がり、村上を気絶させるのには十分ではなかったのだ。
その理屈を村上自身が理解する必要はなかった。
気絶したフリをして錦戸の油断を誘う--村上に必要だったのはその機会を見逃さず活用することだった。

「わぁああああ」
混乱しつつも錦戸は両拳を振り回し、村上の顔を嵐のように殴りつける。
一切手加減はできない。殺す気でやらなければ、体格に優る村上を自分の上からどかせられない。
殴られ続けた村上の目に赤い光が宿った。
錦戸から目を離さず顔を静かに横に向けると口から何かを飛ばした。
乾いた音を立てて折れた歯が床を転がった。
 それが合図だった。
うって変わった猛烈な勢いで村上が錦戸の頭や顔を殴り返す。
強烈な衝撃と鈍痛がひっきりなしに錦戸の頭を襲った。
どこが殴られているのかもはや痛覚が追いつかない。
>775
(あかん…気が遠くなってきた…)
脳震盪?…落ちる?…このまま落ちたら…殺される!
「む…村…」
もはや恥も外聞もない。
命乞いでも何でも…しかし声が出ているのか頭で思っているだけなのか自分でももはや判らない。
 手が動かない。
両手首ともいつの間にか村上の左手に掴まれ、頭の上で床に押さえられている。
血だらけの村上の右拳はなおも殴るのをやめない。

「…ゴメン!…ゴメン!…ゴメン!」
この遠くから響いてくるような微かな涙声は村上…?
もしかしたらずっと謝っていたのか…
(謝るぐらいなら…殴るな…というか殺さんでくれ!)
--だめだ。…舌がもつれて喋れない。

(ああ…落ちる…死ぬ…殺されてまう…)
苦痛はもはやなかった。錦戸は意識を失った。
777ユーは名無しネ:02/03/06 23:48
771>772
急かしてゴメン。好きなように書いて下さい〜。
℃氏にそうだね…ドキドキするよ。
778ユーは名無しネ:02/03/07 07:00
>>764
>青龍刀のつかいかたってむずかしいよね。

結構、力任せで扱えば、訓練いらないらしいですよ。
中国でも農民上がりの山賊とか使っていたらしい。
新宿歌舞伎町の中国マフィアとかでも普及(?)してとか
(そりゃ先生について訓練したらもっと威力ますんだろうけど)
物語上、やっさんの武器として使わせるのが難しいということなら、まあ出したもん勝ちですしね。
別に永久に青龍刀しか使えない訳じゃないし(邪藁)
779ユーは名無しネ:02/03/07 22:31
議長こと村上信五(40)で5-6回行きます。
>776
 ぐったりとして動かなくなった錦戸亮(30番)に気づき、我に返った村上信五(40番)は
右拳を振り上げたまま止めた。
2倍ぐらいに膨れあがった錦戸の顔を見つつ、左手をそっと離す。
床に置かれた手首を交差させたまま錦戸の両腕は微動だにしない。
 死んだわけではない。
 錦戸の首輪のランプはタオルに見え隠れしつつまだ赤く光っている。
生命反応は消えていない。

「…亮ちゃん、ごめん」
もはや感覚がなくなりかけた両手を意志の力で錦戸の首にかけ力を入れる。
「ゴメン…亮ちゃん…堪忍や…」
段々感覚が戻ってくる。
「ゴメン…ゴメン…ゴメン…」
--ゴメン…ゴメン…ゴメン…--
数分後、首輪の横の赤ランプは消えた、
村上はゆっくりと錦戸の首から手を離した…そしてそのまま天井を振り仰いで泣いた。

【エントリーNo.30 錦戸亮 死亡(享年17歳01ヶ月) 残り28人】
>780
「…すばる」
不意に村上信五(40番)は呟いた。
「もう起きとんのやろ。判っとんのやで」
涙をぬぐい、振り向かずに村上は言った。
 仰向けに大の字に倒れていた渋谷すばる(20番)は、はじめて目を開いた。
しかしそのまま起きあがりはしない。
「何で手を出さなかったんや? オレが亮ちゃんの相手しとる間に背中から狙えたはずや」
村上はゆっくりと立ち上がった。
 少し前に錦戸が手に取りかけたサブマシンガンを拾い上げると脚を引きずるように渋谷に近づく。
渋谷はなおも大の字だ。
「手を出さんと怒られなあかんかったか? そらスマン」
ようやく渋谷は口を利いた。その声は淡々としていて皮肉を交えている様子はない。
サブマシンガンの銃口が渋谷の顔先に突きつけられる。
「見殺しにしたんか?裏切られたから…」
「そんなんやない。ただ何もかも面倒臭くなっただけや」
「やる気ないんやな…」
「そっちはいつからやる気になったんや?」
責める口調ではない。ただあくまで淡々と渋谷は問うた。
それが村上には余計に堪えた。
「ゴメン…」
「謝んなよ。お前、さっき謝りながら亮ちゃん殺したやんか。謝ってもらってもコワいだけや」
「ゴメン…」
「謝んなって…気にすんな。みんな条件同じなんや。俺もお前も特別やあらへん。
ヨコも亮ちゃんも殺し合いのゲームに参加したんや。
お前が勝って、俺らが負けて死ぬ。そういうルールやんか」
「すばる…」
「引き金引いたらお別れや。『頑張れ』っては言わんで。
それは他の奴に死んでくれってことやし」
「……」
「一人ぐらい、お前恨まんで殺される奴、居ってもええやろ?」
「……」
>781
 村上の引き金にかかっていた指は震えていた。
渋谷は天井を見ながら短く息をして唾を飲み込んだ。

「そや、冥土の土産に教えとくわ。もっとも逝くのは俺やけどな。
首輪のデータ送受信は毎日深夜0時から5分間だけ止まる。
データの検査とバックアップのためにどうにもならんらしい。
その間だけは管制室でも首輪は捕捉できんて」

「はあ?何で今更そんなこと…」
村上は混乱した。渋谷の意図は何なのか…!?

「ええやん、冥土の土産言うたやんか。
その隙に首輪のどっかいじるかすれば、その首輪一つ空白時間が30分だけ延ばせる。
よう考えると、気づかれんし細工すれば遠隔でハッキングできるかもな。
でもやり方判らんし…光一君もどうせなら首輪か爆弾の外し方教えてくれればええのに」

「…すばる、ダメや。オレ、それ使えん…」
 村上の目的はゲームを破壊することではない。ゲームに乗って家族を救うことだ。
もう二人殺している。そして三人目が目の前にいる。

「判っとるって、別に命乞いのつもりやないって。
Kinkiがこの裏技ホンマに使ったか判らんし、30分も空白時間できたら、
向こうさんもアホやなければ回線戻ったとたんにドカンとやりよるやろ。
まったくダメダメや。
けどこのまま俺が抱えて逝ってもうたら、この『裏技』消えてまう」
 そして渋谷ははじめて悪戯っぽく笑った。
「『次』の奴に伝えられんやろ」
「何やねん!? 何させたいんや。オレに」
「あーすっとした。俺は卑怯モンや、お前がやる気でよかった…」
「…すばる」
「死ねなくなったやろ…さあ、引き金引けや」
「…ゴメン。ゴメン。ゴメ…」
「撃てや!!!!」
文字に出来ない悲痛な叫びを上げて村上は引き金を引き絞った。
速射音がシェルターいっぱいに響き渡り渋谷の華奢な体が飛びはね体重が数kg増えた。
また村上は泣いた。

【エントリーNo.20 渋谷すばる 死亡(享年20歳03ヶ月) 残り27人】
>782
 サブマシンガンが鳴りやみ、突発的な耳鳴りが収まると、すすり泣きがシェルター内部を支配した。
3体の死体と1人の生き残り…4人の血の臭いでここは充満している。
(…お前、さっき『頑張るな』言うたやんか。『死ねなくなったな』って何やねん。矛盾しとるで。
何や判らん長話して、みんなオレに押しつけたんやな…そんで逝くなんて無責任や…)
 涙で滲んだ目で渋谷だった血肉の塊を凝視しながら村上は心の中で叫んだ。
 とんだ八つ当たりだということは判っている。
 渋谷が無責任? とんでもない。
渋谷は自分の死にも意味を残した。村上を責めず、恨まずに。
 悪いのは渋谷でも横山でも錦戸でもない。自分だ。
こんな状況に置かれてまで3人は自分を信じていてくれた。疑ってすらいなかった。
それを自分が裏切った。しかも騙し討ちで。そして自分の手で殺した。陰惨極まる殺し方で。
3人だけじゃない。その家族は…
(オレ…オレ…)
自分と家族が生き残る。
そのために何人、何十人の罪無き人間の死体を踏み越えなくてはならないのか。
でも死ねない、今更逃げられない。
>783
 サブマシンガンとその弾丸、ライフルとその弾丸、ショットガンとその弾丸、火縄銃とその弾丸、
血塗れのトマホークにスタンガン…今やその全てが村上信五(40番)のものとなった。
 トマホークを腰に差し、スタンガンをポケットにしまう。
(まだバッテリー保つやろか。多分大丈夫やろ、休み休み『使』えば…)
弾薬弾倉を火器に装填し、余った弾はナップザックに放り込む。弾は十分ある。ありすぎるほどに。
 ライフルとショットガンは背中のナップザックの両脇に差し、
サブマシンガンは一応手に持つことにする。
 先込め式の火縄銃はさすがに使い勝手が悪い。弾丸をすべて抜いて置いていくことにした。
 横山裕(42番)、錦戸亮(30番)、渋谷すばる(20番)それぞれの遺体を集めて、
方角を確認し、それぞれの頭であったろうところを北の方向に向けて並べる。
一番、損傷が少ない錦戸に火縄銃を持たせた。
「みんなゴメン。こんなことしかできんで。
日本に戻れたら家族の分もちゃんとやる。そやから堪忍してや」
片膝をついて静かに手を合わせ、黙祷する。もう涙は乾いていた。

 村上は立ち上がって首輪のタオルを引き抜いた。
「…内海さん、頼みがあるんや。6時の次の8時の禁止エリア、A-07にしてくれんかな。
勝手言うようやけど、これっきりや。お願いします」
 内海からの返答はない。しかしきっと聞き入れられるだろうと村上は確信していた。
 変わり果てた姿を誰かに見られるのはみんな望まないだろう。
いや村上自身が耐えられない。3人の安息をもう誰にも乱して欲しくはなかった。

 数秒後、タオルを再び首輪につっこむ。もうここにいる必要はない。いるべきではない。
シェルターの外は何時の間にやら雨だ。
 村上がここを一歩外に出たときから、村上が少しでも動くモノを見つけたなら…
そこは地獄という言葉では追いつかなくなる。
 降り注ぐ雨も村上の纏う血を流すことはできない。
ましてやその心から流れ出る血を。
785ユーは名無しネ:02/03/09 19:17
野中で一ついきます。
村上の後ろ姿が森の中へ消えるのを待ち、野中はシェルターの中へ忍び込んだ。
完全武装した村上に見つからなかったのは僥倖と言えるだろう。
小刻みに身体が震えているのは、雨に塗れたせいばかりではなかった。
シェルターの中には、手元の探知機で確認した通り横山、錦戸、渋谷の死体があった。
込み上げる吐き気に抵抗しながら、震える手で錦戸の腕の中の火縄銃を探ったが
弾は全て抜いてあった。
(流石に周到やな……それにしても何があったんや?)

