1 :
名無し:
腕力が強いジャニタレだったら
1位 山口
2位 香取
3位 松岡
4位 長瀬
5位 大沢
でほぼ確定していると思われるのでこのスレでは腕力の弱いジャニタレ
ベスト5を考えて行こう!
1位 歪
2位 稲垣
3位 長老
4位 ひら
5位 どつよ
>2
ひらより傘の方が弱いと思うが。
それと歴代だから元光GENJIの山本あたりも入れたいところ。
1位 歪
2位 稲垣
3位 長老
4位 傘
5位 山本
1位 歪
2位 傘
3位 稲垣
4位 山本
5位 小僧
だと思う。
あらちが3人て(ワラ
歪は文句なしだけど傘もかい?
自分は
>>4だな。
珍しいスレかも。
嵐って平安以外みんな弱そう。
長老は弱そうだけど年だから仕方ないような気もする。
どつよも腕力なさそう。
1メリー
2マリー
3サリー
4ミリー
5ジャニー
1位メリー様
2位ジャニー喜多川くん
3位ミッキーさん
4位タッキー
五位サンチェ殿
実はスマで一番しっかりした体をしているのは稲メンという罠。
(慎吾は贅肉半分)
ゆとりあるスケジュールで優雅にジム通い。胸板ご立派ですよ?
ただ、稲垣様は剛毛の為、けして肌をさらそうとはなさいませんが。
胸毛ありとの噂。
昔テレビで基礎体力テストやってたけど、どれも駄目駄目だったよ>稲垣
握力も背筋も最下位だったとオモタけど。
しわしわー
てんてけてんてけ
\(^▽^)/新スレおめー
100式につや消しパピコぬりまくり.りんねおかわりは30円
1位 辻希美 最強の腕力
2位 吉澤 腕と脚が太い
3位 後藤真希 ケンカが強い
4位 飯田圭織 デンパが強い
5位 紺野麻美 空手初段
やっぱこれでしょ
>12
そのとき他に成績悪かったのは例えば誰?
中居とか慎吾かな>16
逆に、木村と剛は何やってもそこそこに上位だった。森は記憶にない。
>17
各メンバーの握力と背筋力ってそれぞれどれくらいだったか覚えてる?
草つよは腕力強いよ、パンチングマシーンで小川に迫る勢いだった。
細いのに何で?ちょっとキショイ
腕力と言えば香取。
アジャコングをお姫様抱っこしとった。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 新スレおめでとうございまーす♪ |
\ _____ _____ ___ ___ /
V V V V V
〜oノハヽo. oノハヽo. oノハヽo. oノハヽo. oノハヽo〜
( ^▽^) ( ^▽^) ( ^▽^) ( ^▽^) ( ^▽^)
⊂ ( ̄)⊂ ( ̄)⊂ ( ̄)⊂ ( ̄)⊂ ( ̄)))
(__/" 三 (__/" 三. (__/" 三 (__/" 三 (__/" 三
稲垣は長距離強いよ
普段から走ってるから
☆は良い身体してる割に腕相撲はVメン中最下位。
相当腕力ないと見た。
>20
どんな機種でどれくらいの数値出してた?
キムや慎吾よりも強かった?
>25
20じゃないが、俺これ超得意〜と言いながら、126s出してた>パンチングマシーン
ダンスも芯がブレないし。重心移動がとても上手いんだろう。あんなガリ腕でも
でも腕力とかと違う気も。腕相撲とかだとヘナチョコそう。
>26
そのパンチングマシーン、どんな機種だったか覚えてる?
3・4年前だったと思うが、雑誌の体力測定で
☆は握力が30kgそこそこでメンバー内ダントツ最下位だったような。
良い身体に見えるが、自分の筋肉は見掛け倒しだと☆自ら言ってたしね…
どんなに筋肉綺麗でも、運動音痴に見える☆
腕力と破壊力は違うだろう。
草つよさんはあの貧弱さでスマ1のアクロ担当。
ガタイのハンデを運動神経で補うタイプ。腕力なくたって
完全に腰入れて全体重かけたパンチ打てるならそれくらいの数値出るだろう。
体の使い方がうまいだけで、腕力はゼンゼンないと思う
1ひら
2平安
3小僧
4傘
5歪
>良い身体に見えるが、自分の筋肉は見掛け倒しだと☆自ら言ってたしね…
ワロタ。☆正直で(・∀・)イイ!!
SMAP 稲垣>中居>草薙>木村>森>香取
TOKIO 城島>国分>長瀬>松岡>山口
V6 三宅>森田>岡田>坂本>井ノ原>長野
キンキ 剛>光一
嵐 松本>櫻井>ニ宮>相葉>大野
光GENJI 山本>内海>アツヒロ>寛之>赤坂>諸星>大沢
少年隊 錦織>植草>東山
シブガキ隊 布川>本木>薬丸
たのきん 田原>近藤>野村
紫と副将って同じぐらいじゃないの?
喧嘩して組み合ったものの、
こう着状態になってしまったという話を聞いたんだが。
――っていっても何年も前の話らしいから今は違うのかな。
どーもともーどかなんかでやったやつだと高位置のが強くなかったっけ…?<握力
>36
千球。何故須磨兄さんを見た時点で気付かなかったのだ臘…(苦藁
スマソ、逝ってきます…
38 :
ななしじゃにー:02/05/21 20:14 ID:Ufv.yM1M
ジャニって不思議と腕力弱いの多くない?
嵐なんて大野以外は握力30そこそこ松本は25くらい、ジュニアの山下なんて20しかない
んだってさ。
運動神経はいいが腕力は貧弱、それがジャニの特徴って感じする。
各グループのメンバーの腕力を数値で表すと(最大値=100)
SMAP 香取(100)木村(80)草薙(68)中居(57)稲垣(44)
TOKIO 山口(100)松岡(100)長瀬(95)国分(52)城島(50)
V6 長野(88)井ノ原(84)坂本(71)岡田(65)森田(54)三宅(42)
キンキ 光一(55)剛(55)
嵐 大野(66)相葉(48)二宮(46)櫻井(44)松本(35)
光GENJI 大沢(90)諸星(80)赤坂(76)寛之(62)アツヒロ(60)内海(56)山本(45)
少年隊 東山(82)植草(75)錦織(63)
シブガキ隊 薬丸(81)本木(77)布川(64)
たのきん 野村(93)近藤(91)田原(80)
松本・・・・・・低っ!!!!
三宅の筋肉って見かけだけなんだ、なんか萌え
筋肉マン
中堅は羊さんに腕相撲で負けたとネタにされてた位だから
長老より低いかも
44 :
ななしじゃにー:02/07/19 14:30 ID:v0RjtHmC
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なんだ?
自担がんがれ
47 :
w:02/10/01 00:12 ID:NUgn0x6U
ここでジャニバト始めてもよろしいですか?
どーかな?どーかな?
読みたいでつ おながいします
>48
おながいします〜。楽しみにしてるよ。
1.相葉 雅紀 2.稲垣 吾郎
3.井ノ原快彦 4.今井 翼
5.植草 克秀 6.大野 智
7.岡田 准一 8.香取 慎吾
9.木村 拓哉 10.草g 剛
11.国分 太一 12.桜井 翔
13.城島 茂 14.滝沢 秀明
15.中居 正弘 16.長瀬 智也
17.長野 博 18.錦織 一清
19.二宮 和也 20.東山 紀之
21.松岡 昌宏 22.松本 潤
23.三宅 健 24.森田 剛
25.山口 達也
周囲の賑やかさにふいに目が覚めた。
目を開けた自分を見つけた誰かから声を掛けられる。
「大野くん、ようやく起きたの? いくらなんでも寝すぎだよ」
床の上に直接寝ていたらしく背中が少し痛い、我慢して起き上がって声の主の方を見ると二宮和也が隣に座っていた。
そして、違和感を覚えるこの部屋をざっと見渡してみると、井ノ原快彦、城島茂、東山紀之、香取慎吾・・・先輩達が周囲にバラバラになって座っていた。
「なんでV6もTOKIOも・・・少年隊やSMAPまでここに?」
呟く声に二宮が付け足してくれた。
「大野くん、滝沢くんと翼くんもいるよ」
二宮が顔を向けている方を見ると、前方に滝沢秀明と今井翼が座っている。
「それより大野くん。俺達さぁ、なんでこんなところにいるんだろうね? 俺、今日は全員でロケって聞いてたんだけど」
そう、今日はロケって聞いてた。たしか・・・昼に弁当食って、お茶飲んで・・・その後の記憶が・・・無い。
「もしかして、ニノも寝てた?」
「うん寝てた。でもきっと俺だけじゃないよ、翔くんも相葉ちゃんも松潤も・・・みんな寝ちゃったと思うんだ」
「この間運動会があったから、その疲れ・・・じゃ・・・・・・ないか・・・」
ふざけてる場合じゃないでしょ。と言いたげな二宮の視線に声も小さくなってしまう。
「そういえば、他のみんなはどこ?」
「相葉ちゃんは松潤と前の方に、翔くんは・・・」
どこだっけ? と言いながら桜井を探す二宮と一緒に改めて自分の周囲を見回す。
自分の左側には窓があった。前方には黒板? 教卓と教壇もある。どうやらここは教室のようだ。
教卓の側には相葉雅紀と松本潤。桜井翔は岡田准一達と後ろのドアの所にいる。
何がなんだか分からなくなって、つい髪の毛に手をやろうとして首の違和感に気付く。
俺、いつもアクセサリーなんてつけてないよ。
「ニノ俺さ、なんか首についてるんだけどちょっと見てみてよ」
壁に背中を預け、二宮によく見えるよう首を反らす。
「あ〜これね。俺にもついてるよ、ホラッ」
これは・・・アクセサリーっていうよりも首輪?
「なんで付いてんだこれ? 犬のヤツみたいじゃん・・・」
―――その呟きが合図だったかのように前方のドアがガラッと開いた。
ドアを開けて入ってきたのはKinKi Kidsの2人だった。
堂本光一はいつものように黒一色の服装。
堂本ツヨシも珍しく光一と同じように黒のハイネックのニットを着ている。
でも、2人の動作は対称的だった。
光一は顔をあげ片手にアタッシュケース、もう一方の手にクリアファイルを持ち、きびきびとした歩みで
中へ入ってきた。
その後ろから、みんなの眼から逃れるよう俯き加減に、リュックをたくさん積んだ台車を押しながら入っ
てきたツヨシ。
「光一〜。みんな集めてこれから何すんだよ〜!」
長瀬智也の声がする。その声に同調するようにみんないっせいに疑問を投げかける。
教師のように教壇に立ち、クリアファイルを教卓に音を立てて置いた光一の様子に周囲が静まり返
る。
「まぁ、皆さんの疑問はもっともなんで説明します」
そう言いながらアタッシュケースを下に置き、クリアファイルから紙を取り出して全員に見せる。
「え〜っと・・・まず、ジャニーさんから皆さんにメッセージを預かっていますので読み上げます。
"ここにお集まりの皆さんおはようございます。
突然ですが、ここにいるデビュー組計25名で・・・殺し合いをしてもらいます。
勝利者は1名だけ、この勝利者へは事務所イチオシ扱いでの芸能活動が待っています。敗者の24名
については、マスコミ・世間へは【事故により死亡】と伝えられますのでご心配なく。
・・・詳しい説明はKinKi Kidsから聞いてください。 ―以上―"」
そのメッセージを聞いた全員が、内容をうまく理解できずにいる間にもさらに光一の声は続く。
「・・・という訳ですので、説明します。
まず、舞台はこの無人島です。外部に助けを求める事は出来ませんのであしからず。
そして、ここから出る時に皆さんにリュックを渡します。
中身は、地図・コンパス・懐中電灯・ミネラルウォーター・非常食。―――そして、武器です。
この武器は・・・皆さんそれぞれ違いますので、まぁ福袋みたいなものだと思ってください」
淡々と説明を続ける光一の声を遮るようにあちこちで叫び声が上がる。
「おいっ! ちょっと待てよお前。『殺し合いをしてもらいます』『はいそうですか』っていう訳ねぇだろっ」
「っていうか、なんでお前らが仕切ってんだよ。だいたい殺し合いってどういう事なんだよっ!」
松岡昌宏と山口達也がみんなの意見を代表するように光一に問いただす。
「僕らがこのゲームの進行役をするのは、ジャニーさんからの指示です」
「光一っ! ふざけたこと言ってんなよっ! 納得いかねぇよっ」
中居正広がキレたように叫ぶ・・・
「結局、僕ら以外は人員整理ということらしいです。最近事務所も大所帯になってきてますから・・・
ただ、例外がひとつありましたけれど・・・・・・」
「ねぇ大野くん、なんだか光一くんおかしいよ。いつもの光一くんじゃ無いみたい・・・」
二宮が小声で大野に囁く。
「光一くんだけじゃないよ。ツヨシくん見てみ」
ツヨシは、この部屋に入ってきてからずっと下を向いたままだった。
―――両手で台車の持ち手をグッと強く握り締めて・・・
とりあえず3つ載せてみました。
1が改行の仕方が拙く読みづらくなってしまってごめんなさい。
こんな内容ですが、どんなもんでしょうか?
続けておながいします。 あとよければ鏝半つけてくだちぃ
大変楽しみです。
1つだけお願いがあるんですが、難しいかもしれませんが
キンキと長老だけは関西弁がんばってくれませんか?
あの人達が標準語だとなんか違和感があるんです。すみません。
凸は標準語でもいいかな。
何様は?
ほんとだ、何様いないょぅ…
始まりましたね、新作が。続き楽しみです。
あ、自分もコテ半キボンです。他の職人さんも名前あったし。
ナギ、は漢字で大丈夫なのかしら?
おおっ!こんなに読んでくれた人が…嬉すい。
>57
自分、関東圏ですが関西弁頑張ります。
でも、高位置って司会の立場の時は標準語が多いと思うので…
それと、参加メンバーと線を引いているという意味での、
標準語使用という部分もあります。
>58,59
何様…(ニヤリ
>61
一応、3人剛は
森田→ゴウ、堂本→ツヨシ、草g→つよし
にしようと思っています。
コテ半は…う〜ん。あった方がいいですかねぇ…
とりあえず、皆様よろしくです。
中居が苦味をつぶしたような顔で黙り込んでしまい、また静寂がこの部屋を支配する。
「じゃ、説明の続きをします。制限時間は24時間。スタートは・・・AM8:00という事でお願いします。
この島はわりと広いので、6時間ごとに放送を入れて立ち入り禁止エリアというものを設定します。
このエリアに間違えて入ちゃうと・・・ドッカン・・・です。爆発しちゃいますから首輪にも気をつけて下さ
いね」
「お・・大野くん・・・これって爆弾ってこと?」
二宮が震える声で大野に聞く。周りのみんなも自分の首に手を当ててみたり、側にいる人の首輪を眺
めたりしている。
「ちなみに、海は最初から立ち入り禁止エリアになっていますので、ここを出てすぐ泳いで逃げようとし
ても無駄です。自殺行為ですので止めて下さいね」
「なぁ光一、一つ聞いてもいいか? お前達はこんなことをして何を得るんだ?」
東山が光一に問いかける。
光一とツヨシは、自分達の友達が死んでしまっても構わないのだろうか?
長瀬を、岡田を・・・彼らは親友を見殺しに出来るというのか・・・
その質問を聞いた光一は、自嘲気味に笑い、東山の眼を真っ直ぐに見て「さぁ・・・分かりません・・・」と
だけ告げた。
「光一、ちょっといい?」
長野博が手を上げる。
東山の方を向いていた光一が長野の方を向く。
「俺達、5人しかいないんだけど・・・さっきから、坂本くんの姿が見えないんだよね。知ってる?」
「もちろん、知ってますよ。だからさっきジャニーさんのメッセージに25人ってなっていたでしょ?
少年隊:3人、SMAP:5人、TOKIO:5人、V6:5人、嵐:5人、タッキー&翼:2人の25人ってね」
「光一は、ジャニーさんから何て聞いてるの?」
光一の答えに納得出来かねるかのように長野の質問は続く。
「ジャニーさんからは、この間のV6のコンサートのMCで” 坂本くんを抜かしてV5でやれる”と話してい
たので、今回はそれを見せてもらう為にV5でやることにした。と聞いてます」
「見せてもらうも何も殺し合いなんでしょ? それにMCだってネタじゃん、本気でなんて言わないよ。 だいたい坂本くんは今どうしているの?」
「さぁ・・・坂本くんに関しては特に聞いていません。生死についても・・・とにかくジャニーさんからこの
25人で、と言われてますんで」
「ちょっと・・・生死って・・・なにそれ?」
長野が絶句したように呟く。
「とにかく、もう時間になりますので出発してもらいます。あと5分したら名前を順に呼びますので、リュ
ックを受け取って外に出てください。それからは何しても構いません。ただ、24時間経っても2人以上生
存者がいた場合、自動的に首輪が爆発しますのでそんな事のないように頑張ってください」
その台詞に誰かが「ヒュッ」と息を呑む音が聞こえる。
「あぁそうそう、肝心な事を忘れていました。ジャニーさんから皆さんにこれを見てもらうように、とのこ
とです」
言いながらおもむろにジャケットのポケットに手を入れ、無造作に何かを動かした。
―――ピピピピピ・・・・・
かすかに電子音のような音がする。
教室の右側のほうで、大きなざわめきと叫び声が上がる。
「滝沢っ!!」 「お前の首輪から音が出てるぞ!」
音のする方を見てみると、今井や滝沢の周りにいる人たちが青ざめた顔で口々に叫んでいる。
「お・・大野くん、アレもしかして・・・」
二宮が言い終わらないうちに爆発音とグチャッという嫌な音、そして鉄が錆びたような血の匂いがして
きた。
先程とは比べ物にならないくらいの静寂が一瞬この部屋を包み込む。
その後、嘔吐するもの、叫び声を上げるもの、泣き出すもの・・・室内は打って変わったような騒ぎとな
った。
ほとんどのものは今まで座っていた場所から立ち上がり、滝沢であったものの残骸から遠ざかろうと
する。それは本能的な行動だった。
そんな中で今井は、降りかかってきた滝沢の血を拭おうともせず、黙ったまま光一をずっと見ていた。
そんな今井から目を逸らすように、光一は正面へ向き直る。
「首輪の爆弾の威力を見てもらいました。滝沢の首輪が爆発したのはこのリモコンで操作したからで
す。ちなみに滝沢のだったのは・・・運ですね。」
「お前おかしいよっ、なんでそんな簡単に人の命を扱えるんだよっ!」
興奮したように長瀬が光一に詰め寄ろうとすると、とっさに国分太一が長瀬の前に立ちはだかりその
動きを止めさせる。
「長瀬っ、お前まで滝沢と同じようになるぞ。今は我慢しろ」
「今は我慢って、いったいいつまでですかっ? 滝沢が死んでもう俺達はこの変なゲームの中に放り
込まれちゃったんスよ」
「そんなこと知るかよっ! だけど今、光一がリモコン押したらお前まで・・・」
国分と長瀬の言い合いを光一の声が遮った。
「じゃ、時間ですので・・・相葉くんから取りに来てください。次の人は相葉くんが出てから1分後です。待っている間は私語厳禁です」
みんなの視線の中、光一のすぐ前に松本と一緒に座っていた相葉が呼ばれた。
【滝沢秀明 死亡:残り24名】
始まりましたね。新しい職人さん、楽しみにしております。
しかし何様が…
新作職人さん、乙です。
何様不在の真意は…これから何か動きがあるのだろうか?
面白くなりそうです。がんがって下せぇ。
おお、楽しみ。がんがって。
鏝半、思いついたら自己申告おながいします。
新作さん、とか。
まんま過ぎるか。ゴメソ。続き期待してるっす。
今までと違う意外性があって(・∀・)イイ!!
おがんばりなすって。
職人と呼ばれるのはチョピーリ恥ずかしいので
【見習い】とでも呼んでください。がんがりますっ!
「光一!! お前はこれでいいのか! このまま始めちまってもいいのかよっ!」
国分にシャツの裾を掴まれ、引きずり戻されながら長瀬が必死に叫ぶ。
光一は長瀬の声が聞こえているはずなのに、顔色一つ変えずにもう一度相葉の名を呼ぶ。
「相葉。早く取りに来ないとスイッチ押すぞ」
いきなり自分の名前を呼ばれ、相葉は戸惑っていた。
今見た光景が、現実のものとはなかなか思えなかった。
ただ分かっているのは、早くリュックを取りに行かなくちゃいけないという事。でも・・・
「相葉ちゃん、大丈夫? 早く行かないと今度は相葉ちゃんが危ないよ・・・」
松本が蒼白な顔で、心配そうに相葉に声を掛けてくる。
そうなんだ、行かないといけない。でも、でも・・・これを受け取っちゃったら外の世界に待っているのは
きっと―――殺し合い。
「相葉・・・はいらないのか? じゃあ・・・」
相葉は、リモコンのスイッチに指をかける光一をぼんやりと見ている。
「相葉ちゃんっ!!!」松本の切羽詰った叫び声が聞こえる。
光一から目を離せないでいると、急に腕をグイッっと持ち上げられ無理やり立ち上がらされる。
腕を支えてくれている人を見ると、乾いた血を付けたままの今井だった・・・
「こんなとこで死ぬのは、滝沢だけでいいから・・・だから立って」
「翼くん・・・・・」
相葉は、心配そうに自分を見ている松本を安心させるようにひとつ頷く。
そして、大きく息を吸って光一の方へ向かった。
「はいじゃあ、ツヨシからリュックひとつ貰っていってね」
光一に言われてツヨシの方へと足を向ける。
そういえば、この部屋に2人が現れてから口を開くのは全部光一だった。
ツヨシは今回のこの事をどう考えているのだろう・・・
「あ・・あの・・・」
相葉がツヨシに話しかけようとした途端、光一から厳しい声が飛ぶ。
「後がつかえてるから無駄口叩かないで早く行ってね」
追い出されるように教室を後にし、廊下を歩きながらとりあえずリュックの中身を確認する。
出てきたのはさっき聞いた通り、地図・コンパス・懐中電灯・ミネラルウォーター・非常食、
そして・・・小振りの拳銃。ワルサーPPKだった。
「これは・・・本物かな? でもこれなら少しは身を守れるかも・・・よかったぁ」
安堵の溜息を漏らし校舎から出る。
「さて、どっちに行こうかな? ここを出るの俺が最初だからまだ誰からも狙われないし・・・とりあえず
遠くに行ってみようかな」
地図をリュックから取り出してしばらく眺めた後、相葉は北の方角へ消えた。
「じゃぁ次は、稲垣くん。」
今まで起こった事をまだ現実として認識できないでいる稲垣は、自分の置かれている状況が本当は
撮影か何かだと思い込もうとしていた。
「これさ、どこかにカメラがあるの?」
そんなとぼけたような質問も出て当然かもしれない。が、光一の答えは稲垣に現実を突きつけるもの
だった。
「まだそんな事言ってるんですか? 滝沢のようになりたくなかったらもっとしっかりしてくださいよ」
滝沢のように・・・首から上が吹っ飛んでしまった最近デビューしたばかりの後輩。
滝沢の死があっけなかっただけに、どこか作り物めいた感じで嘘くさく思えてしまうのだが、光一の手
の中にあるリモコンは国分が長瀬を止め、松本や今井が相葉を動かす力はあった。
諦めたように稲垣は、眼を合わせないツヨシからリュックを受け取り部屋を出た。
もう少しで校舎を出るという途中で稲垣はふと考える。
もし呼ばれているのが五十音順だったら・・・”か行”にSMAPは3人いるから待っていて合流したほうが
安心かもしれない。
次に井ノ原が出てきたら、絶対五十音順だからとりあえず3人を待っていよう。
そして、いきなり思い出したようにリュックの中身を確認し始めた。
出てきたのは地図と・・・水・非常食・・・そして、斧だった。
「なんだよこれ、重いじゃん・・・」
「次は、井ノ原くん。」
光一に呼ばれて井ノ原はスッと立ち上がる。
自分の周囲を見回し、友の・・・仲間の顔を見つめる。
「井ノ原くん・・・」か細い声で三宅健が井ノ原を呼ぶ。
五十音順に呼ばれていると思われるこの状況の中で、三宅が井ノ原と顔を合わすのはこれが最後に
なるかもしれない・・・
森田剛と並んで座りながら自分を見つめている三宅に「また逢おうぜ」と返してツヨシの前に立ち、光
一に邪魔されようとこれだけは言っておかなければと言葉を紡ぐ。
「ツヨシ・・・お前の考えは光一と同じなのか? 友達を、仲間を見殺しに出来るのか?」
ツヨシは持っていたリュックから手を離し、井ノ原の言葉を拒絶するように慌てて耳を塞ぎながら言葉
を返す。
「いのっち・・・ごめん・・・早よもう行って・・・」
「井ノ原くん、これ持って出て行って下さい」
井ノ原はツヨシの代わりに光一にリュックを渡され教室を後にした。
井ノ原が教室を出るとそこには稲垣の背中が見えた。
「あれ? まだこんなとこにいたんですか? どんどん後ろ来ちゃいますよ」
背後から急に声を掛けられた稲垣は、はっとしたように振り向く。
「あぁ、井ノ原か・・・お前リュックの中見た?」
「リュックの中? えっと・・・地図と・・水と・・・あれ? ナイフだ」
そう言われて、井ノ原がリュックから取り出したのは刃渡り15cm程の軍用ナイフだった。
「本当に全員違うんだな・・・俺は斧だった」
「でもねぇ〜こんな小さいナイフじゃ・・・まっ、カッコイイからいっか」
井ノ原はウエストにナイフを差し込みながら、歩き出そうとしない稲垣を見る。
「行かないんですか外?」
「えっ? あぁ・・・もうすぐ木村くん達が出てくると思うから、待っていようかと思って」
「でも、ここより外のほうがいいんじゃないですか? 一応ここ通り道だし・・・」
その言葉に怪訝そうな顔をして見せた稲垣を後に残し、井ノ原は校舎を出た。
―――馬鹿だなぁ・・・後からまだ22人も来るのに。まだ分かってないよアノ人。
見習いさん、でいいのかな?乙彼様です。
久しぶりの新作ということで、どんな展開になるのか今からドキムネ!!
見習いさん、すごくいいでつよ!楽しみが増えますた。
「次・・・今井、取りに来て」
その言葉を待っていたかのように今井は立ち上がり、相変わらず眼を伏せているツヨシの前にさっさと
立ちリュックを受け取る。
「俺・・・2人共いい先輩だと思っていました・・・」
そう言い捨てて教室を後にした。
誰かが「ふぅ〜」っと大きく息を吐き出す。それをきっかけに妙に緊張に支配されていた空気が緩む。
「俺さ、翼くんが光一くんに何かするんじゃないかと思ってた」
私語厳禁にも拘らず二宮が大野に話しかける。
「う〜ん・・・舞台で光一くんと、ドラマでツヨシくんと一緒だったことがあるから、ショックだろうな・・・」
「だよね・・・しかもようやくデビューできて、これから滝沢と2人で頑張っていこうっていうところだったの
にさ」
「そこっ、二宮と大野っ! 私語厳禁って言ったはずやろ」
光一に見つかり、首をすくめる。
「今度、勝手にしゃべってたらリモコン押すからな」
なんだか胸の辺りがムカムカしていた。浴びてしまった滝沢の血の臭いなのか、自分の胸の奥から湧
き上がってくるものが原因なのか分からなかった。
ただ、今までジュニアを2人で支えてきた自負があっただけに、事務所の扱いや滝沢のあっけない最
後が納得できなかった。
「クソッ! こんな事のために俺達をデビューさせたのかよっ!」
ムカツク衝動のまま廊下の壁をひとつ蹴りつける。
その音に廊下の先のほうにいた誰かが「ヒィッ」と声を上げる。
「あ・・稲垣くんでしたか。驚かせてすみません」
みっともない所を見られてしまった稲垣は、今井の姿に驚きながらも慌ててぎこちない笑みを見せる。
「稲垣くんはここで何してるんですか? 何か外に出られない事でも?」
「う・・・ん。木村くんと慎吾とつよしが続けて出てくるはずだから待っていようかと思って・・・」
稲垣は、自分の臆病さを隠そうともせず本音を晒す。
「それよりリュックの中見た?」
リュックの中身を確認していなかった今井は、稲垣の前で自分のリュックの中身を探る。
出てきたのは・・・銃、M59だった。
「うわっ・・・」それを見るなり稲垣は驚いて自分のリュックを落とし飛び退った。
「へぇ〜、これどうやって撃つんだろう? こうかな・・・」
言いながら今井は稲垣へ銃口を向ける。
「うわわわ・・・・や・・やめろよ、銃をおろせよ」
「そういう稲垣くんの武器は何だったんですか?」
「俺のは、斧っ・・・」
今井は稲垣へ向けていた銃を下ろしリュックへしまいながら、落ちていた稲垣のリュックの中に手を入
れ斧を取り出す。
「ほんとだ、これ痛そうだな・・・ちょうどいいや。稲垣くん、これ僕に下さい」
「えっ?」
「だから、この斧ですよ」
稲垣のリュックから斧を取り出して重さを確かめるように振ってみる。
「ぼ・・僕の武器が無くなっちゃうんだけど・・・その銃と交換してくれるの?」
今井は冷めた目で稲垣を見返しながら「そんな事する訳ないでしょ」と呟く。
「稲垣くん、武器なんか無くたって木村くん達があなたを守ってくれますよ・・・きっとね」
「そ・・そんな事言われても困るよ。取り替える気がないならその斧返してくれよっ」
稲垣が自分の斧を取り返そうと、今井の方へ飛び掛った。
植草克秀が廊下に出た途端、争う声が聞こえてきた。誰がいるのかと恐る恐る廊下を進む。
すると、斧を挟んで揉みあっている稲垣と今井の姿があった。
植草は二人を止めようと慌てて近づく。
「お前達、こんなところで何やってんだっ! やめろよ」
「止めないでください。僕にはこれが必要なんです」
「何言ってんだ、これは僕のものだろっ返せよ!」
斧の刃は稲垣の方を向いていたが、今井より上背のある稲垣のほうが優勢に見えた。
2人を止めようと植草が、稲垣の斜め後ろから近づいて手を出そうとした。
その姿を見た今井が一瞬力を抜き、稲垣との間の力の均衡が破れた。
必死に自分の武器を取り返そうと、斧を引く力を込めていた稲垣は、勢いがついたそのままの状態で
後ろに倒れこみそうになる。
が、運悪く稲垣の後ろにいた植草の首筋に斧の刃が当たる・・・
「うぎゃぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」
叫び声を上げる植草の首から鮮血が噴出し廊下を染め上げ、その場に崩れ落ちていく。
「うわっ! うわぁぁぁぁぁ!!!」
斧を持ったまま、自分の仕出かした事に驚き大声を上げる稲垣。
慌てて斧を放り出し、倒れた植草の首を押さえて出血を止めようとするが出血は止まらない。
「う・・植草くん・・・しっかりして下さい」
植草は遠のく意識の中で―――こんな事故みたいなことで死ぬなんて・・・俺らしいのか? と、うっす
らと思っていた。
「う・・・植草くん。 ・・・どうしよう・・・」
血溜りの中で稲垣は植草の首筋に手を当てながら途方にくれていた。
「あ〜あ・・・稲垣くん。殺しちゃった・・」
稲垣が放り出した斧を拾い上げながら、今井は稲垣に告げる。
「だって・・・今のは事故じゃないか」
「事故だろうがなんだろうが、人が死んだ事実は変えられない。あなたはヒトゴロシ・・・です」
稲垣の反論を一蹴して、斧に付いた血を拭いながら廊下を出口へと向かう。
「そうそう今の騒ぎ、中の人たちには聞こえていたと思いますよ・・・みんなあなたを人殺しだと思うでし
ょうね」
そう稲垣に言い残して今井は校舎を後にした。
どんどん行きまつ…ついて来てね(藁
「今の声は・・・植草じゃないか?」
錦織一清の言葉に室内に残っていた人間がざわめく。
「・・・・・・吾郎の声もした。と思う」
ゆっくりと木村拓哉がその言葉に付け足す。
「もう廊下で始めちゃったみたいですね」
「もう始めちゃった。って無責任な事言うなっ!」
光一の言葉に長瀬が怒鳴り返す。
「まぁ、自分の順番が来て、外に出てみれば今何が起こったか分かりますよ・・・じゃ、大野」
他人事のような光一の言葉に、ざわめいていた室内が静まり返る中、大野は二宮の肩を軽く叩き立ち
上がる。
大野は自分を見上げてくる松本の横を通り、光一の前を横切りツヨシの前に立つ。
「・・・・・・。」
無言でツヨシからリュックを受け取り、ドアから出る直前、肩越しに後ろを振り向き教室内に残っている
仲間を見渡す。
先程のやり取りから、教室の外に広がっているであろう惨状を室内の誰もが想像し、そこへ1人で出
て行かなくてはならない大野を思いやる。
「大野くん・・・気をつけて」
これが最後に交わす言葉になるかもしれないと思いつつ、桜井は教室の後ろから大野に声を掛けた。
大野は、それに手を挙げて応えるとドアを開け、廊下へ出た。
1人になると大野はまず、自分の所持品の確認を始める。
光一の言った通りの物をチェックし、自分の武器らしきものを取り出す・・・
「これ、武器じゃないじゃん・・・」
植草の首筋から流れ出ていた血は勢いを失い始め、植草自身の命も消えるかのように眼がにごり始
めてきていた。
「植草さん・・・もう駄目なのかな・・・」
そんな植草を見ながら稲垣は、途方にくれたように呟く。
―――みんなあなたを人殺しだと思うでしょうね
今井の言葉が、何度も稲垣の頭の中を回り耳について離れない。
次に教室から出てくる人物は大野、そのあとは岡田。両人ともあまり稲垣とは親しくはない。このまま
ここにいると、きっと稲垣が植草を殺したと思うに違いない。
もう少しで、木村達と合流出来るはずだけれど、あらぬ疑いはかけられたくはない。
ここに残るべきかどうするか・・・わずかな時間しかない中で、稲垣は正常な判断が出来ずにいた。
―――ヒトゴロシ・・・
稲垣は、この言葉から逃げ出すように植草の身体から手を離して立ち上がり、機械的に自分のリュッ
クを拾い上げて廊下を走って外に出た。
先に出たはずの今井の姿はすでに無く、ただ無人の光景が広がっていた。
「逃げなくちゃ・・・」
稲垣は、もつれる様な足取りで目の前の茂みの中に飛び込んだ。
大野が廊下を歩いていくと、さっき教室内で聞いた声の持ち主が血溜りの中に倒れていた。
「植草さんっ! 大丈夫ですか?」
どうみても大丈夫そうに見えないのに、こんな台詞しか出てこない自分に嫌気がさしつつ植草に駆け
寄る。
「だ・・だ・・れ・・・」
ゼィゼイと喉を鳴らしながら、苦しい息の下で植草は言葉を紡ぐ。
「大野ですっ! これっ、この傷。誰にやられたんですか?」
植草は、大野に抱き起こされながらゴボゴボとむせ返り、血の塊を口から吐き出す。
「お・・お・おの・・・・い・・・」
何とか大野に話そうとするが、激しい吐血を繰り返しそのまま首を折った・・・
「う・・植草さん!! 大野です。『い』って何の事です? 誰がやったんですか?」
そのまま動かなくなった植草を揺すっても、もう返事は無かった。
大野は、植草を血溜りの中から移動させ、廊下の端へ寝かせた。
そして、落ちていた植草のリュックを見つけ、傍へ置こうとしてふと思いとどまる。
「植草さん。僕に中身分けて下さいね」
言いながらリュックを開け、食料・水を取り出し自分のリュックへ詰め替える。
そして、出てきた植草の武器は・・・かんしゃく玉だった。
「これ・・・武器? まぁ、俺のよりはいっか・・・」
大野は、植草にひとつ手を合わせると校舎を後にした。
【植草克秀 死亡:残り23名】
―――稲垣くんてば、あんな所で待ってたらヤバイかもしんないのに・・・
井ノ原は、そう思いながら誰かと合流しようかどうか迷いつつ、校舎近くの茂みで中から出てくる人
間を窺っていた。
しかしいくら待っても、自分のすぐ後に出てくるはずの今井も姿を見せない。
「おかしいな・・・どうして誰も出てこないんだ?」
もしかして俺、全員に騙されているんじゃ? と井ノ原が考えた時、校舎から出てくる人影が見えた。
その人物を眼を凝らしてよく見てみると、今井のようだった。
自分の後に教室を出たはずの今井が今頃校舎から出てくるという事は、自分と同じように廊下で稲垣
と話をしていたんだろうと井ノ原は解釈した。
今井は校舎を出ると、井ノ原がいる茂みのほうへは来ず反対側へと行ってしまった。
「次は、大野か・・・その後に岡田だな」
岡田まで待つかな・・・と井ノ原が思っていると、すぐ次の人影が校舎から出てきた。
「えっ? もう大野?」
しかし、その人影は校舎から出た時に一瞬立ち止まり、その後すぐにもつれる様な足取りで井ノ原の
いる茂みのほうへと走ってきた。
その異様な様子に不気味なものを感じた井ノ原は、思わず側の木立に姿を隠し、自分の少し先をわき
目も振らずに通り抜ける人物を確認した。
「あれは・・・稲垣くん?」
稲垣は、井ノ原に気付かぬまま茂みの中を通り抜け、東の方へと行ってしまった。
大野は、校舎を出ると茂みの側に人影を見つけた。
その人影の余りにも無防備な様子に、そっと近づき声を掛ける。
「井ノ原くん、何見てるんですか?」
大野に背中を向けて、木にしがみつく様に茂みの中を見ていた井ノ原は「うわぁっ!」と声を上げ振り
向いた。
「な・・なんだ、大野か。脅かすなよ・・・」
「こんな所で何やってんですか?」
井ノ原は、今見た稲垣の様子を身振り手振りを交えながら大野に話した。
「ふ〜ん・・・それよりも、校舎の中の廊下で植草さん死にましたよ」
「・・・えっ? ちょ・・ちょっと、冗談はやめろよ」
「冗談なんかじゃないですよ。僕が看取って来たんですから・・・」
「マジかよ・・・」
大野は、絶句したような井ノ原に、教室内で聞いた声の事や廊下での植草の様子を話し始める。
「それって、稲垣くんが植草くんを・・・って事か?」
「だって、植草さん『い』って何か言いかけて亡くなったんですよ。稲垣吾郎の『い』かもしれないじゃな
いですか」
「お前、そんな事言ったら俺だって『い』が付くんだけど」
「井ノ原くんは違います」
そう断言する大野を、井ノ原は不思議そうな顔で見つめた。
「井ノ原くん、服と両手見せてください」
言われて井ノ原は、大野へ向けて両掌を差し出す。
「ほら、井ノ原くんの両手は綺麗でしょ? 服も手も全然血の跡なんて無いし、臭いもしない」
井ノ原の両手に顔を近づけて大野は告げる。
「植草さんは、首筋を切られて凄い出血でした」
大野の手を見ると、乾きかけた血が少し付いている。
「だから、植草さんを殺った人には返り血が付いているはずなんです」
井ノ原は、先程見た稲垣の様子を思い返してみる。
「そういえば・・・稲垣くん、血が付いていたし・・・たしか武器は・・斧だった。俺、廊下で会った時教えて
もらった」
やっぱり。という顔で大野は井ノ原を見ている。
「でも、稲垣くんは木村くん達を待っているって言っていたんだから、そんな事はしないと思う」
校舎から出る前に稲垣と交わした会話で、稲垣の甘さに気付いていた井ノ原には、稲垣が植草を殺し
たとはとても思えなかった。
「でも、現実に植草さんは殺されているんですよ」
「けど俺、稲垣くんが出てくる少し前に翼を見た。遠目で見ただけなんだけど翼にも血が・・・」
暗に、血が付いていたのは稲垣だけじゃない。と匂わす井ノ原を大野は遮る。
「だって、それは・・・滝沢の血が掛かったから・・・」
そう言われて井ノ原は、自分が校舎から出る前の悲惨な出来事を思い出し顔をしかめた。
「でもさ俺、言っちゃ悪いけど稲垣くんは殺られる方だと思ってた。だってさ、アノ人隠れもしないで廊
下で木村くん達を待つって言ってんだもん。ヤル気の奴が来たらイチコロだと思ったね」
その時のやり取りを思い出して井ノ原は苦笑いをしてみせる。
「稲垣くんって、以外と危険な人だったんだな」と続けて呟く井ノ原に、「じゃ、僕行きますから」と告げ
大野は立ち去ろうとする。
「えっ? あぁ・・・そうなんだ・・気をつけてな」
「井ノ原くんこそ・・・僕がヤル気だったら間違いなく死んでましたよ」
大野に先輩らしく注意してみせる井ノ原だったが、反対に大野から、背後からあっさりと近寄られた
事を注意される。
「あぁ・・・確かに。気をつけるよ」
苦笑いしてみせる井ノ原にもう一度挨拶をして、大野は西の方角へ歩いていった。
「ヤル気か・・・」
大野の言葉を思い出して考える。岡田を待っていても、奴が俺を信用してくれなければ意味が無い。
そればかりか、岡田がヤル気なら反対に殺られるハメになるかもしれない・・・
井ノ原は、しばらく考えた後その場を立ち去った。
今井の、稲垣の、大野の、消えた方とは反対側へ・・・
見習いさん乙彼様です。
サクサク進んでますね。
このままサクサクと人が減っていくのかしら(苦藁
さっそく廊下で一人あぼんされてますが、これから出て行く皆がそれを見なくてはいけないんですね。
ビビリな自担はそれを直視できるとは思えない(藁
見習いさん乙彼さまです。今後の展開を楽しみにしています。
自担も92さんの担と同様にビビリ・・。
そんな自担が廊下を通り抜ける時が待ち遠しい(w
>92,93
自分の中でのビビリ王にビビらせてます(藁
他の方はサクッっと通り過ぎていってるので
92さんや93さんの担がビビらず行かれたら
「逞しくなったのね…」と感慨にふけってやって下さい。
ビビっていたら「やっぱりね」と
誰もが思うビビリ王ってことで納得してくだされ(藁
草ナギのナギが表示されないとマズイので、"草薙"に変更します。
今日は須磨兄さん結構出るので…
では、よろしく。
岡田は、自分の名前を呼ばれると足早にツヨシの元へと近づいた。
「ツヨシくん・・・なんで、こんな事になったんやろね・・・」
ツヨシは、こわばった表情で岡田を見上げた。
「・・・お・・かだ・・・」
ようやく発したツヨシの声は、言葉にならないまま再び飲み込まれ、自分の胸元を掴むようにして再び
黙りこくってしまった。
そんなツヨシに向かって岡田は「ツヨシくん、じゃあね・・・」と言い残し、教室を出て行った。
後には何かに耐えるように自分の喉元を押さえるツヨシがいた。
教室を出た岡田は、廊下の端に寝かされている植草の死体を見つけた。
「やっぱり、さっきの声は・・・誰かがもうヤル気になってるんやな」
ふと気づいて自分のリュックの中身を確認する。
「俺の武器は、銃か・・・ラッキーって言ってええんかな」
自嘲するように笑って、少し大きめのそのベレッタをベルトに挟むと校舎から出て歩き出した。
校舎の廊下では、SMAPの3人が揃っていた。
「俺ら、ラッキーじゃん。仲間同士で一緒になったよ」
香取の言葉に草薙剛も同調する。゙
「だよな。木村くんが一緒にいてくれると心強いよ」
「でも俺、吾郎ちゃんは待っていると思ってた」
香取の意外そうな言葉に木村は顔をしかめた。
「お前ら、さっき聞こえた植草くんと吾郎の声忘れたのかよ」
そう、彼らの足元には物言わぬ植草の亡骸があった。
「でも、これ吾郎ちゃんが殺ったっていう証拠はないじゃん」
「じゃあ何で、吾郎はここにいないんだよっ! あいつに1人で外に出ていく度胸があると思うか?」
さっき、自分も何でここに稲垣がいないのか不思議に思った香取が口を開く。
「なら、吾郎ちゃんを探そうよ。本人に聞いてみればいいじゃん」
「ちょっと、慎吾。もし・・もしもの話だけど、本当に吾郎ちゃんが殺ったんだったらどうするの?」
「そんな事、確かめてからでいいよ・・・」
草薙の指摘に香取の声は不貞腐れたようになる。
「とりあえず、ここから出ようぜ。次の奴が来る」
木村が歩き出しながら地図を出す。
「この校舎の横にある丘でこれから先どうするか考えよう」
木村の言葉に香取と草薙に依存は無く、彼ら3人はひとまず丘へと向かった。
木村、香取、草薙は丘に陣取った。下には校舎が見える。
「そういや俺、リュックの中身見てねぇや」
のんびりと言いながら香取が自分のリュックの中を探る。
「ん〜、水と・・なんだよ、ほんとに非常食じゃん。カロリーメイトだって、これだけじゃ足りないよ」
ブツブツと文句を言う香取に、何気なく草薙が「慎吾、武器なんだった?」と聞く。
のどかな雰囲気だった3人に一瞬緊張が走る。
「え?・・・武器? あぁ・・・見てみる」
さっきよりも緊張した手つきで香取がリュックの中を探す。
「あった・・・でも、これは武器じゃないんじゃないか?」
情けない声を上げながら香取が取り出したのは、フライパンだった
「し・・慎吾、いくら食料が足りないからって調理道具って事はないだろうが・・・」
笑いをこらえながら草薙が香取をからかう。
「何だよ。そんなら、つよポンの武器は何だったんだよ」
そう言われて草薙は自分のリュックをガサガサと探る。
「あっ・・・」草薙は、自分に割り当てられた武器を見て思わず声を出す。
「どうしたんだよ、つよし」
木村が不審そうに草薙に訊く。
「どうせ、つよポンも鍋とかだったんじゃないの?」
香取が努めてのんきそうな声を出す。
「俺の武器・・・拳銃だよ」
草薙は、リュックからそれを取り出してコルトガバメントを木村と香取に見せた。
「ほんとだ。ってことはやっぱりキンキが言っていたことは嘘じゃなくて・・・」
途中まで言いかけて香取は言葉を飲み込む。何故か、これ以上言葉を続けてはいけないような気が
した。
木村も自分のリュックを探り「俺のは、メス。だな」と掌に手術用メスを5本乗せて香取と草薙に見せ
る。
「いいなぁ〜つよポンのカッコよくって・・・なんか、俺のが一番ちゃっちいじゃん」
悔しそうに香取が呟く。
「そう言うなよ慎吾、俺が守ってやるからさ」
得意そうな草薙に香取が「それ本物なの?」と疑わしそうに訊く。
「じゃあ、アレ撃ってみてよ」と香取に言われ「アレ?」と草薙は銃を構え狙いを定めた。
香取と草薙のやり取りを聞いていた木村は驚いた。
「お前ら、アレ撃つって・・・アレは」
木村が驚いたのも無理はない。草薙が狙っていたのは、校舎から出ようとしていた国分だった。
国分は、校舎のドアからキョロキョロと外を伺い、誰もいないと分かると用心深く外へと歩き出した。
「じゃあ、撃つよ」草薙は、誰にとも無くそう告げて銃を撃った。
国分は、「パーン」と乾いたような音を聞いたような気がしたかと思うと、いきなり右肩に衝撃と熱さを
感じた。
「えっ? 何?何・・・」
熱さはやがて痛みへと変わり、国分の腕から力が抜ける。
「いってぇ・・・なんだよこれ」
木村が止める間も無く草薙の撃った弾は、国分の右肩を掠って飛んでいった。
国分は、急に襲った痛みよりも、自分が狙われたという事実に驚いて立ちすくむ。
左手で右肩を押さえたまま、呆然としたように動かない国分に向けて草薙が再び銃を構えた。
「わりぃ慎吾、外した。今度はちゃんと当てるよ」
「えっ?」という顔の香取をよそに草薙は慎重に狙いを定める。
「おいっ! つよし、もういいだろ。止めろよ」
今度こそ止めようと、木村は銃を構える草薙の腕に手を掛ける。
「ちょっと、木村くん。邪魔しないでよ」
木村のその腕を跳ね除けようと、草薙が体をよじる。
その弾みで、草薙の銃から2発目の弾が発射された。
弾は狙いを大きく外れ、空へと消えた。
再び銃の音を聞いて、国分は辺りを用心深く見渡す。
どうやら、自分を狙った相手は校舎の近くの丘にいるようだった。
「ちっきしょ―っ! 誰だ!」
毒づきながら自分のリュックから、ダイナマイトを取り出すと丘へ近づく。
少し登ると何人かの声が聞こえてきた。
「木村くんっ! 危ないじゃん。急に触らないでよ」
「危ないじゃねぇだろっ! お前のやろうとしてた事は人殺しだぞ」
草薙が自分を止めた木村に食って掛かる。
「何言ってんの。これはそういうゲームなのっ。キンキの話忘れたの?」
「忘れちゃいねぇけどさ・・・」
「なら、黙っててくれる?」
いつの間にかこの3人の主導権を握っているのは草薙になっていた。
「何だよ、SMAPの3人が俺を狙ったのかよ・・・」
自分を見つければ躊躇いもなく発砲してきそうな草薙の様子に国分は驚く。
―――草薙くん。いつもと違う・・・なら、いいか。
自分の知っている草薙でないならば、何も躊躇う必要はない。木村や香取には悪いけれど、草薙を止
められなかった責任を取ってもらおう。と国分はマッチを「シュッ」と擦り、ダイナマイトに火を点けた。
ちゃんと点火出来たのを確認すると、未だに言い争っている3人の方へと放り投げた。
睨み合う様に立っている木村と草薙を止めようと香取が割って入る。
「もう、2人ともこんな所で仲間割れしないでよ。つよポンも、それが本物って分かったんだからいいじゃ
ん」
「だけど慎吾・・・。大体、お前が余計な事をつよしに言うから・・・」
今度は香取に向かって文句を言い始めた木村に草薙が「じゃあ、木村くんとはここから別行動にす
る?」と訊いた。
「木村くんみたいに奇麗事言っているようじゃ、この先どこかで殺られるのは分かりきってるもん。俺は
まだ死にたくないからね」
「つよポン・・・」
香取が草薙に何か言いかけた時、ソレは3人の側に飛んできた。
「えっ?・・・」
ジリジリと導火線が短くなっていく様子をただ黙ったまま見つめる3人。
そして・・・ドッカ―――ンという爆発音とともに3人は吹き飛ばされた。
「ふんっ。これでお相子だからな・・・」
爆風に吹き飛ばされないように地面に伏せたままで国分は呟いた。
見習いさん乙です。
須磨メンには悪いがキレる中堅カコイイ!!
見習いさん、乙彼様ー。
須磨兄さんが三人も組むなんて強いなぁ、と思ってたら、早くも仲間割れ?、
と思ってたら吹き飛んだ(藁
結構以外な人がやる気でビクーリです。
見習いさんの言うビビリは、自分の思ってるビビリと同じかな?と楽しみにしております。
>102,103
励まされると嬉すいです。
自分、単純なので嬉しくてガシガシ続きを書いてます(藁
そっかー、中堅カッコイイかぁ…(ウヒヒ
ダイナマイトの爆風は校舎まで届き、窓ガラスが振動でガタガタと震えた。
「何? 外で何が起きてるんだ?」
明らかに自然現象とは違う振動に驚いた誰かが声を出す。
丁度教室から出ようとしていた桜井は、はっとしたように振り返り窓の外を見た。
―――結局みんな、自分が助かりたい為に平気で仲間を殺すんだな・・・
桜井は、悲しげに外を眺めて廊下へ出る。
「相葉ちゃんと大野くんは無事かな・・・まさか今のに巻き込まれてないよな」
祈るような気持ちを抱いて桜井は校舎を出た。
「やっと、重苦しい空気の教室から開放されたかと思ったらこれかよ・・・」
桜井が文句を言いたくなるのも無理はない、見上げた校舎横の丘には爆風の後と思われる土ぼこり
が舞っていた。
桜井は、重いリュックを背負い直し、重い気持ちを胸に、丘とは反対方向の集落のある方へと歩き出
した。
「あの3人の事より、とりあえず怪我の手当ての方が先だよな」
国分は、爆風が収まり始めた頃、肩の手当てをする為に診療所へ向かおうと肩を庇いながら移動を
始めた。
診療所は校舎を挟んで丘と反対側に位置するために、国分は再び校舎の側に戻ることになる。
すると、そこで校舎の出入口のドアから顔を出した城島と出会った。
「あっ! リーダー」
「なんや太一、エライ怪我しとるやん。どないしたんそれ?」
同じグループの仲間に会ったという安心感から国分はSMAPの3人の話を始める。
「えぇ―!? 草薙くんがか? 意外やなぁ・・・」
「もう俺、驚くし、痛いし、腹が立つし・・・」
国分の土埃にまみれ肩から出血した姿を見て、城島はふと疑問を口にする。
「なぁ、太一。さっき、教室に凄い振動があったんや。外で何があったか知っとるか?」
城島の質問に国分はバツの悪そうな顔をする。
「あ〜・・・あれね・・・俺のダイナマイトをちょっと・・・」
思っても見なかった答えに驚く城島。
「太一! お前がダイナマイトを投げたのかよっ!!」
背後から、凄い形相で怒鳴ってきたのは中居だった。
「な・・中居くん・・・」
「ちょっ・・ちょっと落ち着いて太一の話も聞いてやってな」
「太一っ! なんて事すんだよ。危ねぇな・・・」
3人が一斉に話し始めた為、誰が何を言っているのか分からなかったが、中居が怒っている理由は、
国分が木村たちにダイナマイトを投げた事ではなくて、ただ校舎の側で投げるなんて危ないという理
由だった。
―――なんだ、中居くん。肝心な部分は聞こえてなかったんじゃん。
安心して国分は中居に謝る。
「ごめん。だってさ、僕だって銃で撃たれたんだよ。必死になるよ・・・」
太一に傷口を見せられ中居は「ウッ・・・」となる。
「ひでぇ〜・・・誰だよ。光一たちに乗せられてんのは・・・許せねぇな」
国分を狙ったのが自分の仲間の草薙だと知ったら中居はどうするのだろう?
とりあえず、この事は黙っていようと国分と城島は思った。
「んで? 太一はどうすんの?」
「一応手当てしとこうと思って、診療所へ行こうかなって・・・」
「ふ〜ん。俺、ついてってやるよ」
「えっ? いいよ、リーダーが付いてってくれるから・・・」
事の成り行きを見ていた城島は、国分の言葉に慌てて頷く。
「いいじゃんよ。俺だって、お前とは野球仲間じゃねぇか。心配だから付いてってやるよ」
思わぬ成り行きで、3人揃って診療所へ向かう羽目になった。
見習いさん乙です!
ガシガシ書いてますねぇ。
須磨三人がタッグを組んだはいいけど、ダイナマイト投げ込まれた後の状況はどうなんだろ?
診療所へ向かう三人の意外な組み合わせも新鮮でイイ!
でも何かありそうでコワヒ(ニガワラ
面白い。
間違った。
須磨はまだ殺すなよ〜。藁
悪人草薙イイ
見習いさん、おもしろいっす!
時期ネタとか入ってて、いいね。
滝&つが絡むとドロドロしそうでおもしろいっす。
楽しみにしてるね〜
因果応報・・・この言葉を思い知らされていました。
というわけで、お久しぶりですがガシガシ書いていたストックを出しまつ。
>108
するどいでつ・・・(ウヒヒ
>110
いやいや、須磨も5人いるしそのうち誰かが・・・
草薙イイでつか!!(ヘヘ
>111
おもしろい。という言葉に弱い自分・・・頑張りまつ!!
最近、須磨兄さんが主なので今回は他のメンツの旅立ちの様子を・・・
なるべく全員平等に書いていきたいので、ノロノロしそうですがヨロシクでつ。
教室内では長瀬が光一と対峙していた。
「光一・・・俺は・・」
自分が親友だと思っていた光一の、裏切りとでもいえる態度に言葉が出ない。
「なんや? 長瀬。最後に言うときたいことあったら聞いたるわ。言ってみ」
挑発するような光一の言葉に、長瀬は怒りを通り越して哀しみを感じる。
「お前・・・なんで、そこまでするんだ? 社長に言われたからって何でそこまで出来るんだよ・・・」
「お前には、俺の気持ちなんて分からへんよ・・・」
「どういうことだよ、それ?」
「別に・・・」
もう話すことは無いとばかりに光一は、長瀬にリュックを受け取れとツヨシの方へ顔を向けた。
「ツヨシっ! お前たちどうしちまったんだよっ!」
長瀬の矛先がツヨシに向いた。
「長ちゃん・・・」
泣きそうな表情のツヨシをそれ以上責めることも出来ず、長瀬はリュックをツヨシから受け取ると壊し
そうな勢いでドアを開け、足音荒く教室を出て行った。
光一は、それを今まで見送ってきた14名とは違う表情で見送ると、ため息を吐き天井を見上げた。
長瀬を見送ってからずっと天井の一点を見据えたままの光一を、教室内に残された9人は不思議な気
持ちで見ていた。
そしてしばらくして後、視線を室内に戻し長野を呼ぶ光一の声は、既にさっきまでのそれに戻ってい
た。
立ち上がった長野は、残り少なくなった仲間を見渡し森田と三宅の上で視線を止める。
「ゴウ、健・・・じゃあね」
まるでいつも別れる時と変わらないような挨拶をしてくる長野に、
森田と三宅も「うん。じゃあ・・・」「長野くん、気をつけてね」と、つられるように返事を返す。
「で、光一・・・坂本くんの事なんだけど」
光一の前に立ち、世間話でもするように長野は話し掛ける。
「坂本くん?」
「うん、そう。さっき、坂本くんの生死は不明だって言ってたけれど、それ嘘だよね?」
断言する長野の口調に光一は訝しがる。
「どうしてそう思うんですか?」
「なんとなくね」
「今さら、坂本くんの安否を聞いてどうするんです?」
「別に。最後くらいリーダーがどうなってるか聞いてもいいんじゃない?」
―――今まで一緒にやってきた大事な仲間なんだし・・・
命の保証はされているとはいえ、東京にひとり残されている仲間を心配する長野の気持ちを汲んでか
光一は、初めて坂本の情報を与える。
「例外がひとつあるって言いましたよね? あれは坂本くんの事で、つまり・・・生きてます」
「そう・・・良かった。それともう一つ。坂本くんは、今のこの俺達の状況を知らないんだよね?」
「ジャニーさんが伝えてなければ・・・ですけれどね」
両手を広げて光一は答える。
「それ聞いて安心したよ。じゃあ、帰ったら坂本くんによろしく言っといて。一緒にV6組めて良かった、
楽しかった。って・・・」
そう、光一に告げて長野はリュックを背負い教室を後にした。
長瀬が外に出ると、見覚えのある後ろ姿が遠くに見えた。
「あれは、太一くんと・・・リーダーかな?」
後ろから声を掛ければ、彼らはきっと立ち止まって自分を待ってくれるだろう。
でも、自分の気持ちの整理を先に付けたい長瀬は、彼らを呼び止めず違う方向へと歩き出した。
長瀬が、自分達を後ろから見ていることも知らずに、城島、国分、中居は診療所へ向かいながら
雑談をしていた。
「でもよ〜。光一たちもヒデェよな、いくらジャニーさんに言われたからって俺達に『殺し合いをして
くれ』はねぇだろ」
国分は、ブツブツと文句をたれる中居を苦笑いしながら見る。
「まぁまぁ、今そんな事言ったってヤル気の奴がいる以上、俺達も気をつけないと・・・」
本当は、あんたの仲間が俺を撃ったんだよ。って言ってやりたいが、ダイナマイトの件を中居に知ら
れるとヤバそうなので黙っている。
「そうやなぁ〜、気ぃつけんとあかんなぁ・・・」
本当に気をつけるつもりがあるのか? と突っ込みたくなるようなのんびりとした感じで城島が呟く。
「なんか、リーダーが一番危ない・・・」
国分の意見に頷く中居だった。
長野は、廊下を歩きながらリュックの中を覗き込み、地図を取り出す。
「外、危なそうだもんなぁ〜。ここ出る前に、どこに向かうか決めとこうっと」
そう呟きながら地図に目を落として歩いていると、視界に見覚えのある姿が入ってきた。
「植草さん・・・」
長野は、掛ける言葉を見つけられないまま、横たわる植草の傍らに屈み込んだ。
植草の開いたままだった眼を閉じさせ、手を腹の上で組ませる。
「植草さん・・・今までお世話になりました」
頭をひとつ下げ、長野は立ち上がり再び廊下を歩き出した。
さっきから長野の背中に何か硬いものが当たる感触がしていた。
「何だ? このゴロゴロした硬いの・・・」
その固い感触の物を確かめるのは、一先ず後回しにして再び地図を眺める。
「う〜ん・・・展望台にでも上って、この島の全景をみてみようかな」
よしっ、決めたっ! と長野は、地図をリュックにしまい込み、先ほど気になった”硬いもの”を探し始
めた。
リュックの中に入っていたのは、水・非常食・・・手榴弾だった。
「何だよ。これを俺に使えっていうんだ・・・」
―――こんなもん投げられたら死ぬよなぁ・・・
こんな、TVや映画の世界でしか見たことのないモノを、俺は仲間へ投げられるのだろうか?
仲間へ投げる事になるのだろうか・・・
長野には、自分の掌に乗る小さな物体がとても大きく重く思えた。
「まっ、とりあえず・・・北へ行くか」
長文書いてる気違いウザイ
見習いさん、ガンガレ!
アホは無視で
完結目指して
「まっ、とりあえず・・・北へ行くか」
それから?、それから?
バサバサ・・・新聞読んでいました(藁
>119−121
ありがと〜。がんがるよ!!
