【自由小説】みんなで力を合わせて物語を書こう

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138マジレスさん:2007/11/27(火) 17:40:39 ID:PETxi170
なんじゃこの展開!どうこうできるかっ!キョンこと>>1は言った
139マジレスさん:2007/11/27(火) 18:16:19 ID:ckhXh6Ix
とりあえず俺は今カルピスを飲んでいる
それがどうしたと言われようが
ただ濃く割った方が上手いというだけ
140マジレスさん:2007/11/27(火) 18:52:06 ID:rlH7QDgi
ついでに濃いひげも剃っておくか
と、シェービングローションを顎から頬に塗りたくりカミソリを当てた

もう三日ほど、俺自身のカルピスを出ていないことに気が付いた
141マジレスさん:2007/11/27(火) 19:00:23 ID:QiBjvkQ3
テストを受けていたがり勉はいつも時間が余るようで
試験終了30分前には大抵机で寝息をたてていた。
忌々しい。ああ、忌々しい…。
>>1が言った。
142堕落快楽:2007/11/27(火) 19:05:20 ID:fC20AKKC
getu那美だ
143マジレスさん:2007/11/27(火) 19:28:39 ID:QiBjvkQ3
>>142
意味不明だ。言葉として成立していない。
144マジレスさん:2007/11/27(火) 20:25:55 ID:ckhXh6Ix
言葉の意味はわからんがとにかく凄い自信だっ
筋肉にくにく憎らしいはッ筋肉にくにく憎らしいはっ♪

この曲はある世代にはたまらなく心を刺激する曲らしい
145マジレスさん:2007/11/27(火) 20:30:42 ID:QiBjvkQ3
ただいまー。
俺こと>>1はハルヒを満足するまで見てきた。
俺はハルヒよりみくる…いや、有希が一番好きだったりする‥。
関係のないことを勝手に口走り青空を仰いでみせた。

イタチ飼いが辿り着いた先には…?
146マジレスさん:2007/11/27(火) 20:32:12 ID:ZpoqM9oo
心に刺激を受けあることを思い出した。
自分自身のカルピスの存在だ!

おもむろに自室のベッドの下の奥にあるピンク色の本を取り出した。
147マジレスさん:2007/11/27(火) 20:39:37 ID:r4sIM/wN
ビンク色の雑誌はホモ雑誌だった
148マジレスさん:2007/11/27(火) 20:49:28 ID:p7himVXh
>>1は気配を感じ、振り返った。。。。そこにいたのは。。。。お母さま!!??
149マジレスさん:2007/11/27(火) 20:50:33 ID:QiBjvkQ3
(何故俺がホモになる!)と>>1はカルピスを吹き飛ばし絶句してしまった。
俺は我に返りホモ雑誌を手に握り締めたまま古家を飛び出した。
向かった先は「燃えるゴミ。火曜:木曜」と書かれた張り紙が貼られた
ゴミ捨て置き場だった…
150マジレスさん:2007/11/27(火) 20:52:28 ID:rlH7QDgi
アッーー!
151マジレスさん:2007/11/27(火) 21:02:12 ID:QiBjvkQ3
ホモとかヘテロだとか(?)などというものにはこれまでまったくもって
興味がなかったというのにどうして俺はこれに手を出してしまったのだろう。
俺は思い悩み深い鬱状態に陥った。そこは耳も聞こえない何も見えない。

第2部:ルパン・ケラーは耳も目も不自由な可愛そうな少女だった。
152マジレスさん:2007/11/27(火) 21:19:00 ID:QiBjvkQ3
(わーーーーーーーんなにも聞こえないしなにも見えないよふじこちゃ〜ん!)
暗黒の暗闇の中ルパンはただひたすら頭の中で喚き続けた。
そこへイタチ飼いが現れルパンは
「イタチはいらんかね?期間限定特別サービスで牛もお付けしとくよ」と声をかけられた。

牛がモウモウと唸っている。
153マジレスさん:2007/11/27(火) 23:18:46 ID:ismEpkul
ルパン・ケラーはイタチに手を触れた。
温かくて柔らかい、毛深いものの小さな躍動が
手のひらを伝って感じられた。
「それはイタチ」そばにいたシャリバン先生は人差し指で、ルパンの背中に
文字を書いて教えた。
『イタチ・・・』ルパンは毛深いものを撫でながら、その言葉を反芻した。

ルパン・ケラーが盲、聾、唖の三重苦に陥ったのは、彼女の前世が
古代に栄えたロングボン帝国の皇帝、ダーシーに反乱を起こした「ストラボンの乙女」
であったからだ。ストラボンの乙女は捕らえられ、ダーシーの枢機卿マルタンに
軟禁された。マルタンは大魔法使いで彼女に呪いをかけた。「おまえの子孫は
皆、盲、聾、唖の三重苦を持って生まれてくるだろう」

