<演劇評論家によるエレクトラ批評>
弟のオレステスの岡田准一。こちらは初舞台だと言う。若い人々がどんどん
舞台を踏み、力をつけて行くのは良いことだ。閉塞感さえ感じる現在の
演劇界の中で、若い才能は貴重である。しかし、彼の場合はまだ課題が
山積している。舞台へ出たとたんにわめき出し、何を言っているのか
さっぱりわからない。滑舌ができていない上に、「サ行」の科白の訓練が
なされていないので、非常に聞き取りにくい。完全にギリシャ悲劇の科白に
押されている。初舞台ということで大目に見ても、もう少しキチンと演技の
勉強をしてから舞台に立つべきだっただろう。