198 :
ななしじゃにー:2006/11/07(火) 13:59:57 ID:puBf8OdS
だって恥丘は丸いんだもんっっ!!
199 :
ななしじゃにー:2006/11/11(土) 08:29:32 ID:gKLgyHd9
北公爺、江木歳夫、青山孝死、おり喪政汚
200 :
ななしじゃにー:2007/01/04(木) 21:33:01 ID:FyniwB3X
北が総入れ歯とカツラなのは貢がされたり孕まされたあげく捨てられた女達の呪い
201 :
ななしじゃにー:2007/01/07(日) 08:09:14 ID:Q8AXQO6G
北“入れ歯かつら暴露本ポン中養育放棄”公次
202 :
ななしじゃにー:2007/01/13(土) 20:30:08 ID:+ylFJVKE
北のうんこ食べたい
203 :
ななしじゃにー:2007/01/25(木) 06:41:43 ID:QgQqBYV8
これら全部50ババァらのやりとりかと思うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
205 :
ななしじゃにー:2007/05/25(金) 13:30:40 ID:CVDPQ6T3
マルチですみませんが、どなたか詳しい方にお訊きしたいです。
1966年10月から1967年2月まで「ジャニーズJr.」として出演していた、
ジャニーズ主演のミュージカル「いつかどこかで~フォーリーブス物語」。
この舞台を観に行かれたという方いらっしゃいますか??
当時この舞台に、北、江木、おりも、永田英二、そしてあともう一名の、
合計5名で出ていたんです。 このあともう一人のジュニアって、一体誰なんですか?
ちなみに、まだター坊が入るずっと前の話です。
206 :
ななしじゃにー:2007/07/03(火) 16:34:43 ID:U38lEUxK
昨夜、えみちゃんねるでおりもと青山見たけど
びっくりするほど、ター坊の劣化が激しい~。
皺くちゃ!!
9歳の子供がいるらしいが、今時の父親って皆若いから
あんなお父さんじゃ、子供も恥ずかしいんじゃないの?
ゲストの小林恵美に
「恵美ちゃんのお父さんより2人の方が若いんじゃないの?」
と上沼が聞いたら、小林は「うーん」と口篭って答えなかったよ。
207 :
ななしじゃにー:2007/07/04(水) 19:39:35 ID:ugCnOVPG
大丈夫
あそこの私立は結構高齢出産子女が多いから
パパも普通より高齢が多いはず
208 :
ななしじゃにー:2007/08/17(金) 01:36:21 ID:Qal+qASo
ふー
簡単に落ちてはいけないスレ
.
?
212 :
ななしじゃにー:2008/07/03(木) 04:37:53 ID:C4l8qxX30
!
213 :
ななしじゃにー:2008/08/01(金) 19:20:52 ID:F/yGhWZ60
214 :
ななしじゃにー:2008/10/01(水) 21:21:10 ID:E1b/NtzUO
ふぉーだけに圧力じゃなく自分の事務所以外は目つけて圧力なべっぽくね?
この歳になって、こんなことに巻き込まれるなんて。
近藤は小高い丘を登りながら苦笑した。
世間的には、この歳というほど自分は老いていない。
しかしそれでも事務所の後輩たちよりはずっと年長だった。
十分に生きた、と言っていい。
丘を登りきるとひとつ息を吐く。
右に民家の影が見えたが、そちらに向かうつもりはない。
左手に下げたボストンバッグを右手に持ち替え、ついでに肩に乗せる。
背後には出てきた校舎があった。
平屋立ての木造で、なんだか懐かしい感じすらする建物に、
おそらく自分は戻ることはない。
もう一生。
一生…
「もうちょっと、生きたかったかな」
苦笑とともにつぶやいた言葉は、本心だった。
遠くで銃声が響いた。
頭に鈍痛を覚えて長瀬は目を覚ました。
二日酔い…? 昨夜飲んだっけ…?