>122
それから・・・う〜む、ナイショ(藁
あと少しで旅立ち編(?)終了になりまつ。
結構長かった・・・
錦織は、あっさりとツヨシからリュックを受け取ると校舎の外に出た。
外に出る途中で植草の亡骸と対面し手を合わせてきたが、これから先、自分が外で死ぬ事になって
も手を合わせてくれる人間はいるのだろうか・・・と、ふと疑問に思い、植草をほんの少し羨ましく思
った。
「だってなぁ〜、生き残りは1人だもんなぁ・・・結構シビアだぜ」
掌の機械を見つめながら錦織の独り言は続く。
「しかも、俺の武器ってこれかよ・・・これで、どうしろっていうんだよ」
ピッ。スイッチを押すと、フィールドが現れ、緑の点が散らばっているのが分かる。
「ん? これって、俺達の居場所を知らせてくれるのか?」
自分の居る場所は中央に位置されている。そして、そのすぐ近くに3つの点が固まっていた。
「これは、3人一緒にいるって事だな・・・」
こんな非常事態でも一緒に行動している3人に興味が湧いた。
「よし、どんな奴らがつるんでいるのか、こっそり見に行くか・・・」
錦織は、3つの点が固まっている地点へと歩き出した。
「あ〜あ、これがいつもの生活だったらなぁ・・・」
二宮は、金属バットで1回素振りをしてため息をついた。
しかし、どんなに嘆いても、自分の手元には教室を出るときに持たされたリュックと、その中から取り出
した――どうやって収まっていたのか謎だが――金属バットが現実を語る。
「昔、金属バットで殺人事件ってあったけど、これの本当の使い道は、野球だっつーの」
このバットを持って外に出ても、外で待っているのは野球場や野球をするメンバーじゃなくて、お互い
を殺しあう殺伐とした世界。
「はぁ・・・空の青さが憎らしいよ」
校舎の外に出て、空を仰いだ二宮は再びため息をついた。
「野球してーな・・・」
今、この島にいるメンバーなら、きっと楽しく野球が出来るはずなのに。
「あ〜、でも坂本くんがいないんだった・・・」
空を仰ぎ見ていた顔をガクッと下へ向ける。
坂本も野球をする上では欠かせないメンバーだった。
「俺達、ほんとどうなっちゃうんだろう・・・」
二宮は三度目のため息をついて、バットを肩に担ぎ歩き出した。
「光一、俺はさっきお前に゛何を得るんだ?゛って訊いたな?」
東山からの問いかけを光一は黙って聞いている。
「しかし、さっきからのお前の言動を見ていて質問を変える゛お前はどうしたいんだ?゛とな」
「『どうしたい?』って訊かれても、別に何もありませんよ。ジャニーさんに言われた通りにしているだけ
ですが?」
「それだけじゃないだろ?」
「それ程まで言うのなら、戻って来てもう一度僕に訊いたらどうですか?」
光一の答えは、東山をこのゲームへと誘うものだった・・・
「光一っ。てめぇ、余計なことを言うなよっ! 東山さん! あいつの話なんか聞いちゃ駄目だ!」
松岡は光一を咎め、東山がこのゲームに参加しないことを祈る。
「ふっ・・・」僅かに東山は笑い、リュックを受け取ると教室を静かに出て行った。
その様子は、誰の目にも東山が光一の誘いに乗ったように映った。
「東山さんは、ヤル気になったみたいですね・・・」
光一が、残り5人に告げた。
わ〜い、続きだ! 見習いさん、待ってたよ!。
>127
アリガd。その言葉嬉すい〜!
さて、ようやく今回ビビリ王登場(藁
でも残りメンツから考えるとアノ人しかいないわな・・・
「松岡くん、大変お待たせ致しました。こちらへどうぞ・・・」
光一に慇懃無礼に呼ばれて、松岡は前へ進み出る。
「松岡っ、早まった事するなよ」
山口に声を掛けられ、松岡はそれに「おうっ」と手を挙げて答え、チラリと光一を一瞥しツヨシに手を差
し出す。
いきなり手を出されたツヨシは「えっ?」という顔で松岡を見た。
「リュックだよ・・・ツヨシ。早くくんない?」
ハッとした顔でツヨシはリュックを掴み、松岡と目を合わせないように俯きながら差し出した。
松岡は「どうも・・・」と言いながら、ツヨシの顔を下から覗き込み受け取る。
松岡にじっと覗き込まれたツヨシは、顎を引きながら顔をそらす。
「なんだよ。最後くらい顔見せてくれたっていいんじゃないの?」
「松岡くん。早く行ってください」
光一に咎められ、「はいはい、わかりましたよ」と言いながら、松岡は教室を後にした。
―――あぁ・・・もうヤダ。光一くんは東山さんを煽るし、松岡くんは光一くんに挑戦的だし・・・
松本は、この2人のすぐ後に出て行かなくてはいけない自分の名前を恨んだ。
東山さんか、松岡くんが校舎の外で待ってたらどうしよう・・・
「松本、取りに来て・・・」
光一に呼ばれ、絶望的な気持ちで松本は立ち上がる。
フラフラとした足取りで進む松本を、「しっかり歩けよ」と山口が励ます。
それに力なく「ははは・・・」と笑い返し前に出る。
先程の松岡とのやり取りで、項垂れてしまったツヨシに代わりに光一が松本にリュックを手渡す。
松本は、それを受け取ると教室から出て行った。
松本は、出入口のドアを出たらすぐ走り出そうと決め、リュックを背負い直し靴紐を結び直した。
ドアにつくと大きく1回深呼吸し、タイミングを計って開け、周囲を見渡す余裕もなく一目散に駆け出し
て行った。
「なんかさぁ、注射の順番を待っているみたいだよね」
三宅は隣にいる森田に小声で話し掛けた。
「ばっか、注射の方が良いに決まってんじゃん」
森田に憮然とした表情で返され、「そうだけどさぁ・・・」と三宅の声が小さくなる。
「それよりどーすんだよ、次じゃねぇの?」
「あぁ〜そうだ・・・。ゴウ、俺外で待ってるからね・・・」
情けない声で言いながら三宅は森田の腕を掴んだ。
「しょうがねぇなぁ〜。お前ちゃんと待ってろよ」
ホッとした様に森田が返事をした時、三宅が呼ばれた。
「じゃあね、ゴウ。早く来てね」
そう言い残し、三宅はリュックを背負って教室を後にした。
「お前たち仲良いよな」
三宅と森田のやり取りを聞いていた山口は、森田に話し掛けた。
「あ〜・・・うん。健とはジュニアの頃から一緒だし、V6になってからも頑張ってきた仲間だから」
「でも、1人しか残れないって光一は言ったよな。どうすんだ?」
その言葉に考え込む森田を見て、「俺も、本当はどうしたらいいか分からないんだよな」と山口も難し
い顔をして見せた。
「悪ぃ・・・変な事言っちまって」と山口が森田に謝る。
森田はそれに何も返さず、光一からリュックを受け取り出て行った。
廊下を歩きながら、森田は先程の山口の言葉を考え続ける。
「どうするって言われたって、分かる訳ねぇよ・・・余計な事言いやがって」
不貞腐れたように、靴をキュッキュッと鳴らしながら歩いていくと、廊下の端に寝かされている植草が
見えてきた。
「うっわ―っ・・・・」
チラッと一瞬だけそれに目を向けて、廊下の反対側の壁に張り付くようにして慌てて通り過ぎる。
「クソッ。見ちゃったよぅ・・・何であんなとこに・・・誰か見えないところに置いてくれれば良いのにさ・・・」
怖さを紛らわすように1人でしゃべり続けながら、競歩のように必死に足を動かす。
走って行けばいいのだけれど、そんな事をしたら植草が今にも起き上がって追いかけてきそうな気が
した。いや、「絶対に追いかけてくる」森田はそう思っていた。
外に出れば、三宅が待っているはずだ・・・それだけを考えながら足早に出口を目指す。
ドアに手を掛け、ホッと一息つくと勢いよく開け足を踏み出す。
「えっ?」
―――外に出た途端、森田のわき腹に銃口が押し当てられた。
うを!
こんなところで続きっすか・゚・(ノД`)・゚・
大人しく待ってます。
近畿2人のハイネックの下が気になって仕方ない今日この頃。
番長、紺やってますがこちらでは危機に晒されてますね(藁
やはりビビリ王で嬉しいです。
確かに走ったら、「絶対に追いかけてくる」と思ってるようなヤシですから(藁
ところで、ひとつだけいいですか?
番長は副将に敬語を使うと思うのですが…そこだけ気になりました。すみません。
続きを楽しみにしてます。
すっごい気になる所で終わってる。
見習いさん、続きドキドキしながら待ってます!
ようやく今回で旅立ち編終了〜。
さて皆フィールドへ出るわけですが・・・
丁寧に書こうとするとなかなか進まない・・・まぁ許してくださいな。
>133
やっぱり??ドキドキ・・・(藁
>134
やはりバンチョはビビリ王でよい?(ウヒヒ
副将に対してタメ口なのは、
怖気づいてるバンチョはきっと敬語を使うなんて気が回らないのでは?
と思ったからなのですが・・・(それじゃ駄目? 変かな?
>135
今からうぷするからねん?
>135さんへのレスに"?"が付いてる・・・(アレッ?
深い意味はないでつよ―――!!
「へへっ、ゴウ。ビックリした?」
笑いながら三宅が森田に押し当てていた銃を見せる。
森田は、ドッと出た冷や汗を隠して三宅を怒鳴る。
「ばっ・・・、馬鹿な事やってんじゃねぇよ! 危ねぇじゃねぇか」
ふふん。と笑いながら三宅は、安堵の表情を見せる森田に「よく見てよ」と持っていた銃を見せる。
「なにこれ? モデルガン?」
少し冷静に戻ってきた森田が言うと、三宅はいきなり引金を引いた。
―――「ピュッ」と飛び出してきたのは、水。
「あははは・・・ゴウってば、そんなにビックリしたの? 水鉄砲だよこれ」
よく見てみるとそれは、外見だけは本物そっくりに作られた偽物だった。
「ば〜か、健。水遊びしてる場合じゃねぇよ。植草さん見ただろ?」
森田は声を潜めて三宅へ告げる。
「見たけどさ・・・だって、俺のリュックに入ってたのコレなんだもん。しょうがないじゃん」
「嘘だろ? コレのどこが武器なんだよ・・・」
嘘じゃないよっ、ホラッ。と三宅は、自分のリュックの中を森田へ見せる。
「地図でしょ、コンパスに非常食、懐中電灯・・・新品の水が2本。ほらぁ、他に武器なんてないじゃん」
「マジかよ・・・ハズレじゃんそれ」
「ゴウのは? 見せてよ」
三宅にせがまれ森田も自分のリュックを開ける。
出てきたのは、三宅と同じ地図などの標準装備と、ボーガン。
「ぅお〜。俺のは武器だ・・・」
森田が歓声を上げる。三宅も一緒に覗き込みながら喜ぶ。
「良かったねゴウ。ちゃんとした武器で」
「でも俺、使ったこと無い・・かも」
森田は三宅と顔を見合わせて、バツが悪そうに言った。
「はぁ〜・・・まぁいいよ。早く移動しようよ。ここ怖そうだしさ」
森田と三宅は、それぞれ武器を手にリュックを背負い直して歩き出した。
「最後は・・・山口くんですね。お待たせしました」
光一に呼ばれ、ひとり残っていた山口はリュックを受け取る為に立ち上がる。
「ほんと、待ちくたびれたぜ・・・」
「残り物には福があるってことで・・・どうぞ」
光一にリュックを渡された山口は、やけに重いそれを受け取りながら口を開く。
「本当に1人しか生き残れないのか?」
「それは・・・最初にお話した通りです」
「そっか・・・・・・じゃ、仕方ねぇか」
それだけ言うと山口は、ドアの方へと向かった。
ツヨシは、自分の前を通り過ぎる山口を、頭を深く下げて見送る。
光一は、山口がドアから出る瞬間「山口くん・・・」と一言だけ小さな声で名前を呼んだ。
が、山口はそれに気づかぬまま出ていった。
「ツヨシ、俺らも隣に移るで」
光一は、空っぽになった台車を見つめるツヨシに声を掛けた。
「あぁ・・・うん」
そう言いながらツヨシは、滝沢だったモノへ恐る恐る視線を向ける。
「なぁ、滝沢はどうするんや?」
「とりあえず、ここに置いておくより仕方ないやろ」
そう言って、教卓に置いていたクリアファイルを持ち、もう片手で下に置いていたアタッシュケースを
掴み、来た時と同じスタイルでドアへと向かう。
「ツヨシ、早よ来いや・・・」
言い置いて光一は教室から出ていった。
「ごめんな、滝沢」
残されたツヨシは、滝沢の亡骸に声を掛け、光一の後を追うように教室を出た。
―――静かになった教室には、滝沢だったモノが1つだけ残された。
光一は隣の教室へ入ると、窓側の机へ近づき、持っていたアタッシュケースを置いて中を開けた。
その中に入っていたノートパソコンのスイッチを入れると、それぞれの首輪から発信した信号がキャッ
チされてフィールド上に表示されていた。これで、全員の位置関係を把握出来るのだった。
さらに、机の上にあった布を取り去る。布の下からは、放送機器が現れた。
マイクを取り上げ、スイッチを入れる。
「あーあー・・・。えっと、皆さん、大体無事に校舎から出られた様ですね。せっかく外に出たのですか
ら、戻ってこられないように校舎周辺は立ち入り禁止にします。つまり、地図のG-07の部分です。それ
と、死亡者のお知らせです。滝沢秀明・植草克秀の2名です。次の定時放送は正午になりますので、
それまで頑張って下さい。」
光一がマイクのスイッチを切ると、ツヨシが窓の方に近寄ってきた。
「なぁ光一。俺らこれで良かったんかなぁ・・・」
窓から外を眺めながらツヨシは光一に訊いた。
「もう、止められへんよツヨシ。滝沢が死んだ時点で、完全に戻れなくなってしまったんや」
光一は、モニターを見つめながら苦しげに呟いた。
今回からフィールドに出て行った23人のお話です。
・・・が、ガシャガシャ書いていてもなんだかちっとも進行しない(藁
このままだと何話になるのやら(ふぅ〜
手元にある話はすでに60話過ぎてるし・・・(鬱
「ねぇ・・・ここら辺・・マズイんじゃ・・・ないの?」
苦しげな息の下で香取は呟く。
木村・香取・草薙は、国分のダイナマイトに吹き飛ばされ地面に転がっていた。
香取は、一緒に飛んできた岩に胸を強打され口から血を流している。
「・・・うっ・・うう・・・・・」
木村は思うように声を出せないでいた。胸から下は岩の下敷きにされ身動きがとれない上に、左腕が
折れて変な方向へ曲がってしまっていたのだった。
「校舎周辺が立ち入り禁止って言ってたな・・・この辺は校舎の側になるんだったよなぁ・・・」
仰向けに大の字に転がって草薙は「ギリギリの場所かも・・・」と、香取に応えた。
草薙はこの3人の中では比較的軽傷で、右足膝下に傷――それでも骨にひびが入ってはいたが――
を負っているだけだった。
「俺は、何とか移動できそうだけど・・・慎吾はどう?」
起き上がりながら草薙が香取に声を掛ける。
「お・・俺は・・な・・んか、肋・・骨やられたみたい・・・」
苦しげな声で返してくる香取に、草薙は「俺につかまれば何とか歩けるだろ?」と、一緒に吹き飛んで
しまった自分の銃を探しながら近寄る。
「木・・村・・くんは? どう?」
木村を心配する香取に訊かれ、草薙は木の根元に落ちていた銃を拾いながら木村の方を見遣る。
「あ〜。木村くんは・・・駄目だね。岩に潰されちゃってるよ」
チラリと木村を見て、草薙はあっさりと言い捨てた。
「つ・・潰さ・れ・・てる・・?」
「慎吾。苦しいんだったら、黙ってろよ。木村くんはまだ生きてるけど、あれじゃあ動けないな」
香取の肩を支えて立ち上がらせながら、草薙は木村の様子を教える。
「じゃ・・あ、木・村くん・・は・・・どう・・する・・・の?」
「どうしようもないね。俺1人で、あの岩はどかせないよ」
香取も胸を強打したせいで普段の力が出せない。とてもじゃないが、木村を潰している岩を取り除いて
助け出す事は不可能だった。
「で・・も、助・・けな・・・いと・・・」
「だから無理だって・・・俺だって怪我してるんだぜ。無理だよ」
香取の言葉に草薙は少し苛立っていた。
「わかったよ。俺は、岩は動かせないけど、木村くんを楽にしてあげる事なら出来るよ・・・」
そう言いながら香取を下へ降ろし、銃口を木村に向けた。
香取が、下へ降ろされた衝撃に顔を歪めている眼の前で、草薙は木村へ向けて発砲した。
至近距離で放たれた草薙の銃弾は、国分を狙ったときとは違い木村の額を正確に打ち抜いていた。
【木村拓哉 死亡:残り22名】
「これでいいだろ? もう木村くんの心配をする事もないよ」
銃を下ろして何でもないことのように草薙は言う。
「何? 何で・・・もう・・木村くん・・・の・・心配を・・・しなくて・・いいの?」
香取は、自分の目の前で起きた出来事を認める事が出来ずに問う。
草薙はそれに返事をせず、足を少し引きずるようにしながら無言で自分と香取のリュックを探し始め
た。
「つ・・よポ・・ン・・・」
焦れた香取が再び声を掛けるが、少し離れたところまでリュックを探しに行っている草薙へは届かな
かった。
「結構遠くに飛んでいってた・・・」
やがて草薙が、薄汚れてボロボロになったリュックを手に戻ってきた。
2つとも自分の肩に掛け、反対側の肩で香取を支えようと手を伸ばす。
香取は、その手を払いのけながら「教え・・て・・・よ」と苦しい息の下で訊く。
「だから・・・。木村くんは、死んだの。もう、一緒に、連れて行く、必要も、無いの。分かった?」
草薙は、一言一言区切って言い聞かせながら、再度香取を立ち上がらせようとする。
草薙の台詞に衝撃を受けた香取は、人形のように草薙に促されるままに立ち上がり、肩を支えられて
歩き出す。
「木・・村・・くん・・が・・・死ん・・・だ?」
「あぁ、もう苦しむ事もないよ。静かに寝ている・・・」
「そう・・・もう・・苦・・・しく・・ないん・・だ・・・」
先程から、急激に身体を動かしているせいか、香取の口からゴボッと言う音とともに大量の血が溢れ
出した。
「慎吾。とりあえず落ち着ける場所を探すから・・・それまでもう黙ってろよ」
吐血にむせ返る香取を支えながら、草薙は移動を始めた。
見習いさん すげー!!
草薙ってどの番組でも「いいひと」とか、「へタレ」って
感じだが、この草薙は悪でなんかカッコいいな。
ちょっと萌え。(*´Д`*)ハァハァ
あっさりと木村を殺す感じが(・∀・)イイ !
これからも期待してるよ〜>悪草薙
最近、ココみつけたんだけど、スゴークイイ!!
おもしろすぎでつ
見習いさん。見習いさんじゃないってば!師匠だyo!
見習いさん最高っす面白いっす!
番組などではそんなイメージ見つけにくいだろうけど、
実は香取は結構気弱で草つは結構サバサバしてるんだよね。
これこれこうだよー!と興奮してしまいますた。
>146、148
草薙・・・(・∀・)イイ !すか? 嬉すい〜&heartS;
ヤツだけヤル気満々ですが・・・悩まずこの状況に溶け込んでるのはヤツだけか?(藁
>147
アリガd!でもね、まだまだ見習いでつよ。
フィールドへ出たメンツの葛藤編を今回から書いていこうかな?って思っております。
だってねぇ、いきなり気持ちって切り替えられるものじゃないと思うし・・・
そんな訳でしばらくはマターリと進んで行きまつ。
またもやヤッちまった・・・
ハートが出したかったのにな。草薙に撃たれてくるか脳(藁
草薙が香取と一緒に立ち去った後、「ふぅ〜・・・」と大きく息を吐き出して、錦織は額にうっすらと滲ん
でいた汗を拭った。
つい今しがた自身で目撃した出来事を未だ信じかねていた錦織は、木村が倒れていると思われる
岩の側へと近づく。
赤いものが染み出してきている岩の下には、下敷きになって苦悶の表情を浮かべたまま額に銃弾の
痕を残して息絶えた木村がいた。
「・・木村・・・」
木村の表情を見た錦織は、草薙が香取に言っていた言葉を思い出した。
―――もう苦しむ事もないよ。
草薙のした事は、この非常事態の中で最善の事だったのか? それとも、やはりただの人殺しなのだ
ろうか?
錦織は、誰かが植草にしてくれていたように木村の眼を閉じさせる。そして、少しだけ表情が和らいだ
感じになったように見える木村に、手をひとつ合わせて立ち上がった。
「さて・・・どうしようかな」
探知機を取り出してスイッチを入れる。自分の隣に赤い点が1つと、自分から離れていく緑の点が2
つ。これは草薙と香取だろう。他にはないかとよく見てみると、下のほうにも緑の点があった。
「じゃ、次はこいつのところだな。じゃあな、木村」
木村へ別れの言葉を掛け、錦織は立ち去った。
井ノ原と別れた後西の丘へ来ていた大野は、少し離れた場所で草薙が発砲するところを見ていた。
それからしばらくして、程近い場所で何かが爆発した。
草薙達の様に吹き飛ばされる事は免れたものの、爆風に巻き込まれて土埃だらけになった身体には
所々擦り傷が出来ていた。
その後大野は、再び銃声を聞いた。今度は、かなり近い場所からだった。
慌てて地面に伏せて息を殺していると、先程の爆風で飛ばされた時に見失った草薙の声が聞こえて
きた。
誰かと話しているようだが、相手の声は小さすぎて聞こえなかった。が、草薙の会話の切れ端から相
手が香取だと推測できた。
会話が止んだように思えた時、自分のすぐ近くまで足音が近づいてきた。
―――見つかりませんように・・・
大野の祈りが通じたのか、その足音は何かを見つけて引き返していった。
そしてその後、現れたのが錦織だった。
岩の側にしゃがみ込み何かした後、立ち上がって手元を覗き込むと去って行った。
しばらく静寂が続き、もう誰もいないと判断して大野は立ち上がる。
パンパンと身体の土埃を叩き、錦織がいた場所に興味を覚え近づく。
そして・・・木村の死体を発見した。
「うっわ〜。・・・稲垣くんといい、草薙くんといい・・・SMAPって怖ぇ・・・」
「ふぅ〜・・・」
大野は木村に手を合わせた後、少しの間周辺の様子を眺めていた。
「い〜天気だよなぁ・・・。あ〜あ、昼寝したい・・・」
空はどこまでも澄んで青く、木々は夏から秋へと移り変わるように色を変えている。
ただ、そののどかな景色に似合わないものが、大野の足元の木村の死体と、ダイナマイトによって生
じた周辺の瓦礫だった・・・
植草の最後を看取り、今また木村の死体を見つけてしまった大野が、現実逃避を考えても仕方がな
い程、立て続けに人の死をすぐ近くで見てきた。
俺だけ、こんな惨状ばっかり目撃するのもイヤだし・・・いつも犯人はSMAPだしさ。
「SMAPのいない所へ行きてぇ・・・」
そう呟いて立ち去ろうとした時、大野の眼が木村の側でキラリと光るものを捉えた。
岩陰で今まで気付かなかったが、どうやら手術などで使うメスのようだった。
「木村くんのかな?」
大野は、散らばっているメスを数本拾い上げてポケットへ入れ歩き出した。
「うっわ〜すげぇ・・・遠くまで見える。でも、周りって木ばっかじゃん。」
北へ向かった相葉は、途中に展望台を見つけ登っていた。
一番最初に教室を出されて嫌な気がしていたが、何処へ行くもの自分が最初だから危険は少ないと
、いつの間にか前向きに考え直していた。
「俺って、ネガティブ・・・ポジティブ・・・どっちだっけ? まぁくよくよしない方ってことで・・・」
どこかで翔くんに会ったら、どっちなのか聞いてみよう。
のんびりと手摺りに身体を預け、少し伸びてきた髪の毛を風に弄らせながら欠伸をひとつする。
しばらくしてから、陽のあたる暖かな場所に座り、リュックの中から地図を取りだして眺める。
「あぁ・・・途中にみかん畑があったんだ。みかん取ってくれば良かった・・・」
「ちぇ〜」っと言いながら指で地図を辿りながら、カロリーメイトを齧る。
みんな、今何処にいるんだろう? 会いたいなぁ・・・
毎日一緒にいるのが当たり前になっていた仲間と再会したい。いつものようにふざけあって無邪気に
過ごしたい。
ニノ、翔くん、大野くん、松潤・・・みんな何処にいるの? 怪我してない? 無事でいる?
そんなことを考えながら、いつしか相葉は睡魔に襲われていた。
見習いさん書くのやめたのかなー。さみすい脳
レスが多いから、マルチポスト扱いでアクセス制限なのかも?
(ようわからんが)
期待してるよん
おっと、うっかりしている間に1週間のご無沙汰です。
旅立ち編は割りとすんなりと書けたのに
フィールドに出てからのメンツは動かしにくい・・・
葛藤編ってカンジで思い悩むヤツ多数。
ってことで、今は葛藤編展開中(藁
155さんご安心を・・・がんがって続けるからね。
「おぉ・・・家発見。」
校舎を出てから適当に歩いていた岡田は集落を見つけた。
そのうちの一軒のドアを用心深く開ける・・・
「なんや、なんもあらへん・・・」
廃墟と言うほどでもないが、埃だらけの室内はもう何年も使われていない事を思わせる。
とりあえず、ダイニングの椅子に座りリュックの中身をテーブルに並べてみる。
地図を手にして現在位置の確認し、立ち入り禁止地区をチェックする。
「さっきの放送で、校舎周辺って言うてたな・・・」
放送していたのは光一だった。ツヨシは今何を考えているのだろうか?
最後に自分に何を言いたかったのだろうか?
・・・考えても人の心の中なんて分かるわけなかった。それにしても、ひとりは何となく心細い。
坂本くんは安全やけど、他のメンバーはどうしてるんかなぁ?
ゴウくんと健くんは絶対一緒やろうし・・・
教室内でふたりがちんまりと固まって座っていた姿を思い出し、苦笑が漏れる。
いのっちと長野くんは何処やろ?
幸運にも自分には銃が武器として与えられたけれど、他のメンバーもそうとは限らない。
胸騒ぎがしてきた岡田は、ペットボトルの水を飲んで喉を潤すと、テーブルに並べた中身を再びリュッ
クへ戻し、ベルトに挟んだベレッタを確認して外へ出た。
―――そんな岡田の姿を見つめる眼が建物の影にあった。
桜井は、集落の中の一軒から出てくる岡田を見つけ慌てて身を隠す。
いつもの自分だったら、先輩達の中で比較的年も近く、共演したことのある岡田になら気安く声も掛け
られるのだが、岡田のベルトに挟まれた銃の存在とこの状況下ではそれも躊躇われる。
やっぱりこういう時に頼れるのってメンバーなのかな?
疑う訳じゃないけれど、嵐のメンバー以外と接する自身は今の自分には無かった。
相葉ちゃん・・・大野くん・・・俺より先に出て今何処にいるんだよ。ニノも松潤も何処だよ・・・
「探しに行こっかな・・・」
もう岡田の姿も見えなくなった。地図を出して、自分の位置確認をする。
放送で伝えられた場所周辺は危険だし、なによりすぐ近くで爆風が起きたという事は、誰かと誰かが
殺し合いをしているという事・・・
「動かなきゃ何も始まらないな」
桜井も集落を後にした。
今の自分の状態じゃ、誰に会っても疑心暗鬼の気持ちは消えない。
ヤル気ってなんだ? どうすれば区別できるんだ? 俺は・・・どっちなんだ・・・
井ノ原は、どこからか聞こえてきた爆発音――誰かのヤル気――と、大野の言葉に囚われていた。
もやもやした気持ちを抱えながら歩き続ける井ノ原の目の前に建物が現れる。
「とりあえず、ちょっと休ませて貰おう」
もう色んな事がありすぎて疲れた・・・
入ってみたそこは、普通の家とは違っていた。
何此処? 待合室みたいなんだけど・・・で、あっちの部屋にはベッドが2つ?
「病院か? ここ・・・」
呟いて周りを見渡してみれば、薬品棚のような薄汚れた棚が壁に置いてある。
こういう薬ってよく判んねぇんだよな・・・
棚の中の瓶を手に取って眺めて戻すと、引き出しを開ける。
これは貰い、だよな〜。
絆創膏を見つけてポケットへ入れると、ベッドにゴロッと横になり、眼を閉じる。
え〜と・・・いつの間にかこの島にいて、滝沢が死んで、植草さんが死んで。坂本くんは生死不明・・・。
残りの俺達は殺し合いをさせられている・・・と、よく出来た話しだよなぁ・・・・・・嘘臭ぇ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな事を考えながらしばらくウトウトとしていた井ノ原の耳が、人の近づく気配を感じとる。
とっさに身を硬くしてベッドに起き上がった井ノ原は、ガチャっと診察室のドアが開く音を聞いた。
58話5行目に誤字ハケーン!!
>疑う訳じゃないけれど、嵐のメンバー以外と接する自身は今の自分には無かった。
『自身』って何だよっ。
『自信』の間違いでつ・・・鬱。
見習いさんお待ちしておりました。
葛藤編は同時進行で大変そうですが
楽しみにしてますのでがんがってくだちい。
誰が死んでも見習いさんの感性ひとつっすね。
きっと自担が死んでも、物語としておもしろいので多分オゲでしょう。
見習いさんがんがれ〜
ヲ、見習いさんも新作でつね。
みんな葛藤してまつね…。続きが楽しみでつ。
見習いさん やめてなかったんですね。
よかった。がんがってください。@155
みんな〜アリガd!
どいつもこいつも葛藤しておりますが、長い眼で見てやってくだされ。
でもね、書いてるほうは正直シンドイ(藁
まぁ、いきなり張り切ってしまうより
少し自分の心と向かい合って貰ったほうがいい鴨・・・
という訳で、今回へタレてしまうヤツが・・・(藁
「あれっ? 井ノ原じゃん。どうしたよ?」
緊張感の欠片もない声が井ノ原に掛けられる。
「・・・な・・中居くん・・?」
井ノ原の声に、待合室の方にいた国分と城島も顔を覗かせる。
「さ・・3人揃ってどうしたんですか?」
井ノ原の質問に、国分の肩を指差しながら「撃たれたから治療に来た」と中居が答える。
「誰にっ!?」
「誰に・・・って・・・」
勢い込んだ井ノ原に訊かれ、口ごもる国分。城島はハラハラとした表情で心配そうに国分を見てい
る。中居もそんな国分を不思議そうに見遣る。
「太一? どうした? お前、自分が誰にやられたのか知ってたのか?」
中居から顔を逸らした国分の行動が肯定を示していた。
「ま、ま・・とりあえず、太一の手当てを先にさせたってな」
城島が、井ノ原と中居の気を逸らすように国分の背中を押し、椅子に座らせる。
「あ・・ああ。そうだな・・」
そう城島へ返事をした中居は、かろうじて”オキシドール”と読める瓶を棚から取り出し、シャツを脱い
だ国分の右肩へジャブジャブと振りかける。
「ちょ・・ちょっと、中居くん。痛いよ・・・そっとやってよ」
「そんな事言ったって、こんな埃だらけの所じゃバイ菌入んべ? こうすれば入らねぇよ」
城島が国分のシャツの裾を切って肩に巻くと、中居の荒っぽい治療は終了した。
「で、太一。誰がお前を撃ったんだ?」
中居の言葉に気まずそうな顔をした国分は、Tシャツを被り、少し短くなった自分のシャツを羽織りなが
ら城島を見る。
「太一・・・もう言った方がええかもしれんよ」
「あのね・・・中居くん。驚かないで、落ち着いて聞いてね」
椅子に座ったまま、握り締めた両手を膝に擦り付けながら国分はようやく口を開く。
井ノ原は先ほどまでいたベッドの上に、中居と城島はそれぞれ椅子を持ってきて座っている。
「・・・・・・っ!!」
国分より告げられた事実は中居を絶句させた。
「ちょっと、太一くん。本当にあの3人なの? 見間違いじゃないの?」
井ノ原が中居の気持ちを推し量って、国分に確認をとる。
「残念だけど本当の事だよ、井ノ原。僕は3人が・・・草薙くんが銃を撃つところを見たんだ」
「撃ったのは草薙くんだったの?」
「僕の肩に当たった銃弾が飛んできた方向へ行ったらあの3人がいたんだ。間違いないだろ」
「ちょっと待て、太一。お前、俺と会った時ダイナマイト投げたって言ってたよな? じゃあ、あれは・・・」
「そうだよ。僕は、自分が殺られるかもしれないと思って・・・3人の方へ投げた」
その言葉を聞いた途端ガタガタッと激しい音を立て、中居が立ち上がり国分の胸倉を掴む。
「お前っ・・・・・・」
国分が中居を見上げる。
「じゃあ、中居くんだったらどうした? もしかして自分はSMAPの仲間だから大丈夫。なんて甘い事思
ってる? 言っとくけどアノ草薙くん、普通じゃなかったよっ!」
中居は、キッとした表情で自分を見上げる国分から容赦のない現実を突きつけられた。
国分を掴んでいた手から力が抜け、中居はその場に崩れ落ちる。
「だって・・・そしたら俺は・・・俺の仲間は・・・」
「残念やけど、草薙くんは・・・変わってしまったってことなんやろうね」
城島が、中居の肩に手を置いて声を掛ける。
「ねぇ、中居くん。仲間って何? 僕は・・・僕を心配して此処まで一緒に来てくれた中居くんの事、仲間
だと思ってるよ。TOKIOとかSMAPとかのグループだけが仲間じゃないでしょ? 最初に“俺達野球仲間だろ”って僕に言ってくれたの中居くんじゃん」
「それに、さっきの放送で死亡者の名前言うてたけど、草薙くんたちは入ってへんかったし・・・まだ生き
てんで、きっと・・・」
国分と城島の言葉に中居はようやく顔を上げる。
「・・・2人共ありがとう・・・。でも、つよしが人を殺そうとするなんて・・・」
「あの〜。中居くんには酷かもしれないですけど、稲垣くんもヤバそうなんですよね」
今まで黙って成り行きを見守っていた井ノ原が口を挟む。
「どういう事だ?それ」
「俺は最初の方に出たじゃないですか。そしたら・・・稲垣くんが植草さんを・・・・・って、大野が植草さん
を看取った時に聞いたそうです」
それから告げられた井ノ原の話は、現実に植草の死体を見てきた3人に衝撃を与えた。
「井ノ原・・・嘘だろ? 吾郎までそんな・・・」
「中居くん・・・。嘘じゃないですよ。俺は、稲垣くんから自分の武器だって斧も見せて貰ったし、その後
血だらけで歩いて行く稲垣くんも見ているんです・・・なにより、植草さんも言っていた事ですから・・・」
床に座り込んだまま呆然と呟く中居から眼を逸らしながら井ノ原は告げる。
「もうええよ。もう、仕方ないんや。この状況で、あの2人を責めることは出来きへんよ・・・」
「中居くん。少しここで休んでいたほうがいいよ。俺達も付いてるから安心していいよ」
城島と国分の労わりの言葉・・・・・・中居はこの2人に甘えて少し休むことにした。
「・・・じゃ、悪ぃけど俺。少し休むわ・・・」
中居は、井ノ原のいるベッドの反対側にあるベッドへ潜り込み、頭からしっかりとシーツを被り丸くなっ
て眼を閉じた。
そんな中居を見た井ノ原は「俺もそろそろ・・・」とベッドから降りた。
「行くのか?」
「はい。それじゃあ、太一くん達も気をつけて・・・」
国分と城島に告げると井ノ原は診療所を後にした。
見習いさん乙ー。続きがんばってください。
チョトだけ気になったのですが、俺様は克兄と仲がいいので、
名前呼ぶときは「さん」じゃなくて「くん」でつ。
>172さん。ご指摘アリガdでつ。
ヤパーリそうですよね・・・戸煮兄さん達は鯛兄さん達を「くん」呼びでしたね。
博様も確か「くん」で呼んでいたのにウカーリと「さん」にしてしまったので
俺様もまぁいいか・・・と(一応「くん」バージョンもあったのでつが・・・藁)
大きな手袋に叩かれて大久保まで逝ってきまつ・・・
見習さん乙です。
最近発見したばかりですがもうドキムネです。
続き楽しみにしています。
俺様が出て行った後が気になる。
見習いさん、乙彼です。
12月分を一気に読みますた。
平安の「SMAPのいない所へ行きてぇ・・・」がツボですた。
これからもがんがってください。
読者はどれぐらいいるんでしょうかね〜?
漏れはその一人なんだが、いつも楽しみにしてまつ。
自担が死ぬ時は涙を流すかもしれない・・・。
楽しみだーよぉ
みんな〜。Merry Christmas!!
いつもいつも励ましの言葉、アリガdです。
そんな皆様に感謝の気持ちを込めて・・・別バージョンをひとつ(藁
本編と関係ないので、続きはありませんのでお嫌な方は飛ばしてくだされ・・・
>176
読者・・・実は自分も凄く気になりまつ(藁
「相葉ちゃん。いつまで寝てるつもりなの?」
展望台で眠り続けたままの相葉に、二宮が声を掛ける。
「相葉ちゃんが眠ったままだとさ、展望台へ行っても相手してくれなさそうなんだもん。そろそろ起きて
よ・・・」
「え〜。もうチョット休憩させてよ」
お菓子の袋を片手に持ち、ジュースを横に置いた相葉が二宮へ返す。
「ダメダメ、ちゃんと参加しろや」
光一もコーラを片手に相葉の参加を促す。
「じゃあ、次は起きます・・・」
光一にまで言われ、しぶしぶといった感じで相葉は答えた。
チョット広めの居間の床一面には大きな地図が広げられており、光一とツヨシがその地図の一辺に置
いてある時計とボードの横に並んで座っている。
他のメンバーは適当な場所へとそれぞれ座っていた。
皆自分のコマを地図の上に置き、ツヨシがもっているダイスを振って、身の振り方を選んでいた。
―――つまり、RPG(ロールプレイングゲーム)の一種のゲームを行っているのだった。
「俺なんかさ”5回休み”って出ちゃったから、参加したくても出来ないんだよ」
松本が相葉の方を恨めしそうに見る。
「俺もだぜ」
長瀬の言葉に長野も松岡も山口も松本の意見に賛同する。
「そういえば二人も参加してないよね?」
長野の言葉にゴウと健が「俺達は”逃げる”をひとまず選択したからね」と笑いながら答えた。
「お前ら・・・ふざけるなよなっ。俺は参加したくても出来ねぇんだよ」
居間から聞こえてきた話に坂本がキッチンから出てきてクレームをつける。
「だってさ、アンタはお料理当番なんだから仕方ないの」
井ノ原の言葉に坂本は、なおも反論を返す。
「だってよ〜、くじ引きで料理当番決めるなんてひでぇよ・・・大野なんて、隅っこで寝てるじゃねぇかよ」
・・・坂本の言うとおり、大野は部屋の片隅でスヤスヤと寝ていた。
「まぁまぁ、もう決まっちゃんだから諦めて美味しいの作ってよね。坂本くん」
「長野〜。お前までそう言うのかよ・・・」
トニセン同士で揉め始めているところへ、中居が言葉を挟む。
「木村が、ゲームオーバーだから手伝ってもらえよ。俺も今少し休みにしたから、ウメェドリンク作って
やろうか?」
「あぁ〜フローズンの奴ね。アレ美味しそうだもんね・・・」
長野の嬉しそうな言葉に気を良くした中居は、坂本を引きずってキッチンへと消える。
そのキッチンから「木村〜。早く来いよ」と中居の声が響いてきた。
見習いサンタさんからプレゼントがっ!
サンタさんどうもありがとう!!
ん?みんなでクリスマスぱーちぃカナ?ホノボノ、イイ!
本編続き楽しみにしてまつ。
ちゅじゅいては
お年玉に期待してるよん!!
あらら・・・
年末までにもう少し続けられると思ったのに今日で今年も終わりです。
ってことで、今年ラストの1本でつ。
つたない文章をいろんな人に読んでもらえて嬉しかったでつ。
来年もどうぞヨロシクです!
ではこれから・・・ドームへ逝ってきまつ(藁
>180
おっ、わかったでつか?
クリスマスパーチーっていう感じに仕立ててみたのでつ(ウヒヒ
>181
お年玉は・・・不景気なので無理かと(藁
稲垣の斧を手に入れ、地図も見ずに歩いているうちに今井は灯台へ来ていた。
今、自分の眼の前には水平線が見える。昨日までの日々と、数時間前から始まったこの世界。
いったいどこが違うんだよ・・・
同じように風は吹き、空を舞う鳥達はいつもと変わらない穏やかな生活をしている。
俺達だけ・・・俺だけがなんでこんな目に・・・・・・。
あの教室内で気が付いた時には滝沢が側にいて、他の先輩達も一緒にいた。
でも、滝沢が殺されて・・・今の俺はひとりぼっち・・・・・・。
他のグループという仲間には俺は入っていかれない・・・この島の中で俺だけが異端。
仲間を待っているという稲垣の言葉が気に障った。
それなら・・・そんなに仲間を頼りにするなら武器なんていらないはずだ。
そう思ったら、稲垣から武器を取り上げていた。
校舎を出てからも、茂みの中からこちらを窺っていた誰かの視線にも気付いていた。
だから、わざと反対側へと歩き出した。
もう俺には、仲間なんて人はいないのだから係わり合いになりたくなかった。
誰の視線かなんて確認はしたくない・・・そうすればきっとその人を、その人のグループも恨んでしまい
そうだったから・・・。
殺し合いをしろなんて・・・
そんな非日常的なことが許されるはずがない世界で生きてきたのに、既に2人の命が消えてしまった。
自分もいずれかは誰かに命を狙われるのだろうか? それともその反対側になるのだろうか?
足元に置いていたリュックからM59を取り出し、空へ向ける。
「俺は・・・必ず生きて帰る。俺達をコマ扱いした奴らに必ず復讐してやるっ」
―――そう叫び、誓うかのように、空に浮かぶ雲に向かって引き金を引いた。
待ってました(パチパチ
パチパチ
皆様、今年もヨロシクお願いいたします。
カウコンで仲の良いメンツを見ていたら、こんな事書いてていいのか自分。
・・・と新年早々 小一時間でございました。
が、それはそれ、これはこれって事で・・・続きでございます(藁
「おぉ〜っ。いいもん見っけ〜!」
『とりあえず北』というアバウトな目標で歩き出していた長野は、木々の間にオレンジ色を見つけ近寄
っていた。足を踏み入れたのはみかん畑・・・
先に、味見をしなくちゃね。
と、美味しそうなみかんをひとつ手に取り、皮を剥き、さっそく一房を口に入れてみる。
「あっま〜いっ」
ご機嫌に顔が緩む長野は「ビタミンC補給はこれで完璧だね」と、ウキウキとみかん狩りを始めた。
ある程度リュックに詰めたところで、ふとある事が気になった。
・・・このゴロゴロした感じ、手榴弾と間違えないか? 俺。
微妙に丸っこい感じが似ている両者を、万が一にも間違えてリュックから取り出したりしたら、場合によ
っては命取りになるかもしれない。
手に持っていたリュックを地面に下ろし、中から手榴弾を取り出した。
「コイツを何処に入れておくかな・・・・・・。おっ、い〜こと考えたっ! ここならイイじゃん」
そう言って長野が手榴弾を入れたのは、リュックの外側のポケットだった。
しばらくして、最初受け取ったときよりもかなり大きくなったリュックを軽々と背負うと、最初に味見をし
たみかんの皮を手に考え込む。
この皮をここに捨てていったら・・・健に怒られる。・・・じゃなくて、この場所に誰かいたという痕跡が残
るよなぁ〜。仕方ない、ポケットにでも入れておくか・・・
長野は上着のポケットにみかんの皮を入れ、みかん畑を後にした。
―――こんな状況の中、1人だけ楽しんだ長野のみかん狩りは終了した―――
ガラガラ・・・ガラ・・・金属バットを引きずる大きな音が森の中に響く。
「あ〜あ、なんかもう疲れちゃったよ・・・」
立ち止まり額の汗を拭った二宮は、ふと周囲の気配に気付く。
今まで自分の立てていた音のせいで気付かなかったが、木立の陰から誰かに見られている気がす
る。
いったい誰だ?・・・
先ほど拭った額の汗とは違う種類の汗が、背中をツ――っと伝い落ちてゆく。
何気ない風を装いながらゆっくりと辺りを見渡す。が、不審な気配はすでに消えていた。
首の後ろにチリチリとしたものを感じながら、金属バットを肩に担ぎ周囲を警戒して再び歩き出す。
少し歩いたところで二宮は立ち止まる。
警戒しながら、緊張しながら歩き続けたせいか、かなりの疲労を感じていた。
肩に入れていた力を抜き、「ふぅ〜」と息を吐き、右手に金属バットを持ったまま肩をグルグルと回して
ストレッチをする。
・・・ハラリ・・・1枚の葉が横に舞い落ちてきた。
「まさか?・・・」と思いながらぎこちなく見上げた木の上には・・・人影。
その人影が誰なのか、確かめる間もなく「ガサッガサッ」という音と共に二宮は頭上から襲い掛かられ
ていた。
校舎を出てからすぐ森の中に入った。
受け取ったリュックの中に武器は無く、代わりに『自分自身』と書かれた紙が1枚入っていた。
俺自身の力で生き残れって事か・・・
毎日鍛えているこの身体なら、武器なんてなくても遅れを取ることはないだろう。
そう思うと、東山は不敵に微笑んだ。
森の中を後輩達の姿を求め歩くうちに、ガラガラと何かを引きずる音が聞こえてきた。
そっと近づいてみると、二宮が金属バットを引きずりながら歩いていた。
金属バットは少し厄介だが、疲れているらしい二宮なら簡単に殺れそうだな・・・
とりあえずチャンスを窺おうと、東山は少し離れて二宮の後を付ける事にした。
しばらくすると二宮は足を止め、周囲を見渡し始めた。
気付かれたか・・・?
木立の陰で、息を殺し気配を消すことに集中する。
やがて、歩き出した二宮を今まで以上に注意しながら追うが、少し行った所で再び立ち止まる。
二宮が警戒心を強める前の今がチャンスだな・・・
細心の注意を払い、なるべく音をたてないように木へ登り下を覗き見る。
疲れているのだろうか、二宮は肩をグルグル回してこちらには全く気付いていない様子だった。
東山は、ストレッチに専念する二宮の頭上から襲い掛かった。
「ガサガサッ」という音と共に、自分の身体の上に黒い陰が・・・いや、誰かが襲い掛かってきたのを二
宮は地面に倒された衝撃により知った。
背中に乗られそうになり、ホールドされる前に身体の位置を入れ替える。
仰向けになった二宮が見たのは、無言のまま冷酷な表情で自分を押さえ込もうとする東山の姿だっ
た。
「ひ・・東山さん・・・?」
驚く二宮を尻目に東山は、二宮の身体の上に馬乗りになる。
とっさに、二宮は持っていたバットを横にして、両手で自分の顔面の上に掲げて抵抗する。
それでも東山は、両手を二宮の首にかけ力を込めてきた。
二宮は、必死の抵抗でバットを押し出し、東山の首に食い込ませる。
互いの息が荒くなり苦しくなり始めた頃、二宮は諦めたように、バットに入れていた力を抜いた。
途端に東山が、全体重を二宮の首を絞める両手にかけ始める。
東山の身体が自分の両手に掛かる力の為に、少し前のめりになった。
―――その一瞬の隙だった。
抵抗する事を諦めていたように見えた二宮が、渾身の力を込めて膝で東山を蹴り上げた。
不意打ちを喰らった東山は、背中への衝撃により勢い余って前方へ倒れこむ。
東山の下から這い出した二宮は、バットを右手で握り、座り込んだまま「ゲホゲホ・・・」と喉に手を当て
激しくむせ返った。
酸欠状態になっているのだろうか、眼は霞み、頭もクラクラとしていた。
その霞んだ眼は、東山が頭を軽く振りながらユラリと立ち上がる姿を捉えた。
「俺・・・やばいかも・・・」
更新キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
みかん狩りワロタw
これからもがんがってください!
みならーいさーん!おかえりー!!
見習いさんおかえりです!!
楽しみ楽しみ(・∀・)ワクワク
みんなー!村に見習いさんが帰ってきたぞー!
見習いさん待ってたよー!今年もよろしくぅ
見習いさんがんばれー!!
見習いさん待ってましたぁ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
うわぁ〜い。こんなに待っていてくれた人がいる・・・
とても嬉すい〜。
がんがりたいのだけれど、どうやら正月から引いてる風邪が悪化しそうな気配・・・
更新が少し遅くなるかもしれないけれど、許してくだされ・・・
立ち上がった東山を、二宮は座ったまま後ずさりしながら黙って見るしかなかった。
―――ただ、右手には金属バットをしっかりと握り締めて・・・
「二宮、もう諦めたらどうだ・・・」
ふいに東山が二宮に声を掛けた。
「い・・嫌・・・です」
拒絶を示すように、ずっと握り締めていた金属バットを自分の目の前にかざす。
「そうか・・・」
一歩一歩東山が近づいてくるが、二宮の背後には樹が迫っていて、これ以上後ろへ下がる事は不可
能だった。
背中の樹を支えにして二宮は立ち上がった。
自分の命を守るためだから・・・
そう思いながら、そう自分に言い聞かせながらバットを構える。
「ほぉ〜。お前、ソレで俺を殴るのか? 素手のこの俺に?」
そう言われても、二宮は金属バットを――恐らく自分の命を守ってくれるであろう唯一の物――を手放
す気にはなれなかった。先ほどの、凄まじいまでの東山の殺気が頭から離れない・・・
間合いを詰めてきた東山が、ふいに二宮の視界から消えた。
「えっ?」と思う間もなく二宮は膝に衝撃を受け、地面に倒れる。
倒れたショックで、金属バットは二宮の手を離れ地面を転がっていった。
「まぁ、そんなバットなんてなくたって、俺は充分強いけどな・・・」
東山は、屈んでいた姿勢を戻し、二宮の膝を蹴った足を見せ付ける。
二宮は、自分と東山との間合いと金属バットまでの距離を目測した。
あれさえもう一度手元に取り戻せれば・・・
その二宮の視線に気付いた東山は、二宮の最後の希望である金属バットに近寄り、右手で拾い上
げ、左手に“トントン”とこれ見よがしに打ち付けた。
「コイツはお前には分不相応だから、俺が預かっておいてやるよ」
もうダメだ・・・絶望感に囚われた二宮は、それでも必死に起き上がろうと試みるが、震える膝にはどう
しても力が入らずストンと地面へ崩れ落ちてしまう。
「なんだ? もうお終いか?」
そう言いながら東山は金属バットを二宮目掛けて振り下ろした。
ガツッッ・・・
自分へ振り下ろされた金属バットの音を、二宮はすぐ近くで聞いた。
ジーンと痺れるような痛みが、とっさに頭を庇った腕に広がる。
二打目は頭を庇った為に空いたわき腹へきた。
更にがら空きの腹へ、金属バットだけでなく東山の鋭い蹴りも容赦なく襲い掛かる。
「ウッ・・ウウ・・・」
せっかく起き上がった二宮の身体は、三度地面へと倒れる。
それでも頭を、顔を庇い続ける手を退かそうとしない二宮が腹ただしいのか、東山は攻撃を続ける。
二宮の腕を、腰を・・・足を。
二宮は、体中を金属バットで殴られながらも、致命傷となる頭部への打撃だけは避け続けた。
苛立つ東山は、うめき声を上げる二宮に金属バットを力いっぱい叩きつけようと、バットを後ろへ大きく
振り上げた。
―――その東山の腕を掴み上げる第三の人物が現れた。
うわぁ、干菓子いい感じ。
第三の人物って誰だろ。
見習いさん、具合はいかがですか?
お大事に・・・
まぁたいへん!
見習いさん!風邪にはショウガを入れたジンジャーティーですぞ!
見習いさん!!風邪治すには睡眠をとる事!!
更新まってまつ!!
205 :
山崎渉:03/01/09 21:35 ID:G2KLL0/a
(^^)
完治っ!とまではいかないけれどカナーリ回復・・・
心配してくれた皆さん、どうもアリガd!
203さんのご意見を参考に、ショウガではなく梅酒を入れた梅酒ティーなるものを飲み
204さんの言うとおり、グーグーよく寝ました。
みなさんもインフルエンザには気をつけてくださいませ。
ではでは、続きです。
なんかボンヤリした頭の中ではやはりボンヤリした展開が・・・(藁
その人物は東山の腕を掴むと、指を無理やり開かせて持っていた金属バットを奪い取る。
そして背後から、東山の眼に何かの液体を「シュッ」とかけた。
「うわあぁぁ・・・・・・」
突然現れた人物がいったい誰なのか判らないまま、東山は眼に強烈な刺激を受け、地面へと倒れこ
む。
バットを奪い取った人物は二宮へ近寄ると、腕を取って立ち上がらせ木立の中へと消えた。
全ての行動を無言のまま終えた人物が消えた後には、この場に似つかわしくない、柑橘系の爽やか
な香りが残されていた・・・
しばらくすると東山は、痛みの治まってきた眼を、地面に座り込んだまま乱暴な仕草でゴシゴシと擦
り続け、ようやく視界を取り戻した。
眼をパシパシと瞬かせ周囲を見渡すが、仕留めたと思っていた二宮の姿も、自分をこんな目に合わせ
た奴の姿も、もう何処にも無かった。
「畜生・・・痛てぇ・・・今の奴、誰だ?」
自分の狩りの邪魔をされた東山は怒りが収まらず、地面の土を掴んで叩きつけた。
そんな東山に、銃口を向ける人影があった。だが、東山はまだそれに気付かない・・・
東山が “狩る側”から“狩られる側”に回った瞬間だった・・・
校舎を出ると方向も確かめずに走り出してしまった松本は、自分の現在位置を確かめようと地図を取
り出した。
「・・・判らない・・・。何処だよここ・・・」
確かめようにも何の目印も無い森の中・・・ほとんど迷子同然だった。
とりあえず、役に立たない地図を脇へ挟み、コンパスも取り出す。
・・・って此処がどこか判らないんじゃ、意味ねぇじゃん。しっかりしろ俺。
せっかく出したコンパス。東西南北のどこかへ向かうしかないと諦め、自分自身を励ましながら自分が
今来た方角の検討をつける。
えっと・・・南西から来たって事は・・・
ガサガサと再度地図を覗き込む。
「ん〜。みかん畑も、建物もなかったから・・・このまま東北へ真っ直ぐ行けば、海?」
地図を指で辿りながら見当をつける。
あ――っ、もうしょうがない。海へ行こう、っていうか島の端へ出よう!
松本は森の中を歩き出した。
・・・真っ直ぐ、真っ直ぐ・・・
そう思って歩いているはずなのに、なぜだか胸騒ぎがする。
本当は、さっきの大樹を迂回した時に違う方向へ来ちゃってたりして・・・
不安にかられた松本は、思い出したように自分の武器、S&Wチーフスペシャル38口径をリュックから取
り出した。
銃を手にして安心したのか、松本は再び歩き出す。
その松本の行く手から、なにやら物音が聞こえてきた。
・・・誰かいるのか?
緊張しながら物音のする辺りを窺うと、木立の陰から人影らしきものが見え隠れしていた。
そっと近づき気付かれないように覗き込む・・・
すると、東山が誰かを組み伏せているのが見えた。
東山は誰かを襲っているのか? それとも逆なのか?
松本は、教室内での東山の様子ならどうも前者ではないかとの気がしていた。
そうなると、東山の攻撃を受けている人物は一体誰なのか?
もっとよく確かめようと眼を凝らしてみる。
押さえつけられている人物の腕が上がり、少しだけ反撃をしているように見えた。
その腕の間から見えた人は・・・
えっ? ニ・・ニノ・・・?
自分の目の前の出来事が信じられない。
二宮が東山に馬乗りに乗りかかられて、首を絞められている。
助けないと・・・早くしないとニノが死んじゃう・・・
自分の手で固く握りしめていたチーフスペシャルを、東山へ向けて構えようと腕を目の高さまで上げて
みるが、震えが走りうまくコントロール出来ない。
松本がモタモタしているうちに、二宮はバットで殴られ始めていた。
今度こそ・・・
そう思い、震える手を無理やり押さえ込み、松本は銃口を東山へと向ける。
だが、東山が大きく動くので狙いづらく、なかなか引き金が引けない。
すると、目前に横から大きなリュックが飛び出してきた。
・・・リュック??
あっけに取られる松本の前で、そのリュックは東山に近づくとあっさり二宮を助け出して消えていった。
後には、地面に座り眼を擦りながら何やら毒づく東山だけが残された。
チャンスか?
二宮の行方も気にかかったが、ひとまず、二宮をあんな目に合わせた落とし前を付けてもらわない
と・・・。油断しきっている今の東山なら簡単に狙える。
もう震えていない腕を持ち上げ、狙いを東山に向ける。
じっくりと構えて、松本は引き金を引いた・・・
パーン・・・
1発目は東山の右肩を捉えた。
「あっ、外した・・・」
再度狙いを付ける。
東山は突然襲ってきた銃弾にとまどいながらも、敵を見つけようと周囲を見渡していた。
パーン・・・
2発目は腹部へ・・・
腹部を朱に染めるがそれでも東山は倒れない。
続けざま3発、4発と打ち込む。
―――ドサッ・・・・・・。
松本が気付いた時には、紅く血に染まった東山が仰向けに倒れていた。
ようやく松本はチーフスペシャルを下ろし、銃を握り締めていた為に汗ばんだ手を膝で拭った。
「ニノを探さないと・・・」
もう動く事の無い東山を一瞥すると、松本は謎のリュックと二宮が消えたほうへと走り出した。
【東山紀之 死亡:残り21名】
見習いさん更新乙彼様です!風邪も回復したみたいでヨカータ。
ところで本編のほう、柑橘系の香りということは…
…あの人か…?
楽しみにしてますんでがんがってくだちい。
ワクワクして読ませていただいています。
暖かくして風邪には気をつけてくらはい。
見習いさん待ってました!!
お体には十分お気をつけ下さい。
ニノ助けた人が気になる!!(・∀・)!!
更新待ってます!
皆さんの暖かなお言葉・・・とても嬉すいでつ。
それにしても、もう70話過ぎてるのになんてマターリな展開・・・
でも今回、更にマターリとしてまつ(藁
許してくらはい・・・
>212
鋭いでつ!! そうでつアノ人でつ!!
解りやすかったね(ニガ藁
「ここまでくれば、もう大丈夫・・・」
そう言って、二宮を助けた人物は安心させるように微笑んだ。
半ば引きずられるように連れて来られた二宮は、体中の痛みを堪え、慌ててその人物に礼を言う。
「な・・長野くん。ありがとうございました。」
「こんなのでも役に立つんだよな」と、長野は得意そうにポケットからみかんの皮を取り出し、指で皮を
挟んで潰すと「シュッ」と霧状に液体を飛ばせて見せた。
「でも、そのおかげで助かりました・・・」と感謝する二宮に、「でもさ」と少し困った顔で長野は告げた。
「これ持って来ちゃったんだよね・・・どうしよ?」
長野が二宮に見せたものは、金属バットだった。
「あっ、それは僕のです。取り返してくれてたんですね」
「なんだ、これ二宮のだったんだぁ〜。良かった・・・」
二宮は、ホッとした顔の長野から「じゃ、返すよ」と金属バットを渡された。
金属バットを受け取ると、ようやく沸いてきた無事だったという安心感か、今までの疲れからなのか、
二宮はその場にへたり込んでしまった。
「大丈夫か? かなり殴られてたみたいだけど・・・」
「えぇ・・・まぁ、なんとか。膝とかの関節も頭も叩かれずにすんだので、打撲くらいかも・・・」
「ふ〜ん」と言いながら、長野は二宮にリュックを下ろさせると、近くの樹に楽な姿勢になるように寄り
かからせ、腕と足に手を伸ばした。
「・・・・・・うん。折れてはいないみたいだね。俺らも怪我が多いから、大体の怪我の具合は触っただけ
で判るようになっちゃったんだよね」
長野の言葉に、二宮もようやく笑みを取り戻す。
「ただ・・・熱を少し持ってるから・・・これで、冷やす?」
長野は、リュックからみかんを数個取り出して二宮の手に握らせた。
「えっ??」
二宮は長野の意図が全くわからず、混乱していた。
・・・長野くんて・・・もしかして、うちの大野くんと同じくらい天然・・・?
みかんを両手に持たされたまま、呆然としている二宮を見て長野が心配そうに声を掛ける。
「どうした? 本当は、水で冷やすのがいいんだけれど、チョット今、水は貴重だからこれで代用して欲
しいんだ・・・。それじゃダメか?」
あぁ・・・。そういう意味だったのか・・・
長野の意図にようやく気付いた二宮は、熱を持って熱くなっているふくらはぎや、二の腕にようやくみ
かんを当てた。
ひんやりとした感じがとても気持ちがいい。が、二宮はある事にふと気付く。
このみかんって、何処からきたんだ? 標準装備には無かったはず・・・。っていうか、まさかこれが長
野くんの武器なんじゃ?
「あの〜、このみかんは何処から?」
二宮の質問にちょっと嬉しそうに長野は答えた。
「地図見た? みかん畑があるんだよ、この島。で、そこで少しみかん狩りを・・・ね?」
「ね?」って言われても・・・。そんな嬉しそうな顔されても・・・。この状態でみかん狩りなんてされて
も・・・。
なんて返事をしたらいいのか二宮は暫し戸惑う。
・・・長野くんて・・・長野くんって、いったいどんな人なんだよ―!
みかんを体中に乗せた少しおマヌケな格好のまま、二宮は心の中で叫んだ。
以外とみかんの冷たさが利いてきたようで、しばらくすると二宮の打撲傷から熱は引き始めていた。
「今、銃声が聞こえなかった?」
ふいに遠くを見つめた長野の言葉に、二宮は軽く頭を振る。
「空耳かなぁ・・・」
今一つ納得がいかない長野は、立ち上がって周囲を見渡した。
すると、かすかに銃声の音が聞こえてきた。
「やっぱり聞こえる。誰かが銃を撃ってる・・・立てるか?」
もう少し安全な場所へ移動しようと、長野は自分のリュックを背負い、二宮を立ち上がらせようと手を
差し伸べる。
「は・・はい」
返事をしつつ二宮は金属バットを杖代わりにして立ち上がろうとし、持ちきれなかったみかんを地面へ
落としてしまった。
「あっ・・・みかんが・・・」
「そんなのいいから、俺に掴まれ」
長野は、金属バットを取り上げて自分の左肩を二宮の右肩の下に入れて支え、右手で二宮のリュック
とバットを持つ。
「いいか? 行くぞ」
二宮に声をかけ、長野が歩き出そうとしたその時だった。
背後の木がガサガサと激しく揺れ、銃を手にした松本が飛び出してきた。
「ニノっ! 無事か?」
ハァハァと息を荒くした松本が、銃口を長野に向けながら二宮に声をかける。
「・・・松潤!?」
急に現れた松本の尋常でない様子に驚いた二宮は、思わず長野の腕を振り払って駆け寄ろうとした。
が、まだ本調子でない身体はグラリと傾き、再び長野に支えられてしまう。
「ニノから腕を放せ! 武器も捨てろっ!」
銃口を向けたまま、松本は長野に叫んだ。
「「えっ?・・・・・・」」
その松本に、長野と二宮が怪訝そうな声を出し、顔を見合わせる。
暫くすると、松本の言葉を理解した二宮が、長野に支えられたまま「誤解だよ、松潤」と笑いながら言っ
た。
「そうだったんだ・・・。俺、またニノがバットで殴られるんじゃないかと勘違いしてた・・・」
二宮から事情を聞いた松本は「すみません」と長野に謝った。
「あぁ・・・。俺もバット持ってたし、気にするな」と長野は松本に柔らかな笑みを返す。
「長野くんは、俺を東山さんから助けてくれた恩人だよ。ちゃんと怪我の具合も見てくれたし・・・」
説明しながら笑い出す二宮に、松本は怪訝そうな顔をする。
そんな松本に二宮はみかんを見せながら、松本が現れる前の自分の状態を説明した。
「ぷっ・・・」
無理に笑いを堪えようとする松本に、憮然とした顔で「お前も食え」と長野はみかんを差し出す。
とりあえず、ほんの一時の休息の時間となった。
見習いさん、待ってました…!
