「学習された無力感」というのがある。
『犬を縛り付けておいて、電気ショックを与え続ける。
最初のうち犬は必死でもがくが、縛られている為に
電気ショックから逃れる事が出来ない。これを数週間続けるうちに犬は
「自分は無能で何をやってもムダだ」という感覚が植え付けられ、
そのうち 電気ショックを受けてももがかなくなり、
ひたすら衝撃をガマンするだけになった』
これを心理学では「学習された無力感」と言う。
『極度の無気力状態に陥った事が確認された後、セリグマンは犬の縄を
ほどいて逃げられるようにしてやったが、それでも犬は黙って
電気ショックを与えられるがままで、逃げだそうとはしなかった。
努力をムダだと信じ込んでしまった為「逃げる」という
選択肢を失ってしまった。そしてセリグマンは、
犬を抱き上げたり押したりして、電気ショックを受けない所まで
動かしてやり「逃げれば助かる」という事を再度学習させた後、
再び元の場所に戻し電気ショックを与えた。
犬は逃げれば痛くないと判ったはずなのに、やはり動こうとはしなかった。
一度無気力状態になった犬は、「さっ 痛くなかったのは
誰かが助けてくれたせいで、自分では何も出来ない」と信じていたのだ』
これは人でも同じ。「あれをしてはいけない、これをしてはいけない」と
言われ続けた人間は消極的な性格になる。
そういう育て方をしたにも関らず、気力を奪われた
我が子の怠惰な生活を見て、
「あんた彼女も出来ないの?」「友達居ないの?」
「いい加減あんた働きなさいよ!」
「毎日毎日ぐうたらして!何かする気が起きないの!」
と、臆面もなくこの手の発言を繰り出す。
親とは実に無責任な存在である。
昨今のニート、無職若者の親殺しの真相はこれだ。