105 :
1:03/07/30 23:26 ID:1Pr3waSh
私には、ある癖がありました。
「見ないで!」
部屋一人でいるとき、突然叫ぶ癖です。
ふと、誰かの視線を感じるときがあるのです。
実際は誰もみていやしません。分かっているのです。
それなのに、誰かに監視されているような気がしてならない時があるのです。
これは小学校高学年の頃からの習慣でした。
たしか、マスターベーションを覚えた頃からだと思います。
私は性に対し、人より過敏な部分があるようです
106 :
1:03/07/30 23:29 ID:1Pr3waSh
マスターべーション。
このように書くと、どことなく事務的なものに感じます。
私はこのことを誇張して書くつもりも、また白々しく冷淡に書くつもりも有りません。
誰もがいつかは気づいてしまう、自分の体の中に新たなものを見つける瞬間を、
人は決して忘れないでしょう。
好奇心と罪の意識、嫌悪感と快感。そして胸に残る空しさ。
父の書斎で見つけた、青いカバーの成人漫画。
何となく開いたページ。のけぞる裸体の女性。
今にして思えば、大した場面ではないのです。
その漫画自体"それ"を目的にしたものでは有りませんでしたし、
所謂読者サービス程度のいやらしさでした。
私は本をしまい、慌てて書斎を出ました。
体中がかっと熱くなり、頭の中がその場面でいっぱいになりました。
子供といえど、私はその行為の意味を知っていました。
そして真夜中、誰もが寝静まった頃。寝付けない私は父の書斎へ足を踏み入れたのです。
そうして、誰に教えられるでなく、ただ高ぶる感情を抑えるために―――
初めての性行為を、あの刺すような下腹部に広がる快感を―――
震えるため息と共に覚えたのです。
こんなこと、誰にも知られちゃいけない…
そう思いながら、私は毎晩のようにこの行為を繰り返しました。
罪悪感を持ちながらも、罪の快楽から私は逃れることが出来ませんでした。
107 :
1:03/07/30 23:33 ID:1Pr3waSh
私は精神面の脆い分だけ、気の強い娘でした。
人前で弱い部分を晒すのは生き恥だと思っていました。
意地っ張りだったのです。
そんな私が"中学"という新しい社会に足を踏み入れる時がきたのです。
高ぶる気持ちが、小さな私に大きな負担を与えました。
制服 成績 順位 部活 新しい生徒 新しい社会
未だ知らない
嫌われてはいけない
勉強をしなければいけない
母さんもきっと期待している
怖い…
やはり、環境のせいなのでしょうか。
人の目を気にしすぎる、プレッシャーに弱い、自意識過剰な人間が出来上がっていました。
108 :
1:03/07/30 23:42 ID:1Pr3waSh
母はその頃、AAという団体に通っていました。
正式名をアルコホーリクス・アノニマスというその団体は、
無名のアルコール依存者たちが、週何回かのミーティングに参加することで回復を目指す、
アルコール依存者による共同体のことです。
この説明はすこし難しいので、簡潔に終わらせてもらいます。
母はそこで、私たちの知らない間に、少しずつ回復を始めていたようでした。
私や兄は母に関する一切諦めていたので、いつまで続くやらと真剣に考えはしませんでした。
しかし確実に酒の量が減ってることを、私も兄も、うすうすと感ずいていました。
ただ、信じたくなかったのです――もう母を信じるには、あまりに多くの傷を負っていた後でした。
期待すると言うのは、とても勇気の要ることです。
なぜなら、ひとときでも幸せを、安堵を感じてしまうから。
そうして一瞬の隙をついて、溜め込んだ思いがあふれだしそうになってしまうから――
その後に待つ絶望は、計り知れない恐怖なのです。
109 :
1:03/07/30 23:43 ID:1Pr3waSh
当時、私は家庭のことよりも、もうすぐ始まる中学生活で頭がいっぱいでした。
1クラス42名前後、一学年5クラス。
田舎の学校です、3割ほどは同じ小学校卒業者でした。
小学校では、割と人気者だったと自負しています。
何より先生に好かれていたので、何も恐れることは有りませんでした。
新しい社会。
ここでは、私の知らない権力や組織、今までとは違う力が動いているのです。
私は怖くてたまりませんでした。
しかし同時に、好奇心もありました。
友達は出来るかな?新しい先生は?中学校って何が要るんだろう?