何故村上は彼らを殺したのだろうか?
仲間割れだとして、錦戸がわざわざ戻って来た理由は。
そもそも自分は……自分たちはこの忌々しいゲームの主催側にいた筈の
こいつらに復讐するために敢えて命懸けで行動してきたのに。
特にすばるには自分の口からその真意を問い質したかった。
首輪探知機を手にした野中には、ゲーム終了時までやる気のある奴や
禁止エリアを避けて安全な場所にじっと隠れているという選択肢もあった。
また吐き気が込み上げてきて、野中は目を閉じたが
瞼の裏には死体の残像が焼きついている。
横山のものが特に酷い。原型をまるで留めていない。

それでも野中は横山の頭の下に置いてあった(枕替わりだろうか?)
ナップサックから素晴らしいものを見つけ出した。S&W M-19。
予備の弾丸まで全てを持ち去った村上が、見逃してしまったもの。

野中がこの島に来て初めて手にした”武器”だった。
787ユーは名無しネ:02/03/10 22:32
書いてる人はさぞかし楽しいんだろうなあ(藁
788ユーは名無しネ:02/03/11 00:22
読んでるだけの私も楽しいけど、787サンは楽しくないの?
789ユーは名無しネ:02/03/11 14:16
私も読んでるだけだけど普通に楽しいよ!?
790ユーは名無しネ:02/03/11 21:29
書いてる人ですけど楽しいですよ(藁 787さんも続き書いて楽しみませんか?

>786の職人さん。フォローありがとうございます。
そう言えば、次元の銃はヘンリーが持っていたんですね。
すっかりど忘れしてました(藁
 私のボケでさえ、伏線に変わる…リレー小説の醍醐味ですね。先が楽しみ。
791ユーは名無しネ:02/03/15 01:06
お知らせ。自治スレに書いてあったんですけど
引越しが800から950に変わるみたい(確定ではない)
500KBが目安らしいので、まだまだ大丈夫と思う
792ユーは名無しネ:02/03/19 13:19
リクエストです。小川と清水の対決or再会シーン読みたいです。
前に木村の最期書いた職人さんとか
二人をよく知ってる人がいれば、その人に書いてホスィです。
793ユーは名無しネ:02/03/19 13:21
今401KBだから余裕で書きこめそうな気がします。
512KBを越えると書き込めなくなるそうです。
794ユーは名無しネ:02/03/22 14:13 ID:???
職人様頑張ってください。
続き楽しみにしてます。
795ユーは名無しネ:02/03/25 16:58 ID:???
久しぶりに進めてみます。
浜中文一で2回かな。
絶対生きて帰るんや。
そう心に誓った浜中は、またボウガンのトルクを巻く練習をした。
ちゃんと、その時が来たら扱えるように何度も練習を繰り返した。
一度矢を撃ってみたら、ずいぶん遠くへ飛んでいってしまってなくしてしまったので、撃つ練習はやめた。
けれど、矢を番える練習だけでも、と弦で何度も手を傷つけながらそれを繰り返していた。
「また生きて会おうな。」
そう言って去って行った福原と別れた場所から動いていない。
それは、また福原が戻ってくるかもしれないと思ったからだ。
大堀と会えたら、戻ってきてくれるかもしれない。
そうや、福原君は優しいもの。大堀君も、優しいもの。
俺は頑張るから、頑張って足手まといにならんようにするから、もう一度福原君達が戻ってきてくれたら、連れていってくれるように頼むんや。
福原君は大事な人を守るためには鬼にならなあかんかも、って言った。
俺も・・・俺も、なるから。
大事な人を、福原君を、大堀君を、ほかの、大事な仲間を守るために頑張るから。
みんなで、助かるために鬼にもなるから。だから・・・。
ポツリ。
何かが頬にあたった。
思わず見上げると、次から次へと水滴が降ってきて、あっという間に辺りが濡れていった。
突然の雨は強く、視界が危険なぐらいに悪くなる。木の影にいたのでびしょ濡れになることは避けられたが、目を凝らしてもさっきまでの半分ぐらいしか見渡せない。
浜中は途方にくれた。
どうしよ、こんなんやったら福原君たちが来ても気づけへんかもしれへん・・・。

ざあああぁぁぁぁ・・・・・・。

途方にくれる浜中を嘲笑うように雨足は強くなっていく。
「うっ」
突然大きな雨粒が目の中に入ってきた。
たまらず、手でこする。
もう、嫌やあ・・・。
雨と一緒に涙が出そうになってうつむいた。

その時、前方に何かが動いた気がした。
なんや!?
必死でボウガンを構え、目を凝らす。
濡れながらゆっくりと誰かが歩いてくる。
左手には、長い何かを持っていた。
あ、あれは・・・!
「福原君!」
雨に濡れるのも構わず、浜中は駆け寄った。
下向き加減の福原を見上げ、はしゃぐ。
「やっぱり、来てくれたんやね!ありがとう、福原君!あ、ねえ、大堀君は・・・?」
答えない福原を不審に思う間もなく、浜中は体前面に何か熱いものを感じた。
「・・・福原君?」
ゆっくり、膝が崩れていく。
「ふ、くは・・・ら・・・・」
自分の身に何が起こったのか正確に理解することなく、浜中の意識は薄れていった。
冷たい地面に倒れたが、それも感じなかった。
雨に混じった血が、福原の足元を赤く染めていく。
それを感情のない目で見つめながら、福原はただ、立っていた。

【エントリーNo.33 浜中文一 死亡(享年14歳02ヶ月) 残り26人】
799ユーは名無しネ:02/03/25 17:15 ID:???
3回になってしまいました・・・。

なんとかすすめていきたいです。
ほかの職人方も頑張ってください。
800ユーは名無しネ:02/03/26 11:39 ID:???
職人様ー!久し振りです。次の展開が楽しみです。
おして、嬉しいお知らせを1つ。
私、800ゲットしました(藁
スミマセン…逝ってきます。
801ユーは名無しネ:02/03/26 12:46 ID:???
次、野中で1ついきます。
802関西リレー221@急げ:02/03/26 12:48 ID:???
はやく、はやく純弥と純一に会わんと・・・!
降りしきる雨も気にせず、野中は走っていた。
時々探知機の尺度を替え、辺りを確認する。
あの、村上の凶行を目撃してから考えた。
このまま、当初の予定通り村上を見張るか。
自分ひとり隠れるか。
それとも田中と北山と合流して今後の作戦を考えるか。
・・・野中は、合流することを選択した。
自分には探知機がある。これがあったらほかの人間には会わず、メンバーだけ探すことが可能だ。
教えなければならない、村上は危険だということを。
仲間だったはずの横山達を裏切り、そして武器をかなり持っている。
こんな危険な存在は田中達が村上と出会う前に教えなければならない。
もし、出会ってしまったら、疑っているとはいえ相手は村上だ。
田中達は警戒しながらも話をしようとするかもしれない。
そうなったら・・・終わりや。
だから、はやくふたりを探さんと・・・!
それに。
もうひとつみつけた、危険な存在。
さっき、画面の端で捕らえた緑の印。ふたつ出会うと同じにひとつが赤へと変化した。
こいつも、やる気ってことや・・・。
野中は八重歯の、記憶の中ではまだ幼さの残る顔を思い浮かべる。
福原・・・こいつも、信じられんけど、危険なんや。
これも、教えなあかん・・・。
また、画面の尺度を切り替える。
まだふたりの緑の数字はみつからない・・・。
803ユーは名無しネ:02/03/26 12:51 ID:???
時間があまりすすまないので、一気に18:00放送とかいってもいいですかね?
804ユーは名無しネ:02/03/26 14:47 ID:???
16:00放送に絡めて書きたいので、少し待ってもらえますか?
無理そうだったら18:00放送用に書き直します。
ぎぶあつぷの場合は明日中(27日)にお知らせします>>803
805804:02/03/26 15:29 ID:???
混乱した文章だ・・・18:00放送前、雨に絡めて書きたいので〜が正しいです。
梅阪で1つ行きます。この後18:00放送をいれてもらってもOKです。
806関西リレー222@雨宿り:02/03/26 15:31 ID:???
梅阪は悄然と池のほとりに腰を下ろした。
武器の入ったナップザックが、肩に食いこんだ。
(こんなもん欲しがる人間がいるなんて・・・
 ほんまに殺し合いなんかやろうとしてるんか)

雨宿りの場所を探し、偶然姿を隠すことになった梅阪の背後で
突如として殺し合いが始まった。
清水と粟島。
「やる気」の2人が出会ったのだ。
その発端を招いたのが自分自身だということに、梅阪は気付いていなかった。
「お前、火ぃつけるもん持ってるやろ?」
どちらの声だったか、梅阪は確かに興奮した声を聞いた。
後は2人に気づかれないよう、ひたすら森の中を小走りに走った。
今頃どちらかは死んでいるかもしれない。
棒を持っていた方が不利に見えた。
粟島がジャックナイフをも隠し持っていたことを、梅阪は知らない。

梅阪は食糧を地面にぶちまけると、次々に口へ運んだ。
食べ終えると、重い火炎放射器の入ったナップザックを抱いて
池の中へ足を踏み入れた。池の底の泥に足がずぶりと埋まった。
思った通り、真ん中の方はけっこう深くなっている。
(これで誰も、何も燃やされへんで)
足が池の底につかなくなった時、梅阪はふっと笑った。

