http://japan.internet.com/busnews/20120705/2.html 6月27日、iTunes Store が台湾・香港・シンガポールを含むアジアの12の国と地域で新たにオープンしました。従来、台湾ではアプリの
配信のみでしたが、音楽と映画を台湾ドル建てで購入することができるようになっています(映画はレンタルもあり)。特に音楽は台湾
のアーティストの収録が拡がり、多少なりとも台湾の音楽・映画配信の市場構造に影響がありそうです。今回は、iTunes Store のサー
ビス開始が、台湾市場全体にどのような影響を与える可能性があるかという点について触れることにします。
台湾ユーザーは従来、日本またはアメリカなど海外の iTunes Store にアクセスして楽曲を買うことはありましたが、そこでは台湾の
アーティストの曲揃えは少ないほか、台湾のストアの方が安いという事情もあり、各通信キャリアが展開するストアや、KDDI の子会社
である KKBOX の利用が中心でした。
音楽配信の代表的なストアはこの KKBOX 以外に、台湾モバイルが展開する myMusic、中華電信が展開する Hami Music、遠傳
(FET)グループの Omusic などがあります。これらのストアでの台湾アーティストの価格設定は1曲19〜25台湾ドルが中心で、直近
の為替レートで換算すると19台湾ドルで約50円(2012年7月4日現在)と、日本の1曲あたりよりは安く設定されているように見えます。
ユーザーは、欲しい曲を Web で選んで MP3 などの楽曲ファイルを購入することができます。
なお、こうした楽曲あたりの価格差はネット配信に限ったものではなく、音楽 CD の価格設定も国によって異なっています。そのため、
例えば台湾で販売している日本の歌手の CD は、日本での販売を禁止しています。実際、Hami Music は台湾以外からそもそも Web
サイトにアクセスができないようになっていますし、KKBOX は台湾以外からでは購入画面には進めないようになっています。今回サー
ビスを開始した台湾のiTunes Store も、台湾内の住所だけでなく、台湾内で発行されたクレジットカードでなければ購入できないように
制限し、こうした音楽配信に関する国・地域ごとの権利処理に対応しています。
しかし、実は台湾市場はこうしたダウンロード型の音楽配信に対抗する強力な仕組みがあります。先に挙げたKKBOX や myMusic は