不確かな記憶を呼び覚まそうと体を起こすと、そこは見なれない部屋だった。
「教室…?」
懐かしい。反射的にそう思う。
視界に飛びこんできたのは、部屋の隅に寄せられた机と椅子。
背景の壁は掲示物を貼れるようなコルクボードになっている。
そのまま目を転じれば、右手には窓があり、振り返ると黒板があって、教卓が…
「あ、社長」
教卓には見覚えのある顔があった。事務所の社長。
「ん~…」
すぐそこで上がった声に目をやると、リーダーが寝返りをうつところだった。
「リーダ~、起きてくださいよ」
とりあえず起こしてみる。
「なんや…? ながせ…?」
起き抜けの掠れた声が普段より年寄りっぽくて長瀬は笑った。
その笑いを遮るように、声が響く。
「はい、じゃあこれでみんな起きたわね」
パンパン、と手を叩く音がして、そちらを見れば社長の隣に副社長が立っていた。
言われて改めて教室を見まわすと、そこにはたくさんの知った顔がある。
メンバー、光一、つよちゃんもいる。あ、東山さんだ。少年隊に…V6に、嵐。
あれ? マッチさんまでいる。なんで?
長瀬が首を傾げたとき、福社長が言った。
「今日はこれから、みんなに殺し合いをしてもらいます」
「はぁ?」
声をあげたのは1人や2人じゃなかった。
もちろん長瀬も思いっきりバカっぽい声を出してしまった。
殺し合い? なにを言ってるんだ。
「あんまり時間がないから手短に言うわね。
私も社長も、もうけっこう歳とったし、事務所のサイズを小さくしようと思うの。
簡単に言うと、所属するタレントを減らそうってこと。
下から…ジュニアからデビューさせたい子もいるし、正直、上がつまってる感じなのよね。
でも全員殺しちゃうのもなんだから…誰か1人くらいは残してもいいかな、と思って。
だから、少年隊、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐で殺し合いをしてもらって、
生き残った子を1人だけ残すことにしたの。あ…と、マッチもいたわね」
そこで思い出したように福社長が言って、みんなの視線はマッチさんに集まった。
マッチさんは…ひどく緊張したような、ぎこちない表情をしていた。
それを見て不意に長瀬は我に返った。殺し合い? なにを言ってるんだ。
マッチさんも、なにそんな怖い顔してるんですか。
言おうとしたとき、遮るように左手から声がした。
「SMAPがいないのは、なんでですか?」
松潤だった。窓際に座って、まっすぐ副社長を見ている。
「彼らはいちおう、今のとこウチの稼ぎ頭だから…。
私は入れようと思ったんだけどね、まぁいろいろあって。だから今回はこのメンバー」
今回は、ってなんだよ。次回もあんのかよ。
「殺さなくても、普通に解雇すればいいんじゃないですか?」
次に手を挙げて発言したのは二宮だった。
嵐、すげーな。長瀬はそんな場違いな感想を抱いた。
こんなわけわかんない状況で、ふつーだし。なんか冷静っぽいし。
「ダメよ」
二宮の問いに、福社長は即座に返した。
「なんでですか?」
「私がお金と愛情かけて育てた子を、よその事務所にとられたりしたら嫌だもの」
ニッコリ笑った副社長の顔を見て、急に背筋が凍る。
…もしかして、本気…なのか?