【エントリーNo.07 梅阪剛司 死亡(享年15歳04ヶ月) 残り25人】
807ユーは名無しネ:02/03/26 16:16 ID:???
ううむ。
死亡宣告をするにあたって(放送で)、清水vs粟島の結末が気になる・・・。
どなたか書かれますか?
808ユーは名無しネ:02/03/27 12:25 ID:rtrVO4NM
書きこむのに、なんかここ調子わるくないですか?
809ユーは名無しネ:02/03/27 12:25 ID:???
うわ、あげてしまった・・・。
すいません。
810さくら:02/03/27 12:27 ID:ydMNLtv2
草野くんってマジでオリキとつきあってるの??
811ユーは名無しネ:02/03/27 14:07 ID:???
もうそろそろいいかな。
粟島瑞丸でいきます。
812関西リレー223@勝負!:02/03/27 14:27 ID:???
>757
(大体この辺やったはずや)
粟島は足を止めて周りを見渡した。
煙はとっくに消えてしまっていたが、あたりをつけて来たこの辺りに間違いはないと思う。
(けど・・・)
人影はない。
(そうやな。いくら煙を出して居場所知らせるアホいうても、いつまでもそこにおるわけないか。また武器手に入れそこなったな・・・)
粟島があきらめて、前髪から滴り落ちる水滴も流れるにまかせて(どうせもうびしょ濡れだった)とりあえずこの場を離れようとしたその時、耳元を風が切っていった。
(なんや!?)
慌てて身をよじりながら、後ろを振り返る。
そこに立っていたのは、槍を構えた清水だ。
「清水。・・・何すんねんなぁ」
出来るだけ憐れっぽい声を出す。
清水は自分がやる気になっていることを知らない。
シアターもどきの中にいた誰もが、自分の醜態を目撃していた。
上手くすれば、だまし討ちも可能なはずだ・・・大西の時の様に。
「なあ、ちょお、やめようや・・・」
黙ったままの清水にまた声を掛ける。
(槍か。また当たりとは言えへん武器やな。でもないよりは・・・)
じり、と足を清水に向かって進めた。
「うっさいねん!」
その粟島の動きに反応したように清水が槍を構えなおし、興奮した声を出した。
「お前、火ぃつけるもん持ってるやろ?」
目には剣呑な光が宿っている。
(ちっ・・・!)
懐柔は無理そうだ、と判断した粟島はベルトに挿しておいた特殊警棒を手にした。
>812
その粟島の動きに合わせるように槍の切っ先が向かってきた。
それをまた体をひねらせてよける。
(槍なら・・・懐に入ったらこっちのもんや)
離れている間はリーチの差が不利になるが、一度近づいてしまえばそれは逆転する。
うまくタイミングを計らなければいけないが、清水も槍を扱い慣れてないようなので大丈夫そうだ。
ぶんっ、と風を切って槍が左右に振られる。
(今やっ)
その間をぬって、粟島は一気に清水に近づいた。
焦った表情の清水が一瞬身をひく。
「おらっ!」
また振りまわされようとした槍を掴む。
「離せやっ!」
二人の間で力比べが始まった。お互いに歯を食いしばり、譲らない。
(くそっ、こいつ・・・)
清水は体はそんなに大きくないが、力が強かった。
(あかん、負ける・・・!)
粟島が怯んだ瞬間、清水の足が粟島の腹を蹴った。
「ぐっ・・・!」
堪らず手を離し、身を屈ませる。
(やばいっ!!)
殺られる、と思わず目をつぶると「うわっ!」という清水の声が聞こえた。
814関西リレー225@そして:02/03/27 15:01 ID:???
>813

顔を上げると、どうやら蹴った反動でバランスを崩したらしい清水が何とか踏ん張ろうと足を大きく一歩後ろにつこうとしていた。
しかし、雨でぬかるんだ地面がその足を滑らせる。
「うわぁっ!!」
そのまま清水の体は後ろに倒れていく。
そして、粟島の視界から消えた。
(何!?)
いきなり相手が見えなくなったので粟島は焦って清水がいた場所まで駆け寄った。
(確かに、この木の間に倒れたはずやのに!?)
そっと近づいてみると、草むらにまぎれてわかりにくくなっていたが、その先は急な斜面になっているのに気付いた。
覗くと、仰向けに倒れているらしい清水の体が見えた。
(動かへん・・・死んだか?気絶しただけか?)
死んでいないのなら、止めを刺したい。
しかし下まで降りて確かめるのは難しそうだった。
(しゃあない。諦めて行った方がよさそうや)
ため息を漏らして、そこから離れる。
(せやけど、また武器探さんと・・・)
粟島は特殊警棒をベルトに直し、歩き出した。
(どこに行ったら、ええんかな・・・)
その方向に、あてはなかった。
815ユーは名無しネ:02/03/27 15:05 ID:???
なんだか前よりも改行の量が少なくなったような気がする・・・。
分け方下手でスマソ。
816ユーは名無しネ:02/03/27 18:50 ID:???
(´-`).。oO(清水もヤバイのか…気をつけないとな…)
817ユーは名無しネ:02/03/28 09:03 ID:???
それでは中央管制室を・・・
「ほんとにあいつら、よくやるよね。ねえ恵ちゃん?」
内海は椅子に仰け反り返って大石を見た。
「ほんとですよね。これなら、すっごく早く勝負ついちゃいそう〜」
大石もにっこり笑って頷く。
「終了までの最短記録作っちゃうかもね〜」
死亡者のリストを数えながら内海は本当に驚いていた。
6時間で14人。30分に2人以上だ。かなり脅威のペースだった。
「でも村上君のことを考えるとぉ、内海さんにも責任がありますよ?」
「まあまあ。あれ以上は手出ししないからさ」
大石の指摘に、内海は苦笑して手を振る。
「ゲームを妨害するヤツを除外していくのも俺達の役目なんだしね・・・。それで、次の禁止エリアはどこにしよっか?」
お仕事お仕事、とばかりに赤と緑の点が散らばる地図が映る画面に目を移した。
「20:00は・・・A−07かな」
「村上君の要望聞いてあげるんですか?」
「ま、そのくらいはね・・・。あとは、海岸沿いを埋めて・・・動かないヤツをあぶり出しかな」
画面をボールペンの頭でつつく。
「どこですか?」
「E−06」
そのエリアにある緑の点の横の数字と手に持っているリストを照らし合わせ、大石はくすくすと笑った。
「呉村君かわいそ〜」
「真夜中まで猶予はあげるって。でもヘタレキャラでもちゃんと参加してもらわないとね。
・・・さ、放送入れますか。死亡者の名前読むの、大変だぞ、っと」
819ユーは名無しネ:02/03/29 10:36 ID:???
放送がらみで伊藤政氏いきます。
3回予定。
降ってきたのと同じ唐突さで雨が止んだ。
それに気付いた伊藤は、慌てて時計を確かめ、ほっとため息をついた。
18時ちょっと前。放送にギリギリ間に合ったということだ。
木の下で雨宿りをしてたとはいえ、激しい雨はそれでも伊藤の体を濡らしていた。
そんな中で、地図に書き込みをするというのは至難の業だろうと危惧していたのだ。
紙製の地図が破れたり、読めなくなったりしたらかなり不利になるところだった。
「不利…か」
自分の考えた言葉に思わず声を出す。
伊藤はなんとなく手の中にある果物ナイフを弄んだ。
もうこれでいきなり人を襲うことは考えてないが、手放すことはできなかった。
いったい誰がどんな武器を持っているかわからないし、この頼りないナイフで何が出来るかもわからなかったが、とりあえず今の自分がこれに頼らざるをえない状況であることは間違いなかった。

ピー、ガガッ…
『みんな元気〜?ただいまの時刻は、1日目の18:00、つまり夕方6時だ。2回目の放送をはじめるぞ』
突然、耳障りなノイズ音が響き、相変わらず楽しそうな内海の声が聞こえてきた。

『まずは死亡者の発表だ。今回はすごいぞ〜。前回の放送から18:00まで、6時間の内に死亡確認したのは〜いくぞ?
 11番:大堀治樹、16番:木村廣太郎、27番:土山俊樹、36番:松尾祐樹、09番:大堂祐史、28番:中嶋慶介、23番:高杉政治郎、24番:武藤雅博、19番:塩田修、42番:横山裕、30番:錦戸亮、20番:渋谷すばる、33番:浜中文一、07番:梅阪剛司。
 以上14人、残り25人だ。頑張ってるな、すごいペースだぞ。
 この分だったら割と早く家に帰れるかもしんねえな。
 でもまだ半分以上残っているから油断するなよ。あと24人殺すんだぞ〜』

伊藤は挙げられた名前の多さに愕然とした。
最初は40人以上いたはずだ。それが25人。
どういう死に方をしたのかはわからないが、皆がやる気になっているのだろうか。
自分が目撃した内だけではなく…。
ただ、その内に会いに行くと言っていた、水野の名前がないのだけはわずかな救いだった。

『次に禁止エリアの発表だ。チェックの用意はいいか?
 まず参考として言っておくけど、今までに禁止エリアになっているのはD-03、F-03、A-04、E-07だ。
 そしてこれからの禁止エリアは、まず20:00にA-07。次22:00にC-02。そして真夜中24:00にE-06だ』
『次の放送は真夜中24:00だぞ。寝てたりなんかしたら、死んじまうからな。
 じゃ、頑張れよ〜』
ッガガ、ピー…

ノイズ音が途切れ、あたりはまた静かになった。
知らないうちにかなり緊張してたらしい。
脱力して、思わずしゃがみ込んでしまった。
内海が告げた名前の羅列。
本当に、彼らはもうこの世にいないのだろうか。
信じたくはないが、脳裏にあの時の情景が思い出される。
倒れて、動かない落合。
その横で、冷たい顔をした内…。
あれと似たようなことが、この島の内部では起こっているのだろう。
死にたくはない。死にたくはないけど…。
伊藤はブルッと身を震わせた。
ペンをしまい、また自分の武器を取り出す。
柄をしっかり持ち、切っ先をみつめた。
なんだかそれだけがやけにきらめいて見えたような気がした。
823ユーは名無しネ:02/04/02 18:05 ID:???
きりのいいところで集計いきます。
824ユーは名無しネ:02/04/02 18:12 ID:???
>>151 集計1(1〜25)
>>367 集計2(26〜50)
>>368 集計3(51〜75)
>>479 集計4(76〜100)
>>480 集計5(101〜125)
>>608 集計6(126〜150)
>>680 集計7(151〜175)
>>766 集計8(176〜200)
地図(暫定版)ttp://page.freett.com/akanishi/br_west/map.gif
禁止エリア
1日目
14:00=F-03 16:00=A-04 18:00=E-07
20:00=A-07 22:00=C-02 24:00=E-06

>>766から動きに変化のあった人々。
粟島、D-06で清水と交戦、どこかへ。
伊藤、移動中に放送を聞く。
梅阪、死亡。
小川、D-06へ。
清水、D-06で粟島と交戦、気絶?
呉村、潜伏中のE-06が禁止エリアに。
錦戸、死亡。
野中、武器を入手、田中(純)と北山を捜しに。
浜中、死亡
福原、依然として情緒不安定。
村上、完全武装。
825ユーは名無しネ:02/04/02 18:19 ID:???
集計9(201〜215)
>>747 201@もと暗し
>>748 202@びっくりナップザック
>>751 203@チャンス!
>>754 204@剣戟と気迫
>>755 205@ドッキリやない
>>757 206@失敗やった
>>760 207@選ばれず
>>761 208@最後のチャンス?
>>774 209@スパークと静寂
>>775 210@電気は大切に
>>776 211@落ちる
>>780 212@まだ生きとる
>>781 213@狸寝入り
>>782 214@裏技
>>783 215@踏み越えて
826ユーは名無しネ:02/04/02 18:21 ID:???
「本文が長すぎます」のエラーが出て
全然きりが悪くなってしまった。すみません。
職人さんがんばって下さい。

1度出たきりの人たちにもそろそろ動きを……。
827ユーは名無しネ:02/04/02 18:26 ID:???
しかも>>766 集計8(176〜200)は
>>765 集計8(176〜200)だった。
重ね重ね申し訳。
828ユーは名無しネ:02/04/11 03:48 ID:???
職人さん待ち保全sage
829ユーは名無しネ:02/04/16 12:20 ID:???
ずっと人がいないようなので、続けていいのかが気になる・・・。
830ユーは名無しネ:02/04/16 21:02 ID:???
>829様

