今からネトゲを始めようとしている人を止めるスレ41

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133マジレスさん
>>2 の旧テンプレに既出の文部科学省レポート、容量削ぎ落とし版。

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第1章「インターネット依存」とは
 /情報化が子どもに与える影響 2003.5.31
  /文部科学省
http://www.cec.or.jp/soumu/netizon/1.pdf

■「インターネット中毒」について

 中毒や依存といった概念は化学物質の存在を前提としている。DSM-4では物質関連障害
として認めているニコチンは化学物質であり、身体依存と耐性の成立による使用量の増加、
離脱症状の惹起などの特徴を備えている。

 その意味で「インターネット中毒」は買い物中毒・ギャンブル中毒といった比喩的な中
毒。臨床的には放火癖や病的賭博と並列の位置にある「特定不能の衝動制御の障害」に分類
される。過食・コンピュータゲームなどの行為嗜癖(behavioral addiction)の一種と見
なす立場もある。

 その立場からグリフィス(Griffiths;1998)は「インターネット中毒」にも適用可能な
中毒の概念として、以下の6つの基準を提唱している。

1.(特定行為への思いが)突出していること。
2.(その行為中、周囲から見て)雰囲気が変ること。
3.(その行為に対して)耐性ができてしまうこと。
4.(その行為を中断・禁止されると)落ち込むこと。
5.(その行為によって自己の内外で)葛藤が生じていること。
6.(長年の禁止やコントロールの後でも)ぶり返しが起こること。
134マジレスさん:2006/08/19(土) 14:33:29 ID:AJMEJ1Sz
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 ヤング(1998)は、耐性の成立に伴う接続時間の増加は見られるとし新しい臨床疾患であ
ると高唱した。「インターネット依存」の先駆的研究者はオーザック博士であるが、世に
知らしめたのはヤングであり、以下の8項目にイエスと応える人々を「インターネット中
毒」、5項目以上を「インターネット依存」としている。

(1)自分がインターネットに心を奪われていると感じるか?
(2)インターネットでより多くの時間を費やさねば満足できないか?
(3)インターネット使用に関して、自制しようとか、やめようとか、使用時間を短くしよ
  うと何度も努力しながら、うまくいかなかった経験があるか?
(4)インターネットの使用を控えよう、あるいはやめようと試みているとき、気分が落ち
  着かなかったり、機嫌が悪くなったり、いらいらしたりしたか?
(5)最初に考えていたよりも、長時間、オンラインで過ごしてしまうか?
(6)大切な人間関係、仕事、または出世の機会を、インターネットのせいで失いそうにな
  ったことがあるか?
(7)インターネットにどれだけ傾倒しているかについて、家族やセラピストなどに嘘をつ
  いたことがあるか?
(8)現実の問題から逃避したり、落ち込んだ気分を盛り上げる目的でインターネットを使
  うか(たとえば無力感、罪悪感、心配、不安など)?

 中毒・依存にまつわる定義が曖昧なため、その批判はされている。
 他の精神障害を治療することで「インターネット中毒」が軽減される可能性があるとす
る報告がある(Shapiro;1998)。重症「インターネット中毒」者14名を診察したところ、躁
鬱病11、恐怖症7、摂食障害6、感情抑制障害4、アルコール等への依存8であったという。
多様な精神障害の症状の一つとして二次的に「インターネット中毒」が出現している可能
性を示唆している。
 グリフィス(1998)も指摘しているように、同じ行為嗜癖でもe-mailや情報検索、ファイ
ルの収集、ロールプレイ・ゲームなどのように、嗜癖化する行為による違いがあるのは当
然であろう。今日広く認められている多くの疾病単位や心理的現象が、出現当時は常に際
物視されていたことを考え合わせると、今後「インターネット中毒」もスチューデント・
アパシー程度の社会的認知を獲得することは十分考えられる。
135マジレスさん:2006/08/19(土) 14:34:10 ID:AJMEJ1Sz
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■「インターネット依存」の定義

 「インターネット依存」はアルコールや薬物への依存とは異なり、身体依存が起こらな
いという意味では、あくまでアナロジーとしての依存である。すなわちギャンブルや買い
物依存と同様、行為の過程への依存と見なされる。DSM-4では「インターネット依存」は
「312.30 特定不能の衝動制御の障害」に分類されよう。同様にICD-10でも「F63.9 習慣
および衝動の障害、特定不能のもの」に分類されよう。但し一方で、他の精神疾患に由来
する二次的疾患であるという立場も無視できない。

 小林ら(2001)の定義に従えば「インターネット依存」は「寝食を忘れてインターネッ
トにのめり込んだり、インターネットへの接続を止められないと感じるなど、インターネ
ットに精神的に依存した状態」とされる。本格的な研究の乏しい現状では、一定の見解を
得るには到っておらず、操作的な定義を免れ得ないものの、一般的に依存・嗜癖・中毒状
態の患者が自ら訴え出たり治療を希望したりすることが極めて稀であるという事実を鑑み
れば、幾つかの状態像を網羅的に掲げたチェックリストなどの何らかの客観的指標を媒介
にして同定していくのが妥当であろう。