新しいポーチやペンケース、新品の制服にかばん。
元々単純な私は、新しいものでいっぱいの中学生活を段々楽しみにするようになってきました。
大丈夫、私ならきっとできる!それにいざとなったら、きっとお兄ちゃんが助けてくれるから――
兄は私の二つ上なので、ちょうど私が入学時三年生でした。
そのおかげで先輩とも知り合いになり、その先輩が権力を持った人だったので、
むしろ私は安心して入学を待つようになりました。
かっこよくて、スポーツが出来て、不良の匂いがする…
第二の兄のような、優しい先輩。
私のことを、ちょっと変わったアクセントで「園子ちゃん」と呼ぶ、低い声。
私は、そんな先輩を慕うようになっていきました。
そして1998年の春、十一歳の私は中学生になりました。
110 :
ina:03/07/30 23:44 ID:lQbodklh
機能不全家庭に育ったものの宿命か。
なんか、心理状況とか似てるな…。
私がマスターベーション覚えたのは中2くらいのときだった。
母親の部屋にあったレディスコミックを読んでからだったな。
111 :
1:03/07/30 23:47 ID:1Pr3waSh
明日早いので、今日は早めに切り上げさせていただきますね。
また誰かが見つけてくれることを、楽しみにしています。
それでは、おやすみなさい。
112 :
だるだる:03/07/31 07:29 ID:PmEXCmQd
>>108 >ただ、信じたくなかったのです――もう母を信じるには、あまりに多くの傷を負っていた後でした。
>期待すると言うのは、とても勇気の要ることです。
この部分、とてもわかる気がする。
〜 死ぬほど 悲しい目に 遭わされて来た 夢見るたび 〜
時に、期待は絶望の引き立て役になることがある。期待したくても期待する勇気を失ってしまう苦しさ。
今日から数日、日本を離れるので、帰ってきたらまた覗いて見るよ。
113 :
32:03/07/31 08:42 ID:oK3DzDkd
マスターベーションは良いことだ
114 :
山崎 渉:03/08/01 23:41 ID:VK1JpoLA
(^^)
115 :
だるだる:03/08/02 17:23 ID:NX9M2k7Z
帰国age
116 :
_:03/08/02 18:02 ID:QMmLaCX6
>だるだる
おかえりーsage
>>1さん
私も見させてもらってます。
自分の経験を語るの勇気いると思うけどココで吐き出して少しでも気が楽になる事を願ってます。
117 :
?:03/08/02 18:02 ID:+vAgAjzc
だるだるって、、、他板のだるちん?
118 :
1:03/08/03 20:22 ID:yT6tdfbe
皆さん私の作り話につきあってくださってありがとうね。
いい暇つぶしになったよ。
119 :
_:03/08/04 08:11 ID:DVtTFcyx
作り話でも本当の話でもとりあえず文構成が上手。
小説家向いてると思うなぁ。
他に夢があるなら別にいいがね( ´∀`)
120 :
ina:03/08/04 14:18 ID:caI/7u6l
ネタであるに越した事はない( ´∀`)
でもオチがないのもまた、気になる訳で…
暇になったらまた書いておくれよ。
121 :
だるだる:03/08/04 23:01 ID:XmxRpqTL
>>117 前にも誰かに言われたけど、だるちんって誰?
俺とは別人だと思うが。
122 :
?:03/08/05 00:04 ID:D6SGTDRN
>だるだる
自分のいってるだるちんとは、前に哲板で見かけたコテさんです。
人違いのようですね。失礼しました
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127 :
1:03/08/08 02:21 ID:vkIJ0YXL
みなさん、お久しぶりです!
