690 :
エリート街道さん:
子供たちが空に向かい
両手をひろげ鳥や雲や夢までも
つかもうとしているその姿は
昨日までの何も知らない私
あなたにこの指が届くと信じていた
空と大地がふれあう彼方
過去からの旅人を呼んでる道
あなたにとって私ただの通りすがり
ちょっとふり向いてみただけの異邦人
市場へ行く人の波に
身体を預け石畳の街角を
ゆらゆらとさまよう祈りの声
ひずめの音歌うようなざわめき
私を置き去りに過ぎて行く白い朝
時間旅行が心の傷を
なぜかしら埋めてゆく不思議な道
さよならだけの手紙迷い続けて書き
あとは哀しみをもて余す異邦人