部屋の温度が下がった気がして、長瀬は自分の体を抱いた。
「ながせ…」
小さな声で呼ばれ、ついでに服の裾を引かれてそちらを向けば、
副社長を凝視したまま固まったように動かないリーダーがいた。
「ながせ」
なに、と聞き返すより先に、副社長の言葉が続く。
「ルールを説明するわね。ここは無人島で、あなたたち以外に人はいません。
建物や民家、灯台なんかがあるけど、
長い間打ち捨てられてたから中はボロボロだと思うわ。
周囲は海に囲まれてるから、逃げようとしてもムダ。
泳いで渡れる距離じゃないし、
それ以前に海に入ると首輪が爆発して頭ふっとんじゃうから、気をつけてね」
くびわ。
言われて首を触ると、そこには確かに金属製の首輪がはまっていた。
なぜ今まで気づかなかったのだろう。固い、冷たい感触。
横を向くと、相変わらず固まって動かないリーダーの首にもはまっている。
「その首輪には探知機と装置式の爆弾がついてます。
海や、これから発表する立ち入り禁止区域に入ると爆弾が爆発しちゃうから。
自殺したくない人は気をつけること。
時間が経てば立ち入り禁止区域は増えます。つまり行動範囲が狭まるのね。
新たな立ち入り禁止区域は島内放送で流すから、聞き逃さないように。
あとで地図を配るから、それを見ながら動いてね。
制限時間は24時間。つまり、明日の夕方6時まで。
そのときまでに残り1名になってなかったら、
該当者ナシってことで全員こっちで殺しちゃうから。
つまりちゃんと、残りの全員を消して生き残らないと助からないからね。
武器はこれから渡すこのバッグの中に入ってます。
名前を呼ばれたら1人ずつ前にきて、バッグを受け取って散らばること。
わかった? なにか質問ある?」
すらすらと説明された言葉を、自分は今ここで反復することができるだろうか。
呆然としたまま長瀬は教室を見回した。
そこには同じようにきょろきょろしているもの、なにか考え込んでいるもの、そして…
「社長」
声をあげて立ちあがったのは、東山さんだった。
「…こういう冗談…」
そこで軽く笑って言葉を切る。
「冗談やめてくださいよ。殺し合いだなんて。そんな…ねえ?」
肩をすくめて皆に同意を求める東山に応じて、数名からくすりと笑い声が起こった。
「ジャニ…」
ばぁん。
鼓膜を振るわせたのは、文字にするとそんな間抜けな音だった。
続いて、ばらばらとなにか雨が降るかのような音がする。
どさり。
「う、うわぁ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」
悲鳴を上げたのは誰だったろうか。
前のめりに倒れた東山の体には…頭部がなかった。
「ユー、ちょっと、邪魔になってきたんだよ」
社長の声がした。
【東山紀之死亡:残り21名】
カタカタカタカタカタカタカタカタ…
小さな音がする。見なくてもわかる。それはリーダーが震えて立てる音だ。
「言い忘れたけど、首の爆弾はこっちでも操作して爆発させることができるの。
だからあんまり不適切な行動をとったら、殺される前に死んじゃうからね?」
副社長の声の調子は、まったく変わらなかった。
だから長瀬は信じられなかった。そこに東山が死んでいることを。
芝居…? SFX? 特殊効果?
ドラマや映画で見たいろんなシーンを思い出してそんなことを考えてみるけど、
強く漂う鉄分の匂いと生臭さが全てを事実だと認識させようとする。
死んだ? 東山さんが? 死んだ? 死んだ?
まさか。まさか。まさか、まさか、まさか、まさか…!!
「…っ」
「はい、じゃあ順番に呼ぶわね。相葉雅紀くん」
声帯を振るわせた絶叫は、音になる直前に止められた。
視界の隅でゆっくりと立ちあがったのは、名前を呼ばれた相葉だった。
相葉。ドラマでも共演した、後輩。真っ白な顔をしている。相葉。
ぎこちなく前に進んだ相葉は、腕を伸ばしてボストンバッグを受け取る。相葉。
呼びとめたかった。
行っちゃダメだ。おまえが行ってしまったら、始まってしまう。
このゲームが、始まってしまう。
「――――――」
しかし思いは声にならず、相葉は開かれたままだった教室のドアから出て行った。
「次、井ノ原快彦くん」
「…はい」
しばらく経って呼ばれた井ノ原は、ヒザを手で支えながら立ちあがった。
「ながせ…」
ささやくようなリーダーの声がしたけれど、
それが自分を呼ぶ意図で出されたものでないことはわかった。
言葉を失った長瀬と同様に、城島もそれ以外の言葉を失っていたのだ。
パーン。
音がしたのは、大野がまだ廊下から出口に辿りつく前だった。
……銃声?