今、ちゃんと見ていてくれた人がいたことに対して、感激してました。
ホント、ずっと書き込まなくてごめんなさい…。
ちなみに118は私じゃないです。
なんで書き込まなかったのかと言うと、バイトと予備校で忙しかったのと、
ぶっちゃけていうと、中学当たりのことがよく思い出せなくて、
良い文がかけなくて…。
+父さんと進路のことでもめて、それどころじゃなかった感じです。
128 :
1:03/08/08 02:23 ID:vkIJ0YXL
まさかまだ見てくれている人がいたなんて思わなくて。
嬉しいです。
ちょっと今まで無理して書いてたようなトコロがあったので、
これからはもっと気軽にちょこちょこっとでも書きにきます。
129 :
1:03/08/08 02:25 ID:vkIJ0YXL
さて、それではさっそく続きを書きます。
先輩の話からですね。
130 :
1:03/08/08 02:30 ID:vkIJ0YXL
私は中学に入学したと同時に、人が変わったようにハイテンションになりました。
疎外されるのを恐れ、無理に自分を創り出していたのです。
誰からも好かれる、誰にも苛められない存在。
たとえ、それがかりそめのものであったとしても構いません。
「園子は楽しいよね」
それが生きがいだったのです。
人からの評価、それだけで私は動いていたのです。
131 :
1:03/08/08 02:36 ID:vkIJ0YXL
そんな私に、先輩はとても優しい存在でした。
先輩は私が中学に入る前からよく私の家に泊まっていましたが、
だんだんと回数が増え、そのころには居候同然の存在でした。
母は精神病院、AAに頻繁に行くようになり、しだいと酒の量も減り、
私たちと会う時間すら少なくなっていました。
実際、先輩は母の病気に気づいておらず、
私たち兄弟もいつのまにかそのことを忘れかけていたように思います。
132 :
1:03/08/08 02:42 ID:vkIJ0YXL
夜、11時をまわったころ。
お風呂を済ませ、歯を磨き、別に興味も無い本を読みながら、私はそのときを待ちます。
兄の部屋のドアが開けられる音。
そして、ノックが2回。
「まだ、起きてる?」
「はい!」
133 :
1:03/08/08 02:50 ID:vkIJ0YXL
日付が変わるまで会話が途切れることは有りません。
優しい声。
筋肉質なのに細い、焼けた腕。
ヴェルサーチのレッドジーンズと、セブンスターの香り。
みんなの憧れだった先輩。
二人だけの時間が何よりも嬉しかった、春の夜。
134 :
1:03/08/08 02:55 ID:vkIJ0YXL
またまた半端なトコですが、もう眠さの限界なので寝ます…
頑張って書きに来るんで、1ヶ月に一回くらい覗いてみてください(笑
それでは、おやすみなさい。
135 :
sdf:03/08/10 17:56 ID:u/9Qafg3
dfdfdffdfdffsdf
136 :
山崎 渉:03/08/15 10:06 ID:Yh2a5I+8
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
137 :
:03/08/20 06:33 ID:+wLGJePe
ホッシュ
138 :
:03/08/24 23:49 ID:ySDdz9pq
保守
139 :
1:03/08/30 02:33 ID:BxMZjw9u
ある日、先輩は言いました。
園子ちゃんは好きなひと居るの?
俺は園子ちゃんが好きだよ。
私の好きな人は、せんぱいです。
嬉しくて、それを言うのが精一杯でした。
140 :
1:03/08/30 02:39 ID:BxMZjw9u
顔を真っ赤にして喜ぶ先輩が可愛くて、
2人で信じられないね、と笑いました。
高校生になっても付き合いたいね、
大学生になっても、いっそ結婚しちゃいたいね。
先輩は笑っていました。
嬉しくて、夢のようで。
唯一瞬、何か冷めた気持ちが私の中を通じたのです。
違和感。
好きな人に好きだといわれたのに、胸に残る蟠り。
結局私は、冷たい人間なのかもしれませんね。
141 :
1:03/08/30 02:45 ID:BxMZjw9u
「キスしてもいい?」
殆ど私の答えを待たずに、先輩の唇は私に触れました。
暖かく弾力のある肉の感触。
私の頬一寸先にある先輩の肌。
体温が冷めずに伝わる距離。
肩に触れる先輩の大きな手。
怖い
目を閉じて、私は確実にその行為に嫌悪感を抱いていたのです。