それから千年が経過し、ルパン・ケラーが生まれた。彼女は考古学者のシャリバン先生
と共に呪いの謎を解く旅をしている。ロングボン帝国の遺跡を訪ね、古代魔法の
謎を解かねばならない。そしてこの悲劇を終わらせなければならない。
154マジレスさん:2007/11/28(水) 00:15:46 ID:S9BTJWhQ
私を殺して
155マジレスさん:2007/11/28(水) 00:55:26 ID:ox3eeqCW
古代ロングボン帝国は全世界を制覇したので、その遺跡は世界中にあった。

ルパン・ケラーとシャリバン先生は東方のザビランド大陸の先進国家、リンコン連邦を訪れた。
リンコン連邦には、ロングボン帝国の遺跡「空中都市ボントゥ」があった。
ボントゥは海抜何千メートルもの山頂に築かれた都市だった。都市の中央には
古代ロングボン語が刻まれた、円筒状の記念碑が建っていた。高さは十メートル程
あり、幅つまり円の直径は三メートルはあった。文字は右肩下がりにらせん状に刻まれて
いた。シャリバン先生はそれらを上から下まで、一ヶ月かけて解読した。
最初の方の内容はこうである。
『ロングボン暦23年12月10日、ついに我等ロングボン人にとって長年の宿敵であったストラボン王国
が我等の前に膝を屈した。ストラボン国王の首は偉大な皇帝ダーシーの前に献上され、王族はことごとく
処刑されストラボンは滅んだ。ストラボンの都を建設し直し、ここに都市ボントゥを建設する。ロングボン帝国に栄光あれ!
ロングボン暦24年7月6日、ストラボンの王女が一人生き残っていた。彼女は我が帝国に反乱を起こした。
ロングボン暦25年11月30日、ついに反乱軍を鎮圧し「ストラボンの乙女」を捕らえた。彼女を枢機卿マルタンの監察下に置く』
途中はロングボンの全盛期の栄光を謳いあげた記述で網羅されていた。
ロングボンは331年続いた国家だった。この記念碑は帝国末期まで刻まれた。
最後の記述はこうである。
『ロングボン暦331年3月9日、ダーシー21世は増えてきた魔族達に対して入国禁止令をだす。』




156マジレスさん:2007/11/28(水) 03:14:39 ID:ox3eeqCW
魔族とは死んだ人間が黒魔術によって蘇った、ゾンビ達だった。
彼らは魔法が使えた。人間界で圧倒的な兵力を誇ったロングボン帝国も
魔族達の前には赤子同然だった。魔族はロングボンを滅ぼし500年間
世界を支配した。
今から500年前、「ストラボンの乙女」の血を引く勇者が現れた。
彼は呪いによって、盲、聾、唖であったが、生まれつき魔法耐性があった。
そして手に触れるものを浄化する不思議な能力を備えていた。その能力によって
次々とアンデッドである魔族達を浄化し、彼は人間を魔族の手から解放した。
魔族の王は忽然と姿を消した。

ルパン・ケラーとシャリバン先生が次に訪れたのは、南方に位置するシドン大陸だった。
そこにはワラベリア共和国があった。首都のウォンブーには、ロングボンの遺跡
「マルタン城」があった。ロングボン帝国建国の功労者であった枢機卿マルタンの居城だった。
彼は史上最強の魔法使いだった。

城は一般公開されていて、マルタンの使った羽根ペンや装身具などが展示されていた。
シャリバン先生は、遺跡を管理する職員にマルタンの日記を見せてくれるよう頼んだ。
「いいですけど読めるんですか」と職員は訝しげに言った。
古代ロングボン語は難解で、解読できる考古学者はまだ世界に数人しかいなかった。
シャリバン先生はその一人だった。

渡された日記の表紙は動物の皮で出来ているようで、驚くほど保存状態が良かった。
中は羊皮紙の束が綴られていた。
シャリバン先生は最初の一ページ目から読み始めた。


157マジレスさん:2007/11/28(水) 04:59:37 ID:ox3eeqCW
『ロングボン暦25年12月1日。ダーシー皇帝からストラボンの第三王女、ジーナを預かった。
彼女は美しい。是非我が妻にしたいものだ』
「ジーナというのが『ストラボンの乙女』の本名なんだわ」シャリバン先生は呟いた。
そして日記を読み続けた。
『12月2日。ジーナは私を拒み続けている。苦しい。彼女は心を開かない』
それからマルタンは1年間もジーナに求愛し続けたようだった。シャリバン先生は
ついに重要な記述に行き着いた。
『ロングボン暦26年12月1日。ジーナは私をあざ笑ってこう言った。<なんて醜い顔なの。私の
国を滅ぼしたロングボンの犬め。あなたに抱かれるくらいなら今すぐ舌を噛み切って死にます>
もう終りだ。ジーナよ。おまえは私の顔に唾を吐いた。世界最強の魔道士であるこの私に。
私はおまえを呪う。末代まで呪う。おまえの子孫は 皆、盲、聾、唖の三重苦を持って生まれてくるだろう。
12月2日。ジーナはほんとに舌を噛んで死んだ。私は手を出していないのに。生きていれば呪いを解くこと
だって出来たものを。おおジーナ何故だ。やはりおまえを失って悲しい』
「マルタンは恋を拒まれ、やけになって呪いをかけたんだわ。ジーナが心を開けば呪いを解くつもりだった。
だがジーナは自殺してしまった。だから今まで呪いが続いてるのね」シャリバン先生はルパン・ケラーの肩を
抱きながら言った。それからまた日記を読み続けた。
『ロングボン暦27年8月23日。私は死者を蘇らせるネクロマンシーの法を編み出した。これでジーナを蘇らせる
ことが出来るかもしれない。彼女の遺体は冷凍保存してある。
8月24日。何故かジーナは蘇らない。そうか。呪いをかけたからか。しまった。魔法がかかっているものには
いったん解除しないと別の魔法はかけられない。俺としたことが・・・』
「やはり黒魔術を開発したのはマルタンだったのね。しかもジーナを蘇らせたくて開発したがそれは果たせなかった。
歴史に登場した魔族達はマルタンの仕業だったんだわ」
その後のマルタンは恋の絶望から、人間らしさを無くし邪悪な魔法研究にさらに打ち込んでいったようだった。
シャリバン先生は日記を閉じて職員に返し、ルパン・ケラーと城を出た。