お風邪はその後大丈夫ですか?
博様ナイツなみかん攻撃、ホンワカでよかったでつ
見習いさん乙カレ様でつ。
博様でしたか…今回は本当にマターリでした。
体調管理をしつつ、がんがって下さい!!
早く見たいでつ(・∀・)イイ!!
風邪は良くなりました・・・たぶん(藁
前回のホンワカ・マターリとちょいと違って、今回は暗めのトーンかな?
以外と自分の体調が・・・ゴホゴホ
>220,221
ご心配かけました。優しいお言葉アリガdでつ
がんがりまつ。・゚・(ノД`)・゚・。
長野・二宮・松本が車座になっている真ん中にはみかんの山がある・・・
「でも俺、あの時マジ死ぬかと思った・・・」
まだ痛む腕にみかんを当てながら、二宮は樹に寄りかかり充足感を味わっていた。
腕に感じるジンジンとした痛みも、みかんの冷たさも、生きていればこそのものだった・・・
「二人とも知らないかもしれないけれど、教室から出て行く前の東山さんは、光一くんに挑発されて
殺る気になっていたみたいでした・・・」
みかんを剥きながらの松本の言葉に、東山の冷酷な眼差しを思い出した二宮はブルッと震えた。
「東山さんと何かあったの?」
「何も無いよ・・・。“何か”なんて俺が訊きたいよ。森の中歩いてたら、いきなり木の上から飛び掛って
きたんだぜ」
二宮は、手を止め自分を見つめる松本に憤然としたように答える。
「えっ? じゃあ、ホントにいきなり?」
長野も驚いた様子で二宮を見た。
「ホント俺・・・何も恨まれることなんてしてないんですよ・・・」
「・・・植草くんを殺った奴と同じになっちゃったって事かな・・・・・・」
校舎から出ることもなく命を絶たれてしまった、公私共に可愛がってくれた先輩のことを長野は想う。
「3人しかいない少年隊で何も、殺る、殺られるに分かれなくてもいいのに・・・」
悲しそうな長野の言葉に、二宮も松本もかける言葉を見つけられないでいた。
「松潤の武器はそれなんだ」
二宮が、湿っぽくなってしまった雰囲気を変えるように話を松本に振ってきた。
「あぁ・・・これね」
そう言って松本が掌に乗せたのは、先ほど長野に向けたチーフスペシャル。
「長野くんのは何だったんですか?」
二宮の言葉に松本も興味津々といった感じで長野を見る。
そんな二人に長野は悪戯っぽく笑うと「パイナップル」と答えた。
「「パイナップル??」」
「長野くん、みかんとパイナップルって・・・出来すぎだって、その組み合わせ・・・」
二宮が「ククク・・・」と笑いを堪えながら言う。
「俺さぁ、最初に見たときリュックがニノを連れて行ったんだと思ったよ、あまりにデカくて。どうりでリュ
ックがパンパンなわけだよね〜」
松本も同じように笑みえを浮かべるが、堪えきれずに二宮と顔を見合わせて無邪気に笑いあう・・・
―――パイナップル。それが手榴弾の隠語だという事を2人は知らなかった・・・
「そういえば松潤。さっき、その銃撃った?」
いきなり二宮から問われて松本は、笑みを引っ込めギクシャクとした感じで頷く。
「それは何処で?」
立て続けに長野からも訊かれて松本はムッとした。
「二人とも何が聞きたいの?」
「俺達、銃声が聞こえたから安全な場所へ避難しようとしてたんだ。そしたら丁度松潤が現れたから
・・・。もし、その銃声が松潤のじゃないんなら早く移動しないと・・・」
「別に深い意味は無いよ。もし、松本が東山くんをその銃で撃っていても俺は咎めないよ。今の状況で
自分の命を守るのは自分自身しかないからね」
松本を宥めるような二宮の言葉とは違い、長野はシビアな意見を述べる。
「だから、松本が東山くんを撃って最悪な結果が起きていても、俺は自分が・・・俺と二宮が助かったと
思うだけだよ。松本、東山くんと会ったよね? っていうか、俺らが東山さんから逃げるところ見た後ど
うした?」
「な・・長野くん・・・。それって、どういう・・・」
意味? と続けようとした二宮の言葉は飲み込まれたまま出てこなかった。
「確かに、俺は長野くんとニノが立ち去った後、東山さんを・・・撃ちました」
松本の言葉に、ピンと張り詰めた空気が3人の間に漂い始めた・・・
「ま・・松潤・・・」
二宮が今にも泣き出しそうな顔で松本を見る。
「俺は・・・。ニノが東山さんに襲われているのを見て、助けなきゃいけないって思って・・・でも、ニノは
長野くんに助けられてて・・・。だから・・・。だから俺は、ニノを襲った落とし前をつけてもらおうと・・・俺
の大事な仲間を襲った仕返しをしようと・・・・・・」
松本は、自分が人一人の命を奪ってしまったことを今更ながらに恐れ、手の中の銃を見つめながら涙
をポロポロと零した・・・
「さっきも言ったけれど、俺はお前がした事を咎めないよ。俺達は今、生きるか死ぬかの状況の中にい
るんだからね」
長野は松本の頭にポンと手を乗せ、宥めるように髪の毛をクシャクシャとかき回しながら静かに話しか
けた。
「でも・・・でも・・・。俺がこの手で東山さんを・・・殺してしまった・・・・・・」
ブルブルと震えながら自分の両手を見つめる松本。
二宮はただ黙って長野と松本のやり取りを聞いている。
「俺が思うことは、仲間同士、皆で助かる道を探せないかな? っていう事なんだ。だから、自分だけ
助かる為に他人を殺める人がいたら俺も松本と同じことをするよ」
「長野くん・・・」
松本は顔を上げ自分に向けられる長野の言葉に必死に耳を傾ける。
「そのために俺は、自分が攻撃されればやり返すし、そうでなければ、V6とか嵐とかのグループなん
て関係なく仲間同士助け合えればいいと思う」
「俺もそう思う・・・」
ガサッと木立の間から姿を現したのは長瀬だった。
突然現れた長瀬に驚きつつも長野は「長瀬!! 両手を上げてそこで止まれっ」と声を荒げた。
見習いさん乙カレーでつ!!
お風邪大丈夫でつか?
早く体調が治るようにお祈りします。
更新まってまつ!!
見習いさん乙です。
風邪にはビタミンCですぞ。
博さまにみかんを貰って食べて下され。
お大事に。
チーム・ヒロシに末っ子は入るのかな(ドキドキ
もう大丈夫でつ!!
皆様の優しいお言葉が良い薬でちた。アリガdでつ。
葛藤編もようやくピークを過ぎ、そろそろバトル編へ移行しつつありまつ。
でも、今回もまだ奴らがの〜んびり(苦藁
>228
風邪期間中みかんをドカ食いしておりまちた。
博様のみかん狩りはその影響かと・・・(藁
「長野くん?」
今までの長野の様子と全く違う事に驚いた二宮が声をかける。
「長瀬、俺は怪我を負っている二宮と、こんな状態の松本を危険に晒したくない。お前の所持している
武器と、お前がここに現れた理由を聞きたい」
長野に言われるままに両手を上げていた長瀬は、リュックを長野の方へ放り投げた。
「確かめて下さいよ。何なら身体検査も・・・。俺は、光一の考えが知りたくてずっと考えていた・・・。
あいつが変わった訳を知りたかった。でも、俺一人じゃダメなんだ・・・。俺だけ助かっても意味は無い
し・・・メンバーも一緒に助かりたいって思いながら歩いていたら、長野くんの声が聞こえてきた。だから
来たんだ・・・俺も皆と一緒にここから脱出したい」
長野は長瀬の言葉を聞きながら、松本に長瀬のリュックの中身を確認させる。
「武器が・・・催涙スプレーが1本入ってます」
「俺の武器はそれだけっすよ」
そう言うと長瀬は自分のポケットの裏生地を出して見せ、他に何も持っていないことを証明した。
「わかったよ長瀬・・・。疑って悪かったな」
長野はようやく微笑みを浮かべ、長瀬を手招いた。
「長野くんてさぁ、怒ると一番怖いって岡田とかいのっちとかから聞いてたけどホントっすよね」
今スゲ〜怖かった。と長瀬は笑いながら二宮と松本を見た。
「ねぇ、それ俺も食ってもいいっすか?」
落ち着きを取り戻した輪の中で、長瀬が指差したものはみかんだった。
「実は俺さぁ、なんかいい匂いがするな〜ってこっちの方向へ歩いてきたら、長野くんの声が聞こえて
きた。っていうのもあるんすよ」
「なんだお前、犬みたいだな」
「でも、長野くん、これで二宮を助けたなんてスゴイっすね」
長瀬は長野に「エヘヘ」と笑い返すと、感心したように今剥いたみかんの皮をピラピラと振る。
「あぁ、偶然だよ。ほら、ゴミをそこら辺に捨ててくと、ウチの場合は健に怒られるからさ・・・」
笑いながら長野は、ゴミ分別に口やかましかった三宅の事を思い出す。
「あぁ〜。あいつ、ペットボトルの捨て方も細かいっすよね・・・」
長瀬も思い当たる節でもあるのか、一緒になって笑い出す。
「僕も意外なもので助けられて驚いちゃいました」
「そうかぁ? でも、もっと他にもあるんじゃないのか? 意外な武器って・・・」
二宮の言葉を長野が照れたようにさらりと流す。
「う〜ん・・・。何すかね?」
長瀬は腕を組み真面目な顔になると、真剣に考え始めた。
「ちょ・・ちょっと・・・。何も今、そんな真剣にならなくても・・・。長瀬くん?」
二宮の声も耳に入らず考え続けた長瀬は「ポンッ」と手を打つと大声を出した。
「あーっ!! 分かった! アレだよアレ。“芋けんぴ”!」
「長瀬・・・うるさい」
長野の文句も無視して長瀬は続ける。二宮と松本は長瀬の突拍子も無い答えにキョトンとしている。
「アレね〜、俺が昔食ってたら口の中に刺さっちゃた事があって、スゲェ痛かった・・・」
「それ、お前だけだぞ。きっと」
「いや・・・、ありえないし・・・」
「長瀬くんも天然かぁ・・・」
ウンウンと頷きながら「アレは危ない・・・」という長瀬の言葉を、長野、松本、二宮の3人は顔を見合わ
せてこっそり否定していた。
「まぁ、それはどうでもいいや。それよりも、これからどうする?」
長瀬の話を適当に流した長野は真面目な顔で3人を見た。
「とりあえず、移動しましょうよ」
二宮が意見を出す。
この中で一番動きたくないであろう二宮のその言葉に長野も同調する。
「うん。二宮が動けるならココから移動した方がいいと思うんだ。長瀬と違って、殺る気の人が来たらマ
ズイと思うしさ」
長野の“殺る気”という言葉に、松本が過剰な反応を示す。
「あ・・・・・・。その“殺る気”っていうのに、俺も入っちゃう・・のかな・・・」
「松潤、それは違うよ!」
二宮の否定の言葉に松本は耳を貸さない。
「でも、俺は・・人を殺してしまった俺には、この先みんなと一緒に行動する権利があるのか・・・」
「松本・・・権利なんて言うなよ。一緒に行動するのは、仲間を大事に思う心をお互いが持っているから
だろ? お前は自分の仲間の二宮を助けようとしただけだ。それに、もうあの事は終わった事だと割り
切っていかないとこの先辛いぞ・・・」
自分を責める松本に長野が穏やかな声で語りかけた。
「だからさ、松本。長野くんの言うとおりすんじまった事は気にするな。いつまで悩んでいても仕方ない
だろ。もう少し、気楽に考えていこうぜ」
長瀬も先ほどとは違う真剣な表情で松本に話しかける。
「長野くん・・長瀬くん・・・。俺は・・・許されるんですか?」
「松潤。もう今は、許す、許さないっていう状況じゃないんだよ・・・。俺もお前には助けてくれようとした
お礼を言いたいし・・・。そうやって、俺の立場から考えるとお前のした事は許される事になるんだよ」
東山が殺されたことは事実だが、彼が人を殺そうとしていた事も事実。
それならば、残った――助かった――人間が責めを負う必要は無いのではないか・・・
二宮はそう松本に伝えたかった。
自分を助けようとしてくれた松本の心を少しでも軽くしてあげたかったから・・・
「そういう事。反対側から見ると感謝される・・・。今の状態の俺達はホントに不思議な常識の中にいる
ってことになるんだよ」
3人の言葉に松本は静かに涙を流した・・・
ふいに、島内のスピーカーから雑音が聞こえてきた。雑音が止むと、光一の声が流れ出す。
「え〜。皆さんお疲れ様です。もうお昼になりますので定時放送です。前回お知らせした後に死亡確認
された方がいらっしゃいます。木村拓哉・東山紀之、この2名です。
そして、立ち入り禁止区域も増やします。のどかにみかん狩りを楽しんだ方がいます・・・。チョット緊張
感に欠ける行為ですので、今後そのような事が無いようにみかん畑を立ち入り禁止区域にします。
地図で言うと、E-08になります。ちゃんとチェックして下さいね。
次の放送は午後6時です。では、それまで頑張って下さい」
ガチャッとマイクを置く音がし、光一の声は途切れた。
シーンとした空気が4人の間に流れる・・・。
ただそれは緊張感からではなく、何かを堪えるものから来ていた。
「ブッ・・・アッハハハッッ・・・・」
沈黙を破って、まず長瀬が大声で笑い出す。
松本も涙を流していた事など忘れ、腹を抱えて笑っている。
二宮は痛みなど忘れたかのように、地面を叩いて笑い転げていた。
ただ一人、笑っていないのが長野だった。
「あーっ、ウケる。長野くん、光一に“緊張感に欠ける行為”って言われちゃって・・・」
途中まで言って長瀬は再び吹き出した。
「“そのような事の無いように”って、光一くん怒ってるのかな?」
全然心配そうじゃないように、松本も笑いながら言う。
「っていうかさ、“のどかにみかん狩りを楽しんだ方”って言われるのも・・・」
二宮も、自分がそのみかんにかなり助けられた事を忘れて2人に便乗する。
「なんだよ。お前らにはもうやらねぇ・・・。ていうか、ちゃんと地図チェックしろよ」
拗ねた様にみかんを片付け始める長野だった・・・
更新乙です!
みかん狩りに和みつつ
でもちょっとそんなとこまで監視されてることにビクビクしまつ。
がんがれチーム・みかん(w
あ〜おもしろかった。
バトロワって結構心に重いものくるけど、今はホノボノしてていいです
でも、バトルがハジマル・・・フフフ
乙カレーでつ!!
ほのぼのムードも終わりでつか…
悲しいような、うれしいような…
見習いさんがんばれー
見習いさんガンガッテますね!!
継続できるってすごすぎです
バトル再開楽しみですね!!
乙です!
まさか博様がパイナッポーで攻撃!?とドキハラでございます。
がんがってください!
見習いさーん!!来てください・・゚・(ノД`)・゚・
見習いさん〜
244 :
ななしじゃにー:03/02/03 18:22 ID:VqWEEdXF
見習いさん〜。楽しみにしてますよ。
光一くんカクイイ!
age
246 :
ななしじゃにー:03/02/04 17:16 ID:RIYVk42a
歪かっこいい★
247 :
ななしじゃにー:03/02/04 19:15 ID:yMHHGvlj
見習いさん。最初の方から読みました〜
いいですね。
これからも読ませていただきますね。
こういうの好きなんですが、完結しないことが多いんですよね。
ご自分のペースでいいので、完結目指してがんばってください。
楽しみにしております。
あぁっ・・・アガってる・・・まぁいいか(苦藁
皆さま、お久しぶりです。
ちょっと忙しくて更新遅れがちですが、がんがっていきまつよ。
では、今回は久々のこのコンビを・・・(藁
「ねぇ、ゴウ。今お昼の放送があったけど・・・。なんかさぁ、どんどん死んでるよね・・・」
「・・・・・・ん」
森田と三宅は、誰にも会わないまま小さな神社へ来ていた。
二人並んで上着のポケットに手を入れ石段に腰掛けていた。それぞれの傍らにはリュックと武器・・・
背中を賽銭箱に預け、空をボーッと見つめながらの三宅の言葉に、森田は背中を丸め足元の砂に靴
で落書きをしながら素っ気なく返事をした。
「植草さんに、木村くんに、東山さん・・・。みんなお世話になった先輩だよね」
「ん〜・・・」
上の空で三宅の話を聞く森田は生返事を返す。
「ゴウってば、聞いてる?」
三宅が賽銭箱から身体を起こし、森田の背中をドンッと叩いた。
「聞いてるよ・・・。聞いてます」
返事をしながら身体を起こした森田は、三宅の頭をコツンと小突く。
「イテッ・・・。もう、どうしたんだよゴウ」
「別にぃ〜」
森田は三宅の頭を小突いた手をそのまま自分の頭の後ろへ回して組み、賽銭箱に寄りかかる。
三宅は自分のリュックから、2本ある新しいミネラルウォーターの内1本を取り出し、飲もうとしてふと思
い出したように笑った。
「ねぇ、みかん狩りした人ってさ、もしかして・・・」
クスッと笑いながら三宅は森田の方を見た。
「長野くんかな? アノ人ならやりそうだよ」
森田からの返事が無い事に気にすることもなく、クスクスと笑いながら三宅は続けた。
「もうっ、ゴウ! ちゃんと俺の話し聞いてる?」
半分笑いながら怒っているような風を装う三宅と反対に、森田は返事もせず賽銭箱に背中を預けたま
ま黙って空を見つめていた。
「でもさ、うちのメンバーはみんな無事みたいで良かった・・・」
三宅はホッとしたように呟いて「みんな何処にいるのかなぁ・・・」と考えながら、ペットボトルを口に運
ぶ。
「健。お前さぁ〜、逆は考えないわけ?」
「逆?」
森田がようやく口を開いた事が嬉しくて、三宅はペットボトルにキャップをして自分の脇に置くと森田の
顔を覗き込む。
三宅のその顔を「近けぇよ」とグイと向こう側へ押し遣りながら「だからさぁ」と話し始めた。
「誰かが死んだって事は、それをやった奴がいるって事だろ? それが、岡田や井ノ原くんや長野くん
じゃないって事は言えないじゃん」
「何それっ! ゴウは俺達の仲間がそんな事すると思ってるんだ!? 信じらんない!」
三宅はその言葉を聞くと、怒りのあまり身体をワナワナと震わせて立ち上がった。
それと同時に、先程までののんびりした空気も何もかも吹き飛ばす森田の言葉がとても哀しかった。
「ちょ・・ちょっと、健・・・」
その剣幕に驚いた森田は身体を起こすと、慌てて三宅の袖を引っ張る。
「俺だってそんなこと思いたくねぇよっ! だけど・・・生き残れるのは1人だって・・・」
森田は教室から出る時に山口から言われた事が、心の片隅に刺さった棘のように気になっていた。
「だから、岡田たちが生き残る為に殺ったっていうの? じゃあ・・・じゃあ、ゴウは生き残る為に平気で
俺を殺すんだっ!」
「そんな事言ってねぇだろ! なんで俺がお前を殺すんだよ」
「だって、ゴウの言ってる事はそういうことでしょ!」
三宅の勢いに驚いた森田が、袖ではなくて腕を掴む。が、三宅は「離せよ!」と低い声で呟くと、森田
の手を振り払い、自分のリュックと水鉄砲を拾い上げ石段を降り、神社の境内から駆け出していった。
「健・・・」
呆然と呟くと、森田は再び石段に座り込む。
「なんでこんなことに・・・」
頭を抱え込み項垂れる森田ひとりが神社の中に残された。
見習いさん!更新乙彼です!
番長と☆…意外な展開ですね。
楽しみでつ!
見習いさん、乙です!
ワタシの自担は師ぬ確率低いから、安心して読めます。
これからも応援してます!!
ようやく葛藤編終わりでつ!
あぁぁ・・・いよいよ次からバトルだっ!
最初考えていたよりも修正したので自分でもカナーリドキドキ。
まぁとりあえず今回は、今まで登場しなかったアノ2人でつ。
>253
アボーン確立低いのは・・・なんで? もしやココでもそうか脳(苦藁
「なんだよ、なんだよ〜。チョットいいカンジじゃないの? 此処」
ひとり砂浜に佇み、海を見つめて景色に感動しているのは松岡。
サクサクと自分がたてる砂浜を歩く音が気に入って、もう数十分も砂浜を端から端までウロウロと歩き
回っていた。
砂浜にある岩を見つけそこに上る。
「ゴミも落ちていないし、水は綺麗だし・・・いいよな〜」
感動したように呟くとおもむろに岩に座り、リュックの中からミネラルウォーターとカロリーメイトを取り
出して昼食にする。
「なんか味気ねぇなぁ・・・このメシ」
魚食いてぇな・・・刺身とかさ・・・・・・
眼の前に広がるこの綺麗な海には魚がたくさん泳いでいそうで、思わず水に入って手を伸ばしたくな
る。
そろそろ満月だし、夜になったら波間に浮かぶ月を泳いで割れそうだしよ・・・
かねてからの憧れのシチュエーションがかなえられそうな状況なのに、それさえも無粋な首輪が泳ぐ
事も、魚を取る事も邪魔をする。
・・・光一の奴、こんな余計なもん付けやがって
松岡は、首輪を触り「チッ」と舌打ちをすると、ペットボトルの水をゴクゴクと飲んだ。
「あ〜らら、見事に何もないや」
何か役立つものがあるだろうかと、農協へ来ていた山口はガックリと肩を落とした。
どう見ても何年も人の気配が感じられないこの島に残されていた建物の中には、賞味期限切れの食
べ物、埃だらけの棚などしか残っていなかった。
とりあえず、室内のカウンターの上の埃を「ふぅ〜」と吹き飛ばすとその上に地図を置いた。
えっと、確かさっきの放送ではみかん畑、その前には校舎って言ってたな・・・
地図に立ち入り禁止区域のチェックを入れ、余白に死亡者の名前を記す。
少年隊と、SMAPか・・・TOKIOもV6の嵐も今のところ大丈夫みたいだな。
カウンターに頬杖をついて、校舎から出る時に光一に言われた言葉を思い出す。
「まぁ、どっちにしろ生き残りは一人なんだったよな」
TOKIOとも・・・自分のメンバー達と殺り合う事になるのか? いや、いくらなんでも俺には無理だろう。
あいつ等はデビュー前からバンドを組んでいた大切な仲間だし・・・
一緒にいた時間が長すぎて俺にはきっとそんな事は出来ない。
「ふぅ〜。誰か、茂くんと太一と松岡と長瀬・・・。殺してくれねぇかな〜」
山口は、自分の武器――ウージー9ミリサブマシンガン――を肩から掛けたまま深く溜息をついた。
見習いさん、おつです。
見習いさん、乙彼です。
続き楽しみにしてます^O^
ものすご〜くイイ(・∀・)です!!
これからも頑張って書いてください!!!
見習いさん頑張って!
続き楽しみです。
261 :
ななしじゃにー:03/02/10 13:18 ID:PlbWi5NP
見習いさん乙でつ!今回は、紫の憧れに大ウケ、副将の呟きにドキドキ。早く最後まで読みたいような、いつまでも終わらないで欲しいような、そんな気持ちで楽しみにしてまつ!がんがってくだちいね!
副将にマシンガンじゃ最強になっちゃうな。
見習いさん乙ですっ!
紫の後に、副将が出てきたので、まさかあにぃ&マボコンビがっ??
なんて思ったりしたんですが・・・
続き楽しみにしてまつっ!
にしても、紫の月を泳いで割りたいは禿藁でつな。
うわぁぁ・・・いよいよバトル編スタートでつ。
なんかとても慎重に書いてる自分(藁
ほら、ウカーリとアボーンしちゃったら取り返しが付かないから・・・ドキドキ
では、どうぞっ。
カツン・・カツン・・・どこか遠で音が聞こえる。
その音でようやく眠りから覚醒してきた相葉は、大きなあくびを一つすると眼を開け、まだ完全に開き
切らない眼を擦りながらぼんやりと辺りを見回す。
そんな事をしているうちに、先程から聞こえてきていた音がだんだんと大きく、近くなる。
「そこにいるの相葉ちゃん?・・・」
背後から聞こえた自分を呼ぶ小さな声に驚いた相葉は、ビクッとして振り向く。
「あ・・あぁ・・・翼くん?・・・」
そうだった、俺は展望台へ来て・・・眠っちゃったんだった。
「相葉ちゃんひとり?」
周囲を窺いながら今井が声を掛ける。
「うん、そう。たぶん・・・。俺さぁ、なんか眠っちゃってたみたいなんだよね」
照れくさそうに笑って今井へ答えた。
相葉は立ち上がると、警戒する風でも無く今井の側へ近づき、手すりに両腕を乗せて景色を眺める。
「翼くん、さっきありがとう。あのままあそこで死んでたらこんなにのんびり出来なかったかも」
校舎内で一番初めに光一から名前を呼ばれて立ち上がれなかった自分の手を取って、立ち上がらせ
てくれた今井に礼を言う。
あのままだったら間違いなく、相葉も滝沢と同じ運命を辿っていただろう。
無邪気に好意を寄せてくる相葉を見て、今井も警戒心を解くと手すりに寄りかかる。
「いえいえ、どういたしまして」
相葉は真面目くさった今井の返答を聞くと、景色を眺めてた顔を今井へ向けクスッと笑った。
それを見た今井は笑みを浮かべると――相葉には見えないようにさりげなく片手に持っていたM59を
ジーンズのウエストに挟みこむ――両肩をすくめて見せた。
人を疑わない――今ひとつこの状況を理解し切れていないせいもあるが――相葉の行動は、先程灯
台で感じていた今井の強い孤独感を消し去っていた。
「あれっ? 相葉ちゃんと翼くん」
展望台にまたもや来訪者が現れた。
「あ―――っ、翔くん!」
その人物が誰なのかを認めると、嬉しそうに相葉が桜井の元へと駆け寄っていった。
「お〜っ、無事だったかぁ。良かった」
そう言いながら桜井は、嬉しそうに相葉の背中をバシバシと叩いた。
「今まで2人で行動してたの?」
「ううん。翔くんが来るチョット前に翼くんも来たところだよ。俺さぁ、教室でのお礼を言ってなかったから
翼くんに会えてよかったんだ」
「ねっ? 翼くん」と今井の方を向き、相葉は先程と同じようにクスッと笑った。
「そう、2人でのんびりしてたところ」
今井も笑いながら返事をする。
「あぁ・・・そうだったよね。翼くん、ウチの相葉を助けてくれてありがとう」
あの時、桜井は相葉から離れた場所にいたために何もしてやる事が出来ずにいた。
だから、今井に自分からも大切な仲間を助けてもらったお礼が言いたかった。
桜井からの礼の言葉に「えっ?・・・」と、今井が小さく声を上げる。
が、その声は「そうだよ、あの時さぁ松潤もいたけど俺の腕を取って立ち上がらせてくれたのは、翼くん
だけだったんだよねぇ・・・。松潤ってば薄情だよ・・・」とブツブツ文句を並べ始めた相葉によって消され
てしまい、桜井と相葉の耳に届く事は無かった・・・
「あのさ、俺ずっとここにいたから他の所へも行きたいんだけど・・・一緒に行かない?」
そう言って相葉は、桜井と今井の顔を見た。
「うん、いいよ」
「・・・2人がいいなら・・・」
即答した桜井とは対照的に、今井は言葉を選ぶように答える。
「やった〜! 俺ね、みかん狩りがしたいんだ」
相葉は自分のリュックの中から地図を取り出して、2人にみかん畑の場所を指し示した。
「ここに来る途中にみかん畑があったの知らなかったから素通りしてきちゃったんだ・・・」
桜井と今井が地図を覗き込むと、立ち入り禁止区域のチェックは校舎周辺までしかしていなかった。
どうやら、相葉がここで居眠りをいていたのは本当らしく、それに気付いた2人は揃って溜息をついた。
桜井は、今にも勇んでみかん畑へ向かいそうな相葉に声を掛ける。
「あ・・あのね、相葉さん?・・・。行く気満々の所非常に申し訳ないんですけれど、もうみかん畑は立ち
入り禁止区域に指定されてますよ・・・」
「えっ? ウソッ! 俺知らないよ!」
そりゃそうだろ・・・。と思いながらも桜井は相葉に、光一から2回目の放送があったことを教えた。
「え〜。俺が寝ている間に誰かがみかん狩りしちゃったの?」
相葉のピントのズレた答えに脱力した桜井は「交代して・・・」というように今井の方を見た。
「だからね、相葉ちゃん。行くならみかん畑以外の所にしようよ」
「うん。それなら仕方ないね・・・。そうしよっか」
今井の言葉に渋々と相葉も同意した。
桜井は相葉の地図にチェックをしてやりながら「いつもと同じ相葉ちゃんで良かった・・・」と安堵してい
た。
「じゃあ、どこへ行くかは翔くんが決めてよ」
相葉は地図を受け取りながら、桜井が行き先を決めるのが当然といった風に告げた。
「なら、とりあえず下へ降りますか・・・」
いつもの事だと、たいして気にもせず桜井は相葉と今井を促した。
見習いさん乙です!
自担に危機感が無さ気でドキドキ。
でもこのドキドキ感がたまらないのでつよね(w
これからも頑張って下さい!応援してまつ!
見習いさん乙カレーです。
先が楽しみです…ワクワク
乙彼です。
先が知りたい…そして早く3回目のアナウンスが入って欲しい…ムフフッ
更新乙です、いつも楽しみにしてます!
それと…傘とつは結構仲良しさんですよ今でも付き合いあるくらいには。
あとつ→ひらの呼び方は詳しくはわかりませんがつの方が年上なのでひら(名字)ちゃん・君のどちらかだと思われです。
参加者の年齢は(四月はじめで)
小僧=歪<ひら<滝=傘=つ<平=凸>☆=剛>末っ子=光=番長>>香=紫=俺様>>中堅=草>稲>キム=博様=中>何様>長老>>>>植=東>錦(>で1年分)
です、参考までに。
小僧=歪<ひら<滝=傘=つ<平=凸<☆=剛<末っ子=光=番長<<香=紫=俺様<<中堅=草<稲<キム=博様=中<何様<長老<<<<植=東<錦(<で1年分)
すみません途中で裏がえってました、訂正。
現実のひらもこんなにふわふわした子なのですか?
色んなBR読んでると、本人が実際どんな人なのか
一体どんな奴なのかサッパリ分からない(w
274 :
ななしじゃにー:03/02/11 19:19 ID:UUEn+kws
見習いさん乙です!つの微妙な苦悩グッときました。ボケボケひら、らしくて好きです。テンション上がると周りが見えないひらが銃を持っててドキドキ。傘には、つを逆撫でないよう、ひらを暴走させないよう、と忠告したい…。
ここの感想レスの、歴代稀に見る厨臭さに驚き。
見習いさんモツカレー!なんだか自担が活躍しそうな展開にドキムネw
>271−2
どこを斜めに読んだか知らんが相葉さん呼びは傘でしょ、表現上の効果じゃん。
>274
sageれ。
>271-2
副将ぬけてませんか?
ほしゅ
乙ケレです。
壺初心者の自分にとったら、まだまだ壺用語が理解不能…
小説頑張ってくらさい
鯛・須磨・鴇・近畿・武威・あらち・滝つ…のフルメンバーで
一斉に取っ組み合いしたらどのGが最後まで強い(残る)のか気になるー。
もしくはこれで順位付けしたらどんな感じかな、と。
>280
この板のあちこちで展開されてるバトロワみたいになるんじゃなかろうか。
運動会について副将が「今の若いヤシはみんな体力がない」と嘆いていたが、
確かに取っ組み合いなら若い方から順に消えていきそうだ。
遅レスでつが、末っ子の連想する意外な武器が「芋けんぴ」って最高。さすが天然。
「アレね〜、俺が昔食ってたら口の中に刺さっちゃた事があって、スゲェ痛かった・・・」発言カワイイ〜。
紫の「そろそろ満月だし、夜になったら波間に浮かぶ月を泳いで割れそうだしよ」発言はよくわかってらっしゃる(w
副将が優しい笑顔の殺人鬼になりそうでドキムネ。
保守
284 :
ななしじゃにー:03/02/18 18:51 ID:9HPGvf2b
続きまだかにゃー…
お久しぶりです。
更新を忘れている訳ではないのですが、なんか悩み中でつ。
最近のレスを見ていると、どうも自分の文章って分かりづらいのか?・・・と。
ストックを読み返してみては溜息。
276さんのような方もいるのでホッとしておりまつが・・・
とりあえず、もう暫くお待ち下さいませ。
>282
「芋けんぴ」に反応してくださって嬉しいでつ。
自分でも書いていて笑ってしまった箇所のひとつ(藁
今日初めてこのスレに気付きました。
今日1日かけて一気に読んじゃいました。おもしろかったあ!
そんでふと気になったんですが、見習いさんって誰担なんですか?
私もわりと蛇ニ全体網羅してるほうなんですが、
各々の行動が実際の性格とぴったりなんで驚いてます。
でも自担には死んでほしくないよお・・・なんて思ってしまってますが(苦藁
287 :
ななしじゃにー:03/02/19 03:41 ID:3He/syWX
見習いさん、悩まないでー!
判りづらくなんかないですよ。続きを楽しみにしてる人がいっぱいいるのが、ちゃんと伝わってる証拠ですよ。
288 :
891:03/02/19 05:39 ID:gQUTmofd
おもしろいですー。
今のとこ緊張と緩和の匙加減がたまらなくいい感じですが、
これからもっと緊張ばかりになってくのかな。
続き、楽しみにしてます。
ひらと傘の会話というか雰囲気、ものすごくイイ!まんまですね。
290 :
ななしじゃにー:03/02/19 06:37 ID:o3qHap71
291 :
ななしじゃにー:03/02/19 09:19 ID:a9hzDbee
そうですよー!!すっごく楽しみにしてます!!
いつ自担がメインに来るか…ドキドキ〜〜〜!!!
見習いさんお久しぶりですー。
私は見習いさんの文章はわかりにくいとは思いませんし、
特に最近は前にまして文章がお上手になられたなと思っていたくらいでした。
それにこれからしばらくは季節も季節ですから…
気が向いた時にちょっと更新するくらいで十分楽しみですので
無理せずに長く続けてくださるのが一番いいと思います。
ご自分のペースで頑張ってくださいオマチシテマスヨー(*´∀`)!
>287.291
カキコは過去ログ読んでから、
期待するんだったらageない、これお約束。
せっかくだから副将を補完してみた。
小僧=歪<ひら<滝=傘=つ<平=凸<☆=剛<末っ子=光=番長<<香=紫=俺様<<中堅=草<稲<キム=博様=中<副将=何様<長老<<<<植=東<錦(<で1年分)
自担は随分後ろです…若い子には負けなそうですが(気だけは)
ここ見て思い出したんだけど、昔(って言うほどでもないけど)
代打屋さんがやってたジャニバトロアのスレって今もありまつか?
内容だけ途中まで保存してあったんだけど、途中で終わってることに気付き
今さら読みたくなってしまった・・・
スレタイ憶えてないから探せない。・゚・(ノД`)・゚・。
どなたかわかる方いませんか?スレ違いだったらスマソ
>294
ひたすら感謝感謝っす!!
さっそく逝ってきまつ!!!
読みづらくなかったと言って下さった皆様、う・・嬉しいです。
微妙なココロを表現したい箇所がこれから出てくるので、どうしよ〜。
と悩んでいたのでつが・・・よしっ!うぷしまつ(藁
読んでやって下され!
「ほら、相葉ちゃん。ちゃんと自分の荷物はリュックへ片付けてよ」
桜井の視線の先にはカロリーメイトの箱が、相葉がいたと思われる場所に置きっ放しになっていた。
慌てて相葉はそれを拾い上げると、返してもらった地図と一緒に自分のリュックへ放り込む。
「ちょっと待って。何かあそこに見えない?」
“さて出発しよう”としていたところで今井が手すりの向こう側を指差した。
「えっ、マジ? ヤバクないここ?」
桜井も手すりから今井の示す方を懸命に眼を凝らして眺める。確かに人影らしきものがこちらに近づ
いてきているような気がした。
―――いったい誰がここに・・・
桜井と今井の上に緊張した空気が流れる。
「あっ、あれは・・・」
「あ〜っ!! 大野くん!」
桜井がその人物が誰なのかを認めた瞬間、それよりも一足先に相葉がその人物の名を呼び、リュック
を放り出して階段を駆け降りていった。
「あっ・・ちょ・・ちょっと、相葉ちゃん」
桜井の相葉を呼ぶ声だけが響くが、もう姿が見えなくなってしまった相葉には届くはずも無い。
「まったくもう」と言いたげな表情で桜井は苦笑いをしながら、今井に「俺達も行こう」と誘った。
外では相葉と大野が揃って桜井と今井が出てくるのを待っていた。
「俺ね、ここで眠っちゃう前に嵐のメンバーは今何処にいるのかなぁ〜とか、会いたいなぁ〜って思って
たんだ」
本当に嬉しそうな顔で、自分がいかにメンバーに会えて嬉しいのかを、相葉は桜井と大野に真っ直ぐ
に伝えてくる。
それに応えるように大野は嬉しそうに相葉の髪の毛をガシャガシャとかき回し、桜井は相葉にリュック
を渡しながら「俺だって同じ事思ってたよ」と満面の笑みで告げた。
「あ〜、ここにSMAPがいなくて良かったぁ・・・」
大野が心底疲れたように呟く。
「何? なんかあったの?」
その様子に心配した桜井が声を掛ける。
「う、うん・・・まあね・・・」
少し口ごもった大野はチラッと今井を見ると、再び視線を話しかけてきた桜井に戻し、今まで自分が見
てきたことを話し出した。
「俺はヤだからねっ!」
その話を聞いていた相葉は急に大声を出す。
「な・・何? いきなりどうしたの? 相葉ちゃん・・・」
「だってさ、俺は大切な仲間を草薙くんみたいに殺したりなんて出来ないし、大体そんなことするなん
て信じらんない!」
桜井の問いかけに憤慨したように相葉は答える。
「うん。大丈夫だよ、相葉ちゃんは」
ポンポンと相葉の肩を叩きながら大野が相葉の顔を覗き込む。
「大野くん・・・。大野くんも翔くんも・・・」
途中まで言いかけて躊躇ったように言葉を濁した相葉は一呼吸置いて続けた。
「・・・ニノも・・松潤も。俺達は、仲間を裏切るようなことなんてしないよね?」
お願いだから肯定して欲しい・・・。そんな顔をして相葉は大野の顔を見た。
「心配すんなって。俺達を信じろよ」
大きく頷き返す大野の横で、桜井が相葉の背中をドンッと叩いた。
その勢いに押されてヨロっとなりながらも、相葉はうっすらと赤くなった自分の眼をそっと擦った。
「じゃあ、大野くんが来た方角へは行かない方がいいかな?」
地図を広げた桜井が、大野と地図をチェックしながらこれからの計画を練る。
それに加わる事もなく相葉は地面に座り、リュックの中を覗きながらなにやらゴソゴソとしていた。
「相葉ちゃんは、いいの?」
今井が相葉の前に屈みこみ声を掛ける。
「ん?」と顔と上げた相葉が、今井が目線で示した方向を見る。
「あぁ、大丈夫。こういう事はいつも翔くんが決めてくれるし。行き先が決まったら教えてくれるよ」
そう簡単に言うと、再び相葉はリュックと格闘し始めた。
「ふ〜ん・・・。そうなんだ・・・」
今井は、一緒に地図を眺めている桜井と大野、リュックを覗き込んでいる相葉を背を延ばし代わる代
わる眺めて小声で呟いた。
なんだろう・・・さっき消えたと思っていた孤独感が蘇る。いや、これは疎外感っていうのだろうか?
彼等3人の会話を聞いてから・・・いや、展望台を出る前にも感じていた胸の奥のチクッとした小さな痛
み・・・それがじわじわと大きく広がってきている気がした。
「なんで痛いんだろう? ここ・・・」
今井は胸に手を当てて苦しそうに顔をしかめた。
「・・・翼くん? 翼くんてば、聞いてる?」
相葉が自分の肩を叩きながら呼ぶ声で今井は、いつの間にかリュックを背負った相葉が自分の目の
前に立っていることに気づいた。
「行き先が決まったみたいなんだけど・・・。翼くん、どこか具合悪いの? 大丈夫? 歩ける?」
心配そうな顔をしている相葉に「大丈夫」と返す。
「でも、苦しそうだよ? もしかして、ここに来る途中で怪我でもしたの?」
嬉しいはずの相葉の優しさがますます胸の痛みを深くする・・・
―――お願い・・・どうかそっとしておいて・・・今はひとりにしておいて・・・
――――お願いだから・・・そうすれば多分この痛みは収まるはず・・・
―――――すぐにまた、さっきみたいに笑えるはずだから・・・・・・
おお〜、更新ですね!楽しみにしてました〜。
ううっ、なんだか切ない展開・・・。
無邪気なのが時には知らずに人を傷つけてたりするのね、
なんて思いながら読みました。
また続き待ってます!
見習いさん待ってました。
ひら傘平安の絆?と、つの孤独感がいい感じですね。
続きも楽しみに待っています。
見習いさんお帰りなさーい!ちょうど、平安はどうしたかな、SMAPのいないとこに居るといいな…と思ってたんで、合流は嬉しかったでつ。
他担でつが(藁
う〜、書いててドキドキする自分(藁
今日の分が皆様に受け入れられるか・・・
ますます深まる孤独感。ってなカンジでつ
では、どうぞ
「翔くん、大野くん。翼くんの具合が悪いみたいなんだけど・・・」
どうしよう・・・。そんな顔で相葉は桜井と大野を呼んだ。
「翼くん、どこか痛い所ある?」
桜井が心配そうに声を掛ける。
「ううん・・・平気。大丈夫、歩けるよ」
「分かった。一応ゆっくりと歩くけど・・・相葉ちゃん、翼くんに付いててあげてね」
今井の返事を聞いた桜井が相葉に指示を出す。
すると今度は大野が桜井の肩をポンッと叩き、今井と相葉の方へ手を出した。
「?」と思う今井をよそに、相葉は済ました顔で自分のリュックを大野へ預ける。
「もし、体調が悪い人とかいたら、お互いにカバーし合おうね、っていうルールが俺達にはあるんだ」
相葉の行動の意味が判らなかった今井に、相葉は自分達の――嵐の――ルールを説明した。
だからそれ故に、大野はごく自然に、今井とその介助をする相葉の邪魔になる荷物を持とうと手を差
し出したのだった。
「あ・・・。あ、そうなんだ。でもさ、俺・・嵐じゃないし・・・」
―――ムネガ・・・イタイ
それを聞いた今井は、今にも泣きそうな、それでいてやはりどこか苦しそうな顔をして、少しずつ後ず
さりしながら3人の顔を見た。
「何言ってんのさ、そんなの関係ないよ」
相葉が、どんどん自分達から遠ざかる今井に声を掛けながら近寄る。
「ほらっ、翼くんも荷物かして・・・」
自分へ向けて差し出された相葉の手を今井は振り払った。
相葉はパシッと音を立てて拒絶された自分の手を咄嗟に引っ込め、驚いた表情で今井の顔を見る。
「つ・・翼くん?」
「あ、相葉ちゃん・・・。ごめん、俺・・・」
相葉以上に傷ついた表情で今井は謝った。
どういう訳か急に様子が変わってしまった今井を刺激するのを避ける為に、桜井と大野は2人の様子
を、その場から動かずに見守っていた。
「なんかさ、翼くんの様子変じゃない?」
「うん、変だ。なんか・・・ヤバイ感じがする」
桜井の言葉に大野も得体の知れない不安を感じていた。
「あの2人の武器って何か知ってる?」
大野の唐突な言葉に桜井の顔が不安に覆われる。
「そういえば・・・俺、聞いてない。会えたことが嬉しくて、そんな確認してないし・・・したくなかった」
「翼くんが、相葉ちゃんを攻撃したらどうする?」
仮定だけどね・・・。と大野は言葉を濁したが、今井を攻撃するのか? という問いかけのように桜井に
は聞こえた。
「相葉ちゃんは、絶対に自分から人を殺めたりはしない。もし、翼くんが相葉ちゃんを傷つけるような事
をしたら・・・俺は、翼くんを敵とみなすから」
大野のはっきりとした声に桜井は驚いた。
「お・・大野くん・・・」
「翔くん、俺はさ、さっきも話したけどここへ来る前に東山さん以外の死体に出会ってるんだ・・・。3人も
だよ・・・。数時間前まではみんな元気だったのに、もう呼んでも返事はないし、動きもしないんだ。
何もしていない相葉ちゃんが、俺の・・俺達仲間のいる前でそんな風になるのは耐えられない・・・」
大野は校舎を出てから、どれだけ心に傷を負ったのだろうか?
滝沢が見せしめのように殺されるのをまず見た。そして植草を看取り、木村が仲間に殺される様を見
た。特に木村の死は、木村の仲間の草薙から与えられたものだっただけに、大野が受けたショックは
計り知れないものがあるだろう・・・
「俺の話を聞いた時、相葉ちゃんが、『大切な仲間を殺したり出来ないし、そんなのは信じられない』
って言ってくれたのは凄く嬉しかった・・・。俺と同じ意見だったから」
きっと、大野は自分の無力さを嫌というほど噛み締めてきたのだろう。
「分かったよ、大野くん。俺も、相葉ちゃん無しの嵐なんて考えられないしね。俺達2人の眼の前で相葉
ちゃんを傷つけさせるような真似はさせないよ」
桜井は大野とパチンと手を合わせた。
「でもね、翼くんが何もしないでくれるのが一番良いんだよ」
大野は場を和らげる様にふと表情を変え悪戯っぽく笑った。
「翼くん、行こう。みんな待ってるし」
相葉が困惑した顔で今井を促す。
「・・・・・・(違う、2人が待っているのは相葉ちゃんだよ)」
今井は相葉の後方へ視線を投げる。
「ここにいたらきっと危ないよ」
「・・・・・・(そうかもしれないけれど、でも・・・)」
「翔くんも大野くんもいるし、皆でいたほうが安全だよ」
「・・・・・・(だって、それは相葉ちゃんの仲間だよ)」
いくら声をかけても返事をしない今井に、相葉は再び手を伸ばして腕を掴む。
相葉は、今度は手を振り払われなかった事に安心し、桜井と大野の元へ連れて行こうと腕を引っ張っ
た。
いきなり腕を引っ張られ驚いた今井は、先程よりも凄い勢いで相葉の腕を振り解いた。
「翼くん!?」
2度目の拒絶に相葉の眼は驚愕に見開かれる。
「ごめん・・・。俺さ、やっぱり独りで行くよ」
今井は早口で相葉に告げるとクルッと背を向けて歩き出した。
「なんで? 翼くんさっき、一緒に行くって言ったじゃん!」
背を向けた今井に相葉が叫ぶ。
両手をグッと握り締めて歩いていた今井はその言葉を聞くと足を止め、先程までとはガラリと変わった
無表情で後ろの相葉を振り返った。
「だから何? 一緒に行くって言ったのを取り消すだけなんだけど」
相葉は、まるで別人のように急激な変化を見せた今井に驚く。
「自分達だけ仲間同士でツルんでいればいいだろ?」
―――チガウ・・・
「そ・・そんな言い方・・・」
ショックを受けた相葉はただ返す言葉もなく立ち尽くす。
「なにが『ウチの相葉』だ! なにが嵐のルールだ! そんなもの俺には関係が無い!」
―――チガウ・・・
今井の言葉の刃に傷つきながらも相葉は、今井へ近づこうとした。
「来ないでくれ! 迷惑だ!」
―――チガウ・・・
今井に拒絶の言葉を投げつけられても相葉は近づいてくる。
「来るな―! 俺を独りにしてくれ――!」
どんどん近づいてくる相葉に恐怖したのか、今井はそう叫ぶとウエストに挟んでいたM59を抜いた。
「マズイッ! 翼くんの武器は拳銃だ」
相葉と今井のやり取りを、固唾を呑んで眺めていた桜井と大野は、今井が取り出し相葉へ向けたもの
に気づいた。
「相葉ちゃん! 危ないっ! 離れて!!」
大野の叫び声が響き渡る・・・
「えっ?」
自分に向けられている銃に相葉は驚く。
そんな相葉に言い聞かせるように今井はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「相葉ちゃん。俺はね、翔くんが『ウチの』って言った瞬間とてもムカついたんだ。無意識に自分の仲間
だっていうのをアピールしてる言い方だったからね」
―――チガウ・・・チガウ・・・・・・
「大野くんが来た時もそう、3人の太〜い絆を嫌というほど見せ付けてくれちゃって」
―――ソンナコトガイイタイワケジャナイ・・・
「そしたらトドメに『俺達嵐のルール』と来た」
―――ダレカ オレノコトバヲトメテクレ・・・・・・
「忘れてるようだけどさ、俺には・・俺の仲間はもういないんだよ。滝沢は一番初めに死んだんだから」
―――タダ・・・サンニンノキズナガウラヤマシカッタダケ・・・
「3人で仲良くやってればいいだろっ!」
―――ココカラ ニゲダシタカッタダケナンダ・・・
今にも泣き出しそうな顔なのに荒く早い口調になってきている今井の言葉・・・。そして、それに同調す
るかのようにカタカタと震える銃を持つ手。
自分に銃と言葉の刃を向けている今井の顔を、相葉はただ黙って見つめていた。
銃を取り出したまま特に相葉に危害を加えるわけでもない今井の声は、少し離れたところにいる桜井
と大野にも聞こえていた。
「マズイ、マズイよっ! 翼くん、ヒステリックになってきている」
「俺が行って来る」
大野は桜井に告げると相葉の元へ駆け出して行った。
「ちょっと、大野くん・・・」
桜井は、大野を援護しようと自分のリュックの中に手を突っ込む。
だが、大野が走り出すより先に今井は相葉を突き飛ばし、尻餅をついた相葉を地面に縫い止める様
に両足へ向けて発砲していた・・・
えっと、文中に出てくる『嵐のルール』、本当にあるかどうかは知りません
あくまでも架空のお話ですのでお間違えにならないように(苦藁
切ない…。切な過ぎる…。
でも、いい展開ですねー。
まったりとしたとこから急転、しかもその心理は絶妙。
自担Gですが、「ルール」本当にありそうななさそうなw。
お話の効果としてもいい感じだと思います。
続き、また楽しみにしてまーす。
見習いさんキタ―――――!!
イイです!
ひらはどうなっちゃうの?!ハラハラ、ドキドキ。
更新楽しみにしてま〜す。
ひらが…どうなっちゃうのー!?
無事でありますように、なんて言えないが、南無南無。
つーーーっ!
見習いさん、この先どうなってしまうのでしょうか?
自分アフォなので先が読めません。
うわ―――ん。終わらないよ・・・
ホントは今回でこのシーン終わるはずだったのに
まだ続いてる・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
ナムナムしたくないのか・・・自分。
立て続けに聞こえてくるパーンという乾いた音・・・
それが今井の持つ銃から発せられたものだという事に桜井は暫く気付かなかった。
相葉の元へ駆け出す前の大野の背に、ふと触れた自分の手を眺める。
きっと大野くんは大丈夫。たぶん今一番危険なのは・・・相葉ちゃん。
桜井も大野の後を追うように慌てて走り出した。
「うわぁぁ・・・」
相葉の口から引き攣った叫び声があがる・・・
だが、相葉を狙った弾丸は、今井の手が震えていたせいなのか――それとも今井が故意にした事な
のか――2発ともわずかに逸れ、相葉の靴のすぐ側の地面を抉っていた。
相葉の叫び声は撃たれた痛みではなく、自分へ向けて発砲されたという恐怖から来るものだった。
だが、夢中で走っていた大野がそれに気付く訳もなく、相葉を助けようと今井へ走り寄ると、銃を持つ
腕目掛け飛び掛っていた。
「くっ・・・」
大野に飛び掛られた衝撃と発砲後の反動も手伝って、今井の身体は大きく傾いだ。
今井はそれを両足で踏ん張って堪え、自分の腕を押さえ込もうと両手で掴まっている大野の腹を蹴り
上げる。
「うっ・・・」
自分を掴んでいる腕から少し力が抜けたのを感じ、更にもう2回ほど大野の腹を続けざまに膝で蹴り
上げた。
その衝撃によって倒れた大野を忌々しげに見下ろし、今井は銃口を今度は大野へと向ける。
「チッ、しつこいんだよ。お前ら・・・」
―――ドウシテ・・・ムカッテクル?・・・
今井は、地面に倒されたまま静かな表情で自分を見上げてくる大野に向けて、パーン・・・一回引き金
を引いた。
1発だけ大野ヘ向けて放たれた銃弾は、今度は外すことなく大野の胸に命中していた。
上半身を少しだけ起こしていた大野の身体がゆっくりと仰向けに倒れて行く・・・
「大野くんっ!!」
硬直したままだった相葉がその光景を見て悲鳴を上げた・・・
叫び声を聞いた今井は相葉の方へ顔を向ける。
「なんで?・・・どうして? 大野くんは?・・・」
相葉は今井の視線を感じつつも、先程銃を向けられた事もそれを恐れた事も忘れ、ただ心を哀しみで
一杯にしながら動かない大野を見つめ涙声で呟く。
「だって、急に俺に飛び掛って来るんだもん。危ないじゃん」
―――アイバチャンヲタスケニキタ オオノクン・・・
今井が相葉の呟きに対して返事をする。
答えが返ってくると思っていなかった相葉は驚いて今井を見た。
「だからって・・・大野くん、動かないじゃん。翼くん、今自分が何したか分かってる?」
尻餅をついていた相葉は勢いよく起き上がり今井へ詰め寄る。
カチャッ・・・。今井は銃を再び相葉へ向けてその動きを牽制した。
「ウッ・・・」
「そんなに撃たれたいの?」
―――オオノクンニタスケラレタ アイバチャン・・・
「なら・・・撃たれてみる?」
―――オレダッテ ウチタイワケジャナイ・・・
相葉は、ジリジリと後ずさりしながらも瞳に批判の色を浮かべ、今井から眼を逸らさずにいた。
―――オレガワルイノカ?
相葉の瞳の力に耐えかねたように今井は引き金を引く指に力を込める。
今度は自分を狙う銃口に恐れて叫び声を上げる事もせず、相葉はただ今井の眼を見つめていた・・・
ドカッ、バサッ・・・パーン・・・・・・
放たれた銃弾は相葉から逸れ、まるで見当違いの方向へ飛んで行った。
「相葉ちゃん。大野くんを早く安全な場所へ移動させて!」
撃たれる事を半ば覚悟していた相葉に、桜井が何かを投げたような格好のまま声を掛ける。
「翔くん? だって、大野くんはもう動かないんだよ・・・」
今井へ向けていた眼を桜井へと移し、哀しそうな声で相葉は答えた。
「いいからっ! 早くしろよ!」
桜井の怒鳴り声に相葉は慌ててピクリとも動かない大野へと近づこうとして、足元に辞典が落ちてい
る事に気付く。
桜井が投げたモノ――桜井の武器の辞典――が今井の腕に当たった為に銃弾は逸れ、相葉は助か
ったのだった。
相葉はそれを拾い上げると大野の元へと近寄り、後ろから大野の脇へ手を入れ引き起こし、その場か
ら離れようと引き摺り始めた。
大野を引き摺りながら遠ざかる相葉を見て桜井はホッと安心し、銃を持った腕を下へ垂らしたままの
今井へ近寄る。
「翼くん。これ以上俺の仲間を傷つけるのは止めてくれない?」
その桜井の言葉にピクッと頬を引き攣らせた今井は、今まで見せたことが無いほど哀しそうな顔をして
見せた。
「ここで俺達と翼くんはお別れだ。じゃあ・・・」
今井の表情を見ても桜井は特に動じる様子もなく、淡々と別れを口にし、背を向けて仲間の――相葉
や大野の――元へ向かうために歩き出そうとした。
「・・・ご・・まで・・・。最後まで・・・俺に絆を見せ付けるんだ・・・」
喉から振り絞るようにして出された今井の掠れた声が背後から聞こえてくるが、振り向く事も声を掛け
る事もなく、桜井は今井から遠ざかる。
もう今井の姿など見たくない、声も聞きたくないと言わんばかりの桜井の態度が、今井の脆くなってい
た心にヒビを入れる。
―――イラナイ! イラナイ・・・ナカマナンテイラナイ!!
今井のココロが砕けた瞬間だった・・・
見習いさん、乙です!
ああっ!ついに…つが弾けてしまった!
しかも撃たれたのはひらじゃなくて平安とは!
そして傘まで!?ハラハラドキドキ
自分このシーン好きなんで、続いていて嬉しいです。
見習いさん乙彼様です。
つ!?どぅなってんスか?続き楽しみです。
見習いさんキタ━━━( ` ▽´( ●=●(゚ ー゚ ( ´/д`( `ー´ (●●(´ε`(^▽^・( 仝ー仝:(≧∀≦○( ・_ゝ・(-θ-(・△・~(´ー`(・ш・(’◇’ (´へ`;Ψ(`∀´(…`д´(´∀`‥)━━━!!!!
更新モツカレーです、
平安、つ…(つД`)
つは確実に死にそうだがせめて誰かに修正されてから死ねるといい脳。
>320
感想レスでageない。
>>321 顔文字違うねん。これやねん。
ノフフフ∋ノハノハヽ !!!!!!!! 、 ,
( ´/θ`)^ー^)゚ ⊇ ゚)●з●)゚ ▽ ゚)● ●)^▽^・)´ з` )仝_仝:)≧∀≦)VーV)- θ -)・ △ ・)´ー`)・ш・)’◇’)´へ`;)` ∀´)Ψ(…`д´)´∀`‥)━━━!!!!
あぁ・・・もうちょっと続いてまつ。
どうか見捨てないで読んでやって下され。
だんだん書いててヘビーな気分に・・・(苦藁
ようやく大野を安全な場所まで引き摺ってきた相葉は、額の汗を拭ってホッと一息ついた。
相葉は大野をひとりこの場に残していく事がどうしても出来ずに傍らに膝を付く。
「大野くん・・・ねぇ、眼を開けてよ・・・。翔くんと3人でニノと松潤を探そうよ・・・ねぇ・・・」
桜井の辞典を枕にして仰向けに寝かせた大野に向かい涙を流しながら話しかける。
「俺・・・イヤだよ・・・大野くんがいなくなっちゃうなんて・・・」
確かに自分の眼で大野が今井に撃たれるところを目撃していたのに、ここまで引き摺ってきても動き
もしなかったのに、諦めきれず大野の身体を揺さぶり続ける・・・
「・・・・・・・・・」
しばらくして、ピクリとも動かず眼を閉じたままの大野の頬をひとつ撫で、涙を拭いて相葉は立ち上が
った。
「翔くんを迎えに行かなくちゃ」
リュックを整理した時に、万が一を思ってジャケットのポケットに忍ばせておいたワルサーを無意識に
触ると、再び桜井と今井のいる場所へと戻ろうと歩き出した。
桜井が険しい顔で自分の方へ向かって歩いてくる・・・
「・・・あれは・・・緊張している顔?」
よくコンサートの前に桜井はこんな顔をして見せる。それとよく似た、けれどもどこか違うピリピリとした
雰囲気を感じ取った相葉は、桜井の後ろに今井の姿を見つけた。
桜井は相葉が感じたように、緊張した空気を纏いつつ平常心を保ちながら懸命に足を動かしていた。
もし、走ったりしたら今井が背後から撃ってくるかもしれない・・・そんな危険を感じながら・・・
「な・・何? 翼くんの顔・・・一体どうしたの?」
相葉が驚く前で、今井の銃を持つ腕が上がる・・・
「翔くん!! 危ない!!」
それは、まるでスローモーションの映像を見ているようだった・・・
今井の意図に気づいた相葉が慌てて桜井に向かって大声を上げる。
が、それよりも早く今井の銃からは弾丸が飛び出し、桜井の肩を貫く。
リュックを背負っていたせいで致命傷は免れたようだが、その衝撃で肩に掛けていた部分が千切れた
―――パンッ、という銃声・・・
―――ゆっくりと傾ぐ桜井の身体・・・
―――地面へと落ちる桜井のリュック・・・
だが、桜井は倒れずに撃たれた肩を庇いながら、仲間の元へ帰ろうと脇目もせず――リュックを拾うこ
ともなく――決して走ろうとせず、ただひたすら真っ直ぐに前を見つめて歩き続ける。
まるで何事も無かったかのように・・・
そんな桜井に止めをさすように、今井はもう一度背後から弾丸を撃ち込む。
「ぐっ・・・」と短い呻きを漏らした桜井の口の端からは血が滴り始める・・・
それでも桜井は何かに取り付かれたかのように、相葉の元へ、大野の元へ帰ろうとする。
痛みに叫ぶ事もなく、倒れる事もなく歩き続ける桜井に恐怖した今井は、更に2発を桜井の背中目掛
け撃ち込んだ。
「・・・・・・うっ・・くっ・・・」
短い呻き声を上げ跳ね上がった桜井の身体が、ドサッと音を立てとうとう地面へと倒れこんだ。
しかし、手が・・・指が・・・再び立ち上がろうと力を込め、土を掴み、地面に幾筋もの溝をつけて行く・・・
そして、その背後でようやく倒れた桜井を安堵した表情で見下ろす今井の姿・・・
ようやく相葉にスローモーションの映像が途切れ現実の時間が流れ出す。
「しょ・・翔くん・・・。翔く―――ん!!」
相葉はとっさにワルサーと取り出して銃口を今井へと向ける。
「翼くん。もうやめてよ! これ以上俺の仲間を傷つけないで・・・」
「ふ〜ん・・・やっぱりね。同じ事言うんだ・・・」
どこか冷めた目をした今井が、自分の手の中で銃を弄りながらあっさりと言い放つ。
「俺はさ、いい加減イヤになったんだよ。お前らの仲間意識って奴にね」
そう言いながら桜井に再び銃口を向ける。
「翼くん・・・」
「丁度いい機会だから、大切な仲間が眼の前で殺される気分っていうのを味わってみる?」
―――オレミタイニ・・・
「やめてよ―――!!」
構えたままだったワルサーの引き金を相葉は引いた。
仲間だと、友だと信じていた今井へ向けて・・・
だが、弾丸はわずかに逸れ、今井の髪の毛を幾筋かハラリと落とすだけに終わった。
「何? 相葉ちゃん、俺を撃つ? 殺す? それならそれでいいけどちゃんと狙ってよ?」
「お・・俺はそんなつもりは・・・」
自分に銃を向けられただけでなく発砲されたにも拘らず今井は平気な顔をし、反対に銃を撃った相葉
の方が後悔の念を顔に浮かべていた。
「弾が勿体無いから撃つのは止めてあげる。どうせ翔くんはもう永くないだろうし・・・」
そんな相葉を見て、今井は銃を自分のウエストに挟み込みながら面白そうに告げた。
そして、クッと笑うと相葉に指を突きつけて一言付け加え今井は立ち去った。
「相葉ちゃんの眼の前で大野くんは一瞬に、翔くんはゆっくりと・・・」
―――死んでいく様を見てるといいよ・・・
見習いさん、乙です。
つの気持ちの変化が伝わって来ます。
自Gはあらち面の様に助け合えるといいなあ‥。
上げちった…。
見習いさん乙彼でつ。づっと見てるので続けてくらさいね
更新ありがとうございます!