 「インターネット依存」の大枠としての指標は、
(1)インターネット接続の時間
(2)「インターネット依存」状態の持続期間
(3)離脱症状、もしくはそれに類する状態像の存在
(4)結果として引き起こされる悪しき事態の無視や軽視
(5)慢性的な状態像
などが挙げられる。
136マジレスさん:2006/08/19(土) 14:34:43 ID:AJMEJ1Sz
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(1)インターネット接続の時間について
ヤング(1998)の診断基準では38.5時間/週、ブレンナー(1997)の調査では19時間/週。
(2)「インターネット依存」状態の持続期間
ヤングの研究(1996)では薬物依存にならって12ヶ月。 但し、子どもを念頭に置くなら
その影響の重篤さを鑑み、より短い期間(例えば3ヶ月)を指標とすべきであろう。
(3)離脱症状、もしくはそれに類する状態像
利用時間を制限されたり離脱した時に、精神依存を裏づける何らかの反応が起こる場合。
不安、抑鬱、情緒不安定、インターネット上で起こっている出来事への妄想的思考、
次の接続の機会に心奪われる、制御不能とそれに伴う無力感、などの反応。
(4)問題の軽視や無視
インターネットへの過度の耽溺によって精神的・身体的・社会的・職業的な問題を抱えて
しまう・しまっているにもかかわらず事態を軽視したり無視する態度が形成されている。
(5)慢性的な状態像
・別人格へのなりすまし ・現実の生活における劣等感 など

 以上のような諸点を踏まえ、今後以下のような記述的諸特徴を持つ場合に「インターネ
ット依存」と見なすことを提案したい。基本的に接続時間以外の項目については、報告者
自身の主観的報告による。但し、15歳以下の年少者の場合は、保護者による判定が望まし
いと思われる(15歳に根拠はない)。

◆「インターネット依存」チェックリスト
・過度に長時間のインターネット接続(3時間/日以上、20時間/週以上)
・インターネット離脱時における、不安、抑鬱、情緒不安定、インターネット上で起こる
  出来事への妄想的思考、次の接続の希求などの状態
・接続時間の制御不能とそれに伴う無力感
・精神的、身体的あるいは社会的、職業的な問題を抱えてしまう(しまっている)にもか
  かわらず、そういった事態を軽視したり無視する態度(例えば睡眠不足、余暇の断念、
  夫婦関係の放棄、遅刻、学習の放棄、職務の軽視など)
・別人格へのなりすまし
・現実の生活における劣等感
・これら全般にわたる持続期間が12ヶ月以上であること(15歳以下の場合は3ヶ月以上)
137マジレスさん:2006/08/19(土) 14:35:13 ID:AJMEJ1Sz
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■「インターネット依存」の症状

 インターネットの利用が40あるいは38時間以上であっても、仕事ならそれぐらいの時間
は使っている。3時間メールということもある。結局どのくらいの期間続けてその時間数
アクセスしていたかということではないか。

 依存症というのは一種のストレスコーピング、ストレスに対する対処行動である。初め
はストレスが誘因・契機となって逃避する形で始まが、一旦依存症が形成されるとストレ
スと関係無く続く。初めは小さな刺激で満足する。だんだん進行するにつれ、より強い刺
激でないと満足できなくなる。要するにだんだん重くなる。依存症は進行性の病気と似て
いる。DSM-4では、こういういろいろな依存症はもう病気に入っている。

 幾つかの依存症は合併しやすい(クロスアディクション現象)。アルコール依存症の人は
大体過食症である。うつ病・強迫神経症・精神分裂病などの人がインターネットに病的に
のめりこむことが時々ある。こういう場合、元の病気を治療するということになる。また
他の依存症の回復期に、インターネットに依存することも見られる。

 ある程度健康な病理を持っている人、ある程度セルフ・コントロールでき、ある程度大
人、思春期青年期のような人格を持っている人は、「インターネット依存」に陥ることは
少ないと思われるが、セルフ・コントロールできない未熟な人格、特に小学生、中学生に
ついてはセルフ・コントロールできないので、危ない可能性がある。

 依存症というのは自己コントロールを失うほどのめりこむことをいう。アルコールやコ
カインには薬理作用として依存性があるので誰でも依存症になる可能性がある。パチンコ
などのギャンブルはアルコールなどとは違って絶対的な依存性はないが、報酬を期待し続
けることができるという意味で心理的に依存する要素がある。「インターネット依存」も
心理的なものである。テクノロジーそのものの中に依存性があるわけではない。依存しや
すい性格や、自己コントロールの不十分さが大きな要因といえる。
138マジレスさん:2006/08/19(土) 14:35:45 ID:AJMEJ1Sz
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■「インターネット依存」の現状

 A病院では小学生はまだ来ないが中高校生が増えてきている。現在は高校生が多く、年
齢が上がるにしたがって多くなる傾向がある。中高校生の月当たりの新患の数は3〜4名で
ある。「インターネット依存」は増えており、大学生・社会人の新患は月当たり15〜16名。
子どもの中で「インターネット依存」の子どもを%で示すということは難しいが、200人に
1人、すなわち0.5%くらいの見当ではないか思われる。

 よく言われる「インターネット依存」の問題点としては、以下が挙げられている。
1)他人の人格になることがある。
2)架空のことをやってしまう。正直に責任をもってインターネットに参加していない。
3)パソコンに向かっている自閉的な時間が長い。
4)ゲーム依存してやめられなくなる。

 100%自由に社会に適応し現実社会でも十分活躍している大人であればこのようなことは
ないが、子どもたちというのは頭の中の半分が現実で半分がファンタジーの世界になって
いる。半分ファンタジーの世界なので、例えばゲームをやって、その中で自分が主人公に
なって怪獣をやっつけたり、いろいろなホームページにアクセスしたりすることで、頭の
中の半分をファンタジーが占めている子は、もうそれだけで自分のインターネットの世界
ではその子どものレベルで全知全能感に浸っている。

 「インターネット依存」が犯罪傾向があるということに結びつくことは現在のところ心
配すべきことではないが、インターネット使用に時間を費やし健康を害したり、さらには
人間関係を破壊するなどの事例が散見されることを考えると全然問題がないということも
出来ない。