とっさに思ったのは、今出てきた教室で誰かがまた殺されたのではないか、ということだった。
しかし違う。音は明らかに、この先からした。
大野は足を止め、バッグを開ける。
武器を。
建物から出てくるところを狙っている敵にどれだけ有効かわからないが、
自分の身を守らなければならない。
かつ。冷たい感覚を指先に覚えて取り上げると、それはただの小瓶だった。
違う。なにか武器になるもの。
バッグを漁ったが、薄暗い廊下で中はよく確認できない。
目を凝らした限りではペットボトルに小瓶、小さな箱…カロリーメイト。
懐中電灯にたたまれた紙…恐らく地図。
武器なんて、ないじゃないか!
手違いだろうか。教室に取って返し、聞いてみようか。
しかしその考えは、さきほどの東山の姿を思い出して消えた。
東さん…東さんがなにをした? ちょっと言っただけだ。
それなのにあっけなく死んだ。殺されてしまった。
教室に戻ることはできない。進むしかない。
息を止めて、大野は覚悟を決めた。頭の中でこの先をシミュレートする。
この先の出口を出て、すぐ右に走ろう。物陰を探してそこに飛びこむ。
物陰がなかったら…校舎をぐるりと回って、死角に入る。
よし。
バッグのファスナーを閉め、脇に抱える。
大野は深呼吸をした後、走り出した。
井ノ原は声を失くして立ちすくんでいた。
茂みをかきわける音にハッとして振り向くと、そこには去っていく相葉の後姿があった。
「…あいば…?」
漏らした声は、自分自身でも聞き取れるかどうかのごく小さな音量だった。
視線を転じると、そこには倒れた植草の体がある。
なにが起こったのか、まだよくわからなかった。
校舎を出て、日の暮れた薄暗がりの中、とりあえず前方の茂みに向かって歩き出した。
木陰に立ったのは、大した考えがあったわけじゃない。
状況が整理できず、とりあえず立ち止まって考えようとしたのだ。
そして、音がした。
驚くほど大きな音。
「うわっ」
植草くんの声。
ドサリ。
それは、ついさっき、教室の中で聞いたもの。
人間が倒れる音だ。
いま、なにが、おこった…?
次に我に返ったのは、校舎から猛ダッシュで大野が飛び出てきたからだ。
とっさに身構えたが、大野はこちらに気づかず、走って左手に消えて行った。
大野も聞いたのだ。今の銃声を。だからあんなに走っている。
殺されないために。
その瞬間、井ノ原は全てを理解した。
慌てて自分のボストンバッグを開ける。ぱっと見、銃や武器になるものはなかった。
植草を見ると、もう動かない。
かすかに呻き声が聞こえる気がしたが、定かではなかった。
目の届く範囲に相葉がいないことを確かめ、井ノ原は走った。
走って、茂みを出、植草のバッグをひっつかむ。
そしてそのまま、大野が消えた方向とは逆に向かってダッシュする。
こどものときのかけっこ以上に、夢中で走った。
相葉は、固まった指をゆっくり動かし、引鉄から手を離した。
植草が死んだかどうかは確認していないが、恐らく致命傷だろう。
「あんがい銃って、かんたんに撃てるもんなんだー」
もっと難しいかと思った。射撃の練習とかしないと当たらないものかと。
右手には、黒い銃。
相葉はずっと、冷静だった。東山の死を見る前から、これが現実で、
福社長が言っていることは嘘じゃないと分かっていた。
自分にはそういう、勘みたいなものがある。
本能的に、相手が本気かどうかを嗅ぎ分けられる、勘のようなものが。
話を聞いてまず思ったのは、自分に人が殺せるだろうか、ということだった。
生き残れるか、ではなく、人が殺せるか、と。
答えはYESだった。
建物を出て、渡されたバッグを開けると出てきたのは銃だった。
使い方ならわかる。なにかのマンガで読んだ。
マガジンを入れ、セフティを解除するとずしりと重みが手にかかった。
自分に人が殺せるだろうか。
YES、と判断した自分を試したくて、ちょうど出口から出てきた植草を撃った。
狙いは胴体。足を肩幅に開き、体重を落として両手で銃を支える。
耳がマヒしそうな音をたてて放たれた弾丸は、植草の命を奪った。
自分には人が殺せる。
それを確認した相葉は、まっすぐに歩き出した。
がくがくと震える城島の背を叩き、なんとか立ち上がらせたのはちょうど1分前だった。
1分間、長瀬は全身を耳にして銃声を探した。
鳴らないといい。鳴らないでくれ。鳴るな、鳴るな…
祈るようにすぎた1分は、長かった。
「次、堂本光一くん」
けっきょくなにも音はしないまま、次の名前が呼ばれる。
長瀬は大きく息を吐いた。
この教室に一発の銃声が届いたのは、もうずいぶん前だった。
嵐の大野が呼ばれて出ていった、そのすぐ後に響いた大きな音。
「…あら、やる気になるのが早いわね」
頼もしいこと、とつぶやいた副社長の言葉で、その音が意味することを知った。
誰かが銃を撃ったのだ。誰かを殺すために。
誰が?