こんなに非情になってるのに、つがかわいそうになってくる…。
見習いさん、また楽しみにしてます。
見習いさん
キタキタキタ━━(’◇’)・ш・)…`д´)━━━!!!!!!!
つ……
いつか救われますように(ノンノン
その前に大量殺戮しちゃいそうだけど(ニガワラ
見習いさん、続き楽しみに待っています。
教えてチャソでスマソ
完結サンの続きが見つからない・・・・
ヒントでいいんで落としてもらえんか脳
ようやく終わったこのシーン、とっても疲れまちた・・・。
当初の予定ではもっと短かかったのになぁ。
困った困った(藁
ではどうぞ。
相葉は銃をポケットへ入れると慌てて桜井の元へと駆け寄る。
「翔・・くん・・・翔くん!」
必死に地面を掴もうとしていた桜井の指先からは、血が滲み出し爪には土が入り込んでいる。
けれどもそれはほんの少しの事で、桜井の身体からは夥しいほどの血が流れ出していた。
相葉の呼びかけに桜井の閉じていた瞼が持ち上がる。
「あぁ・・・相葉・・ちゃん。無事・・で良か・・・った・・・。どう・・した? な・・に・・・泣いて・・んの?」
苦しい息の下で切れ切れに話しかける桜井は、自分のことよりも相葉も無事を喜ぶ。
桜井に言われ始めて自分が泣いている事に気づいた相葉は、その桜井の言葉に、ただただ泣くことし
か出来なかった・・・
「大・・野・・・くんの、所まで・・・連れ・・て行っ・・・て・・・」
「翔くん・・・」
その願いに応えようと、相葉は桜井を抱き起こそうとしたが、桜井の身体は既に自分で力を入れること
が出来ずに、支えようとしても立ち上がることすら無理に等しかった。
だが、相葉は諦めず、倒れている桜井の身体の下に自分が入り、背中に背負って立ち上がる。
そして、ふらつきながらも大野の元へと桜井を少し引き摺りながら連れて行った。
―――道筋のように桜井の靴跡を残して・・・
大野は相変わらず辞典を枕にその場に静かに横たわっていた。
「翔くん、着いたよ。大野くんの所だよ」
桜井に告げ、静かに大野の隣に横たえる。
「あ・・りが・とう・・・・・・」
地面に横たえられる瞬間大野をチラッと見て、ホッと安心したように穏やかな表情を浮かべた桜井の
瞳が徐々に濁り始め光を失い始める。
「翔くん! 翔くん!! ダメだよ! まだ俺達、ニノにも松潤にも会ってないじゃん!」
俺を置いていかないで・・・ひとりにしないでよ・・・・・・
「泣・く・・・な・・よ・・・・・・」
自分へ向かって必死に声を掛けてくる相葉の涙を拭おうと伸ばそうとした桜井の手が、パタリと地面
へ落ちる。
そして、それが桜井の最後の言葉になった・・・
【桜井翔 死亡:残り20名】
まだ暖かい桜井の身体に取り縋り、相葉は唇を噛み締めて必死に涙を堪えていた。
―――泣くなよ・・・
桜井の最後の言葉が、何度も何度も頭を過ぎるが堪えきれずどうしても嗚咽が漏れる。
それを堪える為に顔を上げ、桜井の顔を眺める。
噛みすぎた唇からはツーっと血が伝い落ちていた。
「俺・・・ひとりになっちゃった・・・」
ほんの数十分前までは、仲間にめぐり合えた嬉しさと心強さとで幸せだったのに・・・
大野くんも、翔くんも俺を庇ってこんな目に・・・・・・。
「俺も死んじゃおうかなぁ・・・」
幸いな事に自分の武器は拳銃。これを頭に当てて引き金を引けば・・・
甘美な誘惑に相葉は囚われ、ポケットから銃を取り出し眺める。
そして、こめかみに銃口を押し当て引き金を・・・
ガシッ。
引き金を引こうとした瞬間、銃を持つ腕を掴まれる。
誰だ? 邪魔するのは・・・
そう思い自分の腕を掴んでいる人物の顔をノロノロと見上げる。
その人物を見た瞬間相葉は驚きの余りフッと意識を失った・・・
無意識下で相葉はその人物の声を聞いていた。
「ごめん・・・俺・・・。まさか、こんなことになってるなんて・・・」
そして、長い嗚咽・・・・・・
あぁ・・・ くん・・・泣いちゃだめだよ。翔くんが泣いちゃダメだって言ったんだから・・・
顔が水で濡れている。
これは・・・涙? 泣くなって言われたのに・・・早く涙を止めないと、翔くんと約束したんだから・・・
あぁそうだ くんにも教えないと。翔くんが泣くなって言ってたって・・・
それにしても、冷たい・・・冷たい・・・・・・
余りの冷たさにハッとして相葉は飛び起きた。
髪の毛から水が滴り落ちる。
ブルッと頭をひとつ振って水滴を四方へ飛び散らせると、足元の地面を見つめながら何が自分の身に
に起きたんだろう? と考える。
そして、自分が少しの間気を失っていた事に気付くと、その原因となった人物の名を恐る恐る呼んだ。
「・・・大野・・くん?」
その探るような呼びかけに、ペットボトルを逆さまにして相葉へ水を掛けていた大野は、両頬に涙の後
を残し、少し憮然とした顔を相葉へ向ける。
「相葉ちゃん。ダメだよ、そんな事しちゃ・・・」
そう言って大野は相葉の側に落ちていたワルサーを拾い上げた。
「やっぱり・・・。ほんとに大野くんなんだ・・・。生きてたの? 怪我は?」
相葉は大野が生きていた事に喜びながら、至近距離で撃たれた大野の身体の心配をする。
「うん、平気。ちょっと撃たれたのが近かったから気を失ってたみたい・・・」
いや、気を失うとかじゃなくって普通撃たれたら怪我するんじゃ? という相葉の疑問を消すように大
野は続ける。
「俺の武器さ、防弾チョッキだったんだよね。これって武器じゃなくて防具っていうんだと思うんだけど、
まぁ今回はこれのせいで助かった・・・」
「・・・あっ・・・そう、なんだ・・・そっか」
相葉は、同じ様に撃たれたはずなのに桜井と違って生々しい血の跡を見せない――少し褐色がかっ
た色合いの血はあったが――大野に気付く。
大野は相葉にワルサーを手渡すと「ホラッ」とシャツを捲って防弾チョッキを見せる。
大野が撃たれた防弾チョッキの胸元には、平気だったとはいえ銃弾がくい込んだ後が少し見られ、衝
撃の凄まじさを物語っていた。
「翔くんは知ってたのかな?」
相葉は桜井の亡骸を見ながら疑問を漏らした。
「・・・たぶんね。俺が、相葉ちゃんを助けに行こうとした時、翔くんは俺の背中に触ったから」
大野の答えにふと、桜井の言葉を思い出す。
「あっ、翔くんきっと知ってたよ。だって俺、早く大野くんを安全な場所へ連れて行けって怒られたもん。
翔くんは大野くんが無事なのを知ってたんだね」
その言葉を聞いた大野は、桜井のほうへ向き直り「ありがとう」と呟くと頭を下げた。
そのままの姿勢で中々頭を上げない大野を訝しがった相葉は、横から大野の顔を覗き込んでハッとし
たように自分の身体を離した。
「大野くん・・・」
頭を下げたまま大野は声も出さずに泣いていた。
大野の足元にポタリポタリと涙が落ち、小さな染みを地面に作っていく・・・
「大野くん。大野くん! 翔くんは『泣くな』って俺達に言い残していったんだから・・・だから、泣いちゃダ
メなんだよ。泣いたらいけないんだ・・・」
そう言いながら大野の背中へ手を掛けた相葉の声も涙のせいで震えていた。
暫くたってようやく落ち着いたのか、大野は身体を起し頬を拭うと地面に座り、桜井の顔を見ながら
相葉へ自分が桜井と話したことをポツポツと話し出した。
「俺、相葉ちゃんが攻撃されたら、翼くんを敵と見るからって翔くんに言ったんだ」
相葉も大野の側へ膝を抱えて座り、黙って話の続きを促す。
「俺はこのチョッキを着てるから、撃たれても大丈夫だと思った。でも、それで翔くんがこんな目にあう
なんて思わなかったんだ・・・。仲間がこんな目に合うのが嫌だっただけなのに・・・」
「ううん違うよ、大野くん。俺が翼くんを刺激したのがいけなかったんだ・・・。ひとりで行きたいって言っ
た時に止めなければ良かった・・・」
この出来事のきっかけとなった自分の言動を相葉は振り返っていた。
「タッキーがいなくなって翼くんが平気でいられる訳ないのに、俺は翼くんの心の傷を引っ掻いて更に
深い傷にしちゃたんだ。だから・・・」
―――だから、俺が翔くんを殺しちゃったんだ・・・
相葉の飲み込んでしまった言葉が聞こえたのか、大野は慰めるように相葉の頭をクシャクシャと掻き
まわした。
「相葉ちゃん。もう、悩んでいても仕方ないよ・・・時間は元に戻らないんだから」
そう慰めの言葉を口にしながらも、大野の顔も辛そうに歪んでいた・・・
「・・・ニノと松潤を探そう」
大野は自分達の気持ちが落ち着いてきたところで相葉に声をかけた。
「うん、そうだね。翔くんが助けてくれたって、ニノと松潤にちゃんと教えてあげないとね。やっぱり嵐の
メンバーは最高だって・・・これから4人で頑張ろうねって・・・」
相葉は無理に笑いながら涙声で返事をした。
大野は桜井の側に立ち「明日、迎えに来るから待ってて」と告げた。
相葉は「これ借りるね。明日返しに来るよ」と辞典を手に持ち、桜井へ振って見せた。
「「翔くん、また明日!」」
仕事が終わった後の挨拶のように桜井に告げて、大野と相葉は歩き出した。
皆さまにちょっとご相談です。
このスレが180KB超えていますが、
もう引越しをしたほうが良いと思いますか?
ご意見お願いします。
見習いさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
平安の武器が防弾チョキでありますようにと祈っていた甲斐がw
180k越えならまだまだ大丈夫では?
ジャニ板の容量のルールをあまり見たことが無いので他の板を参考にですが300k↑あたりが変え時なのではないでしょうか。
342 :
331:03/03/15 17:30 ID:atIFmc0p
>332
アリガトン
>341
どうもアリガd。
では、しばらくこのスレを使いたいと思います。
これからもヨロシクでつ〜。
りあーるなー
345 :
ななしじゃにー:03/03/25 15:28 ID:SRDS10UD
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見習いさん乙カレーです。
更新がんばってくらさい。毎回楽しみでつ。
見習いさん乙かれちゃーん。
丁寧な運び、またーりと楽しみにしてます。
待っていて下さる方、更新出来ずにごめんなさい。
歯が・・・歯がもの凄く痛くて書けない。・゚・(ノД`)・゚・。
歯医者へ通院してますのでもう少し待ってて下され・・・
明日、神経抜くんだって・・・怖いよぅ。
がんがれ見習いさん!マターリ待ってます。
痛いのとんでけー。優しみ配布。
* * * *
* *
*
(´ー`)ノポポポポポ・・・・
歯医者はこわーいのう。
見習いさん、まずは歯を治してくださいな。
ゆっくり待ってます。
(・∀・)〕<ハロー!ホシュサポートセンタデース!
見習いさんかんがって下さい。
…既に行進ストップしたスレが
2つ倉庫いき。
待ってまつ。
復活したよ〜!
虫歯治ったよ―――!!痛かった・・・
しか〜し、治った途端にグミとかチョコとか食べちゃうのだよ(藁
では、久々の更新でつ。
「今、放送が入ったんやけど、聞こえたか?」
廊下の窓から外を窺っていた城島が、室内へ戻ってくるなり国分へ訊いた。
「微妙に何か聞こえたような気はしていたんだけど、放送あったんだ。で、何て言ってたの?」
国分の返事を聞くと城島は、ベッドに潜り込んだままの中居の方へチラリと眼を遣り、小声で放送の
内容を国分へ伝える。
「う・・嘘・・・。木村くん死んじゃったの?」
「太一の所為やないで! 他にも東山さんかて・・・。きっと他の誰かに殺られたんや」
呆然とする国分の両腕を揺すりながら城島は必死に声を掛ける。
「太一・・・太一!! しっかりしいやっ!」
国分は自分をガクガクと揺すっている城島の両手をゆっくりと外した。
「大丈夫・・・もう、大丈夫だから。自分の身を守るためだったんだから、後悔はしないよ」
国分は自分のした行為を、その結果を受け入れる。
「俺達は『殺し合いをしろ』って言われちゃったんだから・・・」
国分はそう言い、城島の眼を真っ直ぐに見つめ返す。が、国分の唇は固く噛み締められ、両手は爪が
食い込みそうな程グッと固く握り締められ震えていた。
「そうか、そうやったな・・・。なら俺、ちょこっと外の様子見てくるわ」
城島は、国分を少しの間一人にしておこうと――この際中居の存在は綺麗に無視して――パタンと診
察室のドアを閉めて外へ出て行った。
「リーダー、ごめん。心配かけて・・・」
国分は空いている方のベッドに腰掛けると、両掌の血がにじんできた爪痕を眺めボンヤリと呟いた。
「太一の奴、意地っ張りやな・・・。言ってる事と、やってる事が違うやん」
診療所の外へ出ると城島は国分の様子を思い返す。
大丈夫と言いながらも辛そうに唇を噛み締めた表情や、理不尽な理由で殺し合いをしなければならな
い自分達のやるせない思いを閉じ込めるかのように固く握り締められた両手・・・
「俺らどうなるんやろなぁ・・・。山口、松岡、長瀬・・・お前らはどうするんや?」
空を仰ぎ、未だ逢えないメンバーに向かって城島は問い掛けた。
診療所の横に見える道を見付け城島は近づく。
かつてこの島内に住んでいた人たちが利用したであろうその道路は、アスファルトがひび割れ、その
割れ目からは雑草が生えていた。
「なんや、全然使われてへんのやな・・・」
ひび割れたアスファルトに手を当てザラザラとした感触を懐かしむ。
「暖かいなぁ・・・」
ゆっくりと身体を倒しアスファルトの上に仰向けに転がると、顔の上に降り注ぐ少し眩しい日差しを
避けるように顔の上に手をかざす。
「あ〜、疲れた」
暫くして腕をパタッと身体の横へ落とし、眩しさから逃れるように眼を閉じた。
あぁ、気持ちええなぁ・・・。日向ぼっこなんて何年ぶりやろ?
瞼の向こう側の明るい光と暖かさを感じていると身体から力が抜けていくようだった。
緊張から解かれた城島はそのまま暫しの眠りにつく・・・
ふっと顔の上に影がかかったような気がして城島は瞼を持ち上げた。
「あれ? 俺、寝てもうたんや・・・」
はっきりと覚醒しない頭でも自分がただ横になっていただけでなく、眠っていた事は分かる。
しかし、城島が眼を覚ました原因は日が傾いた事ではなく、城島を覗き込んでいた誰かの影によるも
のだった。
城島は、反対方向から顔を覗き込まれている事に気付くと慌てて上半身を起こし、アスファルトの上に
座りなおす。
「なんや翼、えらい久しぶりやなぁ」
大野と桜井をこの手で殺め、相葉を自分と同じように大事な仲間を失い、ひとりになるという状況へ追
いやってきた今井は、再び灯台の付近へ戻ってきていた。
「この島にいる以上、へんな感傷に浸っている場合じゃないし・・・。それに、明日の朝になれば生き残
っていたってコイツが爆発しちゃうんだ・・・」
いつもと変わらず自分に接していてくれた相葉達を裏切ったという思いに囚われそうになるが、首に付
けられた首輪の存在を理由に自分の行動を無理やり正当化する。
今井は、先程までの痛みとは違う種類の痛みを胸の奥に感じていた。
「俺・・・後悔してるのか?」
―――大野と桜井を殺してしまった事を・・・
―――相葉をひとりぼっちにしてしまった事を・・・
「だって、仕方ないじゃないか・・・殺るしかないんだ! 滝沢、お前もそう思うだろ?」
今井は何故かぼやけて見える灯台を眺めながら、今はもういない自分の仲間へ同意を求める。
だが、その言葉の内容とはまるで反対に、その口調はか細く、どこか寂しそうだった・・・
今井は灯台に誰もいない事を確かめ地図を取り出すと、この場所から延びている道に目を止めた。
この道を使えば立ち入り禁止区域を通らずに港の方へ行かれる・・・
今井が灯台から伸びる道を左側に海を眺めながら歩いていると、前方に倒れている人影を見つけた。
誰だ? 死んでいるのか?
昼の放送で発表された死亡者は全部で4名。そのうち、滝沢と植草は自分の眼で見ているし、木村に
ついては大野から事情を聞いていたので、どこで殺されたのかは知っていた。
という事は・・・あそこに倒れているのは、東山さん?
そう検討をつけ、今井はアスファルトの上に両腕を投げ出し仰向けに倒れている人影へ近づく。
「あれ? 違う・・・」
近付くにつれ、それが東山ではなく城島だという事に気付いた。
城島くんも、俺が大野くんや翔くんを殺したように、さっきの放送後に誰かに殺られちゃったのかな?
それにしては穏やかな顔をして城島は倒れている。
その表情を不審に思った今井が城島の顔を頭の上のほうから覗き込む。
城島の顔に今まで掛かっていた日差しが陰る。すると、城島の眼がゆっくりと開いた・・・
今まで死体だと思っていた城島に「久しぶりやな」と急に挨拶され、今井は何と声を掛けていいのか
分からずに戸惑う。
その沈黙をどう勘違いしたのか、城島は眉を潜めて「どっか怪我でもしとんのか?」と心配そうに今井
へ向けて手を伸ばしてきた。
その動作が相葉の仕草に重なって見え、今井は驚き慌てて後ろへ飛び退る。
「おい? ほんと、どないしたんや?」
怪訝に思った城島は、身体についた土埃をパンパンと叩いて立ち上がった。
「い、いえ・・・何でもないんです。すみません・・・。それより、城島くんはどうしてこんな所に手ぶらで
倒れていたんですか?」
「あ〜、倒れていたんやのうて、暖かくてつい・・・な、寝てたんや」
頬をポリポリと掻きながら返された城島の言葉を今井は信じられない思いで聞いていた。
俺が、あんな事をしてしまっていた間に、あんな思いをしていた間に、この人は寝てた・・・?
「ふざけんな・・・」
その今井の声は余りにも小さすぎた為に城島の耳に届く事はなかった。
「荷物はな、診療所に置いてあるで。そこに太一も中居くんもおるし」
「診療所に3人でいたんですか?」
仲間が一緒にいたという言葉に今井は過敏に反応した。
「あぁ、そういえば井ノ原が先に診療所におったけど、あいつはすぐに出て行ったんや」
「僕、ひとりで心細いんです。診療所に連れて行って下さい」
また3人か・・・。そう思うと今井は、自嘲気味に笑いながら城島へ告げた。
―――可愛い後輩の仮面を被って・・・
更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
虫歯完治おめでとうございます、早速次を作らないようお気をつけになってくださいねw
見習いさんキタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
歯は大事になさってくだせぇ。
うわ、ひさーーーしぶりに書き溜めさんのバトロア読んで
ここの存在今初めて知りますた。
がんがってください>見習いさん
>359,360
どうもアリガd〜。
もう虫歯を作らないように気をつけまふ。
「遅いよ、リーダー。どこまで行ってたの? 荷物置きっぱなしで行くんだもん、心配しちゃったよ」
診察室のドアを開けるなり国分の心配そうな声が城島へ向かう。
「悪い太一。外が暖かくてつい・・・」
「『つい』って何? まさか寝てたとか言わないよね?」
心配を通り越して怒りへと変わりつつある国分の声に、城島は慌てて自分の後ろに隠れるようにして
いた今井を前へ引っ張り出した。
「あれ? 翼じゃん」
「そう、そこで会ってな。ひとりで心細いっていうから連れて来たんや」
今井は城島の言葉に合わせペコリとお辞儀をした。
「ふ〜ん、そうなんだ・・・。なぁ、頭とか結構汚れてるみたいだけど、洗面所行って落としてこいよ」
国分に言われ、自分が滝沢や植草の血を服や髪の毛にこびり付かせている事に気付くと、汚れを落
とす為に洗面所へ向かった。
その後しばらくして、ベッドから中居がムクリと起き上がると「ちょっと便所行ってくる」と言い残し、診察
室を出て行った。
今井は廊下へ出ると、建物の内部を見上げながら廊下の突き当たりにある洗面所へと向かう。
蛇口を捻ってみるがとうに使われていない建物の為、一滴の水もでない。
諦めて自分のリュックを足元に下ろすと中からペットボトルを取り出し、掌へ水をかけようとしてふと
目の前にある鏡を吸寄せられる様に覗き込んだ。
まだ大丈夫。城島くんたちに悟られてはいない・・・。
「俺が生きてこの島から出て行く為には、殺るしかないんだ・・・」
今井は鏡の中の自分に向かって小さく呟いた。
「よう、真剣な顔してどうした?」
中居が今井の肩越しに鏡を覗き込んできた。今井と中居の眼が鏡越しに合う・・・
今の・・・聞かれたか?
無意識にペットボトルを持つ手に力が入った・・・
「どうしたんだよ? 水が出ないのか?」
中居は鏡越しに今井へ声をかける。
聞かれていない、大丈夫。と判断した今井は強張っていた表情を幾分和らげると、やはり鏡越しに中
居へ返事をする。
「はい。だからペットボトルの水を使おうと思って・・・」
「それじゃ、やり辛いんじゃねぇ? 俺が持っててやるよ」
片手づつ洗おうとしていた今井からペットボトルを取り上げようと、中居は少し前へ出た。
その拍子に足元に置いてあった今井のリュックを蹴ってしてしまう。
「おっと、悪ぃ・・・。って、これなんだ?」
リュックからは何か棒状の物が覗いていた。
今井が止める間もなく、興味にかられた中居はリュックからそれを引っ張り出してしまっていた。
「お・・おい・・・。これ・・・血が付いてるじゃねぇかよっ!」
「駄目ですよ。勝手に人の持ち物を触ったら・・・」
完全に血の跡を拭い切れていない斧を見て、驚く中居の手から今井は斧を取り戻す。
「これは、本当は稲垣くんが持っていたんです。でも、僕もこれが欲しくて・・・。稲垣くんが譲ってくれな
いから取り合いになっちゃったんです。そうしたら丁度そこに植草さんがきて・・・」
中居のゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる・・・
「運悪く、首筋に当たっちゃいました・・・」
「じゃ、じゃあ・・・お前と吾郎が・・・」
「そういう事になりますね。僕と稲垣くんとで植草さんを殺したようなものですね」
サラリと、事も無げに言ってのける今井に中居は言葉を無くした。
中居は井ノ原から、稲垣が植草を殺めたという事を聞いていたのだが、まさかあの稲垣が・・・という思
いをどこかで抱いていた。
しかし、当事者である今井の口から語られた事と、自分の目の前にある凶器・・・。
もう認めざるを得なかった。
「お前がそれを持っているって事は・・・吾郎はどうしたんだよ。何処行ったんだよ」
今井が稲垣の武器を持っているという事は、今現在稲垣は何の武器も持たずにこの島内にひそんで
いるのだろうか?
「さぁ? 僕は先に出てきちゃいましたから知りません・・・。それよりも、SMAPって一番怖いグループ
だったんですね」
何の事だ? という顔をして見せる中居へ今井は事実を淡々と告げた・・・
「だって、木村くんを殺したの草薙くんですよ。大野くんが見たって言ってました」
心臓を鷲掴みにされたような衝撃が中居を襲う。
「お・・お前、何言ってんの? ふざけんなよっ」
「ふざけてなんかいません。岩の下敷きになって動けなくなった木村くんを撃ち殺したのは、草薙くん
です・・・。仲間同士で殺しあうなんて・・・恐ろしいですね」
そう言いながらも全く怖がる様子を見せない今井は、無表情な顔で斧を持つ手を振り上げた。
「信頼関係もない、そんな危ないグループは無くなったほうがいいですよね」
それが何の躊躇いもなく自分へ向けて振り下ろされた瞬間、中居は床へ倒れこむようになりながら間
一髪でかわした。
「な、何すんだよっ! テメェのしてること分かってんのか?」
シャツの肩口を切られた中居は驚きながらも自分の反射神経に感謝した。
もう一瞬動くのが遅かったら、恐らく自分も植草同様斧の餌食となっていただろう。
「勿論分かってますよ。」
再び今井が斧を持つ腕を自分の頭上へ振り上げる。
中居は斧が振り下ろされるより先に床を蹴って立ち上がり、診察室へと駆け出した。
「逃げても無駄なのに・・・」
今井はウエストに挟んだ銃を取り出すと中居の後を追った。
見習いさん乙!乙!乙━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!
いっつも覗いては心待ちにしているんですよ〜。
つ▽ とんがりコーン差し入れです。
見習いさん更新乙彼です。
また気になるところで止まってるのでドキドーキw
つの暴走に黒疑惑濃厚自担の反応が楽しみ。
見習いさん、更新乙華麗!
懐かしのブラザーズ先輩後輩コンビキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
遂に中居が知ってしまったんですね。
どうなるのか非常に楽しみです。
( ・∀・)ノ三◇◇◇ キシリトールガムどうぞ
369 :
山崎渉:03/04/20 00:13 ID:oNe4Ot8C
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
見習いさん、更新アリガトです。
お礼に松井秀喜差し入れです。
( 八 )
にっこり
ヽ二/
更新乙です。
感謝の気持ちで 不要なカナーを差し上げます。
∧_∧
( ´・_・`)
( )
| | |
(__)_)
ワクワク…(・∀・)
>>373 横レススマソ。そちら行かせて貰いますた。
ヒソーリなんて勿体ないッスよ。
皆さま差し入れアリガdでつ。
松井は大ウケですた(藁
>373
連載さん!(すでにお邪魔いたしました)
がんがって下さいね。
うぷが早くてビクーリでつ・・・
「おいっ、ヤベェよ! 翼の奴キレてんぞ! あいつ斧持ってやがる」
中居は診察室へ駆け込むと、自分のリュックを探しながら城島と国分へ向かって叫ぶ。
「俺は逃げるからな。早く逃げねぇと翼に殺されるぞ」
キョトンとした顔でベッドサイドの椅子に座る城島と、ベッドに座っている国分に詳しい説明もせず、
中居はリュックを背負うと診察室のドアを開けた。
「うっ・・・」
その途端、廊下へ出ようとしたはずの中居が後ずさりしながら室内へ戻ってくる。
「中居くん、どうしたの?」
怪訝そうな国分の声も聞こえないのか、返事もせずに中居はただ前方のドアを――開いたドアの向こ
う側を――息を殺して見つめていた。
中居が注視していたドアから、洗面所へ行った筈の今井が銃を片手に持ち、斧をベルトに挟んだ格好
で姿を現した。
「オマエ・・・。銃も持ってたのか・・・」
中居の掠れた声がシンとした室内に響いた。
「何? 2人ともどうしたのさ? 翼もそんな危ないもの仕舞えよ」
静けさを破るように少し緊張を含んだ声で国分が中居と今井へ話しかける。
「こいつは、俺を殺そうとしてんだよ!」
「う・・嘘でしょ?」
「嘘なんかじゃねぇよ! 俺がSMAPだからだってよ。吾郎とつよしが殺ったからだってよ!」
「なにそれ?」
「井ノ原が言った事はどうやら本当らしい。翼も共犯みたいだけどな・・・。木村は・・・太一、お前じゃな
くてつよしが殺ったんだって。だからSMAPのメンバーは危ないんだとっ!」
「お・・俺じゃない・・・? 本当なの? 俺じゃなかったんだ・・・」
国分は今井が中居を殺そうとしているという事よりも、自分が木村を殺めていなかったという中居の言
葉に驚き小さく安堵の吐息を漏らした。
「翼、中居くんはそんな事する人やないで・・・」
城島が中居と睨み合うようにしながらジリジリと室内へ入ってきた今井へ、椅子から立ち上がり声をか
ける。
「勘違いしないで下さい。別に僕は中居くんだけを狙ってるわけじゃない。僕が生きて帰る為にも、あな
た達にはここでゲームオーバーになってもらう必要があるんです」
今井は城島の言葉を一蹴した。
「ゲームオーバーってどういうことや?」
城島が静かな声で今井へ問いかけた。
「どういうって、簡単な事ですよ。あなた達3人にはここで死んでもらうんです」
今井はその言葉が終わらないうちに慣れた動作で銃を持つ腕を上げ、引き金を引く。
室内に銃声が響き渡る・・・
が、何故か誰にも弾丸が当たった様子は見られない。
「あっぶねぇな・・・」
中居は一言残すと窓を開け放ち、足を窓枠にかけて軽やかに地面へ着地した。
今井のすぐ側には、弾道を逸らすために中居によって投げつけられた枕が落ちていた。
「中居くんはお2人を見捨てて逃げたようですね・・・」
今井は枕を拾い上げながら室内に残った城島と国分へ告げた。
誰にも当たる事なかった弾丸は天井に穴を開けていた。その穴を見つめていた城島は、今井の言葉
にハッと我に返るとベッドに座ったままの国分へ目をやった。
「太一、どないする?」
「どう・・・ってさ、俺はもうさっきみたいな気持ちを味わうのは嫌だしさ・・・」
「そっか・・・」
枕の埃をパンパンと払ってベッドへ放り投げた今井は、2人の言葉をもう諦めからくるものだと思い、
再度銃口を2人へ向けた。
「どちらからにしますか?」
今井は何気ない調子で城島と国分の顔を交互に眺めながら訊ねた。
「どっちって言われても困るんやけど・・・。太一は、人を殺した後の思いを味わうのは嫌なんやて。
翼は人を殺しても平気? 何にも感じないんか?」
城島は困ったような顔と大きな身振り手振りで返事をし、話を引き延ばしながら今井の意識を自分に
向けるように仕向ける。
その隙に後ろ手に国分に合図を送り、逃げるようにと指示を出す。
「・・・リー・・ダー・・・・・・」
城島の意図を汲み取った国分は、枕を片手にベッドに座ったまま、中居が開けた窓の方へそっと身体
の位置をずらしていった。
あと少しで窓枠に手が掛かる・・・。という時、窓の下から物音が聞こえてきた。
安全な外へ避難した中居は、このまま逃げてしまおうか? と悩んでいた。
しかし、まだ室内には城島と国分が残っている・・・
「どうすっかなぁ・・・逃げちまうか・・・」
翼、お前だけじゃねぇよ。俺だって、生きて帰りてぇよ・・・
室内の緊迫した状況とは違い、外はのどかなものだった。
吾郎・・・お前は今、どんな気持ちでこの暖かな日差しの下にいるんだ?
つよし・・・お前は、人を・・・木村を殺した時、どんな気持ちだった? 何を考えていたんだ?
今井に『信頼関係もない、危ないグループ』と言われた事が中居の胸に堪えていた。
俺達が過ごしてきた年月は、そんな簡単に脆く崩れてしまうものだったのか?
その程度の付き合いだったのか?
「俺・・・分かんねぇよ・・・・・・」
ふいに国分に言われた言葉が頭の中を過ぎる・・・
『中居くん、仲間って何?』
『アノ草薙くん、普通じゃなかったよ』
なぁ、つよし・・・お前にとって仲間ってなんなんだ? 木村はお前の仲間じゃなかったのか?
『グループだけが仲間じゃないでしょ?』
そうだ・・・。今はボーっとしている時じゃない。この窓の向こうには俺の仲間がいるんだ・・・
「助けないと・・・」
生き残る為には仕方ないんだろ? 翼・・・お前を攻撃してもいいんだろ?
とりあえず中の様子を窺おうと窓枠に手を掛けた時、室内から小さな声が聞こえた。
「誰だ? そこにいるのは?」
小声ながらも固い声で、国分は窓の下にいる人物を確かめるため声を出した。
今井に見つからないように祈りながら窓を凝視していると、やはり小さな声で返事があった。
「俺・・俺だよ」
「中居くん?」
「そう、早くそこから飛び降りて来い。危ねぇぞ・・・」
「でも・・・そしたらリーダーが」
「逃げなきゃ死ぬだけだぞ」
少しの沈黙のあと、「リーダー早くっ!」という声と共に、ガタガタッと大きな音がしたかと思うと窓から
国分が飛び降りてきた。
中居はつんのめる様に着地した国分の身体を慌てて抱えるように助ける。
「っ・・・僕も中居くんみたいに翼に枕をぶつけてきたから、多分その隙を突いてリーダーもすぐ来るよ」
「分かった。そしたらすぐに森の中へ逃げ込むぞ」
その時、室内でガタ―ンッと物凄い大きな音がしたかと思うと、パーンと銃声が響いてきた。
「何!? 何があったの?」
国分の心配そうな声を聞きながら、恐る恐る中居が覗き込んだ室内では、城島が倒れた椅子の横に
足を抱えたまま蹲っていた。
「やべぇよ。足を撃たれてる・・・」
国分が中居に城島の様子を説明していると室内から今井の大きな声が聞こえてきた。
「その窓の下にいる事は分かっています。出てきて下さい」
中居と国分の背中に冷や汗が流れる・・・
「そうですか・・・。出てこないのなら、城島くんにはこのまま・・・」
今井の静かな声と共に再び銃声が・・・。そして城島の「うわあぁぁっ」という叫び声が聞こえてきた。
思わず国分が室内へ入ろうと窓枠に手を掛ける。
それを押し止めるように中居の手が国分の動きを邪魔する。
「放せ! このままだとリーダーが・・・」
「駄目だ、太一。お前まで同じ目にあっちまうぞ」
睨み合うように動きを止めた2人に城島の掠れた声が切れ切れに聞こえてきた。
「太・・一。中居く・・んの・・・言うとお・・り、このま・・ま・逃げ・・」
それきり何の音も聞こえなくなった・・・
「リーダー!!!」
中居の手を振り切って国分が室内を覗き込んだ時にはもう、城島は血に濡れた床に倒れこんだまま
カッと目を見開き、二度と動く事は無かった・・・
その城島の傍らに立ち、見下ろす今井の手には血が滴り落ちる斧が握られている。
「テメェ、翼! よくもリーダーを・・・」
その光景に激怒した国分は窓枠にかけていた手を離し、自分のリュックからダイナマイトとマッチを取
り出すと点火しようとした。
「おい、待てよ。俺たちまで・・・」
中居がそれを止めようと国分の手からマッチを奪い取る。
「中居くん、邪魔しないでよ! リーダーの仇をとるんだから!!」
そう言いながら中居の手からマッチを取り戻すと、すかさず火をつけ室内へ放り込み、その場所から
飛び退ると地面へと伏せた。
「太一――!!」
中居の絶叫と共にドッカ――ン!という大音響がし、窓から飛び出す爆風とガラスの割れる音、建物
が崩れる音が聞こえた後、全ての音が消えたかのようにシ―――ンとした静寂が辺りを包んだ。
ワ――ンと耳鳴りがする。爆風で吹き飛んで来た物に当たったのか身体の節々が痛んだ。
中居はようやく身体を起こすと、周囲を恐る恐る見渡し始める。
国分の投げたダイナマイトは自分達のいた診察室を中心に、診療所の一部を見事に破壊していた。
「太一? 何処だ? いたら返事しろよ! 太一!!」
耳鳴りが治まると、辺りに散らばる瓦礫や瓶などのガラスの破片を避けながら国分の姿を探す。
診察室があった辺りには、かつてはベッドだったと思われる曲がった鉄やマットレスが散乱していた。
その下に、洋服らしき布が見える。
慌てて中居はマットレスの下からその布を引き出した。
そこから現れたのは、もうとっくに息する事を止めてしまった城島の身体だった・・・
【城島茂 死亡:残り19名】
りぃだぁ…・゚・(ノД`)・゚・。
と思わず仇名呼びを忘れてしまった。
でも素敵だったよ…中堅、長老の分まで生き延びて欲しい。
見習いさん乙ー。
長老…・゚・(ノД`)・゚・
ちょ…長老…・゜・(ノД`)・゜・。
見習いさん乙です。
久々に発見して、楽しませていただきました。
続きも期待しております。
つよ・・・
GW中に2回くらい更新できるかな?と思っていたのでつが
ヤパーリいつもどおり、週1の更新に・・・う〜む。
「クソッ・・・」
中居は城島の身体の銃傷と無数の切り傷に気付くと拳をマットレスに叩き付けた。
「翼! テメェの方が充分危険じゃねぇかよ!!」
叫びながら何度も何度も拳をマットに叩き込む。
「チクショウ――!!」
立ち上がると、側の鉄パイプを思い切り蹴り上げた・・・
「中居くん・・・」
蹴り上げられた鉄パイプがガランと音を立てて落ちた時、突然声をかけられ驚いた中居は血の滲んだ
拳を構え、声がした方を見る。
すると、瓦礫を除けながら国分が姿を見せた。
「太一・・・お前、無事だったのか」
ホッとした顔で中居は国分を自分の側へ呼ぶ。
「リーダー・・・・・・。ゴメン、またダイナマイト投げちゃったよ・・・。もう、人を殺す恐怖を味わいたくなか
った筈だったのにね・・・」
国分は城島の顔を覗き込みながら傍らに膝をつき、土埃で汚れた城島の顔を洗い流すかのように涙
を落としていた。
「太一・・・。こんな時に悪いんだけど、翼は?」
「・・・知らない・・・」
「もし、あいつもダイナマイトに殺られたんだったらここにいる筈だろ?・・・。でも見つからねぇ」
「・・・・・・」
「もし生きていたら、あいつはまたここに戻って来るかもしれない」
「・・・・・・」
「お前には悪いけど、俺達は早くここから立ち去った方が良いと思う・・・」
「・・・中居くん。悪いけどひとりで行ってくれる? 僕は、まだリーダーの側についていてあげたい・・・」
中居の話の間中ずっと無言だった国分は、中居と離れてひとりでこの場に残る事を提案する。
「ばっ・・馬鹿な事言ってんじゃねぇよ! 翼が俺達を探しにくるかもしれねぇんだぞ! 分かってんの
か? 今度こそ殺されるぞ!!」
「分かってるよ! そんな事・・・。分かってる。でも・・でも、僕は・・・僕を逃がす為に犠牲になったリー
ダーを置いて行かれないよ・・・」
国分は目線を城島から離さずに震える声で呟いた。
「太一・・・気持ちは分かるけどよ。お前の命だって危ないかもしれないだぞ。それに・・・『逃げろ』って
・・・・・・最後に言ってたじゃねぇか・・・」
「ゴメン。もう決めたんだ・・・」
城島の名を言い淀みながら諭す中居の言葉も国分には届かない。
その頑ななまでの決意に、中居はこれ以上かける言葉を見つけられなかった。
「・・・・・・分かったよ。その代わり、死ぬなよ。いいな? 危ないと分かったらすぐに逃げろよ」
「うん、ありがとう・・・。中居くんも気をつけてね」
「あぁ・・・」
まだ国分の様子が心配ではあったが、とりあえず中居はこの場から移動する事にした。
立ち上がった中居を見送るかのように国分は見つめている。
「なぁ、やっぱり一緒に来るか?」
再度声をかけてみるが、国分は黙って首を横に振る。
「そっか・・・じゃあもう何も言わねぇ。気をつけろよ」
「ありがとう。中居くんもね」
「おうっ」
「中居くんも、やっぱリーダーだね・・・」
ゆっくりと小さくなっていく中居の背中に向かって国分はポツリと呟いた。
自分を心配して一生懸命になる様子と、その状況判断はやはり一つのグループを纏めてきたリーダ
ーだけの事はあった。
「でも、うちのリーダーは茂くんだもんな・・・。ね、リーダー・・・」
国分は中居の背中から自分の目の前に横たわる城島へ視線を移し、寂しそうに話しかけた。
ヤバイ・・・。絶対、マジヤベェよ・・・
いつまでもこんな所で頭を抱えて座っていてもどうにもならない。
森田は顔を上げ、深く息を吸い込む。
神社特有の澄んだ空気が肺の中一杯になって、混乱していた気持ちが少し落ち着いた。
あいつ、泣いてたか?
『ゴウは生き残る為に平気で俺を殺すんだっ!』
そう怒って駆け出していった三宅の様子を思い出す。
バカ野郎。なんで俺がお前を殺すんだよ・・・。
俺達何年の付き合いだと思ってんだよ、俺の事全く信用してねぇなあの野郎・・・。
ったく、それくらい言わなくても分かれよな・・・
「ふぅ〜」
森田はひとつ大きく息を吐くと勢いをつけて立ち上がった。
あいつに何かあったら、一緒にいた俺がメンバーに文句言われるじゃねぇか。
俺だって、ウチのメンバーは信用してんだよ。
信用してないヤツにアクロバットで身体を預ける訳ないだろ?
俺達は普段から命かかってんだよ。
仲間を信じてなくちゃ出来ないだろ? そうだろ? 健・・・。
『誰かが死んだって事は、それをやった奴がいるって事だろ? それが、岡田や井ノ原くんや長野くん
じゃないって事は言えないじゃん』
三宅が怒った原因となったメンバーに対しての自分の言葉を思い出してみる。
悪かったよ。ちょっと言ってみただけじゃねぇか・・・。山口くんが余計な事言うからさ、つい・・・。
「まぁ、普段一緒にいない他のグループは本当に信用していいかどうか分からないけどさ・・・」
薄く笑うと森田は大きく伸びをした。
「探しに行くか・・・」
健、手間かけさせんなよな。
――― 一緒にいねぇと、心細いじゃねぇかよ・・・
「微妙だ・・・」
地図を眺めながら松岡は唸る。
ここは島の最南端の砂浜。東の方に建物がたくさん集まっているのが見て取れる。
「島の中心は東側だったって事か・・・。でも微妙なんだよなぁ・・・。東の方が他の奴ら行ってんじゃねぇ
の? 立ち入り禁止区域もそっち方面だし、建物があって隠れやすそうだしなぁ・・・」
昼食を取った岩場にずっと座りながら海を眺めていた松岡は、さすがにそろそろ移動しないとマズイと
思い、次の移動先を決めるために地図を広げたのだった。
ずっとここに居たけれど誰も来ないし通らない、声も音も聞こえない・・・
皆、やっぱり俺と反対側にいるんだろうな。
「俺がここにいる間に、皆いなくなっちゃたりして・・・。勝者、俺! とか?」
・・・ありえねぇな・・・。
ははは・・・。と乾いた笑いをすると松岡は岩場を降りた。
「やっぱメンツだよな・・・」
TOKIOのメンバーや親友の井ノ原なら無条件で信じてもいいだろう。いや、信じたいと強く思う。
ただ問題は、他のグループのメンバー・・・
「どうすっかなぁ〜」
難しい顔で考え込みながら移動の為、砂浜の上をサクサクと音を立てて歩く。
昼食前に歩いた砂浜と同じはずなのに、松岡の足取りは先程とはまるで違い、重かった。
乙です!
お笑いトリオもついにバラバラに…(ノД`)
393 :
ななしじゃにー:03/05/03 22:15 ID:BAxcI01D
あ
教えてチャソでスマソなんだが、稼動してるBRって見習いさんだけ?
他のスレは途中で終わってたりで探せないんだが・・・
乙かれ様です。
おもしろいです!
つが凄い事になってる…
誰か救ってあげて下さい・゜・(ノД`)・゜・
職人姐さん達に触発されて書きたいなと思うんだが、
Jフレ麺しか分からん。
13人じゃ少ないよな・・・
それもまたシンプルでよろしいと思いますよ。
是非是非!>397
確か計画さんがJフレ面のバトロワ書いてたんだよね。
13人って面白そうなのと同時に大変そうだ。
副将や博様がヤル気出したらすぐ終わりそうだもん(w
>397
13人でもおもしろいと思うyo!
できたら読みたいでつ。
おっと、いろんな職人さん登場!!
お仲間がイパーイ増えて嬉しいでつ。
なのに週一更新遅れてしまった自分・・・(鬱
怖い、怖い・・・
どうしてこんな事になっているんだ? どうして・・・
稲垣は廃屋の奥の部屋の片隅でガタガタと震えながら、脳裏に浮かぶ植草の死に顔に怯えていた。
過敏になっている耳に、時折遠くから聞こえてくるガタゴトという物音。
それが近くの廃屋で立てた誰かの物音だと気づいたときの恐怖も重なり、稲垣の精神は限界に来て
いた。
―――どうか、どうかこの家には来ないで・・・。
必死に祈る稲垣の願いが届いたのか侵入者は入って来ず、ただ激しくなる心臓の音だけが何もない
埃だらけの室内に響き渡るかのようだった。
そのまま暫く膝を抱えた姿勢で身動きひとつせずに蹲る。
ギュッと身体を抱きしめる苦しい体勢と、恐怖も一緒になって、稲垣はかなりの息苦しさを感じる。
ハァハァという稲垣の荒い呼吸音。それがこの部屋の中の唯一の音だった。
次第に苦しくなる呼吸・・・
この場から大きな声で叫び、逃げ出したいような気持ち。それに伴う不安感・・・
身体を抱きしめている腕が、身体が、冷たくなっていくような・・・そんな感じ。
このまま、ここで死んでしまうのだろうか? そんな焦りや恐怖に襲われる・・・
もう、どうしたら良いのか分からない・・・どうしたら・・・
ドクンドクンという激しくなる心臓の音だけがやたらと大きく聞こえる。
―――ダレカ タスケテ・・・クルシイ・・・・・・
ギィ・・・・・・。どれ位経った頃だろう、とうとうこの廃屋のドアが開く音がする。
その音を耳にした稲垣の恐怖は限界に達した・・・
錦織の手元の探知機は、眼の前のこの廃屋に誰かが居る事を告げていた。
木村の死を目撃した後この探知機のスイッチを入れた時、この廃屋周辺には3つの緑の点があった。
それが近づくにつれて減っていき、今ではこの廃屋の中の人物を残すのみになっていた。
「あれからずっと動かないヤツって、誰だ?」
ただ錦織は、いきなりドアを開けて中へ入ることはしなかった。
殺し合いをさせられている状況を考えると、中に潜んでいる人物が攻撃してこないとも限らない。
さて、どうしよう? と考えた錦織は廃屋の横に窓を見つけ、そっと近づいて覗き込む。
誰もいない? そんな訳はない。探知機は確かにこの廃屋に人が居ることを示している。
もう一度目を凝らして部屋の中を覗きこむ。
すると、薄暗い部屋の片隅に蹲る人物を見つけた。
「・・・誰だ? こう暗いと分かんねぇな」
ただ、自分に危害を加えるようには見えなかった。
「確かめに行ってみるか・・・」
何時間もひとりで歩き回っていた錦織は、人と会話がしたかった。
ガタつくドアをギィっと音を立てて開け、室内に足を踏み入れた。
ガタガタッ・・・。奥の部屋で物音がした。
錦織は音のした奥の部屋へ神経を集中する。
用心深くその部屋のドアをそっと開け、中の様子を窺う。
するとそこには、身体を床に倒し苦しそうに息をしている稲垣の姿があった。
「稲垣!?」
慌てて稲垣に近づくと、さっき自分が覗いた窓の下まで引き摺っていき様子を見る。
「お前・・・誰にやられたんだ?」
稲垣の衣服に付いた乾いた血痕と苦しそうな様子から判断して、誰かに攻撃され重傷を負ったのでは
ないか、と錦織は思った。
「おいっ! 稲垣!!」
返事をしない稲垣に痺れを切らし、錦織は稲垣の衣服を脱がすと傷の程度を確かめようとする。
だが、稲垣の身体には何処にも傷跡などはなかった。
うつろな目で荒い呼吸を繰り返す稲垣の頬をピタピタと叩き、覚醒を促す。
「・・・!?・・・」
稲垣はようやく焦点の合った眼で錦織の姿を捉えると、見る見る形相を変えその場から逃げ出そうと
足掻き始めた。
「稲垣?」
「うわあああっぁぁぁ・・・・・!!」
「おいっ、しっかりしろ稲垣! 俺だ、錦織だ!!」
どうしたんだこいつ? 俺の姿を見てこんなにビビるなんて・・・
錦織の声に過剰に反応する稲垣は、暴れる事を止めると涙を流しながらガタガタと震え出した。
それから稲垣が落ち着きを取り戻すまで、かなりの時間を必要とした。
その間、錦織は黙って稲垣の身体の震えと、涙が止まるのを待っていた。
「落ち着いたか?」
まだ呼吸は多少荒いものの、ようやく話せるような状態に戻った稲垣に話しかける。
「・・・・・・はい」
「お前どうしたんだ? その姿もそうだが、俺を見てあんな風になるなんて・・・」
「・・・・・・・・・」
「まぁ、別に話したくなければそれでもいい。ここでは何が起きても不思議じゃないからな」
「す・・すみませんっ・・・・・・」
言うなり稲垣は錦織に土下座をしてみせた。
「なんで俺に謝る必要がある?」
極力稲垣を刺激しないように、穏やかな声で話を促す。
「・・・・・・」
錦織は頭を下げたまま無言で首を振る稲垣を見て、溜息をひとつ漏らす。
「あのなぁ、俺は理由も分からず頭を下げられたって困るんだよ。そんな事する理由を言ってみろ」
それでも稲垣は顔を上げず、理由も語らなかった。
「・・・もし違っていたら悪い、先に謝っとくな。お前、もしかして植草の事で何か知っている事でもあるん
じゃないのか? 俺を見てあんな風になるなんて、それくらいしか思いつかないんだよ」
このままでは埒があかない。そう思った錦織が放った言葉は、頭を下げたままの稲垣の身体をビクッ
と大きく震わせた。
「図星か・・・。ほら、言ってみろ。お前、何を知ってるんだ?」
「・・・いえ・・・・何も・・・」
ようやく口を開いた稲垣から出た言葉は否定だった。
だが、錦織の言葉に対する稲垣の様子が肯定を示す。
「お前さ、俺に嘘つけると思ってるのか? いいから言っちまえよ。稲垣!!」
急に大きくなった錦織の声に驚いた稲垣は顔を上げる。
「いいか? もう植草が死んだ事実は変えられないんだ。お前が知っている事を言おうと言うまいと
それだけは変わらない・・・変えられないんだ。話してみろよ、お前はアノ時ソコにいたはずだろ?」
『事故だろうがなんだろうが、人が死んだ事実は変えられない。あなたはヒトゴロシ・・・です』
錦織の言葉に、今井の言葉が重なる・・・
「植草さんは、僕が持っていた斧で亡くなりました・・・」
項垂れたように下を向いた稲垣は静かに語り始めた。
「僕の斧を持っていこうとした今井と廊下で揉み合いになっていた時でした。僕達の後に出てきた植草
さんがそれを止めようとしてくれて・・・でも、その時に・・・僕の背後にいた植草さんに、思いっきり引っ
張った斧の刃が・・・当たって・・・・・・それで・・・それで・・・でも・・・抑えようとしても血は全然止まらなく
て・・・どんどん噴き出してくるし・・・僕は・・・僕は、ヒトゴロシなんだ!!」
初めは静かに話していた稲垣の声が、興奮したように段々と大きくなっていく・・・
「おい、分かった。分かったからもう喋るな!! おい、稲垣!! しっかりしろ!」
稲垣は錦織がこの部屋に入ってきたときと同じ状態に戻ってしまった。
「稲垣、落ち着け! だからか? 植草の事があったから、俺を見た時逃げ出そうとしたのか?」
稲垣の手にペットボトルを握らせてやりながら錦織は懸命に話しかける。
植草が俺と同じ少年隊だったから、仕返しをされると思って俺を恐れたのか・・・。
「いいか? 植草は事故死だったんだ」
稲垣の肩を掴み、自分の方へ向き直らせながら言い聞かせる。
「お前は植草を殺そうと思った訳じゃないんだろ? 憎しみを向けた訳じゃないんだろ? たまたま斧
を引いた先に植草がいた。そうだろ? それなら事故だ、そう思ってろ」
「に・・錦織さん・・・」
「お前がここでこうしている間に、植草を含めもう4人の命がなくなっているんだ。お前が生き抜きたい
のなら、植草の死は事故と認めることだ・・・。そうしないとお前、すぐ死ぬぞ」
「・・・・・・っ」
同じSMAPなのに草薙とは全然違うな。
躊躇いもなく仲間を撃ち殺した草薙と稲垣のこの様子は、まるで正反対に感じられた。
「落ち着いたか?」
「は・・はい・・・」
錦織から手渡された水を飲んでいた稲垣は慌てて返事をした。
「じゃ、俺は行くからな。さっき言った事、ちゃんと覚えとけよ」
「はい・・・」
「今は何が起きても不思議じゃないんだ。人の死さえも当たり前の状態だ・・・忘れるな」
「錦織さん・・・。僕を殺さないんですか?」
立ち上がって背を向けた錦織に稲垣は疑問をぶつける。
生き残れるのはたった一人。
それならば、自分を助けるような真似などせずに殺してしまえば錦織の生き残る確立は上がる。
それなのに何故・・・
「お前、死にたかったのか?」
振り向かずに錦織は答えた。
稲垣は慌てて首を横に振る。が、錦織に見えていないことに気付き「いいえ・・・」と返事をした。
「それならいい。俺はもう少し傍観者でいたいんだ・・・。そうだな、俺とお前が最後の2人になったら
殺してやるよ」
振り向いた錦織の顔は悪戯っぽく笑っていた。
つられたようにぎこちない笑みを稲垣は浮かべる。
「じゃあな、稲垣。しっかりしろよ!」
大きな声で稲垣を力づけると、錦織は廃屋を出て行った。
錦織が立ち去った後、稲垣は心に抱いていた重荷が取れているように感じていた・・・。
更新楽しみにしてました!
日記兄さんカコイイ!!
今誰が生き残っているのか教えて頂けますか?!
>409
>>51の名簿のコピペだけど、今生き残ってるのは
1.相葉 雅紀 2.稲垣 吾郎
3.井ノ原快彦 4.今井 翼
6.大野 智 7.岡田 准一
8.香取 慎吾 10.草g 剛
11.国分 太一 15.中居 正広
16.長瀬 智也 17.長野 博
18.錦織 一清 19.二宮 和也
21.松岡 昌宏 22.松本 潤
23.三宅 健 24.森田 剛
25.山口 達也
の19人かな。ざっと見ただけなので間違ってたらスマソ。
うわ。ずれまくり…。
見にくくてスマソ。
直してみた。 ずれませんように…。
1.相葉 雅紀 2.稲垣 吾郎
3.井ノ原快彦 4.今井 翼
6.大野 智 7.岡田 准一
8.香取 慎吾 10.草g 剛
11.国分 太一 15.中居 正広
16.長瀬 智也 17.長野 博
18.錦織 一清 19.二宮 和也
21.松岡 昌宏 22.松本 潤
23.三宅 健 24.森田 剛
25.山口 達也
01.相葉 雅紀 02.稲垣 吾郎
03.井ノ原快彦 04.今井 翼
06.大野 智 07.岡田 准一
08.香取 慎吾 10.草g 剛
11.国分 太一 15.中居 正広
16.長瀬 智也 17.長野 博
18.錦織 一清 19.二宮 和也
21.松岡 昌宏 22.松本 潤
23.三宅 健 24.森田 剛
25.山口 達也
>413
ひらタソグ゙ッジョブ(・∀・)b
でもひらタソ細かい作業できるイメージじゃな(ry
見習いさん更新乙です、続き楽しみにしてます〜。
間違いなく生きてはいそうだがつの動向が気になる木。
ありがとうございました!
金曜日を更新の日と決めていたのに
何故か最近怪我の日に変わりつつありまつ。・゚・(ノД`)・゚・。
大アザの翌週は大アザ&ヒビ入ったかと思うほどの強烈な打ち身・・・
注意力落ちてるのか脳・・・(藁
何も役立つものが見つからなかった農協のカウンターで、山口はひとり地図と睨めっこを続けていた。
「う〜ん・・・。やっぱりココだろ? 絶対誰か居るって・・・」
先程入った光一の放送で、2人の死亡が追加された。
相変わらずTOKIOのメンバーは入ってねぇのか・・・
「ま、しょうがねぇよな・・・。あいつらも頑張ってんだろうし」
ふぅ〜。と溜息をひとつ落とし、リュックを背負いマシンガンを携えてドアを開けた。
「人を殺しに行くような天気じゃねぇよ・・・」
まるでこれから仕事にでも行くような感じで、山口は外を眩しそうに見る。
「さて・・・行くか」
道路を横切りしばらく歩くと、廃屋と呼んだ方が相応しい家々が立ち並ぶのが見えてくる。
「おっ、見えた見えた」
とりあえず手当たり次第にドアを開けていこうかと、一番近くにあったドアを開けようとした時、その音
は聞こえてきた・・・
キィ・・・ギィィィ・・・・・・
「なんだ? どっかに立て付けの悪いドアでもあるのか?」
眼の前のドアノブを触ろうとしてフトある事に思い至り、近くの廃屋を2、3軒見て回る。
山口が見て回った廃屋は全てドアがしっかりと閉ざされていた。
という事は、先程聞こえたドアの音は、誰かがそれを開けた可能性を示す。
「やっぱり、それは今、この島にいる俺達の中の誰かだよな・・・」
キィ・・・ギィィィ・・・・・・
錦織に少し軽くしてもらった気持ちを抱え、座り込んでいた稲垣はその音に気付いた。
「あれ? 何の音だろう?」
意外と近くから聞こえてくる少々耳障りな音。
せっかく向上した気分も台無しになるような嫌な音・・・
立ち上がり、ずっと篭っていた部屋から出るとその正体は簡単に分かった。
「なんだ、錦織さんドアをちゃんと閉めなかったんだ・・・」
ドアノブを掴み軽く引く。
閉まったかに見えたドアは、暫く経つと再びキィ・・・と音を立てて開いた。
「古いから軽く閉めただけだと駄目か」
今度は先程よりも少し強めにドアノブを引く。
バタンッ。と思いがけない位大きな音と共に、今度はきちんとドアは閉じた。
「ふぅ〜。これでよし・・・」
安心した稲垣は再び元の場所へと戻る。
「いつまでもここに居るわけにはいかないよな・・・」
錦織に見つかる前にも誰かの立てる音を聞いていた。
このまま隠れていても、また誰かに見つかる・・・
「錦織さんみたいな人たちばっかりだとは限らないし。後輩だって油断は出来ないし・・・」
おとなしそうな後輩面をして平然と血の海から凶器を拾い上げ、去って行った今井の顔を思い出す。
―――あぁ・・・。どうしたらいいんだ・・・
稲垣は部屋を歩き回りながら髪の毛をガシャガシャと掻き毟り、ふと何かに気付いたように立ち止まる
と慌ててリュックを手にする。
そして、閉めたばかりのドアを開けた・・・。
バタンッ。
確かに聞こえたドアの閉まる大きな音。
「おっ、やっぱり誰かいるぞ」
山口はニヤリと笑うとその音へと近づく。
それでも一応確認の為に廃屋の横へ回り中の様子を窺うと、稲垣が部屋の中を歩き回っているのが
見えた。
当たった自分の勘の良さに、山口から賞賛の口笛が漏れる。
その途端、稲垣は立ち止まると慌てたようにリュックを掴み、部屋から出て行った。
「おっと、いけねぇ。聞こえちまったか? 逃げられちまう」
山口も慌てて出入り口のドアへと向かうと、ドア板に隠れるように少し屈んで立つ。
キィ・・・
控えめな音と共に少しだけドアが開くと、稲垣が用心深く顔を出し、キョロキョロと辺りを窺い始めた。
開いたドアの影に隠れて山口の姿は稲垣から見えない・・・
―――まだだ、もう少し出て来い。
もし今、自分が出て行ったら、稲垣はすぐにドアを閉じ、窓から逃げてしまうかもしれない。
ドアの影で気配を殺したまま時機を待つ山口だった。
眼の前だけの光景に気を取られている稲垣は、ドアの影の山口に気付く事は出来なかった。
さっきの音はなんだったんだろう? 窓の外から聞こえた音を考えながら足を踏み出す。
1歩・・2歩・・・3歩。完全に廃屋から稲垣の身体が出た。
前方に注意を払いながら後ろ手でドアを閉める。
何かの気配を感じふと横を見る。
すると、そこには今まで気付けなかった人影が立っていた。
「・・・っ・・・・・・」
驚きと恐怖で稲垣の口からは声が出ない。
別にそこに立っていた人物が怖いわけではなく、その人物が構え、自分へと向けているものが恐怖を
煽り立てる。
「これ、何か分かる?」
何か分かるか? だなんて・・・見れば分かる。それは・・・紛れも無い凶器。
頭の中では理解していても稲垣は声に出す事が出来ない。
「俺さ、これ使った事無いんだ・・・」
黙ったまま立ち止まってしまった稲垣へ銃口を向けたまま山口は話しかけた。
「結構重いんだぜ。これ絶対3Kg以上あるよなぁ・・・」
重いと言いつつも山口のその口ぶりからはとても重たそうには見えない。
山口は黙ったままの稲垣に、穏やかな口調で更に話しかける。
「俺さ、俺は仲間だけは殺せないと思うんだよ。っていうか仲間を殺す事なんて絶対に考えられな
い・・・。でも生きて帰りたいんだ。そう思うだろ?」
「・・・・・・う、うん・・・。生きて・・東京へ戻りたいよ・・・ね?」
「そうだよなぁ」
稲垣の返事を聞くと山口はにっこりと笑った。
つられて稲垣も引き攣った笑いを返す。
「だから・・・死んでくれる?」
「えっ?」
―――今、何て言った?
単語は分かるのに言葉の意味が理解できない・・・
「俺はTOKIOの仲間を殺せない。だから、他のグループのヤツを狩る事にしたんだよ」
稲垣の戸惑った様子を面白そうに眺めていた山口はガシャッとマシンガンを構え直した。
「OK?」
稲垣の返事を待たずに山口はマシンガンの引き金を引く。
ダダダダダダ・・・・・・・ダダダダ・・・
断続的に鳴る銃声。それに合わせる様に踊る稲垣の身体・・・・・・
山口が引き金から指を離した時、銃声も、稲垣のダンスも止まる。
その後にドサッと稲垣の身体が崩れ落ちる音がした。
「なんだ、簡単じゃん」
ピュウ〜。と甲高い口笛を鳴らすと山口は肉片と化した稲垣と、稲垣の血によって周囲を染められ、
白く人型を残すドアを見つめた。
【稲垣吾郎 死亡:残り18名】
乙です!