職人さんですか?待ってる人間ここにいますよ〜
細く長くでも続けて頂けると嬉しいです…
831ユーは名無しネ:02/04/17 00:01 ID:???
私も待ってます、続き…。お願いします。
832829:02/04/17 17:13 ID:???
すいません。チョト気になったもので。
それでは、頑張ってみます。
他の職人方も、お待ちしております。
833829:02/04/17 17:15 ID:???
ということで、続き。
高黒徹で1回です。
834関西リレー版230@絶望:02/04/17 17:16 ID:???
>406
「はっ・・・・・・・・・・?」
忌々しい放送。内海の声。それが告げた名前に、高黒は呆然とした。
「なに、何言うてんねん、アホか・・・」
力無く、呟く。
約束・・・約束したはずだ、武藤と。
大堀を、福原をみつけ、そして一緒に脱出すると。
こんなゲームになんか、乗らない。事務所の言いなりになって、殺し合いなんてして堪るか。
そう思ったから、だから・・・。
ずずず、と力無く持たれていた幹にそって座り込む。
武藤も。大堀も。他の昔慣れ親しんだ名前も。
こんな所で、こんな放送で告げられて終わりなのか。
自分も、いつかはあの名前の羅列の中で呼ばれて終わるのか。
絶望感が高黒を襲う。雨を吸った防弾チョッキが重くて。
いつまでもそこから立ちあがれないような気がした。
835829:02/04/17 17:20 ID:???
しかしたいして進んでるわけではなく (苦藁
836ユーは名無しネ:02/04/19 17:04 ID:???
高黒(・∀・)イイ!!
立ち上がってほしいよ…むしろ立ち上がれ!
837ユーは名無しネ:02/04/24 00:35 ID:???
>836
命令形っすか!(w

更にいかせていただきます。
4〜5回予定。
838関西リレー版231@葛藤:02/04/24 00:36 ID:???
>669 >814

小川は目の前に転がるそれを、じっと見下ろしていた。
真っ赤に泣き腫らした目で、食い入るように見つめていた。
小川の視線の先に転がっているもの。それは清水だった。
どうしたのか、あちこちに泥汚れや傷がついている。
しかし死んではいない。気を失っているだけだ。
小川の手には、堅く槍が握ぎられていた。清水の傍に落ちていた槍だ。
切っ先は清水が拭ったのか、雨で落ちたのか、血で汚れてはいない。
けれど小川の目にはそれが真っ赤に見えた。
木村の腹から、それがのぞいた時のように。
清水から目線をそらし、革手袋をはめた自分の手を見る。
敵を取るには千載一遇のチャンス。このまま槍を振り下ろせば、それでいい。

誰かに会わないかと、歩き回った。
しかし、他の誰かに出会う前に清水を見つけた。
(お前が引き合わせたんか?なあ、キム・・・)
木村を無慈悲にも殺した清水。憎い。憎いと思う。
(見てろや。お前の敵をとったるから・・・!)
槍を両手でしっかりと掴み、構える。
手袋の中の手のひらが、汗ばんでいるのを感じる。
でも大丈夫。あとはこれを振り下ろせばいいだけ。振り下ろせば・・・。
しかし。両手が、意志とは関係無しにぶるぶると震えた。切っ先の行く手も乱れ、照準が合わせられない。
なんとか集中しようとすればする程、上手くいかない。
体中の力が、どこか別の場所を求めていっているようだった。
839関西リレー版232@何故:02/04/24 00:38 ID:???
>839

「くそっ・・・・・!!」
どうしてもそこから手を動かすことが出来なくて、一度離れた。
緊張して呼吸も止めていたらしい、息が乱れる。
(なんでや!これをちょっと下におろせばいいだけや!)
はあはあと、肩で大きく呼吸をする。
(なんで上手くやれへんねん・・・!)
くやしい。清水はあんな簡単に木村を刺したのに。
悔し涙がぼろぼろとこぼれた。
(ごめん、ごめんな、キム・・・)
敵が討ちたいのに。どうして身体は言うことを聞いてくれないのだろう・・・。

「う・・・・・・」
その時、目の前の清水がかすかなうめき声を上げた。
小川ははっと清水に視線を戻し、しかし動けずにいた。
少し身じろぎをした清水は目を開き、そして一気に体を起こした。
「つっ・・・!」
落ちた時に打ったのだろう、体を押さえてうめき声をあげたが、横にある人影に気付くとすばやく身を引いた。
「ズイ・・・っ?」
思ってもみない名を呼ばれ、驚く。
小川が何も出来なうちに、槍が相手の元にあることを見て取った清水はそれを取り返そうと飛び掛った。
「返せやっ!!」
「あかんっ!」
引っ張られ、小川は握っていた手に力を込め必死で抵抗する。
その段になって初めて清水は相手が誰だか認識したらしく、はっと手を離した。
840関西リレー版232@何故:02/04/24 00:40 ID:???
>839
「くそっ・・・・・!!」
どうしてもそこから手を動かすことが出来なくて、一度離れた。
緊張して呼吸も止めていたらしい、息が乱れる。
(なんでや!これをちょっと下におろせばいいだけや!)
はあはあと、肩で大きく呼吸をする。
(なんで上手くやれへんねん・・・!)
くやしい。清水はあんな簡単に木村を刺したのに。
悔し涙がぼろぼろとこぼれた。
(ごめん、ごめんな、キム・・・)
敵が討ちたいのに。どうして身体は言うことを聞いてくれないのだろう・・・。

「う・・・・・・」
その時、目の前の清水がかすかなうめき声を上げた。
小川ははっと清水に視線を戻し、しかし動けずにいた。
少し身じろぎをした清水は目を開き、そして一気に体を起こした。
「つっ・・・!」
落ちた時に打ったのだろう、体を押さえてうめき声をあげたが、横にある人影に気付くとすばやく身を引いた。
「ズイ・・・っ?」
思ってもみない名を呼ばれ、驚く。
小川が何も出来なうちに、槍が相手の元にあることを見て取った清水はそれを取り返そうと飛び掛った。
「返せやっ!!」
「あかんっ!」
引っ張られ、小川は握っていた手に力を込め必死で抵抗する。
その段になって初めて清水は相手が誰だか認識したらしく、はっと手を離した。
841関西リレー版23@価値観:02/04/24 00:43 ID:???
>840
「小川・・・」
木村を殺した時のことがよみがえりでもしたのだろうか、少し苦い顔になる。
その表情に小川は我に返り、清水を睨みつけた。
「・・・そ、そうや。キムの仇、取らせてもらうで」
「カタキ!?何言うとんねん、アホかっ」
が、清水はその言葉を聞いたとたん眉を跳ね上がらせ、声を荒げた。
その迫力に気圧された小川は、びくっと身を竦ませた。
「な、何がやねん」
「友情ゴッコなんてしとったら死ぬ言うたったやろ?カタキもなにもあるかっ、俺はお前ら殺して生き残ったんねん!」
「よくそんなっ・・・!」
「殺し合いや!そう言われたやんか!これは殺し合いやねんや!」
そう叫び、再び飛びかかる。
「こんなところで死んで堪るかっ!生きて帰ったんねん!」
「うわっ・・・!」
勢いに押され、小川の手が槍から離れた。
そのまま突き飛ばされ地面に転がる。
清水は槍を持ちなおし、小川に向けて構えた。
「甘いこと言うてたらあかんねん。・・・生き残るためには、しゃあないんや。死ねっ!」
座り込んでいる小川に向かって、清水は槍をつきたてようと身体ごと向かう。
「だからって、殺されていいなんちゅう道理があるかあっ!」
しかし清水の剣幕に気おされていた小川は、その瞬間感情が爆発したように叫び、向かってくる槍を渾身の力で払いのけた。
842関西リレー版234@決着:02/04/24 00:48 ID:???
>841
勢いで立ち上がった小川に、清水はまた槍を向ける。
「きれい事言うな!お前かて俺殺そうとしたやろ!?」
「そ、それはっ・・・!」
一瞬、戸惑う。自分も人殺しになろうとした。しかし、それは。
「お前がキムを殺したからや!生き残ろう思てやったんちゃう!」
「同じ事や!殺そうとしたんやから!」
槍を両側から掴み合い、争う。
「友達を、仲間を殺して生き残ったってしゃあない!」
「ちゃう!生き残らんとあかんねん!」

「そうやな」

突然、もみ合うふたりの横から静かな声がした。
驚き、同時にその方向を見る。
声の主は大きな銃を構え、立っていた。
目には、明確な殺意が感じられる。堪らず息を呑んだ。
「村か・・・」
ぱらぱらぱら・・・・・・・
どちらのものかわからない呟きが、ライフルの音にかき消された。
それ以上言葉を発することは出来ず、ふたりはいくつもの銃弾を受けて地面に倒れ込んだ。
体から血が溢れ、流れていく。それと同時に、命も流れ出していった。
「生き残らんと、あかんねん・・・」
足元に転がり、もう動かないふたつの体。
それを眺めながら、村上は聞いた言葉を反芻するように呟いた。

【エントリーNo.12 小川修平 死亡
 エントリーNo.21 清水大輔 死亡 残り23人】
843ユーは名無しネ:02/04/24 00:54 ID:???
う、二重の書き込みの上ミスまで・・・。
>841 は関西リレー版233@価値観 です。念のため。

以前小川、木村を書かれた職人さんとは別のため、ご期待はずれかもしれませんが・・・。
>以前リクエストされた方
なにか、ご批判でもいいのでありましたら、どーぞ。

そして他の職人さんもお待ちしてます・・・。
844ユーは名無しネ:02/04/24 19:49 ID:???
リクエストの小川VS木村キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
躊躇してしまう小川萌え。

木村は崖(?から落ちたような描写があったから
村上が崖の上から2人を見下ろしつつ、ぱらぱら…だと
もっと冷酷な感じが出たかもしれないですね。
しかしそれだと>「生き残らんと、あかんねん・・・」
のセリフがうまく生きないから、結局は
職人さんが書いたのがベストな描写ってことか。

1人よがりな感想(?ですみません。
845ユーは名無しネ:02/04/25 02:05 ID:???
小川VS清水でしょ?
846ユーは名無しネ:02/04/25 21:13 ID:???
ひさびさに見たら更新されててウレスィ。
ええと、>844はおちつけ?

