自由大橋を渡れば、もう終点はすぐそこだ。
世界中の終着駅の中で、
これほど旅情と郷愁を誘う終着駅は他にないだろう。
列車はもちろん、車もここから先へは行けない。
文字通りの終着駅である。
駅を降りれば目の前はすぐ海。
街を巡るにはゴンドラに乗らなければならない。
街の中は細い路地のような道があり、
全て歩行者専用で自転車の通行さえ禁じられているが、
子供用自転車は黙認されている。
車が来ないため猫にとっては天国だ。
そして街と街の間はいくつもの橋が結んでいる。
ただし家々の玄関は運河に面したところにもあり、ボートは必需品だ。
橋も、建物も皆中世の時代のもので、街全てが世界遺産に指定されている。
そう、この終着駅の名は