★山形マット死事件:元生徒の賠償確定 最高裁が上告退ける
山形県新庄市立明倫中で93年1月、1年生の児玉有平君(当時13歳)が体育用マットの中で死亡した
事件を巡り、遺族が逮捕・補導された元生徒7人に総額約1億9000万円の損害賠償を求めた訴訟で、
最高裁第3小法廷(上田豊三裁判長)は6日、元生徒側の上告を棄却する決定を出した。
少年審判で不処分(無罪相当)が確定した3人を含む7人全員の関与を認め、計約5760万円の支払いを命じた
2審の遺族側逆転勝訴判決が確定した。7人の関与の有無を巡って判断が大きく分かれた一連の訴訟は、
これで終結した。
事件では、児玉君をマットに押し込んで放置したとして、14歳だった同校の2年生3人が逮捕され、
12〜13歳の1、2年生4人が補導された。7人は捜査段階で自白した後、関与を否定。最年少の1人は
児童福祉司指導の行政処分となり、逮捕された3人は少年審判で不処分が確定したが、初等少年院送致などの
保護処分を受けた残る3人の抗告審で7人全員の関与が指摘され、94年に確定した。
これを受け、遺族側は95年に民事提訴したが、1審・山形地裁判決(02年3月)は、7人全員の関与を否定して
請求を棄却。これに対し、2審・仙台高裁判決(04年5月)は「複数の者が暴力を振るい、制圧してマットに
押し入れた可能性が高い」と事件性を認定。自白の信用性も認め、7人に賠償を命じた。
元生徒側はこれを不服として上告したが、第3小法廷は実質的判断は示さず上告を退けた。
遺族側は「事件はいじめの延長で起き、学校側は適切な対処を怠った」として学校側にも賠償を求めたが、
敗訴が確定している。【木戸哲】
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050906k0000e040117000c.html