他の職人さまも書いてください。待ってます。
847ユーは名無しネ:02/04/27 23:29 ID:???
壊れてしまった福原にはどうしても高黒が必要でないかと。
そんなわけで高黒で1回いきます。
>834

「?!」

高黒は絶望感と疲労とで朦朧とする。
そんな意識の中で気がついた。
いまさらこんな状況では些細なことなのかもしれない。
それでもなによりも大事なことに。
「福原・・・」
先程の放送で告げられた名前には武藤と大堀だけだった。
計画通りに進んでいれば一緒にいるはずの自分以外の3人のうち
福原の名前だけは告げられなかった。
「・・・福原は・・・福原だけはまだ生きているのか」

逢わなければならない。
一刻も早く福原と合流しなければならない。
合流したところでなにがどうなるのか・・・
その先のことは分からない。
ただ、福原の名前がそして自分の名前が告げられる時は
一緒であるべきだとそう思った。
絶望の中の僅かな望み。

高黒は重い身体を必死に起こし歩き出した。
降り続ける雨と迫り来る闇の中をただ一人の仲間を目指して。
849お知らせ:02/04/30 18:24 ID:tElDjpEE
今夜、野球中止。
BSデジタルと地上波で
週間X.WEST
なんと、3回も見れる。
850ユーは名無しネ:02/04/30 20:10 ID:???
テスト
851ユーは名無しネ:02/04/30 22:40 ID:???
職人さん保全さげ
852ユーは名無しネ:02/05/01 18:50 ID:2YrIR6tM
ええはなしや・・・・。
853ユーは名無しネ:02/05/07 01:13 ID:???
細〜く長〜くでも続くとウレスィ
楽しみに待ってまっせ
854ユーは名無しネ:02/05/07 01:22 ID:???
⊂(゚ε゚)つ
太陽の塔
855ユーは名無しネ:02/05/09 00:01 ID:???
細〜く長〜く・・・頑張って続けましょう>all

とりあえず続き。
856関西リレー版235@再会:02/05/09 00:02 ID:???
>359 >664

牧山がシアターを出てから、すでに何時間もの時が経過していた。
島の中を歩いたり、時々適当な場所で休んだりしているうちに2回目の放送を聞いた。
そこで呼ばれた死亡者の多さ。親しかった仲間の名前。
こんなゲームに乗る奴に、そしてゲームを仕掛けた奴らに憤りを感じた。
同時に、それまで何もできず、無為に過ごしてしまった自分にも。
死ぬつもりは無い。生きて帰ってやる。しかしその為に人殺しをする気も無い。
だが、それらの条件をクリアするアイディアが浮かばなかった。
だから放送を聞いた後は、誰か同じ思いでいる、協力し合える相手はいないかと島内を歩き回った。
一緒にこのゲームをつぶせる強力な協力者を探す。
それはやる気の相手に出会うかもしれないという危険も含んでいたが、それは覚悟の上だった。
どちらにしろ今までどんな人物にも出会っていない。

そして。
だいぶ日もかげり、そろそろ灯り無しで歩き回るのに限界を感じ始めた頃、それを見つけた。
大きな木に持たれかかり、座り込んでいる人影。
金の髪の間に見える下向き加減の顔は、少し昔よりふっくらしたが、確かによく見知ったものだった。
「・・・晴司っ!!」
あの時代、苦楽を共にした仲間。大西や土山や塩田達の名前が呼ばれるたびに唇をかんだ。
そしてさっきまでの放送では呼ばれなかった今川までもが、誰かの手にかかっていたのか?
今川は、その姿勢のまま動かない。
一も二もなく駆け寄り、膝を突いて肩に手をかけた。
「晴司、晴司!せいっ・・・・・・ん?」

すーっ、すーっ、すーっ・・・・・・・・

聞こえてきたのは、確かに寝息。
まさに『目が点になる』とはこういうことだ、
などと考える余裕も無く、数瞬後に込み上げてきた怒りに任せて、
「起きろやっ!!このダアホーーーーっ!!!」
と握りこぶしを固めてそう叫んだ牧山に、恐らく罪があるといえる人間はいないだろう。
心配した分大きい怒りが牧山を駆け巡り、このまま放置していこうかと一瞬本気で考えた。
が、残っていた理性で何とかその衝動をこらえ、ため息を吐きながら今川を起こしにかかる。
しかし叫んでも揺らしてもなかなか起きてくれない。
―実はほんま、死んでるんちゃうか?こいつ・・・。
などと思わず疑ったがそんな訳は無く、いい加減疲れた頃ようやく今川が目を覚ました。
「んあ・・・なんやぁ?もうちょっと・・・」
まだ寝ぼけているらしいその平和な発言に、牧山はがっくりと力が抜け、頭を抱えた。
今川はなんとか目を開け、そんな牧山とあたりの景色を不思議そうに見比べている。
しばらくしてようやく事態を思い出したようで、ぽんと手を叩いた。
「ぁあ!!・・・なんでマッキーこんな所におんの?」
「・・・一生寝とけ、このドアホ」
脱力したままそう言い、やっぱり捨てていくべきだった、と立ちあがった牧山を今川は慌てて止める。
「ちょ、待ってや、どこ行くねんな、見捨てていかんといてぇな」
「見捨てるわ、こんなアホ」
「そんなん言うなやあ、な?」
へへっと愛想笑いをし、服のすそを引っ張る今川に、大きくため息をついて牧山はもう一度向かい合ってしゃがんだ。
「ほんま、お前はビビリなくせに、よおわからんわ・・・なんで寝とんねん・・・」
大体、6時前までは雨が降っていたはずだ。普通はそれで目が覚めるだろう。
いや、そもそも普通の人間はここで寝ないだろうが。
「え、雨ぇ?知らんでそんなん」
全然気付かなかったらしい今川は、よく見ると濡れた痕跡が無い。
どうやら上に広がる大きな葉やらが屋根の役目を果たしていたらしいが、それにしても・・・。
「この分やと、放送も聞いてへんやろ」
「うっそ、今何時?」
「もう夜の7時前や!日も長かったけどもう暮れるわ!ほんま死ぬで、お前!」
放送で呼ばれたあの人数を考えると、こんな状態の今川が無事に生きていることは奇跡のように思えた。
運がいいと言うか、なんと言うか・・・。
「・・・頼りにしてるで、マッキー」
てへっ、とでも音をつけたげな笑顔を浮かべた今川に肩をたたかれ、再びがっくりと脱力した牧山は、
―確か俺、強力な協力者を探していたはずや・・・。
と、うなだれた。
858ユーは名無しネ:02/05/09 00:07 ID:???
やってもうた・・・。
>856 は 関西リレー版236 です。
いい加減にしろ>自分。

しかし改行が多過ぎとの警告。
書き込めなくなったらどうしよう・・・。
859ユーは名無しネ:02/05/09 21:31 ID:???
ヤター、続き!
マッキがんがれ(w

改行多過ぎの警告…細かく分けてうpするしか?
860ユーは名無しネ:02/05/10 00:23 ID:???
おお!続きが出とる
職人さんありがと!
861ユーは名無しネ:02/05/20 07:24 ID:???
最近更新なくてかなしひ
862関西リレー版238@誰か:02/05/23 20:11 ID:iB0lptyq
>701

ヤバイ…ヤバイ…ヤバイ…ヤバイ…
後藤は森の中をただ歩いていた。口からは、ぶつぶつとした呟きが漏れている。
殺される…殺されてまう…
嫌や…死にたくない…嫌や…
運が悪かった。
村上に追い払われて、それとは知らず走って行った先は中嶋たちと錦戸が対峙した所だった。
走って、つまずいたそれは…血が飛び散り、体中が孔だらけだった高杉。
思わず悲鳴を上げて逃げようとしたところには、中嶋の…。
眼が。酷く…二目と見られない凄惨な顔をした死体だった。
引きつった悲鳴を上げ、転がるようにそこから逃げ出した。
めちゃくちゃに走って、呼吸が死にそうになるまで走って、倒れこんだ。
足がガクガクする。それでも立って歩きだした。
二人が追ってきそうな気がする。武器を持った奴等が迫ってきそうな気がする。
嫌や…死にたくない…嫌や…
助けてくれ……!!
863関西リレー版239@他に :02/05/23 20:13 ID:???
>814 >862

「あ?」
粟島はふと、歩くのを止めた。
自分が立てるのとは、別の音がする。
葉を掻き分ける音。そしてちょっと引きずるような足音。
日も暮れ、視界が利かなくなってきている。
耳に神経を集中させ、あたりをうかがった。
―カモか?危険人物か?
近づいてくる。極力音を立てないようにして、身を隠した。
―来た。
薄暗闇に人型のシルエットが見えた。
顔はよくわからない。ガタイはいい方だ。荷物は…持っていない。
―武器は持ってへんのか?それとも小さいんか?
小型の銃やナイフだったら、見えないだけかもしれない。
しっかりと確認しなければ。言葉通り命取りだ。
しかし、よく観察していると、どうやら相手の様子がおかしい事に気が付いた。
足元は覚束なく、両手で自分の身体を抱いている。
そして何より、はっきりとは聞き取れないが、ぶつぶつひとりで呟きながら歩いている。
―何や?イッてもうたんか?
そうかもしれない。こんな非日常。神経が擦り切れてしまってもおかしくはないかも知れない。
―それならそれで。きっとロクな抵抗も出来へんやろ。ヤッたる。
にやりと、口元をゆがませる。特殊警棒を握った。
>863

粟島はゆっくりと相手の背後に忍び寄った。
「…死ねやっ!!!」
「ぎゃあっ!」
力いっぱい武器を握った腕を振り下ろす。鈍い音と、衝撃がした。
―ヤッたか!?
悲鳴をあげ倒れ込んだ相手を見下ろした。
頭を抱え、うめき声を上げている。しかし立ち上がりそうにはない。
―このままもう一発やれば、OKやな。
粟島は止めを刺そうと、もう一度腕を振り上げた。
「っ痛!?」
その瞬間、顔面に衝撃が走った。
思わず動きを止め、顔を押さえる。
―しもた!
耳に走り去っていく音が聞こえた。
慌てて目を開けたが、すでに相手は暗闇にまぎれてしまっていた。
「…くそっ!」
また取り逃した。何でこうもうまくいかないのか。
―ほんまムカツク!何でやねん!
粟島は腹立ちまぎれに地面を蹴った。
足に何かがあたり、飛んでいった。
…それは後藤が握っていた吹き矢で、さっき投げつけられた物だったが、粟島に分かる筈はなかった。
>473 >864

―もう、これ以上動くのは危険やな。
日が落ち、暗くなった周囲を注意深く見渡して、魚谷は腰を下ろした。
明るい内に腰を落ち着ける場所を確保しておいた。周りの木で適当にカモフラージュもした。
―もろたもんがツルハシ違ごて、もっと枝とか切れるもんやったら作業楽やってんけど。
武器としても、道具としてもツルハシは何かと使い難いものだった。
それでもそれを手放す気にはなれず、しっかり抱えて座っていたが。
ナップザックから水と食料を取り出し、口に含む。粗末な食事だが、なんとなく人心地はついた。
体は疲れていたが、そのまま眠るわけにはいかず、とりあえず少し目を瞑った。

ざく、ざく、ざく……
どれくらい経ったか、不意に魚谷の耳に異音が入った。
ゆっくり土をける、…誰かの足音。
一気に全身が総毛だった気がした。緊張しながら耳を澄ます。
だんだん音が近づいてくる。見つからないように、その方向を確かめた。
―声?
足音とともに、ぼそぼそとした人の声が聞こえてきた。二人以上だと、余計に危険度が増すような気がして体がこわばる。
しかしどう聞いても、見ても、近づいてくるのはひとりだった。
―ひとりで喋っとるんか…?
それは尋常ではない。
人影が前を通り過ぎる。やはり顔を見ることはできなかったが、声はちゃんと聞き取れた。
―この声は…後藤や!
>866

