任意同行のうえ、罪を認めると、数時間後に 自宅にガサ入れ(家宅捜索・差押)部隊が到着する。
もちろん 最初の「おはようございます」で、同時にガサ入れが行われる場合もある。
このタイミングは、犯罪の重さ・形態・立会人(家族)の有無などによって左右されるが、これらの順序は捜査員が勝手に決めてよい。
もとより、捜索令状は裁判所の発行する「許可状」であって、命令 ではない。
実際、家宅捜索令状があっても ガサ入れせずに帰る場合もある。
また、刑事事件の場合 被疑者(犯人)もその弁護人も、捜索に立ち会う権利がない。
したがって、「弁護士を呼ぶまで内部に立ち入るな!」と叫んでも意味がない。
(民事は別だ。弁護士が立ち会える)
よって、あなたが警察署内で取調べを受けている間に、留守をガサ入れをされても文句がいえない。
ま、ここまでは、悪い夢でも見ているような気持ちで、なんとか耐えられる。
だが警察署内で 一番最初に行うであろう「ある書面手続き」で、まともな人なら、心身ともに 打ちのめされる。
それが「押収品目録交付書」である。
カーボン式になっているんだが、これのレイアウトが かなり精神的にくる。
「本職は、次の被疑事件につき平成×年×月×日 東京都新宿区○町○番地において、下記目録の物を押収したので、この目録を交付する」
「被疑者:(あなたの名前)」←すでに書かれている
「罪 名:威力業務妨害」
普通、他人に書かれた「自分の名前」というのは テストで何番だったとか、合格通知とか、商品の当選など、縁起のよいものに記載されることが多い。
ところが、押収品目録交付書では 自分の名前の左に「被疑者」、その下に「罪名」と書かれている。
他人に書かれた 自分の名前としては、最悪のものだろう。
交通違反の反則切符に 自分の名前が書かれるだけでドキドキする人なら、これは気絶もんである。