ケガしないように御大事に。
かんがってクラサイ。
見習いさんお待ちしておりマスター!!!
ケガにはくれぐれもご注意してくだちい・゚・(ノД`)・゚・
今日ここを発見しました
見習いさん面白いです。続ききになります。
424 :
398:03/05/23 19:49 ID:b5oMI2yC
とりあえず、Jフレ麺で書き始めてみました。
見習いさんが完結したら、どっかのスレをリサイクルして落としたいと思ってます。
上手く書ける自信はないので、落とせなかったらスマソ。
スマソ。
397ですた・・・
>398=424姐さん
期待して待ってまつ!
久々に金曜更新が出来て嬉すいです。
>424さん、自分当分完結しそうにないので(苦藁
遠慮せずに落としてくだされ。
涙で滲んだ視界は走っている足元を危うくさせる。
普段なら気付くはずの木の根にさえ気付かずに躓きよろけた。
前のめりになりながら軽く地面に手と膝を付くと、そのまま勢いを失ったように座り込んでしまう。
「・・・ゴウの馬鹿・・・・・・」
目元を拭って三宅は呟く。
森田と一緒にいた神社から飛び出してきて、ずっと何も考えないように走る事だけに集中していた。
が、こうして止まってしまえば、思い出すのは先程の森田とのやり取り・・・
「全然ゴウらしくないよ・・・。何で山口くんの言った事気にすんだよ」
―― 一人しか生き残れない――山口のその言葉に森田はこだわっているようだった。
「しかも俺の武器ってこんなのだし・・・。逃げる時の目くらまし位にしか使えないよ・・・」
よろけた拍子に落としてしまった水鉄砲を手に取る。
ピュッ。と木々へ向けて水を飛ばしながら「ははは・・・最低」と、思わず力なく笑ってしまう。
「あ゛―――! もう駄目だ、俺。こんなんじゃ絶対ヤバイって」
叫びながら上を見上げる。
空を覆うように大きく葉を茂らす木々達が風に揺らされザワザワと音を立てている。
その音に少し心細くなった三宅は、『こんな』呼ばわりした水鉄砲を握り締めた。
「もうヤだ、こんなところ・・・」
そう呟くと、今度は足元に気をつけながら森の中を歩き始める。
暫く歩くと辺りが少し開けてきて建物らしきものが見えてきた。
慌てて近寄ろうとして立ち止まる。
用心の為木々の間に隠れ、足元の石をいくつか放り投げて様子を窺ってみる。
カツ・・・カツン・・・・
石が当たった後、何の音も気配もしない事を確かめると足早に建物に近付き中に入った。
室内は屋根が破れて雨漏りでもするのか、所々に床に染みが有り荒れていた。
「うわっ、汚ねぇ〜。駄目だ、こんなとこ居られないよ」
とりあえず現在地を確かめようと三宅は地図を取り出す。
「ん〜。神社がここで、ここは・・・」
地図を片手に窓から周辺を見渡すと、すぐ側に井戸らしきものが見える。
「ってことは、ここは【井戸の家】かぁ・・・」
ペンで【小さな神社】と【井戸の家】に印しを付けると、地図の上でペンを歩かせる。
「どんくらい離れてるか分かんないけど、近くに道があるじゃん」
パシッ。とペンで地図を叩くと、その辺りに大きな丸印を付けた。
「さ、こんなとこ早く出よっと」
「ゴウのバ〜カ。俺は井ノ原くんとか長野くんとか岡田を探すから・・・。お前なんかもう知らないよ」
建物から出て、一瞬神社の方を眺めると三宅は小さな声で呟く。
「バ〜カ、バ〜カ。ゴウのバ―――カ」
節を付けて歌うように森田に文句を言いながら三宅は歩き出した。
水鉄砲を右手に持ち、途中拾った小枝を左手で振り回しながら、地図で確認した道を目指して歩き続
ける。
程なくして周囲が開けてくると道が見えてきた。
嬉しさの余り左手の小枝を放り出すと、道までの斜面を駆け上がる。
道へ出ると両手を膝に当て――右手は水鉄砲を握り締めたまま――ゼイゼイとする息を整える。
「はぁ・・・。こんな事位で息切らしてたら、坂本くんのこと笑えないじゃん・・・」
言ってしまってから、唯一この島にいない自分達のリーダーを思い出す。
「・・・・・・坂本くん・・・」
少し俯くと三宅は目元をゴシゴシと袖で拭った・・・。
その所為で三宅は人が近付いてきたことに気付くのが遅れる。
慌てて顔を上げると、ここから逃げる為の時間稼ぎにとその人物に向け水鉄砲を撃った。
集落を出た頃錦織は探知機のスイッチを入れた。
ピッと緑色に示された点は3つ。
どうやらこの周辺にいるのは自分と稲垣と、あともう一人・・・
地図を取り出し照らし合わせてみると、この人物は農協からこちらへと移動中のようだった。
「ま、いいか。この道を行っても鉢合わせしないだろうし・・・」
無理に会いに行く必要もないし、稲垣の所へ戻る気もしない。
とりあえず、前へ進もうと歩き続ける錦織だった。
森の中を歩くのとは違い、かつて舗装された道は――ひび割れているとはいえ――歩きやすい。
「結構この道って長いんだな・・・」
もう一度地図に眼を落とすと、錦織は地図をリュックへ探知機はポケットへと入れた。
しばらくの間黙々とひたすら歩き続ける・・・。やがて行く手に小さな人影が見えてきた。
錦織は探知機を取り出すとスイッチを入れる。自分が近付いている点は一つだけだった。
「こいつは単独行動か・・・」
探知機をポケットへ入れようとして誤って落としそうになり慌てて受け止める。
その拍子にどこかに触ってしまったのか、探知機は広範囲の表示をしていた。
何気なく見た錦織の眼がある一点――赤い点――に止まる。
「これは・・・稲垣・・・か?」
自分が来た方向に赤と緑の点がひとつずつ並んでいた。
探知機に気を取られている間も錦織の足は規則正しく歩き続け、小さかった人影へ近付いていた。
ふと錦織が顔を上げると、すぐ近くに俯く三宅の姿があった。
焦ったように急に顔を上げた三宅がいきなり何かを錦織へ向けて撃ってきた。
「みや・・・」
声を掛けようとした錦織の口の中にぬるいそれが入る・・・。
「ちょっ・・・ちょっと、待て・・・おい、止めろ・・・・」
錦織は三宅によって顔も頭もびしょ濡れになりながら、滴り落ちてくるそれを飲んでしまっていた。
ようやく錦織の制止の声が届いたのか、三宅は動きを止めた。
「おいおい・・・。勘弁してくれよな、何かけてんだよ・・・」
びしょ濡れになった姿の錦織は少し恨めしい声で三宅に話しかける。
「あ・・・。すいません・・・この水鉄砲で牽制して逃げようって思って・・・」
錦織の様子に三宅は素直に謝った。
「なんだ水かよ・・・。まぁ・・わ・・かる・・・・・・け・・・・・・・・・」
話の途中で、錦織は急にガクリと膝を崩すと倒れこむ。
「えっ!? 錦織さん? どうしたんですか?」
三宅は慌てて錦織の身体を抱き起こした。
「お・・おま・・・え・・・・・・そ・・れ・・・・・・・・・」
錦織は三宅が放り出した水鉄砲を指差すと、「ガハッッ・・・」と口から大量の血を吐き、三宅の腕から
滑り落ちる・・・。
血を吐いた後半眼に閉じた瞼で苦しそうな息を繰り返す錦織を見て怖くなった三宅は、水鉄砲を拾い
上げ、そっと後退りすると一目散にその場から逃げ出した。
三宅は混乱する頭でひたすら森の中を走っていた。
今見たばかりの光景が理解出来ない。自分が撃った水鉄砲の所為だというのだろうか?
でも、どう見てもこれは水じゃないか、だって水鉄砲なんだから・・・。
しかし、錦織が苦しい息で指差し何かを言いかけていたものはこの【水鉄砲】・・・
―――ナンデ? ドウシテ? ワカラナイ・・・・・・
苦しい息の下で錦織は三宅が逃げ去る気配を感じていた。
―――なんだよ、薄情だな・・・・・・。
苦しさの余り身体を丸めるが、再びの吐血に襲われる。
―――俺は・・・ここまでか。憎まれての死じゃないから・・・ま、いいか。なんか俺、植草みたいだな。
・・・それより、三宅は?・・・・・・大丈夫か?・・・
混濁する意識の中、色々な思考が浮かんでは消える。
やがて錦織はひとつ大きく痙攣すると、それきり動かなくなった・・・・・・。
「だって、おかしいじゃん。そうだよ、絶対変だよ・・・・・・」
森の中を彷徨いながらブツブツと三宅は繰り返していた。
「だって、これ水なんだよ。水であんな風になるか、普通?」
そこまで考えると三宅は立ち止まる。
「・・・って事は、これ水じゃないんだ! ・・・そうだよ、最初からこの水みたいなの入ってたじゃん・・・」
水鉄砲を顔の近くまで持ち上げてまじまじと眺める。
「ど・・毒とかだったりして・・・。だったらヤベェよ、どうしよう・・・錦織さん・・・」
今にも死にそうだった錦織の様子を思い出す。
「うわあぁぁぁ・・・・・・!! どうしよう!!」
三宅は両手で髪の毛をグシャグシャにすると叫び出した・・・
―――俺、もうメンバーに会えない・・・。トニセンに「少年隊殺しました」なんて言えないよ・・・・・・。
井ノ原と長野にとって少年隊の存在がどんなものか良く知っているだけに、三宅は事の重大さに慄く。
岡田にだって、ましてやあんな風に別れてしまった森田にも、どんな顔で会ったらいいのか分からな
い・・・。
「ああぁぁぁぁ・・・。もうオシマイだ俺! みんなに会えねぇよぉ!!」
そう叫ぶと三宅は、自分がした事の恐怖から逃れるように再び森の中を彷徨い始めた。
【錦織一清 死亡:残り17名】
見習いさん、乙です。
にいさんもまさか☆にやられるとは思っていなかっただろうな…
☆は罪の意識に苛まれるだろうが、ずぶとくなってもらいたい。
見習いさん、乙彼さん。
悩む☆ってのも新しいパターンでよろしいですな
見習いさん、乙彼さんです。
☆どうなるんですかね?次に誰に会うかで転ぶ方向が変わって来そうですね。
日記にいさんひょうひょうと残ってそうと思ったらまさか☆にやられるとは
乙です〜。
職人さん皆それぞれ違っててそれぞれ良いですな。
でも日記兄さんの死はどこでも割とハデだな(w
437 :
山崎渉:03/05/28 10:15 ID:U9kXUVah
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
(・∀・)]<ハロー!ホシュサポートセンターデース!!
お久しぶりです。
とうとう先週は更新できませんでした。・゚・(ノД`)・゚・。
しかも、今回もこれだけ・・・遅筆だ。
―――ひとしきり笑いあった後、彼らは今まで和やかだったその場所を離れるのを惜しみつつ自分達
の周囲をざっと片付けると、移動の為にそれぞれリュックを背負い始める・・・。
「うっ・・・」
今までの楽な姿勢から立ち上がりリュックを背負おうとした時、二宮は身体の痛みに耐えかねて再び
地面に座り込んでしまった。
「ニノ、大丈夫?」
松本が心配そうに側へ寄ってきて、脂汗を浮かべ始めていた二宮の顔を覗き込む。
「・・・う、うん。大・・丈夫、心配しないで・・・・・・」
長野と長瀬も気遣わしそうに二人へ近付く。
「二宮、無理そうか? だったら・・・」
「いえっ、大丈夫です。行けます!」
長野の言葉を遮るように、二宮の代わりに松本が返事をする。
「おいおい、松本。長野くんはお前じゃなくて二宮に聞いてんだよ」
長瀬の言葉に松本は、ばつが悪そうに下を向いた。
「い・・いんだよ、松潤・・・ありがとう。でも・・・ここで、置いていかれても仕方ないよ・・・」
二宮は、自分を庇おうとしてくれた松本に向けて礼を言った。
「何言ってんだよ。俺はニノを置いてなんか行かないから!」
「松潤・・・」
「お前ら、何言ってんだ?」
そのやり取りを聞いていた長野は、呆れたように呟いた。
「ホント、何二人で盛り上がってんだよ」
長瀬も同調するように呟く。
「「?」」
「ほらっ、行くぞ。松本は二宮のリュックを持てよ」
「「えっ??」」
「二宮は俺と長野くんとで支えるから、ちょっと立ち上がってみて」
長瀬は訳が分からずに戸惑っている二宮に向けて手を差し出した。
長野と長瀬の顔を見つめたまま固まってしまった二宮と松本に言い聞かせるように、長野はゆっくりと
話し出した。
「だからさ、お前ら何か誤解しただろ? 俺が二宮に『無理そうか?』って訊いたのは、無理なら俺達で
支えてやろうと思ったからだよ。それを、話の途中で松本が遮って勝手にヘンな想像してさ・・・。俺と
長瀬がお前らを見捨てるとでも思った?」
「ひでぇよな・・・」
長野の言葉を受けて長瀬が泣きまねをして見せる。
「すみません・・・。何ていうか、ニノの調子が悪いって分かったら置いて行かれるんじゃないかって心
配になって・・・・・・」
「ばかだなぁ・・・。さっき言っただろ? 『仲間を大事に思う心をお互いが持っているから一緒に行動
するんだ』って、そう思ってるのに見捨てるわけないじゃん」
長野は落ち着かせるように、諭すように、ポンポンと松本の肩を叩く。
「二宮も分かった?」
長野は松本の肩から手を離して、二宮の頭上に手を置きクシャリと撫でた。
「はい・・」
泣き笑いのような顔を二宮は長野へ向ける。
「でもさ、二宮はもう少し休んだ方がいいかもな」
長野の言葉に長瀬も松本も「う〜ん」と難しい顔をしながらも同意する。
「じゃ、決まりだ。もう少し此処で二宮が落ち着くのを待とう」
「・・ありがとう・・ございます・・・」
二宮は地面に横になると、瞼の奥に感じる熱いものが零れてこない様に目を閉じた・・・。
神社から少し南へ下ったところにある丘。森田はそこで周囲を見渡していた。
「なんだよ、こんなちっちゃな丘じゃ何も見えねぇじゃん」
森田から見えるのは森の樹々と、果てしなく広がる海・・・。
「健もさぁ〜、もう少し分かりやすい所へ行ってくれれば見つけやすいんだよなぁ」
文句を言いながら再度見渡してみる。と、もう少し南の方に山のようなものが見えた。
「あそこへ行ってみるか・・・」
ザッザザザッ・・・
軽やかな足取りで丘を駆け下り、そのまま一気に森の中へ飛び込もうとして立ち止まる。
「森の中は・・・ヤだな。うん、海へ行こう」
森田はクルッと向きを変え、海岸沿いを南下する事にした。
海岸沿いといっても砂浜になっている箇所ばかりではない。ゴツゴツとした岩場や、下を向いたら吸い
込まれてしまいそうな崖など、歩きやすい場所ばかりではなかった。
「っだよっ! こんなんだったら森を通れば良かった・・・」
少し大きめの岩を乗り越え、開けた斜面へ出た森田の眼が前方へ吸い寄せられる。
「おっ、人だ」
三宅でない事はその背格好から一目で分かったので、手近にあった茂みに身を隠す。
背の高いその人物は、森田に見られている事に気付かず森の中へと入って行った。
興味にかられた森田はその人物が消えた方へ近付き森の中を覗きこむ。
「あれ? 道だ・・・」
不思議に思い地図をリュックから取り出して眺める。
「ふ〜ん。この道、集落の方へ行くのか・・・」
森田は地図に眼を落としたまま顎に手を当てて暫く考える。
「いや、やっぱ先に健を捜そう」
地図を適当に畳むとリュックへ放り込み、ペットボトルを取り出すと喉を潤した。
松岡は、森田に見られている事に気付かないまま島の内部へと通じる道を歩いていた。
「このまま順調に歩いていけば、集落か・・・。誰かいるといいな〜」
あ〜早く誰か人に会いてぇ。 そう思うと松岡の足は自然と速くなる。
「ウチのメンバーだったらいう事ないし・・・V6でも・・・・・・」
つらつらと考えながら歩く松岡の耳に、近くの森の中から叫び声が聞こえてきた。
「ん?」
立ち止まり耳を澄ましてみるが、その声はもう聞こえない。
松岡は行く手――集落へと続く道――と左手に見える森の中を交互に見比べ暫し思案すると、叫び
声が聞こえてきた森の中へ足を踏み入れた。
松岡はガサガサと音を立て、下草を踏み分けながら森の中を歩く。
「げぇ、歩きづれぇ・・・。で、何処で誰が叫んでたんだ?」
肝心な事に今になって気付くとはたと足を止めた。
「っていうか、近いと思ったんだけどよ・・・どうすっかなぁ・・・」
顔をしかめながら、樹々に囲まれて小さく見える青い空を眺め「ふぅ〜」と溜息を一つ吐いた。
近くの樹に寄りかかってこれからの行動を考えていると、ふいに何処からかガサガサッと草が揺れる
音が聞こえてきた。
「おっ?」
松岡は樹から身体を起こし、耳を澄ますと、音がしたと思われる方へそっと歩き出した。
暫らく歩くと、ガサガサと乱暴に草や踏み鳴らす音、バキバキと枝を折る音と共に「うわあぁぁぁぁ・・・」
と、悲鳴とも叫びとも判断のつかない声が聞こえてくる。
一体なんだ? 怪我でもして助けを呼んでいるのか?
松岡は急いで声の主を探す。が、その眼に捉えたのは、ウロウロと足取りも覚束ない様子で歩く三宅
の姿だった。
「な・・・なんだ?」
声をかける事も躊躇われるような三宅の挙動に松岡は、慌てて身を近くの樹の後ろへ隠す。
息を殺して見つめる松岡の眼の前で、三宅は顔を空へ向けると「あぁっ、あぁぁぁぁ・・・どうしよう・・・」
と再び呻き声を上げ、手近の茂みをガサガサと腕で払うと森の中へ消えていった。
「・・・・・・どうしたんだ? この島、何が起きてんだよ・・・」
三宅の姿を見送った松岡は、唖然としたままその場に立ち竦んでいた・・・
「それよりも・・・ここ何処だ? もしかして俺、迷子?」
見習いさん乙です!
ご自分のペースでいいのでがんがってください。
マターリ待ってます。
毎度毎度乙です!
やっぱみかん組いいっすねw
実際小僧なら感動して泣きそうだなーと思いました。
見習さん、よくわかってらっさる!!
マターリがんがってください!!!
お言葉に甘えてマターリとがんがりまつ。
今回は自分でも意外な方向に話が転がっておりまつ・・・
プロット書き直しでつ(苦藁
爆発音が聞こえた。それもすぐ近くで・・・
観光協会の中でぼんやりと座っていた井ノ原は慌てて立ち上がると、爆発の余波でガタガタと振動す
る窓から外を窺う。
「あれは・・・診療所?」
先程まで自分がいた診療所付近から爆風が立ち昇っているのが見える。
それに気付いた途端、井ノ原はドアを開けるのも面倒だと窓から外へ飛び降り、診療所へと駆け出し
て行った。
「3人とも無事でいてくれよ・・・」
診療所で再会した友人達の無事を祈らずにはいられなかった・・・。
途中、倒れている人影を見つけた。
うつ伏せに倒れているその人物の下には血の染みが広がっている。
「おいっ!! しっかりしろ!」
急いで近付くと、怪我に触れないように気をつけながらその人物を抱え起こす。
ぐったりと井ノ原の腕にもたれ掛るその人物の顔色は蒼白だった。
「翼・・・おい、翼!!」
井ノ原は今井の口元に手を当て、呼吸をしている事を確認するとその蒼白の頬をペチペチと叩く。
今井が意識を取り戻さない事に焦れて「チッ」と舌打ちをすると、怪我の様子をざっと確認しその身体
を抱え上げる。
そして、そのまま今井の身体を、自分の荷物が置いてある観光協会へ運んで行った。
頭の中にかかっていた薄い霧が晴れていくような感じがする。
それとは反対に足が、腕が、痺れたように動かす事が出来ない。
ぽっかりと眼を開けると見えたのは室内らしき天井・・・。
――何故ここに居るのか、何故身体が動かないのか・・・
疑問に思いながら再度瞼を閉じたその瞬間、思い出す・・・何があったのかを・・・・・・。
足元には城島の、動かない血まみれの身体。
それは自分の銃と、斧によって生じた結果だった。
――罪悪感。・・・そんなものを感じていたら生き残れない。
ここで生き残る為にはそんなものを持っていたらダメなんだ・・・。
何度も心の中で唱えた言葉。
でも、ココロのどこかで傷ついていたのかもしれない。
銃を撃つたび、斧を振るうたび、口から出る冷酷な言葉や態度とは裏腹にココロは悲鳴を上げ続けて
いた。
――誰の眼にも映らない涙を流しながら・・・
そして、ダイナマイトが窓から投げ込まれた。
完全に逃げ出す事は不可能だった。
瓦礫に埋もれた身体を無理やりに起こして動かすと、その場から逃げ出した。
どこかがざっくりと切れているのか鮮やかな血が足を伝っていた。
肩にも鈍い痛みと熱を感じた。
荷物を無くした事にも気付かず、ただ闇雲に足を動かし続けた。
―――まるで・・・翔くんみたいだな・・・因果応報って事か。
傷つけ殺めてしまった桜井と同じような傷を持つ自分・・・
自嘲気味に薄く笑うと今井は意識を手放し、その場に倒れた。
そうだ、あそこで倒れたんだった。
なのに何故ここにいるんだろう?
再び眼を開けると、そこには心配そうに自分の顔を覗き込んでいる井ノ原がいた。
「気がついたか? 良かったぁ、心配したぜ」
「い・・い、の・・・ゴホッ・・・」
「あぁ、ちょっと待て、これを飲んでからにしろ」
井ノ原は今井の背中に手を当て起き上がらせるとペットボトルを手渡した。
渡されたペットボトルから水をゆっくりと一口飲む。
途端、喉の渇きを覚え、ゴクゴクと喉を鳴らして水を流し込んだ。
あっという間に空になったペットボトルを口元から降ろすと、自分の太腿に包帯のように巻かれた布に
気付く。
「あの、これ、井ノ原くんが・・・?」
「あぁ、ここに居たら爆発音が聞こえたから様子を見に行ったんだ。そしたら、途中で怪我して意識の
ないお前を見つけた」
そこでひとまず区切って、井ノ原は今井の顔を正面から見つめる。
「なぁ、診療所で何があったんだ? 太一くん達はどうした? 3人とも無事でいるのか?」
井ノ原が診療所であの3人と会っていた事は、城島に最初に会った時に聞いていた。
―――どうする? 何て伝えよう・・・・・・
「診療所で・・・・・・。ダイナマイトが爆発したんです。それで、診療所が・・・」
何故ダイナマイトが爆発したのかを伏せ、残りの――自分に都合の良い――事実だけを井ノ原に伝
える。
「え? 太一くんのが?」
「はい。前もあったらしいですよね・・・草薙くんたちに・・・」
「あ、あぁ。翼も聞いたのか? それ・・・」
「えぇ・・・。で、僕は瓦礫の下敷きになっちゃって、ようやくそこから逃げ出してきたんです」
「そうか・・・」
それきり俯いてしまった井ノ原の頭を眺めていると、無理やりに微笑みを作った井ノ原の顔がふいに
目の前に現れた。
「急に動くと傷に障るから、もう少し横になってろよ」
井ノ原は今井の背中をポンと叩き、自分の上着を身体にかけてやると外へ出て行った。
井ノ原は草の上に腰を下ろし、緩やかな風に吹かれながら海を見つめている。
今井はその無防備な背中を窓から眺めていた。
荷物は全て無くした。たぶん瓦礫の下になっているだろう。
だが、ポケットに入れておいたM59だけは手元に残っていた。
井ノ原を狙うなら、無防備に背中を向けている今が絶好のチャンスだった。
ズキンズキンと痛む足を引き摺りながら外へ出ると井ノ原へ近付き、慣れた手つきで銃を構える。
そのままジリジリと時だけが過ぎる・・・・・・。
「・・・しっかり狙えよ・・・・・・」
数時間も経ったと思える頃――実際はほんの数分なのだが――井ノ原は海を見詰めたまま、ふいに
背後の今井へ声をかける。
「俺さ、ホント痛いのは嫌なんだよなぁ〜。一瞬で終わらせてくれよ・・・」
背を向けたまま淡々と告げられるその意外な言葉に、今井は銃を構えたまま立ちすくむ。
「どう・・して・・・?」
「『どうして?』って言われてもなぁ・・・」
井ノ原はゆっくりと振り向くと、呆然とした顔をする今井を笑みを浮かべた顔で見つめた。
「だって・・だって・・・怖くないんですか?」
「そりゃ怖ぇよ。当たり前だろ?」
銃を下ろした今井は井ノ原へ一歩ずつ近付く。
何故だか銃を撃つ気は消えていた・・・
「少し、話しようか? 翼・・・」
井ノ原は近付いてきた今井の腕を掴むと、海を向くようにして自分の横へ座らせた。
見習いさん乙です!!!
なんか俺様イイ(・∀・)!!
見習いさん乙彼です!
俺様、カコエエ・・・惚れそうです
見習いさん乙華麗summer〜
俺様が素敵でカコイイ!
そして遂につも救われるのか?それとも殺人鬼一直線か?
次の更新も楽しみに待っています。
見習いさん乙彼様です。
俺様素敵!
つの行方が気になります。
これからも頑張って下さい。
457 :
ななしじゃにー:03/06/18 17:28 ID:R5zyPxeZ
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俺様評判良くて嬉しいでつ。
嬉しさの余り遅筆がふっとんだ(藁
が、今回の俺様はどうなんだ・・・
「井ノ原くん、どうして・・・何でなんですか?」
自分を隣に座らせたまま、なかなか話し出そうせず海を見つめる井ノ原の横顔に向けて切り出す。
「あぁ、そうだな・・・。俺はさ、お前たち、お前と滝沢が可哀相だと思った。だって、デビューしたばっか
りだろ? それなのにこんな事に巻き込まれてさ。しかも、滝沢がすぐにいなくなって、お前だけがここ
に放り込まれた。確かに、全員同じ事務所の仲間だけれど、それよりも同じグループっていう繋がりは
強いと俺は思う。現にグループ以外に仲が良い太一くんやツヨシ・・・松岡よりも、正直言って今俺が一
番心配しているのは、ゴウや健、岡田に長野くんなんだ・・・。今まで一緒に頑張ってきた仲間だし、そ
れにあいつ等を家族みたいに思ってるところも少しはあるし。だから、お前が唯一の家族を、滝沢を失
って自暴自棄になってないかって心配になった。それに俺が、お前の立場だったらこの島から生き残
って東京へ帰って、それで・・・こんな事考えた奴らを皆ぶっ殺してやろうと思った。だから、お前がさっ
き俺を撃とうとした時、あぁ、それも仕方ないなって思えたんだ」
立てた膝に頬杖をついて視線を海から今井へ移した井ノ原の眼は、真摯な光を湛えていた。
まるで自分の心情を見透かしたかのような井ノ原の言葉を今井は黙って聞く。
「まぁ、俺もついさっきまで悩んでいたんだけど、色々振り返って考えてみたっていうか・・・ようやく吹っ
切れたっていうか・・・なんたってお前のほうが俺よりもずっと可哀想だもんなぁ・・・」
「それは・・・同情ですか?」
今井の声が強張った・・・
「いや、それは違うな。運が悪いって思うぜ」
井ノ原はニヤリと笑った。
「だからな、運が悪いなりに足掻いてみるのも悪くないんじゃない?」
井ノ原が何を言っているのかがよく分からない今井は不思議そうな顔をしている。
「俺を殺して・・・それで、最後まで戦ってみろよっ」
「・・・・・・!!」
自分を殺せという井ノ原の言葉に、今井はただ声もなく驚くしかなかった。
「でも・・・」
躊躇う今井の様子を、今度は井ノ原が不思議そうな顔で見る。
「なんで? さっきまでお前、そのつもりだったんだろ?」
「・・・・・・はい。でも・・・」
今まで出会ってきた相葉、桜井、大野・・・城島、国分、中居・・・その誰とも全く違う井ノ原の言葉は、
今井を混乱させていた。
「さっき話を聞いた時思ったんだけどさ、診療所のダイナマイトはお前が原因なんじゃないの?」
「・・・・・・」
「太一くんが草薙くんたちに使った時って、先に攻撃されたときだったんだよ。お前には悪いけど、自分
のグループの奴らがいるときにそんな危ない真似はしないと思う。もし、使ったんだとしたら、それは
身の危険を感じたときだ・・・」
暗にお前が何か仕掛けたんだろう? と問う井ノ原の言葉に、今井は顔を逸らし唇を噛み締める。
「何度も言うようだけど、お前の立場なら俺はこの島で出会う奴は消す。たとえそれが親友の松岡でも
な・・・。でも、その後に感じる孤独と絶望感、それに罪悪感は計り知れないだろうなと思う・・・・・・」
「・・・・っ・・・くっ・・・」
唇を噛み締めたままの今井から嗚咽が漏れ始める。
「もっと、もっと沢山、滝沢と歌いたかった・・・踊りたかった・・・。それなのに・・・・・・・」
苦しげな声で今井が声を搾り出す。
「ねぇ井ノ原くん、どうしてなんですか? どうして僕達が・・・。僕達は2人だけだったのに、滝沢があん
な風に見せしめみたいに殺されて・・・。僕にはもう同じグループの仲間なんていないんです・・・」
井ノ原は自分の腕を掴み涙声で訴え続ける今井の頭を、何も言わずにポンポンと宥めるように優しく
叩く。
「だから、相葉ちゃん達が憎かった・・・のんびりしていた城島くんたちも・・・・。でも、でも・・・僕は、本当
はそんな事がしたかった訳じゃない・・・。井ノ原くん、僕はどうしたらいいんですか・・・・・・」
そこまで言うと今井は井ノ原にしがみ付き、ワァワァと声を上げて泣き出した。
――今まで見えなかったココロの涙が、ようやく形をとって溢れ出してきた。
―――熱い塊になって・・・
「どうって、殺るしかないんじゃないの?」
井ノ原のその言葉に今井は肩をビクッと震わせた。
「だって、もう殺ってきちゃったんだろ? 生き残りたいんだろ?」
「でも・・・でも、僕は・・・もう人を殺すなんて嫌なんだ・・・」
今井の脳裏に自分を拒否するような桜井の背中、大野の動かない身体・・・。そして、城島の血まみれ
の身体が浮かんでは消える。
「じゃあ、東京へは帰りたくないって事なんだな? ここで死んでもいいって事なんだな?」
井ノ原は今井の肩を掴み、顔を上げさせる。
「それは・・・」
「俺達が殺し合いをしなきゃいけなくなった原因を作った奴。それに・・・お前が、こんなにも苦しむ原因
を作った奴・・・。そいつを放っておくんだな?」
「それは・・・出来ません」
「なら、俺をここで殺して翼は生き残ればいい」
「それも・・・もう、出来ません・・・」
今井は自分の眼を覗き込む井ノ原に苦しそうに言葉を返すと項垂れた。
今まで堪えてきたものが溢れ出してしまった今、もう人を殺める事は出来そうになかった。
これから先、疎外感を味わおうと、孤独感を与えられようとも、銃口を人へ向けることは出来ないだろ
うと今井は思っていた。
「翼、どっちも出来ないのなら他に方法は?」
分からないとでも言いたげに今井は首を横に振る。
「お前はさ、極端に考えすぎたんだよ。どっちも出来ないならそれでいいじゃん。無理にどちらかを選
ぶ必要なんてないんだ」
今井を問い詰めるような口調から一転して穏やかなものへと変わる。
「全員一緒に帰ればいいんだ。簡単だろ?」
井ノ原は得意気に笑った。
「俺は東京へ戻っても、もうあの事務所に戻る気はない。っていうか、戻ってこられてもあっちも困るだ
ろ? だったら、皆でここから東京へ帰って新しいグループを作ればいいんだ。ここから生き残った
者同士なら、きっと良いグループが出来るぜ」
その言葉に、項垂れたままだった今井は顔を上げる。
「そうすれば、お前も俺と同じグループだ。もうひとりじゃないだろ? そしたら、岡田より年下だしお前
が一番末っ子だな」
今井へ向けてぎこちなくウインクを――そう呼べるかは疑問が残るが――して見せる井ノ原を、息を
詰めるようにして今井は見つめる。
「・・・ありがとう・・・・・・」
暫くして、ふぅ・・・と息を吐き井ノ原へ告げると、滲んできた涙を隠すように慌てて俯き、袖で眼元を押
さえた。
「翼。ここから先、その銃は使うなよ」
今井はそのまま姿勢で頷くと、傍らに落ちていた銃を井ノ原へ渡そうとした。
「いや、いい。これはお前が護身の為に持ってろよ」
井ノ原はそれを今井の手へ押し戻すと、「運悪いんだからさ」と冗談ぽい口調で付け加えた。
「でも、井ノ原くんはさっき、抵抗しようとしなかったじゃないですか・・・」
銃を手にした今井は、戸惑ったように慌てて顔を上げた。
「ば〜か、あれはお前だからだよ。お前だから良いって思ったて言ったろ?」
何聞いてたんだ? と言うような視線を向けながら説明する井ノ原を見ていた今井の顔が、クシャリと
歪み、瞳からポロポロと大粒の涙が零れ始めた・・・。
「あぁ〜もぅ、さっきから何泣きまくってんだよ・・・」
その今井の様子に、井ノ原が慌てて宥めるように背中をポンポンと叩く。
「お前そんなに泣くと頬の傷に滲みるだろ?」
井ノ原はポケットからクシャクシャになった絆創膏を取り出した。
「これでも貼っとけ」と井ノ原から渡された絆創膏を頬の擦り傷に貼る。
何故だか頬に当たる小さな絆創膏が、今井のココロの傷をも癒していくようだった。
今井が大人しく絆創膏を頬に貼っている間に、井ノ原は草の上に寝転がって空を仰いでいた。
その井ノ原の横に同じように寝転がり、空を眺める。
変わる事がないはずなのに、今まで見た空よりも何倍も澄んで綺麗な青い空・・・
それを深呼吸をして眩しそうに眺める。
この島に来てから今井が始めて手に入れた穏やかな時間だった・・・
見習いさん乙です!
俺様・゜・(ノД`)・゜・。つ、よかった脳。
新しい職人さんちへお邪魔してました。
自分はあんな沢山の人数使えないわ〜・・・裏山です。
>465
おっと、他所様へ行っている間に早速読んでくださってアリガdでつ。
ここらでつにも一息入れてもらいました。
俺様、あんなキャラでよいのかと思ってましたが・・・(藁
俺様禿カコイイ!!
お話の世界なのに「ガンガレーガンガレー(つД`)」とオモテしまう見習いサソの表現力マンセー
見習いさん乙です!!
俺様カコイイ!!
見習さん乙カレー!
俺様カッケー!つを救ってくれてありがとう。
つ、ほんとによかったねー
見習いさん乙華麗さまです
よかった・゜・(ノД`)・゜・。
見習いさん乙です!
自担がとてもカコイク書いてもらってて勿体無いくらいでした(;´Д⊂)
つも救われてホント良かった〜。
次回の更新も楽しみにしてマターリとお待ちしております。
見習いさんお疲れ様です。
こんな考え方があったのかって漢字です。
次回が楽しみです。
見習いさん乙です。
よかった・・・俺様が好きになってしまいそうです。
あとは☆を救ってやってください(つД`)
見習いさん乙です。
今日初めて一気に読みました。
どのタレも本当にこういう行動を取りそうなくらいマジリアル。
自担は死んでましたが、カコイイ死に方でマジ泣けますた。
そして最後に俺様に癒されました。ヨカタ。
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見習いさん、お疲れちゃんです。
今日初めて見つけて一気に読みました。
面白いです!
自担は、始まって3秒で消えたんで(ニガ…
ツレが壊れていく様子に涙…。
でも気持ちは分かる!!と、ブラックなツレひそかに応援しながら読んでますた。
でも俺様に救われて良かったね、つ…
できたら生き残れよ。
楽しみにしてます
がんがってください。
見習いさん御苦労様でつ。
漏れも初めて知って、全部読みますた。
ひら傘平安の絆に耐えられなくなるつ、
まじで泣いちゃいますたよ(つД`)・゚・。.
俺様に助けてもらって、ひと安心。
いろいろあっただけにこのまま死ぬのはもったいないかな。
検討を祈る、つ!
JBRにハマッて以来 JフレDVDをリピーッツ&リピーッツ。
何気に肩なんて組んでみたり、アイコンタクトしてみたりと
仲良さげな彼らに萌え。中でも面紹介の時の組み合わせなんてウヒョヒョヒョ。藁
恐ろしく楽しんでいまつ。
うっわ―――!!なんて沢山のレス・・・ひたすら感謝感謝です。
読んでくださった皆様、どうもアリガd!!嬉しいです。
あまり褒められなれてないので、ちょっと照れ気味でつ・・・
照れくささの余り今回早めのうぷにきました(藁
今回は他メン話でマターリ進行ですが、どぞっ!!
ああぁぁぁ、嬉しさの余りトリップ入れ忘れた・・・
皆様スマソでつ・・・
マターリしすぎですわ、自分(藁
「ん〜と、もうそろそろ大丈夫です」
二宮はボトボトとみかんを落としながらゆっくりと上半身を起こすと、自分を護るように周囲に座ってい
る3人に告げた。
「本当に? だってまだ・・・」
二宮の身体から落ちたみかんを拾い上げながら松本が心配そうに声をかける。
「そりゃ確かにまだ痛いよ。でも、ここで止まってる訳にはいかないじゃん」
「そうだな」
二宮の言葉に同意しながら、みかんをひとつ拾い上げた長瀬の顔が「うぇっ」となる。
「何、どうしたの? 長瀬」
その顔を見た長野が訊く。
「いや・・・なんていうか、すごく温い・・・このみかん」
苦虫を噛み潰したような顔で答える長瀬に、松本と二宮から笑いが漏れる。
「だって、しょうがないじゃん。熱を取ってんだもん」
辺りに散らばるオレンジ色の物体を眺めながら長野は笑った。
「で、次はどこへ?」
4人で松本が出した地図を囲むと、誰にともなく長瀬が訊く。
「俺は、どこでもいいけど・・・。松本と二宮は?」
長野に話を振られ、松本と二宮は顔を見合わせる。
「ん〜と、今この辺りですよね?」
地図へ視線を落とし、松本は自分達の現在位置と思われる場所を指す。
「そしたら、こっちの方へ行ってみたいかな〜って思うんですけど・・・」
「こっちに下がると、なんか危なそうな気がするって言うか・・・」
長野と長瀬は二人の言葉に対して特に異論はなく、行き先は松本が示した方角へと決定した。
「じゃ、今度こそ移動するか」
先頭を長瀬、その後ろを二宮に肩を貸しながら長野。そして、一番後ろを松本が二宮のリュックを持っ
て歩く事になった。
一番年下の松本が最後を歩いているのは、このメンバーで唯一、銃を所持している為だった。
「銃を持っている僕が一番後ろを歩きます。長瀬くんは背が高いから前が良く見渡せると思うので先頭
を、長野くんはニノを支えて歩くのだから真ん中をお願いします」
そう自分で志願して、危険な一番後ろを歩いていた。
「お〜い、ちゃんとついて来てるぅ?」
先頭を歩いていた長瀬が後ろを振り返って声をかけた。
「うん、大丈夫。松本は?」
少し離れていた長野は長瀬に返事をすると、二宮を支え直し首だけで後ろを振り向いた。
「あれ?・・・いない・・・・・・」
慌てて二宮と一緒に身体ごと振り返る。
「長野くん、あそこに松潤が・・・」
二宮が指差す先には、かなり後方の切り株の上に乗り、身体を乗り出すようにして何かを見詰めてい
る松本の姿があった。
「松本〜。そこで何してるの?」
「あっ、長野くん。あっちに何か建物が見えるんですけど・・・」
その会話を聞きつけた長瀬が長野たちの所まで戻り、3人で松本が見つけたものを木立の影から探
す。
「あ〜、あれかぁ」
「あぁ、あれは・・・」
長瀬が額に手をかざしてその建物を見ている横で、長野は二宮から手を離し、ガサガサとリュックから
地図を取り出して広げた。
「えっと・・・あれは、展望台・・・かな?」
「ん〜と・・・そう、みたいですね」
長野と二宮が地図を見つめ、建物の検討をつけていると松本が駆け寄ってきた。
「ねぇ、長野くん。あれ展望台じゃないですか?」
「うん。今、二宮ともそうじゃないかって話してたところ」
二宮も長野の隣で頷いている。
「なら、さっきお前らが行きたいって言ってたから、丁度良かったじゃん」
「そうだね。じゃあ、そっちへ行ってみようか? っていうかさ、長瀬はどこ見て歩いてたの?」
「飛んでいる鳥の後をついて行ってました・・・」とはとても言えずに、ただ「エヘヘ」と笑って誤魔化す
長瀬だった。
暫くの間、ザクザクと土を踏む音、ガサガサと草を掻き分ける音だけが森の中に響く。
「長瀬〜。もう少し静かに歩けよ。この森にいるのは、俺達だけじゃないんだぞ」
かなり大きめ音を立てて歩く長瀬に長野からチェックが入る。
「はぁ〜い。っていうか長野くん、この辺すっげぇ歩きづらいんすよ・・・」
頭の上に降りてきている枝を振り払いながら進む長瀬の顔には、細かな傷が出来ていた。
「まぁ、確かにそうだけど・・・。出来るだけ気をつけてよ」
長野は控えめな注意をすると、長瀬のおかげで歩きやすくなった道を歩きながら二宮の身体を
「よいしょっ」と抱え直した。
2人ともすげぇなぁ・・・
ほとんど藪のような未知の場所を、恐れることなくかき分けながらどんどん進んで行く長瀬・・・
二宮の身体を疲れた様子も見せずに抱え、足元の悪い道を平然と歩く長野・・・
頼もしい2人の先輩の後姿は、松本に大きな安心感を与えていた。
さっきだって俺が立ち止まっていてもすぐ気付いてくれたし、ニノの事もこんな状況の中で当たり前の
ようにフォローしてくれる・・・。
翔くん、大野くん、相葉ちゃん・・・。俺とニノは、こんなにも頼もしい先輩と一緒なんだよ。みんなはどう
してるの? 誰かと一緒にいるの?
望遠鏡を置いてある可能性が高い展望台へ行けば、他のメンバーの行方が分かるかもしれない。
それがあったとしても、使えるかどうかは行ってみなければ分からない。が、万に一つの可能性がある
のなら、それに賭けてみたかった。
望遠鏡から島内を見てみれば何か手がかりが掴めるかもしれない・・・。
―――その為に、今、彼らは展望台を目指す。
見習いさん乙です!
みかん組がようやく動き出しましたね…ワクワク
チーム★THE★みかんに幸あれ!!
見習いさん乙華麗です。
チームみかんキター!!!
この雰囲気がスキーなのでずっと無事でいて欲しいのだが
そうもいかないっすよね…とにかく4人ともがんがれー!
おぉっ、チームみかんを待っててくださった方がいたっ。
嬉しいです!
軽口を叩きつつのこのチームは書いてて楽しかったです。
が・・・・・・どうぞ。
左右は勿論の事、背後に気をつけながら歩く松本は、眼の前で長野の身体がよろけるのを見た。
「長野くんっ」
叫んで慌てて駆け寄る。
「あぁ、ごめん。俺は大丈夫・・・。でも、二宮が・・・」
道と呼べない道を痛む身体で歩いていた所為か、二宮の身体は再び熱を持ち始めていた。
額にうっすらと脂汗を浮かべ、ハァハァと荒い呼吸を繰り返す二宮の元へ全員が集まる。
「ちょっと、マズイね。少し横になった方がいいみたい」
長野は松本に自分の分のリュックを預けると二宮を背負った。
「長瀬、身体を休める場所ってこの辺で見つけられる?」
「あ、あぁ・・・ちょ、ちょっと待ってて。今探すから・・・」
長瀬が二宮を休ませる場所を探すために森の奥へ姿を消す。
「ニノ・・・。身体、痛むのか?」
「二宮、もう少し我慢できるか?」
二宮は声を出す事も辛いのか、首を動かして返事をするだけだった・・・
「長野くん、この先にちょっと広めの場所があるから、そこへ二宮を・・・」
戻ってきた長瀬の誘導で、大きく枝を広げた樹の下まで歩く。
「二宮、降ろすぞ。少し我慢しろよ」
「ウッ・・・ウゥゥ・・・ッツ・・・」
二宮は呻き声を上げながら長野の背中から降りる。
その身体を、長瀬と松本が支えながら地面へと横たえた。
長瀬が見つけてきた場所は木陰になっており、熱を持った二宮の身体には、とても心地良く感じられ
ていた。
暫くすると、落ち着いたのか二宮の呼吸も楽なものへと変わっていく。
「ふぅ〜」と大きく息をつく二宮を見て、3人の張り詰めた空気が緩む。
「あともう少しなんだけどなぁ〜」
長瀬が背を伸ばして、木々の隙間から見える展望台を見る。
「でも、ニノが・・・」
「無理しても仕方ないよ。少しここで休憩しよう」
心配そうに二宮の傍らに膝をついた松本の横に座り、長野は自分のリュックからペットボトルを取り出
した。
「もうみかんで冷やすのも限界だろ? これを二宮に少し飲ませて、冷やしてあげなよ」
「え? これ・・・」
「ちょっと温いかも」と、笑う長野にペットボトルを押し付けられた松本は戸惑った。
「だって、これ長野くんのじゃないですか? 水はリュックに2本しか入ってないんですよ・・・。貴重じゃ
ないですか・・・」
「だから使うんだよ。今使わなくていつ使うの? それに、『2本しか』じゃなくて『2本も』だよ、まだ俺に
はあと1本残ってるよ」
貴重な水を使ってしまってもいいのだろうか?
しかし、二宮が水分を補充したり、身体を冷やしたりする事は必要だった。
「何考え込んでんだよ。それでも足りなかったら、次は俺の出すから心配しなくても良いんだぜ?」
考え込んでいる松本に長瀬が自分のペットボトルを見せる。
「な・・長瀬くん・・・」
ペットボトルを抱えながら松本は、何故、自分もそう考えられなかったのだろうか? と思った。
この2人の先輩は、押し付けるわけでもなく、そうする事が当然のようにフォローをしてくれる。
口先ばかりの心配ではなく行動を伴った手本を、今一番優先する事は何なのか? と松本は見せら
れ、考えさせられていた。
「ニノ、少し起き上がれる?」
松本が二宮に声をかけ、長瀬が手助けする為に反対側から手を伸ばす。
「あ・・うん。だいぶ楽になった」
身体を起こし、安心させるようにうっすらと笑う二宮の顔には、それでもまだ疲労の色が残っていた。
「これ、飲める?」
松本がペットボトルの飲み口を二宮の口へと運ぶ。
コクンと一口飲み込んだ後で、二宮はハッとしたように3人の顔を見渡した。
「どうした? やっぱり温い?」
笑う長野に二宮は困った顔をして見せる。
「さっき聞こえてきていたんですけど、この水・・・。長野くんのですか?」
「そうだよ」
「僕のリュックにも水、入っているのに・・・。水は貴重だって言ってたじゃないですか・・・」
出会った時、『水は貴重だからみかんで冷やすように』と言った長野の言葉を二宮は覚えていた。
「ニノ、さっき俺も『水は貴重だ』って、同じ事長野くんに言ったよ。そしたら、長野くんも長瀬くんも『2本
もあるんだから、今使わないでいつ使うんだ?』って言うんだよ。俺、そう考えられなかった自分が恥
ずかしい・・・。ニノは大事な仲間だって言っておきながらそう考えられなかったんだ・・・ごめん」
二宮に語りかける松本の言葉を、長野も長瀬も黙って聞いていた。
「ニノ、貴重な水だから今、ニノの為に使うんだ。大事な仲間の為に使うんだよ。だから、安心して飲ん
でよ。」
「良く出来ました」
笑いながら長瀬が松本の頭にポンッと手を置いて笑った。
「心配しなくてもいいよ。みかんがまだ冷たかったら、またみかんを使ってた筈だからね」
悪戯っぽく笑いながら、「ホラッ」と長野が二宮に渡したみかんは温かった・・・。
「でも、展望台って、ホントすぐそこに見えるんだよなぁ」
長瀬は再び立ち上がって背を伸ばすと展望台を見る。
「あ、もう大丈夫です。行けます・・・」
横になり、熱を持って痛む箇所にペットボトルを当てていた二宮は、慌てて身体を起こそうとした。
「あぁ、二宮はまだ寝てなよ。・・・でもホントあとチョットみたいだね」
「だから・・・。あと少しだから歩けます」
「ダメだ。二宮は無理すんな。なんなら、俺がちょっと見てくるし・・・」
動きたがる二宮を制して長瀬が提案を出す。
「でも、一人じゃ危険なんじゃないですか?」
「僕、もう動けますから・・・だから、一緒に行けます」
長瀬の提案に松本が難色を示し、二宮は自分が動けることを再度訴える。
「いや、二宮は長瀬の言うとおりもう少し休んでたほうがいい。それに、長瀬も一人で行くのはちょっと
危ないと俺も思うよ」
長野が長瀬と二宮を止めに入った。
「でもっ、こうしている時間が勿体無いっすよ」
長瀬の言葉に二宮の顔が曇る。
「長瀬、そういう言い方はよせよ」
その言葉にハッとした様に長瀬は二宮の顔を見る。
「・・・ごめんな、二宮・・・俺、そういうつもりじゃ無かったんだ・・・。ただ・・・」
「いえ・・・ホントのことですから、気にしないで下さい・・・」
素直に謝罪の言葉を口にした長瀬に、二宮は弱々しく首を振った。
「じゃあ、暫く全員で休憩しますか!」
少しぎこちなくなってしまった空気を振り払うように、少し明るめのトーンで言いながら松本が地面へ座
る。
「あのさ、この時間を有効に使う為に二手に分かれるってのはどう?」
長野が新しい提案を出した。
「確かに、長瀬の言う事も分かるよ。だから、休憩する人と展望台へ行く人に分かれれば? 2人ずつ
になれば、少しの時間なら別行動をとっても大丈夫だと思うんだよね」
「あっ、それいいっすね!」
長野の提案に、長瀬が即座に同意した。
「いい? じゃあ、確認するよ。展望台へ行く2人は、人影や気配があったらすぐにここに戻ってくる事。
無かったら、注意して中へ入って望遠鏡があるかどうか確かめて、出来たらそれを覗いてくる事。もち
ろん、決して無理はしない事。それで、残った2人はこの場所で待機・・・」
言い終えて長野は3人の顔を見渡した。
「でも、長野くん。どうやってチーム分けするんすか?」
「それはもう決めてあるよ。残るのは二宮と松本、行くのは俺と長瀬。これでどう?」
「どうしてですか? 銃を持っている僕が行った方が安全じゃないですか? あっちに何があるか分か
らないですよ」
「あぁ」と納得顔の長瀬とは反対に、松本は自分が残る事に不服そうだった。
「だからだろ? お前が行っちゃったら誰が二宮を護るんだよ。お前の武器がこの中で最強じゃん」
「展望台へ行った人は、もし何かあっても自分で動けるからいい。でも、ここで何かあった時、二宮を
護るには銃があったほうがいいと思うんだ」
長瀬と長野の言葉に、松本は組み合わせの『意味』をもう一度考える。
これは、この場に残される事が分かっている二宮の事を第一に考えた人選だった。
「分かりました。二人が戻ってくるまで僕が二宮を護っています」
その事に気付いた松本は、長野や長瀬がしてくれたように自分も行動しようと決意する。
「僕、大丈夫ですよ。護ってもらうだなんて、そんな・・・」
二宮が遠慮がちに口を挟んだ。
「何言ってんだよ、そんな事気にすんなよ。俺と長野くんとでチャッチャッと見てくるから、松本とここで
大人しく待ってろよ」
「そうそう、松本になんでもやって貰っちゃえば?」
「そうだよニノ、俺に何でも言えよ」
「みかんの皮むいてとか、ペットボトルのふた開けて、とか・・・あとは、ちょっと暑いから寝てる間扇い
でて、っていうのいいんじゃない?」
「え〜長野くん、それじゃパシリみたい。なんか嫌ですよ・・・」
松本は口を尖らせながら、嬉しそうに笑っている長野へ弱いツッコミを入れる。
「いいじゃんそれ、やって貰ってろよ」
長瀬が「なっ?」と笑いながら二宮の顔を覗き込んだ。
「・・・はは、じゃあ・・・松潤には、扇いでて貰おうかな?」
3人の思いを感じた二宮は、大人しくここで待っていようと決め、長野の台詞を真似する事で了承の意
を表す。
「え〜・・・。ニノまでそんな事言うのかよ・・・」
松本の情けない声を聞いて、二宮・長野・長瀬の3人は揃って吹き出す。
――ふいに流れた和やかな空気が、この一時を包み込んでいた。
「じゃ、これでも食べて待ってて」
長野はリュックからみかんを取り出し、松本へ渡した。
「すぐ、戻ってくっからな。ちゃんと待ってろよ」
長瀬が心配そうな顔をしている2人へ声をかける。
長野と長瀬は軽く手を振ると、木立をガサガサと掻き分け展望台の方へ消えていった。
「行っちゃったね・・・」
みかんを抱えた松本が二宮の隣に腰を降ろす。
「うん・・・。なんか俺、あの2人といるとすっごい安心出来た・・・」
長野と長瀬に貰ったペットボトルに挟まれた二宮がポツリと呟いた。
「そうだね。ま、でも今からは俺がニノのこと護るから心配しないでよ」
松本が茶化したように言いながら、二宮へ銃を見せる。
「ばぁ〜か、俺だって大丈夫だよ」
二宮は強がって返事をすると、両腕でペットボトルを抱えたまま器用に膝頭に額を押し付けた。
「本当だよ、俺がついてるから大船に乗ったつもりでいてよ」
松本が俯いている二宮の背を眺めながら声をかける。
「・・・・・・うん」
「長野くん達もすぐ戻ってくるから・・・」
「・・・・・・・・・うん」
「・・・ニノ?」
松本は肩を震わせている二宮に気付き、慌てて二宮の背中をトントンと叩く。
「ニノ、どうしたの? どこかまだ痛むの?」
「・・・じゃ・・ない・・・」
「え?」
「そうじゃないよ・・・。俺、なんで皆にこんなに迷惑かけてんだろうって思うと、情けなくて・・・」
そう言って顔を上げた二宮の頬には涙が伝っていた。
「何言ってんだよ。そんなの気にしてたの? じゃあ、ニノが俺達の立場なら見捨ててく?」
二宮は首を横に振る。
「ならいいじゃん、気にすんなよ。そんなに気にするなら、長野くん達が戻ってくるまでに動けるように
なってないと」
「・・・そうだね。なんか俺、泣いてばっかりだ・・・」
二宮は照れくさそうに笑って涙を拭うと背後の樹へ背中を預ける。
「翔くん達には黙っててあげるよ・・・」
松本も悪戯っぽく笑うと、二宮に並ぶようにして樹へ寄りかかった。
乙華麗〜様。
うーん、この先には派蘭が待っていそうでつね。
またバトル再開となるんか脳、しばしのマターリ心地よかったでつ。
他グループもどうなったのか、禿木になる木〜!
見習さん、毎度乙!です。
あらち年下組(・∀・)イイ!!泣けました。
普段クールに見られがちだけど、実は涙もろい小僧。
ほんと自担のことよくわかってらっさるなーといつも感動しておりまつ。
そして実際のあらちと武威、朱鷺との関係も
兄・武威&朱鷺→弟・あらちって感じなんだろうなあ。
今後の展開がますます楽しみです!!
マターリがんがってください(*´∀`*)
なんだか最近とても眠くて、また週一の更新に逆戻り(藁
>498
担当の方にそう言って頂けると、とても嬉しいです。
こんなんでいいかな?っていつも思いながら書いているので
とても嬉しいお言葉・・・アリガdです。
「あれ〜、なんか意外と遠かったかも・・・」
「そうだね・・・ちょっと計算外だったね」
ガサガサと森の中を歩いていた長瀬と長野は、すぐそこに見える展望台へ中々たどり着けないでい
た。
少し急ぎ足になった二人は、顔や腕に枝が当たるのも気にせずに進む。
「あっ、なんかちょっと広そうな気配」
長瀬が指差すその先は藪が途切れ、明るく広い景色へ変わっていた。
「あ〜、やっと着いた。山の上にあるから、結構近くに見えてたんだね」
長野が額の汗を拭いながら、山の上に建っている展望台へ目をやった。
「ねぇ、長野くん。あれ何だろ?」
周囲をキョロキョロと見回していた長瀬がある一点を指差す。
「なにかの跡みたいに見えるけれど・・・」
恐る恐る近付いてみると、荒らされている地面に点々と散らばる血痕を見つけた。
「長瀬! ちょっと見てみ、これ・・・」
「うわっ。何すか、これっ!!」
どうみても争った形跡にしか見えない地面の惨状に、二人は眉を潜める。
「ここで・・・あったんだ」
今更「何を?」などと聞かなくても、長野のその言葉が何を指しているのかを長瀬は理解した。
「一体誰が・・・っていうか、この血は誰の?」
長瀬が展望台を振り返ってみるが、シンとした展望台からは何の音も聞こえてこない。
「もう、終わったんだ・・・誰もいないみたいだし・・・」
展望台を見つめたままポツンと長瀬が呟く。
「なぁ長瀬、この跡たどってみない? この感じだと、この人かなり酷い怪我をしてるみたいだ・・・」
――もしかして、自分たちの仲間が・・・
そんな不安感を急に抱き始めた二人だった・・・
「結構、足跡っていうか、色んな跡が残ってる・・・」
地面に手をついて、痕跡を調べていた長野が顔を上げる。
「こっちに、リュックが・・・」
長瀬が拾って来たのは、肩に掛ける部分がちぎれたリュックだった。
「たぶん、この跡をたどっていけば分かるよ」
長野は長瀬からそのリュックを受け取ると、ちぎれた部分を握り締めた。
二本の線に導かれるように歩く二人の眼の前に、やがてソレは現れた。
「長瀬! 誰か倒れてる!」
長野がソレを見つけた途端、長瀬に声をかけ走り出す。
「さ、さ・・く・・らい・・・!?」
ようやく長野に追いついた長瀬は、その傍らで立ち止まったまま動かない長野の背中越しに見えた人
物に驚く。
眠っているようにも見える桜井の足元には、自分達が辿って来た二本の跡があった・・・
「この跡は桜井の靴跡だったんだ・・・」
足元を見た長野がポツリと呟く。
「ちっきしょ――!! 誰だよ! こんな事しやがった奴は・・・」
憤る長瀬に、長野はある疑問を口にする。
「でも長瀬、変じゃない?」
「?」と言う顔になる長瀬に説明するように、自分の考えを纏めるように、長野は話し出す。
「だから、この跡だよ。桜井がさっきの場所で撃たれたのは確かだと思う。でも、ここへ来るのにこんな
跡を残すと思う?」
「う〜ん。それも変っすね・・・。ていうか、引き摺られた跡みたいな・・・」
「うん、そうだよね。それなら、ここには桜井を撃った人間以外に、まだ他にもいたんだ」
「ってことは・・・そいつ等は今どこに?」
そこまで言って、長瀬は長野の顔をハッと見た。
「そう、俺も思った。二宮と松本・・・あっちの方へ行っていなければいいんだけれど・・・」
桜井を撃った人間が二宮たちの方へ行っていないとも限らない。
そして、桜井をここまで引き摺ってきた人間・・・。それが、嵐のメンバーなのか、それともただ成り行き
でそうしただけなのかは分からないが、この周辺に何人もの人間がいたことだけは確かだった。
そして、その人物の行き先も不明・・・。
二宮は? 松本は? 無事でいるのだろうか?
「あ―――!! もうっ! 桜井の事をあいつ等に教えるのだって憂鬱なのに・・・。誰もあいつ等の方
へ行くんじゃねぇぞっ!!」
「長瀬、たぶんもうここには誰もいないみたいだから、さっさと展望台へ上って早く戻ろう」
二宮たちの元へ早く戻らなくてはならない。が、目的を果たす事も忘れるわけにはいかなかった。
残してきた彼らの無事を祈りながら、長野は展望台へ走りだした。
「あ〜、長野くん・・・」
憤ったポーズのまま置いていかれた長瀬は、慌てて長野の後を追いかける。
ただ、走り出す直前桜井の方をチラリと見て、心の中でこう付け加える事を忘なかった・・・
――桜井。俺が、俺達が二宮たちを護ってやるから心配すんなよ。
一気に展望台へ続く坂道を登り、中へ入る。
長野と追いついてきた長瀬が、ガンガンと大きな音を立てて階段を駆け上がる。
バンッとドアを開け、二手に分かれて望遠鏡を探す。
「長瀬〜、望遠鏡あった?」
「ダメっす・・・みんな壊れてて使えないみたい・・・」
二人して顔を見合わせ「はぁ〜」と溜息を吐いた。
「じゃ、早く戻ろう・・・。あいつ等の事も心配だしね」
手すりに背中を寄りかからせ肘を乗せた長野の方を見た長瀬の目が見開かれる。
「な・・長野くん・・・。煙が・・・・・・」
「えっ?」と後ろを振り返った長野の目が捉えたのは、遠くから立ち上る黒煙だった。
「なんか・・・この島、やばいかも・・・」
「あぁ・・・確かに・・・。二宮たちの所へ早く戻ろう・・・」
長瀬の言葉に珍しく絶句したように長野が答えた。
見習さん、お疲れちゃんです。
なんだかドキドキ・・・
腹黒い博様がこのままいい人で終わるのか気になりまつ。
見習いさん乙彼さまです。
マターリみかん組に何か怒りそうな予感..ドキドキです
他麺の動向も気になります。
ちょっとお知らせです。
このスレもほぼ300KBです。
次回のシーンから分断するのはちょっとイヤンなので
>>341さんにも教えていただいたようにそろそろお引越しを考えています。
次スレを見つけてきたらお知らせしますので
どうぞよろしくです。
512KBを超えると読み書きができなくなるらしいので、500KBくらいまでは
使ってもいいみたいですよ。
>506
ギリギリはヤパーリ鯖に負荷がかかるだろうし
400越えあたりを目安としたらいいんじゃないだろうか?