―あいつ…どうしたんや…?
あの足取り。様子。見たところ荷物も持っていないようだ。
何かあったのか。気になる。しかし…。
―人のこと気にしてる場合ちゃうし…何かできるとも限らんし…。
このまま見過ごそうか。魚谷は下を向いた。黙っていたら、後藤はどこかへいくだろう。そして…。
―誰かに会うて殺される、か…?
あの様子だと、逃げられないかもしれない。やる気のやつはこの島に確実にいる。そいつに見つかったら…。
ドサッ
不意に大きな音がした。あわててその方を見ると、後藤が倒れている。どうやら木の根か何かにつまずいてこけたらしい。
しかしそのままふらりと立ち上がり、また歩き始めた。足取りがさっきより弱くなった気がした。
人のことを構っている場合ではない。生き残るためには仕方ない。
わかっている、わかっているが……。
―ああもうっ、あかんっ!
魚谷は迷いを振り切るように立ち上がり、後藤を追った。
ここで後藤を見過ごすことは、どうしてもできなかった。
「ごっぴ、・・・おい、ごっぴ」
呼びかける。十分聞こえる距離と音量だったはずなのだが、後藤には聞こえていないらしくそのまま歩き続けている。
やはりおかしい。
「なあ、ごっぴって。大丈夫か、お前・・・」
軽く、肩に手をかけた。
>866

「うわあぁぁぁぁっ!!」
途端、後藤が絶叫を上げて手を振り払い、振り返った。
その想像より過剰な反応に、魚谷は思わず身を引く。
暗いので、相手の表情が読めない。少々うろたえつつもまた声をかけた。
「落ち着けや…なあ、ごっぴ。どう…っ」
全部言い終わらないうちに後藤が掴み掛かってきた。
「うわっ、ちょっ、ヤメッ・・・」
思わず持ったままだったツルハシで、ぶつかる勢いの後藤の体を押しとどめる。
しかし、ツルハシを見た後藤は言葉にならない声を上げ、さらに勢いをつけて掴み掛かってきた。
「落ち着け!後藤!何もせえへん!」
必死で叫ぶ。が、後藤は悲鳴とも咆哮ともわからない叫びを上げたまま、聞き入れてくれない。
二人の間にあるツルハシをお互いつかんだまま、膠着する。
―失敗した!せめてこれ持ってへんかったら…!!
相手が興奮状態にあるとはいえ、素手同士であればお互い致命傷を負う可能性は少ない。
―このツルハシ、俺が使うわけにも、取られるわけにもいかん…!何とか手ぇはずさせてどっかに放り投げれれば!
「落ち着けや…後藤、大丈夫、大丈夫やから…!なっ…」
一瞬息をついた隙に、ツルハシが勢いよく引っ張られた。
「あかんっ……!」
ゴズッ…
慌てて引っ張ると同時に、鈍い音がした。
均衡していた力が崩れ、魚谷は尻餅をついた。
ツルハシが、地面にぶつかった音がした。
「ご…とう…?」
後藤の体が倒れていく様は、スローモーションのようにゆっくりとしていた。
ドサッ
―そういやこの音さっきも聞いた。…ああ、ごっぴがこけよったんやっけ…。
だから…心配になって。放っとけなくて。だから……
「ごっぴ…?」
目の前にある。後藤の頭が。手を伸ばす。髪の毛。…手が、濡れた。
魚谷はおそるおそるその手のひらを、見た。
あたりは暗い。視覚は色を伝えることはない。しかし…。
魚谷には、それがどんな色をしているのか、わかった。
―違う、嘘や。そんな…そんなつもりじゃ…
「は、ははは…」
魚谷の口から、力ない笑いがこぼれた。
ゆっくりと体を起こし、後藤に触れる。
「…ごっぴ、嘘やろ?なあ、起きろて。ごっぴ、ごっぴ…」
肩を揺さぶる。軽く。そして、だんだん強く。
「ごっぴ、ごっぴ…」
しかし、後藤はぴくりとも動かなかった。
魚谷の目に、絶望の色が浮かぶ。
―殺した。俺は、ごっぴを殺してもうた…!
認識した事実に、力なく座り込む。
どうしたらいいか、考えることも出来なかった。

【エントリーNo.18 後藤大祐 死亡 残り22人】
869ユーは名無しネ:02/05/23 20:25 ID:???
あげた上に番号ミスそのまま引き継いでしまった…鬱。
リレー版236は欠番ということで…。
他の職人さんが書き込んでくださるのを祈って、逝ってきます。
ほんとにほぼ一人状態なんで…リレー版なのに…。
870ユーは名無しネ:02/05/25 01:52 ID:???
更新ご苦労様です。
今からでも参加できたら…努力します。
871ユーは名無しネ:02/05/25 13:45 ID:???
次、粟島で1ついきます。
>864

さっきのやつを追う。粟島はそう判断を下した。
ターゲットは明らかに普通の状態ではなかった。
放っておいても、いずれ自滅するだろうことは目に見えている。
しかしターゲットは粟島にやる気があることを知っている。
―声出したんはまずかったな。
今更ながら、己の迂闊さは舌打ちしたい程だ。
次は確実に…仕留める。

決意も新たに握り直そうとした特殊警棒が手の中を滑り落ちた。
―なんや、これ?
手、いや腕が、痙攣するように震えている。
それは長時間の正座を強いられた後に似ていた。
思う間もなく、視界がぶれ、紗がかかったようにぼんやりとしてきた。
―アカン。力入らん…。
頭も靄がかかったようにぼんやりとしてきた。
―殺さないと。殺される。殺さないと。殺す。殺され…
顔面から地面に激突した粟島が起き上がることは二度となかった。

【エントリーNo.01 粟島瑞丸 死亡 残り21人】
毒の効果がよくわからなくて、適当に書いてしまいました…。
874872:02/05/26 03:47 ID:???
読み直したら非常にわかりにくかったので、訂正版をうpします。
875関西リレー245@訂正版:02/05/26 03:49 ID:???
>864

さっきのやつを追う。粟島はそう判断を下した。
ターゲットは明らかに普通の状態ではなかった。
放っておいても、いずれ自滅するだろうことは目に見えている。
しかしターゲットは粟島にやる気があることを知っている。
―声出したんはまずかったな。
今更ながら、己の迂闊さは舌打ちしたい程だ。
次は確実に…仕留める。

握りしめた筈の特殊警棒が、手の中を滑り落ちた。
手、いや腕が、痙攣するように震えている。
―なんや、これ?
それは長時間の正座を強いられた後に似ていた。
思う間もなく、視界がぶれ、紗がかかったようにぼんやりとしてきた。
頭も靄がかかったようにぼんやりとしてきた。
顔が灼けるように熱く、堪らず開けた口から血の混じった泡が零れた。
―アカン。力入らん…。
急激な変調は、後藤が夢中で振り回し粟島の顔を掠めた吹き矢―
その刃先に塗られた猛毒によって、もたらされたものだったが
最早粟島にまともに思考する力は残されていなかった。

粟島の身体が前のめりに傾いだ。
―はよ殺さんと。殺される前に。殺さんと。殺す。殺さ…

顔面から地面に激突した粟島が、起き上がることは二度となかった。

【エントリーNo.01 粟島瑞丸 死亡 残り21人】
876ユーは名無しネ:02/05/26 03:50 ID:???
誠に申し訳なく。
しかしわかりにくいとのツッコミも入らないとは虚しい…。
877ユーは名無しネ:02/05/26 22:57 ID:???
お、さっそく他の職人さん。うれしいです。
ここ住人さんがどんだけいるのか、ちょっと気になる次第です。
反応がないと、次書き込んでいいのか不安になる・・・。
つまんねえぞ(゚Д゚)ゴルァ、でもいいから、なにか・・・。
878ユーは名無しネ:02/05/28 08:05 ID:???
職人さん、楽しみにロムらせてもらってます。
参加したいのですが正直関西は詳しくなくて・・・
イメージを壊してはいけないのでやめています。
879ユーは名無しネ:02/05/28 23:02 ID:???
ロム専の者がここに一人・・
880ユーは名無しネ:02/05/31 01:17 ID:???
ここにもいます。
881ユーは名無しネ:02/05/31 21:33 ID:???
ここにも1人。
関西好きなんで毎回楽しく読んでます。
がんばってください。
882ユーは名無しネ:02/06/08 23:08 ID:???
保全書き込み。
がんがれー。
漏れは西の古い人とか全然わからないけど見てて調べたりして結構面白いよ。
883ユーは名無しネ:02/06/11 12:19 ID:???
リクエストしてみる。
三宅は海に行って何をしたかったのか気になってます。
お願いしまーす。
884ユーは名無しネ:02/06/18 08:12 ID:???
保全さげ。
885ユーは名無しネ:02/06/26 05:08 ID:???
保全
886ユーは名無しネ:02/07/02 00:33 ID:???
保全
887ユーは名無しネ:02/07/02 17:51 ID:???
各自の動向を簡単にまとめたものを貼っていいですか?
職人さんが書きやすくなるかもしれないんで。

特に反対がなければ明日の夜貼ります。
888ユーは名無しネ:02/07/02 23:01 ID:???
いいんじゃないでしょうか。
889ユーは名無しネ:02/07/03 12:10 ID:???
ありがとうございます。よろしくお願いします。
890887:02/07/04 00:38 ID:???
今から貼ります。
3レスくらいでいけると思います。
891各自の動き:02/07/04 00:39 ID:???
伊藤政氏(果物ナイフ)
 落合の死体のそばに内がいるのを目撃。水野にこのことを伝え、移動中。
今川晴司(タバコ1カートン)
 マッチを持っている牧山と合流。
今山透(中華鍋・ゴマ油・鉈・マッチ棒20本)
 大倉と共にE-04をから移動中。
魚谷輝明(ツルハシ)
 山中にて後藤を殺害してしまい、混乱。
内博貴(オートマ拳銃(残り10発/弾丸のみ呉村が所有、内は知らない)・モンキーレンチ)
 落合を殺害。高黒の殺害を試みるが失敗。森の中に潜伏。
大倉忠義(金属バット・蝋燭3本(小屋で発見))
 今山と共にE-04から移動中。
菊岡正展(濃硫酸入り特殊ファインセラミック製水鉄砲)
 混乱・興奮しながら移動中。