その時点で教室を出ていたのはほんの3人だった。相葉、いのっち、植草くん。
その中の、誰かが?
時間的に言って、狙われたのは大野だろう。
誰だ。誰だろう。いったい誰が。
いや、間違いかもしれない。この銃声自体、福社長か、社長がしくんだものかも。
自分たちを疑心暗鬼にさせるために、予め録音しておいたものを流したのかもしれない。
長瀬は無理にそう思おうとした
だって信じられなかった。相葉、いのっち、植草くん。
誰も、人を殺すような人じゃない。
だけど長瀬は祈った。
特にメンバーの、国分と城島が出て行った直後は全身で祈った。
銃声がしませんように。彼らが撃たれませんように。殺されませんように。
長瀬は既に、この殺し合い―――バトルロワイアルが始まったことを理解していたのだ。
本能で。
光一は、その前の城島よりよほどしっかりした足取りで前に進んだ。
「社長…」
福社長からバッグを受け取ると、光一はその隣、
変わらず教卓の椅子に腰掛けている社長の姿を見た。
長瀬には2人の視線が交錯するのがわかった。
なにかを言うかと思った光一は、しかしそのままドアへと向かう。
教室から出る前、光一は振りかえり、部屋の中を見まわした。
光一をじっと見つめていた長瀬と一瞬視線が合う。
しかし光一はあっけないほどのそっけなさで眼を逸らし、そのまま出て行った。
また1分を待たねばならない。
次の名前―――堂本剛が呼ばれるまで。
長瀬は祈った。今までの何倍も、何十倍も強く祈った。
銃声がしませんように。光一の悲鳴が聞こえてきませんように。
銃声がしませんように。光一が無事でありますように。
祈っても、祈っても時間は過ぎず、まるでその1分は長瀬にとって永遠だった。
二宮は校舎のすぐそばにある茂みに身を隠していた。
いや、正直に言えば動けなかったのだ。
左手には、僅かな光源を受けて光るジャックナイフ。
銃に比べればなんて弱い武器だろう。
しかし二宮には、触れたこともない銃よりよほど
人の命を奪い得るものとしての実感が強かった。
これを、心臓に刺せば。あるいは、首か、手首の動脈を切れば。
人は死ぬ。
その考えは二宮を支配した。
二宮は自分がこのナイフを振るうところを想像した。
鈍い衝撃。飛び散る血で視界は真っ赤に染まる。
ナイフを持った手は温かい血液にぬめるだろう。
そうしたらもう、動けなかった。
なにか酷く恐ろしい衝動が体を満たし、動くことができなかった。
このナイフを。このナイフを。
このナイフを使えば、自分は人を殺すことができる…
半分自失したようにナイフを見つめていた二宮は、ずず、という音で我に返った。
なにかを引きずるような音。…なんだ?
目を凝らすと、誰かがなにか大きなものを引きずっているのが見えた。
引きずられているのは―――きっと、植草だ。
二宮は既に見ていた。校舎を出たすぐのところに倒れていた死体。
目を半分開けたまま仰向けに倒れた植草の胸のあたりには穴が開いており、
そこから止まらない血がまだ流れ出ていた。
ずず、と音を立て、植草の体が引きずられる。ずず、ずず。
日が暮れた薄暗がりの中、それは徐々に近づいてくる。
逃げなければ。そう思っても体が動かない。
今動けば、茂みの揺れる音で自分がここにいると知らせてしまう。
そうだ。自分はなぜこんなところに隠れたのだろう。
次の人間が出てくるまで、なるべく遠くへ行かなければいけなかったというのに。
…次の人間?