158マジレスさん:2007/11/28(水) 17:22:09 ID:A8JCY3If
ライス長官「チョンマゲって拳銃だよね?」
159マジレスさん:2007/11/28(水) 17:37:52 ID:ox3eeqCW
>>157
次にルパン・ケラー達が向かったのは、西方に位置するメディアナ大陸だった。
ここは古代ロングボン帝国発祥の地で、帝国首都遺跡ダントーネポリスがあった。
最近になって歴代皇帝達が眠る大神殿が発掘された。
ルパン・ケラーとシャリバン先生は、大神殿で発掘された膨大な遺品が展示されている
博物館に入った。シャリバン先生は博物館の係員に「ロングボン正史」という書物を
見せてくれるよう頼んだ。
「有名なシャリバン教授ですね。あなたのロングボン研究の著作は読みました。
是非研究にお役立てください」と係員は快く一冊の大著を出してきた。
それは「ロングボン正史」といって、皇帝に仕える神官達が代々記してきた列伝史書だった。
シャリバン先生は最後の皇帝ダーシー21世の項をめくった。帝国滅亡前の混乱をもっとよく
知りたかったからである。

160マジレスさん:2007/11/28(水) 17:39:28 ID:ox3eeqCW
『帝国暦321年10月5日。皇太子が即位しダーシー21世となる。御年10歳。
ご幼少の為、枢機卿ゼマルタンが執政する。
322年8月7日。東南の属州カンタラで、反乱が発生する。首謀者は皇帝家の親族でもある
ポンペー公爵。彼はダーシー王朝を退け、自らの王朝を開くことを目論む。
323年10月20日。ポンペーの反乱軍は勢いを増し、東方のザビランドにも波及する。
ゼマルタンは傭兵を募り、親衛軍を組織してこれにあたる。親衛軍おおいに反乱軍を打ち破る。
皇帝陛下はこれをお喜びになる。
324年4月6日。ついにポンペー公を捕らえる。ゼマルタンは彼を処刑す。
皇帝陛下は親衛軍を大いに愛でられ、論功行賞せらる。
325年7月5日。属州総督の地位はすべて親衛軍出身の者に限られる。
326年9月8日。親衛軍団長が皇帝に謁見する。彼は亡きポンペー公に瓜二つであった。
皇帝陛下はそのことを不審に思われる。
327年5月24日。宮廷内の貴族、ロンウェー伯爵が帰城する際、親衛軍団長とすれちがった。
親衛軍団長は下馬をせず馬上から会釈した。ロンウェー伯爵はそれに立腹し、腹心をしてかの親衛軍団長
を手討ちせしめた。だが幾ら斬られても親衛軍団長は立ち上がり、決して死ぬことはなかった。
329年1月11日。属州総督の一人が、管轄する町を焼き払う。犠牲者甚だしく一万人以上。かの属州総督は
火の魔法を使い町を焼き払った。
330年6月28日。皇帝陛下は親衛軍団が死から蘇った「魔族」と認定せらる。それをゼマルタンに詰問せられたが
彼はなんら手を打たず。ロンウェー伯爵は「ゼマルタンが黒魔術を使って死者を蘇らせている」と皇帝に密告。
陛下はついにゼマルタン枢機卿を解任せられ、ここに親政を布かれる。ゼマルタン卿は出奔す。
331年3月9日。皇帝陛下は魔族達に対して大弾圧令を発布せらる。』

「ロングボン正史」はこれで終わっていた。
161マジレスさん:2007/11/28(水) 17:41:22 ID:KTDFpSIq
どうしようか…と>>1は一時思い悩み、気合いを入れ↑の読書に入った。
162マジレスさん:2007/11/28(水) 18:46:17 ID:KTDFpSIq
>>160
列伝史書に一通り目を通したシャリバン先生は眉間にしわを寄せ、顎に手を添えた。
「これ…バイオハザードに出てくる必要不可欠の書類レポートみたいな
文学専門大学か文学系専門用の以下目の何かを卒業していないと一般人
には解く必要のない場合で使われるあの列伝史書だわ」
係員はわかる、わかるよと言いたげにふむふむと何度も頷いた。

