【創立】早稲田の栄光の軌跡を語れ【125周年】☆19

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246エリート街道さん
 ◆尽きない社会不安の種◆
 超大国へとひた走る中国にとって、2008年は様々な面で「光」と「影」が交錯する
年となるだろう。8月には北京五輪が開催される。市場経済化を進める改革・開放政策の
導入から30年。北京五輪は、この間の国力伸長を内外に誇示する絶好の舞台となる。

 世界一の外貨準備高の多角運用を目的に、中国は昨年秋、政府系ファンドを設立し、国際
金融界の耳目を集めた。「世界の工場」から投資大国へ――。「中国マネー」が本格始動
すれば、世界経済における中国パワーは、ますます強大になる。

 一方で、急激な膨張は、中国内外に深刻な問題をもたらしている。国内では格差拡大や汚職
のまん延、底なしの環境汚染など、社会不安の種は尽きない。
 環境汚染は、国内から日本など周辺国へと広がり、「越境汚染」の様相を呈している。人権
問題など意に介さない露骨な資源外交も非難の的だ。「中国は国力に見合った責任を果たして
いるのか」との国際社会の不信は募る一方だ。
247エリート街道さん:2008/01/06(日) 10:26:52 ID:tUFue8Q2
「影」を直視し、内外に潜む危機に適切に対応できるか否か。中国は、困難な
課題に直面している。今、国際社会で強まっているのは、中国経済の過熱への懸念だ。
背景にあるのが「カネ余り」現象である。上海市場の株価は2年間で6倍に急騰した。
昨年の固定資産投資は前年比25%超の大幅増となる見込みだ。全体の物価水準も、
危険水域に迫っている。昨年の物価上昇率は、8月以降6%台から下がらず、
11年ぶりの物価高となった。中でも食品価格は18%を超え、低所得者層の生活を
圧迫している。インフレは社会不安に直結する。
胡錦濤政権は昨年末、過熱経済の制御とインフレ抑止を今年の最優先課題とする方針を
決めた。当然の措置だが、問題はその方針を徹底できるかどうかだ。
胡政権は、着々と権力基盤を固めてきた。だが、地方政府は地元利益を最優先し、中央
政府の指示を無視する傾向が強い。今回の引き締め策も地方政府の面従腹背で空回りに
終わる可能性がある。過熱経済の元凶である「カネ余り」を根本から解決するには、
やはり大胆な人民元の切り上げが不可欠だ。
248エリート街道さん:2008/01/06(日) 10:29:59 ID:tUFue8Q2
 昨年1年間で人民元は対ドルで7%弱上昇した。だが、貿易黒字、外貨準備高とも急ピッチで
積み上がった。より速いペースの切り上げが必要な証しだ。元高は物価抑制策としても有効なはずだ。
北京五輪開催や成長を優先するあまりに、引き締め策や人民元改革が後手に回れば、バブル崩壊と
いった深刻な事態もあり得よう。
米国、日本に次ぐ世界第3位の規模の中国経済が混乱すれば、国際経済にも大きな影響を及ぼす。
日本は米欧と歩調を合わせながら、中国に適切な経済運営を求めていく必要がある。

 経済と並び、軍事、外交の両面でも、中国パワーが国際政治の構図を変えようとしている。
軍事費は、公表分だけでも19年連続2けたの伸びで増え続け、近年、装備増強が急速に
進んだ。米国防総省の年次報告は、「中国と台湾の軍事バランスは、中国優位に傾いている」
と指摘する。 胡政権は昨年の軍首脳人事で、対台湾作戦関連ポストを経験した将軍を大挙、
登用した。装備の増強や人事の主眼は、独立志向を強める台湾けん制にあるとされてきた。
海軍は、外洋展開力の充実に努めている。軍内では空母保有論が公然と語られ始めた。
ミサイルの増強や空軍力の強化も著しい。米国を中心に、「中国の軍拡の規模は対台湾作戦の
想定を超える」として、軍事力強化の意図に対する警戒論が渦巻いている。
上海協力機構を構成するロシアや中央アジア各国との軍事演習は、年々、米国けん制の色彩を強めている。
パキスタンやミャンマーの港湾を軍事拠点化する動きもある。中国には、中東・アフリカから原油を輸送する
シーレーンを確保する狙いがある。
長期的には、政治・安全保障面でも、超大国・米国に拮抗(きっこう)する一極であろうとしているのだろう。
249エリート街道さん:2008/01/06(日) 10:31:57 ID:tUFue8Q2

中国は近年、アフリカ、南米などで資源確保のため、大規模な援助外交も展開し始めた。
問題は、ダルフール紛争を抱えるスーダンへの援助のように、中国の外交姿勢が紛争解決に
逆行し、時に国際秩序の安定を損なっていることだ。
軍の透明度も低いままだ。
中国は昨年1月、ミサイルによる衛星破壊実験を行い、国際批判を浴びた。11月には空母
キティホークを含む米軍艦船の香港寄港を唐突に3回にわたって拒否し、米国との関係が
揺らいだ。
ゲーツ米国防長官は、「いずれも軍部の決定で、政府には伝えられていなかったようだ」と
指摘した。2004年11月の中国原潜による日本領海侵犯事件でも、同様の見方がされた。
こうした事例が、国際社会に不安を抱かせている。
経済、政治、軍事など、あらゆる分野での中国の膨張が、地域や国際社会の大きな不安定要因
となっている。「中国問題」は、ますます国際社会全体の中心的な課題となっていくだろう。