まず、現行犯でない限り、逮捕は突然やってきます。
どうして、警察は自分を捕まえに来ないんだろう?どうしてだ?
と不思議な気持ちになります。
そのうち、自分がやった事は犯罪ではなかったのではないか?と思い始めます。
それで気分が楽になっていきます。
そして、ある時突然部屋のチャイムが鳴らされ、不用意にドアを開けると
警察官だった、というケースになります。また、殆どの場合、早朝にやってきます。
寝起きなので、頭が回転せず、何が起こったのか、一瞬戸惑います。
1人の警察官が罪状を読み、箱を持った捜査員が部屋の中に入ってきます。
大抵の場合、家宅捜索と任意同行は両方同時に行なわれます。
一気にプライバシーは無くなります。
ベッドの横のコンドームや、日記、コンピュータ、フロッピーディスク、ありとあらゆる物が
箱に詰められ、警察署に持っていかれます。
任意同行の際には、パトカーで来る事は稀です。
覆面パトカーで運転手、助手3人の構成で、容疑者は後部座席の中央に囲まれて座ります。
その時は、まだ手錠はされていません。この時に、殆どの人間が動揺します。
一つは、家宅捜索によって自分のプライバシーが破られた事に対する恐怖感、
そして、今の状況に対する恐怖感、自分の友人関係に対する恐怖感です。
ある日、誰も知らない大勢の人間が自分の部屋を荒らしていく事を想像すれば分かるでしょう。
もしアニオタなら、その恐怖感は倍増する事でしょう。
自分の趣味が世間的に日陰に位置している事を理解していながら、同じ趣味を持つ
コミュニティがある為に、普通に保たれていた精神が、一気に崩壊するのです。
入ってきた捜査員に嘲笑され、そして警察署に連れて行かれます。
会社や学校の友人関係への恐怖感も相当にあります。
自分の逮捕によって、社会的な信用は全て失われたと思います。
自分が今まで生きてきて、積み上げてきた友人関係が、今の瞬間に終わったと思います。
殆どのホワイトカラーの人間は、上の様に思います。
署に着くと、裏の入り□から取り調べ室に通されます。
その時に、手錠、腰縄を付けられます。これは非常に屈辱に感じられます。