北山純一(突撃銃(ライフルの先で刺して殺傷できる))
 村上・横山を警戒。田中(純)を探して移動中?
892各自の動き:02/07/04 00:39 ID:???
呉村哲弘(9mm口径弾カートリッジ(24×10の240発))
 E-06エリアの鍾乳洞に潜伏中。禁止エリアの設定により移動の必要あり。
高黒徹(防弾チョッキ)
 内に襲撃され、食糧と水をなくしてしまう。C-06へ移動、福原との合流を目指す。
田中純弥(手榴弾9発)
 村上・横山を警戒。北山・野中を探してE-05エリア辺りを移動中。
田中大樹(双眼鏡・ブーメラン(丸山と共有))
 方針が定まらないまま、丸山と共に灯台にいる。
女寺豊(手裏剣・毒?)
 雨が降る前は手裏剣の練習をしていた。
野中和久(首輪探知機・S&W M-19)
 A-07を出て田中(純)・北山を探す。村上と福原が要注意人物であることを知っている。
福原一哉(日本刀・ワルサーP38・青酸カリ・鎌)
 自分も死ぬつもり?行動に矛盾点が多い。やる気。
牧山雄亮(ダイナマイト7本・100円ライター)
 ゲームをつぶす協力者を探しいて、今川と合流。
893各自の動き:02/07/04 00:39 ID:???
丸山隆平(ブーメラン・双眼鏡(田中と共有))
 方針が定まらないまま、田中(大)と共に灯台にいる。
水野清仁(鉄アレイ)
 伊藤から内の話を聞き、灯台に立ち寄った後、内を捜索中。
三宅将馬(登山ザイル)
 海へ移動中。
村上信五(トマホーク・ショットガン・ライフル銃・サブマシンガン・スタンガン)
 横山から裏技を聞き出す。やる気。
安田章大(青龍刀)
 粟島の襲撃を交わし、移動中。

伏線
D-05:酋長の屋敷跡は安田が家捜し済み。
しかしこの建物は高床式で床下に扉が存在し、その下に何かが隠されている。

首輪のデータ送受信は深夜0時から5分間だけ止まる。
(管制室から首輪の位置が捕捉できなくなる)
ある方法(ハッキング?)により、「空白時間」が30分延ばせるがやり方は不明。
894887:02/07/04 00:40 ID:???
ついでに死亡者リストも…。2レス使います。
895リスト:02/07/04 00:40 ID:???
1.【大石(仕掛け側)により死亡】永田剛司(妻夫木聡の写真集)
2.【内により死亡】落合兄丞 (モンキーレンチ→内)
3.【粟島により死亡】大西由郎 (ジャックナイフ→粟島)
4.【塩田により死亡】大堀治樹 (青酸カリ→塩田→福原)
5.【清水により死亡】木村廣太郎 (金槌)
6.【横山により死亡】土山俊樹 (S&W M-19・予備弾丸6×2の12発→横山→野中)
7.【横山により死亡】松尾祐樹 (メリケンサック)
8.【横山により死亡】大堂祐史 (鉄鎖)
9.【錦戸により死亡】中嶋慶介 (サブマシンガン→錦戸→村上)
10.【錦戸により死亡】高杉政治郎 (火縄銃→錦戸→A-07に放置)
896リスト:02/07/04 00:41 ID:???
11.【福原により死亡】武藤雅博 (9mm口径ワルサーP38→福原)
12.【福原により死亡】塩田修 (鎌→福原)
13.【村上により死亡】横山裕 (ショットガン→村上)
14.【村上により死亡】錦戸亮 (スタンガン→村上)
15.【村上により死亡】渋谷すばる (ライフル銃→村上)
16.【福原により死亡】浜中文一 (ボウガン)
17.【自殺により死亡】梅阪剛司 (火炎放射器)
18.【村上により死亡】小川修平 (ピアノ線・革手袋)
19.【村上により死亡】清水大輔 (槍)
20.【魚谷により死亡】後藤大祐 (毒吹き矢)
21.【後藤により死亡】粟島瑞丸 (特殊警棒)
897887:02/07/04 00:42 ID:???
以上です。
ミスがあれば訂正よろしくお願いします。…あっちゃいけないんですけどね。

職人さんが続きを書いてくれることを祈りつつ、名無しに戻ります。
898ユーは名無しネ:02/07/04 13:42 ID:???
お疲れ様です >887さん
ひとつ気づいたので訂正しておきます。

村上信五(トマホーク・ショットガン・ライフル銃・サブマシンガン・スタンガン)
 横山から裏技を聞き出す。やる気。
       ↓
 渋谷から裏技を聞き出す。やる気。
899ユーは名無しネ:02/07/04 18:15 ID:???
>887さんに感謝して、続きを。
900関西リレー246@食糧事情:02/07/04 18:16 ID:???
>416

「あーあ、食べてもうたな…」
大倉はあきれた口調で呟いた。
目線の先にはおにぎりの袋が3つ。
最後の一口をまだもぐもぐと噛みながら今山はそれを片付けた。
「あとどーすんねんな」
「…いざとなったら、木の実とか採ったるわ。そんでこの鍋と油で旨いもん作ったらええねん」
ペットボトルの水を飲み、投げやりに言う。
「そんなん…」
「だいたいなあ、この年の青少年の食事にこの量はないやろ!?
 コンビニのおにぎりと乾パンで3日過ごせなんて、ほんまよう言わんわ!」
できるんかいな、と大倉が言う前にキレた今山が叫んだ。
腹立ち紛れにペットボトルを叩きつけるように机に置く。
灯した蝋燭の火が、ゆらりと揺れた。

昼間いた建物からだいぶ歩いて、小さな集落を見つけた。
粗末な小屋(と言ってもいいような家)を何軒か覗いてみたが、今度は何も見つからなかった。
武器になりそうなものも、役立ちそうな道具も、…死体も。
日も沈み、出歩くのが困難になってきたのでその中の一軒に落ち着くことにした。
もちろん電気は通っていないので、蝋燭をひとつ机の上に立てている(懐中電灯は部屋の灯りには向かなかった)。
本当にわずかな灯りだが、無いよりはかなり救われる。
901関西リレー247@なごみ:02/07/04 18:17 ID:???
>900

「しっかしなあ、今山」
「なんや」
まだ不機嫌そうに返事をする今山に、大倉はこらえきれなくなって笑い出した。
「なんやねん」
ますます不機嫌になる今山の肩を叩く。
「やってお前、最初に比べてずいぶん余裕やんけ」
「……」
「食い物のことでキレられるんやったら、ええわな。なあ?」
くっくっく、と肩を震わせながら言う大倉を押し返しておいて、今山はふっと笑った。
そうだ。自分ひとりだったら、今こんな風にはなれなかっただろう。
非現実的な現実、殺し合い、銃を放つ内、頬の傷…。
もしかしたら呆然としたまま死んでいたかもしれない。
そうなったらおにぎりの数なんてまったく関係なくなるのだ。
目の前にいる仲間にすごく感謝したい。
しかし、それを言うのは気恥ずかしく、おどけた顔で大倉を見る。
「お前かて普段ヘタレのくせに余裕やん?」
「ええやろ。ほんまは頼れる男なんや」
「言うとけ」
ぼんやりとした光の中、顔を見合わせて笑った。
>901

「!?」
ふいに、耳が何かを捉えたような気がした。
今山は体をこわばらせる。
「?どうした?」
「しっ!…今何か音せえへんかったか?」
「え?」
大倉も慌てて耳を澄ます。
時折吹く風と、お互いの息遣い。それだけがやけに大きく聞こえる。
全身が緊張して、息苦しい。
自分が立てた衣擦れの音にも心臓がはねた。
しかし、しばらくそうしていたが、何もそれ以上は起きなかった。
大倉はゆっくりと息を吐いて今山を見る。
「…何も無いみたいやで」
「そんならええねんけど…」
「ま、神経が過敏になるんはしゃあないわな」
「うーん、そうなんかなあ…」
自分がビクついているぽりぽりと頭を掻く。
「大丈夫かな…」
しかしまだ不安そうに周囲の気配を探ろうとする今山に、大倉は少し苦笑する。
…ほんま、普段とキャラ交代してへんか、俺ら。
なんとなく面白くて、なんとなく楽しくなった。
903関西リレー249@余裕:02/07/04 18:19 ID:???
>902

「え、何?」
いきなり立ち上がった大倉に、今山は驚いて声を上げる。
「ちょお表、見てくるわ」
にっと笑って手を振り、出入り口に向かう。
「え?」
「まわり誰もいいひんか、確認してくる」
「ちょ、そんな、危ない」
「けど、このままビクビクしとっても気ぃ休まらんやろ…」
な?と戸を開けた。もう一度手を振る。
今山は何か言いたげだったが、それは聞かずに外に出た。

外は満点の星空だった。
しばしそれを見上げ、思いっきり伸びをした。
…ああ、気持ちええな。
そう思い、辺りを見回そうと体の向きを変えたとき、ヒュッ、と音が風を切った。
「え…?」
一瞬後に、猛烈な痛みが大倉を襲った。
「ぎゃああぁっ!!」
体の前面から勢いよく血が噴出した。
熱いような冷たいような感覚が体を濡らす。
ドサッという音と衝撃で、自分の身体が地面に倒れたのがわかった。
暗闇の中、何故か襲撃者が刀を振り上げたのが見えた気がした。
>903

「今や、ま…」
「大倉っ」
しかし苦しげな大倉の声に慌てて駆け寄り、大倉の身体を起こそうと抱きかかえる。
大倉は苦しそうに今山を見た。
「今…山、ごめんな…ありがと…」
手の先に力が入らない。感覚が遠くなる。
ああ、これで死ぬんやな…と、大倉は意外に冷静に思った。
「お前、…片手で鍋…振り回す…ん、すごい…なッ」
笑って見せようとし、こみ上げてきた何かに咳き込む。
地面にまた新たに赤いしみができた。
「大倉っ、しゃべったらあかんわ!血ぃ止めるし、ちょお待て…」
今山が血止めできるものを探そうと、離れかけたのを大倉が止めた。
そして…微笑んだ。
「お前がいたから…、よかったよ…。がんばって、生き…残れ、な…」
「そんなん言うなや!ええから喋んな!」
今山は自然と溢れ出してきた涙を拭きながら首を振る。
違う、泣くなんて、まるでこいつが…死、ッ…!
嘘や、嘘やっ!!
「ちょ、と…、調…子、乗ったわ。へ、へッ」
再び、大倉の口から血が溢れ出した。
905関西リレー252@何で:02/07/04 18:23 ID:???
>904

大倉は、また何か言いたげに口を動かした。
しかし、それはもう声にならなかった。
力なく、目を閉じる。
今山の腕の中の体が、急に重さを増した。
「大、倉…?」
力を失った体を揺さぶる。
「大倉、大倉…!」
頬を叩いてみる。
しかし、大倉が再び目を開けることはなかった。
「嘘、や…、嘘やああぁぁっ!」
さっきまで、一緒に笑ってたやないか。
飯食って、愚痴言って、そんで、笑って…
「大倉…!」
あふれる涙を、今度は止めなかった。

何で…何でなんや。
何でこいつが死ななあかんねん。
何で殺さなあかんかってん…!