二宮は慌しく頭の中であいうえおを読み上げた。
にのみや、の次は…な、に、ぬ、ね、の、は、ひ…ひがしやま、だ。
違う。
東さんはもう死んでしまった。じゃあその次は?
二宮は目を凝らす。徐々に近づいてくる2つの人影―――1つは地面を引きずられて。
は、ひ、ふ、へ、ほ、ま…松潤? いや、その前にもう1人…
「松にい?」
しかしそれはすぐに違うとわかった。松岡にしては背が低く、ガタイがよくない。
ずず、ずず…
そうだ。だいたい、まだ次の人間は出てきていない。
自分が出てきてどれくらい経ったかはわからないが、
あの出口から次の人間が出てきたのを見た覚えはない。
じゃあ、誰が?
ずず、ずず…
植草を引きずる人間は、もうすぐそこまで来ていた。
後ろ向きだったその人物は、二宮の数メートル先、
植えこみの前で引きずるのをやめると、「ふう」と息を吐いた。
「あ」
多少芝居がかった仕草で額を拭い、振り向いた錦織と
二宮はばっちり目が合ってしまった。
「あー、嵐の…」
指をさして言われ、二宮は反射的に頭を下げる。
「ども…」
二宮です、と言ってから、なにやってんだ、と思う。
まるで緊迫感のないやりとりだった、今のは。
錦織は視線を地面を引きずってきた植草にやり、苦笑のようなものを浮かべた。
「死んじゃったよ、こいつ」
そしてトントン、と腰を叩く。
「もう重い重い。もっと痩せててくれりゃあ担いで運べたのにさ。腰にきちゃった」
俺も歳だなー、と首を回す。
ひとしきり独白したあと、錦織は植草の傍にしゃがみこみ、その目のあたりに手をやる。
まぶたを閉じさせたのだ、と二宮は推測した。
薄暗がりで実際に見たわけじゃないけれど。
「こいつ…嫁さんも、子どももいるのに…」
植草の頬のあたりを指先で撫ぜると、少しだけ、錦織の声が湿った。
泣くのか。二宮はそう思った。
しかし錦織は勢いよく立ち上がると、明るい声で続ける。
「あっというまに少年隊、俺ひとりになっちゃった。長いことやってきたのになー」
まぁもうとうに少年って歳でもなかったけど、とごちた錦織は
不意に険しい顔をして二宮の方を向き、睨んだ。
「俺を殺すか、二宮」
一瞬、二宮は息を止めた。
「…ぇ…」
最初に出した声は、音にならなかった。
「いえ」
だからもう一度、そう言った。
「そっか」
返した錦織は、もう笑っていた。
そして植草の傍の植えこみを指す。
「これ、なんの木かわかるか?」
二宮が答えないでいると、錦織は笑顔のまま言った。
「紫陽花だよ。あじさい」
もうすぐ綺麗な花が咲くよ。
錦織はそう言って笑った。
その笑顔を直視できず、二宮は不意に目を伏せた。
なぜだろう。泣いてしまいそうだった。
「じゃぁな」
軽く言って手を挙げた錦織が行ってしまいそうになり、二宮はとっさに立ち上がった。
「錦織さん!」
振り向いた錦織は、いつもの顔だった。いつもの、普通の顔。
「あの…ありがとうございました。今まで」
そんな言葉が口から出て、二宮は深く頭を下げた。
お礼を言うほど、自分はこの人と関わりがあったわけではない。
一緒に仕事をしたことも、なにか面倒をみてもらったことも、
とりわけ強く思い出に残っているわけではない。
だけどどうしても、ありがとうが言いたかった。言わずにはいられなかった。
「二宮さー、おまえ生き残ったら、こいつ、ちゃんと墓に入れてやってくれよ」
顔を上げて見た錦織は、やっぱり普段通りの顔をしていた。少し、頬が歪んでいたけれど。
「この島ん中から探すんなら大変だろうけど、こいつはここにいるからさ。
おまえ生き残ったら、こいつちゃんと墓に入れてやって。家族に会わしてやって」
了解の返事は声にならず、二宮は無言で強く頷いた。
