112 :
Socket774:
今日午後三時ごろラジオ会館の一階のあたりをうろついてたら二人組みの警官がエスカレーター下の店員に
「6階はどうやって行くんですか」と聞いていた。店員は「エレベーターです」と答えていた。何気なく
聞いていた漏れはピンと来てエスカレーターで先回りして六階で待ち受けた。警官はボークスへ入っていった。
漏れも客を装って店内に入った。警官たちはスタッフ用の小部屋に入っていった。中からボソボソ
話し声が聞こえるが大きな音楽が鳴っているので詳しくは聞き取れない。造形用の粘土を手に取ったり
スプレーを見たりしながら二分ほど待っていると警官に前後を挟まれるようにして歳若い女性が出てきた。三人は
人形に着せる小さな服の売り場へ歩いていき、そこで何かしゃべっていた。漏れはそっと近寄る。そこで見たのはカメラを
構えた警官と、吊り下げられたたくさんの人形用の小物のうちの一つを指差している女性だった。フラッシュが焚かれる。
女性が指差すとまたフラッシュが光る。「ほら、いわれないでもさっさと自分の盗ったものを指差せ!!」と怒鳴る中年の
警官の顔はわずかにではあるがにやついていた。まるで女性の盗った品の馬鹿馬鹿しさを嘲笑うかのように。
女性のもう片方の手にはハンカチが握られており、目は恥辱と後悔のために潤んでいた。ちょっとかわいそうだな、と
思った。しかしその残酷なシーンも、カウンターの中の二人の女の店員にとっては格好の見世物に過ぎなかった。
二人は何事かを囁きあってクスクス笑っていた。「さあ、荷物をまとめて。」警官は女性を促した。体重は優に百キロ
は超えようかという哀れな女性は、泣きはらした目を伏せて漏れの前を通り過ぎていった。
ごめん。言い忘れたけど、漏れにとっても格好の見世物ですた。すいません。
そして防犯カメラで記録された>112-113の行為をみんなで笑うボークス店員。