「こういう歴史が繰り返されていたのね。帝国連群の魔族=ゾンビ組織を
なんとか私たちの力だけで事態させなければ!いくわよルパン!」
「FF11を思い出した」ルパンがぼそりと付け加えた。
163マジレスさん:2007/11/28(水) 20:01:24 ID:ox3eeqCW
>>160
シャリバン先生が所属する考古学会の知人に、コルネイア教授という人がいた。
彼は古代魔法研究の権威だった。
シャリバン先生達はダントーネポリス帝国首都遺跡の南方にある、メディアナ州立大学
を訪れた。そこにコルネイア教授が勤務している。

「よく来たね、シャリバン君。ロングボン研究は順調かね」教授室のドアを開け、禿げ上がった頭に
黒縁の眼鏡をかけた、五十台半ば程の紳士がシャリバンを出迎えた。
「コルネイア教授お久しぶりです。今日は古代魔法についてお話を伺いたく参りました」
「なるほど。で、その子は?」コルネイアはルパン・ケラーに一瞥し、シャリバンに尋ねた。
「この子はルパン・ケラーといいます。目も見えず、耳も聞こえず、口もきけないのです」
「もしかして『ストラボンの乙女』の血を引く者か」
「そうだと思います」
なるほど。それで呪いを解くために奔走していると」
「ええ」
「ハードラック城は訪れたかね?」コルネイアはずれ下がった眼鏡を指で直しながら訊いた。
「ハードラック城?」
「魔族の王城遺跡じゃよ。シナント大陸にある」
「いいえ、まだです」
「呪いを解く鍵はおそらくそこにある」
「ではさっそく行って参ります。ありがとうございました」
「待て、わしも行く。これは重要な古代魔法研究じゃ」

こうしてルパン・ケラーとシャリバン先生とコルネイア教授は、世界大陸の中央に位置するシナント大陸に向かった。
そこはかつて「ポンペーの反乱」が起こった属州カンタラの故地で、魔族支配時代は
魔族の王が住んだ「ハードラック城」があった。魔族は500年前、「ストラボンの乙女」
の血を引く勇者の出現で地上から姿を消した。魔族の王も死者であったのか人間であったのか
分かっていない。彼も魔族の滅亡と同時に忽然と姿を消したという。
164マジレスさん:2007/11/28(水) 20:34:22 ID:KTDFpSIq
シャリバンはそう言ったのだがぼくは強引に…
165マジレスさん:2007/11/29(木) 15:21:10 ID:btn8A8pK
新しいメディアナ大学の花園を歩いてる途中吟遊人が通り過ぎた

呼んでいる胸の何処か奥で
いつも心踊る夢をみたい
哀しみは数えきれないけれど
そこ向こうできっとあなたに遭える
この両手は光を抱ける
生きている不思議死んでゆく不思議
花も街も風もみんな同じ
輝くものはいつもここに
私の中に見つけられたから

