175 :
’70年代社学卒業者へのレクイエム:
今から30年前のことだ。
社学1年だった私に、地元の稲門会から招待状が届いたので出席した。
一次会は終始なごやかな雰囲気で進んだ。
私は若かったこともあり、控えめに、先輩の言葉に耳を傾けていた。
しかし、二次会でその事件は起こった。
したたかに酔った政経卒の30代前半の先輩が私にこう言ったのだ。
「社学ごときが出しゃばってるんじゃねーよ」
私は我が耳を疑った。
控えめに座っていただけなのに。
お酒のお酌をしながら謙虚に先輩の言葉に耳を傾けていただけなのに。
私は悔しかった。悲しかった。
社学は出席するだけで出しゃばっていると思われる存在なのか。
私は帰宅し、大いに慟哭した。
そして思った。同時に強く誓った。
社学の大学内での地位を上げていかなければいけない。
社学の社会的評価を上げていかなければいけない。
私が味わったこの悔しい悲しい思いは、後輩たちには味あわせてはならない。
そして、いつしか、稲門会に出席したときには、
「先輩、社学ですね。ご出席を歓迎します」と言われるようにしなければならない。
自分たちの後輩が上場企業を訪問したときには、
「早稲田の社学の方ですか。あなたのような人材が当社に来てほしい」
と言われるようにしなければならない。
いや、そのようにしてみせる。それが私の目標だ。そして夢だ。
− I HAVE A DREAM −
そう、私には夢がある。