【マターリ】「そば屋で酒」を語ろう【13杯目】

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26名無しさん@お腹いっぱい。
神楽坂の「春月」は書生の頃から久しく通つた。
はじめ何んの気なしに入つたらうまい。
通つてゐる中に気がついたのだが、よく天ぷらだの何んだの、吸タネでお酒をのんでゐる人が大変多い。
大抵行く度にかういふ人を見る。
天ぷら、五目、鴨なんといふやうなものの下地だけをとつて酒をのんでゐる。
後ちに酒のみの先輩にこれを話したら
「酒といふものは蕎麦でのむと大層うま味が減るものだ。だから蕎麦屋では大抵飛切り上等のものを置く、
酒のみは酒をのむためにここへ入る。蕎麦をとつても酒をのみ終へてから御愛想に食ふ位のものだ。
吸タネで酒をのむなどはところがら粋な奴が多いのだらうし、酒も余つ程いヽのを出してゐるな」といつた。