>>1さん、世間は最近すっかり冬らしくなってきましたね。
私の髪も結構伸びてきたので、ある日、突然、短く「スカッと爽やかスポーツ刈り」をしたくなった。
お洒落な私は、中学生の時からパーマ屋さん(美容院)でカットをしてもらいに行っていたのだ。
そんなこともあり、私はスポーツ刈りをきっかけに大衆理容デビューを果たしたいと思ったのである。
その日がついに来ました。
平日の夕方6時、私は少し緊張した面持ちで、店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ〜」と、元気の良い声で迎えられた。定員はニコッと笑って「こちらの方へ」とレジを指した。
そのレジに行くと、50歳近い女性が「2000円です」と徐(おもむろ)に言ってきた。
凄く安いので驚いた反面、心配にもなってきた。大丈夫なのか?
2000円を渡すと、何かレシートのようなモノを渡されて「あちらの席にどうぞ」と言われた。
その獲たいの知れない紙を持って、その『髪の毛製作作業椅子』の横でニコニコ笑っている定員さんに近づいて行った。
よく分からない紙を渡すと「どうぞ」と言って『髪の毛製作作業椅子』に座らせられた。
あの紙は何の意味があるのだろう?口頭で済むようなことを何故?心の中では???がいっぱいだ。
その定員さんは、ガッチリした体格で、ロン毛のちょん髷(まげ)だ。
その『ガッチリちょん髷俺は男だ!』がどのようにしますか?と聞いてきたので、私も男らしく言ってやった。
「スポーツ刈りにして下さい!」ってね。
『ガッチリ』は、上のほうはどれぐらいにしましょうか?と聞いてきたので、「お任せします」と言った。
『ガッチリ』は、「じゃ、少し長めにしますね」と言ってバリカンで、グリグリ髪を切り始めた。
なんと手際の良い事か、ハサミでチョキチョキとリズミカルに髪を切っていく、想わず見惚れてしまうほどだ。
まさに職人芸とは、このような事を言うのだと『ガッチリ』に職人芸を付けたそうと、心の中で想った。
『職人芸ガッチリちょん髷俺は男だ!』の後ろで、ジッ待っている50歳以上のおじさんがこっちを見ている。
50歳以上おじさんは「失礼します」と言って『髪の毛製作作業椅子』の前にある
『格納型温水調整機能付シャンプー作業シンク』に私を誘うのである。
そうか、このおじさんは、『頭洗専属職人浪花恋しぐれ』なのだ。
そして、パーマ屋では仰向けになってシャンプーしていたのに、床屋さんはうつ伏せ状態でシャンプーする。
如何にも男らしいではないか、「俺はうつ伏せで洗ってんだ〜」みたいでかっこいい。
一通りの作業が終わったのだろう、
『ガッチリ』が最後の仕上げに係り始めた。
軽くハサミを入れて「これで、よろしいですか?」といったので、
思わず「よろしいでしょう」と言ってしまい、なんだか変な会話になってしまった。
従業員みんなが一声に「お疲れ様でした〜、ありがとうございました〜」と言って見送ってくれた。
この所要時間の早かったこと、30分もかかっていない、チームワークによる流れ作業の賜物である。
これで2000円は凄い、まさに『庶民の味方大衆理容』なのである。
私は、大衆理容マニアになってしまいそうだ。
それでは
>>1さん、ごきげんよう。ちゃんと髪切れよ。