見習いさん続き楽しみにしております。
大丈夫なんじゃない?AAスレは500近くまで使ってるわけだし、300KB以上は
鯖負担だから控えようって規制は聞いたことないので。
なのである450ちょいくらいまでは使った方がいいじゃないかと。
見習いさん、1週間待ちに待っているので、
そろそろ続き読みたいでつ(w
なんてわがままを言ってしまいますた。
気長に楽しみに待っとります!
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
511 :
山崎 渉:03/07/15 09:17 ID:NNoe+uvf
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
続きが読みたいで。スレ引っ越しするんですか?
続きが読みたひ…。引っ越しは結局するんですか?
お久しぶりでつ。
引っ越そうと思っていたのですが
506-508さんのおっしゃるように、450位までここでがんがってみまつ。
514さん、引越し先探してくれてアリガdでした。感謝×100。
皆様、もう少しここでお付き合い下さいませ。
*** 生存者(現在地/一緒に行動している相手) ***
相葉 雅紀 (移動中/大野)
井ノ原快彦 (観光協会/今井)
今井 翼 (観光協会/井ノ原)
大野 智 (移動中/相葉)
岡田 准一 (移動中)
香取 慎吾 (移動中/草薙)
草薙 剛 (移動中/香取)
国分 太一 (診療所)
中居 正弘 (移動中)
長瀬 智也 (展望台/長野)
長野 博 (展望台/長野)
二宮 和也 (展望台付近/松本)
松岡 昌宏 (移動中)
松本 潤 (展望台付近/二宮)
三宅 健 (移動中)
森田 剛 (移動中)
山口 達也 (集落)
*** 死亡者(場所/相手:武器) ***
滝沢 秀明 (校舎内教室/首輪爆発)
植草 克秀 (校舎内廊下/今井・稲垣:斧)
木村 拓哉 (丘/草薙:コルトガバメントM45口径)
東山 紀之 (森/松本:S&Wチーフスペシャル38口径)
桜井 翔 (展望台付近/今井:S&WM59オート)
城島 茂 (診療所/今井:S&WM59オート・斧)
稲垣 吾郎 (集落/山口:ウージ9ミリサブマシンガン)
錦織 一清 (道/三宅:水鉄砲の毒)
「俺らさぁ、ここから帰るって言っても、これは外さなきゃなんないよね?」
松本が自分の首元に手を当てる。
「だよね・・・。ま、それも長野くんたちが戻ってきたら考えようよ」
二宮も松本と同じように自分の首元へ手を当て、忌まわしい首輪に触れた。
「じゃあ、長野くんたちが戻ってくるまでの間、腹ごしらえでもしてますか?」
「そうしますか・・・」
二宮に笑いかけながら松本がリュックを開けると、それに同意した二宮も「クスッ」と笑いながら、カロリ
ーメイトをリュックから取り出した。
暫く、二人でカロリーメイトをポリポリと齧りながら、水をゴクゴクと飲む。
普段だったなら、あまり美味しいと思えないような食事だったが、今この時だけは何にも勝る食事に思
えた。
「俺さ、長野くんたちが戻ってきたらすぐ出発出来るよ。かなり身体も楽になったし、早く展望台に行っ
てみたいしね」
二宮は手をパンパンと叩いてカロリーメイトの欠片を払い落としながら、松本へ告げる。
「ホントだ、もう熱っぽくないね。これなら大丈夫じゃん」
「どれどれ?」と、二宮の額に手を当てた松本が嬉しそうに笑った。
ガサッ・・・ガサガサ・・・・・・。
風が出てきたのか、不意に周囲の木々がざわめき始める・・・。
その音に驚いた松本が、反射的にポケットからチーフスペシャルを取り出し、周囲を威嚇するように
構えた。
「松潤、風の音だよ・・・」
二宮がやんわりと松本の銃を持つ手を押さえる。
「あ・・・あぁ・・・。なんか今、すっげぇ焦った・・・」
松本は額に浮かんだ冷や汗を拭いながら、強張った顔を二宮へ向けた。
「大丈夫だって・・・。だから、それ仕舞ったら?」
松本を落ち着かせるように、二宮は柔らかな笑みを浮かべる。
「う・・うん・・・」
頷きはしたものの、松本は銃を握り締めたままポケットへ入れることはしなかった。
未だ鳴り止まない、ガサッ・・ガサ・・・と葉の揺れる音が、どうしても気に掛かっていた・・・。
「ほら、落っことしちゃってんじゃん。貴重なんでしょ? 水は・・・。それに、そんなに神経尖らせている
と、これから先参っちゃうよ。長野くん達が戻ってくるまで、俺の事護ってくれるんじゃなかったっけ?」
二宮は松本が落としてしまったペットボトルを拾い上げ、付いていた泥をカリカリと指で引っ掻いて落と
して綺麗にすると、悪戯っぽく笑いながら松本へ渡した。
銃を持ったままペットボトルを受け取った松本は、自分に余裕が無くなっていた事に気付くと、渡され
たペットボトルのキャップを外し、残っていた水を勢い良く喉へ流し込む。
「ふぅ〜・・・」
一息ついた松本は、自分を見つめる二宮に気付くと照れたように笑った。
「ま、ゆっくりと待ちましょうよ。松本さん・・・」
二宮はわざと大きな欠伸をしながら樹に寄りかかる。
「そうだね。でも周囲には気をつけてたほうが・・・・・・」
松本が言い終わらないうちに、再びガサ・・ガサッ・・・・・・と葉の音がする。
「確かに・・・そうかも」
その音に、寄りかかったばかりの樹から慌てて身体を起こした二宮は、そのままの格好で周囲を見渡
し異常がないことを確認すると安堵の溜息を吐いた。
ガサ・・ガサッ・・・ガサガサッ・・・
「それにしても、煩すぎっ!」
強気な口調とは裏腹に、松本は警戒するように周囲に視線をめぐらす。
「ホント・・・葉っぱがさ・・・・・・アレ?」
頭上を見ていた二宮がある事に気付いた。
「ねぇ松潤。今音した時さ、葉っぱ揺れてた?」
「ん? 俺が見たのは下の方だったから・・・風が当たってるのって上の葉でしょ?」
「そう・・・なんだけどさ・・・。ま、いっか・・・」
二宮はガサガサという音を聞きながら、上空で真っ直ぐに伸びている枝や葉を見つめた。
ガサッ・・・ガサ・・・。 ガサッ、ガサガサッ・・・・・・
すぐ近くの茂みが音を立てざわめく。
「ニノ! 違う。今度は絶対葉の音じゃないよ」
不自然な揺れ方をする茂みを見つめながら叫ぶ松本の声に、二宮も自分が見つめていた葉や枝が
さっきから全く動いていない事に気付く。
「松潤! さっきの音も、やっぱり葉っぱじゃなかった・・・。だって、葉や枝は全然動いていない・・・」
「ニノ、早く! 早くリュック持って逃げ・・・・・・」
ガサガサ・・・ガサ・・ザザッ・・・ガサガサッ・・・・・・
二宮と松本が慌てていると、大きく茂みを揺らしながら人影が現れた。
須磨兄さんたちはどうしたんでつか?
見習いさん乙です
誰だ?パニックてる☆とか?迷子の紫?やる気の副将だったら..
他麺の動きも気になる所です
523 :
乙です。:03/07/19 15:30 ID:canHlIy0
見習いさんバトロワはつとあらち中心に話が進んでますね。がんがれー
見習いさん乙華麗です。
うわーチームみかん禿スキーなのでこの危機?を無事乗り越えてホスィ…
他の場面(移動中のメンバー達の動向)も盛り込んで欲しい。
確かにここ1ヵ月チームみかんしか出てないね。自担はいずこ…(´д`) でも乙!
乙です!
漏れは一場面ずつ丁寧に見せる見習いさんの書き方が好きでつ。
場面が変わったとき、次は誰が出て来るの?ってドキドキがうれしみ。
ティームみかんに危機…須磨?!ついに出てくるか?!
あんまり予想を書き込むと見習いさんが書き辛いのでは???
皆様ご意見アリガdでつ。
確かに書き足りない部分もあるのですが
そこは『見習い』って事でまだまだ修行が足りないと思ってお許し下され。
>527
そう言って頂けると嬉しいでつ。がんがりまつ!
>521、528
須磨兄さん・・・お待たせ、出まつよ―――!!!(藁)
「み・・水・・・・・・水、あるか?」
ヨロヨロと茂みをかき分けて現れたのは、ボロボロの格好の草薙だった。
「み、水ですか?」
思わず二宮を庇うように前に出た松本が、草薙のその姿にゴクッと喉を鳴らすと硬い声で問い返す。
「慎吾が・・・慎吾に水を・・・・・・」
草薙の眼は二宮を、いや、正確には二宮が抱えているペットボトルに吸い寄せられていた。
「あの、これでよかったら・・・」
草薙の視線に僅かに身震いしつつ、二宮は自分の持つペットボトルを差し出す。
差し出されたそれをひったくる様に奪い取ると、草薙は今自分が出てきた茂みの中へと消えた。
「・・・・・・今の・・あれ、草薙くんだったよね?」
二宮は手を差し出したままの格好で、確認するように松本に問いかける。
「・・・うん。なんかさ、凄くなってない?」
松本も草薙の尋常でない様子を思い出し「ブルッ」と身震いした。
「草薙くん、足引き摺ってたみたいだった・・・。それに、『慎吾に水』って言ってたし何かあったのか
も・・・」
「どうする? 様子見に行ってみる?」
考え込む二宮に松本が視線を草薙の消えた茂みへと向ける。
相変わらず風は木々を揺らし、ガサッ・・ガサガサ・・・と、ざわめく音を伝えてくる・・・。
その音を聞きながら松本と二宮は茂みへと足を進めた。
香取の口に溜まった血を綺麗にする為、ひりつく喉を癒す為、それらに使用した結果自分達の水は
既に無かった。
そして、水を求めてひたすら森の中を彷徨う・・・。
茂みをかけ分けた途端、ペットボトルに入った水が眼に入った。
それを手に入れ戻ると、香取の口元に当てた。
「慎吾、水だぞ。ほら、飲めよ・・・」
仰向けに寝かせた香取の背を膝で、頭を片手で支え、口を僅かに開かせると、水を少しずつ流し込む
ようにペットボトルを傾けた。
「慎吾、飲め! 飲んでくれよ!!」
草薙の叫びも虚しく、水は香取の喉を通らず口元を伝って顎の先から下へ落ちていく・・・。
「ゴフッ・・・ガッ・・・」
少しだけ口内へ入った水も血を吐き出すだけにしかならず、それに伴う反動により、もはや香取に苦
痛しか与えない。
「俺・・は・・・い・い・・から・・・自・・・分で・・飲・ん・・でよ・・・」
「何言ってんだよ! しっかりしろよ、慎吾!!」
掠れたような声で伝えてくる香取の言葉に、草薙は持っていたペットボトルを下へ置くと、香取の顔の
水滴や口元の血塊を拭いながら耳元で叫んだ。
「・・つよ・・ポン・・・・・・。俺・も・・ダ・・メ・・・・・・」
香取の頬に当てていた草薙の手が、滑り落ち、ぐったりと投げ出されていた香取の手に触れる。
「なんだよっ、これくらいの怪我、どうって事無いだろ? なに弱気になってんだよ・・・。慎吾・・・頼むか
ら、そんな事言うなよ・・・・・・」
香取の手を握り締めその手を持ち上げると、祈るようにそれに自分の額を押し付けた。
「木村・・・く・・・みた・い・・・楽・・・に・・し・・て・・・・・・」
香取は瞳を閉じたまま、苦しい息の下で草薙に伝える。
「ダメだ! そんな事出来ない・・・」
手が白くなるほど握り締め、草薙は香取の耳元で必死に叫んだ。
ガサガサ・・・と、松本と二宮が茂みをかき分けたどり着いた場所には、草薙と瀕死の状態の香取が
いた。
「あっ・・・」
思わず声を上げてしまった松本はその場で立ちすくむ。
少し遅れて歩いてきた二宮も、その光景を見て同じように立ち止まった。
「草薙く・・ん・・・」
声をかけて近付こうとした二宮の前に松本が腕を出して制する。
黙って首を横に振る松本を見て、二宮は踏み出そうとした足を元に戻した。
この様子を見ていてはいけないような気がした二人は、この場から立ち去ろうと草薙たちに背を向け
る。背後から聞こえる香取のヒューヒューという苦しそうな呼吸音が、いやでも現実を感じさせた。
草薙がギュッと握り締めている香取の手から力が抜けていく・・・。
「おいっ、慎吾!!」
草薙の手から香取の手がスルッと抜け、パタッと地面へ落ちた。
「何か言えよ・・・。なぁ、慎吾・・・嘘だろ? おいっ!」
慌てて落ちた腕を捕まえるが、力の抜けきった手はもう動くことはない。
「慎吾―――!!」
必死に香取の耳元で叫び続けていた草薙の声が急に大きくなった。
背を向けて茂みをかき分けようとしていた二宮と松本の動きが止まる。
クルッと振り向いた彼らの眼は、地面に横たわった香取の両肩を掴み、ガクガクと揺さぶる草薙の姿
を捉えた。
「慎吾! し・・んご・・・慎吾―――!!」
再び眼を開けさせようと香取の身体を揺さぶり、頬を叩き・・・必死に香取の身体に取り縋る草薙を、
二宮と松本は痛ましそうに、ただ声も無く見つめる。
草薙の叫びに二宮と松本は、死というものを、今自分たちが置かれている状況を改めて思い知らされ
た・・・。
【香取慎吾 死亡:残り16名】
見習いさん乙!
更新中に読んだのは初めてですた。
なかなか良いもんだ脳
須磨と他G掛け持ちの自分はかなり泣けたよ・゜・(ノД`)・゜・
見習いさん乙です!
見習いさん乙っす。
537 :
山崎 渉:03/08/02 00:42 ID:bNvemJ5u
(^^)
「草薙くん・・・」
香取の側に座り込んだ草薙を刺激しないように、小さな声をかけてみるが反応は無い。諦めて戻ろう
とした松本の足が、下に落ちていた小枝を踏んだ。
パキッ。という小枝の折れる音を耳にして顔を上げた草薙の眼が、自分の近くにいる人間を捉える。
「誰だ・・・? 松本と・・・二宮?」
ぼんやりと松本と二宮の名を口にした途端、草薙は威嚇するように身構えた。
「お前ら・・・何の用だ!」
香取の身体を背に庇い、険しい顔を向ける草薙の眼には敵意が見て取れる。
「あの〜、なんて言ったらいいか・・・。香取くん・・・・・・」
「だから? だから何? 何が言いたい訳?」
草薙は口ごもる二宮に辛辣な言葉を容赦なく浴びせる。
「草薙くんも、怪我してるように見えるんですけど・・・」
「だから何なんだよ。はっきり言えよ」
草薙は松本の言葉にも苛立つように返す。
「手当てしないと・・・」
「は? 手当て? 本当はその反対のこと考えてるんじゃないのか? 慎吾と俺がいなくなればお前た
ちの生き残る可能性は随分あがるもんな」
「そ・・そんな事・・・。そんな事思ってもいませんよ!」
二宮の否定する言葉を草薙は嘲笑うように一蹴する。
「じゃあ、松本のその手の銃はなんだ? それで俺を撃つつもりじゃないのか?」
「違います!」
大きな声でキッパリと否定した松本は、持っていたチーフスペシャルをポケットへ差し込んだ。
「ふ〜ん。本当に撃つつもりは無いんだ・・・」
草薙は松本の動作を冷ややかに眺めながらジーンズの後ろポケットへ手を回す。
二宮はその動作を怪訝そうに見ていた。
「でも、俺はお前たちと違う」
そう言いながら草薙が後ろポケットから取り出したのは、コルトガバメントだった。
「俺は自分たち・・・自分が生き残るためなら他人の怪我なんか心配しないし、仲間だって平気で見捨
てられる・・・」
パンッ・・・。
無造作に引き金を引いた草薙は「な?」と、ニヤリと笑って立ち上がる。
特に狙いを定めたわけではないので、弾丸は何にも当たらず森の中へと消えた。
「く・・草薙くん・・・・・・」
草薙の人間味を感じさせない一連の動作を眺めていた二宮が声を絞り出す。
「香取くんを見捨ててなんかいないじゃないですか? どうして・・・何でそんな事を言うんですか?」
「俺は慎吾を見捨てたなんて思ってないぜ。俺が見捨ててきたのは木村くんだよ・・・。俺たち3人はダイ
ナマイトに吹き飛ばされたんだ、その時木村くんだけ岩に押し潰された・・・生きてはいたけれどね」
「そ、それで? 2人いれば助けられたかもしれないのに?」
「無理だね。俺も怪我をしたし、慎吾は胸を強打した所為で肋骨が折れたみたいだった。そんな俺たち
に木村くんは足手まといだった。慎吾はね、自分も口から血を吐き出す程苦しかったはずなのに、木
村くんをとても心配してたよ。『助けられないのか?』って・・・。でも、俺は岩を退かす代わりに、この銃
で苦しんでいる木村くんを楽にしてあげるって慎吾に言ったんだ」
「じゃあ・・・木村くんは・・・」
松本がさりげなく二宮を庇うように自分の位置を変えながら草薙に話の続きを促す。
「そう、俺が撃った。苦しみ続けるより簡単に楽になるし・・・それに、助けたら俺たちの足手まといにな
るからね」
「何で! どうしてそんな事が出来るんだよっ!」
松本の肩越しに二宮が叫ぶ。
「同じように動けなかった僕を助けて面倒見てくれたのは、松潤や長野くん・・・長瀬くんだった。同じグ
ループじゃない長野くんたちまで、僕を助けようとしてくれた。なのに、草薙くんはどうして同じグループ
の・・・仲間であるはずの木村くんを殺せるんだよ!」
松本や長野・・・長瀬に助けられ、支えられてここまで来ることが出来た二宮には、草薙の気持ちが全
く理解できなかった。
「俺と木村くん、どこが違うんだよ・・・」
「ニノ・・・。ニノと木村くんの違いじゃなくて、俺達と草薙くんの違いだよ」
松本は草薙を見据えたまま静かな声で二宮に告げる。
「そう、松本の言うとおり・・・。これはゲームなんだぜ、足手まといの奴は邪魔なんだ。殺る前に殺らなく
ちゃな。お前等も、俺の怪我を心配するなんて甘い事言ってると・・・」
草薙はコルトガバメントを松本と二宮へ向ける。
二宮を庇うように立っていた松本は、後ろ手で二宮の身体を押しながら後ずさりを始めた。
「死ぬよ・・・」
草薙は一言呟き、引き金を引いた・・・。
バシッ・・・。
二宮の背後の樹に弾丸が命中した。
咄嗟に松本がポケットからチーフスペシャルを取り出し草薙へ向けて構える。
「お前、それ使った事あるのか?」
自分へ向けられた銃に臆する事もなく、草薙は平然とした顔で松本へ訊く。
「・・・・・」
額に汗を浮かべた松本は一言も返さず、二宮を後ろ足で蹴り付ける様に背後の茂みへ押し込んだ。
「ふ〜ん、あるんだ・・・。じゃあ、遠慮はしないよ」
草薙はそう言うなり、再び引き金を引く。
パシッ・・・。
「松潤!!」
その銃声に、二宮が松本の安否を確かめようと、慌てて茂みから顔を出した。
「大丈夫・・・。早く茂みに隠れて!」
草薙の銃声よりも一瞬早く隣の茂みに飛び込んだ松本の声がする。
「行こう!」
ガサガサと茂みを揺らし二宮と合流した松本は、二宮の腕を掴むと先ほどまで自分達のいた場所へと
駆け出した。
「逃げたつもりだろうけど・・・逃がさないよ」
草薙は香取に目だけで別れを告げると、二宮と松本の後を追った。
あ、眠さの余り更新だけでご挨拶を忘れておりました(藁
書けば書くほど泥沼のJBR・・・
ゴボゴボと沈みながらの更新でつ。
見習いさんっ!乙彼ですっ!
須磨兄こえ―――っ!
小僧&歪はどうなっちゃうんだ?!
見習いさん乙彼様です!
2対1でも負けそうだよ小僧と歪
恐過ぎです兄さん
544 :
山崎 渉:03/08/15 11:23 ID:OZ9m49Ax
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
hosyu
見習いさんは、誰かの夏コン期間中か脳。
お帰りをお待ちしてますぞ!
547 :
ななしじゃにー:03/08/27 22:12 ID:nM0p6iPv
見習いさんっ!お帰りをお待ちしてますぞ!
549 :
ななしじゃにー:03/08/28 09:55 ID:f5oqIokI
続きが読みたい・・・
550 :
ななしじゃにー:03/08/29 10:27 ID:JnwXRhQm
>>見習いさん
私も続きが読みたいです!!!お願いしますm(__)m
551 :
ななしじゃにー:03/08/31 23:30 ID:gAjKIGP8
┏━━┓
┌┃━┏┃
┌│┃ ┛┃
││┗━━┛┌──┐
│└──┘ │┌──┐
┏━━┓└──┘ ││┏━━┓
┃━┏┃┐ └│┃━┏┃
┃ ┛┃│┐ └┃ ┛┃
┗━━┛││ ┌──┐┗━━┛
└──┘│ ┌──┐│
└──┘┏━━┓││
┃━┏┃│┘
┃ ┛┃┘
┗━━┛
まだかなー
552 :
ななしじゃにー:03/09/04 23:34 ID:9MrGh8Q6
まだかな
保守!
見習いさんが帰ってらっしゃるまで守るぞー!
(*‘◇‘)<ほっしゅ!つづきたのしみでしゅ!
キリバンゲッター阻止
保守
じっくり待ってます
(*‘◇‘)<ほっしゅ!
(*‘◇‘)<ほっしゅ!
558 :
sage:03/09/29 14:59 ID:Psf4hTsS
待ってます!!!
ほんとごめんなさい。
バカすぎるミスをしてしまいました・・・・。
でも待ってます。
コノすれヲホシュシマツ
保守
保守
保守
保守
565 :
ななしじゃにー:03/10/30 00:48 ID:HR2TgmuC
ほ
保守りまする
保守でございます
hoshu
ほしゅでし
保守っす。
皆様お久しぶりです。
アク禁が続くこと数ヶ月、友人宅で書き込ませて頂いてます。
自分のバトロワを夏ごろHPにまとめておいたので
今はそちらで細々と続けてます。
ので、宜しければそちらを覗いてやって下され。
更新もココと違って週一にはなってないのですが
宜しければメル欄参照でどうぞ。
アク禁がとければまたこちらで続けます。
それまでお許しを・・・
(久々なのでトリップ違ってたらワロテやってください)
>571
見習いさん続き拝見させていただきました…。・゚・(ノД`)・゚・
続きが読めて嬉しいです。今後の展開も楽しみにしています。
見習いさん!どうもありがとう・゜・(ノД`)・゜・。
見習いさん続きが読めて嬉しいです。
続き楽しみです
見習いさん、お邪魔させていただきました
続けていてくれたことが嬉しいです
今後もよろしくお願いしますね
見習いさん!続けてくださってて嬉しいです。
本編はもちろんですが、1周年企画の続きも読みたいです。
保守
ho
ほしゅ
☆、。・:*:・゜`★ホシュ!☆、。・:*:・゜`★
あら。
hosyu
583 :
ななしじゃにー:03/12/26 23:47 ID:BtuKo0Fz
意味不明でも結婚キチガイだから関わるとおまえも
まとわりつくな!レスすんな死ねはげ
http://monachat.dyndns.org/main1.html もなちゃとのにゃんぱらりは鬱をうざいという心の傷を殺した犯人だ。
弟が鬱のためうざがる。
こいつに私は苦しめられた。死にたいと思った。
すべてはおまえのせいだ!!!
27歳無職!
おまえ絶対許さない!
許さない!!!!!
女の前ではカイコブリッコノキャラ使いやがって
夜中は殺伐にしやがって
人によって態度違いすぎだぼけ
無視機能つかってんじゃねーよ!
男のくせにうじうじもんくいってんじゃねー
なにが正直うざいだ!
薬なんかなんの回復にもなんねーとかいうなはげが!
おまえの家族とは違う症状なのまに
いろいろほざいて男のくせに女ないじめてんじゃねーよみそはげが
584 :
ななしじゃにー:03/12/27 03:11 ID:INUAAp6k
1位 どつよ
2位 どつよ
3位 どつよ
4位 どつよ
5位 どつよ
コンテンツの入り口画像に鴇のG名がない…よね?(´・ω・`)ショボーン
個人の名前はあるが。
あるよ、同じ色なので見にくいけど。
あけましておめでとうございます。
見習いさん、待ってるよ。
見習いさん頑張って。
見習いさん、楽しみにしてます。
成人式、チームみかんそのままの雰囲気で和みますた。
末っ子いなかったのが残念だけど。
保守
ほしゅ
ウリャウリャ!●●ヾ(;>o<)シε≡*●ε≡*●ホシュ●*≡3●*≡3ヾ(>o<;)ゞ●●ウリャウリャ!
ホッシュ
596 :
ななしじゃにー:04/01/30 20:59 ID:k+c3J/JN
守る!
保守
hosyu
600 :
ななしじゃにー:04/02/22 04:42 ID:0bKKM7Go
ヽ(`Д´)ノウワァァァン
お―――――っ。いつの間にか書き込めるようになってました。
ムコウへお越しくださった皆様、
こちらで保守してくださった有難うございました。
書き込めなくなってから色々考えてるうちに
なんだか最初の予定とは違った感じになってきて
暫く続きが書けなくなったりしてましたが・・・
とりあえず、続きです。(ムコウと同じですが許してやって下され)
では。
「一体何なんだよ・・・なんで俺たちが撃たれるわけ?」
元の場所へと戻り、慌ててリュックを背負い金属バットを手にした二宮は叫ぶ。
「なんでって・・・。ゲームのつもりなんだよ。殺らなきゃ殺られるって言ってたじゃん」
松本もリュックを背負うとポケットに差し込んでいたチーフスペシャルを取り出した。
「松潤・・・。それ・・・」
「あぁ、使うよ。俺は長野くんたちが戻ってくるまでニノを護るからって約束したからね。それに、俺だっ
てこんな所で死にたくないよ」
「・・・うん・・・」
「俺は、みんな一緒にこの島から脱出したいんだ」
松本は握り締めた銃を見つめる。
「悪いけど、俺は撃つ・・・」
「・・・仕方ない・・・ね」
二宮は松本の肩をポンと叩く。
「でもさ、その前に草薙くんから逃げれればいいんだよね」
松本は顔を上げ、二宮に向けて笑った。
「そうだね。じゃ、草薙くんが追ってくる前に行こう!」
金属バットを杖代わりに、二宮が小走りに歩き出した。
「どうする? 長野くんたちのいる展望台へ行く?」
二宮の隣に並んだ松本が早口で訊く。
「う〜ん・・・。長野くんたちにまで危険が及ぶかもしれないけど・・・行こうか? 展望台へ・・・」
少し考えて二宮は展望台へ行く事を選ぶ。
「分かった。でもニノ、行く前にこれだけは約束して。草薙くんが追ってきたら、銃を持っている俺がニノ
の後ろに付くから・・・だから、俺に何があっても構わず先に行ってよ」
「松潤、何それ!? どういう事?」
松本は立ち止まった二宮を促すように背を押し、急ぎ足になりながら答える。
「だからさ、さっきの草薙くんの様子だと、絶対に撃ってきそうじゃん? そしたら俺が応戦するからそ
の隙に先に行って、っていう事」
「だって・・・・そんな・・・・・・」
「俺はここに残る事になった時、長野くんや長瀬くんの様に行動しようと決めたんだ。自分の為じゃな
く、仲間の為に今、何が出来るのか? 何を一番優先したら良いのか?・・・そう考えたから、俺は・・・
怪我してるニノを護る為に何が出来るんだろうって・・・そう思ったんだ・・・」
「そんなの・・・嬉しくないよ・・・・・・」
松本の決意に圧倒されていた二宮は無理やり声を搾り出す。
「ばっか、銃を持ってるのは・・・俺だよ。俺のこの銃があるから、長野くんたちは俺をニノと一緒にここ
に残したんだ。俺は長野くんたちの期待に応えたい・・・」
「松潤・・・・・・俺は、そんなに頼りない?」
泣き出しそうな顔で二宮は友の真意を尋ねる。
「そんな事無いよ。ニノは、俺たちのルール忘れたの?」
「俺たちのルール?」
「そう、『体調が悪い人とかいたら、お互いにカバーし合おうね』って決めたじゃん。忘れちゃったの?」
「・・・忘れてない。でも、あのルールをこんな非常事態の時に使うなんておかしいよ!」
「さっきも言ったけれど、だから使うんだよ。こんな、おかしな場所に放り込まれて・・・みんな殺される
かもしれない、そんな状態だから・・・使うんだ・・・だって、俺たちは仲間でしょ?」
松本の言葉に、二宮はただ黙って唇を噛み締めながら闇雲に足を動かす。
「こんな極限状態でも、俺たちは、俺たち嵐は・・・仲間同士・・・・・・」
ガサガサッ・・・
松本の言葉の途中で背後から物音がした。
「見つけた・・・」
その言葉と共に現れたのは、右足を引き摺った草薙だった。
ハッとしたように振り向き、その姿を見た二宮と松本は、二宮の怪我の所為で走ることが出来ないた
め、今よりも速度を速めて懸命に逃げる。
「そんなのんびり歩いてると・・・撃っちゃうよ」
草薙は手馴れた様子でコルトガバメントを構えると、何の躊躇いもなく自分に背を向け遠ざかる後輩へ向
け引き金を引いた。
弾丸は二宮の頬をかすめ二人の間をすり抜け飛んでいく。
ツ―――、と頬を流れる感触に二宮は再び命の危険を感じる。
「来たっ! いいニノ? 出来るだけ急いで逃げるんだ」
二宮は痛みに顔を顰めながら無理やり足を動かす。
少しだけ小走りになる二宮を満足そうに見送ると、松本は草薙へ向き直る。
「草薙くん。僕も・・・撃ちます」
足を引き摺りつつも自分たちへ近付いてくる草薙へ向け、松本はチーフスペシャルの引き金を引く・・・
パ―――ンッ・・・・・・
すぐ近くで聞こえた銃声に二宮が反射的に振り返ると、松本の向こう側に右足を押さえ蹲る草薙が見
えた。
「ニノ、行こう!」
足を押さえ痛みに顔を歪める草薙を一瞥し、松本は二宮に追いつくと手を取り駆け出す。
身体の痛みに堪え、手を引かれて行く二宮は、横目で松本の顔を窺う。
キッと結んだ口元と、真っ直ぐ前を見据えた眼・・・松本に東山を撃った時のような動揺は見えず、草
薙を撃った事に対して後悔の色は無かった。
ガサガサと下草を踏みながら懸命に逃げる二人は草薙から逃げ切れる・・・ハズだった・・・
パンッ・・・。
突然、銃声が聞こえた。
二宮を掴んでいた手が突然スルリと外れる。
「えっ?」と思う二宮の眼の前で、背を朱に染めた松本が地面へ倒れていった。
ムカツク、ムカツク・・・ムカツク・・・・・・
草薙は、激痛が走りドクドクと血が流れ出した右足を見る。
「イテェな・・・クソッ」
左足で踏ん張りながら、右側の樹に縋るようにして立つ。
「もう・・・許さねぇ・・・・・・」
「ふぅ〜」と大きく息を一つ吐き出すと、コルトガバメントを構える。
右足に力が入らないため、中々捉えられないブレる目標――後輩二人――を眼を凝らして懸命に見
る。
額から汗が伝うのも構わず、狙いを定め・・・引き金を引いた。
飛んでいった弾丸は松本に当たったが、自分もその反動に耐え切れず銃を手から落とし、地面へ倒
れる。
「はっ ざまぁみろ・・・」
地面に仰向けに転がりながら両手を上空へ差し出し、その両手越しに空を見ると呟いた。
「松潤! 松潤!! おい!」
遠くで聞こえる二宮の声に、草薙は痛みの為に流れる額の汗を拭いながら顔を横へ向ける。
――あぁ、あとヒトリいたんだった・・・
傍らに落ちた銃を――足の痛みの所為で立ち上がれず――上半身を起こして拾うと、松本に声を
かけている二宮へ狙いを定め・・・引き金を引く。
ガチャッ・・・
が、痛みに堪えて引き金を引いた草薙のコルトガバメントから弾丸が飛び出すことは無かった。
「クソッ、弾切れかよ・・・運の良い奴だぜ」
ガチャリと銃を持った腕を放り出し、草薙は大の字に寝転がるとハァハァと荒い息を吐いた。
では今日もサクサクっと続きを・・・
自分を呼ぶ声が遠くからぼんやりと聞こえる。
・・・誰だ? 俺を呼ぶのは?
頬を叩かれる感触・・・
頬の痛みよりも、もっと別の部分が痛い。痛いというよりも・・・アツイ・・・・・・。
起き上がろうとしても身体が動かない。
そうだ、眼を開けてみれば誰が俺を呼んでいるのか、頬を叩いているのか分かるはずだ。
・・・・・・ダメだ・・・眼が開かない・・・・・・
俺の身体はどうしたんだ?
―――ドウシテウゴカナイ?
「ま・・つ・じゅ・・・ん・・!!」
遠くから聞こえる声がようやく聞き取れた。
―――マツジュン? なんだそれ?
必死に言葉の意味を考えようとした時、激しく身体を揺さぶられ、耳元で再度「マツジュン」と叫ばれ
る。
「あ・・・俺・・か?・・・」
急に掠れた声が出た。だが、声を出すこと自体が苦しい。
その声を聞いて、傍らにいる人物がますます激しく俺の身体を揺さぶる。
そうだ、ニノだ。俺は、ニノと一緒にいたんだ・・・
そう思った途端、身体の痛みの原因を思い出し・・・無理やり瞼を開く。
思ったとおり、眼の前にはニノの顔があった。
「ニノ・・・な・・んで・・・逃げ・・なかった・・・の?」
「だって、それは・・・俺たちのルールじゃん。俺だって松潤を護らないとね」
そう言って無理に笑う二宮の眼には今にも溢れ出しそうな涙が浮かんでいた。
瞬きをした拍子に溢れ出した涙は、二宮の頬を伝いポタリと松本へ落ちる。
「良かった・・・もう、眼を開けないかと思った・・・」
松本に落ちた自分の涙を拭う二宮の手は震えていた。
「・・・草・・薙くん・・・は?・・・・・・」
二宮は松本の口元に耳を当てるようにして言葉を聞き取る。
「知らない・・・倒れた松潤をここに連れてくるのに必死だったから・・・。でも、松潤が撃った弾は、草薙
くんの足に当たってたみたいだったから、すぐに追って来れないと思う」
「・・・・・・そう・・・逃げ・・切れた・・・んだ・・・」
「うん。松潤のおかげだよ・・・ありがとう」
「よか・・った・・・・・・」
松本はひとつ大きく息を吐く。
「松潤?」
その様子を不安に感じた二宮が慌てて声をかけた。
「うん・・・。銃・・ニノが・・・持って・・・て」
傍らに置いておいた銃を松本の手に握らせるが、反対に手に銃を強く押し付けられる。
「これ・・・俺が?」
二宮が銃を自分の手に取った気配を感じたのか、松本は穏やかな顔で眼を閉じた。
「松潤?」
二宮が慌てて松本の身体に手を掛け問いかける。が、松本の眼は閉じたまま開かない。
「おいっ! 眼を開けろよっ! 眼を・・・・・・開けてよ・・・・松潤!!」
二宮の声がどこか遠くで聞こえる。
―――ごめん、ニノ・・・。俺、もう眼を開けられないよ。
熱かった体がだんだんと冷えていくような感じがする・・・・・・
自分のモノでないように感じられてきた身体が揺さぶられる。
二宮の必死さを感じて涙が出そうになる・・・でも・・・
―――悪ぃ・・・。俺、限界だわ・・・
松本はそのまま深い暗闇の世界へ身を委ねていった・・・
二宮に揺らされ続けた松本の顔がゴロンと横へと向く。
「ガハッ・・・ゴホッ・・・・・・」
夥しい量の血液が松本の口から勢い良く溢れ出した。
途端、辺りにむせ返るような血の匂いが広がり始める・・・
鮮血の中に蒼白な松本の顔・・・
その対比を二宮は声を無くした様子で見つめる。
「ま・・松潤・・・?」
おびただしい量の血を吐き出した松本は、ただ静かに横たわっていた。
「松潤? 松潤・・・嘘だろ? 眼を開けろよ!!」
慌てて手を口元へ近づけてみた二宮は、松本が呼吸をしていない事に気付き、胸に耳を押し当てて
みる。
が、松本の胸の鼓動は止まったまま、二度と聞こえる事はなかった。
「なんでなんだよ―――!! なんで松潤が死ななきゃいけないんだっ! 分かんねぇよ、俺・・・・・・」
やるせない想いをどこへぶつけていいのか分からずに、涙を溢れさせながら二宮は叫ぶ・・・
「松潤がいないんじゃ・・・もう、俺たち、嵐になれないじゃないか・・・」
二宮は松本の形見となってしまったチーフスペシャルを握り締めた。
「ウッ・・・ウウ・・・。松潤・・・・・・」
自分を護ると宣言していた友の顔を見つめ、二宮はポロポロと涙を流し続けた。
【松本潤 死亡:残り15名】
見習さん!!お帰りなさい。
「嵐になれないじゃないか」に涙。
続きをお待ちしています。
ワーイ!見習いさん、まってました!!
見習いさんおかえりなさい!
歪…さようなら。
嬉しみと悲しみで、涙、涙です。
4年に1回しかない今日、更新できてよかった。
ま、更新っていってもムコウのを持ってきてるだけなのですが
それも今回でおしまいです。
ムコウで読んでくださった皆様、続きはもう少し待って下さいませ。
「なんで此処へ来るまで他の人と会わへんかったんや・・・。端っこやろここ?」
目の前に広がる海を見つめながら岡田はポツリと呟いた。
集落の中の一軒で、ふと胸に湧き上がった不安感。
それに突き動かされるように歩いてきた結果がこれだった。
無造作に髪の毛をかき上げ「ふぅ〜」とひとつ大きなため息を吐くとリュックへ手を突っ込み、中から
地図とコンパスを取り出すと、延々と歩いて来た砂浜へ腰を降ろす。
「よし。上の方・・・北へ行ってみよか」
そう決心し、ペットボトルの水をゴクンと飲むと勢いをつけて立ち上がった。
歩き出そうとして、自分の足跡以外のものが先についているのを見つける。
振り返ってみてやはり同じ足跡を見つけ、それに気付かなかった自分の余裕の無さに少し笑った。
「なんや、誰かおったんや・・・こんな跡ちっとも気付かへんかった。誰やったんや?」
北へ行くには少し遠回りになるが、足跡が気になった岡田はそれを辿りながら海岸線を歩き出した。
三宅を唖然と見送った後、暫く自分の現在地について考えていた松岡は、おもむろにリュックからコン
パスと地図を取り出した。
「ま、こんなもんでも無いよりマシでしょ」
地図に照らし合わせてさっきまで自分が歩いていた道を探す。
「よしっ、こっちだ」
自信たっぷりに呟くとクルッと方向を変え歩き出した。
「オッケ、この道を左だな・・・」
先ほどまで歩いてきた道を見つけたものの、方向感覚が狂ってしまっていた為再びコンパスの世話に
なる。
「あとは、この道をひたすら真っ直ぐに進むだけ・・・」
誰かに会えるといいな・・・
ぼんやりとそう考えながら歩く松岡の脳裏に三宅の姿がふと浮かんだ。
あいつ、何あんなに取り乱してたんだろ?
「ま、いっか・・・」
あっさりと考えを放棄して、この先誰に出会うのだろうか? TOKIOの仲間に逢えるのだろうか? と
自分の先へ思いを馳せる。
――この先で自分を待ち受けるものを知らずに、松岡は歩みを進める・・・
ガタガタと震える自分の身体をしっかりと両手で抱きしめながら、三宅は膝に額を押し当て冷たい石段
に座っていた。
ギュッと眼を閉じると浮かぶのは自分の腕の中で血を吐き出した錦織の顔。
―――あの時、まだ生きていた・・・
―――でもあの状態で助かるわけない・・・・・
浮かんでは消える錦織の顔に耐え切れず眼を開ければ、そこは数時間前自分が森田を置いて出て
きた神社だった。
「あ・・・俺、また此処に来ちゃったんだ・・・」
キョロキョロと辺りを見回すが、当然森田の姿はどこにも無かった。
「なんだ・・・ゴウ、いないんだ・・・」
ずっと叫び続けていた為に掠れてしまった声でひとり呟く。
その寂しそうに吐き出された声は、神社の境内にひっそりと消えていった・・・。
ずっと走り続け、叫び続けていた反動なのか、ぼんやりと石段に座っていた所為で近づいてくる足音
に気付くのが遅れた。
ジャリッ。と玉砂利を踏みながら目の前に現れたのはホッとした顔の自分の仲間。
「なんや、此処におったんや・・・」
自分の顔を確認すると安心したように笑うと大きなストライドで近づいてきた。
「岡田・・・」
「健くん・・・良かった・・・。捜したで」
「お・・かだ・・・」
いつもと変わらない笑みを浮かべ近づいてくる岡田に対して、ぎこちなく強張った表情を浮かべる三
宅。
それでもどうにか表情を取り繕って自分の名前を呼ぶ三宅を疑問に思いながらも、岡田は賽銭箱の
前の石段に座っている三宅の前に立った。
「どうしたん? 辛そうな顔して・・・どっか怪我でもしてる?」
「俺・・・俺・・・・・・・」
言いかけた言葉を飲み込み俯いた三宅の隣に岡田は座った。
「ここ静かやな・・・。なんや、さっきのツヨシくんたちの言葉が本当に思えなくなってくるわ」
誰に言うわけでもなく、ひとり言のように呟く岡田の声を身じろぎひとつせず三宅は隣で聞いている。
「人を殺すなんて、そんな簡単にでけへんやろ・・・」
その岡田の言葉にビクッと三宅の肩が震えた。
「なぁ、健くん。さっきからどないしてん? 何かあった? 話してみれば少しは楽になるんとちゃう?」
「・・・・・・無理・・・」
顔も上げずに三宅から返された答えはたった一言。
「無理って・・・。そんな震える声で言われても納得でけんって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「健くん、そんな事言われてもそんな態度されても、俺は納得せぇへんよ!」
隣から三宅の前へ回ると肩を掴み、顔を上げさせようとする。
肩に掛けられた岡田の手を振り払うように三宅は身体を揺すった。
「健くん、健くんっ!! 何してんの? 俺らには時間がないこと忘れた? そんな事してる場合とちゃ
うで!!」
「じゃあ、どうすればいいんだよっ!!」
自分に掛けられた岡田の手をパンッと振り払うと、真っ赤に充血した眼で岡田を睨みつけた。
「俺は・・・お前がさっき言った『簡単に出来ない事』を簡単にやっちまったんだよっ!」
振り払った岡田の腕を掴みながら三宅の言葉は続く。
「だから・・・俺は、俺は・・・・・・」
岡田の腕を掴んでいた三宅の手が外れる。
その手を自分の膝に置き、ギュッと握り締めたまま動かなくなってしまった三宅に向けて、岡田が静か
に声を掛けた。
「健くん、もしかして・・・それは誰かを・・・ってこと?」
「そう・・・俺は、俺に渡された武器が水鉄砲で・・・その水の中に毒が入っていたなんて知らなかっ
た・・・。でも、そのせいで・・・俺が撃った水鉄砲で、錦織さんが・・・・・・。知らないっていうのは理由に
ならない・・・実際、俺が手を下したことに変わりは無いんだから・・・」
先ほどとは違い、淡々と語り出した三宅の言葉に、岡田は黙って耳を傾ける。
「だから俺は、お前とかV6のメンバーと一緒にはもういられない・・・」
「なんで?」
「『なんで?』って、お前何聞いてんだよ。俺は人を殺しちまったんだ・・・」
キッとした顔で三宅は岡田を睨みつける。
「だって、健くん、後悔してるやろ? どうしたらいいか分からない位取り乱しとるやん。それって、
『簡単に』人を殺めた人間の言う台詞とちゃうよ・・・」
「俺が、お前たちに顔向けできない理由ってのは、もうひとつあるんだ・・・」
「もうひとつ?」
少し言いよどむと三宅は森田と最初にこの場所で交わしたやり取り――自分たちが離れ離れになっ
ていた理由を――を岡田に告げた。
「なんや、そんな事か」
三宅の話を聞き終えた岡田は、明るく笑って見せた。
あ、忘れてました。
自分関東在住なのでエセ関西弁になってると思います。
どうぞご容赦くださいまし・・・
どうしてもこれはオカシイというものがあればぜひ御指摘下さい。
見習さん乙です。
続きが非常に気になっておりますが
見習さんのペースでがんがってください。
見習いさん乙!
関西弁大丈夫です。
漏れたこやき民ですがそんなに気になりません。
うぉー 去年夏までずっとこのスレ張り付いてたけど、
一時期覗かなくなって見失ってた間に復活してらっしゃる。
かなり嬉しいぞー 見習いさん、がんがって下さい。
更新キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
最近バトロワ不足で昔の読みふけってたら
いつのまにか見習いさんフカーツしてる!禿嬉しいです。
がんがってくだちい
見習いさんお帰りなさい!
ふと気付けば自担と二押しが出てるー!かなり嬉すぃ…
622さんのようにたこやき民の方に
そう言って頂けるとチョット安心です。
凸とか高位置の言葉はへんに標準語が混ざってて難しい・・・
またチェックしてみて下さいな。
そこには凄惨としか言いようの無い光景が広がっていた。
「ひっでぇ・・・」
顔を背けながら松岡は呟く。
「うぐっ・・・」
思わず吐き気がこみ上げてきた。
咄嗟に口元を手で覆いながら、ソレに背を向けるように逃げ出した。
アレからある程度離れると「はぁはぁ・・・」と荒い息を吐き、その場に蹲るとギュッと眼を閉じた。
まだ吐き気は収まっていない・・・
震える手でリュックからペットボトルを取り出すと、慌しく口をつけた。
ガラガラ・・・と、うがいをして水を吐き出す。
それでも込み上げる吐き気が止まらず、立ち上がり背筋を伸ばすと一つ大きく深呼吸をした。
胸の中に澄んだ空気が入ってきて、幾らか気分が和らぐ。
それにしても、一体誰があんな酷い事を・・・
ふと浮かんだ疑問の答えは考えるまでもない。それは・・・
―――この島に連れて来られた自分たちの中にいる・・・
「嘘だろ・・・。あんな殺り方ってねぇよな・・・」
ようやくたどり着いた集落で松岡が見たものは、ドアを朱に染め、白い人型を残し倒れていたボロボロ
の肉片・・・。
思い出すだけで吐き気が再び襲ってきそうなその光景。
それが一体誰だったのかはもう判別が付かない。いや、とても恐ろしくて側へなんて近寄れない。
「無理だろ・・・。アレに近づくなんて、俺には・・・無理だ」
恐ろしげに口元を覆いながら呟く松岡の手はガタガタと震えていた。
でも・・・でも、もしアレが俺の、TOKIOのメンバーだったら・・・
どうする? どうしたらいい? でも・・・
一度見たら忘れられないあの凄惨な場所へ戻る事を、本能が拒否する。
「クッ・・・・・・」
ガタガタと震える手を無理やりに押さえつけ、漏れてきた嗚咽を耐えるように座り込み身体を丸める。
―――行かなければ・・・行って確かめてみなければ・・・
―――でも、あの光景はもう・・・・・・見たくない・・・
「俺は・・・どうしたらいいんだ・・・」
いつの間にか地面へパタパタと落ちた雫が小さな染みをつくる。
「俺・・・なんで泣いてんの・・・? これは、悲しいって感情じゃねぇだろ・・・・・・」
悲しくないのに泣くなんて・・・。俺、おかしくなっちゃたのか?
松岡は、混乱する頭で震え続ける自分の手をジッと見つめた。
「悲しくなくても涙は出るぜ・・・松岡」
いきなり掛けられた声に松岡は慌てて周囲を見回す。
「あ・・・・・・」
「人は、恐怖でも涙は出るんだよ。オマエの涙はその種類だ・・・」
松岡は木立に寄りかかるその人を認めた瞬間、凍りついたように動きを止めた。
平然と木立から身体を起こし、自分へ近付くその人へ向け松岡は口を開く。
「兄ぃ・・・・・・」
「どうした? 松岡。何ビビってんだよ」
近付いてくる山口――正確には山口が肩に掛けているモノ――から眼が離せない松岡は、震える声
で山口に問う。
「山口くん・・・ それ・・・・・・」
松岡の目線が自分の肩口に注がれている事に気付いた山口は「あぁ・・」と納得したような顔をする。
「これは、俺の武器。結構重いぜ」
「それ・・・。それ・・・・・・ 使った?」
ゴクッと喉を鳴らしながら緊張した面持ちで訊いて来る松岡に、山口は肩からマシンガンを下ろすと
肩を竦めながらニヤリと笑った。
「と〜ぜん。オマエ、アレ見たんだろ?」
確信を持った山口の問いかけを、松岡は固まったまま声も出せずに聞いていた。
アレとは、もちろん先程松岡が見てしまったドアの前の肉片を指している。
「あ・・・兄ぃ・・・・・・」
「なんだよ? 結構凄いだろ? この威力」
ようやく搾り出したような松岡の声を軽く受け流すように、山口は手に持ったマシンガンを手馴れた様
子で持ち直すと、軽い口調でソレを地面に座ったままの松岡の目の前に差し出した。
「それで・・・アレは・・・・・・誰?」
恐る恐るマシンガンと山口の顔を見比べながら、松岡は胸の中に抱いていた疑問をようやく口にし
た。
「あぁ、アレね。あれは・・・・・・」
―――イナガキゴロウ・・・
告げられた名前を聞いて一瞬でも安堵してしまった自分を松岡は呪った。
「なに、松岡? ホッとした? TOKIOじゃなくて良かったって思ったろ? オマエ」
その一瞬の表情を見逃さずに山口は意地悪く松岡を追い詰める。
「そ・・んな・・・・・・ことは・・な・・・」
「『そんなことはない』なんて言わせないぜ」
眼を逸らして言いかけた松岡の言葉は、山口に即否定された。
キャー∩(´∀`∩)(∩´∀`)∩キャー
ブラック副将、怖。
最強なのは、間 違 い な い 。
保守
確かに・・・兄ぃの言うとおりだ。
俺は、アレがリーダーや太一くん、長瀬じゃなくて良かった。って、一瞬でも思っちまった・・・
「ハッ、ハハ・・・・・・」
松岡の口から自嘲を含んだ渇いた笑いが漏れる。
もう、手の震えも、涙も止まっていた。
「山口くん。俺さ、確かにアレがウチのメンバーじゃなくて良かったって思ったよ。でもそれは・・・
そう思うのはそんなに悪い事か?」
「別に、悪くなんかないさ」
「じゃあ、なんでさっき俺にあんな事言ったんだよ! 稲垣くんには悪いけれど、俺にとっちゃSMAPよ
りTOKIOの方が・・・。ずっと・・・ずっと大事なんだよ!」
「だってオマエ、アレが誰だったか判った時、一瞬ホッとした後で『マズイ』って思っただろ? だから、
オマエがどこまで奇麗事を言っていられるか試したくなったんだよ」
その言葉に松岡は急に立ち上がると山口の胸倉を掴んだ。
「なんで・・・なんで、そんな事すんだよっ!」
「悪ぃな、俺も奇麗事を言ってらんねぇって思ったからよ」
松岡の手をやんわりと外しながら山口は淡々と告げた。
「でも、普段は気がつかない心の中・・・。ていうか、自分の打算的な所を見た気がしたろ?」
図星を付かれ、松岡は悔しそうに唇を噛む。
「ま、そんなに気にすんなよ。俺だって、奇麗事言ってらんねぇくらい必死なんだぜ」
山口の言葉に松岡は不思議そうな顔をする。
「だ・か・ら、俺だって此処から生きて帰りたいわけ。そしたら、殺るしかねぇじゃん」
そう、この状況では山口の言う事も理解できる。
でもそれは倫理感や常識を無視すれば――人として超えてはいけない領域を侵してしまえば――の
ハナシ・・・。
「確かにそうかもしれないけど・・・。俺は・・・兄ぃと違ってそんな簡単に割り切れないよ」
山口の言うとおり、此処から生きて出るには殺らなければならないだろう。
しかし、今までそんな――人を殺める――事など考えた事も無かった自分に、山口と同じ様な行動は
まず取れない・・・。
「まぁ、オマエに俺と同じように行動しろなんて強制はしねぇよ。だけどな松岡、俺は生き残るためには
手段を選ばないぜ。それだけは覚えといてくれよ」
―――なんたって生き残れるのはたった一人だからな・・・。
そう付け足した山口の言葉に、松岡は引っかかりを覚える。
「え?・・・・・・『たったひとり』って・・・?」
松岡はふと浮かんだ疑問の為にその先を続ける事は出来なかった。
「あぁ、心配するな。俺はお前等には手を出さねぇよ。何たって仲間だもんな・・・」
言葉とは裏腹に剣呑な光を瞳に浮かべた山口を、松岡はゴクッと喉を鳴らして見つめる。
「だからさ、俺は別に今オマエに対してコイツを向けようなんて思っちゃいないし、それは茂くんとか太
一とか長瀬にも言えることだから・・・」
「でもっ、兄ぃは・・・山口くんは生きて帰りたいんだろ? で、生き残れるのが一人だけって言った
ら・・・俺達なんか邪魔じゃないかよ! それなのにどういうつもりだよっ」
松岡は最悪の状態――山口に銃口を向けられる事――が外れた事に少しホッとしながらも、山口の
言葉の矛盾を問いただすように声を荒げる。
「少し落ち着けよ・・・。別に俺はお前等にコイツを向けないって言っただけで、お前等が他のヤツらに殺
られたって全く構わないって事だよ」
―――え? 今なんて言った?
オレタチガ、ホカノヤツラニ・・・ヤラレテモイイ・・・・・・?
「はっきり言えば、お前らが襲われても俺は助けない。どっちかっていえば誰かに殺されてくれた方が
俺にとっちゃ助かるしな」
「な・・んで・・・?」
「だってさ、仮にも俺たちは仲間だろ? 何年も付き合ってきた仲間を手に掛けるなんて、目覚めも悪く
なるってもんだ・・・。でも他のヤツらが殺ってくれるってんならラッキーってもんじゃん」
山口の余りにも身勝手な言葉に松岡は憤りを覚える。
「なに・・・何勝手な事言ってんだよっ!! アンタ自分が何言ってんのか、何考えてるのか解ってんの
かよっ!! そんなヤツに仲間だなんて・・・俺は<仮>にでも言って欲しくないっ!」
―――もし、視線で人を殺せるなら・・・間違いなく山口は一瞬でこの場から消えていただろう。
それ程、松岡の怒りは深く、信頼していた仲間に裏切られたという哀しさは深かった。
怒りのために紅潮した松岡の顔を、その強い視線を受け止めていた山口は、フイッと視線を逸らすと
踵を返した。
「じゃあな、松岡。せいぜい俺の邪魔をしない程度に頑張れよ。あ、そうそう適当な時に消えてくれると
助かる・・・」
そう言い残すと山口は木立の中へと消えていく。
ステージの上からいつも見つめていた背中が、段々自分から遠ざかっていくのをぼんやりと松岡は見
送る。
「ひでぇよ・・・。こんな再会になるなら、逢わなきゃよかったよ・・・兄ぃ・・・」
涙で滲む眼で睨みつける山口の背中は、木立に紛れアッという間に見えなくなっていった・・・。
岡田の笑顔を少し眩しそうに見つめた後、三宅はハッとした様に表情を硬くした。
「『そんな事』って簡単に言うけど・・・」
岡田は苦笑いしながら三宅を見ると、自分のベルトから気付かれないようにそっとベレッタを抜いた。
「『簡単』って言うのは、こういう事やと思うん」
ベレッタが自分に向けられている事に気付き、三宅の顔は一瞬で恐怖に囚われる。
「・・・・・・お・・・・かだ・・・?」
声も満足に出せない三宅の額に銃口を押し付け、岡田は笑みを漏らす。
グイッと押し付けられた冷たい鋼が身体の体温を奪っていくのか、銃口をとても熱く感じる。
背筋からツ―っと冷たい汗が伝う・・・。
―――なんで・・・なんで岡田はこんな事を・・・・・・。さっきまでのアイツは作り物だった?
先程まで、いつもと変わらない態度で自分に接していた岡田を三宅は思い浮かべる。
―――こんな急に豹変してしまうなんて・・・。やっぱりゴウの言うとおりだったのか・・・・・・。
やはり、こんな状況では誰も信じられないのだろうか?
仲間なんて、何年も一緒に築き上げてきたものなんて、こんな時何の役にも立たないのか?
岡田の突然の行動に三宅は哀しさを感じる。
「俺、此処でお前に逢えてよかった。そう思ってたけど・・・逢わなきゃよかったよ・・・・・・」
三宅は観念したように眼を閉じ、たぶん最後となるであろう言葉を岡田に投げた。
見習いさん乙です!
ブラックな副将にゾクゾクします。
尊敬している副将に裏切られた?紫はこの後どうなるのでしょうか?
今までこの板のBR全部読んできたけど早めにあぼーんなキャラって結構かぶるね。
共通している弱そうなイメージとかあるのかとか考えると面白い。
見習いさん乙です。
自担がいよいよ…(つД`)
まさか自担が二押しを…(つД`)
☆の最後(?)の言葉が胸に突き刺さる脳。
続きキボン
640 :
ななしじゃにー:04/04/16 19:56 ID:dvHqeT/P
あ
641 :
ななしじゃにー:04/04/17 15:50 ID:OgqB0cyL
乙
保守
・・・凸!!
まさかな展開にドキドキ
見習いさんガンガッテクダセー!!
保守。見習いさんお待ち申しあげます。
保守
見習いさん…帰ってきてくださーい
続き気になる
648 :
ななしじゃにー:04/06/23 20:42 ID:egzIxmd2
昔、スマップの森(脱退する前)が、デブタレントの伊集院光との腕相撲対決で、
2秒と持たずに完敗してた。結構細いながらも筋肉質な腕してたのに、
力弱すぎ・・・
見習さん!何処にいってしまったの?
続きがぁ〜あ…
結末をしりたいよう!
ho
保守
ホシュ
,,,,.,.,,,,
ミ・д・ミ <ホッシュホッシュ♪
""""
654 :
ななしじゃにー:04/08/13 23:13 ID:fVFDR2pg
視力が弱いジャニタレに見えた。皆悪そうだ。
656 :
ななしじゃにー:04/08/13 23:24 ID:IpQT9Ibf
光一余って大変だったからねw
657 :
ななしじゃにー:04/08/19 22:36 ID:FwnKLOfR
ミ・д・ミ <ホッシュ
あ
659 :
ななしじゃにー:04/08/25 05:13 ID:GXM/jI82
ミ・д・ミ
660 :
ななしじゃにー:04/08/28 04:00 ID:p0Paqo4P
え
661 :
ななしじゃにー:04/08/30 22:08 ID:v/YHUvUA
お?
662 :
ななしじゃにー:04/09/04 04:34 ID:DYvDTQFR
ヴェ
663 :
ななしじゃにー:04/09/09 04:08 ID:bf1FgS08
ヴ
664 :
ななしじゃにー:04/09/13 21:14:42 ID:y53PLNZf
お〜い
こ
見習いさんのを特に期待して待ってるんだけどな〜。
ホシュするのも無駄なのかなと思えて来た昨今。
三十路たちの行く末が知りたかった…。
>666
オーメソおめw
漏れもずっとホシュしてるんだけどね…。
ダメなのかなぁ…。
あらすじでいいから書いて欲しい。
ここまでかいてこのままなの?
3月が最後じゃもうこなさそうだね。楽しみにしてたのに…
見習いさん、やっぱりもういないよね・・・?
自分も楽しみにしてたんだけどなぁ。
もし居たら、今からでも遅くないでつよ!待ってるヤシはイパーイいるYO!!
皆様お久しぶりです。
保守してくださってる皆様、本当に有難うございます。
見放しもせずにお付き合い下さり嬉しいです。
気が付けば半年も何もせず・・・・・・
忘れているわけではないですし、完結させたい気も満々です。
が、ちと色々ありまして・・・中々上手くいかないものです。
前回いや〜な所で切ったままだったので
ここのシーンだけうぷしに参りました。
短いですが、どうぞ・・・
「『逢わなきゃよかった』なんて、そんな事言わんといて・・・」
岡田の声とともに、三宅の額に押し当てていた銃口が外される。
「え? な・・に・・・?」
死を覚悟していた三宅は岡田の行動の不可解さについ声を漏らす。
「別に俺、健くんを撃とうなんて思ってへんし・・・」
岡田はベレッタを再びベルトへ挟み込みながら、下を向いてポツリと呟いた。
何事も無かったように、岡田は再び三宅の隣に並んで座る。
「なぁ、さっき健くんに言うたやろ? 『人を簡単に殺すなんてでけへんよ』って・・・。健くん勘違いしとっ
たみたいやけど、俺も物理的に人を殺すのは簡単やと思うよ。今、俺が健くんに銃を向けたのも簡単
やったし・・・。でもな、そこから先が違うんやと思う」
「・・・・・・」
三宅がちゃんと話を聞いているのを確認しながら、言葉を選びながら、岡田は話を続ける。
「あの時俺が引き金にチョットでも力を込めれば、弾が飛び出して健くんは死んだやろ? でもな、そ
のチョットの力が問題で・・・そのチョットの力を、入れられるか入れられないか。それが、簡単か簡単
やないかの違いになるんやないかと思うん」
う〜ん・・・上手く言えへんわ・・・。そう言いながら岡田は頬を人差し指でポリポリと掻く。
「つまり、簡単に出来るも出来ないのも、俺たちの気持ち次第ってことか・・・」
まだ少し強張った表情のまま、三宅は岡田の言葉を引き継いだ。
固い声で紡がれた三宅の言葉を、岡田は少し痛む胸で聞く。
「ごめんな・・・あんな真似して・・・。でも、健くん何言うても聞いてくれそうに無かったから・・・」
まるで自分が銃を向けられたように、辛そうな顔で岡田は三宅に告げた。
「でも・・・どうして・・・どうして、あんな事したんだよ・・・。俺、オマエに殺されるかと思った・・・」
今にも引き金を引きそうな様子だった岡田の自分を心配するそぶりを見て、一体何を信じて良いのか
分からずに三宅は戸惑い、説明を求めるように身体ごと岡田へと向き直った。
「うん・・・ホンマにごめん。悪い事したと思ってる・・・。けど、健くん俺の話聞いてくれる状態や無かった
やろ?」
確かにあの時の三宅の精神状態では、何を言われても耳を素通りしてしまっていただろう。
それが、岡田に銃を向けられることで、一度頭の中がリセットされたような状態になり、目の前の事に
意識を向けることが出来た。
結果的には岡田の思った通りになったのだが、三宅としては仲間に銃を向けられたという恐怖が心の
中に残ってしまっていた。
「オマエさ、俺がどれだけ怖かったか判るか?」
「うん。俺は、仲間に対してやったらアカンことをしてもうたんやな。ホンマごめん・・・」
言い終えるなり岡田は三宅に頭を下げた。
三宅は眼の前にある岡田の旋毛をじっと見詰める。
岡田が自分の為にやってくれたという事は、判っている。
けれど、岡田のあの冷めた眼が、銃口の熱さがそれを凌駕する。
「岡田、俺・・・。オマエが俺の眼を覚まさせてくれた事はすっげぇ感謝してる。でも、俺さ・・・なんか・・・
オマエが怖かった。あの怖さは忘れられない・・・」
その言葉に岡田は顔を上げる。
岡田の眼の前に、泣きたいのを堪えるように眉根を寄せる三宅の顔があった。
「健くん、こんな言葉しか見つからんけど・・・ホンマごめん。けど、俺は本気で健くんを撃とうって思って
なんかないで・・・それだけは、判って欲しいんや」
三宅は何も言わずにただ黙って岡田の言葉を聞く。
口を開けば、言葉ではなく泣き声を上げてしまいそうで、ただ黙って岡田の顔を見つめる。
「健くん・・・。堪忍な・・・。怖がらせてホンマごめん・・・」
何も言わなくなった三宅へ更に謝罪の言葉を告げると、岡田は立ち上がった。
ギュッと唇を噛み締めた三宅が、視線で岡田に問う。
「俺、これ以上健くんの側におらん方がエエと思う。やから、俺・・・行くわ」
「お・・かだ・・・」
立ち上がった岡田を見上げ、震える声で自分の名を呼ぶ三宅を、寂しげな微笑で岡田は見返す。
「ありがとう、最後に俺の名前呼んでくれて・・・。ほな、俺、もう行くし・・・」
「岡田・・・」
「うん。健くんも・・・頑張ってな」
振り向かずに手を挙げる岡田を見て、三宅は慌てて腰を浮かせる。
このまま岡田を行かせてしまえば、もう二度と会えないかもしれない・・・
けれど、岡田がここから立ち去ろうとした原因は、自分の言葉。
三宅は石段の上に立ったまま、神社から出て行く友の、仲間の背を見つめた。
「ゴウ、もう俺たち戻れないのかな・・・。俺・・・岡田になんて言えば良かったんだろう? 」
ポツリと呟くと、三宅は身体の力が抜けたように再び石段へ座り込んだ。
見習いさん!おかえりなさ〜い。待ってましたッ!!
