2MBの3次キャッシュが追加された、というと、一見、
従来はキャッシュできなかったデータを新たに2MB分キャッシュできるようになる、
とも思いたくなる。一部にはそのような報道もあるが、実際にはプラスされるのは1.5MB分である。
要するに、3次キャッシュの内容のうち512KB分は2次キャッシュとかぶっている。
2MBの3次キャッシュによって「新たに」キャッシュ可能になるデータは差し引き1.5MB分となる。
このことは、メモリーの読み出しサイズを2MB近辺で細かく調整してテストしてみるとわかる。
2MB前後のブロックサイズでPentium 4 EEのメモリ性能を計測してみた。
2MBのところで大きく落ち込み、2.5MBの前後では値が変わらないことから、
内部の総キャッシュ容量は2.5MBではなく2MBであること=つまり、
3次キャッシュによる実質キャッシュ可能量増加分は1.5MBであることがわかる
P4EEは、名前こそPentium 4だが、実際はXeon MPの転用である。
サーバ向けの高性能プロセッサを、ハイエンドユーザー向けの
デスクトッププロセッサとして投入して、性能競争を勝ち抜こうとしているわけだ。
ただ、元がサーバ用なので、P4EEでは消費電力の大幅アップと製造コストの大幅アップ
(=インテルとしては大量にそこそこの価格では供給しにくい)というジレンマを抱えてしまった。