ルパンは無表無言のまま涙を流した。
166マジレスさん:2007/11/29(木) 16:30:27 ID:btn8A8pK
何回やっても何回やっても魔族が倒せないよ
とシャリバン先生は歌いだした
167マジレスさん:2007/11/29(木) 16:58:28 ID:CxcpiLBP
>>163
ハードラック城址は魔族達が姿を消した後、人間の手によって建て直され
今は教会として使われていた。
シャリバン達が城門をくぐると一階は広い礼拝堂になっていて、奥の教壇には
一人の神父が立ち、説教をしていた。まばらに聴聞生が椅子に座っていて説教を
聴いていた。
ルパン・ケラーとシャリバンとコルネイアも椅子に座って説教が終わるのを待った。
しばらくして説教が終り、聴聞生達が帰っていくのを尻目にシャリバンは神父に歩み寄った。
「魔族支配時代の研究をしているものですが、なにか目ぼしい資料は置いてないですか」
「二階が魔族時代の遺品を展示した博物館になっています。案内しましょう」神父は言った。
二階には魔族が残した、おぞましい拷問器具やら、ミイラ化した人間の死体やら、黒魔術の儀式
に使われたであろう祭壇などが展示されていた。
「王の遺品はありますか」シャリバンは神父に訊いた。
「三階の旧天守閣に『王の間』があります。こちらです」神父は三階に案内した。
三階の『王の間』はまさに書斎だった。壁一面に本棚が立ち並べられていた。
シャリバンは本棚を隅から見ていった。呪文の書が大勢を占める中で、背表紙に『日誌』と書かれた
一群があった。彼女は最初の『日誌』を手にとって中をめくった。
168マジレスさん:2007/11/29(木) 17:01:26 ID:CxcpiLBP
『ロングボン暦330年5月10日。ロンウェー伯爵にネクロマンシーの儀式を見られた。
彼は皇帝に密告するだろう。だがまあいい。ロングボン帝国ももう終りだ。ここから私の『死の王国』の
歴史が始まる』
「やはり魔族の王は、最後の枢機卿ゼマルタンだったんだわ」シャリバンは思わず口に出した。
『331年3月9日。皇帝には可哀相だが死んでもらった。だが蘇らせて私の僕にしてやろう。
これで帝国は滅亡した。新たに魔暦元年としよう。
魔暦2年3月10日。長らく初代マルタン以来、延命の魔法で生き長らえてきたが、やはり人間のままでは
魔力に限界がある』
「これは!? まさかマルタンとゼマルタンは同一人物!?」シャリバンは叫んだ。
「如何にもその可能性はある。大魔道士マルタンなら延命魔法で何百年も生きるのは簡単なことじゃろう」
とコルネイアが口を挟んだ。
169マジレスさん:2007/11/29(木) 17:02:20 ID:CxcpiLBP
シャリバンはまた読み続けた。
『魔暦3年4月8日。ついに私は永遠の命を手に入れた。延命魔法ではせいぜい千年が限界だったが、
もうこれで死ぬ心配がなくなった。魔力も驚く程上がった。これで私の永遠の王国が出来上がる』
「これはどういうことですか。コルネイア教授」
「リッチと言われる魔法使いを御存知かな、シャリバン君。さらなる魔力を追い求めて人間であることを止めた
人達のことじゃ。彼ら自体、死体であると言える。だがゾンビなどと違って自由意志があり、魔力も人間の魔法使い
の比ではない」
「ということはつまり、マルタンはリッチになったと」
「恐らくそうだろう。そしてそのことはつまり・・・」コルネイアは額の汗を手で拭った。
「まだ今でも何処かで生きている!」シャリバンは背中がゾーっとするのを感じた。
そして今度は『日誌』の最終章を手に取りを読み出した。
『魔暦500年2月7日。なんと我が僕(しもべ)達にも倒せない人間が現れた。彼には魔法耐性があるようだ。
おまけに死体を浄化する能力を備えている。
2月8日。彼は盲で聾唖だ。もしやジーナの血を引くものなのか? だが何故・・・
12月8日。彼のせいで我が僕達は全滅した・・・ 私は特別だが。
これはいったいどういうことだ。我が王国は崩壊した。しばらく人間に世界を譲ろう。私はこの謎を解かねばならない』

魔族の王、マルタンの『日誌』はこれで終わっていた。
170マジレスさん:2007/11/29(木) 21:34:38 ID:btn8A8pK
>>169
俺はめられてるの?やっぱマジレス?
小説家でも目指してたりするの?
171マジレスさん:2007/11/29(木) 21:50:20 ID:CxcpiLBP
>>169
「ルパン・ケラーの呪いを解く方法は恐らく一つじゃ」と、今は教会となっているハード
ラック城の城門を出るとコルネイアはシャリバンに言った。
「その方法とは?」シャリバンはルパン・ケラーの手を引きながら尋ねた。
「マルタンを探すことじゃ」
「やはり彼は生きていると?」シャリバンは不安げに訊いた。
「リッチとなっていれば永遠に生き続ける」
「探してどうするのです?」
「殺すしかない。呪いをかけたものが死ねば呪いは解かれる」
「どうやって殺すのです?」
「そこが問題じゃ。果たしてリッチは殺せるのか。弱点があるのか」
「もし殺せなければ?」
「永久に呪いは解かれない」
「実はわしの別荘がこの教会の南東にある」とコルネイアは続けていった。
「そうなんですか」
「古代魔法研究に便利だからとハードラック城の近くに別荘を買ったんじゃ。最近、黒魔
術に関係する邪神像を入手したのだが、その像が立つ台座には何やら古代語が書かれて
いてわしは解読出来ない。シャリバン君ならと思うが、ちょいと見てくれるかね?」
「ええ、是非」
172マジレスさん:2007/11/29(木) 21:51:21 ID:CxcpiLBP
コルネイア教授の別荘は、ハードラック城址から南東の丘の中腹に立っていた。
緑の絨毯を広げたような牧草地に囲まれた立派な邸宅だった。
居間には暖炉があり、壁には動物の剥製やら、魔族の儀式を描いたらしい絵画などが飾ら
れていた。
「あれが問題の邪神像じゃ」コルネイアは居間の隅に立っている像を指さした。
シャリバンはその像に歩み寄った。その像は白い大理石で出来た美しい女性をかたどった
ものだった。背中から翼が生えていた。
「これは邪神ですか」
「おそらくサキュバスの類だろう」
「サキュバス?」
「女の悪魔じゃ。台座の文字は読めるかね?」
「いいえ。これはロングボン語じゃないわ。すいません力になれなくて」シャリバンは申
し訳なさそうに言った。
「いやいいんだよ。わしも勉強不足だ。お互い頑張ろう。わしもリッチについて調べとく
よ」
「はい、お願いします」
「とにかく、マルタンを探す手がかりを見つけることだ」