「あ、あと、教室にいるヒガシもね」
なんか社長に嫌われちゃったみたいだから難しいかもしんないけど、と笑い、
錦織は今度こそ行ってしまった。
歩く速度で遠ざかる背中に、二宮はもう一度頭を下げた。
涙が一筋、流れて落ちた。
【植草克秀死亡:残り20名】
1人が出て行くについて、与えられる空白は1分。
だから最初の相葉が出て行ってから、自分が呼ばれるまでに21分が経過したことになる。
山口は自分以外いなくなった教室で、まっすぐ前を見てそう考えた。
二宮が出て行ってから松岡が呼ばれるまでは2分あった。
律儀にも死んだ東山の分も間を空けたらしい。
そのとき、追加説明があった。
今ここで私たち―――社長と副社長を倒しても、首輪は爆発するのだと。
爆発スイッチを押せるリモコンを持った人間はここ以外にもいて、全てを監視している。
なにかあったら、全員の装置を作動させると。
その言葉に体の緊張を解いたのが松岡だった。
そこで気づいた。松岡は、動こうとしていたのだ。
目の前の2人の老人を倒して、全てを救おうとしていた。
そのことが山口を冷静にさせた。
それまではまるでなにがなんだかわからなかったこの状況を、理解することができた。
「山口達也くん」
「はい」
最後に呼ばれた自分はもしかしたら幸運なのかもしれない。
この教室で、生きて、考える時間を与えられた。
立ち上がり、それまでの人間と同じようにボストンバッグを受け取る。
「ユー、ちょっとそれ、開けてみなよ」
不意に、長いあいだ黙っていた―――そう、東山を殺したとき以外
ずっと黙っていた社長が口を開いた。
言われるままに山口は渡されたばかりのバッグの口を開ける。
中にはペットボトル、懐中電灯、折りたたまれた紙、カロリーメイトの黄色い箱、
そして―――ドラムスティック。
2本セットで新品のそれを取り出して、山口は思わず笑った。
これが武器?
「それじゃ、誰も殺せないね」
社長も軽く笑った。
「ユー、これ、持ってっていいよ」
示しされたのは1つ余っていたバッグ。―――おそらく、東山の分の。
「いいんですか?」
「いい、いい」
ありがたく受け取ったバッグを開いてみると、そこにはだいたい同じものが入っていた。
ただ違ったのは、ドラムスティックがフライパンだったことだけ。
「あはは」
山口は思わず声に出して笑った。
ドラムスティックの次は、フライパンかあ。
社長と福社長も笑っている。
「ユー、つくづく運がないんだね。2つともハズレだなんて」
「まぁでも、水と食料は倍になるわけだから。あなたにはちょうどいいんじゃない?」
持っていきなさい、と渡され、山口は自分のバッグに東山の分の荷物も詰めこんだ。
ちょっと迷ったけど、フライパンも持っていくことにした。
なにかに使えるかもしれないし。邪魔になったら捨てればいい。
「じゃ、行ってきます」
この場面で、それほど似つかわしくない挨拶もなかった。
「いってらっしゃい」
微笑みを浮かべて手を振ってくれたのは副社長だった。
オレたちを、1人の例外を除いて殺そうとしている人。
教室のドアを後ろ手に閉めると、山口はその顔から表情を消した。
そして出口に向かって歩き出す。
確かな足取りで。
無様な死に方はしたくないな。
状況を理解したとき、一番最初に思ったのはそんなことだった。
死ぬのは構わない。殺されるのも。
だけど、みっともない死に方だけはしたくなかった。
そのみっともない、というのは、他人が見てというのではなく
自分自身がみっともないと思うような死に方をしたくない、という意味だった。
取り乱して、自分を見失って、みっともなく死んでいくような真似はしたくない。