なあ、福原くん…。

【エントリーNo.08 大倉忠義 死亡 残り20人】
906ユーは名無しネ:02/07/04 18:32 ID:???
訂正。
>902
「自分がビクついているぽりぽりと頭を掻く。」
「自分がビクついているのが気恥ずかしくて、ぽりぽりと頭を掻く。」
脳内変換お願いします…。

ところでいくら考えても私には伏線を活かす頭がないです。
職人さーん!
907ユーは名無しネ:02/07/04 18:38 ID:???
あ!しかも250が抜けてる!なんてこったい!
皆様、>903と>904の間に>907を入れてください。
うわぁー鬱。
908関西リレー250@襲撃者は:02/07/04 18:40 ID:???
>903

…あかん、逃げられん……
そう思い、目を閉じたとき。
「大倉あっ!!!」
ガアアァァァン……
突然まぶしい光と、大きな音が飛び込んできた。
目の前で、中華鍋が振り下ろされた刀を止めたのだと大倉が認識できたかどうかはわからない。
「おらあっ!」
懐中電灯の光をいきなり浴びてひるんだ相手を、今山は中華鍋を振り回して攻撃した。
ガッッ…!
何度か鍋が空を切ったあと、鈍い音がして襲撃者の手から刀が飛んでいった。
やったか!?
今山は荒い息をしながら、それが宙を舞い、地面に落ちたのを見た。
「くっ…」
襲撃者は手首を押さえ、一歩身体を引く。
その顔を思い切り懐中電灯で照らした。
「! 福原く…!」
意外な人物に、今山は目を見開いた。
福原は飛んでいった刀と、今山たちの距離を測るように両方を見ている。
そして、くるりと背を向け、走り去っていった。
「福原……」
今山は危機が去ったのと、意外な襲撃者に一瞬呆然とした。

>904
909ユーは名無しネ:02/07/04 18:46 ID:???
ほんとに申し訳ない…
・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァン
910ユーは名無しネ:02/07/05 01:37 ID:???
ひさびさの更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
職人様ありがd!

片手で中華鍋振り回するる萌え。
でも大倉が…ヽ(`Д´)ノ ウワァァン!!
伏線は使わなくても問題ないと思われます。
911ユーは名無しネ:02/07/05 03:29 ID:???
912ユーは名無しネ:02/07/05 09:16 ID:???
  ____∧∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜' ____(,,゚Д゚)< ageんなゴルァ! 
  UU    U U    \_______
           
913ユーは名無しネ:02/07/05 15:08 ID:???
職人さんが続きを書いてくれることを祈りつつ、名無しに戻ります
914ユーは名無しネ:02/07/05 17:10 ID:???
(;−w−)もうだめぽ・・・
915ユーは名無しネ:02/07/05 17:35 ID:???
(;−w−)もうだめぽ・・・
916ユーは名無しネ:02/07/05 17:52 ID:???
977 :ユーは名無しネ :02/07/05 17:21 ID:???
        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )
917ユーは名無しネ:02/07/05 18:02 ID:???
977 :ユーは名無しネ :02/07/05 17:21 ID:???
        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
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918ユーは名無しネ:02/07/05 18:44 ID:???
977 :ユーは名無しネ :02/07/05 17:21 ID:???
        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
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919ユーは名無しネ:02/07/05 20:28 ID:???
                         _
                          |や|
                          |ま|
                          |と|
                          |ま|
                          |萌|
                          |え|
     〜♪                 |!|   〜♪
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   | ̄∪∪ ̄| | ̄ ̄∪ ̄| ,| ̄ ̄ ̄ ̄|. |_, ! つ⊇、
 (((( `◎ ─ ◎' ̄`◎ ─ ◎' ̄`◎ ─ ◎' ̄◎=`し'−◎
920ユーは名無しネ:02/07/05 20:34 ID:???
    ∧∧    . ∧∧    ∧,,∧.   ̄|  ∧∧
     (*゚ー゚)    (゚〜゚,,)    ミ,,゚Д゚彡 . | (,,゚д゚)
   | ̄∪∪ ̄| | ̄ ̄∪ ̄| ,| ̄ ̄ ̄ ̄|. |_, ! つ⊇、
 (((( `◎ ─ ◎' ̄`◎ ─ ◎' ̄`◎ ─ ◎' ̄◎=`し'−◎
921ユーは名無しネ:02/07/05 21:38 ID:???
922ユーは名無しネ:02/07/05 22:56 ID:???
ロム専の者がここに一人・・
923ユーは名無しネ:02/07/05 23:18 ID:???
つまんねえぞ(゚Д゚)ゴルァ、でもいいから、なにか・・・。


924ユーは名無しネ:02/07/05 23:27 ID:???
925ユーは名無しネ:02/07/05 23:44 ID:???
926ユーは名無しネ:02/07/05 23:56 ID:???
927ユーは名無しネ:02/07/06 00:03 ID:???
928ユーは名無しネ:02/07/06 01:15 ID:???
929ユーは名無しネ:02/07/06 01:20 ID:???
1000取りに巻き込まれる前に引っ越しした方がいいと思う。
集計もすぐ前にあるから大倉たちのぶんだけ次スレの頭に貼ってさ。
漏れはさっき別のスレ立てようとしたらだめだった…
誰かがんがれ(;´Д`)
930ユーは名無しネ:02/07/06 01:22 ID:???
931ユーは名無しネ:02/07/06 01:33 ID:???
>929
引越しした事ないんで上手くいくか自信無いけど
スレ立てるだけやってみましょうか?
932ユーは名無しネ:02/07/06 01:38 ID:???
933ユーは名無しネ:02/07/06 02:49 ID:???
スレ立ってないようなので、立ててみます。
今山・大倉の分も貼れたら貼ります。
934ユーは名無しネ:02/07/06 03:07 ID:???
新スレ立てました。
テンプレ等ほぼ独断で申し訳ない(´Д`;)

バトルロワイアル@関西Jr限定Part2
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jr/1025891434/
935ユーは名無しネ:02/07/06 08:25 ID:???
みんなで射精してますね(w
936ユーは名無しネ:02/07/06 09:48 ID:???
937ユーは名無しネ:02/07/07 13:56 ID:???
城ホール

http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/parunasunouta.html
                   
938ユーは名無しネ:02/07/07 14:25 ID:???
939ユーは名無しネ:02/07/07 16:58 ID:???
940ユーは名無しネ:02/07/07 17:35 ID:???
941ユーは名無しネ:02/07/07 17:55 ID:???
942ユーは名無しネ:02/07/07 18:23 ID:???
943ユーは名無しネ:02/07/07 19:11 ID:???
944ユーは名無しネ:02/07/07 19:21 ID:???
945ユーは名無しネ:02/07/07 19:42 ID:???
946ユーは名無しネ:02/07/07 22:01 ID:???
947ユーは名無しネ:02/07/07 22:33 ID:???
948ユーは名無しネ:02/07/08 00:34 ID:???
985 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:36 ID:???
   


986 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:37 ID:???
    


987 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:39 ID:???
     


988 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:41 ID:???
       


989 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:44 ID:???
         


990 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:46 ID:???
           


991 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:46 ID:???
            


992 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:47 ID:???
             


993 :ユーは名無しネ :02/07/07 23:49 ID:???
                
949ユーは名無しネ:02/07/08 08:28 ID:???
秋コンはまだか脳
950ユーは名無しネ:02/07/08 09:28 ID:???
951ユーは名無しネ:02/07/09 23:51 ID:???
古紙担はもう他に移動してますが?
952ユーは名無しネ:02/07/11 17:08 ID:???
953ユーは名無しネ:02/07/14 00:06 ID:???
ID:o2zeOzds
954ユーは名無しネ:02/07/14 00:07 ID:???
ID:o2zeOzds
955ユーは名無しネ:02/07/14 00:19 ID:???
バトルロワイアル@関西Jr限定Part2
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jr/1025891434/
956ユーは名無しネ:02/07/14 00:48 ID:???
ID:o2zeOzds
957ユーは名無しネ:02/07/14 00:48 ID:???
ID:o2zeOzds
958ユーは名無しネ:02/07/14 07:56 ID:???
ID:o2zeOzds
959ユーは名無しネ:02/07/14 07:56 ID:???
ID:o2zeOzds
960ユーは名無しネ:02/07/14 08:41 ID:???
ID:o2zeOzds
961ユーは名無しネ:02/07/14 08:41 ID:???
ID:o2zeOzds
962ユーは名無しネ:02/07/14 09:25 ID:???
ID:o2zeOzds
963ユーは名無しネ:02/07/14 09:25 ID:???
ID:o2zeOzds
964ユーは名無しネ:02/07/14 09:49 ID:???
ID:o2zeOzds
965ユーは名無しネ:02/07/14 09:49 ID:???
ID:o2zeOzds
966ユーは名無しネ:02/07/14 10:23 ID:???
ID:o2zeOzds
967ユーは名無しネ:02/07/14 10:23 ID:???
ID:o2zeOzds
968ユーは名無しネ:02/07/14 10:35 ID:???
ID:o2zeOzds
969ユーは名無しネ:02/07/14 10:35 ID:???
ID:o2zeOzds
970ユーは名無しネ:02/07/14 11:14 ID:???
ID:o2zeOzds
971ユーは名無しネ:02/07/14 11:14 ID:???
ID:o2zeOzds
972ユーは名無しネ:02/07/14 11:40 ID:???
ID:o2zeOzds
973ユーは名無しネ:02/07/14 11:40 ID:???
ID:o2zeOzds
974ユーは名無しネ:02/07/14 11:59 ID:???
ID:o2zeOzds
975ユーは名無しネ:02/07/14 11:59 ID:???
ID:o2zeOzds
976ユーは名無しネ:02/07/14 12:56 ID:???
ID:o2zeOzds
977ユーは名無しネ:02/07/14 12:56 ID:???
ID:o2zeOzds
978ユーは名無しネ:02/07/14 13:10 ID:???
ID:o2zeOzds
979ユーは名無しネ:02/07/14 13:10 ID:???
ID:o2zeOzds
980ユーは名無しネ:02/07/14 13:40 ID:???
ID:o2zeOzds
981ユーは名無しネ:02/07/14 13:40 ID:???
ID:o2zeOzds
982ユーは名無しネ:02/07/14 13:53 ID:???
ID:o2zeOzds
983ユーは名無しネ:02/07/14 13:53 ID:???
ID:o2zeOzds
984ユーは名無しネ:02/07/14 14:06 ID:???
ID:o2zeOzds
985ユーは名無しネ:02/07/14 14:06 ID:???
ID:o2zeOzds
986ユーは名無しネ:02/07/14 14:13 ID:???
ID:o2zeOzds
987ユーは名無しネ:02/07/14 14:13 ID:???
ID:o2zeOzds
988ユーは名無しネ:02/07/14 14:23 ID:???
ID:o2zeOzds
989ユーは名無しネ:02/07/14 14:23 ID:???
ID:o2zeOzds
990ユーは名無しネ:02/07/14 14:37 ID:???
ID:o2zeOzds
991ユーは名無しネ:02/07/14 14:37 ID:???
ID:o2zeOzds
992ユーは名無しネ:02/07/14 14:46 ID:???
ID:o2zeOzds
993ユーは名無しネ:02/07/14 15:26 ID:???

ID:o2zeOzds
994ユーは名無しネ:02/07/14 16:17 ID:???
ID:o2zeOzds
995ユーは名無しネ:02/07/14 16:26 ID:???
ID:o2zeOzds
996ユーは名無しネ:02/07/14 16:33 ID:???
ID:o2zeOzds
997ユーは名無しネ:02/07/14 16:42 ID:???
ID:o2zeOzds
998ユーは名無しネ:02/07/14 16:46 ID:???
999
999ユーは名無しネ:02/07/14 16:46 ID:???
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