コルネイアは勤務している大学に戻り、ルパン・ケラーとシャリバンはそのまま旅を続けた。
173マジレスさん:2007/11/29(木) 21:53:24 ID:CxcpiLBP
>>170
まあね。このスレを習作用に使わしてもらってる。
気にしなくていいよ。終わったら出ていくから。
174マジレスさん:2007/11/30(金) 03:17:14 ID:CyXYX1zS
>>172
『マルタンはジーナの血を引く勇者の出現に野望を挫かれた。そして彼はその勇者の不思
議な能力の謎を解き明かすために奔走したに違いない』シャリバンはそう考えた。

彼女はルパン・ケラーと共に再び、東方のザビランド大陸を訪れた。ここはロングボン帝
国によって滅ぼされたストラボン王国の故地だった。空中都市ボントゥはストラボンの都
が破壊された後に建設されたので、古代ストラボン人の痕跡を残す文明跡を探すのは困難
だった。それでも何か手がかりを探さなくてはとシャリバンは思った。
シャリバンとルパン・ケラーは、リンコン連邦国の港町ワルパに着いた。ボントゥ遺跡は
大山脈の頂上にある為、登山する前の休息が必要だった。シャリバン達はワルパにある一
軒の宿屋に泊まった。
「さあ、あり合わせの物ですが食べてください」と宿屋の主人はシャリバン達に夕食を給
仕した。彼は首から何か御札のようなものを垂らしていた。
「とんでもないです。有難く頂きます。ところでそれは何ですか」シャリバンは御札を指
差して訊いた。
「これですか。これはお守りです」宿屋の主人は答えた。
「ちょっと見せてもらっていいですか」
「ええ、いいですよ」
宿屋の主人は御札を首からはずし、シャリバンに差し出した。彼女は手にとってまじまじ
と見た。その御札には翼を生やした女の姿が描かれていた。それはコルネイア教授の別荘
で見た邪神像と酷似していた。
「ここの人達はこの神様を信仰してるんですか?」シャリバンは訝しげに訊いた。
「ええ昔から。何やら大昔はこの神様を祭る大神殿があったそうです。今でも神殿跡はあ
るようですが」
「それはどの辺にあるんですか」
「ボントゥ遺跡のある山の裏側にあります」
「ありがとうございます」
175マジレスさん:2007/11/30(金) 03:18:14 ID:CyXYX1zS
シャリバンとルパン・ケラーは次の日、宿屋の主人に教えられた神殿跡を目指した。ボン
トゥ遺跡は山頂から海岸方向に展開されている構造だったが、その神殿跡は内陸側の山の
中腹にあった。地震か何かで崩れたのか天蓋はなく、大理石で出来た神殿の柱だけが天に
向かって突き出ていた。ボントゥ程有名な遺跡ではないが、それでも観光客の一群はまば
らにいた。現地の人であろう観光ガイドが大声で遺跡の説明をしていた。
「この神殿は大昔に住んでいた古代ストラボン人の守り神アエルウィンを祭ったものだと
言われています。ロングボン帝国もストラボンを平定した後、統治のために現地の信仰を
尊重させようと敢えてこの神殿を破壊しませんでした。魔族支配時代もこの神殿は綺麗な
形で残っていました。しかし、今から二百年前、大地震がおこりこの神殿は崩れてしまい
ました。祭られていたアエルウィンの神像も粉々になってしまって今はありません」とガ
イドはいったん説明を終えた。
「そのアエルウィンは黒魔術で召喚されたりするんですか?」熱心に説明を聴いていたシ
ャリバンは思わずガイドに質問した。
「黒魔術? とんでもない。アエルウィンは聖なる女神様です」ガイドは少しむっとして
答えた。
「聖なる女神?邪神ではないの?」
「まったく逆です。伝承によると魔族を滅ぼした『ストラボンの乙女』の血をひく勇者の
不思議な力もアエルウィンの力に由来すると言われています。『ストラボンの乙女』はア
エルウィンに仕える巫女でした。だからその血を引くものを通して女神の力が発揮された
としても不思議なことではありません」
「神像はアエルウィンの召喚に必要だったと」
「その通りです。破壊された今となってはあのような奇跡は二度と起こらないでしょう」
ガイドは悲しそうに言った。
『二百年前、地震をおこして神殿を破壊したのはきっとマルタンだわ。だけど彼にとって
の脅威がなくなったのに何故彼は魔族を復活させないでいるのだろう。分からない。
とりあえずコルネイア教授に相談しよう』シャリバンはそう思った。

シャリバンとルパン・ケラーは山を降りて、ワルパの港を出てメディアナ州立大学に向か
った。
176マジレスさん:2007/11/30(金) 13:23:28 ID:mQqTP3ob
>>173
ワープロで練習してるんだ?俺は原稿用紙に書いてるよ。
今は長いこと次章の主人公の展開が決まらなくて書いてないけど

小説家目指してるって凄いなー^^

あのさ、俺忠告できるような身分じゃないけど
子供は読めないよきみの本は…。俺なんとなく読んでみたけど。
小説家の素質とか才能はあると思うけど、おもしろさに欠けてないか?
有り触れていると言うような…お前だけの物語ではないと言うような…