手には、少し変わった形の銃。
銀の銃身を見ると、レミントン、デリンジャーとの文字が読み取れた。
バッグを開けて銃を見つけたとき、ホッとしたのは事実だった。
この状況で自分が平静でいられるためには、武器が必要だった。
自分を守れる武器が。
だから銃を見つけたとき、ホッとしたのだ。これが自分を守ってくれる。
自分の肉体ではなく、精神を。
小さな銃は、しかし2発しか銃弾を備えてはいなかった。
そういうタイプの銃なのだ。銃にしては軽いことからもそう予想できた。
2発。
この弾を、どう使うか。
自分を守るため―――つまり、誰かを害するためか。
あるいは、自分を終わらせるためにか。
早足で移動しながら、長野は銃を握りしめた。
森の中は徐々に暗くなり、やがて足下もおぼつかないほどの闇が迫る。
最初の島内放送が聞こえたのはつい先程だった。
出てきた校舎の周り、地図でいうG7が立ち入り禁止となり、
死亡者として少年隊の2人の名が呼ばれた。
しかしそんなことは井ノ原の心を微塵も動かさなかった。
ざわわわわ…
春の風に木々がざわめく。
足下の太い根につまづきそうになり、井ノ原はバッグから懐中電灯を取り出した。
かちりと音を立てて明かりをつける。
黄色い光が地面を照らした。
自分のバッグに入っていたのは、「素手でがんばれ!」と書かれた紙切れ。
そして「おまけ」とのメモが貼られたCD。SMAPの「がんばりましょう」だった。
っざけんな…!!
瞬時、怒りで目の前が赤く染まった。
これが社長と副社長の考えか。自分に死ねと言うのか。
そりゃ自分はジャニーズ顔じゃない。目も細いし、一重だし、ブサイクだ。
だからってこの仕打ちか!? 素手でがんばれ? ふざけんじゃねえ!
絶対生き残ってやる。絶対に生き残ってやる。
おまえらが死ねというなら、必ず生き残ってやる。
そして言ってやるんだ。お望み通り、がんばったさ。
だから褒美をくれ。
おまえらの命を。
ざざざざざ…
風に揺られて葉擦れの音がする。
ざざざざざ…
どんどん深くなる闇に、森は少し怖い。
国分は背中に誰かの視線を受けたように感じて、何度も背後を振り返った。
誰もいない。
そのたびに確認するけれど、しばらくするとやはり背中が怖くなり振り返る。
浅い呼吸を繰り返し、額には汗が浮き始めていた。
それはなにも慣れない山道を歩いているからじゃない。
怖いのだ。自分は怖い。
暗くなる空より、森より、圧迫されて深くなるのは自分の心の闇だった。
銃を握る右手のひらが汗でぬめり、何度も服で拭う。
この銃を、自分は撃つのか。
怖かった。ものすごく怖かった。
喉がからからに乾き、口内で唾液がねばつく。
大きな木を背に立ち止まると、国分はバッグからペットボトルを取り出し水をあおった。
ただ風の音とは違う、なにかを聞きとって井ノ原は足を止めた。
ざあぁぁぁぁ…
一際強い風が吹いて木々がざわめく。
かちり。
懐中電灯を消した。
息を潜め、バッグを邪魔にならぬ場所に置く。銃を両手で構えた。
刑事ドラマみたいだ。
場違いなイメージが頭に浮かぶ。
この銃は植草のバッグに入っていたものだった。
しかし植草はもう死んだ。自分がこの銃を持って、使う。
生き残るために。
殺すために。
246 :
ななしじゃにー:2009/01/28(水) 13:20:19 ID:pMBjDhMfO
訃報。かねてより病気療養中の青山孝史が本日午前7時に享年57歳にて永眠いたしました。ここに謹んでご通知申し上げます。ター坊今まで有難う!!
再結成した時はバーニングプロダクション周防社長がジャニーズ事務所と交渉。
フォーリーブス再結成のとりまとめ先はプロシード(バーニングプロダクション子会社)