帰ってきてくれてありがとうです。
また出来る時で良いんで、がんがってください!
待ってましたー!!
これからも待ってま〜す
ほしゅ、ほしゅ。
見習いさん、じみちに待ってまーす
保守
679 :
ななしじゃにー:04/11/04 04:34:20 ID:nVZM8jp+
age
保守
保守
気になるなぁ、チームみかん。
見習いさん、続きよろしくです。
待ってます。
保守
683 :
【凶】 :05/01/01 11:29:21 ID:XwMn7HBm
a
684 :
【大凶】 :05/01/01 11:31:17 ID:XwMn7HBm
a
o
tes
tes
hoshu
保守がてらageていいかな?
けっこうやばいよね?
ageなくても保守できるでしょ?
あ
692 :
ななしじゃにー:05/01/20 04:25:10 ID:wQFLjXtf
何これ?
693 :
ななしじゃにー:05/01/27 01:58:49 ID:FXIgFGfN
続きが気になるのでage
保守。
こんな時間なのに一気に読んでしまいました…。
続き凄く気になりますが…自分の二人の自担は…
一人は大丈夫そうだけど、もう一人が心配だ。
保守
見習いさんのサイト、なくなった?
無くなっちゃったっぽいね(´・ω・`)
続き読みたいんだけど、もう戻って来ないかもね。
♥
699 :
ななしじゃにー:05/02/06 04:12:29 ID:xxbfDd4I
あげ
続きマダー?(AA略
ハイネックな自坦2人がキニナル・・・
701 :
ななしじゃにー:05/02/06 19:29:05 ID:4zZ2VVK7
まだでつか?みかんで体を冷やしたりしてた自担が気になる
ホシュはいいが、クレクレは(・A・)イクナイ
今稼働中のバトロワってあるんか脳。。。
見習いさんのサイト、まだありまつけど。
URLここに勝手に晒していいものか脳。
>>704 知りたいです!どうかお願いします・・・
自分も知りたいけど、やっぱマズイかな?
自分も知りたいっす・・・
>706
ダメじゃないの?
>706>708
704でつが。マズイよな。どうにも漏れだけじゃ判断デキマセン(´Д`)
今現在見習いさんのサイトに更新はないのでつが。
あったら見習いさん戻ってくるのではないか脳。
てか戻ってきてホスィ…
サイトにアドは載ってないのか脳?
聞いた方がいいと思うのだが。
>710
サイトにアドは無いでつ。
それどころか右クリックすら禁止でいくら検索にかけてもヒットしないでつ。
見習いさん完璧でつ。
これはやっぱり見習いさん待ちが正解かと思われ。
>711
そっか…。色々面倒掛けてすまん脳。
と、云う事で見習いさん待ってます!
見習いさん待ち保守
見習いさん光臨待ち
715 :
K1 ◆lM4tvCejH2 :05/03/18 00:39:55 ID:01sVlJYS
半年に1回更新じゃあと100年はかかる希ガス。
ミ・д・ミ <ホッシュ
イ呆 守
もう戻って来ないね…きっと。
このまま落ちそうだね、このスレも。
720 :
ななしじゃにー:2005/04/29(金) 19:12:26 ID:Qo7ryxbj
自担の行く末が気になりまつ・・。
サイトは何処にあるのやら・・。
とりあえずここが落ちるまで気長に待ちます
保守
見習いさんのサイトはその後も動きはないでつ。
見習いさん・・見習いさん・・見習いさん・・・
保守
test
>725
728 :
ななしじゃにー:2005/07/22(金) 03:31:27 ID:SmnGVpWF
見習いさんどこいっちゃったの・・・
729 :
ななしじゃにー:2005/08/06(土) 02:22:52 ID:L/PmYRN1
保守のためにageとく。
見習いさん、待ってます。
test
731 :
ななしじゃにー:2005/08/27(土) 16:16:25 ID:m2QGIpaB
捕手
732 :
ななしじゃにー:2005/08/29(月) 05:22:08 ID:doGBwDG4
見習いさぁあぁぁん…
733 :
ななしじゃにー:2005/09/18(日) 01:18:33 ID:1YDVnhhY
age
age
age
保守
737 :
ななしじゃにー:2005/11/02(水) 02:07:12 ID:pNyk5LKi
保守age
738 :
どつよです:2005/11/03(木) 18:45:44 ID:lP1tTwyJ
どつよです・・どつよです・・どつよです・・
739 :
http://web.hpt.jp/fudousan/973045001.html:2005/11/06(日) 08:15:12 ID:Usexhz3b
ジャニヲタの男性とカラオケに行きたい
740 :
ななしじゃにー:2005/12/18(日) 20:20:17 ID:opWppEtF
保守age
捕手
弱いのは光一
保守…ってかもう続きは諦めざるを得ないのか。。。orz
保守
今までのジャニバト読めるサイトがあぼーんしてる…
もしかして2度目の移転とかした?
保守 諦めきれん・・・
>>741-745 保守とか言いながらageてないのは何故か
わずかな希望で上へ参りまーす
保守。
自担の動きが気になる。
見習いさんのサイト動きナシ。まだ待つ!!
ageなくてもレスさえ付ければ大丈夫なんでそ?
今更でつが…
自分も書いてみようかななどと思ってるのだが…
需要アリ?
完結出来るなら有り。
完結出来るなら自分も読みたい。
でも、このスレももうすぐ終わっちゃうよ?
751です
GW終迄には、書き上がっている予定なので
終りが見え次第ハジメタイカモ・・・
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・)wktk
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
>754
おながいしまつ。
751です
半分位書き終わったのです
ただ、自分はあまり武器等に詳しくなかったカモ…
なので、話の流れも自己流でいく予定
期待外れになったらスマソ
>758
でも今はリサイクル禁止だし、そこ削除依頼出てるけど…。
>759
そうですた
でも、ここではじめてもいいのでつかね…
見習いさんももう戻ってこないと思うし、此処は既にリサイクル済みだから
レス番足りるなら此処で良いとオモー。
あくまで個人的意見だけど。
>761
レス番足りるか、ちょっと不安カモ…
なんか、よい方法ないでつかね
とりあえず早く読みたいお(`ω')
751でつ
だいぶ書きあがったので
折角なんで、うpはじめようかなと…
原作読んだこと無いので、
設定やら、武器やら、呼び方等etc
結構適当でつが、
その辺はド素人ということで、
カンベソしてもらえれば、うれしいでつ
本当にこれでいいのだろうか…
本当にこれが正しい選択だったのだろうか…
もう誰も信じない
もう誰も信じない
どうか、僕にもう一度だけ…
XX年10月10日 PM9:00
今日は年に一度のジャニーズ大運動会
久々の大阪だったなー
ちょっと、張り切りすぎて疲れたかも…
バスに揺られながら、そんなことをふと思った。
となりでぐっすり眠っている相葉をみると、
何故か、とても幸せな自分がここにいると感じていた。
「俺、嵐でよかったな…」
「ン?」
二宮の声が聞こえたのか、相葉は目をこすって、
また、すやすやと眠り始めた。
今年の運動会は、例年より派手に行われた為、
バスの中には、嵐のメンバーは勿論、
他にも少年隊やSMAPなど、いつもの運動会では、
なかなか参加しない先輩たちもたくさん乗っていて、
にぎやかな声が飛び交っていた。
いつも、元気だな、井ノ原君(笑)
二宮は、斜め前で、先輩方にからかわれて、
うれしそうな井ノ原を眺めていた。
その時、バスの前方で、バンと何かがはじけるような音がして、
煙のようなものが出たような気がした。
誰かが、花火で遊んでるのか?んなわけないか。
みんな子供だな…(笑)
今日は、本当に楽しかったな…
そんなことを思いながら、次第に静かになるバスの中、
二宮は深い眠りに落ちていった。
お、重い… 相葉ちゃん、寄りかかりすぎだって。
ぐっすり眠りすぎたのか、頭がとても重い。
二宮は、自分の【胸の上】の相葉をどかし、
何か違和感を感じるながら、あたりを見回した。
何かがヘンだ。俺って確か、バスに乗ってたよな…
ここはバスの中じゃない。教室だ。
冷たい床が、なぜかとても不吉なものに感じられた。
朦朧としながらも、すぐに、隣にいた相葉を起こす。
「起きろよ、オイ。相葉ちゃん。起きろって。」
「なんだよ〜。もう…。着いたの?」
「相葉ちゃん。ここ何処だろう…」
次々と、他の人間も目を覚ます
「なんだ?何処だ?どうなってんだ?」
あちらこちらから、ざわざわと声が聞こえ出す。
ざわめく中、教室の扉が、
ガラっという大きな音で、静かに開いた。
PM11:00
「皆さん、お目覚めですか?」
どこかで聞いたことがある声が、教室に響き渡る。
「なんだよ、ここ何処だよ!お目覚めですかじゃねーよ。なあ。」
井ノ原の笑い声が聞こえる。
「これは、これは、スミマセンでした。
皆さん、ぐっすり眠れましたか?
今日は、どうも、お疲れ様でした。
お疲れのところ、本当に申し訳ありませんが、
皆さんにこれから、最後の仕事をして貰いたいと思います。」
「オイオイ、年寄りにはもう限界だって。ねー、リーダー(笑)」
松岡が、いつものように城島をからかう。
「はあ?何言ってんの、おまえ?」
木村が、怒った口調で、静かに続く。
「はいはい。そんなに焦らないで下さいよ、木村君。
これから、最後の大仕事の説明をさせていただきます。」
「何言ってんの?意味わかんね〜べ。お前、頭大丈夫か?あはは」
中居も木村に続いた。
「皆さん静かにしてくださいね。
私語は厳禁です。これが最後の仕事になる方が多いと思いますので、
存分に楽しんでくださいね」
770 :
ななしじゃにー:2006/05/07(日) 02:10:12 ID:mTq+G4Ho
ここでやんのかぁ
みんなは笑っている。
その中、迷彩服にマシンガンをぶら下げた取り巻きに囲まれている、自分。
後ろを振り向き、誰にも気づかれないように、小さく深呼吸した。
「さあ、皆さん、よ〜く聞いてください。
突然ですが、これから、皆さんには、殺し合いをはじめてもらいます。」
一瞬、教室が、静まり返る
「…ツヨシくん…そんな…」
誰かの声が、小さく聞こえた。
ジャニーズ バトルロワイヤル START
1番 相葉 雅紀 15番 滝沢 秀明
2番 稲垣 吾郎 16番 堂本 光一
3番 井ノ原快彦 17番 中居 正広
4番 今井 翼 18番 長瀬 智也
5番 植草 克秀 19番 長野 博
6番 大野 智 20番 錦織 一清
7番 岡田 准一 21番 二宮 和也
8番 香取 慎吾 22番 東山 紀之
9番 木村 拓哉 23番 松岡 正広
10番 草g 剛 24番 松本 潤
11番 国分 太一 25番 三宅 健
12番 坂本 昌行 26番 森田 剛
13番 櫻井 翔 27番 山口 達也
14番 城島 茂 28番 ―――
その小さな声が、誰のものかは、周りには解らなかったが、
ツヨシには誰が自分に向けたものなのか、はっきりとわかった。
「あれ?まさか、お前もここにおったとわなー。
アホやな、お前は。ふんっ。まあええわ。
皆さん、聞こえましたか?これが最後のお仕事ですよ。」
「ツヨシ、お前なに言ってんねん。これから、Vシネでもとるんか?
ジャニーズだから、Jシネか。」
光一が、笑いながらツヨシにつっこむ。
「またまた〜。ふざけた事言っちゃって(笑)
お前も冗談きついって(笑) なー、タッキー。」
太一が、隣にいた滝沢の肩ににポンと手をかける。
が、滝沢はニコリともせず、ただ、ツヨシをじっと見つめているだけだった。
そんな滝沢に、翼は驚いていた。何?
ツヨシ君なに?殺しあうって。冗談キツイヨ。
「冗談なんかあらへんよ。太一君。
これからルールを説明しますので、皆さん、よ〜く聞いてくださいね。
では、ルールは、KAT−TUNがビデオでサクっとやっとります。
ちゃんと聞かへんと、死んじゃいますよ。」
顔色一つ変えることなく、ツヨシは淡々と続ける。
岡田には、わからなかった。
ツヨシくん、今日はエイプリールフールじゃないねん。
そんな簡単に、殺し合いなんてできへんやろ、普通。
岡田は、ただ、ただ、ツヨシを見つめる事しか出来なかった。
「あっ、その前に、言い忘れとったことがあります。
この仕事は、24時間で、殺し合ってもらうお仕事なので、
勝者は勝ち残った人1名となっとります。
24時間をすぎた時、2人以上生きとった場合は、
残っている人、全員の首輪が爆発する仕組みとなっとります。」
「ふざけんな!」
説明を続けようとしたツヨシに、木村が殴りかかった。
木村の拳は、ツヨシの右頬にヒットした。
その時、ピーピーピー と、電子音が教室中に響きだした。
「なに、この音なに?何?なに?何?」
電子音につられるかのように、松本が、喚き出す。
「ツヨシ君、なんですか、この音。」
松本が騒ぎ出したので、櫻井は松本をなだめる為にも、
ツヨシに聞いてみる。
ツヨシは何も答えず、ただ、呆然と立っていた。
が、突然、櫻井をキッと睨み返した。
電子音が少しづつスピードをあげていく。
「お前、何、音出してんの?早く止めろって。」
草gが香取に声をあげて言う。
「は?音って。俺から?俺、何もしてないって。」
「首だよ首。お前のつけてるやつから、音出てるって。早くしろよ。」
「俺、首輪なんてつけてないよ。つよぽんでしょ、つけてるの。」
電子音がピピピピピと早くなり、やがて、グニャッという音とともに、
香取の首から、赤い血が吹き出し、その場に香取は倒れた。
「あっ、あっ―――――――――。」
誰かが、叫び声をあげる。
「慎吾?慎吾?なんなんだよー。」
香取の血で顔中が真っ赤に染まった草gが、ツヨシを睨みつける。
その目は、もう、いつもの草gでは無かった。
「もう、やだよ。何これ。俺、帰る。」
三宅が、ドアに向かって走り出した時、迷彩服の男達が三宅を取り押さえる。
「勝手に帰っちゃあかんやろ、健。
お兄さんたち、怒っちゃうやろ。」
8番 香取慎吾 死亡 【残り27名】
ツヨシの声が震えている。他の誰にもわからないかもしれないが、
光一は確かに感じた。
ツヨシは確実に怒っている。
健に?いや、きっと、健にではない。じゃあ、誰に…
ツヨシ、お前、どないしたんや?何があったんや?
俺にも話せへん事なんか?
光一はツヨシをみていた。光一の視線に気づいたツヨシは、
目を伏せたまま、深く息を吸い込むと、
何かを決心したように、目を閉じた。
「もう、木村君、痛いじゃないですか。勘弁してーな。」
木村に殴られた右頬をさすりながら、ツヨシは続けた。
「あー、こんなことするから、香取君、死んじゃったやないですか。
それにしても、木村君、命拾いしましたねー。
香取君の首輪、動いたねんな。」
「どうゆーことだよ。」
木村は、再びツヨシに飛び掛かろうとする。
「木村、やめとけって。こいつ、狂ってる。」
中居は、一斉に銃口を向けられた、木村の腕をつかみ、
ツヨシを睨みつけた。
「お仕事の邪魔する人は、こうなるってことですねん。
僕の話をちゃんと聞かれへんように邪魔しようとするから、
首、飛んだんや。でも、飛ぶ人、ちごーたみたいやな。」
「間違い?間違いで、こんなことが起こっていいのかよ。
ふざけるのもいい加減にしろよ。」
今まで、じっと、何も言わず、ただ、ツヨシを睨みつけたままだった坂本が、
ツヨシに向かって、怒りを爆発させた。
「みなさん、よく聞いてくださいね。
別に、ふざけとる訳ではないのですよ。
これはあくまでも仕事ですねん。
この仕事は、事務所からの正式オファーです。
死んだ人は、仕事帰りの不慮の事故と説明される手はずとなっとります。
なので、勿論、勝者は、殺人の罪には問われへんし、
ギャラも、相当額、用意されてるみたいやから、安心しはってください。
最後の1人になるまで、仕事を全うしてください。」
「ツヨシ君」
「なんや?大野」
「この首輪って。」
「おー。いいところに気がついたなー。大野。
説明するの忘れるところやった。すまんなあ。」
「お願いします。」
大野の言葉に再び、教室が凍りついた。
「じゃあ、大野の質問にお答えせんとな。
この首輪は心臓モニターがつい取とるんや。
これで、みんなの生死を判断するねんなー。
よく出来とるやろ。」
「お前、よくそんなこと、簡単に言えるな。」
植草は言った。
「ほんなら、続き聞かへんでもええですか?
植草さんが、もう、説明はいらんとおっしゃってますから、
説明は以上にしますが、みなさんは、どうですか?」
教室の空気が、余計なことを言いやがってと、
自分に言っていることに気づいた植草は、
「わかった。続けろよ。」
と、力なく呟いた。
新作JBRキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
ド素人さん、乙&dです。
「ほんなら、説明続けよか。
この首輪は、生死を確かめるだけやなく、みんながちゃんと、
仕事をしとるか、確かめる為にも、ついとるわけです。
後で、ビデオで説明するねんけど、
この仕事が早く終わるように、
僕も、少しだけお手伝いせなアカンやろ。
みんなにばっかり、仕事させるのも、悪いと思うしな。」
ツヨシはさらに続ける。
「で、僕がするお手伝いは、みなさんに、お仕事を終了した人を、
お知らせするのと、入っちゃあかん所を教えることやねんな。
この入っちゃあかん所が、ポイントや。
ここに入るとな…さっきの、香取君のように首輪が、
ボンッ!ちゅう仕組みになっとる。
勿論、無理に外そうとしたり、お仕事の邪魔をする人には、
こっちから、信号を出せば、これまた、
ボンッ!と言うわけや。以上、わかったかな?大野?」
「はい。ありがとうございます。」
いかにも、普通に業務内容でも知らされたかのように、
大野は返事をした。
「あのー。」
「なんや、櫻井。」
櫻井は、静かにツヨシに向かって手を上げた。
「もしかして、これって、バトルロワイヤル…ですか?
俺達、本当に殺し合い…するんですか?」
ツヨシは、一瞬、櫻井を睨みつけたが、また、
何事も無かったかのように、話し始める。
「さすが、櫻井。だてに慶応出てないねんなー。
飲み込みが早いわ。理解しよったか?
そうです、ちょっと古いねんけど、流行のBR。
ウチの事務所も、参加しとくでしょう(笑)」
櫻井は、落胆したように、床に目を落とした。
「ひとつ聞いてもいいか。ツヨシ。」
「どうぞ、何なりと、東山さん。」
「なんで、俺達が…殺し合いなんか…」
東山の声は震えていた。
そうだ、どおして、俺達が殺し合いなんかしなければならないの。
さっぱりわかんねーよ ツヨシ君…
二宮は、ツヨシの声を聞きながら、拳をぎゅっと握り締めていた。
「それはですね…」
「お仕事ですよ、お仕事。社長からのオファーです。
まあ、最近、カレ、ちょっと、つかれとったからねー。
ウチの事務所も、もう、大所帯になりすぎて、
ギャラやの、経費やのばっかり高こうついて、大変らしんですわ。
そこで、この際だから、人員整理せなあかんって。
人員整理ちゅーても、なかなか、あれでしょ。
で、いつもの調子で、社長が思いついちゃったわけですよ、BR。
YOU達、やっちゃう?ってね。」
ツヨシは、一気にまくしたてる。
「ただ、デビュー組の殆どは、もう、結構いい年やし、
BR法の摘要は受けられへんのですわ。
でも、ジャニーズですから、やっぱり若さが売りやないですかー。
そこで、カレ、偉い人達に、このリストラ方法、
助けて欲しいと相談しはったそうです。
で、さっき言ったように、不慮の事故って事で、
話がまとまったらしんですわ。」
東山には信じられなかった。
社長が…。そんな筈は無い。そんな事は考えられない。
ツヨシは、さらに続ける。
「でも、1人や2人、先輩もおった方がええちゃうんかと、
思わはったみたいで、このオファーを最後までやれた人には、
残ってもらおうと、考えたみたいですねん。
まー、僕も一応、このお仕事、参加しとるってわけですよ。
ですので、僕は、僕で、このオファーを頑張ります。
こんなところで、よろしいでしょうか?
東山さん。残念でしたね、僕のお仕事が回ってこなくて。」
東山は、何も答えなかった。が、
ツヨシはあまり気に留めるようでもなく、
最後の説明に入った。
「ほな、これから、ビデオといきましょか。」
ビデオでは、この仕事のルールが説明されていた。
教室から出る順番は、50音順で、2分間隔に出発させられること。
ここは、周囲10キロ程度の島で、30のエリアに区切られ、
目印がおいてあり、禁止エリアになると、その目印が点滅していること。
島の住民が今は、出て行ってもらっているので、
建物や道具などは、好きに使っていいこと。
海に逃げた場合は、仕事拒否とみなされること。
外部とは連絡がつかないこと。
1時から、4時間おきに放送があり、最後の3時間は1時間おき放送があること。
放送の時に、禁止エリアがわかり、その時間にそこにいると首輪が爆発すること。
リュックが渡され、中には、食料と水が2本、地図とコンパス、マジック、
それと、戦う為の武器が必ず1つは入っていること。
携帯電話は、武器としての配布があった場合は別として、
全て、没収されていること。
KAT-TUNのメンバーが楽しそうに説明をしていた。
きっと、映画でも撮ると思っとるんやろうな…こいつら
本当の事は、知らへんでいてくれるとええな。
城島は、そんなことを考えていた。
ビデオが終わると、ツヨシが
「それでは、もうすぐ12時になることやし、早速お仕事開始と行きましょか。」
教室の空気が再び、ピンと張り詰めた。
その時、ガラガラと大きな音を立てて、迷彩服の男達が、
黒いリュックがならんだカートを押しながら、教室へ入ってきた。
「ごくろうさん。これ、荷物ですから。さっき、ビデオで説明があったように、
色々入っとりますから、無くしたり、奪われたりせんようにきいつけてな。
武器は、当たり外れもあると思うんで、何が入っとるかは、お楽しみやね。」
ツヨシは、さらに続ける。
「あー、荷物を渡す前に、ひとつ。
いきなり、殺し合えと言われても、どないしたらええか、
解り難いかもしれへんので、僕が、見本を見せとかんとな。」
ツヨシが、その言葉を言い終わるか、終わらないうちに、
バンという、鈍い音が聞こえた。
「シ、シゲ!」
山口が、赤くなっていく城島の胸に気づき、駆け寄る。
「どないした。ぐっさん。びっくりするなー。」
「リーダー。血出てるよ。血…。」
太一が、城島に向かって指をさした。
「ツヨシ、テメー」
松岡が、ツヨシに掴み掛かろうとしたが、長野に、腕をつかまれた。
「やめとけ。もう、はじまったんだ。」
長野は冷たく吐き捨てる。
「でも、リーダーが…。リーダーを撃ったんだよこいつ。」
ツヨシの手には、拳銃が握られていた。その手は、少し震えていた。
「じゃ、1番、相葉。荷物とりにきて。」
城島は、山口の腕に抱かれ、静かに目を閉じた。
「松岡…ツヨシを恨んだらアカンで。ツヨシも仕事しただけやし。
わかってやらなアカンで。それにしても、毎日楽しかったなー。
俺、TOKIO大好きだっやな。ぐっさん、松岡のこと頼むな…。」
「リーダー!リーダー!」太一が叫ぶ
「こんなのって。こんなのって。ツヨシ、俺は、お前を許るさねー。
ぜってー許るさねー。」
グッと拳を握り締めている、長瀬の声は、小さな、震える声だった。
14番 城島茂 死亡 【残り26人】
AM0:00
名前を呼ばれた相葉は、ビクッと体が動いた。
「どうしよう。ニノ、どうすればいいの?」
「どうしたらって…。」
二宮が相葉に何か言おうとした時、ツヨシの声が飛ぶ。
「だから、今、見本みせたやろー。相葉、お前もアホやな。
さっさと、荷物取りにきて、ここから出発してもらわんと。
後がつかえとるしな。はよ、こいや。こないと仕事拒否と思うで。」
もう、行くしかない。相葉は、小走りにツヨシの所まで行き、
迷彩服の男から、荷物を受け取った。
ちょっとだけ、二宮の方を見たような気がしたが、
走って、教室から、出て行った。
「次は僕かな?」
稲垣は独り言のように呟いた。
良くは、解からないけど、荷物もらって、外出たら、
迎えが来てるだろうし。ビビリ王選手権ってところかな。
慎吾も城島も、きっと演技だろうし。
一応、クールな稲垣でも、演出しておくか。
「ほんなら、さくさく行きますよー。次、2番、吾郎くんやね。」
「じゃあ。」
稲垣は、ひと言だけ、残っている者に告げ、
何事も無かったかのように、教室を出て行った。
「次、3番、いのっち。」
井ノ原は、動かなくなった、香取をみつめていた。
あの時、自分はそばに駆け寄ることすら出来なかった。
今も、手を合わせることすら、出来ないけど。
ごめんな、慎吾。何も出来なくてごめん。
井ノ原は、心の中で、香取に手を合わせ、ツヨシの元へ向かった。
「お前、大丈夫か?」
井ノ原はツヨシに声をかける。
「さすが、いのっち。余裕やね。」
ツヨシは軽く、井ノ原をあしらうかのように言って、
荷物を受け取る井ノ原を見ていた。
井ノ原は、教室を出る間際、振り返って、
「後悔するなよ。ツヨシ、がんばれよ。」
と、残し、教室から、出て行った。
「次ぎ、4番、翼。」
「ハイ。」
「おお、いい返事やなー。張り切ってお仕事はせなあかんもんな。」
ツヨシがにっこり笑った。
「ツヨシくんに、そんなこと言われても…。」
「そうやな。俺かて、いつも、
あんまりはりきっとるようには見えへんもんな。」
ツヨシにつられて、今井は、思わず笑顔になった。
ツヨシくん、これって、現実なんだよね。
俺笑ってる場合じゃないのかも。
「いろいろ、お世話になりました。
俺、ツヨシくん、大好きな先輩でした。
最後まで、好きでいたかったです。じゃあ…さようなら。」
今井は、一度も振り返らず、静かに教室を後にした。
好きでいたかったか。翼の言葉が胸に刺さる。
ツヨシはなんともいえない寂しさを隠し、次の名前を呼んだ。
ド素人さん、乙dです。
いきなり2人アボーン。
28番目が気になりつつ自担の運命が気になります。
職人さんキテタワァ*・゜・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・
乙です。
791 :
ななしじゃにー:2006/05/07(日) 15:42:47 ID:mTq+G4Ho
沢山 でたぁ
更新しようと思って来たのでつが、
かなりアガッテタ…
沈むまで旅にでまつ
どうしよう。
外に出た相葉は、心細さで泣き出しそうだった。
みんな本当に、出てくるのかな。
大野くん、翔くん、ニノ、松潤・・・
もしかして、俺だけはめられたとか?
あいうえお順って事は、次は稲垣くんだよな。
でも、もし、稲垣くんが、本当に出てきたら、
ツヨシくんの言ったことは、本当のことで、
これが殺し合いの仕事だってことになるんだよね。
お願いだから、誰も出てきませんように…
とにかく、待ってみよう。それから、決めるしかないよね。
出口から、こちらが見えないところに身を隠し、
誰かが出てくるのを待ってみる。
「やっぱ、誰もこねーじゃん。
俺って、やっぱり、ビビリキャラかよ。」
その時、出口で、辺りを見回し始めた、
稲垣の姿を相葉は、見つけてしまった。
「あっ。」
声が出そうになるのを、必死に抑えた。
稲垣くん、出てきちゃった…
相葉は自分の体から血が引いていくのを感じた。
これは、本当に仕事なんだ。それも殺し合い。
俺には人が殺せるだろうか。
そんなことを、考え始めた自分がとても嫌になった。
そうだ。
きっと、翔くんなら、翔くんなら、
みんなで助かる方法を考えてくれるはず。
ここで、翔くんを待とう。
もうすぐ、大野くんも出てくるだろうし、
そうしたら、大野くんに声をかけて、二人で翔くんを待とう。
相葉はそう決心し、櫻井を待つために、
じっと身を潜めようとした時、
井ノ原がこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
相葉は、自分でもどうしてかわからないが、
井ノ原が、とても恐ろしく感じられ、その場所から逃げ出す為に、
一目散に、走り出した。
「つぎ、5番、植草さん」
植草は、荷物を受け取ると、
「ツヨシ、伝言頼んでもいいか?」
と、ツヨシに話し掛けた。
「なんですか?植草さん。」
「家族に、愛してると、伝えてくれよ。」
「わかりました。必ず、伝えます。」
「頼んだぞ。」
植草は、にっこり笑うと、その場から立ち去った。
「植草くん…」
ツヨシは声にならない言葉を飲み込んだ。
「次ぎ、6番、大野」
「ツヨシくん、さようなら。」
大野は荷物を受け取り、一気に走り出す。
「次は、7番、岡田。」
「お世話になりました。」
「こちらこそありがとうな。」
岡田も言葉少なく、ただ、
ツヨシを哀しそうに見つめ教室を出て行った。
「次、8番。慎吾くん。あー、慎吾くんはもう立てへんか。
じゃ、9番で、木村くん。」
木村は名前を呼ばれる前に、ツヨシの前に立っていた。
「お前、おぼえとけよ。ぜってーこのカリは返すからな。」
捨て台詞を吐き、リュックを引ったくり、走り去る木村
「こわいな〜。木村くん。じゃあ、次、10番、草gくん。」
草gは、ニヤっと笑い、言葉もなく、荷物を受け取り、教室をでる。
「次は、11番で。太一くんやね。」
「ツヨシ、もう、やめようよ。」
太一の目は涙でいっぱいになっている。
「何言っとるんですか。太一くん、お仕事大すきでしょ。
ほな、ちゃんとやらんと。勝てば、ギャラ、いっぱいやで。
通帳見る楽しみ、また、増えるやないですか。
それに、メインで好きな事、きっと、ぎょうさんやれますよ。」
ツヨシは、ニコニコと太一を見つめる。迷彩服の男が、太一に荷物を渡した。
「お前、そうゆうことじゃねーだろ。
リーダーは、お前をうらむなって言ったけど、俺は、お前を絶対許さない。」
太一は、ツヨシの襟元をつかんだ。
「荷物もらったら、さっさと出発してもらわな、困ります。」
太一は、手で目を拭うと、ツヨシから手を離し、そのまま、教室を出た。
「はい。つぎ、12番。坂本くん。」
坂本は、その場から動かなかった。
「坂本くん、はよしてくださいね。
まだいっぱい残ってるからに。」
坂本は、ゆっくり立ち上がり、
荷物を受け取ると、教室を見回した。
「お前はいいよな…。」
そう呟くと、坂本は、重い足取りで教室を後にした。
外に出ると、ただそこは、暗闇だった。
あると思っていた、迎えの車も、
テレビカメラも何ひとつ、見当たらない。
なんだよ、歩いてカメラ前まで移動かよ。
俺、SMAPなのに。扱い悪すぎ。
稲垣は、まだ、この状況がつかめずにいた。
とりあえず、カメラが無いのでやる気が出ないが、
どこで撮られているか解らないので、髪を整え、
配布された荷物の中身を確かめる事にした。
リュックの中には、ビデオで言っていたように、地図や食料が入っていた。
あれ?確か、武器も入ってるって言ってたような気がするんだけど…
もしかして、武器ってこれ?稲垣は手にとり、【それ】をふってみる。
「まあ、ある意味武器だよなー。これでどう戦えって。ははは。」
さあ、しょうがないから、カメラでも探しに行くか。
稲垣は手にした、ハリセンを振り回しながら、歩き出した。
「次、13番、櫻井。」
「はい。」
ツヨシは、櫻井をじっとみる。
櫻井は、ツヨシに頭を下げると、そのまま教室を出た。
「14番の城島くんも、おらへんから、つぎ、15番でタッキーやな。」
「ツヨシくん。ジャニーズってなんだったんでしょうね…。
俺達って、社長の玩具ですよね、これじゃ。」
滝沢が笑っているように見えるのは、気のせいだろうか。
ツヨシには、返す言葉が無かった。
「まあ、そんなもんでしょう。ポイ捨てしないで、
ゴミ箱へ処分してくれただけでも、ありがたいと思う事にしますよ。俺。」
滝沢は、荷物を手に、歩き去った。
「ツヨシくんも、ゴミ箱に入れられないよう、がんばってくださいね。」
と言った、滝沢の目は確実に笑っていた。
今井は迷っていた。
自分はこの仕事に参加するべきなのか、
それとも降りるべきなのか。
もし降りるとしたら、どうやって降りたらいいんだろう…
多分、ツヨシくんの言葉は嘘でもなんでもなく、
現実なんだろう。
だったら・・・
参加するということは、この先、
誰かを殺さなければならない。
降りるには、誰かに殺してもらうか、自分で死ぬか。
どうしたらいいのだろう・・・
何か、別の方法はないのだろうか。
いくら考えていても、答えは出ない。
歩き続けるうちに、校舎の裏側まで来てしまった。
結局、俺、どうしたいんだろう・・・
立ち止まった今井の前に、人影が見えたような気がした。
「次。…」
ツヨシはこの後が続けられない。
「…俺やな。」
光一は立ち上がると、ゆっくりとツヨシの元へ向かった。
「なあ、ツヨシ。」
「…」
ツヨシは、やはり、顔をあげない。
「やっぱ、ええわ。」
「…」
「じゃあな。」
聞きたいこと、伝えたいこと、たくさんあるはずなのに、
何も言うことが出来なかった。
光一がリュックを受け取り、教室を出ようとした時、
「光一くん、ちょっと待ってくださいよ。」
と、松本が静かに立ち上がった。
「ズルは無しですよ。Kinki Kidsさん。」
松本の言葉で、教室に残っていた、全ての視線が光一に集まる。
「どないした、松潤。何がズルなん?」
光一は、驚いたように松本に聞き返した。
「だったら光一くんのリュック、僕に下さいよ。
ズルじゃないなら、いいですよね?」
松本は、ツヨシにそういうと、残っている荷物の中から、
おそらく自分の番に配られただろう、荷物をとり、光一に差し出した。
「ズルはなしですよ。恨むなら、ツヨシくんを恨んでくださいね。」
松本はそういうと、光一の手から、荷物を奪い、
一目散に廊下を走り出した。
「なんやねん、あれ。」
光一はツヨシに聞いた。ツヨシは、まだ、顔をあげない。
「ツヨシ、俺、もう、出てもええんか?」
松本が先に出て行ったせいで、
光一は、教室から出るに出れない感じとなった。
光一は少たつと、迷彩服の男に【行け】と、背中を押させた。
「ほな、行くわ。じゃあな、ツヨシ。」
ツヨシに声をかけたが、最後まで、何も答えはなかった。
自分の顔を一度もみようとしないツヨシに、
≪がんばれよ≫と小さく呟き、光一は歩き出した。
光一の姿が、完全に、教室から見えなくなると、
「じゃあ、次、17番、中居くん。」
ツヨシは、再び、名前を呼び始める。
「いろいろ、お世話になりました。」
荷物を渡される中居の姿に、ツヨシは思わず自ら声をかけていた。
自分でも、これには少し驚いた。
「お前も、いろいろ大変だな。まあ、がんばれや。」
ツヨシの肩をひとつ、ポンとたたいて、中居は教室を出た。
中居の言葉に、ツヨシは大きく深呼吸した。
「次、18番。長ちゃん。」
長瀬は、ツヨシを見ることはなく、黙って荷物を受け取ると、
ただ、静かに教室を出て行った。
803 :
ななしじゃにー:2006/05/07(日) 20:28:54 ID:mTq+G4Ho
アゲアゲウチアゲ
804 :
ななしじゃにー:2006/05/07(日) 20:35:31 ID:9OyjEjYi
アゲテル人、馬鹿?
自分は今、そのmからはじまるIDの方にみてもらうためワザとあげましたが。
アゲてるヤシはスルー対象。
ド素人さん、快調な行進乙dです。
>805
ありがd
せめて、出発だけでも今日中にと思って、
ヒッソリうpしてたのですが…
あんまり気にせづ、ガンガル
ド素人さん行進乙
続きがテラ楽しみだ
植草は学校を出ると、とりあえず、荷物を確認できる場所を探す。
殺し合うと言っても、自分はさすがに人殺しは向いてないだろう。
でも、参加しないと、ツヨシに殺されるんだっけ。
まあ、きっと、俺のことだから、どの道、誰かに殺されるのがオチだな。
そんなことを考えながら、しばらく歩いていたが、
だんだん馬鹿らしくなってきて、
ちょうど見つけた、ベンチに腰を下ろした。
「あーそうだ、俺、中身見ようと思ってたんだった。
ちょっと前に考えてたことも忘れるとは、俺ももう、爺だな。」
植草は背中にしょっていたリュックをおろし、中を確認した。
植草の武器はボーガンだった。
「おー、一応、武器って本当に入ってたんだ。ツヨシもやるねー。」
植草は、何気なくボーガンを構えると、
誰もいなそうな方に向け、撃ってみる。
「すげー。結構飛ぶもんなんだなー。でも、これって、俺の武器にしちゃ、
ちょっと、かっこ良すぎじゃない?」
植草は、自分の武器が外れじゃなかったことに、
少し気をよくしていた。
「それにしても、これって、どの位飛ぶんだ?
暗くてあんまり見えなかったけど。
明るくなったら、もう一回撃ってみっか!
と、言うことは…
明るくなるまでは、死なない方が、遊べるってことだな。
こんな時でも、俺って、まだ、遊ぶこと考えてるよ。
すんげーのんき。ははは。」
植草はこの時、自分の矢の飛んだ先のことを知るヨシもなかった。
校舎の裏側に回ると、岡田は、急いで、荷物の中を確かめた。
「武器じゃ、あらへんし。いくらなんでも…まあ、ええわ。
さてと、これから、どないするかな。」
とりあえず、誰にも見つからんようにせな。
銃で撃たれたら、終りやしな。
なべのふたじゃ、どうにもならんし。
「次、19番で、長野君。」
長野はいつもと変わらず、優しい目でツヨシを見つめた。
「ツヨシ、元気でな。」
「長野くんも、お元気で。」
長野は振り返ると、
「健、泣いちゃダメだぞー。」
と、ひと言残し、笑顔で教室を去る。
前を向いた時の、長野の表情は、
険しいものに変化していた、誰にも予想できないほどに。
「次、20番。錦織さん。」
「おう。やっと、俺の番か〜。もう、待ちくたびれちゃった。」
長野に続いて、錦織もまた、ニコニコとツヨシへ話し掛ける。
錦織は荷物を受け取ると、
「みんなお仕事がんばれよ〜。
俺を見かけても、攻撃しないでね!怖いから(笑)」
教室に、少しだけ、笑が漏れた。
「じゃあな!」
錦織は、背中で手をふりながら、教室を去っていった。
大野は、芝生の上で、空を見上げていた。
「星が見えるなんて、ちょっと、いい感じだヨナ〜。」
正直、あんまり、興味ないんだよね、俺。
ツヨシくん、お仕事って言ったけど、こんな仕事興味ないし。
「寝るかな、やっぱり。」
考えるのも、面倒になった大野は、
芝生に大の字になって、空を見つめていた。
廊下を歩きながら、木村は、荷物の中の武器を探した。
「これか…」
木村の与えられた武器は、バタフライナイフだった。
もう、二人死んでいる。これは、冗談でもなんでもなく、
本当にはじまった、殺人バトルだ。
慎吾は俺の代わりに死んだ。城島は、殺人見本で殺された。
「ツヨシがあそこで、仕切っているということは…
光一か、東山だな。」
木村は、ニヤリと笑い、ターゲットを決めた。
「じゃあ、次、21番。二宮くん」
「はい。」
二宮は荷物を受け取ると、ツヨシに尋ねる。
「ツヨシくん。これって、バーチャルゲームですよね?」
「バーチャルやないで。リアルや、リアル。
Resetボタンはあらへんから、一発勝負やで。」
「んー。そうですか、やっぱり。わかりました。」
あまり、不に落ちない様子で、二宮はしぶしぶ教室を出て行った。
「次は、22番、東山さん。」
「ツヨシ、お前は、本当にこれでいいのか?」
東山はその場に座ったまま、ツヨシに問い掛ける。
「何回も、何回も同じこと言わせへんで下さいよ。
もう、はじまってしもたんやから。」
東山を見るツヨシの顔は、氷のように冷え切っていた。
「わかった。俺が生き残ったら、お前を必ず、楽にしてやるからな。」
東山は、ツヨシにそういい残すと、何かを決心したカのように立ちがり、
荷物を受け取ると、静かに教室を出て行った。
「…お願いします。」
ツヨシは静かに呟いていた。誰にも、その声が聞こえないように…
「痛って・・・」
いきなり、激痛が襲う。
何がなんだか、全くわからず、中居はその場に立ち止まる。
ムネガイタイ。
痛みにこらえられず、胸に手を当てた時、指に何かが触れる。
「なんだ、これ?」
胸に目をやると、棒のようなものが、自分の胸から飛び出している。
「はあ?これって…。マジかヨ・・・。ありえねーだろ。
俺、なんにもしてねーって。ありえねーって…。」
中居は、だんだん、意識が遠のいていくのが、自分でもわかった。
「誰だよ、ふざけんなよ。殺し合いなんかマジですんなって。
かっこわるいべ。俺達アイドルなんだぞ。
こんなの仕事じゃねーって…仕事じゃねー…。」
ばたんという音と同時に、中居の声も聞こえなくなった。
中居正広 死亡 【残り25人】
「次、23番、松岡くん」
「兄ィ、俺、リーダーとの約束、守れそうにないや。」
松岡は立ち上がりながら、隣の山口に言った。
「松岡…。」
「じゃあ、校舎裏で。」
松岡は、小声で、山口に伝えると、ツヨシの元へ歩き出す。
「お前、リーダー殺して、どんな気分?」
松岡は静かな口調でツヨシに聞いた。
「松岡くんにも、そのうち解りますよ。だって、お仕事ですから。」
「お前、変わったな。俺が知ってる、ツヨシじゃねーよ。
だから、俺はお前を絶対ゆるさねー。首洗って待っとけよ。」
松岡は、鋭くツヨシを睨みつけ、足早に教室から出ていった。
太一は、廊下を少し歩いた所で、次に出て来る坂本を待っていた。
とりあえず、坂本なら、いきなり殺し合いになる可能性は、
ほぼないだろうと思い、一緒に外に出て、
これからどうするか、相談しようと思っていた。
「おう、太一。もしかして、俺のこと待ってた?」
教室から出てきた坂本は、やはり、いきなり戦闘態勢となるわけなどなく、
予想通りな言葉をかけてきた。
「うん。待ってた、坂本くんのこと。」
太一の言葉に坂本は少しうれしかった。正直、一人では心細かった。
「とりあえず、1人より2人で、この先考えた方がいいと思って。」
太一は、坂本が少し笑ったのを見て、
やっぱり、坂本を待ってよかったと、ほっとした。
「そうだな。多分、外に出れば、井ノ原あたりも、待ってると思うし。
とりあえず、外に出よう。」
そう言いながら、坂本は、受け取った荷物の中に、
おもむろに手を入はじめた。
「さ、坂本くん?」
坂本の、思わぬ行動に、太一は、思わず大きな声を出した。
「ん?どうした?」
リュックから、地図を取り出しながら、坂本は太一をみた。
「あーびっくりしたー。」
太一は、本当に、驚いているようだった。
「なんだよ。何で、びっくりするの?」
坂本は、太一が驚いた理由がわからず、反対に聞き返す。
「いや、一瞬、ほんの一瞬だけど・・・」
口ごもる、太一。
「なんだよー。気になるって。一瞬なに?」
「ごめん…坂本くん。」
太一は、本当にすまなそうに坂本を見る。
「だからなんだよ、太一。」
坂本は、少し苛々し始めていた。
その様子を察した太一は、ばつ悪そうに、口を開いた。
「俺、坂本くん、武器出すのかと思った…。」
「はあ?」
「ごめん。ほんの一瞬だって。ごめん、ごめん。」
え?何それ。
坂本は太一の言葉にびっくりした。
頭の中で、考える余裕も無くなり、思わず、ストレートに聞き返す。
「もしかして、俺のことそんな風にみてた?」
「ちがうって、ほんと、ごめん。」
太一は、しきりあやまっている。でも確かに・・・そうだよな。
「しょうがねーよな。こんな状況じゃ。」
そういいながら、坂本は、確かに殺し合いが始まることを、
確信させられたような気がした。
ド素人さん、行進乙dです。
ド素人さんの担が見えてきた。
>818
そうでつかね…
これから進むと、マスマス、そう思われそうな予感
でも、きっと、途中で違うと気づくカモ
そちらもあわせて、お楽しみ下さい
武器を渡され、1人ずつ出発させる。
誰が何を考えているかも解らない。
太一じゃなくても、人を疑う気持ちは生まれるのが普通だろう。
「なー、太一。」
「ほんとごめんって、坂本くん。」
「ついでだし、武器、何入ってるか、確かめよっか、お互い。」
「坂本くん。ほんと、ごめん。」
太一は、ただひたすら謝っている。
「そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
太一は、坂本が怒っているのとは、
少し違う感じの口調だということに、やっと気づいた。
坂本は話し出す。
「俺達は、今、確かに、戦う気なんてないけど、
もしかしたら、やる気のやつだって、出てくるかもしれないだろ。
一応、武器くらい確認しておいた方がいいだろ。」
坂本の言葉に、何故か太一は説得力を感じた。
「…やる気のやつ…いる…かもしれないね…」
校舎を出ると、太一と坂本は、お互いの武器を確認することにした。
「こんなんじゃ、人なんて殺せねー。ははは。」
太一に配布された武器は、ヌンチャクだった。
「これ本当に、武器になるものはいってんのー?
坂本くん、なんだった?」
「俺のはっと…何にも入ってないかも・・・」
坂本は、リュックの中をごぞごそと探している。
「でも、武器入ってるって、いってたし。」
太一が、絶対入ってると、何度も言うので、坂本は、
リュックを逆さにして、中の荷物を全部出してみる事にした。
「これなんじゃない?」
太一が、小さな小ビンを手にしている。
「これが武器って…なんだよ、これ。」
小ビンには、青酸カリと書かれていた。
「確かに、人は殺せそうだよね・・・。
それって、あたりだよね、坂本くん。」
太一の顔が少し脅えたように見えたのは、
坂本の気のせいだろうか。
三宅は、ずっと森田の腕をつかんでいた。
香取の首輪が爆発してから、一度もその手を離すことはなかった。
「ゴウ、次、俺だよね。」
「そうだな。」
「ゴウ、どうしよう。俺、どうしよう。」
「俺だって、わかんねーよ。」
三宅があまりにも、小さい子供が怯えているかのように、
自分の腕にしがみつくので、
森田は自分も怖いとは、決して口に出せなかった。
「次、24番、松潤。
あぁ、あいつは勝手に先に行きよったんやった。
じゃあ、次は、25番で健やな。」
「廊下で待ってるね、ゴウ。」
森田は、返事が出来なかった。
まってられてもなー。俺だって、どうしたらいいか、わかんねーし。
三宅は、荷物を受け取ると、廊下に出て、次に出てくる森田を、
ただじっと待っていた。
中居くん、死んじゃったっぽいな。人間って、結構簡単に死ぬんだな。
草gは、中居の死体を眺めていた。
植草くんでも、殺せたんだから、俺にも出来ちゃうのかも。
だったら、この武器だけじゃなくて、長持ちしそうな物も必要だな。
リュックから二つに分かれたライフルを取り出し、
まじまじと見つめ、付属の説明書通りに繋げてみる。
草gは植草がボーガンを撃った所を見ていた。
植草は、まだ、気づいていないようだが、
確かに、植草が撃ったボーガンが中居に命中した。
「たまたま、撃っただけだったみたいなのに。
中居くん、今までで運、全部使いきちゃったんだね。」
中居くんの武器、なんだったんだろう。
草剪は、植草に気づかれないように、
そっと、中居に近づき、中居のリュックを自分の肩にかけた。
その表情は、もう、いつものいい人の草gではなかった。
「た…きざわ?」
「おう!翼!なにやってんの、お前。」
今井が見た人影は、滝沢だった。
「なにって…別に…。お前こそ。」
「俺?俺は今出ていた所。」
滝沢は不思議そうな顔で、今井をみた。
「あっ、そっか。結構時間たったんだ。」
今井は、腕時計に目をやると、自分が出発してから、もう、
30分以上が過ぎていることに気づいた。
「何いってんの?やっぱり、お前ってサイコー!
それにしても、こんなに早く会えるとは思わなかった。
うれしいな、俺。やっぱり、俺達、運命共同体じゃん!」
そういうと、滝沢は今井に飛びついた。
「あはは。やめろって、滝沢。きもいよ(笑)」
口とは裏腹に、滝沢に飛びつかれ、今井は何故かうれしかった。
「で、お前これからどうするつもり?」
「うん。この仕事の降りかたなんかねーかなって。
でも…正直、なんも考えてなかったってのが本音。」
今井は、いつものように頭に手をやりながら、少し照れくさそうに笑った。
「なんも考えてないって。ははは。
お前らしーとしか言いようがないじゃん。(笑)」
「だってさ…」
「だよな。ところで、お前、もらった武器なんだった?」
「滝沢?」
少し驚いて、今井は滝沢を見る。
「翼、お前ツヨシくんの話聞いてなかったの?」
「聞いてたけど…。」
今井は、滝沢の言葉に戸惑った。武器って…滝沢。
「やっぱり、お前、サイコーだよ。早くみてみろよ。」
「うん…。」
滝沢、お前なに考えてんだよ。こんな時に、武器が何って。
今井は、そう思いながらも、リュックの中を確かめ始めた。
そんな、今井の様子に気づいた滝沢は、今井に話し始めた。
「なあ、翼。俺たちは、降りる方法探そうって思ってても、
他の人もそうとは限らないでしょ。
それに、なんか、役に立つ物、入ってるかもしれないしさ。」
今井は、滝沢の言葉に少し安心したようにうなずき、
リュックの中から、何か、もこもこしたものを取り出した。
「なにこれ。これって… 武器じゃないじゃん。」
今井は、不服そうに、叫んだ。
「あはは。お前には、ぴったりだけどね。」
滝沢は、大笑いをしている。
「抱っこして寝ろってか。ははは。」
「こう?」
今井は、熊のぬいぐるみを腕に抱き、
口に指をくわえ、首をかしげて、おどけて見せた。
「サイコー。やっぱり、お前サイコー!!」
おどける今井に大笑いしながら、滝沢がいう。
「ははは。俺の武器はね…これなんだよね。」
今井は、滝沢の手に握られている、刀らしきものを見つめた。
「に・ほ・ん・刀?」
「ああ。そうみたい。」
「滝沢、義経だもんね(笑)。お前もお似合いじゃん。」
「ははは、武器まで、お互いお似合いの物が入ってるなんてなー。
やっぱり、俺達タッキー&翼だね。しかもね。」
「しかも?」
今井は、ちょっとわくわくして、滝沢の言葉を待った。
「この刀。使えねー。」
そういうと滝沢は、にやっと笑いながら、刀を抜いて今井に差し出した。
「あらら…」
「でしょ。似合ってても、使えない。武器が使えない所まで一緒とは、
やっぱ俺達コンビだねー。」
「ははは。」
今井は、滝沢の言葉に大笑いをした。
「キンキも、仲間割れしたみたいだし、これからは、俺たちの時代だね。」
「滝沢…?。」
俺たちの時代って…ツヨシくん
今井は、ツヨシのことを思い出していた。
ツヨシくんは、どんな気持ちで、光一くんと…
「じゃあ、とりあえず、落ち着ける場所探して、
作戦会議といきましょうか。」
滝沢の言葉で、今井は我に帰った。
「うん。」
今は、そんなことを考えている場合じゃなかったんだった。
滝沢は、リュックから地図を取り出し、
どこか、落ち着ける場所を探し始めた。
「この工場なんていいんじゃない?
なんか、役に立つものあるかもしれないし。」
滝沢は地図にある【宮下整備工場】という建物を指差した。
「そうだね。じゃあ、いくとしましょうか。」
その時、今井は、自分の武器の本当の使い方を、まだ知るよしもなかった。
「次、26番。ゴウ。」
森田は廊下にある人影を確認すると、面倒くさそうに立ち上がった。
「あのさー。」
森田はツヨシにぶっきらぼうに話し掛ける。
「なんや?」
「コンビって、やっぱさー、
お互い信じられるうちに終わるのが、幸せだね。」
森田は、廊下の人影に目をむける。
「だから、俺、あんたに感謝するよ。
俺は少なくても、幸せなままいられそうだから。
まあ、あいつには、ぜってーいわねーけど。」
森田は笑って、ツヨシにそう話すと、
待っていた三宅と一緒に校舎を出て行った。
ツヨシは、ただ黙って、森田の後姿を見つめていた。
「今のきついよなー。」
山口の声が教室に響く。
「じゃあ、最後、27番山口くん。」
山口はツヨシの前に立ち止まる。
「ツヨシ、お前、本当にこれでいいのか?」
「ええですよ。」
ツヨシは、表情一つ変えることは無い。
「お前、なんか、変わったな。もう、俺の知っている、
ツヨシじゃなくなったってことだよな。」
「そうですかね。僕は僕ですよ。」
「そっか。じゃあ、俺も松岡と同じでシゲとの約束は守れねーな。」
山口は動かなくなった、城島を見つめた。
「そうですか。」
「ツヨシ、後悔だけはぜってーすんなよ。
最後まで、自分を信じて頑張れよ。
それが、この仕事をはじめたお前の責任だからな。」
「・・・。」
「じゃあな。ツヨシ。」
山口は、足早に教室から去っていった。一度も振り返らずに…。
ド素人さん、本当に行進乙乙dd!
みんな(2名除く)出発したな。(・∀・)ホクホク
ド素人さんの担を探すのも楽しくなってきますた。
「ツヨシさん、移動お願いします。」
迷彩服の男がツヨシに声をかける。
「ああ、わかっとる。」
ツヨシは、動かなくなった香取を見つめていた。
目をむき、首からは、血が流れ、血だらけになった、
もう、香取とは呼べないただの死体を・・・
「慎吾くん…。」
ツヨシは、香取の目に手をやり、瞳を下ろした。
そうや、リーダー。リーダーやった。
ツヨシは、城島に駆け寄った。
「リーダー、リーダー。リーダー。」
城島は、動くはずもなかった。
冷たくなった、その体は、安らかに眠っているようにみえる。
「そんな…ありえへん。」
恐る恐る、胸に耳を当ててみる。その時、がざっと何かがツヨシの顔に触った。
「誰も、いないじゃん。チッ。」
松本は、そう言うと、手に握ったはさみを見た。
「光一くんのだから、もっと、ましな物入ってると思ったのに。
はずれかよ。
まあ、近くで刺せば、殺れないこともなさそうだけど。」
松本には、この仕事は、願ってもいないチャンスに思えたのだ。
これで、生き残れば、自分がNO.1になれる。
嵐もいいけど、やっぱり、1番がいいに決まってるしね。
もう、早く誰かと会わないかな。
出来れば、俺でも、殺れそうなやつがいいな。
なにせ、武器これだもんね。
松本は、はさみをチョキチョキ鳴らしながら、歩き続ける。
案外、嵐のメンバーが意外と簡単かもな。
俺が殺るなんて、思っても見ないだろうし。
でも、やれるかな、俺…
松本は、ちょっと、センチメンタルな気分になった。
楽しかったよな…嵐。
「みんな何処行っちゃったんだろー。退屈だし。」
松本は、キョロキョロあたりを見回し、何処へ向かうでもなく歩き続けた。
「兄ィ、遅せえな。」
松岡は、校舎の裏で、山口を待っていた。
俺の後は、ゴウと健だから、もうそろそろだな。
山口が来るまでの間、リュックの武器を確認することにする。
「なんだよ、これ。」
リュックの中には、何かプラスチックで出来た棒のような物が見える。
取り出してみると、先の方が、少し折り曲がっていた。
「まごのてじゃん。それ。」
山口が後ろから、松岡の肩に両手をかけた。
「兄ィ、遅せーよ。」
松岡は、まごの手で山口をポンと、つついた。
「お前、何でそんなもんもってんの?」
「どうも、俺の武器らしい・・・」
松岡は、少し呆然としている。
「背中かく時は便利だな、それ。ははは。」
「笑い事じゃないって。」
「悪りィ、悪りィ。だって、おかしいじゃん。それ。」
山口の笑い声が、静まり返った夜に響く。
「で、兄ィのは?」
「おう、見てみるか。」
山口の武器は、拳銃だった。
「兄ィ、それ、トカレフ?」
「みたいだな。」
「おう!かっこいい!」
「こうか?」
山口は、トカレフを自分の頬にあて、ポーズをとる。
「やー、兄ィ、かっくいー!。」
松岡はポーズをとった、山口に拍手をする。
「ははは。って、俺達遊んでる場合じゃねーよな。」
「うん。そうだった。」
松岡の表情が急に引き締まる。
「まずっは、どうする?」
「どうも、こうもねーよ。俺は、ツヨシをぶっ殺す。」
松岡は、わなわなと拳を震わす。
「お前なー。単細胞にも程があるって。」
「でも、兄ィ…。」
「まあ、待てって。この状態だ。どうやったって、
すぐにツヨシにたどり着けるとは思えねーだろ。」
「そっか…。」
松岡は、自分があまりにも、感情だけで動こうとしていることを反省した。
行進キター
ド素人さんガンガレ
ガンガレ
ド素人さん超ガンガレ。
このスレの容量は現在422KBだけど大丈夫かな?
ド素人さん、ガンガレ!
とりあえず500KBまではいけるんジャマイカ?
暖かいオコトバ ありがd
自分、容量とかのコト正直よくワカラナイカモ…
ずっと今までロム専だったので
やれる所まで、まづはガンガル
「何とかして、ツヨシに辿り着く方法考えよう。」
山口は、松岡をみる。
その目は、松岡が今まで山口を見た中で、
一番真剣な眼差しだった。
「うん。わかった。」
「で、どうするかだ。」
その時、校舎から、ピンポンパンポーンと、
聞き馴染みのある音がでた。
AM 1:00
「ツヨシくん。そろそろ、お仕事してもらわないと、困るんですよね。」
振り向くと、迷彩服の男がこちらを見ている。
「お、お前。なんでここにおるんや。」
ツヨシは、本当に驚いた。
「見張りですよ、見張り。僕のお仕事ですから。
ツヨシくんも、早くお仕事して下さいね。」
迷彩服の男は、いつもツヨシがするように、
自分の髪の毛を触っみせ、嘲笑っている。
「どうゆうことや。」
ツヨシは感情を押し殺して、言葉を出す。
「どおゆう事って、こうゆう事ですよ。
それと、はい、ツヨシくんの武器、これですから。
あーそうそう、さっき、香取くんの首輪鳴らしたの僕ですから。
びっくりしたでしょ。聞いてなかったですもんね。
まあ、これを持って外に出るのもヨシ、
ここにのこって、お仕事続行もヨシ。
まあ、どっちにしても、この仕事参加してもらいますので。」
迷彩服はツヨシにリモコンを渡し、
「それ、近距離でしか、使えませんから。
遠隔操作は、こっちの方でやりますから、ご心配なく。
ちょっとでも、ヘンな気おこしたら、ツヨシくんも勿論だけど、
みんないっぺんに吹っ飛びますからね。
1人でも多く、長く生きてた方がいいでしょ?
まあ、どっちにしても1人しか、助からないんだったですね。」
「お前…」
ツヨシの声を遮るように、迷彩服は話を続ける。
「あーそうだ、僕、いいこと思いつきました!