これたった一人の読者側のささやかな意見だから。
177マジレスさん:2007/11/30(金) 13:37:09 ID:mQqTP3ob
俺だけの物語は俺の中だけに眠ってる。
だからこれをいつかみんなにも伝えたい。
俺の中だけにとどめておきたくない。
これが自分の意志であるから馬鹿な奴でも書こうと思えるんだ。

まぁ、ほんと言うと俺も小説家になれたらそうなりたいな。
凄く儚い夢だけど
俺の物語はいつかみんなにも伝えたいという願望はある^^
178 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:20:46 ID:Y/en34iL
>>175
「やあシャリバン君。マルタンの手がかりはつかめたかね」コルネイア教授は研究室にシ
ャリバン達を迎え入れるなり、そう言った。
「それが、コルネイア教授、大変なことになってきました」シャリバンは不安な面持ちで
言った。
「なんだね、大変なことというのは」
「教授が所有している例の神像は、邪神ではありません」
「なんと。何故そう言える?」
「あれは古代ストラボン人が信仰した聖なる女神です」
そしてシャリバンは、ザビランド大陸まで赴いて調べてきた一部始終をコルネイアに語っ
た。

179 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:21:51 ID:Y/en34iL
「そうか。あの神像はかなり博識な古美術商から譲り受けたものだが、彼も邪神だと勘違
いしていた。すると何者かが、恐らくアエルウィンの信者だろうが、本物の神像が破壊さ
れたことを嘆き、レプリカを作ったのかもしれない」
「恐らくそうでしょう。唯、腑に落ちないのはマルタンは神像を破壊して邪魔がなくなっ
たのに、ここ二百年間歴史の表舞台に登場していないということです」
「それもそうだ。まさかそうあって欲しいものだが死んだということもあるまい。死んで
いればルパン・ケラーの呪いは解かれているはずじゃからな」
「確かに。では彼は何処にいるのでしょう」シャリバンは不安げに訊いた。
「こう考えてはどうかね。マルタンは神像を破壊したが、まだアエルウィンの力を完全に
封じきれていないのではないか。だからその謎を解く為にいまだに何処かに潜伏している
と」
「なるほどそれは考えられます」
「あのレプリカ神像の台座の文字は恐らく古代ストラボン語じゃよ」コルネイアは意味深
げに言った。
「きっとそうです。ストラボン語は文献に乏しい為、解読は困難です」
「だがそこに謎があるかもしれない。マルタンも古代ストラボン語を追っているとしたら」
「私はどうすればいいのでしょう」
「再びザビランドを訪れるのじゃ。ストラボンの遺跡を探している人物を容疑者としてリ
ストアップするのも手じゃ。また自ら遺跡を発掘するのも良い。考古学者としての腕の見
せ所じゃろ?」コルネイアはいたずらっぽく目くばせした。
「なるほど分かりました。やってみます」
「その前にサンプルとして台座の文字を写していくがよかろう」
180 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:24:46 ID:Y/en34iL
シャリバン達は再びコルネイア教授の別荘に行った。
「もしマルタンに会ったらどうするかね」神像の台座の文字を書き写しているシャリバン
に向かって、コルネイアはパイプを吹かしながら尋ねた。彼は暖炉の前のソファに座って
いた。隣にはルパン・ケラーが人形のように座っていた。
「教授だったらどうします」シャリバンは答えを仰いだ。
「うかつに手を出してはいかん。彼らリッチは、ナイフで刺しても銃で撃っても死なん。
バンパイアのように十字架も効かん。ゾンビやスケルトンのように聖なる力でも浄化され
ん」
「ではどうすれば?」
「彼らのもっとも大切にしている物を探るのじゃ。彼らは自分の肉体の次に大切なものの
中に自らの魂を埋め込んでいる。それを浄化することによってのみ彼らは浄化される」
「分かりました。ではもしマルタンに出くわしたら、その大切なものを探り当てることに
します」
「ふふふ。もう出くわしているよ」コルネイアはおもむろに立ち上がってそう言った。
「えっ?」シャリバンは書き写している手を止めて振り返った。
「その神像が本物であるとは考えなかったかね」コルネイアは愉快そうに言った。
「本物?だって神像は破壊されたと・・・」
「そう言った観光ガイドは破壊されたところを見たのかね」
「教授、何を言ってるんですか」シャリバンは背筋に冷たいものを感じながら言った。
「その台座の文字を解読しに行く必要はないよ。私が読んでやろう」コルネイアは無表情
に言った。
「えっ?」
「出来の悪い生徒に古代ストラボン語の講義をしてやろう。よく聴け。その台座にはこう
書いてある。『われは愛と光明の神アエルウィンなり。我が忠実なストラボンの民によっ
て地上に光明をもたらすものなり。我が力の地上に届かぬは、このわれをかたどった像の
我が忠実なストラボンの民の血によって打ち砕かれし時のみなり。そは信仰の破棄を意味