どうしてなのでしょう、あんなに好きな先輩だったのに。
ただやめてという勇気もそういえるだけの理由も見つからず、
なすがままに唇を重ねました。
そのような状態で、私たちは付き合い始めたのです。
142 :
1:03/08/30 02:48 ID:BxMZjw9u
先輩は兄の前で、私にキスをしました。
そうして、これからは義兄さんって呼ぶべきかな、と笑いました。
兄はちょっと困ったように目をそらし、
私は一人複雑な感情を抱き、
先輩だけが幸せそうに笑っていました。
143 :
1:03/08/30 02:53 ID:BxMZjw9u
何度も私は先輩を好きなんだ、と自分に言い聞かせ、
無邪気な゙彼女゙を演じ、
全て時間が解決するだろうと、今自分の気持ちをごまかせばいいのだろうと思っていました。
何度もくちづけを求められ、どうやって逃れるべきかと、そればかりを考えていました。
先輩もそんな私を気づいていたようです。
ある晩、兄が私の部屋を訪れました。
144 :
1:03/08/30 03:01 ID:BxMZjw9u
「お前、あいつのことどう思ってんの?」
「わかんない…付き合う前は好きだったの…」
「困ってたよ、園子が冷たいって。あいつは真剣にお前を好きだよ。何で避けるの?」
「知らない。ねぇ、別れたほうがいいのかな?」
「いやでもさ、俺あいつが悲しむのみたくないよ。何が駄目なの。」
「……」
「……」
「駄目なの…」
「お前さ…」
兄はそれ以上言葉を見つけられず、フィリップモリスに火をつけて言いました。
「だってさ、まだ一週間もたってないんだぜ?」
結局、先輩に兄伝いに別れを告げ、一度も出かけることも無く私たちは終わりました。
先輩は今でも私を「元カノ」といいますが、私たちが彼氏彼女であった期間は、
本当にあの告白の一瞬だけだったように思います。
自分の抱いた感情がどういうものだったのか、
理解出来ないまま急かされたみたいで
戸惑ったのですかね・_?
いや、すいません、続けて下さい
146 :
1:03/08/30 23:41 ID:BxMZjw9u
それから暫くの間は憂鬱で、そのことばかり考えていました。
キスしてもいい?といわれたときの威圧感。
断れない自分。
ぼんやりとした夢心地が、現実に引き込まれて無理矢理"オンナ"にされていくような…
先輩は男の人で、肉感のある、性的な――気持悪い。
「あれでしょ?手に入れたら飽きちゃうってやつじゃん?」
「そうなのかな…」
違う気がするけれど、否定しきれない。
ただ罪悪感だけが残り、私と先輩は会話をすることもなくなりました。
といっても、私が一方的に避けていたのですが…
147 :
1:03/08/31 22:10 ID:UCrT182V
そうして、私の初めての恋は終わりました。
ほんの一瞬、夢を見ていたような気分でした。
何が欲しかったのか。
大切な人に、大切だと思われること?
愛情?
少なくとも私は、あんな先輩を求めてはいなかった
――彼氏彼女という肩書き。
ただ守って、私をあやして、暖かく包んで…
私の持っていた思いは、恋愛とは違った種類のものだったのかもしれません。
148 :
:03/09/04 03:55 ID:JxRHTUmG
おっ!1タンの書き込みが!
相変わらず凄い文才だね。
君みたいに賢い娘なら将来素敵な恋愛ができるよ。
落ちすぎてるから一旦アゲ。
149 :
dd:03/09/04 16:12 ID:ZUDYQ7vF
すげーいいよ。
がんばってー
150 :
:03/09/04 17:33 ID:uEyXTcy1
うん すごい
151 :
あー:03/09/04 18:14 ID:+DCScp04
>>1さん
ここの掲示板に自伝を書くのはもったいないですよ。
いつ盗作されたり悪用されるかわかりませんから。原稿を出版社に
持ち込むなり、きちんと投稿するなりされてはいかがですか。
その前にここは人生相談板です。相談ではなくただ誰かに読んで
欲しいのでしたらそのような目的のサイトを探すか、自分でHPを
作り、熱心な読者さんたちを誘導してあげてください。
繰り返しますが、著作権を守ってください。あなたが将来、作家に
ならないとも限らないのですから。
152 :
:03/09/05 06:41 ID:gF/PqTrx
153 :
151:03/09/09 07:42 ID:zpytdK7R
154 :
:
続き読みたいよ