【ファンコン】 ファンコントローラー その36

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ファンコンの制御方式
(1) レギュレータ方式 (シリーズ・ドロップ方式)
   バイポーラ・トランジスタを用いて電圧を降下させてファンに供給する電圧を制御する方式。
   ファンへの最大供給電圧はトランジスタのコレクタ飽和電圧に依存する。
   トランジスタで消費させた電力は熱にして捨てている。ファンの負荷に比例して
   トランジスタでの電力消費も増えるため、高負荷のファンは制御しきれない場合がある。
   ヒートシンクが付いているものは大抵この方式(ヒートシンク無しも存在)
    ○回路が単純で低コスト ×熱処理が必要

(2) PWM方式(降圧チョッパ制御方式)
   電源をFETで高速に断続させて、ファンに供給する電圧を制御する方式。
   出力電圧はON/OFFの時間比率を変え、後段のフィルタ回路により平滑化することで調整している。
   コストダウンのため、FET出力に続くフィルタ回路を省略した製品の場合、組み合わせる
   ファン次第では可聴周波数での「鳴き」が生じたり、AMラジオの受信障害を起こす場合もある。
   FETの制御がスイッチング動作であることから、ワンチップマイコンとの親和性が高い。
   FETの低いON抵抗により、シリーズ・ドロップ方式よりもファンへの最大供給電圧を高くできる。
    ○熱損失が少ない
    ×部品点数増加によるコスト増、(コストダウン優先の製品だと)ファンが鳴く場合も

(3) PWMの応用方式
   ファンへの最大供給電圧を定格(+12V)まで設定できる方式。実装方法により、最初に
   昇圧(昇圧チョッパやチャージポンプ回路)してから降圧(降圧チョッパ)回路で出力させる構成、
   または+12V入力を昇圧&降圧兼用の回路で構成する方法が採られる。
   昇圧機能以外の特徴はPWM方式に準じる。理想的な制御に近くできるが価格面でかなり不利。
    ○ファンを定格(最大)回転数まで駆動できる  ×回路がさらに複雑になる。高コスト