するをもってなり』どうだ。分かったかね、シャリバン君。古今の呪文書に通じるリッチ
にとって古代語を読むことなど造作もないことだよ」
181 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:37:43 ID:Y/en34iL
「コルネイア教授・・・いや・・・あなたが・・・まさか・・・」
「そう、二百年前ストラボン神殿に地震をおこしたのは、この私だ。だがこの碑文を最初
に読んでいた私は像まで破壊する程愚かではなかった。この像はジーナの血をひくもの以
外の者が破壊しても効力は保たれる。忌々しいアエルウィンを封じることは出来ない。ア
エルウィンの巫女であったジーナの血を引くものを二百年間探していたが、歳月が経ちす
ぎどれも色濃い遺伝子を残していなかった。しるしである三重苦の呪いを全く持たぬ者ま
でいた。だがルパン・ケラーは違った。最初彼女を見た時驚いたよ。まさにジーナの生ま
れ変わりだ。やっと時は訪れた」
「あなたの目的はなんなの、マルタン!」シャリバンはようやく声を絞り出した。
「やっと我が名を呼んでくれたね」マルタンはそう言うと身震いし出した。コルネイア教
授であった彼の顔面はたちまち蜘蛛の巣状にヒビ割れ、陶器の破片のようにボロボロと下
に落ちた。中から出てきたのは、骨と皮ばかりのミイラのような顔だった。しかし眼窩は
炭火のように赤く発光していた。
「ああっ」シャリバンは叫んだ。
「私の目的?知れたこと。ちょいとルパン・ケラーの血を拝借し、ハンマーに塗ってこの
忌々しい神像を叩き割るのさ。その後、我が死の王国を復活させる。最早誰にも邪魔され
ない。世界中の人間を我が僕とするのだ」
「なんて哀れな人。きっとジーナもあの世で蔑んでるわ。抱かれなくて良かったと」シャ
リバンは怒りに任せ思わず口走った。
「だがジーナを復活させられないのはむしろ幸いだった。恋の醍醐味は相手のわがままに
翻弄されることだとは思わないかね。従順なしもべに恋心は抱けないだろう。そんなこと
はどうでもいい。私は人間の感情を超越している。来い、ルパン・ケラー」マルタンはそ
う言うとルパン・ケラーの手首を掴んで、ぐいと引き寄せた。彼は手に剃刀を持っていた。
「やめて!」シャリバンは叫んだ。
「安心しろ。殺しはしない。女は当分殺さない。我がしもべとなる人間にはもっと増えて
もらわなくては困るからな」
182 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:39:03 ID:Y/en34iL
その時だった。居間の片隅に大きな棺があったが、それがパカリと開いた。中には美しい
女性が眠っていた。頭には月桂冠を付け、白い古代風の服装を纏っていた。
『私の子孫よ。よく聴きなさい。マルタンの魂は私の体に埋め込まれてあります。心の中
でアエルウィンと唱えながら私の体に触れなさい』このような声なき声を、マルタンの手
の中でもがいていたルパン・ケラーが聴いたのは一瞬のことだった。彼女はマルタンの手
を振りほどき、前に倒れ手さぐりでシャリバンを探した。シャリバンは駆け寄った。
「小癪な小娘が」マルタンの赤く光る眼窩は揺らいだ。
ルパン・ケラーはシャリバンに抱きつくと、彼女の背中に『聴いた声』の内容を指で伝え
た。シャリバンはルパン・ケラーを抱きかかえ、棺に駆け寄った。
「何をする!やめろ!」マルタンは初めて事態に気づいた。
ルパン・ケラーは棺の中の女性に触れた。その時、神像の目が青く光った。
「おおおおっ!!」マルタンは雷が轟くような唸りを発した。彼のミイラのような顔は、
上に向かって歪み出し、蒸発するように空気の中に吸い込まれていった。やがて体全体が
消えていった。すると神像の目の青い光も消えた。
『これでようやく呪いが解けましたね。私のせいで辛い思いをさせてごめんなさい』
ルパン・ケラーがまた声なき声を聴いたと思った刹那、彼女は思わず目を覆った。そして、
「ああ・・・」と声を発した。
「ルパン・ケラー、あなた眩しいのね!」そう言ったシャリバンの声も彼女にはしっかり
と聞こえていた。

183 ◆.Bn0NFCF76 :2007/12/01(土) 02:46:22 ID:Y/en34iL
>>176
まあそういう意見もあるでしょう。

一応書き上げました。「ルパン・ケラーとシャリバン先生の冒険」
読んでみて是非本にして出版したいと思った方は下記アドレスまで
ご連絡ください。原稿料の交渉をしましょうw

[email protected]
184マジレスさん:2007/12/02(日) 12:14:09 ID:CfYjRRHk
どうすりゃいいの俺…?
俺はツタヤにいってきた。
コープスブライドってのを借りてきて見た。
185マジレスさん:2007/12/04(火) 18:06:54 ID:StE6OsMm
びえええええええええええええええええええええええ
ぎゃやああああああああああああああああああああああ

老人と女性たちが悲鳴をあげながら向かった先は?
186マジレスさん:2007/12/04(火) 20:42:45 ID:bQAiS1v1
そこにはユン様がいた
187マジレスさん
いや、偽ヨン様だった