ツヨシくん、賭けしません?」
迷彩服の男は、心底、楽しげに話している。
「賭けって、お前。ふざけんな!」
ツヨシは、迷彩服に飛びかかろうとしたが、
周りにいた、黒服にあっけなく取り押さえられる。
「ま〜ま〜ま〜、そう怒らず聞いて下さいって。
悪い話じゃないかもよ(笑)
もしも、このまま誰も殺し合いはじめなかったら、
みんなで仲良く助かるっていうのはどうです?」
ツヨシは迷彩服の男を、強い視線で見つめる。
「助かるんか?みんな、助かるんか?」
「勿論、賭けですから。賭けが当たればですけどね。
ツヨシくんは、殺し合いは始まらない方に、僕は、はじめる方で。」
「ほんまにこれ以上、誰も死なんですむんやな?」
ツヨシはもう一度確かめるように繰り返す。
「いいですよ。だって僕は、みんなはじめると思ってるし。
現に、ツヨシくんだって、もう、1人殺しちゃったじゃないですか。」
「そ、それは…」
ツヨシは何も言い返すことが出来なかった。
城島は、ツヨシが撃った拳銃の弾で死んだ。それは、紛れも無い事実。
「ですよねー。騙されたんですもんね。
打合せじゃ城島くんは、死んだふりの予定でしたもんね。
でも、城島くんがツヨシくんが撃った弾で死んだのは事実ですから。」
ツヨシは手をぎゅっと握り、頭を下げた。
「そっかー、じゃあ、僕からツヨシくんに、もう一つ、
好条件を出してあげますよ。正し、交換条件ですけどね。」
「なんで…茂くん、殺したんや。」
ツヨシは涙で、声が震えていた。
「なんでって。そんなの知らねーよ。企画した人に聞けば?
で、どーすんの、賭け。やるの?やらねーの?」
迷彩服は、苛々してきたようで、口調も荒々しくなる。
「なんや。交換条件って。」
「結局、やるんじゃないですか。さっさと、そう言ってくださいよ。」
迷彩服は、取り乱してすみませんと言わんばかりに、
また、さっきまでの口調に戻った。
「僕考えたんですけど、ツヨシくん、騙したお詫びもかねて、
24時間以内の中で誰も殺したりしないで、
運良く生き残った人も、全員助けてあげますよ。」
迷彩服の男は、得意げに言った。
「助けてあげるって、お前、何様のつもりやっ。」
ツヨシは、怒りを隠すことが出来ず、声が次第に大きくなる。
「そんなこと言っていんですか?ツヨシくん。
そもそも、この賭け自体、止めても僕は一向に構いませんけど。
僕自身、別にメリットないし。」
迷彩服は、ニヤニヤとツヨシを挑発する。
「ほんまに、みんな助けれるんやな。」
「ツヨシくんこそ何様ですか?
助けられるって。自分がみんなを助けるつもりですか。
あんただって、この話、面白がってたじゃないですか。
今更、嘘は言いませんよ。だって、みんな死ぬんだし。ははは。」
「…交換条件ってなんや。」
ツヨシは搾り出すように声を出す。
「のりますか?FA?」
「はよ、言え。」
「そうこなくっちゃ。交換条件は…
ツヨシくんには、このまま、司会進行お願いしたいんですよ。
ツヨシくんいなくなったら、疑いはじめるでしょう、外に出た人達も。
まあ、それならそれで、適当な理由つけて、
代理立てればいいだけの話なんですけどね。
喜んで、引き受ける人だっているはずでしょうし。」
「ほんまやな。俺が、俺が、このまま続けたら、助かるやつもおるねんな。」
「ええ。約束しますよ。
だって、どっちにしても、多分勝者は一人でしょうし。
まあ、もしも、残った人がいても、僕的に、さほど問題ないでしょう。」
「解った。誰も殺し合わんかったら、みんな助かるねんな。」
ツヨシは、決心した。これ以上、誰にも死んで欲しくない。
心から、ツヨシはそう思った。
「でも、ツヨシくん。もう、はじまっちゃったみたいですけどね。ほら」
迷彩服は大画面に、弓矢がささった首から下の映像と、
ボーガンを楽しげにいじっている、植草の画像を同時に映し出した。
「そんなわけないやろ。ありえへん…」
「甘いんですよ、ツヨシくんは。まあ、間違っちゃったみたいですけどね。
しょうがないですよね〜。植草くん。」
「間違えた?」
ツヨシは耳を疑った。
「そ。間違って、誰か殺しちゃったみたいですよ。あの人。
ホントにドジっていうか、ダメ人間の見本ですよね。
しかもあの人まだ、自分が誰か殺したこと、
気づいてないみたいですけど。
本当に、あの人って、間抜けですよね。ははは」
植草くんが?どうして?
ツヨシは目の前が真っ白になった。
「植草くんには、悪気はなかったってことで、カウントしないであげますよ。
じゃあ、今からかけのスタートですね。おまけですからね、ツヨシくん」
黒服に引きづられながら、ツヨシは別室へ移動させられた。
「じゃあ、ツヨシくん、早速、お仕事お願いします。
あー、元気な感じでお願いしますね!いろいろ詮索されると困るんで。」
迷彩服はそう言いながら、放送開始の合図の音を流し始めた。
もう、自分にはどうすることも出来ない。
自分に今出来るのは、これだけ…
ツヨシは自分にそう言い聞かせて、放送の内容が
書かれている紙にざっと目を通し、マイクのスイッチを入れた。
AM1:00
「みなさん、外に出た感じはどないですか?
お仕事、存分に楽しんでくださいねー。
では、本日1回目の放送をはじめます。今から禁止エリアを言いますんで、
皆さん地図の準備よろしいやろうか。
今回は、学校に戻ってこられても困まりますよて、
学校の周りを禁止エリアとしときます。
今から、15分後にDの1、Eの1、30分後にCの1、Eの2。
学校自体は、今から、禁止エリアですから、
絶対戻ってこんで下さいね。
それと、今までで、お仕事が終わった人は、香取くん、城島くん、それと…」
ツヨシは紙の文字を見て、植草があやまって殺してしまったのは、
中居だったことをしった。声が震えるのを抑えるのが精一杯だった。
「中居くんです。以上、今回の放送は終りです。
あっ、言い忘れとったんですが、海に逃げようとしても、無駄ですから。
海も、勿論、禁止エリアとさせてもらっとります。
それと、6時間以内に皆さんがお仕事を何もしておらん場合も、
首輪、一斉に飛びますんで、ちゃんとまじめにやってくさだいね。
では、1回目の放送終わります。」
スイッチを切り、ツヨシは怒鳴った。
「おい、約束ちがっとるやんけ。」
6時間以内に誰も死んでいない場合も、全員の首輪が飛ぶ。
これじゃ、みんな助かるわけがない。
「あー、最後の2行のことですか? ただの脅しですよ、脅し。
ツヨシくんにもオマケあったんだから、僕にも、オマケ下さいよー。
そんなに怖い顔しないで下さいね。」
迷彩服は、ツヨシにウインクをして見せた。
ツヨシは、もう何も言い返す気にはなれなかった。
うなだれるツヨシに黒服が近づく、その時、
「あっそれと。」
カチャ
「28番、堂本剛君。」
ツヨシの首に首輪が装着された瞬間だった。
今日はここまででつ
深夜、目が冴えマクツタラマタキマツ
それと…容量の見方わかりまつた
自分はウマシカ
ド素人さん乙!自担禿ワロスw
ド素人さん、乙d。
今さらだが、平安はマターリしすぎだろ!
そこが平安らしくて良いがな…。
こんな時間ですがヒッソリ交信
>853
想像して頂けましつたか!
>854
もっとマターリする気配が…
櫻井は、廃工場にいた。
廊下を歩いている時に、荷物の中身を確認し、
自分の武器が、パソコンと携帯なのを確認すると、
ポケットに携帯を入れ、地図を見て、
迷わず【宮下整備工場】へ向かった。
中へ入り、電源が取れそうなものをテキパキと用意し、
「よし、これで、準備OK。」
と、言うやいなや、ポケットに入れておいた、携帯電話を取り出すと、
おもむろにメールを打ち始める。
= 準備OK いつでもどうぞ =
送信ボタンを押す。
「え??」
櫻井は動揺した。もう一度メールを送ってみる。
何度、送っても、メールは送信されない。
「なんだよ、どーなってんだよ!」
「誰かいるみたい。」
「今の声って、櫻井じゃない?」
滝沢は恐る恐る、中を覗いてみる。
「やべーよ。あいつ、どうしたんだろう。
俺、ちょっと行ってくる。」
今井を残し、滝沢は一人で行こうとした。
「俺も行くよ。」
今井は、滝沢の後に続いた。
「お前は、ここで待ってろ。
2人で行ったんじゃ、怪しまれるだろう。
あいつ、なんかヘンだし。」
「そっか。わかった。」
怪しまれるって、何だよ。
今井は、滝沢の言っている意味が良く解らなかったが、
ひとまず、その場で待つことにした。
滝沢は
「櫻井、どうしたんだよ。」
と、大きな声で叫びながら、櫻井の方へ走っていった。
光一は、校舎から出るか迷い、隣の教室に入ろうとしたが、
廊下にいた、迷彩服達に無理矢理、外へ放り出された。
ツヨシ…
あの時、リーダーを撃ったツヨシの手は震えていた。
それに、確かにツヨシは誰かに怒っている。
絶対、健にではない、別の誰かに怒っていた。
なんやろ、この違和感。あいつ、絶対なんか、隠しとる。
ツヨシに確かめんと…
それからや、これからどないするか考えるのは。
とりあえず、この場所は移動せなアカンな。
今、禁止エリアがどうのこうの言うとったし。
光一は、リュックの中の武器を確かめると、
「あいつ、これ欲しかったんやろな。」
と、右のポケットに短銃を差し込んだ。
そういや、おっちゃん、どないしてるやろ。
腹すいた言うとったな…
ちくしょー。ツヨシのやつ、ツヨシのやつ。
リーダー殺すなんて…畜生。
長瀬の目からは、涙が溢れ出て、止まらなかった。
優しかったリーダー。大好きだったリーダー。
畜生。
「ツヨシ、ぜってー許るさねー。
でも…、俺、これからどうすればいいの?ねえ、教えてよ、リーダー…。」
やみくもに歩き回っいると、芝の上で大の字になって
空を見上げている、大野を見つけた。
「お前、なにやってんの?」
「あー、長瀬君。おつかれさまです。」
大野は長瀬に声に、特に警戒した様子も見せず、ただ星空を見ていた。
「お疲れ様って。大野…」
「星、綺麗ですよねー。」
思わず、長瀬は空を見た。
「俺、なんか、この仕事、興味わかないんっすよね。
で、寝ることにしました(笑)」
オイオイ、興味が無いから、寝るって。大野、お前ってやつは…
「おー、それいいな〜。じゃあ、俺もっと!」
長瀬は大野の横に寝転がり、長いその足と手を大きく広げた。
「大野、ありがとな。」
「??なんですか?俺、なんにもしてないっすよ、寝てただけだし(笑)」
大野は、照れくさそうに笑った。
「いいんだ。なんにもしてなくていいんだ。」
==リーダー、大野に会わせてくれてありがとう==
長瀬は、そう言いながら、空に光る、満天の星を眺めていた。
サングラスが落ちている。
「松岡のじゃん、これ。もー、大事なもの忘れちゃいかんよ。」
落ちていたサングラスを拾い上げ、松岡がいつもしているように、
耳の後ろにかけてみる。
「松岡でぇす。テッカテカのバッキバキでぇす。
って、誰も見てねーっ。その上、古いっ。」
井ノ原は1人でつっこみながら、歩き出す。
「あー、武器もあったんだ、俺の最終兵器。」
井ノ原はリュックから、【それ】を取り出し、
息を吹き込みながら、歩き始めた。
=ぴーひゃら、ぴーひゃら=
「俺って、超へた。ははは」
井ノ原は、松岡にサングラスを返すことだけ考えていた。
今、自分の仕事は、届け物をするだけだと言い聞かせて。
放送を聞いて松岡と山口は、禁止エリアである校舎裏から出る所だった。
前には、三宅と森田が、ケンカとも、じゃれあいとも見える様子で、
楽しそうに歩いていた。
「あいつら、本当に仲いいヨナ〜」
「だねー。」
「ねえ、兄ィ、なんか変な音聞こえない?」
【変な音】を確かめるように、松岡が足を止める。
「笛じゃね?」
「そーかも、笛だ、笛。」
松岡と、山口は、顔を見合わせる。
「こんな時に、のんきなやつもいるね〜。」
「井ノ原あたりじゃねーの?ははは。しっかし下手くそだな〜。」
「兄ィ、つか、マジで、井ノ原かも(笑)」
「マジで?」
松岡は自分たちから少し離れて、横切っていく、井ノ原の姿を見つけた。
「いっときますか?」
松岡はおもちゃを見つけた時の様に、わくわくした目をしている。
「あいつ、殺るきじゃないよな?」
山口は、松岡を見る。松岡の顔にも一瞬、緊張が走った。
が、松岡は、
「あいつに限って…。そんなわけないっしょ。
しかも、笛ですよ、笛。」
「だよなー。ははは。」
山口はサングラスを後ろにかけ、笛を吹きながら、
なんとも言えない様子で歩いている井ノ原に、
殺る気があると思った自分におかしくなった。
「どうする?兄ィ?」
「いっちゃう?」
松岡と山口は悪戯っぽく笑い、そのまま、井ノ原めがけてタックルする。
「いのっちめーっけ。」
松岡が井ノ原に飛びついた。
「お前の命は頂いた。カンネンしろ。」
山口は、指で作ったピストルを井ノ原のこめかみに突きつける。
「ごめんなさい。ごめんなさい。殺さないで、殺さないで。」
井ノ原は、ぶるぶると震え出した。
「あっ、これ、俺のジャン。なくしちゃったかと思ったんだよ。」
「ま、松岡?」
井ノ原は、恐る恐る振り返る。
「びびってやんのー、こいつ。超うける。」
松岡は大笑いし始めた。
「なんだよー。山口くんかよ。
俺、本当に、殺されるかと思った。びびったー。」
「ははは。」
山口は指を上に向けると、バンと、にっこり笑った。
「お前、それにしても、下手だなー、笛。」
松岡は、井ノ原の笛を見る。
「あっ、これね。
(自分の持っている笛をながめる、が、急に思い出したように)
そうだよ俺、お前に、これ(サングラス)渡そうと思って、
持ってきてやったのに、何だよ。この仕打ちは。どーゆーことだよ。」
ド素人サン!!!!
夜中にコソーリ、更新乙
大丈夫ですか
井ノ原はちょっと怒った口調で、松岡を怒鳴る。
が、その顔は細い目が、さらになくなる位、満面の笑顔だ。
「まあ、怒んなって。緊張感も必要だろ(笑)
何、もしかしてお前の武器、これ?」
松岡は、井ノ原が吹いていた縦笛を拾い上げると、
またしても、大笑いをはじめた。
「井ノ原は笛かー。お前らって、しかしいいコンビだな。」
山口も笑っている。
「お前らって…ってことは、お前の武器なんだよ。」
井ノ原はニヤニヤしながら、問いただす。
「知りたい?」
「うん。」
わくわくした目で、井ノ原は松岡を見た。
「フフーン」
松岡は、もったいぶって、なかなか、武器を見せようとしない。
「はやくみせろって。」
井ノ原が松岡をせかす。
「ココロしてみろよ…
シャキーン、どうだ、これが俺の武器だ!」
こんな時間に読んでいてくれるとは目汁ダ
>865
番号間違えまくって凹んでただけでつ…
ご迷惑オカケシマツ
ドン毎。
楽しく見てます。
自担は何をだまされたんだ?
ドキドキしつますよ
ド素人さん、もつかれ。
自担の名前が出るだけでドチドチします。
ド素人サン乙だお(`ω')面白いお!!
大変だと思うけど、完結させてほしいおーっ☆
ガンガってくださいお( ^ω^)つ旦~
じゃあまた来るお(^ω^)ノシ
ありがとうございます
皆さんのお言葉にトツテモ禿まされマツ
呼び名や言葉に不安あるのでつが…
自分北方面なもので
気になる時は、ご指導のほど
お願いしまつ
では、今日も元気よく交信カモ
「おそくなって、ごめん。」
「送信出来ねーって、何だよ。どうなってんだよ。」
「声がでかいって。翼、連れて来たんだから。」
「翼君…もう、連れて来れたんだ。」
「言っただろ、余裕だって。」
「ああ。」
「で、用意出来た?」
「うん。」
「いいねー。」
「つーか、メール送ったのに送信出来ねって、どうゆう事なんだよ。」
「電波悪かっただけじゃない?もう一回送ってみろば。」
滝沢に促され、櫻井はもう一度、メールを送信した。
今度は、うまく送信できた。
「ほらね。」
「でも、送れなかったんだって。」
「アンテナ立ってた?あんま時間かかると翼がヘンに思う。」
「う、うん。」
「翼呼んでくる。打ち合わせ通りで、いくぞ。」
滝沢は今井を呼びに滝沢は走って行った。
「さっきもアンテナ、全部立ってたって…。」
櫻井は、今井の姿が見えると、携帯を急いでパソコンへと接続した。
「よっ!」
今井が滝沢に連れられて、櫻井の元へやって来た。
「どうも。」
櫻井は、なんとなく、パソコンのふたを閉めた。
「櫻井と会うとはね〜。なんか、少し心強いな。」
「そうかな。」
今井は、1人仲間が増えて素直に喜んでいた。
「なんか櫻井、元気ないじゃん。大丈夫?」
今井に言われ、櫻井は、滝沢をチラッと見た。
「こんな時に、一人でいたら、元気もなくなるってもんでしょ。」
滝沢はそう言いながら、パソコンが設置してある方へ歩き出した。
「お前、これ、どうしたの?」
滝沢はパソコンのふたを開けながら、櫻井に問い掛ける。
「ああ、リュックに入ってた。俺の武器みたい。」
「パソコン入ってたんだ。櫻井。」
今井も、滝沢の隣に立ち、画面を覗き込んでいる。
「で、なんか、情報でも入ってた?」
「ああ。」
櫻井はそう答えると、パソコンの前に座り、キーボードをたたきはじめた。
「これ。」
「これって…。」
「誰が何処で動いてるか、解るらしい。」
櫻井はその中の一つの点をクリックした。
―――――ははは。お前、ばっかじゃねーの?―――――
スピーカーから井ノ原の笑い声が聞こえる。
「これって、井ノ原くん?」
今井は、恐る恐る声に出してみる。
「みたいだね。」
「色別になってるみたい。これ、色分け表ね。」
櫻井は、【一覧表】となっている部分をクリックした。
「おー、すごいねー。ある意味、最強の武器だね。」
「だね…。」
櫻井は滝沢を少し見つめる。
「って事は、これにマイクが仕込んであるってわけか。」
滝沢は首輪をさわり、
櫻井に文字が打ち込める画面を出すように頼む。
櫻井が画面をだすと、滝沢はキーボードをたたき始めた。
≪滝沢≫== マイク仕込んであるって事は、
俺達の話も聞こえてるってことだろ?
≪櫻井≫== そう考えるのが自然だろうな
≪滝沢≫== じゃあ大切な話は、これでやればいいってことか
≪櫻井≫== どうだろうな。これも、モニタされてるかもな
「そっか。それもそうだな。」
滝沢は櫻井を睨むとパソコンから離れた。
櫻井はおもむろにパソコンから、つないでいた携帯電話を取り外し、
再び、キーボードをたたき始める。
≪櫻井≫== これで、終ったらファイルを消せば、もしかしたらセーフかも
「おお、その手があったか。便利だね、パソコンって。」
櫻井は、再び携帯をパソコンにつなぎ、フールドが見れる画面を呼び出した。
「誰か、来るみたいだね。」
櫻井は、誰が来るのかを確かめる為、一覧表をクリックした。
今井はそんな二人のやり取りを、黙って見ていた。
滝沢はどことなく楽しげで、櫻井はどうもトゲトゲしい。
なんだろう、この感じ。
二人から少し離れ、今井は椅子に腰掛ける。
櫻井はパソコン、俺は熊ちゃん、滝沢は日本刀。
しかもあれ、あんま意味ないし…
「なー、お前どう思う?」
今井は、自分の武器である熊のぬいぐるみに、1人話し掛けた。
ド素人さん、乙です。
楽しみにしとります。
どの位歩いたのだろう。今何時だ? 長野は、時計に目をやった。
「もうすぐ、夜明けか。」
中居が誰かに殺された。
もう、殺人ゲームは始まってしまったようだ。
俺はどうする?
このまま何もしないで死んでゆくか、それとも、この仕事をはじめるか。
長野は、しばらく考え結論を出した。
「俺は、このゲーム参加することにするかな。」
誰に言うでもなく、独り言を呟く。
「自分達が楽しむっていうのがV6のルールだったよね、坂本くん。
だったら俺、この仕事、楽しむことにするよ。
どれでいいんだよね、坂本くん…」
長野は、少しづつ明るくなる空を見上げ、
「じゃあ、殺るとしましょうか。」
と、リュックの武器を取り出しやすい場所へ移動させて歩き出した。
長野の武器は、手榴弾が4つだった。
戻ってきたお(^ω^)
>>ド素人サン
自分関西の者だお(^ω^)つよしのところ時々あれ?と思う時あったけど、全然大丈夫だお(`ω')ξ
自信持って続けてくださいお(^ω^)待ってるお☆
どの位歩いたのだろう。今何時だ? 長野は、時計に目をやった。
「もうすぐ、夜明けか。」
中居が誰かに殺された。
もう、殺人ゲームは始まってしまったようだ。
俺はどうする?
このまま何もしないで死んでゆくか、それとも、この仕事をはじめるか。
長野は、しばらく考え結論を出した。
「俺は、このゲーム参加することにするかな。」
誰に言うでもなく、独り言を呟く。
「自分達が楽しむっていうのがV6のルールだったよね、坂本くん。
だったら俺、この仕事、楽しむことにするよ。
どれでいいんだよね、坂本くん…」
長野は、少しづつ明るくなる空を見上げ、
「じゃあ、殺るとしましょうか。」
と、リュックの武器を取り出しやすい場所へ移動させて歩き出した。
長野の武器は、手榴弾が4つだった。
空が明るくなってきた。
ちぇ、結局暗いうちに、誰も殺せなかったじゃん。
明るくなったら不利だよ、この武器。
松本は、あれから殺せる相手を探していた。
途中で、木村を見つけたが、木村では、腕力的に勝ち目はなさそうだったので、
「僕、怖いんです。助けてください。」
と、涙ながらに木村に訴え、木村について行きたいと頼んでみた。
木村は、どうしても、先にやらなきゃならない事があるらしく、
灯台で待ってろと言い残し、松本から去って行った。
「やっぱり、あの人って、なんか勘違いだよなー。
東くんか、光一くん探して、どうすんだろう。
少なくても光一くんは、ツヨシくんにもう、切られてるのに(笑)」
松本は自分の武器のはさみを見つめ、高笑いをはじめた。
まあいい、これで木村くんは、誰かに殺られない限り、
東くんか光一くんを連れて灯台に来るだろう。
それまでに、なんか一気に殺れる武器、手に入れないとな。
その時、松本の前に、
自分でも殺れると思える人間の後姿が目に入った。
松本は、静かに背後から近づくと、
躊躇なく左側の背中にはさみを突き刺した。
「岡田くん、みーっけ。」
「誰や、お前。」
岡田の背中から、じわじわと血が滲み出す。
「松本で〜す。バイバイ岡田くん。」
松本はそう言いながら、岡田の背中からはさみを抜くと、
再び、岡田の背中に突き刺す。
何度も何度も、岡田の声が聞こえなくなるまで。
「やっぱ、楽勝じゃん。俺に見つかって運が悪かったね。
バイバイ、岡田くん。」
案外あっさり、岡田を殺すことが出来たので、
松本は、うれしそうにはしゃいでいる。
「あっ、そうだ、武器武器。」
しゃがみこみ、岡田のリュックをあさり始めた。
「…って、なんだよこれ。また外れ?
俺ってもしかして、武器運悪め?
あー、ムカツク。なんか、疲れて損した気分。」
松本は、ぶつぶつと言うと、なべのふたを岡田に投げつけ、
スキップしながら、前へ歩いていった。
「松潤…。嘘だろ?なんで?なんで?
松潤…
翔君に知らせなきゃ、翔君に知らせなきゃ。」
相葉はどうしても、櫻井に松本のことを伝えなければならないと、
訳もわからず思い始め、岡田のなべのふたを手に取り、
探知機が示す、松本ではない点の方へ向かった。
相葉が去っていくまでのその様子を、太一と坂本も一部始終見ていた。
松本が、岡田に飛び掛った時、
飛び出そうとした坂本は、太一によって止められていた。
「なんで、止めたんだよ、太一。」
「だって…松本、武器何もってるかわかんなかったでしょ。
行ったら、坂本くんだって…。」
「俺は、岡田を見殺しにした。俺は、岡田を見殺しにしたんだよ。」
「仕方なかったんだよ。岡田だってわかってくれるって。」
坂本は、太一の言葉にうなだれた。
「なぁ、太一。」
「坂本くん?」
「俺、決めた。」
「俺、岡田のかり、松本にきっちりかえすよ。」
「…止めても無駄って…ことだよね…」
「ああ。」
自分の目の前で、大切なメンバーが殺された。
太一はもう、坂本を止めることは出来ないだろうと思った。
太一は、城島のことを思い出す。
リーダー、俺やっぱり無理だよ…。
「わかったよ。俺もかり、かえさないとならないやついるし…。」
「太一…。」
「とりあえず、坂本くんのかりから返しに行こう。」
坂本は、太一も自分の目の前で城島を殺されたことを、思い出した。
「そうだな。」
二人は、岡田の亡骸に手を合わせ、松本の後をおった。
あたりに誰もいなくなったのを確認すると、
岡田は、静かに立ち上がった。
「みんな、若いなー。」
太一と坂本の背中をみながら、岡田は思わずそんな言葉を口にした。
「相葉、それにしてもあいつ、なんやったんだ?
なべのふた、持ってたんか。どないするんや、あんなもん。」
しかし松潤、えらい勢いで刺しよったなー。
ちょっと、痛いねん、背中。
岡田は、血のりがべっとりとついた服を脱ぎはじめた。
「それにしても、あいつ、ストレス溜まり過ぎやな。」
そろそろ放送時間やし、俺が殺されたこと、はよ、
みんなに伝えてもらなアカンな。
ポケットから、無線のようなものを取り出すと、
岡田は、自分が死んだことを伝え始めた。
ド素人さん、行進乙dです。
自分もたこ焼き地方なんだが、ツヨシで1つだけ気になるのが「〜ですねん」です。
こういうのは使わないので……。
「〜やねん」に変えてはどうですか?
>885
ご指導ありがdでつ
メモメモ
うpしながら、設定シクツタと…orz
でもガンガル
では後ほど交信きまつ
東山は、民家で夜明けを待っていた。
いつもと変わらず、トレーニングをする。
腹筋、腕立て、etc・・・
トレーニングをしながら考える。
社長が、こんなことを望んでいるはずがない。
ツヨシにしても、それはきっと同じだろう。
じゃあ、何故?誰が?何の為に?・・・
いくら考えても、答えは見つからなかった。
「走りにでもいくか。」
ドアをあけると、そこには、木村の姿があった。
二宮は歩き回っていた。
「きっとなんとかなるって。みんな、どうしてるかなー。
相葉ちゃん…泣いてないかな。」
その時、人影が近づいて来た。あれ?
あれって…坂本君じゃん。太一君もいる!
やった、なんか、これって、いい感じ!
「坂本くーん。太一くーん。」
坂本の顔はいつになく険しかった。
「松本、みなかったか。」
坂本の声は明らかにいつもと違っていた。
「見なかったですけど…どうしたんですか?坂本くん。
なんか、怖いですよ。」
「もし見たら、俺が探してたって伝えとけ。」
「は、はい。」
二宮は坂本の言葉に、思わず早口で聞かずにはいられなかった。
「なんで、松潤探してるんですか?俺も一緒に行ってもいいですか?」
「お前は、来なくていいよ。」
太一が悲しげに呟く。
「なんで?置いてかないでくださいよ〜。」
坂本と太一は、二宮の言葉は耳に入らないかのように、歩き出した。
「太一君、僕も一緒に行きます。」
二宮がそう言ったとき、
「うるせーんだよ、お前。着いてくんな。」
坂本が怒鳴った。
「なんでですか…そんな…冷たいじゃないっすか。
坂本くんも、太一君もそんな人だと思わなかったっす。」
その瞬間、二宮は、倒れていた。
坂本は二宮の胸座をつかみ、拳を振り上げた。
「さ、坂本くん…。」
坂本は、二宮から目をそらすと、静かに立ち上がった。
「お前は知らなくていいんだよ。頑張れよ。」
坂本は二宮を立ち上がらせ、立ち去ろうとした。
「どうゆう意味ですか、それ。わかんないっすよ。」
二宮は坂本の腕をつかんだ。
「そんなに知りたいか、二宮。」
太一はポツリと呟く。
二宮は、言葉が出なかった。
でも、ここで聞かなければ、きっと、後悔するような気がした。
「はい…教えてください。」
辺りが少し明るくなってきたので、植草は、動き始めることにした。
とりあえず、誰もいないところで撃たなくっちゃね、危ないし。
植草は、中居が自分の矢に当たって死んだ事は、今だもって気づいていない。
誰もいなそうな、原っぱを捜し歩いていると、なにやら人の声が聞こえてきた。
「朝っぱらから、元気だなー。若いって素晴らしい!
殺し合いって感じじゃなさそうだし、行ってみっかな。」
植草は声のする方へ、吸い寄せられるかのように歩き始めた。
植草の後を草gがついて来ていたことも知らずに。
ど素人さん、頑張ってください。
このままこのスレがなくなると見習いさんの動向がわからなくなるので
今のうちに1レスお借りします……
お探しの方どうぞ つメル欄
ここではじめて、ご迷惑おかけしまつ
でも、始めたからには完結めざします
では、再開
「松潤…岡田、殺したんだ…」
「え??」
二宮には太一の言葉が理解できなかった。
「本当だよ。」
太一は、辛そうに二宮に伝える。
「嘘だ、そんな。俺置いてきたいから、またそんなこと言って。
言っていい冗談と悪い冗談、考えてくださいっすよ〜。」
二宮は少しむっとしていたが、平然を装った。
しかし、太一も坂本も何も答えない。
「嘘だ!あいつが、潤くんがそんなことするわけないっ。」
二宮は、大きな声で叫んだ。
「俺だって、そう信じたかった。」
坂本も、重い口を開く。
「あいつ、岡田のこと刺したんだ。
それも、無抵抗な岡田に何回も何回も、笑いながら刺し続けたんだ。」
「二人とも、僕をからかってるんですよね。冗談きついっすよ。」
「二宮、これは本当のことなんだよ。」
「ウ、嘘ダー。」
ド素人サン乙です(=゚ω゚)ノ
自担二人はまだ最初した出てきてないのでテラタノシミス!!
二宮は肩からぶら下げていた、マシンガンを乱射した。
弾が切れるまで撃ちきった。
嘘だ嘘だと、叫びながら。
―――――当たりは静まり返っていた。
我に帰ると、そこには見るも無残な姿の、坂本と太一の姿があった。
「なに、これ?」
「俺が…俺が… わーーーーーーーー。」
二宮は、半狂乱になり、ただ、ひたすら走り続けた。
国分太一 死亡
坂本昌行 死亡 【残り23名】
あれ、俺ってもしかして、撃たれた?
視線を感じ後ろを振り返ると、全身血だらけの草gがいた。
「草g、お前、大丈夫か?」
目を見開いたまま、立ち尽くす草gから返事はない。
「もしかして、俺、流れ弾に当たったのか?」
草gは何も答えてはくれない。
「やっぱり、俺って殺されちゃうのね。こんなことなら、
明るくなって来たときすぐ、これで、遊んでおけばよかったよな。
死ぬ間際まで、こんな事考えてる俺って、ちょっと格好いいと思わねえ?」
植草は黙ったままの、草gに笑いかけた。
「あーボーガン、どこまで飛ぶか見たかっ…た…な…」
草gは、植草が動かなくなるのを、最後まで、ただ見ていただけだった。
自分が中居を殺したことを最後まで知ることのなかった植草を、
少しうらやましく感じた。
「カッコいいわけ…ないでしょ、どう考えたって。」
草gは、植草が残したボーガンを拾い上げると、
二宮に殺された、国分、坂本の武器を手に入れるため、植草に別れを告げた。
「さようなら、植草くん。」
植草克秀 死亡 【残り22名】
>894
そろそろ、登場する気配でつ
私の予想が正しければですが…
まだまだいきまつ
AM5:00
「みなさーん、おはようございまーす。よく眠れましたかー?
なんか、寝てない人もおるみたいやねー。
本日2回目の放送です。じゃあ、禁止エリアをお伝えします。
ペンと地図の用意は出来きとりますか?
この後の禁止エリアは、Cの2、Eの3、Eの6。
これから一時間後です。
これまでに、お仕事が終了した人は…」
やっぱりいるのか・・・ 何でみんな…
助けられる誰かがおるうちは、俺は続けると決めたやろ。
「・・・岡田。…」
一瞬ツヨシは、言葉に詰まる。
「ツヨシくん、感情は殺してくれなきゃ困りますって。」
迷彩服がマイクをOFFにしてツヨシに指示する。
「わかっとるわ。」
「…太一君。坂本くん。植草くん。以上4名です。
この調子でどんどん、お仕事しちゃってくださいね。
今回の放送は、以上です。
あーそれと、大野と長ちゃん。二人ともええ加減起きてなー。」
多分ド素人サンの予想通りですお^^
(Ο´・ω・`)ワクワクテカ(ry
「岡田…死んじゃったんだね…」
「そうだな」
「坂本くんも…」
「ああ、そうだな。」
「ああ、そうだなって、なんだよそれ。
ゴウは二人が死んだのに、なんとも思わないのかよっ。」
森田は、何も答えようとしない。
「ゴウ?ゴウってば!」
三宅が森田の腕を揺さぶる。
「うっせーんだよ、お前。俺達、殺し合えって言われてんだぜ、今。
わかってんのか?殺されたって不思議じゃねーんだよ、バカッ。」
「何言ってんだよ、ゴウ。お前、何言ってんだよ。」
三宅は、泣きながら森田をたたき始める。
「お前、誰が殺ったと思う?」
「えっ?」
「だから、誰が殺ったって思うっかって聞いてんだろーっ。
お前、日本語わかんねーのかよ。」
三宅は、驚いていた。
森田の口からそんな言葉が出る事など、予想もしていなかった。
ゴウどうしちゃったの?
ゴウどうしちゃったの?
隣にいる森田が何を考えているのか、
三宅には全くわからなくなった瞬間だった。
「大野、今の放送聞いてたか?」
「はい。なんか、起きろって言われちゃいましたね、僕達。」
「ああ。」
寝転がったまま、二人とも起きようとしない。
「死んだ人増えたみたいですね。」
長瀬は、黙ったまま頷いた。
「それにしても、嵐、しぶといですよねー。まだ、誰も死んでないし。
俺なんて、寝てたんだから、殺られちゃっても、おかしくないはずなのに(笑)」
長瀬は大野の言葉で、嵐がまだ誰も死んでいないことに気がついた。
今までに死んだのはSMAPの香取、中居、V6の岡田、坂本、少年隊の植草。
滝沢と今井も死んでいないが、二人組だし人数から言っても、
残っていても不思議はない。後…光一。
光一はどうしてるだろう。
「俺、行くね。ツヨシも起きろって言ってたし。」
長瀬は立ち上がる。
「そうですか、じゃあ、また。」
大野は起き上がって、長瀬に向かって頭を下げた。
「あのさ…。お前…」
「なんですか?」
長瀬は、大野の顔を見た。
「…やっぱいいわ。」
大野を残し、長瀬は歩き出した。
右手を軽く上げ、じゃあな、とでもいうように。
大野は小さくなってゆく、長瀬の背中を見送っていた。
「長瀬くん…違いますよ。」
大野には、長瀬が、「お前…」の後に続けようとした言葉が解っていた。
「みんな、辛いですよ、きっと。」
大野は、再び寝転がると、嵐のメンバーのことを考えた。
それにしても、本当に嵐って、しぶといな。
俺、これからどうしようかな。
そんなことを考えながら、大野はそのまま再び瞳を閉じた。
こんな時も、寝るのが一番と思っているようにも見えた。
自担・・・ キ
タ
ァ
ァ
ァ
ァ ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ァ
ヽ\ // ∧∧ 。 ゚ (゚∀゚)っ ゚ (っノ
`J
「木村。」
「どうも。お出掛けですか?」
木村は、ポケットに手を入れ、ドアの前に立っていた。
「ああ。走りに行こうかと思ってね。」
「そうですか。」
「一緒に行くか?」
「ふんっ。」
木村は、鼻で笑った。
「こんな時でも、走りにいくんっすか?余裕っすね、東くん。」
「体が基本だからな、この世界。お前も一緒に走るか?」
東山がドアを出ようとすると、
「ちょっと、待てよ、こらっ。」
木村に腕をつかまれ、室内に投げ飛ばされた。
「どうした。木村。」
「探してたんだよ、あんたを。」
「俺を探がしてた?」
東山は木村が自分を探している理由に、すぐに察しがついた。
「あーそうだよ。てめー、ツヨシとグルだろ。」
東山は、木村に気づかれないよう、そばにあるステッキを手にとった。
「それ、なんですか?」
木村が気づかないわけもなく、東山に馬乗りになる。
その時、後ろから声がした。
「あれ?なにやってんの?木村くん。」
ハリセンを片手に、不思議そうな顔で木村を見つめる稲垣。
「やっと、みつけたー。ここにカメラあるんだ。
木村くん、何処カメラ?」
稲垣の声で、木村の力が一瞬弱くなった時、東山は、木村を蹴り飛ばす。
「ってーなー。何すんだよっ。」
木村は再び東山に飛び掛る。
「二人ともいいなー。格好いいシーンだ。
俺なんて、みてよこれ。ハリセンだよ!?」
稲垣は、そう言うと、ハリセンを片手に、
「なんでやねん!(パフッ)」
つっこみの練習をはじめた。
「ぷっ。ははははは」
東山は大きな声で笑い出す。
それにつられるかのように、木村も声を出して笑い始めた。
「二人共、笑うなんて。いいよ、いいよ。
所詮、僕は、お笑いの方が似合ってますよ。」
稲垣は、少し怒ったように口をすぼめた。
「木村。」
東山に呼ばれ、木村の体は、ビクッと動いた。
「お前、俺とツヨシがぐるだと思っているみたいだけど、それは違うぞ。」
「え??」
木村ではなく、稲垣がこの言葉に声を出した。
「俺は何も知らない。ただ一つ言えることは、この仕事はもう始まった。」
木村はしばらく黙っていたが、東山のうつむく姿を目の当りにすると、
本当に何も知らされていないのかもと、思い始めた。
「信じてもいいんっすか?」
「こんな時に嘘は必要ないだろう。」
「それもそうっすね。」
二人のやり取りを聞いていた稲垣は、やっと今、
この仕事がドッキリでもなく、
本当に殺し合いをする仕事だと解った。
「どうするつもりっすか?」
木村は東山に答えを求める。
「俺は、あそこを出る時に約束した。必ずツヨシを楽にすると。
だからツヨシに、この仕事を終わらせるよう、説得する。
それまでは、俺の邪魔をするやつは敵とみなす。」
東山は、一点を見つめたまま静かに話した。
「もしも、ツヨシが説得に応じなかったら?」
「俺がこの手で、ツヨシを殺す。」
東山の拳は、震えていた。
東山じゃないとすれば、後は光一か。東山がいれば、光一も捕まえやすそうだ。
「俺、東山さんに乗りますよ。吾郎、どうする?」
木村は吾郎に確認する。
「どうって…どうしよう。」
「何、情けねー声出してんだよ。」
「だってさ…殺し合いだよ…信じられる?」
「じゃあ、好きにしろよ。俺は、東くんと動く。」
木村はそう言うと、東山に話し掛ける。
「俺ここに来る途中、松本に会ったんすよ。」
「松本か。」
「はい。あいつ、怯えまくってって、助けてくれって。
とりあえず、灯台に行かせておいたんで、あいつも拾ってっていいっすか?」
「かまわないよ。」
「じゃあ、灯台本部って事で。」
木村と東山は、それぞれ、違う気持ちを胸に抱き、民家を後にする事にした。
「僕も…いく。」
稲垣は小さく呟いた。
お気づきだとは思いますが
自分今までの素晴らしい職人様方とは程遠く
基本的に、イエ、完全に
ドノ様な場所で
ドノ様な状況で
ドノ様な形で… etc
を無視した状況で進めております
会話、会話、会話 偶に心
この二つメインでこの先も書き溜めてアルカモ…
本当は先にあげた3つの要素もとても大切なのでしょうが
その辺、自分には力不足で…orz
本当にスマソ
丁度100迄終ったので
思いきつてお話しまつた
ド素人
ド素人様
ドノ様が、わからないんですが?
あまり気にしなくてもいいのでは?
自分はド素人サンの会話 会話の流れが好きですよ。
何も気にしないでド素人サン流で書き進めてください!!
長文スマソ
ド素人さん、乙です。毎日更新楽しみです。
ところで、今更なんですが番号ずれてますよね?
4が2つあります。まぁ、別に支障は無いのですが…。
>909
「どのような〜」と読むのでは?見当外れだったらスマソ。
ド素人さん、乙です。
自分もド素人さんで進めてホスィです。
なんか自担がはみ出されてる…ww
913 :
ななしじゃにー:2006/05/10(水) 13:14:22 ID:XcEoPbs1
毎日よんでいます☆
つぃ夢中になってしまいます…(-^〇^-)
ド素人さん流に進めていって下さい☆更新が楽しみです。 でも、流れからいくと光一って木村に殺されますよね? なんていぅか、つよしがぁの役なら、今はまだ殺さないでいた方がいいのかなッて気もします。
長文すみません。
自担、携帯片手にPC弄ってるだけ…ド素人さん、是非彼に活躍の場を。
…いや、活躍しなくてもいいから先が読みたいです。
暖かいオコトバ
本当に…目汁デツ
このまま続行で行くデシ
ご要望もいろいろあるとは思いますが
その辺は…
では、今日も元気に交信カモ
井ノ原、松岡、山口は灯台に来ていた。
「波乗りしてー。」
山口が窓の外の波を見ている。
「海は禁止エリアだって。」
松岡は一応つっこんでおく。
「ツヨシも趣味悪ィよな〜。海は遊ぶとこだって。」
山口は海を見ながら、サーフィンのポーズを続けていた。
井ノ原は、机の上に寝転がって、その様子を楽しそうに見ている。
珍しく、大人しい井ノ原だ。
「さてと、どうしましょっか。」
のんびりしていた二人に話し合いを始めるべく、松岡は二人を手招きした。
「俺さー。」
「なに?」
井ノ原が口火を切った。
「んー。いろいろ考えたんだけど、やっぱり、
ツヨシに、これ、もうやめるように言うしかねーのかなって。」
松岡も、山口も何も答えない。
「だって、ほら、正直、死にたくないでしょ。俺達。
ツヨシに頼んで、助けてもらうってのが一番いいんじゃね?」
松岡は、黙って、その場から出て行った。
「あいつ、どうしちゃったの?」
「さあ?」
山口は、両手を上に挙げ、わかりませんとジェッシャーした。
「で、どうやって、ツヨシに近づく?」
「んー。そこなんだよねー。問題は。」
「って、考えてねーのかよ。ははは。お前らし〜。」
そう言うと山口は口に指を立て、【しーっ】というポーズをとり、
地図の裏に文字を書き始めた。
【盗聴されてるっぽい】
「え??」
井ノ原が声を出したので、山口はもう一度、口に指を当て、
更に文字を続けた。
【首、マイク着いてる】
そういうと、山口は、首輪の中央の小さなくぼみをいじって見せた。
「松岡のとこ、行ってくるな。」
山口はそう残すと扉を開け、部屋から出て行った。
走った。
ただ、走り続けた。
走って、走って、何もかも忘れたかった。
潤くんが、岡田くんを殺した。
そんなの嘘だ、絶対に嘘だ。
やがて息が続かなくなり、二宮は、その場に倒れこんだ。
「冷めて…。」
二宮の頬に、ひんやりとしたマシンガンが当たる。
俺…撃っちゃったんだ…
俺…太一君と坂本くん、撃っちゃったんだ。
「ごめんなさい。ごめんなさい…。」
二宮は自分の犯したことの重大さを、感じ始めていた。
「だーれか、いい武器持ってないかなっ♪」
松本は灯台へ向かう前に、どうしても新しい武器が欲しかった。
「そーだっ!さっき放送で、いっぱい死んじゃったんだよね〜。
武器まだ残ってるかもっ!
でももう、持ってかれちゃってる?」
松本は立ち止まり、振り返った。
遠くから、ざわざわと草が揺れる音が聞こえる。
誰か来る。
頭を低くして、じっと目を凝らしてみる。
「ニノじゃん。ラッキー!」
松本は、大きな声で、二宮を呼んだ。
「二ノー! 二ノー!」
二宮の反応はない。
「何だよ、無視かよっ。感じ悪ぃよ、ニノ。」
松本はポケットからはさみを取り出し、後ろのポケットに差し込むと、
何食わぬ顔で、二宮に近づいた。
「どうしたの、ニノ?」
「潤くん…。嘘だよね、嘘だよね?」
二宮は全身汗だくだった。
体には多分血だろうと思われる、赤いしみがまだらに残っていた。
二宮の手には、マシンガンが握られている。
さすがに松本も、これには驚いた。
「大丈夫?ニノ?どうしたの?」
松本はさりげなく、二宮の背後にまわる。
「お前、岡田くん殺したの?」
一瞬、松本はドキッとした。見られてた?どうする、俺。
「そんな訳ないでしょ。誰がそんなこと言ったんだよ。
ニノ、俺のことが信じられないの?」
松本は、背中のはさみに手をかけた。
「そうだよね。潤くんが…潤くんが、人殺すわけないよね。
よかった…よかった…。お、俺、どうしよう。」
二宮は、突然、シクシク泣き出した。
松本は、ゆっくり二宮に声をかける。
「どうしたんだよ、ニノ。言ってみろよ。俺、聞くし。」
松本は、はさみに手をかけたまま、二宮に言う。
「松潤、俺…。撃っちゃったよ。坂本くんと太一君撃っちゃったよ。」
「別に、いーんじゃね?」
松本は言葉と同時に、二宮の背中にはさみを突き刺した。
「じゅ、ん、く、ん?」
素早くはさみを抜き、もう一度、振りかざす。
「だからさー。別に良いんじゃねえの?
ほら、俺だって、お前刺してるわけだし。」
松本は悪びれた様子もなく、淡々と話す。
「お前、本当は・・・。」
「あー。岡田くんね。
サクっと殺らせて頂きました。」
そう言うと松本は、二宮の肩からマシンガンを外した。
「欲しかったんだよねー。こうゆうの。
光一くんの武器、外れだったし。まあ、一応役には立ったけど。」
松本は、二宮の背中から、はさみを抜くとチョキチョキと音を鳴らした。
「やっぱ、あの二人って仲悪かったんだね。
俺達とは、全然違ってるね。ニノ、これ撃ってみていい??」
マシンガンを構える松本。
「お前、何で… そんなやつじゃないよな。
俺、信じてるからなっ。」
カシャカシャ、松本は二宮に銃口を向け引鉄を引く。
「なんだよ、これ、弾入るってね〜じゃん。弾、まだある?」
二宮は自分の意識がだんだん遠のいて行くのを感じていた。
目の前の松本は、二宮のリュックの中から、
マシンガンの弾を見つけたらしく、とてもはしゃいでいる。
「あった、あった。でも、これって、どうやんだ?
ニノ、わかる?」
松本は、まだ少し息のある二宮の隣にしゃがみ込んだ。
「お、前、どうしちゃったんだよ。」
「どうもしてないよ。ニノこそ、どうしちゃったの?」
「潤くん…」
「…死にたくないだけじゃん。しかも、戻ったらTOPだよ。
こんな絶好のチャンス、逃すわけないじゃん、俺が。」
松本は立ち上がる。
「お前、嵐、嫌だったのかよ…」
松本は、一瞬考えたかのように見えた。
が、
「うっせーんだよ。よーし、出来た。バイバイ、ニノ。
あー、相葉ちゃんになんか、伝言ある?」
ダダダダダ。
松本は、二宮にマシンガンを打ち込んだ。
「ごめーん。伝言聞きそびれちゃったね。
俺って嵐、失格?
ニノ、俺の為に死んでくれて、サンクス!」
松本は、右手の人差し指と中指を眉の横にあて、
敬礼でもするかのように、軽くはなした。
大きな声で笑いながら、
「灯台、灯台。」
と、軽い足取りで、歩き出だすその様子には、
もう、嵐の松本潤の姿はなかった。
ただひたすら、何かに取り付かれたように、
一度も二宮の方を振り返ることなく。
二宮和也 死亡 【21名】
>891
ネ申
ド素人さん乙です。
自担が自担に殺されてるよw
>942
もう1人がガンガリます…タブソ
ヒソーリ交信
「この地図、なんだよ。
つか、俺自体、今何処にいんの?」
大野と別れた後、何処へ向かうでもなく、
長瀬は、歩き続けていた。
「もう、マジ疲れた。」
長瀬は、丁度あった、倒れた大木を枕がわりに寝そべった。
嵐はみんな残っている。
絶対何かある。
俺は、これ(防弾チョッキ)をつけていたから、
とりあえずは、横になれたけど。
あんな所で、呑気に星を眺めていられた大野って…
この事を誰に伝えるか。
誰が良いのだろう・・・
この先どうしたらいいか、考えつきそうな人。
「マボ。マボ探してみっか。」
そういや、光一、どうしてるかな、あいつ…
1人で悩んでそうだよな。
「やっぱ、光一。光一探そっ。」
大きく手を上げ、伸びをした時、
「長瀬!」
と、呼ぶ声がしたと同時に、伸ばした長い腕に何かが触った。
「この地図、なんだよ。
つか、俺自体、今何処にいんの?」
大野と別れた後、何処へ向かうでもなく、
長瀬は、歩き続けていた。
「もう、マジ疲れた。」
長瀬は、丁度あった、倒れた大木を枕がわりに寝そべった。
嵐はみんな残っている。
絶対何かある。
俺は、これ(防弾チョッキ)をつけていたから、
とりあえずは、横になれたけど。
あんな所で、呑気に星を眺めていられた大野って…
この事を誰に伝えるか。
誰が良いのだろう・・・
この先どうしたらいいか、考えつきそうな人。
「マボ。マボ探してみっか。」
そういや、光一、どうしてるかな、あいつ…
1人で悩んでそうだよな。
「やっぱ、光一。光一探そっ。」
大きく手を上げ、伸びをした時、
「長瀬!」
と、呼ぶ声がしたと同時に、伸ばした長い腕に何かが触った。
「あああっ。」
「なに?なに?」
長瀬は飛び起きた。
後ろからは、呻き声が聞こえる。
振り返ると、そこいたのは錦織だった。
「錦織さん?どうしたんですか?」
「どうしたって。隠れてたんだよっ。お前、いて―よ。」
錦織は、長瀬をみて笑っていた。
「隠れてた…って…錦織さん。」
錦織のいつもと変わらない様子に、長瀬は何故かほっとした。
「長瀬〜、危ないだろう、いきなり手出しちゃ。」
「すみません。でも…あの…俺、伸びしただけっすよ。」
と、長瀬は錦織の方に向いた。
「お前、手〜長すぎ。長瀬だけに長〜せ?ははは。」
長瀬はニコリともしない。
「お前、笑うところだろ〜、ここ。先輩だぞ、俺。」
錦織は、お尻についた汚れをパンパンと払っている。
「錦織さん…それ…。」
「ん?なんだ?これか?吹き矢、吹き矢。俺の武器。
こっちの方が笑えるか?」
錦織は、手に持っていた吹き矢を見て笑った。
「そうじゃなくって…。」
長瀬がガタガタと震え出したことに気づき、
錦織は長瀬に近づこうとした。
「なんだ…よ。長瀬。」
「俺のせいじゃ、なイッスよね。」
長瀬は後ずさりしながら、錦織から離れて行く。
「何言ってんだよ、長瀬。落ち着けって。」
「俺のせいじゃないっすよ。俺のせいじゃないっすよー。」
長瀬は、走り出した。
「なんだ?あいつ。何が俺のせいじゃないんだ?」
今更、ツヨシに命乞いかよ。
井ノ原お前、何言ってんだよ。
「ふざけんな。」
松岡は表にある、らせん階段で立ち止まり、壁を思い切り殴りつけた。
下から、山口が上がってくる。
「まあ、いいじゃん。」
「兄ィ…。だって…。」
山口は、松岡の手を壁から下ろさせ静かに言う。
「目的は違っても、行きたい場所は同じだろ、俺達。
そう、焦るなって。」
松岡は黙って頷づいた。
「それより、あれ、見ろよ。」
松岡は、山口に言われ下を見下ろした。
「お客さん、登場みたいだぞ。」
山口の目線の先には、稲垣、木村、東山の姿があった。
「なあ、健。」
「なに…。」
「お前、死にたい?」
三宅は、黙ったまま、首を横に振る。
「だよなー。俺も、そうだよ。」
「うん。」
森田に三宅は声を出して頷く。
「だったら、お前どうする?」
森田は三宅に聞いた。
「どうするって…」
三宅は、答えが見つからない。
「岡田殺ったやつも、死にたくねーから殺ったんだよな、きっと。
1人しか生き残れねーって言ってたし。」
「ゴウ…。」
三宅は森田の名前を小さく呼んだ。
「お前さー、俺が殺れる?」
「何言ってんだよ、お前。そんなわけねーだろ。」
「だったら、お前、どうやって生きのこんだよ!言ってみろよ!」
「なあ、健。」
「なに…。」
「お前、死にたい?」
三宅は、黙ったまま、首を横に振る。
「だよなー。俺も、そうだよ。」
「うん。」
森田に三宅は声を出して頷く。
「だったら、お前どうする?」
森田は三宅に聞いた。
「どうするって…」
三宅は、答えが見つからない。
「岡田殺ったやつも、死にたくねーから殺ったんだよな、きっと。
1人しか生き残れねーって言ってたし。」
「ゴウ…。」
三宅は森田の名前を小さく呼んだ。
「お前さー、俺が殺れる?」
「何言ってんだよ、お前。そんなわけねーだろ。」
「だったら、お前、どうやって生きのこんだよ!言ってみろよ!」
三宅の首から手を離すと、森田は目を伏てしまった。
「どうしたんだよ、ゴウ。なんかおかしいよ。」
森田は何も答えない。
「だったら、ゴウは俺を殺すのかよっ。」
「そんなこと言ってねーだろっ。
ただ俺達は、今、そーゆー状況なんだってんだよっ。
わかってんのかよ、お前。」
三宅は立ち上がった。
「そんなこと知ってるよ。でも、俺、こんなのぜってーやだよ。
もう、ゴウなんて知らない。ひとりで死んじゃえっ。」
「つーか、待てよ、健。待てって!」
引き止めようと、森田は三宅の腕を掴む。
「ゴウなんか、知らないっ。勝手にすればいいんだ!」
三宅は森田の腕を振りほどき、止めるのも聞かず、どんどん歩き出した。
「勝手にしろよっ。」
森田は、三宅に背を向けその場に座り込む。
「なんだよっ。そんなこと言いたかったんじゃねーんだよ…
健…。なんでだよっ!」
灯台へ着くと、木村は松本を探した。
「まだ着てないみたいっすね。」
「ああ。」
木村と東山は辺りを警戒して慎重に進む。
「そこに、いるんじゃない?」
稲垣がドアに向かって指をさした。
ドアの向こうには人影か映っていた。
「松本、待たせたな。」
ドアを開けながら、木村が声をかけた。
「あれ?木村くん。」
「井ノ原…。お前、ここで何やってんだ?」
「あっ、東くんも!。」
井ノ原は東山を見つけ、うれしくなった。
「吾郎も一緒だ。」
「そーなんすっか?」
木村に言われ稲垣が後ろから、ひょこりと顔を見せた。
「山口くんと松岡も一緒っすよ。」
「山口と、松岡も一緒か。」
東山はそばにある椅子に腰を下ろし、部屋の中を見回した。
「松本、来てないか?」
木村は井ノ原に聞いた。
「来てないっすねー。来るんっすか? あいつ」
「ああ。もう着いてても、いい頃。」
木村も稲垣も、適当な場所に腰を下ろし、
松本と待ち合わせたこと、
殺し合いをする為にここに来たわけではないことを話し、
これから、どうするか一緒に考えないかと、話し始めた。
井ノ原は、黙って聞いていたが、
山口のメモを思い出し、山口がしたと同じように、
盗聴されていることを3人に伝えた。
錦織は、その場に倒れこんでしまった。
「なんだ、俺。どうしちゃった?」
意識がどんどん遠のいていく。
「俺のせいじゃないって…このことだったのか。」
この時、やっと、錦織は、自分の胸に木の枝が食い込んでいることを悟った。
「俺って、やっぱり、こんな死に方か…。
なんか、かっこ悪いくねぇか?
しかも、誰もうけてくれないし…」
この死に方は、植草の方が似合ってるよな…
俺、もしかして、おいしかった?
「長瀬、気にすん…」
錦織は、この後、一度も目を開けることはなかった。
錦織一清 死亡 【残り20名】
ド素人デシ
残り20人迄いきましたが
ヤパーリこのスレで終りきるのはムヅカシイカモ・・・
新スレ立てても良いものなのか迷ってマツ
938 :
ななしじゃにー:2006/05/11(木) 00:07:39 ID:00OF2Reg
全然いぃと思いますよ☆
ガンガッテ!!毎日楽しみにしてます(・o・)ノ
ムヅカシイカモ…って、分かってて使ったんじゃないの?
誘い受けみたいなレスは控えたほうがいいと思うけど
>939
そうですよね
気分害してスマソ
新スレ立てて続けたいので、
立てられなかった時はどなたかおながいします
タイトル思いつかないのでしばらく逝ってくる
今更発見して夢中で読んだ
ド素人さん乙
でも麺の比重つか、扱いもっと平等
だと嬉しい…
つの心配されっぷりに対して特に
死亡済みの麺達の存在の軽さが
(´・ω・)カナシス
>>938 ageんなよ、緑チャソww半年ロムってろ。
つはそこまで心配されてないと思うのは自分だけか?
何はともあれド素人さん、行進乙dです。
新スレ立てるなら、ド素人さんの作品が終わっても、
次にまた新しく始められるようなスレタイが(・∀・)イイ!ですね。
スレタイにJBRと入れるのは可?
スレタイ思いついたので戻りました
【蛇】知力・体力・武器の運【争】
で、いかがでしょうか?
比重の件でつが
隣版の方はレンタルなので薄め
鯛は特別ゲスト
他は約グループ単位
個人平等出来なくて本当にスマソ
見逃してホスイ
あともう少しここでやってから新スレにします
スレタイいいとオモー
行進大変だがガンガレ
早いうちにスレ立ててsageておいたほうが良くないか?
うん500まであと10チョトだし危険かも
スレ立てやってみるノシ
逝ってきますノシ
すみません、蹴られますたorz
行ってみます
スレ立てやってみます
ダメでしたorz
957 :
954:2006/05/11(木) 21:03:00 ID:iHJUsB2s
おわ、あぶね。
自分駄目でした。ドゾ>955
958 :
954:2006/05/11(木) 21:07:05 ID:iHJUsB2s
うわーもうほんとごめんorz
自分も駄目だorz
960 :
sage:2006/05/11(木) 22:11:10 ID:OZxHM9ha
出来たよー
ただ前スレリンク貼るの忘れてしまった…orz
961 :
ななしじゃにー:2006/05/11(木) 22:16:58 ID:OZxHM9ha
スレ立て初なので、誰かフォローヨロ…
とうとうこのスレともお別れか・・・(´;ω;`)
965 :
ななしじゃにー:2006/05/11(木) 23:23:47 ID:cBcryW0/
さよならだね
ド素人さん、行進ないのかな?
新スレできた事だし、安心して行進して〜
>950-962
本当にありがd!
またもや目汁が…
では新スレで
みんなカンガッテ1000まで梅よう!
ではさっそく。
ド素人サンが新スレで今日は行進あるって宣言してくれてるよ梅。
ご無沙汰しております。見習いです。
このスレがもう終わりなので、お世話になった皆様にお礼を言いたくてのこのこ参りました。
実は、こういう話を書いていていいのかと悩んだり思ったりして、しばらく続きを書けずにおりました。
けれど、数年も保守してくださっている皆様をありがたく思い、感謝すると同時に
やはり、最後まで書きたいという気持ちもあるのです。
たぶん皆様からの温かいお言葉がなければ、こんな風に続けることも出来なかったと思います。
一時書き込めなかった時に作ったサイトですが、これからはそこで細々と続けられたら…と思います。
もしかしたら、また投下に伺うかもしれませんが、そのときは温かい目で見てやって下さい。
今まで本当にありがとうございました。
ド素人さん、連日の更新お疲れ様です。
ご自分のペースで完結目指して頑張ってください。
みっ見習いさー――ん!!会いたかったでつ!
ちょうど読み返してたが見習いさんはヤパーリネ申。完結しようとしてくれて禿禿禿感謝。保守してヨカタ…
見習いサン
∧∧
キタ━\(゚∀゚)/━!!!!
〜(O )
∪
思えば初めて読んだバトロワが見習いサンの物で、作り話だと分かっていてもいろいろ考えさせられ本当に感動させてもらいますた。
自分見習いサンのバトロワ大好きなので本当に嬉しい。・゚・(ノД`)・゚・。
更新大変だと思いますが、いつまでも待っているので見習いサンもド素人サンも体に気を付けてガンガってください。
携帯からなので改行変だったらスマソ^^;
見習いさんだ〜!
待っててよかったです。
こちらこそ、楽しませていただいて有難うと言いたいです。
ご自分のペースで完結を目指してくださいませ。
どこで発表なさっても必ず読みに行かせていただきます。
あ…見習いさんのレスと同じフレーズを使ってしまったorz
見習いさん乙です!
忘れてたのかなーとか思ってたけど、うれすいです!
見習いさん会いたかったー
そのサイトのカウンター、ほぼ毎日回してた漏れちゃんが来ましたぉ!
まだまだ回し続けますので、書けそうなら是非続けて下さい
見習いさんお帰りなさい!ずっと待ってました〜!
あのサイトは見習いさん自ら立てたものだったんですね。
ちょうど読み返してて、続きが禿気になってたところでした。
あの続きが読めるなんて嬉しいです。幸せです。
ゆっくりでも良いです。見習いさんのペースで更新して頂けたら最高に幸せです。
書き手さん達皆さんガンガレ
とりあえず梅。
見習いサンのサイト行きました!!
本編も素晴らしいですが、other storyの方もほのぼのしててスキです(*´∀`)
続きガンガッテ下さい。ノシ
見習いサンのサイト検索してもでてこないお(´;ω;`)
皆さんどうやって行ってるのですか?見習いサンに迷惑じゃなければ教えてほしいお( ^ω^)☆
梅。
梅
梅。
お とか言ってるヤシには氏んでも教えられん。
梅
ume
梅おにぎりがスチ
もし良かったら見習いさんのサイトに行きたいのです。
教えていただけないでしょうか?
嫌だ
教えてチャンウザー